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  • 2015⁄10⁄21(Wed)
  • 00:06

闇公爵アスタロト

闇が全てを支配する中で、蒼白い月光にも似た光りが周囲を朧げながらも照らしていた。
その光りの中心に、美しい青年の姿があった。
手入れの行き届いた長い黒髪は緩やかに背を覆い、蒼白い光りの中で艶やかに輝いている。
透きとおるように白い肌は、女性以上になめらかなのだが、脆弱な甘さは微塵にも感じられない。
血の色を思わせる艶やかな緋色の双眸は妖しい輝きを放ち、尋常ではない青年の美貌をさらに際立たせている。
うすくて形の良い唇は、優雅な微笑みを浮かべているのだが、どこか視る者の魂を凍らせるような、おぞましくも凄艶な妖気を漂わせていた。
もし、なんの力も持たない者がこの青年の姿を見たら、ほんの一欠けらの躊躇もないままにその場にひれ伏し、
額を床にこすり付け、許しの言葉を口にしていたことだろう。

そう――――青年は激怒していた。

蒼白い光りの中、優雅に佇む青年は、激しい怒りに我を忘れかけている。
それは、冷静沈着で酷薄で残虐。つねに己れの感情と云うものを殆ど表さない青年にしては珍しいことだった。
激しい怒りに狂いかけている青年の正体は、悪魔の大公爵アスタロトだった。
アスタロトは、あまりに激しい怒りと苛立ちに自分を見失い、この世の全てを破壊したい衝動に駆られてしまっている。
一体、誰がこれほどまでにアスタロトを怒らせ、怠惰で美しいことを好む彼を悪鬼のごとく昂ぶらせているのだろうか。
アスタロトの激しい怒りを畏れるように、周囲の全てが凍りつき、息を潜めながら、慄き、震え、怯えている。
だが、そんな周囲の恐怖など、激しい怒りに自分を見失いかけているアスタロトにはどうでもよいことだった。
何故なら、怒りに狂うアスタロトの心を占めているのは、たった一人の少年なのだから・・・・・・
激しい憤怒に底光りしている緋色の双眸に映るのは、舌を噛まないように口枷を噛まされ、力なく目を閉じてぐったりと床の上に転がっている少年妖怪の姿だけ・・・・・・
永遠の伴侶として、地獄の世界につなぎとめた・・・・・・哀れな少年妖怪鬼太郎の姿だけしか、アスタロトの双眸には映っていない。

 フゥッ――――

怒り狂う己れの心を鎮めるように、形の良い唇が大きな息を吐いた。
そのまま優雅な動きで、黒い大理石の床の上に転がっている小柄な鬼太郎の身体を軽々と抱きかかえたアスタロトは、一瞬にして姿を消した。
意識を失っている鬼太郎を抱きかかえたまま、アスタロトが転移した場所は彼の領地である魔界の森だった。
鬱蒼とした魔界の木々が生い茂り、天高くそびえていた。
しかし、そんな魔界の木々たちも、主人であるアスタロトの訪れが判るのか、一斉に枝を振り、深い森の奥にある緑の褥へと彼らを導いていく。
従順な木々の姿に、形の良い唇をほんの少しだけ吊り上げたアスタロトは、ゆったりした足取りで褥へと向かう。
そうして、どれぐらい歩いただろうか。
一際大きな魔界樹のそびえ立つ緑の褥に辿り着いたアスタロトは、艶やかな緋色の双眸に淫虐な愉悦を浮かべると、
そのまま慣れた動きで、意識を失ったまま目覚める気配のない鬼太郎の身体を、大木の枝に吊り下げた。
――――アスタロトの魔力によって作り出された縄で――――縛り合わせたしなやかな両手をピンと上へ引っ張りあげたポーズで、
爪先がかろうじて地面につく高さに調整された華奢な肢体が魔界の宙に晒される。
脱出する際に、シーツを身につけていたのだろうか。小柄な鬼太郎の身体にはズタズタに切り裂かれたシーツが纏わり付き、殆ど全裸と云って良いほどに哀れな状態だ。
金色の柔らかな髪が白く柔らかな頬に絡まり、力なく目を閉じている鬼太郎の顔を隠していた。
乱暴に手折られた花のように無残な姿は、なまじ少女めいた可憐な顔をしているだけに痛々しく、そして被虐の色香を漂わせている。
しかし、今だ激しい怒りの嵐の中にいるアスタロトは、そんな鬼太郎の姿を目のあたりにしても、心を動かされることはないようだ。
血の色を思わせる美しい緋の双眸に、昏い怒りの焔を宿しながら、冷ややかに鬼太郎を見つめている。

 一体、この少年はどこまで自分を狂わせれば気がすむのだろう。
 妖力など、ほんの一欠けらも残っていないくせに、自分の腕から逃げ出そうなんて・・・・・・腹立たしいにもほどがある。
 こんなにも、愛しいと思っているのに・・・・・・

 こんなにも、全てを奪い尽したいと焦がれているのに・・・・・・

人間界にいる仲間たちのことが忘れられなくて、地獄を抜け出し、自分から逃げようとする鬼太郎が、
アスタロトは憎くて憎くて・・・・・・だがそれ以上に愛しくて愛しくて、たまらなかった。

 本当に、どうしてくれようか。

 どんな罰を与えてやろうか。

鬼太郎への罰を考えるだけで、激しい怒りに狂う心が、残酷な欲望と淫らな情欲に咆哮をあげる。
どうやら、自分は甘すぎたようだ。

並外れて強い精神力を持つ鬼太郎を永遠に地獄につなぎ止めておくには、これまで以上の深い快感と、心が壊れる寸前までの羞恥と屈辱を味あわせなくてはならない。

 「――――鬼太郎どの・・・・・・もう手加減はしませんよ。あなたがどんなに許しを乞うても、哀れな声で泣き叫んでも・・・・・・私は本気であなたを狂わせて差し上げます」
 あなたの中に残っている記憶の全てを、叩き潰して差し上げます。
 二度と、この私の元から逃げ出せないようにね・・・・・・

意識のない鬼太郎の耳元に唇を擦り付けたアスタロトは、たっぷりと毒の滴った声で甘やかに囁くと、愛しい少年妖怪の顔に無数の口接けの雨を降らせた。
口接けの雨を降らせながらも、アスタロトの長い指先は鬼太郎の身体の上を這いまわり、少年妖怪がかろうじて身に纏っているシーツを荒々しい動きで引き剥いでいく。
瞬く間に鬼太郎は一糸纏わぬ全裸にされ、木の枝に吊り上げられた華奢な肢体が鬱蒼とした魔界の森の中で、白く幻想的に浮かび上がっていた。
がくりと、力なく折った首は少女のように細く、アスタロトがほんの少し力を込めたら簡単に縊り殺せてしまいそうだ。

女性のように豊かな丸みはないものの、白くてなめらかな胸の頂きには桜色の可憐な木の実が柔らかく芽を出し、
まるでアスタロトの愛撫を待ち望んでいるかのように恥ずかしげに震えている。
甘い白桃のように美味しそうな双丘は適度に弾力があり、ほんの少し触れただけで心地良い感触をアスタロトに伝えてきた。
そしてなによりもアスタロトの欲望を煽ってやまないのは、極上のシルクを思わせる少年妖怪のなめらかな柔肌だ。
アスタロトの指に吸い付いてくるような鬼太郎の肌は、どこまでも抜けるように白く、艶っぽい輝きを放っている。
とてもではないが、地上では日本最強の妖怪と謳われていた少年とは思えないほど、美しく華奢で、恥ずかしいほどに淫らな裸身だった。

この魔界に攫われてから、一日も休むことなくアスタロトに犯されているせいだろうか、小ぶりながらも均整の取れた裸身は美しいだけではなく、
邪悪な男の欲望と本能を煽ってやまない艶めかしくも危うい色香をまき散らしていた。

 「――――以前からあなたはとてもいやらしい身体をしていましたが、こちらの世界にお連れしてから、またひときわ美しく、淫らな身体になりましたね」
 私の理性があと少し弱ければ、このままあなたを際限なくむさぼり抜いて、壊れても壊れても・・・・・・犯し弄るところでしたよ。
 欲望に掠れた艶めかしい声でねっとりと囁いたアスタロトは、かろうじて地面に爪先が触れている鬼太郎の右足を持ち上げる。
力なく折れた膝に手早く黒い縄を巻きつけ、そのまま割り開くように高々と吊るし上げた。
その刹那、自分の身体に起こった不穏ななにかを感じ取ったのだろうか。意識を手放していた鬼太郎が、ゆっくりと覚醒した。
 「・・・・・・ぅん・・・・・・むぅぅ・・・・・・っ!」
最初、鬼太郎は自分の置かれている状況が判らなかった。
まだどこか、ぼんやりと霞がかっている意識を揺り起こしながら、鬼太郎は懸命にこれまでの記憶を手繰ろうとする。

 ――――確か・・・・・・アスタロトがいなくなった隙にここから逃げ出そうと・・・・・・ 部屋の隅に隠れていて・・・・・・ 
それでアスタロトの使い魔が部屋に入ったときに、部屋から一気に逃げ出して・・・・・・
長い回廊を走って・・・・・・走って・・・・・・心臓が破れるぐらい走って・・・・・・――――
小刻みに唇を震わせながら、必死になって記憶を思い出そうとしている鬼太郎の姿はひどく煽情的だ。
そんな鬼太郎を見つめるアスタロトの双眸が愉しげに歪められ、邪悪な愉悦にギラリと輝く。
危険な欲望を露わにしたアスタロトの眼差しに気づかない鬼太郎は、なおも頭の隅に埋もれている記憶を思い出そうとしていた。
 ――――・・・・・・ようやく外につながる館の扉を見えて・・・・・・それに手をかけた瞬間、
 身体を宙に放り投げられたような気がして・・・・・・それから意識が真っ黒になって・・・・・・
 誰かに身体を抱きしめられたような気がしたけど・・・・・・―――― 
 ダメだ、これ以上は思い出すことが出来ない。

 結局ボクは、失敗したんだ・・・・・・アスタロトから逃げ出すことが出来なかったんだ。


心の中で悔しげに呟いた鬼太郎は、深い溜め息をつきながら、何気なしに自分の身体を見つめた。
そして、次の瞬間――――

 「うぐぅぅぅ――――っ!」

声にならない悲鳴が、鬼太郎の喉から迸った。
右足をいっぱいに引きはだけ、無防備に秘所をさらけ出している己れの姿に、ひとつしかない緋色の隻眼を大きく見開きながら、
哀れな少年妖怪は口枷の奥から、くぐもった羞恥の悲鳴をあげる。
そして気づく。舐めるように自分を見つめているアスタロトの淫らな視線を・・・・・・

 「・・・・・・ふぅぅぅ・・・・・・くぅぅぅぅ・・・・・・」

肌に突き刺さるようなアスタロトの視線から、どうにかして鬼太郎は恥ずかしい己れの姿を隠そうとするが、
闇公爵である彼の魔力によって戒められている身体は少年妖怪の望みどおりに動いてくれなかった。

 「・・・・・・ぅぅ・・・・・・うぐぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」

美しい緋色の隻眼に激しい羞恥の『彩』を浮かべながら、小さく首を揺すって低い咽び声を洩らした。
そんな鬼太郎の姿を濃艶な眼差しで見つめながら、アスタロトは愛の言葉でも紡ぐような声で甘やかに囁きかけた。

 「さて、鬼太郎どの。ご気分はどうですか?」
 勿論、覚悟はなさっていますよね。この私の目を盗んで逃げようとするなんて・・・・・・鬼太郎どの、私の愛はそんなにももの足りませんか?
 ならば仕方がありません。私としては鬼太郎どのの身体を気づかって、ある程度自分の欲望を抑えていたのですが・・・・・・
 鬼太郎どのが満足して下さらなければ意味がありませんからね。
 あなたが壊れるほどの快感を欲しがっているのでしたら、望みどおりの快感を与えて差し上げましょう。
 骨の髄まで、私の与える快楽で狂うように・・・・・・
 魂の底まで、私の全ての快楽で染まり狂うように・・・・・・
 たっぷりと、犯して、弄って差し上げましょう。
 正気を保つことが出来ないように・・・・・・快楽責めにして、悪魔の淫獄に突き落として差し上げます。
 二度と、私の元から逃げ出さないようにね・・・・・・



形の良い美しい唇に凄艶な笑みを浮かべながら、アスタロトは大きく優雅な手のひらで鬼太郎の胸を撫でまわした。
アスタロトの指に吸い付いてくるように、しっとりと心地良い鬼太郎の乳肌を丹念に撫で上げながら、もう一方の手を割り広げられた股間へとすべり込ませ、
繊細な絹糸のように柔らかな恥毛やヒクヒクと愛らしく脈打っている少年妖怪のペニスを撫でまわす。

 「ああ、そうそう。私の留守中に好奇心に駆られて、身の程知らずにもあの部屋に入ってきた使い魔には、すでに罰を与えました」
 あの者が部屋にさえ入ってこなければ、鬼太郎どのも逃げ出さなくてもすんだのです。
 この私の留守中に、鬼太郎どのの側に来るなど・・・・・・決して許されることではありません。
 二度とあのような不届き者が出て、同じ過ちを繰り返さないように、地獄の中でも最高に残酷な方法であの者は処分しました。
 汚らわしい地獄の亡者共に、生きたままむさぼり喰われ、そしてまた再生して、新たに鋭い牙で引き裂かれ、骨の髄までむさぼり喰われるよう・・・・・・
 飢えた亡者と共に、石の中に封じ込めました。
 フフッ・・・・・・石の上に耳をあてれば、地獄の亡者たちに生きながら引き裂かれてむさぼり喰われるあの使い魔の断末魔の悲鳴が聞こえてくるかも知れませんね。
 宜しかったら、今度聞いてみますか?

身の毛もよだつほどにおぞましく、残酷な言葉を愉しげな口調で紡ぎながら、
アスタロトは自分の手のひらでヒクヒクと脈打っている鬼太郎のペニスをやんわりと包み込み、ゆるゆると上下に扱きあげる。
しなやかな足をはだけているために、少年妖怪の可憐なペニスは、アスタロトの弄虐を受けやすく、全ての反応を隠すことが出来ない。
自分のせいで、哀れな使い魔が永遠の苦しみを味わっていることに、言葉では云い表せぬ罪悪感を覚えながらも、
鬼太郎の心はアスタロトの織り成す淫戯の数々なす術もなく翻弄されていた。

 「・・・・・・ふぅぅぅ・・・・・・ぐぅぅぅ・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」

抵抗らしい抵抗も出来ないまま、ペニスをアスタロトに弄られる羞恥に鬼太郎は必死にもがくが、魔界樹の枝に吊り上げられているので、どうしても満足に動くことが出来ない。
鬼太郎が弱々しくもがくたびに、魔界樹の葉がパラパラと大地の上を落ち、辺り一面に独自の香りが漂ってくる。

 ドクン――――

その香りを嗅いだ途端、鬼太郎は心臓の鼓動がやけに早く脈打っていくのを感じた。

 ――――な・・・・・・に・・・・・・この感覚は・・・・・・――――
 まさか・・・・・・この木々は・・・・・・

ドクン、ドクンと激しく脈打つ心臓と、全身を火で炙られているかのような狂おしいまでの熱さに鬼太郎は、狼狽した。
鬼太郎は知らなかったのだ。
アスタロトの領地にある魔界樹の葉は強い催淫効果があり、その匂いをほんの少し嗅ぐだけで、すさまじい淫欲に身も心も支配されてしまう。
神に全てを捧げた厳格な聖職者ですら、その匂いを嗅いだだけで、SEXのことしか考えられなくなってしまう浅ましい淫売になり下がってしまうのだ。
己が領地にそびえ立つ魔界樹の葉がどれほど淫らな苦しみを鬼太郎に与えるか知りながら、アスタロトは愛しい少年妖怪をこの場に連れてきた
そしてアスタロトの狙いどおり、淫らな魔界樹の葉の香りに、鬼太郎は全身を包まれてしまっている。
鬼太郎の欲望が狂おしいまでに激しくなるのは当然のことだろう。
そうアスタロトはこの効果を狙って、わざわざ鬼太郎を魔界樹の生い茂る森まで連れ出したのだ。
連れ出して、鬼太郎の理性も羞恥もなにもかも食い破ろうとしている。

 魔界樹の催淫香に呑み込まれようとしている鬼太郎は、吊り上げられた小柄な身体をピクピクと痙攣させながら、おぞましいまでに邪悪な欲望に苦しめられていた。

 「・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・ぅぐぅぅぅ・・・・・・うぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」
しっかりと噛まされた口枷の奥から、途切れることなく零れる苦しげな鬼太郎の呻き声が、アスタロトの鼓膜を心地良く刺激した。
形の良い唇に淫猥な笑みが浮かび上がる。
 「苦しいですか、鬼太郎どの・・・・・・魔界樹の主人であるこの私には全くなんの影響もありませんが、
  妖怪のあなたにとっては、全身を火で炙られたように熱く感じるでしょうね」
 このままの状態で放置しておけば、あなたは確実に悶え狂って、壊れてしまうでしょうね。
 あなたがそれをお望みならば、放置して差し上げましょうか。
 だってあなたは私の伴侶でいるのがおイヤなのでしょう。
 だから、私の元から逃げ出そうとしたのでしょう。
 こんなにも簡単にあなたを壊すのは、私の本意ではありませんが、それが鬼太郎どのの望みならば叶えて差し上げます。
 魔界樹の催淫香に悶絶しながら、壊れ狂って下さい。
 私が全てを見届けて差し上げますから・・・・・・
 あなたがいやらしく壊れていく様を、愉しみながらじっくりと拝見させて頂きますから・・・・・・
陰惨な含み笑いを零しながら、アスタロトが愉しげな口調で意地の悪い言葉を紡ぐ。
 「・・・・・・うぅぅぅ・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・ふぅぅぐぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」
おぞましいまでに邪悪なアスタロトの言葉に、彼の本気を感じ取った鬼太郎は、吊り上げられた身体を大きく震わせながら、苦悶に歪む隻眼で縋り付くような眼差しを向けた。
 「おや、どうしました。このまま悶絶して狂うのはイヤですか?」
 もしかして、この私に快楽を与えてもらいたいのですか?
あまりにも心地良すぎる鬼太郎の眼差しに、アスタロトは全身をゾクリと震わせながら、にこやかな声で愉しげに問いかける。

 「ぅぅ・・・・・・っ・・・・・・うくぅぅぅ・・・・・・っ」
意地の悪いアスタロトの言葉に、鬼太郎は一瞬躊躇った素振りを見せるが、先刻から全身を狂おしく乱している身体の熱には勝てないのか、
唯一自由になる首を縦に動かして、もうどうなってもいいから、淫らな快楽が欲しいと残酷な陵辱者に訴えた。
 「鬼太郎どの・・・・・・私におねだりをしているのですか?」
 生殺しの焦らしで壊されるよりも、快楽によって壊される方を鬼太郎どの・・・・・・あなたは望むのですね。

 視る者の魂を奪うような艶めかしい笑みを唇に刻んだアスタロトは、官能的な声で甘やかに囁くと、柔らかな鬼太郎の頬をやんわりと撫でる。
 「・・・・・・ふぅぅぅ・・・・・・ぅぅ・・・・・・うぐぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」
ほんの少しアスタロトに触れられただけで、全身が浅ましく疼く鬼太郎は、壊れかけた玩具のように何度も首を縦に振った。
 「フフフッ・・・・・・判りました、鬼太郎どの。大切な伴侶である愛しい鬼太郎どのの望みです。叶えて差し上げましょう」
 ただし、この私の元から逃げ出そうとした罰はあとできっちりと受けてもらいます。
 二度とあなたが愚かな真似をしないように、充分すぎるほどにたっぷりと罰を与えてあげます。
 でも、その前に・・・・・・まずはあなたの身体を懊悩させている疼きと欲望を満たして差し上げますね。
 この私にねだったことを後悔するぐらい、最高で最悪の快楽を与えて差し上げます。
 あのまま、悶え壊れていた方がマシだった思えるほどの・・・・・・地獄に満ちた悪魔の悦楽をね・・・・・・
蕩けるように艶めかしい声で邪悪な欲望に満ちた睦言を囁きながら、鬼太郎の細い腰を抱えたアスタロトは、優雅な流れる動きで魔界の大地に膝を立てた。
そうすると、限界まで大きく右足を引きはだけているために、小ぶりな鬼太郎のペニスは勿論のこと、恥ずかしい秘部の窄まりまで全て丸見えになってしまう。
全ての恥ずかしい場所をアスタロトの視線に晒されることに、息も止まるような羞恥を感じるが、
今はそれ以上に心と身体をどうしようもなく狂わせる疼きと熱を鎮めて欲しかった。

 「ふぅぅぅぅ・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・うぅぅぅ・・・・・・くぅぅぅ・・・・・・」
噛まされた口枷の奥から、獣のような呻き声を発しながら、淫らな情欲に理性を飛ばしかけている鬼太郎は、小柄な身体を淫らにくねらせた。

 「おやおや、はしたなく身体をくねらせて・・・・・・私の知らないあいだに鬼太郎どのは随分と淫乱になったようですね」
 ですが、淫乱な鬼太郎どのもなかなかに愛らしくて良いですね。
 弄りがいがあると云うものです。

艶やかな緋色の双眸を淫蕩に揺らめかせながら、愉しげに喉を鳴らしたアスタロトはペロリと舌舐めずりすると、
快楽を求めてヒクヒクと脈打っている鬼太郎のペニスにゆっくりと唇を寄せた。
魔界樹の枝に吊り上げられた鬼太郎の腰は、膝をついたアスタロトのちょうど頭の辺りにあって、ペニスを舐めるのに最適なのだ。
 ピチャッ、ヒチャリ――――

獰猛な猫科の肉食獣が獲物の体液を舐めるような音が、魔界の木々が鬱蒼と生い茂る森の中に響き渡り、鬼太郎の喉からくぐもった艶めかしい声が零れる。

 「・・・・・・くぅぅぅ・・・・・・ぅぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」

敏感な幹の部分を手のひらで包み込んだアスタロトは、そのままゆっくりと擦りあげながら、亀頭の先端に舌を這わせて、小ぶりなペニスの表面を幾度となく舌で舐めまわした。

 「うぁぁぁ・・・・・・ぁぁぁ・・・・・・んぅぅぅ・・・・・・」

腰が痺れるような峻烈な快感に、鬼太郎は愛らしい呻き声を洩らした。
感じやすい亀頭の括れに、アスタロトはたっぷりと舌を絡め、形の良い唇に含んでねっとりと上下に扱きあげる。

 「・・・・・・うぁぁぁ・・・・・・ぁぁ・・・・・・んぅぅぅ・・・・・・っ」

魔界樹の催淫香に狂わされている鬼太郎の身体は、視界がぼやけて殆ど見えず、考える力が全く働いていない。
鬼太郎の頭の片隅に、ほんの僅かだが存在している理性が、これ以上アスタロトに狂わされてはいけないと訴えているのだが、
おぞましい催淫香に身も心も揉みくちゃにされている少年妖怪は、あまりにも無力すぎる。

 「・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・うぐぅぅうぅ・・・・・・ぅぅふぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」

つらそうに――――しかしひどく煽情的に――――くぐもった呻き声を洩らしながら、鬼太郎は濃厚なアスタロトの淫戯に弄虐されていく。

 「少しは恥ずかしいと思っているようですが・・・・・・鬼太郎どののペニスからはいやらしい蜜がとろとろと溢れていますよ」
 なんて、淫乱で浅ましい身体なんでしょうか。

鬼太郎のペニスを口に含んだまま、アスタロトはわざと淫猥な言葉を意地の悪い声で囁く。

 「・・・・・・んふぅぅぅ・・・・・・んんんぅぅ・・・・・・ふぁぁぁ・・・・・・っ」

アスタロトが言葉を紡ぐたびに、彼の歯と舌と唇がペニスを淫らに刺激して、腰の抜けるような峻烈な快感に、噛まされた口枷の奥から鬼太郎は切なげな喘ぎ声を零した。

 「ほら、鬼太郎どの。もっといやらしく腰を振って下さい・・・・・・私が舐めやすいように・・・・・・」
 もっともっと腰を振って、私の目を愉しませて下さい。

激しい快楽に身悶える鬼太郎をよりいっそう狂わせようと、アスタロトはわざと淫猥な言葉を甘やかに紡ぐ。

 「うぐぅぅぅ・・・・・・っぅぅぅ・・・・・・うくぅぅぅぅ・・・・・・」

しっかりと噛まされた口枷の奥から、恥ずかしい喘ぎを洩らしながら、鬼太郎はアスタロトの舌戯に狂わされていった。
鬼太郎だって判っている。こんなに浅ましい姿をアスタロトの前に晒すことがどんなに恥ずかしく屈辱的なことか、痛いほどに判っている。
 だけど、もはやどうしようもない。
 鬼太郎の身体は、魔界樹の催淫香とアスタロトの口淫愛撫に狂わされている。
 淫らな意志を持ったアスタロトの熱い舌が、歯が、絶妙に蠢く形の良い唇が、不規則に鬼太郎を刺激して、哀れな少年妖怪を底のない悦楽へと引きずり込んでいくのだ。

 「・・・・・・ふぐぅぅぅ・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・うっ・・・・・・くぅぅぅ・・・・・・っ」

口枷の奥からとめどなく零れる恥ずかしい呻き声に、鬼太郎の理性は悲鳴をあげていた。
だけど、執拗で淫らなアスタロトの口淫愛撫は、鬼太郎の喉から甘くいやらしい呻き声を絞り出していく。
 ピチャッ、ヒチャッ、ピチャリ――――
 「ぐぎいぃぃ・・・・・・っ・・・・・・んぐぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」
猫科の肉食獣が獲物の体液を舐めるいやらしい音は途切れることなく淫らなリズムとなって魔界樹の森の中を響き渡り、木の枝に吊り上げられたまま鬼太郎はよがり狂った。
心地良い鬼太郎の呻き声は、アスタロトの淫心を邪悪なほどに煽り立て、少年妖怪のペニスを弄る口淫愛撫がよりいっそう執拗で、濃厚なものになっていく。

 チュッ、ヂュッ、ピチャッ、チャプリ――――

形の良いアスタロトの唇が敏感な亀頭の先端に何度も口接けの雨を降らせ、そうかと思うと、
ドクンドクンと切なげに震えるペニスの肉胴に舌を這わせ、太幹の先端から根元にかけて、たっぷりと舌先を往復させる。
さらにアスタロトは頭を左右に動かして、己れの唾液といやらしい先走りの蜜にぐっしょりとまみれている鬼太郎のペニスの側胴部を、
熱い唇でケダモノのように甘噛みした。

 「・・・・・・ふぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・うぐぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・ぅぅぅう・・・・・・っ」

あまりに峻烈な快感の深さに、魔界樹の枝に吊り上げられたまま、鬼太郎は悶絶した。
鬼太郎の感じている快感のすさまじさを表すように、はだけられた内腿がピクピクと痙攣している。
透明な唾液が、だらだらと口枷の奥から溢れ、鬼太郎の細い顎から首筋を汚していく。

 クックッ――――

限界まで膨らんだ鬼太郎のペニスを唇に咥え込んだまま、アスタロトは喉の奥でほくそ笑むと、
なおも愛しい少年妖怪を狂わせるために濃厚な口淫愛撫を送り込み始めた。

 ペチャッ、ピチャッ、ピチャリ――――

恥ずかしい精液をねっとりと舐める淫らな音が、鬼太郎の羞恥と鼓膜を刺激する。
アスタロトは、鬼太郎の膨らんだペニス全体に無数の口接けをくり返しながら、蛇のように長い舌でしつこいほどに擦りあげた。
尖らせた舌先で、敏感なペニスの裏側をくすぐることも忘れない。

 「っぅぅぅ・・・・・・んふぅぅぅぅ・・・・・・ぅぅう・・・・・・んぐぅぅぅ・・・・・・」

美味しい極上の蜂蜜でも舐めとるように、アスタロトの舌がチロチロと蠢くたびに、狂おしいまでに甘美な波が、
身も心もグチャグチャにされている鬼太郎に容赦なく嬉々として襲いかかってくる。

 「・・・・・・んんんぅうぅ・・・・・・っ・・・・・・」

 淫らなアスタロトの舌から逃れるように鬼太郎は細い腰を動かすが、それはよけいに残酷な陵辱者である闇公爵の頭を近付けさせることになり、
新たな狂おしくもいやらしい刺激をペニスに受けることにしかならない。

 「・・・・・・ふぅぅぅん・・・・・・っぁぁ・・・・・・くぅぅぅ・・・・・・ん・・・・・・っ」

 ぬめらかなアスタロトの舌は、執拗に鬼太郎の快感ばかりを煽り立て、囚われの少年妖怪を喘ぎ、よがり狂わせる。

 「んぎぃぃぃぃ・・・・・・っ・・・・・・ぐぅぅう・・・・・・っ・・・・・・ぅぅう・・・・・・っ・・・・・・」

亀頭の先端にあるもっとも敏感な尿道口を尖らせた舌先で弄くられて、鬼太郎は口枷の奥からくぐもった呻き声を洩らしながら、よがり泣いた。
なめらかな鬼太郎の背中が大きく反り返り、魔界樹の枝が淫らに揺れる。
鬼太郎の動きに合わせるように、濃厚な催淫香の漂う魔界樹の葉が一枚、一枚枝から落ち、よがり狂う少年妖怪の身体に纏わり付いてくる。
愛しい鬼太郎が、快感に壊れていく様を濃艶な眼差しで見つめながら、アスタロトはなおも執拗に熱い舌先で鋭敏な亀頭の括れや鈴口を舐めしゃぶり、
大きな手のひらを使って、甘い蜜の詰まった陰嚢を揉み扱いた。

 「・・・・・・ふぐぅぅぅ・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・くふぅぅぅ・・・・・・っぁぁぁ・・・・・・あぅぅぅう・・・・・・っ」

アスタロトの舌が蠢くたびに、鬼太郎は細い腰を震わせて、噛まされた口枷の奥から艶めかしい喘ぎを噴き零しながら、
壊れた玩具のように身も世もなく悶え狂った。
もう――――限界だった。
これ以上の悦楽に、鬼太郎は耐えることが出来ない。

 「ふあぅぅぅぅぅ・・・・・・んんぅぅぅ・・・・・・んぐうぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」

鬼太郎の喉から零れるくぐもった喘ぎ声は、アスタロトの禍々しいまでに昏い欲情を煽る、淫らで愛らしい啜り泣きに変わっていく。
限界を訴える鬼太郎の泣き声を耳にしたアスタロトの眼差しが、ひどく淫蕩なものになり、執拗にペニスを弄虐している唇が濃艶な笑みの形を刻んだ。
極上の宝石よりも美しい闇公爵アスタロトの緋の双眸が、淫らな輝きを帯び、邪悪なまでの愉悦に彩られていく。
喘ぎ、身悶え、よがり狂う愛しい伴侶である鬼太郎を、これまで一度も味わったことのないであろう最高の絶頂へと導くために、
アスタロトはさらに激しく舌を使い、ペニスを舐めしゃぶって、こってりといやらしく甘噛みした。
そして、アスタロトの形の良い歯が、浅ましいまでに大きく膨らみ、ヒクヒクと脈打っている鬼太郎のペニスを擦りあげるように甘噛みした瞬間、
快感にのたうつ少年妖怪の全てが弾け飛んだ。

 「ふぐぅぅぅぅぅ――――っ!うぅぅぅっ・・・・・・っんぅぅ・・・・・・くぅぅぅぅ・・・・・・っ――――!」

魔界樹の枝に吊り上げられた華奢な身体を大きくのけ反らせた鬼太郎は、口枷の奥から長い悲鳴を噴き零しながら、
柔らかくぬめりを帯びアスタロトの温かな口腔に熱い精を迸らせた。
たっぷりと、手間暇をかけて与えられた射精の絶頂はすさまじく、気が狂った方がマシだと思えるような快感が、延々と長く続いた。
鬼太郎の神経を甘く麻痺させる峻烈な絶頂感が、小柄な身体に染み渡っていく。

 ゴクン、ゴクン、ゴクリ――――

口中にたっぷりと溢れた快楽の蜜を、アスタロトは美味しそうに喉を鳴らして飲み干し、最後の一滴まで搾りつくすように、柔らかな陰嚢を乱暴に揉み扱いた。

 「・・・・・・んぁぁぁあ・・・・・・っ・・・・・・うふぅぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」

いやらしい蜜を吐き出して、力なく垂れ下がっているペニスをしつこくむさほられる快感に、鬼太郎は細い腰を震わせて弱々しく喘いだ。
そんな鬼太郎の艶めかしい喘ぎに誘われるように、緋色に輝くアスタロトの双眸に淫欲の焔が燃え上がり、
視る者の魂を奪い、永遠に虜にする魔性の微笑みが形の良い唇に浮かび上がる。
ペロリと、口の端を舐めまわしながら、鬼太郎の柔らかな内腿に指を這わせたアスタロトは、玲瓏たる美貌を毒花のように艶やかに輝かせた。

 「うぅ・・・・・・くぅぅ・・・・・・」

そんな密やかな指の感触にすら、イッたばかりでひどく敏感になっている鬼太郎は反応してしまう。

 クッ、クッ――――

愛らしい呻きと共に、ピクリと身体を震わせる鬼太郎の姿に、アスタロトは艶やかな緋色の双眸をいやらしく細めると、愉しげにほくそ笑んだ。

 「――――全く、私の伴侶である鬼太郎どのはなんていやらしいんでしょうね・・・・・・私がほんのすこし触れただけで、恥ずかしい声をあげて・・・・・・
 以前から淫乱だとは思っていましたが、まさかここまで恥知らずになるなんて・・・・・・本当に浅ましい方だ。
残酷な嘲りを含んだ艶めかしい声でねっとりと囁いたアスタロトは、鬼太郎の声を奪っている口枷を取ると、
たらたらと涎を零す唇をケダモノのように舐めまわしながら、少年妖怪の細い顎を強引に引き上げた。
少女めいた可憐な鬼太郎の顔は、いやらしい汗と唾液にぐっしょりとまみれていた。
どんよりと濁った緋色の隻眼が、虚ろにアスタロトを見つめ、力なく開かれた唇からはだらしなく涎が滴っている。
鬼太郎の限界を遥かに大きく超えた射精の絶頂は、想像出来ないほどの激しさで、少年妖怪の心と身体を蹂躙し尽くしているのだ。

 ペロリ――――
ひどく淫猥な仕草で口の端を舐めあげたアスタロトは、激しい絶頂の反動で半ば放心状態になっている鬼太郎の顔を愛しげに撫でまわしながら、
食べ頃のイチゴ菓子のように、ぷっくりと膨らんだ桜色の乳首を摘みあげ、クリュッ、クリュッと捏ねまわした。

 「・・・・・・っぁぁああ・・・・・・ぁぁあ・・・・・・っ・・・・・・」

敏感な乳首を弄くられるいやらしい快感が、僅かに鬼太郎の意識を現実へと引き戻していく。
 「ああ、良かった。正気に戻って下さいましたか・・・・・・どうやら少し刺激が強すぎたようですね」
 ですが、まだ意識を失ってもらう訳にはまいりませんからね。あなたにはこれから罰を受けてもらわなくてはいけないのですから・・・・・・
 私の元から逃げ出そうとした罰をしっかり与えて差し上げないと、どうにもこの怒りを静めることは出来そうにありません。
 覚悟しておいて下さい、鬼太郎どの。あなたは闇公爵であるこの私のプライドを傷付け、私を本気で怒らせました。
 二度と私の元から逃げ出さないように、今からたっぷりとあなたを躾けて、魂の底まで刻み付けて差し上げます。
 私の怒りがどれほどに恐ろしいか・・・・・・
 私がどれほど、あなたに狂っているか・・・・・・
 快感に弱くなったあなたの身体に、じっくりと教えて差し上げましょう。
 せいぜい気をしっかり持って、壊れないようにして下さいね。
 私が最後まであなたを罰することが出来るように自我を保って、私を愉しませて下さいませ。
鬼太郎の耳朶に唇を擦り付けたアスタロトは、淫猥な声で艶めかしく囁きながら、魔界樹の幹に巻きついている蔓草を手に取った。
小さなうす紫色の実を鈴なりにつけたそれは『ラルファシア』と呼ばれる魔界の実だった。
やや粘り気のある甘い香りの蔓や実の汁は強力な催淫性の毒を含み、主に魔女たちがサバトで悪魔と交合するときに好んで使われている。
陰惨な笑みを唇に浮かべたアスタロトは、大小のこぶが重なった蔓を1メートルほど幹から乱暴に毟り取った。
アスタロトはそのまま、うす紫色の実のいくつかを無造作に千切ると、手入れの行き届いた長い爪先で器用に皮を剥いた。
薄皮の下から瑞々しいピンクの果肉が現われ、ラルファシアの独特の甘い香りが濃厚に漂い始める。
それは充分すぎるほどに熟れていて、アスタロトの指先のあいだからも、ジュクジュクとピンク色の果汁が滲み出ていた。
 「フフッ・・・・・・この実は食してもとても甘いのですが、もっと他にも愉しい使い方があるのですよ」
 鬼太郎どのがどこまで、正気を保っていられることが出来るか・・・・・・本当に愉しみですね。
にやりと、形の良い唇に淫蕩な微笑みを浮かべたアスタロトは、密やかに喉を鳴らすと、皮を剥いだラルファシアの実を、
慎ましやかに閉じている鬼太郎の秘部の窄まりに擦りつけた。
 「いつも私を受け入れて下さるお尻の中にもたっぷりと塗り込めて差し上げますから、心ゆくまでラルファシアの実を味わって下さい」
 ほらほら、もっと気持ち良くなれるように、お尻の中にも入れて差し上げますね。
いやらしいアスタロトの言葉と共に、彼の手の中にある柔らかい果肉が潰れ、粘ついた果汁が繊細なお尻の襞肉に塗り込められる。
 「・・・・・・ひぐぅぅぅ・・・・・・ぁぁぁあ・・・・・・っ・・・・・・やぁぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・」

ラルファシアの果汁がお尻の粘膜に塗り込められるたびに、鬼太郎は狂ったように華奢な身体を痙攣させながら、艶めかしい喘ぎ声を噴き零した。
しかし、悶絶する鬼太郎にかまうことなく、アスタロトはラルファシアの実を剥くと、小さなお尻の窄まりを残酷に指先で割り開いて、
媚毒の果汁にまみれた実を秘部の中に押し込んでいった。
 「ぁぁあぁぁっ・・・・・・あぁぁ・・・・・・っぁぁ・・・・・・んぁぁぁぁ・・・・・・っ」
魔界樹の木の枝に吊り上げられたまま、お尻の粘膜を魔界の実に犯されている鬼太郎は壊れた喘ぎを噴き零しながら、身も世もなく悶え狂った。
だが、ラルファシアの媚毒に犯され、次第に正気を失っていく鬼太郎を目のあたりにしても、アスタロトは弄虐の手を緩めない。
すでにお尻の中にいくつかのラルファシアの実を押し込んでいるのに、アスタロトはなおも鬼太郎を悶絶させようと、残酷に弄虐する。
ラルファシアの実が数珠つなぎになった太い蔓を手に取ったアスタロトは、鋭く伸びた爪で蔓のこぶに何ヶ所か傷をつけた。
傷付けられた蔓はたちまち、滲み出た汁にぐっしょりとまみれ、甘く淫らな香りを辺り一面にまき散らす。
濃厚な媚毒の匂いを漂わせている蔓の先端に、軽く口接けをしたアスタロトは、すでにラルファシアの実をいくつも詰め込まれているお尻の中にグイッと無慈悲に押し込んだ。
 「ひぃぃぃ・・・・・・痛・・・・・・っ・・・・・・」

粘液にまみれたこぶのひとつひとつが、傷付きやすい秘部の窄まりを押し拡げて、次々と鬼太郎の粘膜へと侵入していった。
先刻、秘部の粘膜にたっぷりと塗り込められたラルファシアの汁のおかげだろうか、可愛い鬼太郎のお尻は美味しそうにこぶのひとつひとつを呑み込んでいく。
 「・・・・・・あぅぅぅ・・・・・・やぁぁぁ・・・・・・アスタロト・・・・・・やだぁぁぁ・・・・・・やだぁぁ・・・・・・っ!」

 悲痛な声を振り絞って、鬼太郎は弱々しい哀願をくり返すが、アスタロトは妖艶な笑みを唇に浮かべたまま、全ての蔓を少年妖怪のお尻の中に押し込んだ。

 「・・・・・・っぁぁぁ・・・・・・苦し・・・・・・お尻が・・・・・・ぁぁあ・・・・・・っぁぁ・・・・・・灼けちゃうよぉ・・・・・・」
 苦悶の態を晒しながら、小刻みに身体を震わせる鬼太郎を淫虐な眼差しで見つめながら、アスタロトは長いこぶの連なりを呑み込んだお尻の孔を丹念に揉みほぐした。

 「――――全部呑み込むことが出来るかどうか心配しましたが、いつも私の欲望を受け入れているだけのことはありますね」
 あなたのお尻はいやらしいほど貪欲に、全ての蔓とこぶを呑み込んでいますよ。
 本当に、なんていやらしくて恥ずかしいのでしょう。

 嘲りを含んだ声で愉しげに言葉を紡いだアスタロトは、ラルファシアの汁で濡れそぼっている秘部の窄まりを弄くりながら、淫虐な含み笑いを零し。
しかし、そんなアスタロトの残酷な嘲笑も、おぞましいラルファシアの媚毒に犯されている鬼太郎の耳には届かない。
ひとつしかない緋色の隻眼が、虚ろに宙をさ迷い、白くて小ぶりな双丘が時折ブルブルッと痙攣を起こしていた。
蔓の傷から滲み出たラルファシアの媚毒が、お尻の粘膜から吸収され、小さな秘部が灼けるほど、浅ましく疼いている。
あれから一度も触れられていないペニスが浅ましく形を変え、膨らんだ亀頭の先端からは、だらだらといやらしい蜜を垂れ流していた。
そして、そんな壮絶な状態になっているペニスよりもなお、引き締まった細い腰全体が炎熱で炙られているかのような感覚に襲われ、
そのすさまじい疼きと焦燥感に、鬼太郎は気も狂わんばかりに身悶え始めた。

 ――――あぁぁぁっ・・・・・・お尻が熱くて・・・・・・熱くて・・・・・・気がヘンになってしまいそうだ・・・・・・――――
 父さん・・・・・・父さん、助けて下さい・・・・・・

華奢な裸身を痙攣させて、艶めかしく身悶える鬼太郎の姿を、アスタロトは緋色に輝く濃艶な双眸で見つめながら、
少年妖怪の秘部の粘膜が充分に媚毒を吸収するのを愉しげに待った。
そして――――
腸壁の粘膜にたっぷりと染み込み、おぞましい媚毒に犯された秘部は、ぽってりと充血して、痛々しいほど真っ赤に腫れあがっていた。

 「・・・・・・っぁぁぁ・・・・・・ぁぁあぁ・・・・・・ゃぁぁあ・・・・・・っ・・・・・・」

苦しげな鬼太郎の喘ぎに合わせるように、充血した秘部の窄まりが淫らなヒクつきをくり返している。

 「素敵ですね・・・・・・ラルファシアの媚毒がお尻に染み込んで、随分と爛れていますね。さぞや、感じやすくなっていられるでしょうね」
 ねぇ、鬼太郎どの。この蔓を一気に引き抜いたら、どうなると思いますか・・・・・・フフフッ・・・・・・

 淫蕩な含み笑いを零した声でねっとりと囁きかけながら、アスタロトは鬼太郎の秘部から垂れ下がっている蔓の端に手をかけ、クイックィッと意地悪く引っ張る。

 「ひぃぃぃっ・・・・・・やぁぁぁ・・・・・・やだぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・そんなこと・・・・・・しないで下さい・・・・・・アスタロト・・・・・・お願い・・・・・・ですから・・・・・・」

ガチガチと歯を鳴らしながら、年端も行かない幼子のように鬼太郎は魔界樹の枝に吊り上げられた身体を震わせた。
ラルファシアの実のこぶを呑み込んでいる秘部から蔓を引きずり出され、爛れたように充血して過敏になっている粘膜を擦られたら、間違いなく気が狂ってしまうに違いない。
少女めいた可憐な顔を蒼白にして、怯えの声を洩らす鬼太郎に残酷な笑みを浮かべたアスタロトは愉しげに目を細めると、
なんの躊躇もないままに、小ぶりな尻から伸びている蔓を容赦なく引っ張った。
ひとつの太いこぶが、充血した秘部の窄まりを強引に押し破って、プルンと勢いよく飛び出した。

 「ひっ、ひぎぃぃぃぃんっ・・・・・・んぁぁあ・・・・・・やぁぁっ・・・・・・やだぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・あぁぁぁぁ・・・・・・いやだぁぁぁあ・・・・・・っ!」

数珠つなぎになったこぶが連続して、爛れた秘部を押し拡げるように、引きずり出されていく。
いやらしい媚毒の粘液にまみれた固いこぶのひとつひとつに、繊細なお尻の粘膜をこすられて、鬼太郎は子供のように泣き叫んだ。
前立腺もこぶにこすられたのだろうか、アスタロトが弄っていないにもかかわらず、鬼太郎のペニスからは白濁の精液が迸る。

 「あぁぁぁ・・・・・・っ!ふぁぁぁぁあ・・・・・・っひぃぃぃ・・・・・・っ!」

直腸いっぱいに押し込まれたこぶの連なりが、ズルッズルツと過敏になっている粘膜を勢いよくこすって飛び出し、
壊れた蛇口のようになっているペニスからは精液がだらだらと垂れ流しになっている。
 「っあぁぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・ふぎぃぃぃ・・・・・・っ・・・・・・ぁぁぁぁあ・・・・・・んっ・・・・・・」
脳髄を鷲掴みにされるような強烈な衝撃に、鬼太郎は細い腰をわななかせて、激しいよがり泣きを噴き零した。
魔界樹の枝に吊り上げられた身体を支える左足の筋肉が、ピンッと引き伸びる。
 そして――――
全てのこぶと蔓が、お尻の中から引き出される頃には、鬼太郎はひとつしかない隻眼を大きく見開き、口の端からは涎を垂れ流して、壊れた玩具の姿で悶絶していた。
 「鬼太郎どの、気を失うにはまだ早いですよ。この程度の軽い責めでは私の怒りを静めることは出来ませんから・・・・・・」
 あなたにはもっともっとよがり狂って、悶絶してもらいます。
 私の元から逃げようとしたことが、どんなに恐ろしい罪なのか・・・・・・あなた自身の身体でたっぷりと思い知りなさい。
 絶対なる支配を込めた冷ややかな声で、アスタロトが残酷に言葉を紡ぐ。

そんなアスタロトに怯えるように、鬼太郎は意識を闇に溶け込ませて、容赦のない快楽地獄から逃げ出そうとするが、そんなことを残酷な陵辱者である男が許す訳がない。
逃げようとする鬼太郎の頬を、やんわりと軽く叩きながら、アスタロトはすさまじい快楽に壊れかけている少年妖怪の意識を、現実の世界へと引きずり戻した。
だが、先刻の責めがよほど応えたのか、鬼太郎はぼんやりと目を開けるだけで、ピクリとも動かない。

 「・・・・・・ぁぁ・・・・・・はぁ・・・・・・っ・・・・・・」

鬼太郎の限界を遥かに凌駕した峻烈な快感の嵐に魂まで奪われ、なにもかも全てを揉みくちゃにされているのだ。
糸の切れた操り人形のように、ぐったりと身体を弛緩させている鬼太郎の姿に、
禍々しい独占欲と昏い欲望を刺激されたのか、形の良いアスタロトの唇に邪悪な笑みが浮かび上がる。

 「――――仕方がありませんね。本当ならばここで許して差し上げるところですが、私の怒りは、ほんの欠片も静まっていませんので、このままあなたを犯すことにします」
 鬼太郎どの・・・・・・ご自分の身が可愛いなら、早く正気に戻ることですね。
 理性のタガが外れた私は、この魔界の誰よりも淫らで、残酷で恐ろしいですからね。あなたを壊して、犯り殺してしまうかも知れませんよ。
 それがおイヤなら、早く正気に戻ることです。
 私だって、いくらなんでも本気であなたを壊したくはないですからね。
 可愛いよがり声を私に聞かせて、欲望に荒れ狂う私の心を・・・・・・鎮めて下さい。

甘やかな官能に満ちた声で蠱惑的に囁いたアスタロトは、萎えた鬼太郎の腰を両手でがっしりと抱え込んで、己れの身体と密着させた。
そうして、真っ赤に爛れた粘膜をいやらしく覗かせている秘部の窄まりに、猛りきった男根を押し当てたアスタロトは、一気にそれをねじ込んだ。
 ズブッ、ズフリ――――
ラルファシアの粘液にまみれている可憐な肉の蕾が、粘液質のいやらしい音と共に大きく膨らんだアスタロトの亀頭を健気にも呑み込んでいく。

 「ひぃぃぃっ!・・・・・・」

萎えた身体を串刺しにする凶暴な肉の楔に、小ぶりなお尻を引きつらせつつ、鬼太郎は少女めいた可憐な顔を反り返らせて、苦しげな悲鳴を噴き零した。
苦悶する鬼太郎にかまうことなく、荒々しく脈打つ怒張の全てをアスタロトは根元まで埋め込んだ。
爛れたピンク色の狭口が今にも裂けそうなまでに拡がって、極太の男根を咥え込み、きりきりと食い締める。
それと同時に熱い粘膜がねっとりと、限界まで膨らんだ亀頭に絡み付き、素晴らしく心地良い感触をアスタロトに送り込んできた。

 「・・・・・・くぅぅ・・・・・・たっぷりとラルファシアの媚毒に犯されただけのことはありますね」
 私のモノが、素晴らしい快感に蕩けそうになっていますよ。
 並の男なら、呆気なく果ててしまいそうな甘美な締め付けと、心地良い襞肉のぬめりにアスタロトは低く呻きながら、グンッグンッと荒腰を突き入れた。
 容赦なく臓腑を抉り抜く激しい衝撃に、鬼太郎は頭をグラグラと揺らしながら、悲痛な泣き声を洩らした。
 「・・・・・・ひぅぅぅ・・・・・・っ・・・・・・ぁぁぁあ・・・・・・んぁぁあ・・・・・・っ・・・・・・お腹が・・・・・・裂け・・・・・・ちゃうよぉ・・・・・・」
猛り狂ったアスタロトの男根は恐ろしいほどに大きくて、まるで灼熱の棒でお尻を串刺しにされているかのようだ。
やがて、秘部の襞肉を炙るようなその熱は、狂おしいほどの快感となって鬼太郎を呑み込んでいく。
灼熱の焔よりも熱いアスタロトの男根で、お尻を容赦なく突き上げられるたびに、激烈な快感の噴火が起こり、鬼太郎の身も心も灼き尽くしていった。

 「ふぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・ぁぁ・・・・・・こ、壊れちゃう・・・・・・」
激しいアスタロトの抽送運動に、鬼太郎は口の端から透明な涎をだらだらと垂らして、苦痛と快感の入り混じったすさまじい快感に身も世もなく悶え泣いた。
しかしその一方で、ラルファシアに狂わされている鬼太郎の身体はより深い快感を求めて――――無意識のうちに――――自ら不自由な身体を揺さぶって、
お尻の粘膜を突き上げるアスタロトの男根を食い締めてしまう。
大量にすり込まれたラルファシアの媚毒は、骨の髄まで鬼太郎を犯していた。
さらに、野太く猛々しいアスタロトの男根によって刻み込まれる快感が、鬼太郎の心身を情け容赦なく蝕んでいく。
今の鬼太郎はもはや、日本最強の妖怪と謳われていた少年ではなく、悪魔の快楽に狂う一匹のケダモノにすぎなかった。
と――――
ふいに、鬼太郎のお尻を犯していたアスタロトの動きが止まり、粘膜に突き入れられていた男根がズブッという淫らな音と共に引き抜かれた。
 「・・・・・・ひぁぁ・・・・・・ぁぁ・・・・・・」
苦痛と快感の狭間にある狂乱の極みの中をいきなり放り出され、鬼太郎は困惑した。
言葉では云い表すことの出来ない喪失感に襲われ、思わずアスタロトの方に振り返り、潤んだ瞳で残酷な陵辱者を見つめる。
一方のアスタロトは、玲瓏たる凄艶な美貌に残酷な笑みを浮かべて、哀れな鬼太郎の姿を愉しげに見つめているだけだ。

 「――――どうしました、鬼太郎どの。私のモノが欲しいのですか・・・・・・ならばあなたの口で誓って下さい」

 永遠に、この私だけのものになると・・・・・・

 永遠に、この私だけを愛すると・・・・・・

 きちんとあなたの言葉で誓って下さい。

 どうしても、それを口にするのがイヤでしたら、このままあなたを樹に吊るして・・・・・・ラルファシアの媚毒を身体中の至るところに塗り込めて差し上げますよ。

 さぁ、どうします、鬼太郎どの。

 永遠に私のものになると誓うか・・・・・・

 それとも、ラルファシアの媚毒にまみれて、悶絶死するか・・・・・・

 ふたつにひとつ・・・・・・選んで下さい。


いやらしく尖った乳首を、長い指先で摘み上げながら、アスタロトは己れの熱い男根の裏側をなめらかな双丘に押し付け、
戸惑い、喘ぐ鬼太郎の耳元で甘やかに囁きかける。

 「ぁぁ・・・・・・」

残酷なアスタロトの言葉に、鬼太郎は小さな唇を震わせて、首を揺すり立てた。
悪魔との誓いは絶対だ。
ここで、アスタロトのものなると誓ったら、鬼太郎は永遠に彼の慰み者になってしまう。
永遠の中をアスタロトの慰み者として生きるなど・・・・・・誇り高い鬼太郎にはとても耐えられない
だけど、どんなに耐えられないと思っても、お尻の粘膜で淫らに渦巻く抑えようのない昂ぶりに、心が浅ましくも揺れ動いてしまう。

 ――――・・・・・・アスタロトにこのまま・・・・・・ずっと弄ばれるのは・・・・・・絶対にイヤだ・・・・・・
     だけど、もしボクがイヤだと云ったら・・・・・・彼はきっと・・・・・・本当にボクを・・・・・・――――

 考えるだけでも恐ろしい想像に、鬼太郎は我知らず身震いした。
もし、このまま鬼太郎が頷かなければ、アスタロトは絶対に彼を吊るしたまま、ラルファシアのすさまじい媚毒でよがり狂わせることだろう。
寒気が走るほどに端正な美貌を持つ闇公爵アスタロトには、嗤ってそれを行うだけの残酷さが確かにあった。

 「ほら、どうしました、鬼太郎どの・・・・・・早く返事を下さらないと、あなたの気が狂ってしまいますよ」
 別に私は、このままあなたの気が狂ってしまっても、かまわないのですよ。
 そうなれば、そうなったらで、色々と愉しい戯びをすることが出来ますからね。

すっかり尖りきった乳首を弄くりまわしながら、悪魔の誘惑に満ちた淫蕩な声でアスタロトが艶めかしく囁く。
だって、このまま鬼太郎の気が狂ってしまうことになっても、アスタロトはさほど困らないのだ。
何故なら、鬼太郎の気が狂ってしまえば、彼はどこにも逃げることが出来なくなってしまう。
ずっと、永遠に自分の側に縛り付けることが出来るのだ。
そうして、狂ってしまった鬼太郎を両腕に抱いたまま、永遠の快楽の世界に溶け込んでしまえたら、
どんなに甘美で満ち足りて、幸せな時間をすごすことが出来るだろうか。

 ニィィィッ――――

形の良い唇に狂信者の笑みを浮かべて、アスタロトはうっとりと目を細めた。
美しい緋色に輝く瞳の奥に、
妄執とも・・・・・・
執着とも・・・・・・
狂おしいまでの渇望ともつかぬ『彩』が、
消えることなく見え隠れしている。
しかし、肉体を容赦なく食い破る淫らな疼きに襲われている鬼太郎は、アスタロトの瞳に浮かぶ複雑な『彩』に、気づく余裕はない。

 「ぅぅ・・・・・・くぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」

ラルファシアの媚毒に狂わされた身体が苦しげに震え、切なげな呻きが唇から洩れた。
混迷した鬼太郎の頭の中は真っ白になり、僅かに残っていた理性の残滓すらも剥ぎ取られていく。
快感を欲しがっている粘膜の疼きはますます激しく淫らになり、アスタロトの言葉どおり、
このまま放っておかれたら、二度と元に戻ることが出来ないぐらい、気がおかしくなってしまうだろう。

 ――――・・・・・・父さん・・・・・・すみません・・・・・・ボクはもう・・・・・・父さんの元には・・・・・・帰れません・・・・・・――――

やがて、追いつめられた鬼太郎の中で、なにかがプツリと切れた。
快感に狂う頭の片隅に、人間界にいる大切な人たちの姿が浮かび上がるが、肉体をどうしようもないほどに狂われている鬼太郎には、もはやなす術がなかった。

 「わ、判りました、あなたのものになります。永遠にあなたの側で生きると誓います・・・・・・」
 だから、お願いですから・・・・・・アスタロト、もう・・・・・・もう・・・・・・お願いですから・・・・・・許して下さい・・・・・・
 ボクを、ボクを・・・・・・犯して下さい・・・・・・

 語尾を苦しげに震わせながら、鬼太郎は魔界樹の枝に吊り上げられた裸身を身悶えさせた。
身を刻む疼きは、もう耐えられないほどだ。
ガクガクと華奢な身体を震わせながら、鬼太郎は低い嗚咽を洩らした。

 「嬉しいですよ、鬼太郎どの。やっと、私の望む言葉を口にしてくれましたね」
 忘れないで下さい、鬼太郎どの。あなたは私に誓いました。
 闇公爵であるこの私アスタロトに、あなたははっきりと誓ったのです。
 永遠に私のものになると・・・・・・

 永遠に私と共に生きると・・・・・・あなたはご自分の言葉で誓って下さったのです。
 良いですか、鬼太郎どの。これからは永遠に私だけを見て、私だけのことを考えて下さい。
 なたの心に住んでいいのは、この私・・・・・・闇公爵であるアスタロトだけです。

蕩けるように艶めかしい声で、アスタロトが甘やかに言葉を紡ぐ。
しかし、囁く言葉の端々には、鬼太郎の魂を永遠に束縛する・・・・・・絶対なる支配が見え隠れしている。
全てを諦め、虚ろになっている鬼太郎の隻眼を真っすぐに見据えながら、アスタロトは深々と唇を重ねてきた。
歯列をいやらしくなぞり、
ゆったりと差し込まれる

舌の淫猥さ・・・・・・
捕らえた鬼太郎の舌を強引に絡め取りながら、
強く・・・・・・

きつく・・・・・・

甘く、淫らに・・・・・・

――――吸い上げる。

自分を支配しているのは、誰なのか鬼太郎に思い知らせるために・・・・・・
そのまま――――
鬼太郎の舌を思う存分舐めまわして、絡め取ったアスタロトは、艶やかな緋色の双眸に狂おしいまでの歓喜を浮かべながら、滾る欲望の全てを淫らに解き放つ。
だって、アスタロトの欲望もすでに限界だったから・・・・・・

 「――――鬼太郎どの、あなたの望みどおり、欲しいだけ差し上げます」
 たっぷりと、この私を味わって下さいませ。

うっとりするほど官能的な声で、アスタロトは妖艶に囁いた。
蠱惑の魅力に満ちたその声には、いやらしいほどに濡れた響きがねっとりと宿っている。
そうして――――
ズブリと、いう淫猥な音と共に、アスタロトは再び己れの猛った男根を焦らしに焦らされた鬼太郎の秘部に突き入れた。

 「あぁぁ・・・・・・ぁぁ・・・・・・っ・・・・・・ひぃぃ・・・・・・っ・・・・・・」

ようやく、淫らな望みが叶えられた鬼太郎は、しなやかな裸身を震わせて、艶めかしいよがり声を放った。
逞しい脈動と熱い充足感が、鬼太郎を散々苦しめていた狂おしいまでの疼きを吹き飛ばしていく。
長いあいだ焦らされていた肉の蕾と、直腸の粘膜が激しく反応し、深々と咥え込んだアスタロトの男根を痛いほどにキリキリと悔い締めた。

 「フフッ・・・・・・どうやら本当に待ち望んでいたようですね」
 こんなにもいやらしく私のモノを呑み込んで・・・・・・鬼太郎どのは恥ずかしいほどに淫乱なんですね。

残酷に嬲り、嘲るような口調とは裏腹に、緋色に輝く美しい双眼の奥には、狂おしいまでの歓喜が見え隠れしていた。
しかし、待ち焦がれた肉棒で、疼きに疼いている粘膜を抉られている鬼太郎には、アスタロトの歓喜の声は届かない。

 「・・・・・・ぁぁっ・・・・・・ぁああぁ・・・・・・っ・・・・・・」

喉の奥から切ない喘ぎを噴き零して、鬼太郎は狂ったように艶めかしく身悶え続けた。
極太の男根で、ラルファシアの媚毒に侵されている肉襞をこすられる感覚が、たまらなく・・・・・・イイ。
汗まみれの華奢な裸身を淫らにのたうたせながら、鬼太郎はお尻の粘膜から全身へと広がっていく快感に喘ぎ悶えた。

 「鬼太郎どの・・・・・・後ろだけの快感では、淫乱なあなたのモノも寂しいでしょう」
 私がたっぷりと弄って差し上げます。

アスタロトは喉に絡みつくような声で淫蕩に囁きかけると、触れられてもいないのに、浅ましく形を変えている鬼太郎のペニスを握り締めた。
クチュッ、クチュッ、グチュリ――――
可愛いペニスの感触を味わうように、ゆっくりと上下に扱き、いやらしい先走りの蜜を滲ませている亀頭の先端を手入れの行き届いた長い爪先で弄くりまわす。

 「いやぁ・・・・・・ぁあっ・・・・・・やぁぁ・・・・・・ぁぁあ・・・・・・っ・・・・・・」

剥き出しの性感帯である敏感なペニスと、恐ろしいほど過敏になっているお尻の粘膜で受ける淫らな刺激が混じり合い、
それはすさまじいまでの快感となって、鬼太郎の脳の快楽中枢を鷲掴みにした。
頭の中で極彩色の眩しい光りが弾け、意識がうすれていく。
犯され続けた下半身は蕩けきって、もはや感覚がない。

 「・・・・・・ふぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・ぁぁあ・・・・・・っ・・・・・・ぁぁあ・・・・・・ん・・・・・・っ・・・・・・」

 アスタロトが強く腰を突き上げるたびに、鬼太郎は愛らしい泣き声をあげる。
何度も何度も深く貫かれ、敏感な粘膜を抉りまわされて、身体が溶け崩れてしまいそうだ。

 「気持ち良いですか、鬼太郎どの・・・・・・もっともっとたまらない気分にして差し上げますよ」
 ですから、あなたの可愛らしくていやらしい声を、この私に聞かせて下さい・・・・・・
 私の与える快楽によがり狂うあなたの姿を、もっと私に見せて下さい。
 艶やかな緋色の双眸に、消えることのない欲情の『彩』を浮かべて、アスタロトは狂おしいまでに蠱惑的な声で熱っぽく囁く。

 「・・・・・・んぁぁぁ・・・・・・ぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・あぁぁぁ・・・・・・あぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・」

だが、魂を蕩けさせる艶めかしいアスタロトの声も、快感に身悶える鬼太郎の耳には届いていないのか、可憐な少年妖怪は虚ろな表情でよがり泣くばかりだ。
それならば、快楽によって己れの『想い』を伝えようと、野獣のようにしなやかな筋肉を躍動させて、アスタロトは激しく腰を動かした。
がっしりと抱え込んだ腕の中で、華奢な鬼太郎の裸身がガクガクと揺さぶられる。
激しく、熱く脈動するアスタロトの男根を締め付けている鬼太郎の襞肉が、小刻みに収縮しつつも、淫らな痙攣をくり返した。
ズブッ、ズブッ、ズチュッ、ズブリ――――
粘液質のいやらしい音を立てて、深く突き抉られるたびに、熱くて鋭い感覚が何度も何度も鬼太郎の背筋を駆け抜けていく。

 「あぅぅぅ・・・・・・ぅぅ・・・・・・ぁぁ・・・・・・くひぃぃ・・・・・・っ」

鬼太郎は、細い首を高く差し伸べて、しなやかにのけ反った。
うわ言のように昂ぶった艶めかしい喘ぎを噴き零しながら、アスタロトの男根で深々と串刺しにされた裸身をのたうたせる。

 「・・・・・・ひぃぃぃ・・・・・・っ・・・・・・っひぃぃ・・・・・・ん・・・・・・」

淫らな汗に濡れ光るしなやかな裸身が、ガクガクと快感にわなないた。

 「ぁぁ・・・・・・っ・・・・・・っぁぁあ・・・・・・ふあぁぁ・・・・・・っ・・・・・・」

弓のようにしなった身体が、突然硬直したかと思うと、唾液の溢れた唇から甘いよがり声が噴き零れ、鬼太郎はすさまじい絶頂へと容赦なく突き上げられていく。
だが、それでも秘部の粘膜を犯すアスタロトの律動は止まらなかった。
汗まみれになって、艶めかしくも淫靡な匂いを放つ小柄な裸身を荒々しく犯しながら、
ぷっくりと膨らんだ乳首を摘まみ、もう片方の手でいやらしい蜜まみれになっている鬼太郎のペニスを擦りあげる。
狂うようなその刺激に、鬼太郎は小ぶりだが引き締まったお尻を揺さぶり、狭く温かな襞肉で、アスタロトの怒張の根元を痛いほどにきつく食い締めた。
淫らに蠕動する直腸の粘膜が、激しく律動するアスタロトの男根に絡み付いてくる。

 「くぅぅ・・・・・・鬼太郎どの・・・・・・あなたは最高に素晴らしい・・・・・・私の伴侶です・・・・・・」
 例えどのようなことが起ころうとしても、あなただけは決して、手放したりは致しませぬ。

快感にのたうつ鬼太郎の細い身体を、力の限り抱きしめたアスタロトは、膨れ上がった男根を深々と愛しい少年妖怪のお尻の中に突き入れた。

 「ぁっ・・・・・・あぁぁ・・・・・・くふぅぅ・・・・・・っ・・・・・・」

犯され続けて、おかしくなっている粘膜を容赦なく突き抉られて、鬼太郎は甘い嬌声を迸らせながら、悶え狂った。
先ほどよりも強烈な絶頂感が、立て続けに鬼太郎を襲ってくる。

 「も・・・・・・やぁぁぁ・・・・・・ぁぁ・・・・・・ひぃぁぁぁ・・・・・・」
小柄な身体を吊り上げている魔力の縄を揺らしながら、鬼太郎は激しくのけ反ると、アスタロトの男根を強烈に締め付けた。
ラルファシアの実を鈴なりにさせている魔界樹の葉が、鬼太郎の揺れに合わせるかのようにして、はらはらと音もなく静かに舞い落ちる。
魔界樹の葉が舞い落ちるたびに、濃厚な催淫香が周囲の空気を淫靡に染め、ケダモノになった二人の身体を包み込んでいった。

 「鬼太郎どの・・・・・・私の・・・・・・私だけの愛しい人・・・・・・」
 この私が唯一欲しいと願った、永遠の伴侶・・・・・・

愛しさと欲望に掠れた声で呻くように囁いたアスタロトは、きつい収縮をくり返す粘膜の奥に、ひときわ強く男根を抉り込み、
抜き差ししながら、こらえにこらえていた欲望の熱を解放した。
鬼太郎の粘膜をいっぱいに埋め尽くしているアスタロトの男根が、大きく膨張して、
それに合わせるかのように激しく脈動して、熱い欲望の飛沫が鬼太郎の中にたっぷりと注ぎ込まれる。

 「・・・・・・ふぁぁぁ・・・・・・っ・・・・・・ぁぁぁあ・・・・・・ぁぁ・・・・・・っ・・・・・・」

灼けるように熱いアスタロトの精を受けた鬼太郎は、掠れた喉を絞って、艶めかしい悲鳴を噴き零し、快感に強ばった身体をわななかせた。
そのまま鬼太郎の意識は、すさまじい勢いで押し寄せてきた嵐のような絶頂の波に攫われ、アスタロトの手の中を、白い白濁の蜜で濡らしていく。






 濃厚な淫の気が立ち込める森の中で、

 アスタロトは、ようやく身も心も手に入れることの出来た

 永遠の伴侶である鬼太郎の身体を抱きしめながら、

 蕩けるように満ち足りた・・・・・・

 歓喜の笑みを浮かべた。







 輝く緋色の双眸が、

 鬼太郎の快楽の全てを受けて・・・・・・

 より美しく・・・・・・

 より淫らに・・・・・・

 アスタロトの歓喜を受けて、

 艶やかな――――輝きを放つ。







 アスタロトに永遠を誓った鬼太郎は、もう彼の腕から逃げ出せなかった。

 アスタロトの永遠の伴侶となることを誓った鬼太郎は、

 未来永劫この地獄で、

 淫らな快感をその身に受けて、

 愛らしく喘ぎ、悶えるのだ。







 それが、アスタロトの望みだから・・・・・・







 永遠に鬼太郎を快楽の中で、よがり狂わせることが、






 ――――アスタロトの至上の

悦びなのだから・・・・・・――――


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