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  • 2015⁄10⁄21(Wed)
  • 00:06

闇公爵アスタロト

闇が全てを支配する中で、蒼白い月光にも似た光りが周囲を朧げながらも照らしていた。
その光りの中心に、美しい青年の姿があった。
手入れの行き届いた長い黒髪は緩やかに背を覆い、蒼白い光りの中で艶やかに輝いている。
透きとおるように白い肌は、女性以上になめらかなのだが、脆弱な甘さは微塵にも感じられない。
血の色を思わせる艶やかな緋色の双眸は妖しい輝きを放ち、尋常ではない青年の美貌をさらに際立たせている。
うすくて形の良い唇は、優雅な微笑みを浮かべているのだが、どこか視る者の魂を凍らせるような、おぞましくも凄艶な妖気を漂わせていた。
もし、なんの力も持たない者がこの青年の姿を見たら、ほんの一欠けらの躊躇もないままにその場にひれ伏し、
額を床にこすり付け、許しの言葉を口にしていたことだろう。

そう――――青年は激怒していた。

蒼白い光りの中、優雅に佇む青年は、激しい怒りに我を忘れかけている。
それは、冷静沈着で酷薄で残虐。つねに己れの感情と云うものを殆ど表さない青年にしては珍しいことだった。
激しい怒りに狂いかけている青年の正体は、悪魔の大公爵アスタロトだった。
アスタロトは、あまりに激しい怒りと苛立ちに自分を見失い、この世の全てを破壊したい衝動に駆られてしまっている。
一体、誰がこれほどまでにアスタロトを怒らせ、怠惰で美しいことを好む彼を悪鬼のごとく昂ぶらせているのだろうか。
アスタロトの激しい怒りを畏れるように、周囲の全てが凍りつき、息を潜めながら、慄き、震え、怯えている。
だが、そんな周囲の恐怖など、激しい怒りに自分を見失いかけているアスタロトにはどうでもよいことだった。
何故なら、怒りに狂うアスタロトの心を占めているのは、たった一人の少年なのだから・・・・・・
激しい憤怒に底光りしている緋色の双眸に映るのは、舌を噛まないように口枷を噛まされ、力なく目を閉じてぐったりと床の上に転がっている少年妖怪の姿だけ・・・・・・
永遠の伴侶として、地獄の世界につなぎとめた・・・・・・哀れな少年妖怪鬼太郎の姿だけしか、アスタロトの双眸には映っていない。

 フゥッ――――

怒り狂う己れの心を鎮めるように、形の良い唇が大きな息を吐いた。
そのまま優雅な動きで、黒い大理石の床の上に転がっている小柄な鬼太郎の身体を軽々と抱きかかえたアスタロトは、一瞬にして姿を消した。
意識を失っている鬼太郎を抱きかかえたまま、アスタロトが転移した場所は彼の領地である魔界の森だった。
鬱蒼とした魔界の木々が生い茂り、天高くそびえていた。
しかし、そんな魔界の木々たちも、主人であるアスタロトの訪れが判るのか、一斉に枝を振り、深い森の奥にある緑の褥へと彼らを導いていく。
従順な木々の姿に、形の良い唇をほんの少しだけ吊り上げたアスタロトは、ゆったりした足取りで褥へと向かう。
そうして、どれぐらい歩いただろうか。
一際大きな魔界樹のそびえ立つ緑の褥に辿り着いたアスタロトは、艶やかな緋色の双眸に淫虐な愉悦を浮かべると、
そのまま慣れた動きで、意識を失ったまま目覚める気配のない鬼太郎の身体を、大木の枝に吊り下げた。
――――アスタロトの魔力によって作り出された縄で――――縛り合わせたしなやかな両手をピンと上へ引っ張りあげたポーズで、
爪先がかろうじて地面につく高さに調整された華奢な肢体が魔界の宙に晒される。
脱出する際に、シーツを身につけていたのだろうか。小柄な鬼太郎の身体にはズタズタに切り裂かれたシーツが纏わり付き、殆ど全裸と云って良いほどに哀れな状態だ。
金色の柔らかな髪が白く柔らかな頬に絡まり、力なく目を閉じている鬼太郎の顔を隠していた。
乱暴に手折られた花のように無残な姿は、なまじ少女めいた可憐な顔をしているだけに痛々しく、そして被虐の色香を漂わせている。
しかし、今だ激しい怒りの嵐の中にいるアスタロトは、そんな鬼太郎の姿を目のあたりにしても、心を動かされることはないようだ。
血の色を思わせる美しい緋の双眸に、昏い怒りの焔を宿しながら、冷ややかに鬼太郎を見つめている。
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  • 2015⁄10⁄21(Wed)
  • 00:05

悪魔の美酒  

蒼白く美しい鬼火が、暗黒が支配する闇の世界を朧げに照らしていた。

それは眩しい輝きに満ちたものではなく、暗黒の世界にのみ存在することが出来る恐ろしくも美しい光りだ。
狂気にも似た朧げな光に照らされた空間の中、淫らに絡み付く二つの影があった。
地獄の大公爵アスタロトと、彼に魅入られ、囚われた少年妖怪の鬼太郎だ。
激しい情事のあとだろうか。
少女のように華奢な鬼太郎の身体には、濃厚な淫の気が残香として纏わり付き、囚われの少年妖怪をよりいっそう艶めかしい生き物に変えていた。
散々、弄られ、狂わされ、イかされ続けだろう。力なく垂れ下がっているペニスは夥しい蜜にまみれ、お漏らししたかのようにぐっしょりと濡れていた。
鬼太郎の限界をとっくに超えたすさまじい悪魔の悦楽に、地獄に囚われた哀れな少年妖怪は、
美しい緋色の隻眼を虚ろにさ迷わせながら、少女のように華奢な身体を小刻みに痙攣させた。
一体どれぐらい、アスタロトに犯され続けていただろうか。
地獄の底に連れ攫われた鬼太郎には、もはや時間の感覚はない。
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  • 2015⁄10⁄21(Wed)
  • 00:04

悪魔の宴  


 僅かな光りすら届かない闇の中に、鬼太郎は・・・・・・いた。
 小柄な身体をぐったりと投げ出して、鬼太郎は忙しない呼吸を繰り返している。
 ここに連れて来られて、一体どれぐらい時間が過ぎただろうか。
 鬼太郎には、もはや時間の感覚がない。
 地獄の公爵、アスタロトに魅入られた鬼太郎は、おぞましくも淫らな陵辱を休むことなく与えられ続けていた。
 時折、アスタロトが部屋を出るこの瞬間だけが、心が壊れるほどの快楽に揉みくちゃにされている鬼太郎に、僅かな休息を与えてくれる。
 だが、再びアスタロトがこの部屋を訪れたとき、鬼太郎の地獄が始まるのだ。
 類いまれなる人外の美貌を持った闇公爵アスタロトは、殊のほか快楽に喘ぐ鬼太郎を気に入り、様々な淫具や趣向を使って、囚われの少年妖怪を責め弄るのだ。
 ときには魔界に住む上気味な触手で、
 またあるときは、アスタロト自らが鬼太郎を抱いて、
 そしてまたあるときは、水の魔物が住む湖にその身を浸され、身体中のありとあらゆる場所を、本当に狂う寸前まで弄り犯された。
 あのときに、気が狂うことが出来たら、鬼太郎の悪夢は終わっていただろに・・・・・・
 快楽だけを求める、浅ましくも淫らな人形になったら、鬼太郎は永遠に楽になれたはずなのに・・・・・・
 だけど、アスタロトはそれを許さない。
 鬼太郎のことを気に入っているアスタロトは、自分の退屈を紛らわしてくれる可愛い玩具を決して壊そうとはしなかった。
 悪魔の執着で鬼太郎を弄り、死んだ方がマシだと思える快楽に、悲鳴をあげて喘ぎ身悶える少年妖怪を、愛しげな眼差しで見つめている。
 血の色を思わせる艶やかな緋色の双眸が淫らな愉悦に輝き、残酷な歓喜にまみれている。
 最高峰の力を持つ地獄の公爵アスタロトに捕らえられた鬼太郎は、もはや彼の意のままに狂う一人の少年だった。
 せめて、一欠けらの妖力でも鬼太郎の身に宿っていたら、彼は死に物狂いで抵抗しただろうに・・・・・・
 たとえ無駄だと判っていても、もがきにもがいて、自分を好き勝手に陵辱する男の手から逃れようとしただろうに・・・・・・
 だが、今の鬼太郎には、そんな力はない。
 鬼太郎がまだ人間界にいたとき、アスタロトの罠に落ちた彼は、その身に潜む妖力の全てを奪い取られていた。
 日本最強と謳われた絶大な妖力の全てを、鬼太郎は完全にアスタロトに奪い取られてしまっている。
 これでは鬼太郎は、なんの力も持たない無力な少年に成り下がるしかなかった。
 今の鬼太郎は、脆弱な人間と同じように、哀れで無力な存在でしかないのだ。
 そんな己れを恥じながら・・・・・・
 そんな己れに死ぬほどの屈辱を感じながら・・・・・・
 鬼太郎は、アスタロトに犯され続けた。
 日毎夜毎に、訪れるアスタロトの欲望の赴くままに、様々な痴態を見せながら、いやらしい精液をペニスから吐き出し続ける。
 そうして――――
 弄るだけ鬼太郎を弄って、邪悪な欲望を満たされたアスタロトが、少年妖怪を閉じ込めている空間から消えていく頃には、
 精液まみれになった抜け殻のような身体が、豪華な寝台の上に投げ出されているのだ。
 壊れた玩具のように、小柄な身体を投げ出して・・・・・・
 一つしかない綺麗な瞳を、放心したようにさ迷わせながら・・・・・・
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  • 2015⁄10⁄21(Wed)
  • 00:02

黒衣の悪魔

そこは、僅かな蒼白い月明かりが射し込めている黒い御影石で出来た広く神秘的な部屋だった。
 部屋の中央には、この部屋にとても相応しい見事な装飾で作られた豪華な椅子が置かれている。
 美しい椅子の上には、小柄な身体の少年が座っていた。
 少年は一糸纏わぬ全裸で、左右に大きく割り広げられた両足が、それぞれ椅子の膝かけ部分に縛り付けられている、
 大きく左右に割り広げられたせいで、少年の可愛いペニスも柔らかな恥毛も、淡い桜色をしたお尻の窄まりも全部丸見えだ。
 しかし、こんな恥ずかしい格好を取らされているにもかかわらず、少年は暴れたりもがいたりする素振りを見せなかった。
 どうやら少年は、意識を失っているようだ。
 金色の柔らかな髪で左目を隠した少年が、力なく首を垂れて、ぐったりと目を閉じている。
 なまじ、少女のように可愛らしい顔をしているだけに、そんな恥ずかしいポーズで目を閉じている姿は、淫らな性人形のようだった。
 そして、そんな哀れな少年の姿を、闇の中から、愉しげに眺めている二つの目があった。 
 ゆったりと腕組みをした黒衣の男が、淫猥な笑みを浮かべて、意識を失っている少年の姿を、ねっとりした眼差しで見つめている。
 美しい男だった。
 うすい鼻梁は美しく、形良く整った唇は酷薄な笑みが良く似合っている。
 そしてなによりも男の美貌を際立たせているのは、緋色に輝く艶やかな宝石の双眼だった。
 それはまさに人外の美貌と呼ぶに相応しく、悪魔が具現化するとしたら、この男のような姿をしていることだろう。
 全ての人間を誘惑して、堕落させるために・・・・・・
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  • 2015⁄10⁄17(Sat)
  • 22:17

全国大会の覇者 翼

「ごめんくださ〜い!」
自宅の風呂釜が壊れ、翼はまだ午後3時にもかかわらず石の湯ののれんをくぐった。
さっきまでグランドでたっぷり汗をかいた翼は、単純にも一番風呂の極楽気分という話に触発されたのだ。
番台は不在だった。翼はカウンターに百円玉をひとつ置いて、Tシャツや短パンを脱いでいった。
ガラス戸を開ける。だれもいない。そそくさとかかり湯を浴び、翼は大きな湯船に飛びこんだ。
「うわーっ、気持ちいい!」
全国大会の覇者とはいえ、生まれたままの姿だと、まだまだ無邪気な小学生である。
バタ足や潜水をひとしきり楽しむと、すっかりのぼせて足元がおぼつかなくなった。
湯船からあがって、ちょうど入ってきた客にぶつかりそうになった。
「あ、ごめんなさい」
「えっ、つ、つばさクン……」
その声はあねごこと、早苗だった。しかも、早苗の友だちの女子が4人もいた。
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  • 2015⁄10⁄17(Sat)
  • 22:13

翼のユニにぶっかけろ

「や、やめろ!俺のユニフォームに汚いことするな!」
「みんな翼のユニにぶっかけろ!特にナンバーのところに集中的にな」
「で、出る!!うっ!うっ!」
「これで10人目だぜ、もう染みこまなくて水たまりみたいになってるぞ」
「あぁぁ・・お、俺のユニに・・俺の10番に・・・」
「俺の10番だ?生意気言いやがって!いつから『俺の』になったんだ?
うぬぼれるな翼!」
ぼれやがって。」
「そ、そんな・・・」
「あれ?翼、なに勃起させてるんだ。自分のユニにぶっかけられて興奮した
か?さすがマゾ翼。おまえのもぶっかけてやる。」
「や、やめろ!!」
「自分のパンツで擦られて、ガチガチになってるぞ!気持ちいいんだろ?
ガマンしないで声だせよ!」
「や、やめろ!!俺はそ、そんな!うぐうう・・・くううう!!」
「もうでるんじゃねぇか?翼。歯食いしばってガマンしてねぇであえぎ声出せ!」
「くううっ!!うぐっ!!やだ!!やめろ!!触るな!!」
「ここはそうは言ってねぇぞ。おらおらおら!!翼!自分のユニにぶっかけちゃえ」
「あっ!」
びゅっ!!びゅっ!!びゅっ!!
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・そ、そんな・・うううっ」
「うわぁ、すげぇ勢い!たくさん出たなぁ。どんくらいためてたんだ」

目の前に置かれた自分のユニフォームに自分でぶっかけた翼。
自分のユニフォームを汚すことに目覚めてしまった瞬間だった(笑)
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  • 2015⁄10⁄17(Sat)
  • 22:09

翼が陵辱される


翼が陵辱される。何人ものチンポが顔面に押し付けられそのまま顔射される。
眼に入りそうなので眼を開ける事が出来ず次になにをされるか解らなくなり、
鼻にも垂れたザーメンが入って来たり、直接鼻の中に発射されたり、逆流した
ザーメンが出て来たり、といって息が出来ず、息をするために口だけが開いて
いた。その口にもチンポをブチ込まれ喉奥に射精されて息が出来ない。
顔面がうまっているのでまちきれないヤツらが耳の穴まで発射したり、髪の毛
にチンポ突っ込んで翼の後頭部にグリグリ押し当ててそのまま発射して生暖か
いものを感じたり、ザーメン頭からぶっかけられてシャワーを浴びた様に髪の
毛グシャグシャになったりする。跪かされて股間やアナルは無事なのだが、さ
んざん顔面陵辱された翼が開放された時にはザーメンまみれの床に転がって動
くこともできない。しかし息も荒く仰向けに転がっている翼の股間部分はテン
トになっていてギンギンだった。先端部分は何かの液で湿っていて汁がサカパ
ンから伸びた太腿に垂れている。サカパンの裾から手を突っ込み翼の勃起した
ペニスを引っ張り出すと、ブルンッ!と勢い良く露になった。熱く硬くギンギ
ンになったビクビクと波打つ翼のペニスがひんやりとした外気に触れる。
メンバーの前に曝された翼のペニスはビクンビクンと上下する度に先端から液
体を跳ばしている。誰かが翼のペニスを荒々しく摑みあげると激しく扱きあげた。
悲鳴を上げながらよがる翼。ほどなくして翼のペニスからは大量の白い液体が噴
出した。ひとしきりザーメンを吹き上げた翼のペニスはすっかり萎えて小さくな
ってしまった。息も荒く床に倒れこんでいる大空翼。凌辱の感覚が開いた事で油断
してしまっていた。しかしその翼の股間にメンバーは・・・
「翼!終わったと思ってるんじゃねえぞっ!!」「!?あがああああっっ!!!」
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  • 2015⁄10⁄17(Sat)
  • 00:06

アルス

ドアの前で、困惑の表情で立ち尽くす少年がいた。
黒髪にあどけなさの残るも凛とした顔。彼の名は、アルス。
勇者ロトの血を引く少年。仲間たちと、ぱふぱふの店まで来たのだが、
生来の生真面目な性格があと一歩を踏み出せずにいるのだった。
「おいっ」
突然、肩を掴まれ、後ろを振り向くと、そこには、
きつい目をした少年が立っていた。
つんつんと尖った黒髪に、クールといえば聞こえはいいが、
愛想のない無表情が整った容姿を近付きがたいものにしている。
彼の名は、アラン。
アルスと同じように勇者ロトの血を引くものだが、少し前までは、
異魔神の呪縛により『魔人王ジャガン』として呪われた道を歩んでいた。
しかし、今では、勇者の血の目覚め、アルスたちとともに行動を続けている。
「あ、アラン……いったい」
「来い」
不機嫌な口調で言うと、アランは、
強引にアルスの腕を取り、部屋の中へと入った。
「うわぁっ!」
ベッドに突き飛ばされ、声を上げるアルスをよそに、
アランは、ドアの鍵を掛けると、ノブを壊して、出入りを封じる。
「アラン、何を……っ!」
抗議の声を上げるようとするアルスだったが、無言のまま、
アランに詰め寄られ、言葉を失う。
「俺は……いやだ……」
 絞り出すような声で、アランが言った。
「い、『いやだ』って……な、何が?」
「俺は、おまえが他の奴に触られるのがいやなんだ!」
「んぅっ!」
そう言うと、アランは、噛み付くような勢いで、アルスの口唇を奪った。
アランの舌が口の中を思う様に貪り、アルスの思考が
どんどん奪われていく。長いキスが終わると、アルスの身体から、
すっかり力が抜けて、ベッドに沈んだ。
「……アルス」
 甘い声で囁き、アランは、アルスの服を脱がしていく。
 薄暗い部屋に少年の未発達な肉体が晒される。
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  • 2015⁄09⁄16(Wed)
  • 23:37

悟飯VSボージャックの小説

少年時代の悟飯が、宇宙を荒らし回るボージャック一味に、
果敢に闘いを挑み、ズタボロにされてしまう。
特に終盤のベアハッグにやられる悟飯の姿は、
その筋の人たち(w から大人気だ。

このやられのいいところは、成熟した大人の戦士ではない、
まだ未熟な少年戦士のやられというところ。
あと、少年悟空ともひと味違う、悟飯の「真面目さ」にあると思う。

悟空といえば、闘うことが好きで、いつも楽観的なキャラだ。
けれど悟飯は闘いを好まない平和主義者。
闘わなくて済むならそうしたいと思っている少年。
しかし偉大なヒーローである父親が死んでしまい、
地球の平和を守るために、悟飯は闘わざるを得なくなった。
本当は闘いたくないのに、自分が地球を守らなくちゃ……、
という使命感で闘っている。

だから、やられるときの悟飯は悲壮だ。
もとが好きで闘っている悟空は、やられながらも笑うけれど、
責任感で闘っている悟飯は、ズタボロにされるともう絶望しかない。

その精神的な脆さをボージャックは見抜いていて、
気張って闘っている悟飯の戦士としてのプライドを、
へし折りにかかるのである……。

目の前で、ヤムチャ、天津飯、トランクス、
ベジータ、そして師匠のピッコロまで、瞬殺された悟飯。
頼るべき大人たちを次々に奪われ、本当はショックを受けているのだが、
戦士としての使命感で必死に闘う。
そんな悟飯に、敵は卑劣な波状攻撃を続ける。
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  • 2015⁄08⁄29(Sat)
  • 00:34

潔癖症

イジメ注意


掃除がスキ。物を綺麗にするのがスキ。
だけど自分の部屋だけはどうしても綺麗に保つことは出来なかった。
ほら、お母さんが掃除しなさいって階段の下で怒ってるのが聞こえる。それでも部屋を掃除することだけは出来なかった。

(空白)

今日も呼び出されて犯された。
お尻の穴の中にモップの柄を突き入れられ、ぐちょぐちょと掻き回される。ヒイヒイと泣き叫ぶ。頬を叩かれる。腫れ上がる。
モップの柄が抜かれた。ぱっくりと拡がった穴からどろりと精液が漏れる感じ。お尻の下には水を張ったバケツが用意されていて、溢れた精液はその中にぽちゃんと沈んだ。ぽちゃ、ぽちゃ。垂れ落ちる精液。
誰もいなくなった後、自分の中に入っていたモップとバケツの中の汚れた水で床掃除、後片付け。
他の誰にも気付かれないように、キレイにしなきゃ、キレイにしなきゃ。

(空白)

部屋が汚れていく。お母さんが怒っている。
部活が終って疲れていた。机の上には埃が被っている。

(空白)

「お前最近、顔色悪いけど具合いでも悪いのか?」
心配そうな顔をした阿部君。阿部君は鋭い人だから、気を付けなきゃ気付かれてしまうかもしれない。
「な、なんでも、ないっ」
「そうか?そうには見えねェけど……」
「お腹減った、だけっ……だからヘーキなんだ、よ」
きゅるるるる。
丁度良いタイミングでお腹が鳴る。阿部君は少し笑って、腹の足しにしておけってガムをくれた。横で見ていた水谷君もガムを欲しがった。阿部君はイヤそうな顔をしていたけれど、結局ガムをあげていた。
水谷君がガムの包み紙を落とした。最初は気にしない振りをしていた。気になる。気にならない。気になる。でもダメ。気になる。
通りすぎて、戻って、包み紙を拾う。
掃除をすることはキライじゃなかった。

(空白)

今日も呼び出し。
持っていたスポーツバッグの中から筆箱を取り上げられた。ぐしゃぐしゃに落書きとかされるのがわかっていたから、教科書とノートは全部学校の机の中に置きっぱなしにしてある。
筆箱の中身が床に散乱した。えんぴつ、シャーペン、蛍光マーカー、消しゴム。一つ一つお尻の穴の中に挿れられる。挿れられて、えんぴつとシャーペンとマーカーの区別がつかないと唾を顔に掛けられた。
誰もいなくなった後、落ちていた消しゴムを拾って自分の腕に擦りつけた。
しゅっ、しゅっ、しゅっ。
他の誰にも気付かれないように、キレイにしなきゃ、キレイにしなきゃ。

(空白)

自分の部屋。埃を被った机の上でちょうちょが一匹死んでいた。疲れていたのでそのままにしてベッド倒れ込む。

(空白)

部活。三橋、と呼ぶ声。阿部君だった。
「……やっぱり、お前なんだかおかしいって」
「お、かしくなんか、ないんだ、よー」
「嘘吐け。体重は?睡眠はちゃんととってんのか?どうせ投球制限破って遅くまで投げてるんだろ」
「あ、あはは」
「アホ。ほどほどにしとけ」
気付かれなきゃ、なんでも良かった。
ズボンのポケットに手を入れるとガムの包み紙が出てきた。ゴミ箱に捨てる。ちょっとだけ気が晴れた。

(空白)

トイレに呼び出し。個室でフェラの練習をさせられる。顎が外れそう。苦しくて痛くて先っぽのところを少しだけ噛んでしまった。怒られる。便器の中に頭を押し付けられた。
ごめんなさい、もうしません、許してください、助けてください。
コックを捻る音。ジャーッと音がして水が流される。口からごぽごぽと水が入り込んできた。
この水がお腹の中の汚いものを全部洗い流してくれればいいのに……。
誰もいなくなった後、指を喉の奥に入れて胃の中のものを便器の内側に吐き出した。
他の誰にも気付かれないように、キレイにしなきゃ、キレイにしなきゃ。

(空白)

自分の部屋に戻る。ちょうちょはいなくなっていた。もしかしたらお母さんが片付けてしまったのかもしれない。とにかく自分で片付けた覚えはなかった。
机の上は相変わらず埃だらけのままだった。

(空白)

部活の朝練。今日も良く投げたつもり。
「……何があった」
阿部君が怖い顔をしている。でもいつもの顔だって十分怖いからヘイキ。きっと今回も上手くいくはず。
「ほ、捕手って、すごい、ねっ」
「は?」
「ピッチャーのこと、なんでもわかっちゃ、う」
「……みはし?」
「それとも、阿部君だからわかるのか、な……」
「…………」
阿部君の眉間に皺が寄る。怖い顔してる。目を逸らした。横を向いて、俯く。
「……お、お腹空いたなー、って」
阿部君はお弁当のおにぎりを一個くれた。直ぐに食べてしまうのが勿体なくて、食べたフリをして鞄にしまっておく。
チャイムが鳴って、練習が終って、着替えて、携帯を見る。
今日もまた、呼び出しのメールが入っている。溜め息一つ。
阿部君が心配そうな顔をして、こっちを見ていた。

(空白)

公園に呼び出し。
鉄棒に掴まらされて後ろから。乳首が棒に擦れて痛くて、それでも気持ちいいとか思ってしまって自己嫌悪。
面白いもの持ってないの?
鞄をひっくり返される。阿部君から貰ったおにぎりがころりと転がり出てくる。
それはダメ。やめて。触らないで。
言わなきゃ良かったのかもしれないし、言わなくても変わらなかったのかもしれない。笑われる。縄跳びで手を縛られる。
おにぎりのように地面に転がされて、目の前にラップを外した阿部君のおにぎりを置かれた。少し砂がついちゃったけどまだ大丈夫。
食べろ。
言われて口を開く。手が使えないから、犬食いみたいになってしまう。
一口目をかじった時、上から暖かいものを掛けられた。ツンと鼻に広がる臭い。びしょびしょびしょ。オシッコを掛けられていた。
阿部君にもらったおにぎりが水気を含んでぐちゃぐちゃになってしまう。
食べろ。
冷たい声が降りかかる。
泣きながら食べるとお米なのに変な味がした。酸っぱいような、苦いような。阿部君の心配そうな顔が浮かぶ。
じゃり、と口の中で音がする。小砂利を噛んでしまったみたいだった。
誰もいなくなった後、おにぎりを包んでいたラップを拾う。これはここにあっちゃいけないもの。おにぎりは今日の朝、ちゃんと美味しくいただきました。
他の誰にも気付かれないように、キレイにしなきゃ、キレイにしなきゃ。

(空白)

自分の部屋。なんだか違和感。
脱いだ洗濯物や辺り構わず積んでいた雑誌やマンガが小綺麗に整理整頓されている。机の上の埃もなかった。
今日はお母さんの仕事が休みだった。ありがとうって言って、お母さんはしようのない子ね、と笑う。
後で読みたいマンガがあったので本棚を探す。少し汚くなってしまったけど、まだまだ綺麗。

(空白)

学校の昼休み。田島君と泉君とお弁当を食べる。ハマちゃんは一個上の友達と食べるみたいで、今日は席が一つ空いていた。
「浜田の机に入れとこーぜ!」
田島君がいたずらでハマちゃんの机の中にコロッケパンが入っていたビニール袋を入れる。泉君が笑っていた。悪いと思いつつ、何も言えなかった。今日は別に綺麗にしたいとは思わなかったからだ。

(空白)

「ナイピッ!」
今日の阿部君は機嫌が良かった。怒られることもなかった。
「三橋、今日は調子いいじゃん」
「そ、そうか、な」
褒められると照れる。
「……そういやさ」
「な、なに?」
「こないだのおにぎり、ちゃんと食べた?」
どきり。急に胸を突き飛ばされたみたいな感じ。口をぱくぱくするけど、言葉が上手く出てこない。
「いや、別にいいんだけど。その場で食べてなかったみてェだから、どうしたのかなって……」
「あ……う……」
おにぎりは食べた。美味しくいただきました。
どこで?ここで。
違う、あの公園で。
でもあのおにぎりはちっとも美味しくなかった。思い出したら口の中がイガイガしてきて、すごく喉が渇いた。
「おいしかった、よ」
「本当か?無理して嘘言わなくてもいーよ。オレが作った訳じゃないし」
「うう、ん。ほ、ホントにおいしかったから、あの、梅のおにぎり……」
「……そっか。ならいいんだ。変な事訊いて悪かったな」
阿部君はそう言って、どこか悲しそうな顔をして笑った。花井君と栄口君に呼ばれて、阿部君は監督のところに行く。
そして今日も携帯にはメールが届く。

(空白)

何度目か忘れてしまった呼び出し。
マジックで乳首のまわりをぐりぐりと縁取られる。もどかしい刺激に身を捩ると、絵を描いてるだけなのに感じているのかとなじられた。
ぐりぐりぐり。独特の臭いから油性マジックだということが分かる。黒に塗られて、目みたいだと笑われる。これはきっと暫く落ちないと思う。着替えの時、気を付けなきゃ。
膝を抱えられて下から突き上げられる。気持ち良くなんかないのに、喘ぎが止まらなかった。
一度中に出されてぐったりしていると、髪を掴まれて目の前に出された瓶のラベルを読まさせられる。
“シンナー”
その瓶の中身を染み込ませたアンダーシャツで乳首を乱暴に擦られる。歯を食い縛って耐えた。それでも痛いし、恥ずかしかった。
誰もいなくなった後、アンダーシャツを拡げて見た。白かったところに黒い染みが広がっている。頭がふわふわする。シャツを丸めてゴミ箱に捨て、走って外の空気を吸いに行く。肺の中までおかしくされたくなかった。
胸いっぱい空気を吸い込んで吐き出す。さっきよりもずっと楽になった。
他の誰にも気付かれないように、キレイにしなきゃ、キレイにしなきゃ。

(空白)

部屋に入る前に庭で久しぶりにマト投げ。頭がおかしくなってないか、手は震えないか確認。ピッチャーだから、それってすごく大事。コントロールしか取り柄ないけど、それだけが唯一の自信に繋がるって最近分かった。
ちゃんといつも通り投げられた。すごく嬉しかった。
部屋はまだ綺麗。この間、出しっぱなしにしていた本を片付けようと思ったけれど、途中で読み始めてしまったから全然片付かなかった。どうしてだろう。

(空白)

体育の時間。今日はサッカー。
田島君はフォワード、泉君はミッドフィールダー、ハマちゃんはキーパー。一人ぽつんとラインの外。審判だった。でも、全然寂しいとは思わなかった。
ここからみんなの頑張っている姿を見るのは楽しいし、嬉しくなる。走って、ボール追っかけて、蹴って、すごくどきどきする。
「三橋ー!そっちボール!」
いつの間にか目の前の試合に見入っていて、声を掛けられたことに反応するのが遅れてしまった。
「ふごっ!」
顔面にボール、直撃。衝撃。
痛いと思うより先に視界がまっくらになる。声は反射的に出てきた。
意識してなかったから、これってきっとリラックス。
「三橋ィー!!」
「三橋!?」
「大丈夫か三橋!」
「三橋!三橋じゃないか!」
審判がホイッスルを吹かれるのは、ちょっと情けないハナシなのかもしれない。

(暗転)


(再開)

起きたらまっしろな天井が目に入った。
保健室だと直ぐ分かる。保健の中村先生と田島君が話しているのが聞こえた。
「じゃあ、田島の蹴ったボールの軌道が逸れて、三橋の顔面に直撃したってこと?」
「あ、はい。ゲンミツに」
「……厳密?」
「いえ、お気遣いなく」
「一秒足りともお前に気は遣ってねえよ」
田島君の言葉使いはたまに当っているようで間違っている。でも、それは田島君らしくていいと思う。
先生との掛け合い漫才みたいな雰囲気が面白くて、ついつい吹き出してしまった。それがカーテン越しでも聞こえたらしい。二人が振り返る気配。白いカーテンが開く。二人がいた。
「平気か?」
「う、うん」
「ごめんな」
「だ、大丈夫だよ」
「そうか?」
「うん」
田島君と短い会話が続く。中村先生が腋で計るタイプの体温計を持って来た。
「ボーっとしてたんだって?もしかしたら熱あるかもしれないから、一応計っといてよ」
ジャージのチャックを下ろし、体操着の隙間から渡された体温計を腋に挟む。
「三橋ってワキ毛薄いのな、生えてないみてー」
田島君が言う。どくん。鼓動が早くなる。
肌を見られてしまった?
シンナーで少しは落ちたとは言え、乳首にはまだマジックの黒が残っている。そう思ったら急に恥ずかしくなって、身体全体を沸騰した血が駆け巡ったみたいに手の先や、顔、耳までもが真っ赤になった。
ピピピピピ。
体温計が鳴る。三十七度六分。
「うーん。顔も赤いし、多分風邪だろうな。今日は部活しないで帰れよ」
中村先生が笑う。
田島君は少し残念そうに笑う。
今日は田島君とキャッチの練習をする予定だったのだ。
「ごめん、ね……田島君」
「おー、気にすんなって!そんなことよりとっとと治す方に専念しろよー」
今気になっていたのは、風邪でも、田島君との練習のことでもなかった。ごめんね、田島君。
気付いてないのなら、ずっとそのままでいて。
きっと今頃、教室に置きっぱなしの携帯はメールを受信して震えている。


※虐待注意

(空白)

呼び出し。カンペを渡される。こしゅこしゅ。扱かれながら、読む。
大好きです、愛しています、あなただけのものです。
今までで一番楽だったけど、今までで一番泣いたのもこの日だった。
誰もいなくなった後、カンペで床を汚した精液を拭く。直ぐによれよれになって破れてしまった。指についた分は舐めて綺麗にする。
他の誰にも気付かれないように、キレイにしなきゃ、キレイにしなきゃ。

(空白)

部屋がどんどん汚れていく。
田島君に貰ったグラビア写真集を鞄に入れっぱなしだったことを思い出す。水着の女の子が笑っていた。胸も大きくて、お尻はきゅっと引き締まっている。
いけないって分かっていたけど、ダメだった。止まらなかった。
名前も知らない女の子の顔が白で汚れる。
一緒だ。一緒。
汚される側じゃなくて、汚す側。
お風呂に入る。一時間浸かる。お母さんが見にきてくれなかったら、ユデダコになっていたかもしれない。それでも良かった。汚いままでいるのは嫌だった。
現実では洗っても洗っても、汚れたまま。

(幕間)

三橋の様子がおかしい。
最初に気付いたのはいつだったろう。そうだ。三橋の目が真っ赤に充血していたあの日。それから三橋は日に日にどこかおかしくなっていった。
元々、三橋はあまり律儀な性格ではない。いや、律儀ではないと言うと少し語弊がある。三橋は大雑把な性格をしているの方が遥かに正しい。
あの日を境目に三橋は変わっていった。周り対して気配りが出来るようになった。脅えるだけで自分から積極的に発言しようとしなかった三橋が、である。
例えば、花井にゴミをぶつけて遊ぶ田島を宥めたり、家の用事で途中抜けなければならなかった沖の代わりに掃除当番を変わったり、とにかく三橋は変わった。
気付いてる奴もいれば、そうでない奴もいる。
気配りが出来るのは悪いことじゃない。なのに違和感がある。三橋は何かを隠している気がする。
そういえば、あいつも。

(空白)

呼び出しは今日も止まらなかった。
ガムテープで目隠し。ガムテープで猿轡。両手、両足をダイノジに拡げさせられてガムテープで地面に張り付けにされる。
手や足や乳首、お腹、お尻の割れ目なんかを濡らした筆でちょいちょいと弄ばれる。擽ったくて胃がピクピクと痙攣した。時間が経つと筆を滑らせたところがベタベタしてくる。なんだろう。砂糖水だって。なんでだろう。
歯ァ食い縛って耐えろよ!
そんな声の後、お腹の上に何かをザーッと掛けられた。土の匂いがする。ぞわぞわぞわ。からだの上を何かが這い回る。
何これ何これ、怖いよイヤだよ。
声は出なかった。むーむーという音が出てくるだけ。
ちくり。
!!!!!!??
痛みが全身を駆け巡る。背中を反らせ、頭を振って逃げようとする。逃げられなかった当然だ。
ちくちく。
そんな生易しい痛みじゃない。針を尿道に突き刺して抉るような痛み。それだけじゃない。肌をたくさんの生き物が這い擦るような嫌悪感。痒い、痒くても、掻けない。動けない。
優しいオレが教えてやる……それ、蟻だよ。
咽の奥が震えるほど声を張り上げても誰かに届く訳もなく。
ちくり、ぞわぞわ、ちくり、ざわざわ。
最後はバケツの水を掛けられて終わり。ガムテープは最後までそのままだった。
誰もいなくなった後、水分を含んで粘着力のなくなったテープを自力で剥がす。最初に見たのはくっきり痕の残った手首。次に見たのは水溜まりに浮かんでいる大量の蟻の死骸。
気持ち悪い。
逃げようともがいたけれど、足にまだガムテープが張っていたので結局身動きが取れず、水溜まりに顎を打ち付けてしまう。
机の上で死んでいたちょうちょを思い出す。羽根を拡げて死んでいたちょうちょ。足を拡げて動けない今。
他の誰にも気付かれないように、キレイにしなきゃ、キレイにしなきゃ。

(空白)

家。部屋。埃を被った机。数ページ、くっついて開かなくなった写真集。写真集だけは夜中こっそり近くのゴミ置き場に捨てに行った。
部屋は相変わらず汚れっぱなし。
汚いのはイヤな筈なのに、どうしても部屋を片付けることは出来なかった。お母さん、ごめん。

(幕間)

三橋が手を洗っている。普通だ。普通だけれど、おかしい。石鹸を擦りつけて、さっきから何度も何度も繰り返し洗っている。擦りすぎて指先は赤くなっていた。
「何か変なものでも触ったのか?」
「う、うん……ちょっと」
「何触った?」
「え、う、う」
困ってる。困ってるというより、明らかに考えあぐねてるといった感じ。
「けっ、けっ、けけ、けけけけっ」
「!?な、なんだよ急に……!」
「けけ、けむっ、し!」
けむ し
毛虫のことか。いきなりケケケケ言い出すから、ついに壊れて笑い出したのかと思った。
「毛虫、触っちゃって、かゆくて!……えと、その……」
「あー……」
よく見ると三橋の腕や首辺りに小さな赤い発疹のようなものがポツポツできていた。所詮アレルギーというものだろうか。
「それじゃ洗ったって痒いままだよ。とりあえず保健室行って薬塗ってもらおう……」
「う、ん」
 肩を叩いて促そうとしたら、酔拳のような足捌きで露骨に避けられた。

(幕間)

三橋が薬を塗られている間、保健室に置いてあった本を適当に選んで読んでいた。
うちの保健教諭の中村は元々精神医学を学んでいたようで、校内でも週一ぐらいの割合で生徒のメンタルカウンセリングも実施している。その所為か、保健室に置いてある書籍類もそういった系統が多い。
「はい、終ったよ」
「うお、あ、ありが、ありがと……」
「お礼なんていいって別に、これが仕事だから。もう戻っていいよ」
「お、三橋終ったか?」
「うん」
「じゃ、戻ろう」
「……あー、ちょっと待って」
中村が三橋を手招きで呼ぶ。てけてっと近寄る三橋。中村が三橋に何かを告げると、三橋はこくりと小さく相槌を打って先に保健室から出て行く。会釈だけして後を追おうとして、直ぐに呼び止められる。
「なんスか」
「んーと。三橋のあれさ、あれ、毛虫じゃないよ」
やっぱり。そう思ったけれど、敢えて口には出さなかった。
「小さいけど、なんか噛み痕が沢山付いてる感じだった。……あいつ、最近アマゾンの奥地にでも旅立ったりした?」
「まさか!」
「……だよなあ。だったらどこであんな痕付けてきたんだろ」
中村はそれ以上詮索してこようとはしなかった。気にはなっているけど、一応一教師として生徒のプライバシーは保守しようとしているみたいだ。口は悪いがなかなか好感を持てる。
「失礼しましたー」
「おー、お前も気をつけろよー」
毛虫に。
ぞくり。そう、肌が粟立つのを感じた。

(空白)

呼び出しのメール。まだ続く。受信しては消し、受信しては消し。もう何通届いたのかは覚えてなかった。
十通以上かもしれないし、五通くらいかもしれない。
そんなことを考えながら指定された場所へ急ぐ。
遅れるな、と殴られる。唾を掛けられる。頭を抱えてごめんなさいをする。
今日は何をされるんだろう。こわくてどきどきする。
ビー玉を五つ、ローターを一つ入れられる。お腹の中がごろごろする。そのまま、ブレザーを渡されて着替えるように言われた。スカートだから、男物じゃない。パンツは履かせてもらえなかった。
ファミレスに行く。座っていると中に入っているのを感じてしまってとても辛い。
クツクツと煮え滾るように熱を帯びる。ローターのスイッチが入る。かちゃかちゃとビー玉同士が擦れ合う音。
目の前に出されたカレーライスを食べろと言う。しかも犬食いで。他にもお客さんがいるお店で。
泣きながら一口食べたら、隣の席からひそひそ声。
やめて、おねがい、こっちみないで。
振動音、摩擦音、喧騒が鼓膜にこびりつく。
スカートに染みが出来た。見付けられ、罵られる。ベンチ席にじわりと染みが拡がる。それを見られ、笑われる。
立ち上がった時、ビー玉が一つ落ちてしまった。コロコロ転がって行ったそれは、家族連れのテーブルのところで止まった。小学校低学年ぐらいの子がそれに気付いて拾う。
臭い!何コレ!
騒ぎ出す子供の声を聞いていられず、逃げるように店を出た。酷く惨めだった。
手を洗う。何回も手を洗う。洗った手を拭いたタオルが汚い気がして、タオルも洗う。そして手を拭くものがなくなってしまった。
他の誰にも気付かれないように、キレイにしなきゃ、キレイにしなきゃ。

(空白)

学校を休む。お腹が痛くて、だるくて、頭の中がほわほわした。お母さんが仕事を休んで看病してくれる。
携帯が鳴る。メールが届く。きっと野球部のともだちから。
分かっていたけれど、差出人をろくに確認もせず消去。一斉消去。ちらっと、「田」の字が見えた。もう消してしまった。受信フォルダの中はからっぽになった。
夕飯前になって誰か来る。阿部君だった。野球部の誰一人もメールの返事がなかったから、心配してくれたみたいだ。阿部君は優しい。阿部君は優しい人なんだ。
部屋に入るなり、阿部君。
「こんな汚ェ部屋で寝るから病気すんだよ!」
部屋を片付け始める。ふわっと埃が舞う。窓を開けて、換気。埃がきらきら光って見えて綺麗。
粗方片付け終ってから、阿部君。
「……悪ィ。病気で寝てんのに余計なことした」
阿部君は優しい人だ。悪気があってやった訳じゃない。何気無い優しさ、気遣いが心にしんみり拡がっていく。
ありがとう阿部君、明日はダイジョウブ。
そのまま、阿部君にはうちでご飯を食べてもらう。阿部君は遠慮していたけれど、お母さんと二人っきりで食べる時より楽しく食べれた。
玄関までお見送り。阿部君が帰った後、バケツを用意する。中には水。掃除用具入れから漂泊剤を持ってきて、半分くらいバケツに入れた。プールの臭いがする。清潔そうな感じがするので、この臭いは好きだ。
漂泊剤と水を混ぜた液体で雑巾を洗う。その雑巾で部屋中を拭く。阿部君が触っていたところは、特に念入りに。何度も何度も拭く。
気が付くと手が真っ赤になっていた。
少し、かゆい。

(幕間)

三橋が朝練に参加している。良かった。だけどやっぱり、どこかおかしく思う。
練習が終って、着替えに部室に戻ろうとした時だ。前に花井と田島がいた。後ろに三橋がいた。
ここで監督に呼ばれて目を離した数秒の間。
田島が三橋に気付かず、部室の扉を閉めてしまったのだろうか。閉まった扉の前に三橋が立ち尽している。
閉まった、と言えども近頃立て付けの悪くなってきた扉は、野球ボール一個分あるかないかの隙間が空いていた。三橋はグローブを持っているが、決して両手が塞がっている訳ではない。
それなのに三橋は部室に入ろうとせず、困ったように辺りをうろうろしていた。どうして。
初めは何か落としたのかと思ったけれど、そうではないみたいである。
躊躇しているように見える。何を。ドアノブに触ることを、だ。
「三橋ー、どうした?」
「あ、う……ちょ、ちょっと」
ドアノブと地面を交互に見つめ、俯く。
「ちょっと、どうした?」
「ちょ……う、ちょ……」
「ドア、開けないの?」
「……うう」
「開けられない理由でもあるの」
「!……うう、ん!な、ないっ!ないんだっ」
「ふうん……」
なんともない振りをして三橋の横を通ろうとする。引っくり返した石の裏に張り付いている虫みたいな動きで後ずさる三橋。
バイキン扱いか、バイキン扱いなのか。
……流石に傷付くぞ、それは。
心の中で涙目になりながら、三橋が触ろうとしなかったドアノブを捻り、扉を開ける。ギギギイと錆びた鉄が擦れる音がする。
「あっ、ぶな……けてっ!」
危ない避けて。
うっかり見上げた頭上、迫り来る黒板消しの残像。
粉まみれで真っ白な視界の中、腹を抱えて爆笑する田島には、呆れて怒りさえ湧かなかった。
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 03:20

Loves Life

闘技場から離れること数千キロ──こじんまりとした、だがふんだんに金をかけたと一目で解かるホテルの一室へ、ベイビーフェイスのボーイがワゴンを運んでいく。
廊下に敷き詰められた毛足の長い絨毯に、足を取られることもなく歩いて行く様子は、彼が幼いながら、かなりの熟練であることを証明していた。
ワゴンの上の、最高級の食材を惜しげも無く使ったオードブルの数々はさながら小さな宝石のように美しく、繊細なラインを誇張した2つのワイングラスとその傍らに置かれたワインボトルは、鮮血が詰められているのではないか、と疑うほどに深い紅──
(ふん…)
運びながら、彼はモノの価値もよく解からぬくせに、高いという理由だけでこのホテルのスィートへ泊まり、金持ちであることを見せびらかすためにこのようなルームサービスを注文したのであろう、高慢な客を鼻で笑った。
(いつだってそうだ…あの部屋に泊まりたがるのは、そんな成り金モノしかいやしないんだ)
職場を愛し、仕事を愛しているが、このホテルでの一番素晴らしい部屋を、そんな成り金オヤジが使っていると思うと、なんとなく腹立たしい。
そう思いながら、部屋の前へと立った。
(…どうせ、醜悪な顔をしているに決まってる)
若さゆえの思い込みで、その部屋の客を嫌悪しながら、すまし顔で呼び鈴を鳴らした。
数秒もしないうちに、ノブが回る。
キィ……
軽く、軋むような音がして重厚な扉が開いた。彼は中の客が姿を現す前に、深々と頭を下げ、恭しく挨拶を口にする。
「お待たせしました。ご注文の品をお持ちいたしました──」
(──?)
視線を落とした先にある、恐らくバスローブから伸びているのだろう脚を見て、ボーイは“醜悪な成り金オヤジ”のそれに違和感を覚えた。
そして、ゆっくりと頭を上げると、言葉も無く唖然と見上げるその長身の男──
「あ──」
彼の顔を視界に入れるために、思わずボーイは2、3歩後ずさってしまった。
それ程に大柄な男は、しかし無駄の無い美しい筋肉を肌蹴たバスローブの胸元から惜しげもなく披露している。
シャワーを浴びたところだったのだろう。濡れた前髪が額にかかっていた。
彫りの深い顔、つり上がった細い目──吸い込まれるような端正な顔立ちに引き込まれ、ボーイは暫し呆然と彼の顔を見上げ続けていた。
己とはまったく異なる──種が違うのではないか、と素直に信じられるほどに美しい獣に見惚れる。
「──なに?」
彼は、ボーイの状態が解かっていて、敢えて問うた。
ぼんやりを指摘された彼は、慌ててワゴンに手を伸ばすと
「あ…っえ……っと……ごっご注文の品を…っ」
焦るあまりに、スムーズに言葉が続かない。いつも言い馴れた、とちる事など無かったはずの台詞が口から出てこない。
「うん」
慌てふためくボーイの様子を、楽しそうに口元を歪めて眺めていたヒソカは、小さくそう呻づいた。
「こ…っこちら……っ」
「うん。じゃあ、中へ入れてくれるかい?」
すっと体をずらしてワゴンを招き入れる。
ボーイの無垢な瞳が、誰かを彷彿とさせる。部屋の主は、そんなことを思いながら、ボーイがワゴンを部屋の中へ入れるのを眺めていた。
闘技場で彼のために腕を磨き、自分と戦おうとしている、少年。
今ごろどうしているだろう? 90階での試合をつい2日程前にクリアしたところまでは見たけれど、あれから一戦でも負けたりしてしまったろうか。
あのまま順当に勝ち上がってくるのなら、もう2、3日で対面を果たすことが出来るのだが──。
「サインをいただけますか?」
物思いに耽る男へと、小さなレシートとペンを差し出しながら、尋ねる声も可愛い。
少年が育ったら、こんな感じになるのだろうか? などと思いつつ、不躾な視線を浴びせ掛けた。
見られている事を意識して、ボーイは緊張を隠せない。思わず手が震え、男の手にレシートを渡す前に床へと落としてしまった。
「す…すみませっ……っ」
だが、焦りながら、屈んで拾おうとしたボーイの手を、大きな手が止めた。男は、優雅にそれを拾い上げると、サインをする。
「はい。気を付けてね」
小さな手を取りレシートを持たせると、ぼおっと口を半開きにしたままのボーイの頬へ手を当て、すっと顔を近寄らせた。
「?」
抵抗する間もなく、唇を掠め取られる──それがあまりに鮮やかで、一瞬何をされたのか解からなかったボーイは、ゆっくり体を離していくヒソカの薄ら笑いを見──
「!」
遅れて知覚した彼は、湯気が頬から出てくるのではないか、というほど顔を赤らめて、レシートを握り締めた。
「し…失礼しました…っ!」
そう叫ぶと、わたわたと部屋を出ていき、後ろも振りかえらずに廊下を走っていってしまった。


普段なら、足音一つ立てずに歩いていくのだろうボーイが、バタバタと騒々しく走り去っていく後ろ姿を面白そうに眺めた後、ヒソカは扉を閉め、片手でワゴンを押しながら、部屋の中へと戻っていった。
「節操無し」
人の悪い笑いを浮かべて、顎を撫でていたヒソカを詰る声がする。窓際に置かれたソファに身を任せた青年が、呆れた視線を投げつけていた。
「失礼だな。拾ってあげたお礼を貰っただけだろ」
抜け抜けというヒソカに肩を竦めると、彼はソファの背から体を起こした。
黒い髪を豊かに伸ばし、緩く背で縛った彼の顔は、ヒソカとは種類が違うが、やはり負けず劣らず端正で美しい。
大きな瞳は、髪と同じく黒々と光り、だが何を映しているのかよく解からない、得体の知れなさを印象づける。
ノースリ-ブのシャツから生える腕は、その筋肉が存在を誇示する。
座っている状態でも、彼がかなりの大柄で、立ち上がればヒソカと遜色ないほどの体格をしているのは明白だった。
その、彼の傍らまでワゴンを持っていって、ワインのボトルを持った。
きゅ、きゅ、とこ気味よい音がして、ボン、とコルクの抜ける音が響く。
「イルミ。飲む?」
美しいグラスに、赤い液体を注ぎ込みながら、彼に尋ねた。
「要らない」
不機嫌な即答が帰ってくるが、ヒソカは怯まずもう一度勧める。
「そう言わず」
「要らないって」
「………」
イルミは強情に差し出したワイングラスを受け取ろうとしなかった。
一つ溜め息を吐いたヒソカは、諦めてグラスに口をつけたか──
と思いきや、突然彼の髪を掴むと勢いよく引っ張り、不意をつかれたイルミは上向きに顎を上げた。
「ヒソ……!」
その、無防備な唇に、己の唇を押し付ける。僅かに空いた隙間から、口に含んでいた液体を、どろりと流し込んだ。
「ぐ……っ」
開いた喉を、熱い液体が落ちていく。むせはしなかったが、味わう事もできずに胃に流しこまれたそれが、空っぽの胃壁を刺激していた。
もちろんそれだけでは許されず──ヒソカの舌が口内へ侵入してくる。
ワインの味の残る舌で、歯列をなぞられ、口蓋を舐められる。
不快なのか快感を感じているのか──イルミはただ、眉間に皺を寄せたまま、彼の蹂躪を許していた。
「……つまんないな、君は」
反応を示さない相手に飽きたのか、すっと体を離すとヒソカはつまらなそうに言った。
さんざ犯っておいて、よく言う…と、イルミはヒソカをちらりとも見ずにワゴンの上のオードブルをつまみ、口の中へほうり込む。
「どうでもいいけど、オレをこんなとこまで呼び出した理由はなに。セックスなら、他を当たれよ。オレは忙しいんだからな」
不機嫌そうなイルミを見、オードブルの皿を彼の目の前のテーブルへと移動させた。
「ボク、今天空闘技場にいるんだよね」
ワインとグラス2つを手に持って、イルミの向かいのソファに座る。
「それで?」
「……君の弟見ちゃったゥ」
「……あ、そ」
それくらい当然知っております、と驚きもせずに返事をする。リアクションが寂しかった事に残念そうな顔をするが、ヒソカは気を取りなおしてワインを注ぐと一息であけてしまう。
「大変だな、オニーチャンは」
「別に」
やはり即答すると、また一つ、オードブルをとり口の中へほうり込んだ。
「……酒も飲めよ」
食べてばかりなのが気に入らなかったのか、ワインをグラスに注ぐと、彼の目の前に置いた。
要らないといっているのに…とイルミは眉を顰めるが、また無理矢理呑まされて味わえないのもつまらない、と思いなおし、グラスを手に取った。
「連れ戻さないのかい?」
「いい。オヤジ公認の家出なんか、連れ戻したって意味が無い」
「ふぅーん」
ヒソカの含みのある返事に、イルミは視線を向けた。
「連れ戻して欲しいの」
「いや、そうだったら困るな、と思って釘刺しにきたんだけど…心配なかった」
イルミは、釘をさそうという言葉の真意が分からず、しばらく上機嫌でワインを転がしている男の表情を盗み見ていた。
邪魔だから連れ帰れ、とでも言うために呼んだのかと思ったが、彼の思考はそれほど単純でもないらしい。
だが、ヒソカの真意など知ったところで、キルアを連れ帰らないことには変わりないし、こんな変態男の目的などどうでもいいと考え直したイルミは、敢えて追求はせずに尋ね返した。
「で?仲良く友達ごっこしてる?」
「うーん。どっちかっていうと、恋人ごっこ…かな」
闘技場での2人の少年のいちゃくらぶりを思い出しながら、ヒソカは応えた。
「………それでいいの、君は」
「ん?なんで? 可愛いじゃないか。なにか問題が?」
「……取り戻せる、と思ってるんだ」
「何を?」
「ゴンを、だよ」
件の少年の名を口にすると、ぽす、とソファの背に身を預けた。そのまま目の前にグラスを翳すと、中身を通してヒソカを見ながら、彼の記憶を喚起させていく。
「ねぇ、君は誤解してるみたいだけどさ…俺の弟は、割と強情なんだよ。解かってる?」
「さぁ?」
「キルアはゴンを離さないだろうね」
「………」
赤い液体を通して眺めていた男はいつのまにか、今まで絶やさなかった笑みを消していた。
「前も言ったと思うけどさ。執着心の強さは、君以上、かもね。目的のためなら、命以外何を失ったって構わないと思ってる。今ごろ絶対にゴンを手放さない、と誓ってるだろうよ」
「でも殺したいとも思ってる──だろ?」
「そりゃ、そのうち殺しちゃうさ。けど、その時を俺はじっと待たなきゃいけなくなった。君のおかげで」
「おやおや……家へ帰ったからと油断して、キルアを放っておいたのはどこの誰だい?」
互いに痛いところを刺された2人の間で、見えない火花が散る。冷たく表情を強張らせた彼等の間で、バチバチと跳ね返る火の粉に、空気が熱っぽく変化していった。
「ゴンを殺されたくなかったら、キルアからさっさと奪えよ。じゃなきゃ……オレが殺す」
「ボクの獲物だと言ってるだろう。手を出すなと忠告しなかったか?」
「覚えてないな」
「じゃあ、思い出すんだね」
「殺した相手の事を、次の日には忘れてるような奴に言われたくない」
確かに、と首を竦めて苦笑いを浮かべた。
「ところでね──君のほうこそ何か勘違いしているみたいだけど…ボクが気に入ってるのはゴンだけじゃないんだよ」
突然の告白に、イルミが口を噤む。
「ボクは、キルアのことも気に入ってるんだ。──知らなかった?」
「初耳だな」
「じゃあ、これも覚えとくと良い」
酒を注ぐ。ボトルをわしづかみにした腕が、テーブルを挟んで向こう側のイルミのグラスへ伸びる。
「どっちもボクのおもちゃ、だ。そう簡単に持っていかせはしないよ。君が待てなかろうと何だろうと──」
殺気を湛えた瞳で、向かい側の男を見た。
受け止める男も、脅えもせずに剣呑な光がさす視線で応えていた。
揺らめく殺意が充満していく──



「……話はそれだけ?」
ひととき、2人、身じろぎもせず睨み合っていたが、イルミの一言でふっと空気が弛んだ。
「うん」
緊迫していたそれが、途端に霧散し、ヒソカも拍子抜けするほど穏やかな笑顔を浮かべた。
「じゃあ、オレは行くよ。どっちにしたって、今はキルアを連れ帰る気はない。そのうち、自分でゴンを殺して戻ってくるのを待つよ」
(…戻さないって言ってるのに…)
ヒソカは内心ぼやくが、これ以上言葉にする必要も感じられなかったので、首を竦めて話しを流すことにした。
そのまま、ソファから立ち上がり、入り口へと向かうイルミの後ろ姿に声をかけた。
「シてかないの?」
「言ったろ。性欲処理なら、他の奴としろって。さっきのボーイでも引っかけてきたら?」
「死んじゃうって」
「……手加減してやれば。ゴンの時みたいに」
「………」
その言葉の裏側に隠された奇妙な感情を感じ取り、一瞬目を丸くした。
が、すぐに 可笑しそうに喉の奥で笑い始める。
背後でヒソカの含み笑う声を聞きながら、イルミは部屋を出ていった。
 
 
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 03:10

Jack-In-The-Box

一回戦とさして変わらぬ手応えで、難なく勝ち抜けたゴンは50階ロビーでうろうろしていた。
「え・・・?」
チケットは既に受け取っていた。一刻も早くキルアに報告しよう、と喜び勇んでエレベーターホールへ向かったのだが
「君と同じくらいの男の子?・・・・まだ来ていないわよ」
50階へ案内してくれたエレベーターガールがにっこり笑って教えてくれたのだ。思わず耳を疑った。
『60階のロビーでまってるからな』
ズシと並んで出て行くときに、余裕綽々でキルアは言ったのだ。
自分よりも先に呼ばれたし、ずいぶん待たせてしまったに違いない。エレベーターガールは交代していなかったから、キルアがどれくらい前に上がっていったのか判ると思ったのだ。
まさか、まだ戦っている、なんて。
(まだ来てない・・・・)
そう簡単にキルアが負けるとも思えない。ひょっとするとどこかで遊んでいる、という事も十分考えうる。
だが、あちらこちらを見て回っても、キルアの姿は見つけられなかった。
とにかくエレベーターホールの前で待っていれば、すれ違いは避けられると思い、ホールのソファへ腰を掛けた。味気の無い真四角のソファだ。
一試合終わる度に遠くから喚声が聞こえる。時折、勝者が上階へ向かうためにゴンの前を通り過ぎていった。受付に人の影が立つ度に、ゴンは身を乗り出して様子をうかがったがどれもキルアではなかった。
(ちぇっ・・・・ずるいや、キルアばっかり。オレだって遊びたいのに)
いつのまにかキルアは遊んでいる事になってしまっていた。ゴンは受付を覗くのも止め、ソファに身を投げ出した。
ぷぅ、とふて腐れて目を閉じる。
誰かを待つという事は苦手だ。狩りをするときにじっと獲物を待つのとは全く違うのだ。なにか、得体の知れない不安に耐えなければならないから。
それに時間に任せて、考え事をするのも苦手だ。
「う~~暇だぁ・・・」
ごろんごろんとソファの上で転げまわる。大体こんな時はろくな事を思い出さない。
『好きだ』
それは、キルアが言ったのだった。
真顔でそんな事を言われても、照れるばかりで返事もできなかった。飛行船でここへ着くまでに何回言われただろう。
(そう言えばヒソカからそんなコトバ言われた事はなかったなぁ)
手持ち無沙汰に釣竿を振り回しながら、あれは本当の出来事だったのだろうかと自問していた。
ほんの数日、第4次試験を終えて5次試験の会場に移る間だけ。あの、飛行船と奇妙なホテルの中でだけで存在した不思議な時間だった。
愛されていると感じていたのは、間違いだったのかもしれない。初めて人を好きになったのだ、と信じていた気持ちも本当じゃなかったのだろうか。
あの時、誰の声もが遠かった。
本当は、これは違うものだ、と分かっていたような気もする。でも帰れなかった。いや、キルアの事が無ければ、きっと今も帰ってきてはいない。
”借りを返したい”
皆にはそう言ったが、ただヒソカに会いたいだけなのかもしれなかった。多分、クラピカには判っていたのだろう。だからあんなにヒソカの居場所を言い渋っていたのだ。
・・・・ちぇ。
何度目かの舌打ちをした。
ヒソカもキルアも、だいっ嫌いだ。
あ~あ。つまんないよぉ。
結局、ゴンは退屈に負けて60階のフロアまで移動した。ひょっとしたら、どこかですれ違ったのかも、とも思ったのだがやはりキルアの姿はなく、そこで待っていたのも退屈な時間だった。
新しいフロアの散策も、30分も居れば歩き尽くす事ができる。
その間に治療室も見つけ、50階での試合で受けたダメージも手当てしてもらった。いや、本当はゾルディック家で受けた傷だったのだが、強引な看護婦にバンソウコを張り替えられた。
大きなバンソウコウが邪魔だなぁと思いながら、やはりエレベーターホールのソファに腰掛けキルアを待った。
どこの階も同じ作りなのだろうか、50階にあったものとそっくりな、少し固めのソファだった。コロンコロンと転がったり、自分の釣竿で壁紙を引っかけようとしたりして時間をつぶしていた。
「キルア、こっち!」
何回目かのエレベーターにその姿を認め、ゴンはぱっと顔を明るくした。
「見て!6万ももらっちゃった」
受付で渡された小さな封筒を見せながら、駆け寄る。だが、キルアの反応は鈍かった。
ゴンは違和感を感じながら、それでも無邪気に尋ねる。
「少し時間がかかったね」
「ああ、ちょっと手こずっちまった」
明らかに不機嫌だった。ゴンの顔もマトモに見ず、すたすたと歩いていってしまう。もっと喜んでくれると思っていたのに、あまりに素っ気無い態度に不満を感じる。
「けっこう強かったんだ?」
小走りに追いつきながら、たずねる。
「いや、全然」
相手には確かに素質があった。しばらくこの塔に居れば、比べ物にならないくらい強くなるだろう。潜在能力は、ゴンと遜色無いかもしれない。
だが、今の実力は端にも引っ掛からない程度だったのだ。
「なのに倒せなかった」
そう呟いたキルアの横顔は、何も受け付けない厳しい表情をしていた。
ゴンは気後れし、声もかけられない。
「それに」
あの、試合の途中でズシが構えを変えた瞬間を思い出していた。そうだ、あの構えだ。頭で考えるより早く体が反応していた。
「兄貴と同じイヤな感じがしたんだ」
キルアにとって、絶対に"相手にならない"ズシと、絶対に"勝てない"存在が同じ何かを持っている事が気になってしかたない。
自分には分からない何か、だった。おそらく何かの技なのだろう。キルアはそう考えていた。
イルミにしても、遥かに卓越した技によって自分を威圧している。だから、自分は勝てないのだ、と。
試合会場を出た後、師匠に土下座をしているズシを見かけた。レンを使うな、という戒めを身を小さくして受けていた。
あの時のウィングの言葉が、イルミの強さの秘密を知るきっかけになるかもしれない。
「"レン"と最上階か・・・」
最初は200階くらいまで行ければ良い、と思っていた。ゴンがそれなりの力をつけるまで、自分は付き合うだけのつもりだったのだ。
「ゴン・・・オレちょっと予定を変えるぜ。最上階を目指す!」
ゴンにはちょっときついかもしれないけど、その時はリタイアさせればいいや。でも、ゴンの事だからきっと"一緒に行く"っていうだろう。
目指す、と言った本人は結構気楽なものだった。
だが、元気良く聞こえてくるだろうと思った返事が無かった。
「なんだよ、オウとか言えよ、ゴン」
ムッカリしながらキルアが振向くと、フグのように膨れかえった顔が目の前に迫っていた。
「わっ・・・どうしたんだよ」
「どうもしないよっ」
「何で膨れてるんだよ」
「なんでもないよっ」
ばかばかばか。
キルアの馬鹿。
オレのこと全然無視して、あのズシって子の事ばっかり。
もういいもん。やっぱりキルアの方がたくさん嫌いだ。
拗ねたお子様は膨れたままの頬をして、くるり、とキルアに背を向けると、どんどん歩いていってしまった。
「なぁ。ゴン、機嫌なおせよぅ・・・」
声をかけながら後を追いかけてくる。
「知らないもん」
「ゴンってばさぁ。・・・後でアイス奢ってやるよ」
アイス、と聞いてゴンの足が止まった。相変わらず食い物に釣られる奴だ。
「本当?」
「うんうん。だから一緒に行こうぜ、最上階!」
「・・・うん!」
(ほんとは最初からそのつもりだったけど・・・)
アイスもせしめた事だし、あえて言わなくても良いだろう。
返答に間ができたが、キルアは気にしなかったようだ。
手始めに明日の60階での試合だ。キルアにおいていかれないようにしなくては、などと気楽な事を考えているゴンだった。
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 03:03

オーキド×サトシ×ユキナリ



ポケモンセンターの電話機のスイッチを押すと、オーキド博士の顔が映る。
「サトシ!良く頑張ってるのぉ」
「うん!バッチもあと2つなんだ!」
「明日、久しぶりにシンオウに行く予定があるんじゃが…」
「………」
オーキドの言葉に、サトシは遠慮がちに言う。
「博士…会える…?」
「…ああ」
「忙しいのに…ごめんなさい」
「…何を言ってるんじゃ。たとえ、どんなに忙しくとも、わしはおまえの所に……」
サトシとオーキドは、暫しの間、映し出された画面の相手では無く
その先にいる愛しい人を見ていた。
画面の先に触れることができたなら…見つめることができたなら…。
「……サトシ」
「……博士」
しかし、2人の沈黙はすぐにかき消された。
「サトシ!!まだぁ?」
ヒカリの声が響く。
「博士、ヒカリ達が待ってるから」
「…分かったよ」
サトシは、電話のスイッチを切った。
《…博士、久しぶりに、会えるんだね》
サトシは、高鳴る鼓動を抑えて、ヒカリ達と共にポケモンセンターを後にする。
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 03:01

ゲンサト

その日は雨が降っていた。
雨宿りついでに立ち寄ったポケモンセンターで、私は彼に再会した。
「ゲンさん!!??」
雨がひどくなってきて、駆け込むようにポケモンセンターに入ったその時、聞き覚えのある声がそういった。
振り返ると、そこには彼・・・サトシ君がいた。
ジョーイさんからポケモンを受け取っていたところだったらしく、モンスターボールを持って此方に駆け寄ってきた。
「お久しぶりです!!」
きらきらした瞳をこちらに向けて、彼が言った。まぶしい、と思う。
「ああ。元気だったかい?」
「はい!」
「そういえば、友達が居ないね。彼らはどうしたのかな。」
「ヒカリは母さんと電話で話してるんです。タケシはジョーイさんの手伝いをしてます。」
「そうか。」
君は今、一人なんだね。僕と二人きりなんだ。
その事実が無性に嬉しかった。決して口には出さないけれども。

その後、私たちは彼の友人と合流し、食事を共にすることとなった。
話によると、彼らはジム戦のためにキッサキシティへと向かうのだそうだ。
そういえばこの街はキッサキシティからそう遠くはないことを思い出す。
「今日はここに泊まっていくつもりなんです。ゲンさんはどうですか?」
彼の友人である、少女が言った。
「私もそのつもりだよ。」
私が言うと、彼は嬉しそうに笑った。
何がそんなに嬉しいのかと思う一方で、私も嬉しく感じていた。

食事を終えて、ジョーイさんの手伝いをする、と言ってタケシと呼ばれた青年はどこかへと行ってしまい、
それから少しして「ノゾミに電話しなきゃ。」と少女も席を立った。また、二人きりになってしまった。

「ゲンさんはどうしてここに来たんですか?」
彼が言った。
「修行のためだよ。」
「そっかあ・・・ゲンさん強いもんなー・・・」
憧憬を含んだ眼差しをこちらに向ける。
その視線が心地よくて、けれども苦しくてたまらない。
私は君が思うような人間じゃないんだよ、と言いたくなる。
「ゲンさんってすごいですよね。ルカリオも強いし、波導も使えるし」
だめだ、そんなことを言ってはいけないよ。
「どうしたらゲンさんみたいになれるんだろう。」
彼の子供らしい綺麗な感情とは逆に、私の中で薄汚い感情が蠢く。
「じゃあ教えてあげようか。」
私が笑うと、彼も笑う。私の胸のうちなど、彼には予想も出来ないだろう。
「もしよかったら、今晩私の部屋においで」
私が手を差し出すと、彼は笑ってその手を取った。
この手が穢れているとも知らないで。
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 02:59

サトシ調教

サトシをアナルパール使って調教しようと思う。

「やめろ!やめろったら!俺の体にさわるなっ!こんなことして何が楽しいんだよ!!」
未開発な肛門だから最初は一個入れるのにも全身で抵抗し、ベッドをキィキィ軋ませる。
しかし全裸で、四つん這いになるよう手足を金具でベッドに固定されているものだから、どう足掻いた所で逃げられる訳がない。
パイプとマットで組まれた簡素なベッドだが、拘束するには充分役割を果たしている。
勿論手持ちポケモンも捕らえた時点で全て没収した。
「卑怯だぞ!人のポケモンを盗って……ドロボウじゃないか!絶対に許さないからな!」
可愛いことをいう。
ポケモンを盗る? ドロボウ?
これからもっと大切な物、純潔どころか全てを奪われるのに。
正義感に肩を震わせ、声を荒げ、瞳に怒りを映すサトシはそれを全く理解していないようだ。

戯れに肛門を撫でていたアナルパールでサトシの頬を突いてみる。
「……やめろよ、汚いだろ!」
心なしか双眸が潤んでいるように見える。
払いのけたいのだ。まだ中には入れてないとはいえ、通常の感覚ならば肛門に当てられた玩具を顔に押し当てられるのは屈辱の極みだろう。
それでは更にサトシで遊ぶとしよう。
アナルパールでサトシの唇を左右にゆっくりとなぞる。口紅を塗るように。口唇を侵すように。
「い、いや……だ、……ん、んんっ!!」
顔を振って逃げられる前に髪を根本から掴み、抗議の声を上げた隙にアナルパールを口腔に捻込み隅々まで侵し、犯し、汚す。
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 02:54

シンサト

cero:Z




ヨルノズクが鳴く静かな夜、ポケモンセンターの近くに、二人の少年がいた。


「何の用だ」
「おまえに話がある」
「おまえに構ってる暇はない。俺は忙しいんだ」
冷たくあしらうシンジをサトシは追いかける。
「もっとポケモンを大切にしろよ!」
「……。その必要はない。ついてこれる奴だけついてくればいい」
シンジの冷徹さは、度を超していた。
「おまえ、やっぱりサディストなんだな…」
シンジは立ち止まった。
「…クク…おまえにしては、難しい言葉を使うじゃないか」
「ヒカリが言ってたんだ。暴力をふるうことをよろこぶ変態だって」
「…ククク」
シンジの含み笑いは、やがて高笑いに変わり、不気味な笑いが響き、近くにいたヨルノズクが飛び去った。
「はははははははは!!!!」
「何が可笑しい!」
シンジはひとしきり笑うと、上着をにやにやしながら脱ぎ始める。
「…な……何してんだよシンジ……」
「……ククク…ク…ク…ク」
シンジはサトシに近づく。サトシは、顔を歪めて震えている。
この、おぞましい、悪魔のようなシンジの微笑みは、失禁をもよおさせる程であった。
「これを見ろ…」
震えているサトシの眼前で、シンジは上着を脱ぎ捨てた。
「ひいい……!!!」
サトシは腰を抜かした。

シンジの胸元に残る無数の傷痕……その生々しい傷痕を見たサトシは、吐き気をもよおした。

「俺がサディスト…だと?ククク………」
シンジは爪で胸を引っ掻き、流れ出た血を舐めながら答えた。

「俺は真性のマゾヒストだ」
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 02:52

シゲサト5

話が噛み合わないのでカスミにいきさつを説明すると、
顔を真っ赤にして、なぜか俺に気を使っているのが嫌でも分かった。
訳もわからないままなんとなく気まずい雰囲気で別れ、次にあったときに俺がされたことの意味を説明され。

その後、これまで通りサトシは旅を続けるが…ある日。
「やあ、サトシじゃないか。」
「!…シゲル…。」
「元気にしてたか?」
「…。まあ。」
「?」
無愛想な顔でシゲルに軽く敵意ある目線を送った。
「どうしたの?サトシ。」
「や、ちょっと…。シゲル。後で話がある。」
「…。」
「何かあったのかしら?」
「さぁ…?」

こうしてポケモンセンターで偶然居合わせ、問いただそうと自分の借りた部屋に呼び出した。
「で、何の用?」
「カスミに話したんだ、お前が俺にしたこと…。」
「…。ふーん、そう…。で?」
「…で、じゃないだろ!俺が女だったらどうするつもりだったんだよ!!」
「…、君は男じゃないか。」
「え、そりゃそうだけど…。ってそういう問題じゃなく!」
「じゃあ僕が謝ればいいのか?」
「だからそうじゃなくて!えっと…。」
「…。」
「……。」
何を言いたかったのか分からなり黙りこむ。
そんなサトシを面倒そうな目で見ると、肩に手を置き壁に押さえつけた。
「!」
「…。」
「な、なんだよ…。元はといえばお前が説明不足だったんだろ!」
「…勘違いされちゃ困るけど、もし君が女の子でも結果は同じだ。」
「何がだよ?」
予想通りのサトシの反応にはあ、とため息をついた。
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 02:50

シゲサト4

少年A「やーいアホサトシー!」
少年B「悔しかったらここまでおいで~だ」
サトシ「な・・・なんなんだよ!お前らぁ!」
サトシは縄で木に縛り付けられ、少年たちにいじめられていた。というより、
からかわれているという方が正しいかもしれないが、サトシは毎度のいじめに
慣れてしまったため、それほど驚いてはいなかった。
サトシ「お前達、いつもいつもしつこいぞ!」
少年C「ふん!アホサトシが口答えしてんじゃねぇよ!」
少年A「こいつもうすぐマサラタウンから旅立っていくんだってさ・・・生意気だよな」
少年B「アホサトシがポケモントレーナーなんてできっこねーよ!」
少年たちは高笑いをしながら、サトシの頭や身体を木の棒で突き始めた。
サトシ「や・・・やめろ!なんでいつもオレばっか・・・!」
サトシは怒ってこそはいなかったが、少年たちのしつこさに途方に暮れてしまっていた。
シゲル「・・・なにしてんだ君達」
後ろから声がした。たくさんの女子を後ろに引き連れて登場したのは、シゲルだった。
少年C「あっ!!シゲル!シゲルもこいつにいってやってくれよ!
ポケモントレーナーなんてできっこねぇって!」
少年A「こいつこの前もママに怒られてたんだぜー早く寝なさいって!」
サトシ「きっきいてんじゃねぇよ!バカ!!」
少年A「近くだからきこえるんだよ!」
シゲル「まぁまぁ落ち着けよ君達・・・サトシがポケモントレーナーになったって
どうせどっかでヘマをして負けてしまうことはわかりきってるんだから」
女子たち「きゃ~~vvvいいぞーいいぞーシゲルーvv」
サトシ「っなにをぉ~~っ」
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 02:49

シゲサト3

サトシ「・・・ん・・・ここ・・・は・・・」
サトシがぼんやりと目を開けると、そこは辺り一面暗闇の世界だった。
ピカチュウや、ヒカリ、タケシも誰もいない。サトシはだんだん意識を取り戻した。
サトシ「!!オ、オレ・・・なんで・・・!」
サトシは自分の身体を見た瞬間、自分が裸の状態であることに気づいた。
サトシ「こんなトコ・・・ヒカリに見られたら・・・っっ」
サトシは必死で服を探したが、辺り一面真っ暗で、どこに手をやっても何も掴めない。
サトシはだんだん不安になってきた。みんなを呼びたかったが、こんな格好を
女子に見られると思うと、気がひけた。サトシは一人ぼっちで座りこんだ。
サトシ「真っ暗で何がなんだか・・・ピカチュウ・・・みんな・・・」
そう呟いたとき、誰かの足音が聞こえた。
サトシ「人がいる・・・!?」
サトシはその足音の方へ走っていくと、うっすらと人影が現れた―――シゲルだった。
シゲル「・・・サトシ君じゃないか。どうしたんだよそんなにあわてて」
サトシ「シ・・・シゲル!ピカチュウ達は見なかったか!?それにここどこなんだ!
真っ暗で何もわかんないし・・・!!」
シゲル「まぁおちつけよ。てゆうか、服着たほうがいいと思うんだけど」
サトシ「ふ・・・服は最初っからなかったんだよ・・・!!」
サトシはすっかり自分が裸であることを忘れていた。
サトシ「だっ・・・だから、ピカチュウ達はどこ行ったんだよっっ!」
シゲル「僕も知らないよ。気づいたらここにいたんだから」
シゲルは冷ややかにそう答えた。
サトシはつかの間の希望を打ち砕かれ、へなへなとへたりこんだ。
サトシ「そんな・・・オレ・・・どーしたら・・・」
サトシは途方にくれたような顔だった。
シゲル「・・・・・」
シゲルはサトシの裸の身体を上から下まで眺めまわした。
ふさふさの黒髪、幼く少年らしい顔だち、褐色の健康的な肌、たくましい体つき、
穢れを知らない子供の身体だった。自分とはまるで正反対だったが、シゲルは
そんなサトシの身体に欲望を感じた。
サトシ「・・・なんだよ、シゲル。さっきから人の身体じろじろ見て・・・」
シゲルの視線に気づいたサトシが言った。
シゲル「・・・サトシ」
サトシ「なに」
シゲル「キス・・・してもいいか?」
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  • 2015⁄08⁄20(Thu)
  • 02:47

シゲサト

カスミに会うため、ハナダジムに遊びにきた。

久々に会ったカスミは…あんまり変わってない。
少し…縮んだ?いや、俺が伸びたのか。よっしゃ!
話を聞けば、カスミはジムリーダーとしてうまくやってるみたいだ。
タッツーやヒトデマンも元気そう。コダックは…相変わらず。
弱点だったギャラドスも克服して、心強い仲間ができたみたいだ。
…俺も負けてられない。

でも今は、目の前の飯に集中!

夕食を食べにきた二人。
呆れるカスミを前に、バクバクとものすごい勢いで食べるサトシ。
「あんた、なんでそんなに飢えてんのよ…」
「仕方ないだろ。タケシもニビへ帰っちゃって朝飯も昼飯たべてないんだから。」
ガチャガチャと荒々しく皿をどんどん積み重ねていく。
「それにしてもね…もっと上品に食べられないわけ?」
いそいで食べすぎたせいでテーブルに飛びった食べ残しに文句をいうカスミ。
「うるはひなぁ~」
「…ったくもう。ん?」

プルルルル…
にぎやかな店内で電話の音が聞こえる。
「あ。はいはいもしもし…?」
カスミの電話だ。

「うん…わかった。すぐいくわ。」
プツン、電話を切りリュックをゴソゴソさぐる。
「ジムに挑戦者がきたみたい。先にいくわ。これ私の分。」
テーブルにオムライス一人前の料金を置いた。
「あ、うん。」
「じゃあね、また遊びに来なさいよ!」
「ああ。その時はバトルだ!」
立ち上がりリュックを背負った時、ひらりとメモが落ちた。
サトシは拾い上げてカスミに手渡した。
「ほら、落ちたぜ。」
「ああ、ありがと。」
「手紙?」
「、うん。…実はね、少し前に告白されたのよ。そのお呼出の手紙ってワケ。」
「こ、告白?」
「そ。それも面と向かってよ!今時古風よね~。」
そういうと少し雑に手紙をポケットにしまった。
「ふ~ん…、告白ってなにを告白されたんだ?」
「え?そんなの…あれよ。きまってるじゃない。」
照れて少し慌てるカスミ。
反面、不思議そうな顔のサトシ。
「決まってる?決まってたら告白にならないじゃん。」
「…。」
白けた目でサトシを見る。
「…はぁ。」
「?」

「あんた…やっぱりお子さまねぇ。」

ガーン
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ショタの体験談とか色々載っけていきます
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