- 2011⁄08⁄29(Mon)
- 22:44
booty boy
- 2011⁄08⁄21(Sun)
- 02:59
練習後の部室 アロエ
夕暮れ時のE中学グラウンド。
下校時間も迫った時刻、グラウンドを使用していたそれぞれの部はすでに練習を終えてお
り、コート整備や用具の後片付けに取り掛かっていた。
そんな中の一つである野球部もまた、練習に励む部員達の一日が今日もまた終わろうとし
ていた。
「拓人」
地面に散乱するボールの数々をケースに集めていた一年生の春山拓人は、突然背後からの
声で作業の手を止められる。
「は、はい……」
強張らせた表情を向けた先には、二年生の沖が立っていた。
沖はそんな拓人へほんのわずかな微笑を浮かべながら、ゆっくりと足を進めさらに間近に
まで迫ってきた。
距離を詰められ、拓人はいつしかすっかり全身を硬直させて立ち竦んでしまう。
そんな拓人の肩へと片腕を回し、乱暴にグイっと身を抱き寄せる。
「今日、ちょっと残ってくれるか?俺らの『自主練』に付き合って欲しいんだよ」
周囲には聞こえない小さな声で、沖はそう拓人の耳元で囁くのだった。
しかしその瞬間、拓人は露骨なまでの動揺を色濃くさせていく。
「終わったら、部室に来い。みんな待ってっから」
「……分かりました」
震える声を引き絞り、拓人はそう答えるしかなかった。
その時、沖の手が拓人の臀部辺りへと素早く伸ばされてくる。
「っ……!」
ズボンの上から谷間へと指が食い込んでくるや、拓人はビクッと大きく身を震わせた。思
わず声も発してしまいそうになるも、寸前のところで押し殺す。
ククッと、沖は嘲笑する様な笑みと眼差しを向ける。
「頼んだぜ、何せお前は期待のルーキーなんだしよ」
そう言い残し、沖はすぐさま拓人から離れてその場から立ち去っていく。
しかし沖がいなくなってもなお、青ざめた拓人はしばし固まったまま動く事が出来なかっ
た。布地越しに触れられた指の生々しい感触が未だに残る中、一年生でありながらピッチャ
ーとしての才能と頭角を見せ始めた拓人の、『追加練習』が始まろうとしていたのである。
部室の戸を開けると、すでに中では二年、三年の先輩達がたむろして待ち構えていた。
脱ぎ捨てられたシャツやシューズなど部員達の様々な私物や練習用用具が乱雑に置かれ
た、臭気とホコリに満ちた典型的な男子運動部部室。しかし練習を終えて何も知らぬ部員
達が帰った後のその場所は、今や狂気と倒錯の空間へと一変していたのである。
「へへ、やっと主役のお出ましだぜ」
先輩達の野卑な笑みと眼差しが、室内へと足を踏み入れる拓人へ集中して浴びせられて
いく。
震えそうになる身体を懸命に堪え、拓人は彼らの前へと立つ。向けられるいくつもの視
線から表情を隠す様に、拓人は無言で顔を俯けていた。それが今の拓人に出来る、唯一に
してあまりに微弱な抵抗であった。
やがてその内の一人、さっきこの部室へと呼び出した沖が、拓人へと最初の言葉を放つ。
「拓人、脱げ」
沖は拓人の下半身へ視線を向けながら、そう簡素に命じてきた。
その言葉で、拓人は一気に胸が締め付けられる様な苦しさを覚えていく。しかし抵抗も
懇願も無意味だという事は、拓人自身が一番よく分かっていた。早くこの忍従の時間から
解放されるためにも、拓人は彼らからの命令に対し、素直に従うしかなかった。
先輩達の視線を一身に受けながら、拓人は強張り震える指先を自らのベルトへと伸ばし
ていく。
狭い室内に、カチャカチャとベルトの金属音が響き渡る。
「ノロノロしてんな。てめぇ、そんくらいの事でどんだけ時間掛ける気なんだ」
「許してやれよ、才能ある新人ピッチャー君は俺ら凡人どもとは違うんだって。何事にお
いても、冷静沈着に動作を進めてんだろうよ」
「それか、わざと焦らして俺らの期待を盛り上げてるのかもよ」
ベルトやズボンのホックを外す拓人に対し、次々とわざとらしい嫌味が飛び交う。
それら言葉の一つ一つが、拓人のプライドを容赦なく踏み躙っていく。しかしそれ以上
に、こんな理不尽な目に遭いながらも何ら抗う事も出来ず従い続けるしかない自分自身と
いうものに、拓人は絶望的な無力感で苛まれていくのだった。
やがてはついに、自らの手でファスナーをも引き下ろす。腰に対するズボンの締め付け
が、一気に緩んでいく。
(耐えろ!)
拓人は己へと必死に言い聞かせ、覚悟を決める。そして先輩達の加虐的な監視の中で、
そのままズボンを下着ごと静かに摺り下ろしていくのだった。
露となり、周囲に曝け出される拓人の恥部へと彼らの視線は集中していく。そしてクス
クスと、嘲笑する様な笑いが拓人を包み込む。
陰毛が薄っすらと目立ち始めたばかりの幼いペニスに、いくつもの眼差しが浴びせられ
る。無論、前を手で隠す事など拓人には許されはしない。完全なる見世物のごとく、拓人
はその無様な姿のままで先輩達の前に立ち続けねばならなかった。それは繊細な年頃の少
年にとって、あまりに耐え難い屈辱と精神的苦痛の時間。しかし拓人にとって、これは単
なる始まりでしかなかったのである。
拓人は一切の感情を殺し、耐え続けた。しかし耐えるという事に努めようとすればする
程、むしろ彼らから自分のこんな恥ずかしい姿を見られているのだという事実を、より過
剰なまでに意識せずにいられなくなってしまう。それは同時に、拓人の鼓動を激しく高鳴
らせていき、身体を急速に熱くさせていくのだった。
(だめだ……また、俺……)
羞恥心という感情の昂ぶりが、拓人の身体に屈折した反応を呼び覚ましていく。
「おいおい、もう勃ってきてんじゃん」
一斉に彼らは色めき立つ。
力なく垂れ下がっていた拓人のペニスは、何人もの人間に見守られる中、いつしかその
姿を確実に豹変させていく。
「何だよお前、俺達にフルチン見られて興奮してんのか?」
「………」
拓人の表情に、悔しさが濃厚に滲んでいく。しかし拓人の意思や理性とはまるで無関係
に、ピクピクと幹を脈打たせながら、己のペニスが先輩達の前で逞しく直立していくのだ
った。
(何でだよ……何で俺……こんなに悔しいのに……こんなに辛い目に遭ってるのに……ど
うして……)
到底受け入れなれないあまりに残酷な現実と自己嫌悪。拓人は自分自身で己の誇りを徹
底的に打ち砕いてしまう結果を、今日もまた招いてしまうのであった。
そしてそんな拓人の醜態が、いよいよ彼らを勢い付かせていく。
やがて三年生でキャプテンでもある村西が、拓人の前へと足を進めてくる。
「黙ってないで、何とか言えよ」
絶望の中で佇む拓人の横へと村西は身を寄せるや、いきなり少年のペニスを掴んできた。
ビクッと、拓人の身体が敏感に震える。
口元を歪めながら、村西はそのまま拓人のペニスを乱暴に扱いていく。
「あっ……んんっ……!」
押し殺す様な喘ぎを洩らしながら、拓人は腰を何度も捩らせる。
「先輩が聞いてんだ、ちゃんと答えるのが礼儀ってもんだろ?」
「………」
「いつまでたっても、生意気な野郎だ」
黙り込む拓人に対し、苛立たしげに舌打ちをしながら村西は呟く。
すると今度は、同じく三年の井上が拓人の前へと迫ってくる。
「お前さぁ、それでカッコ付けてるつもりか?俺らの前でチンポお勃てる変態に、今さら
何のプライドがあるってんだ?」
「ち、違います……俺は……」
それでもなお、必死になって拓人は反論しようとする。
しかしそんな中で、ペニスを掴む村西の手はいよいよその動作を加速させていく。
「んぁっ……ああっ……」
「変態だろが、正真正銘の」
「ひっ……やぁっ……!」
さらに村西は、指で亀頭部分を集中的に刺激してくるのだった。
痺れる様な敏感な刺激が、拓人の中で激しく駆け巡っていく。それは同時に否応なく、
拓人の中でもどかしいまでの疼きを掻き立ててきてしまう。
そんな拓人の様子を、他の部員達は楽しそうに眺めてきていた。
「見ろよ、もうあんなにガマン汁垂らしてるぜ」
二年の大西が、これ見よがしに指摘してくる。
村西に股間を弄られながら、瞬く間に拓人の亀頭は潤いに満ちていき、先走りのカウパ
ーがドロドロと垂れ流れていく。
息を荒げ、顔を高潮させていく拓人。耐え難い恥辱を強いられてもなお、幼い性感はい
よいよ鋭敏になっていき、火照り続ける股間は欲望を込み上がらせてきてしまう。
しかしその時、急に村西はペニスから手を離してきた。
カウパーに塗れながら、力強く何度も脈打つ拓人のペニス。今や限界にまで張り詰めて
逞しく反り返るそれは、まさに欲望の塊以外の何ものでもなかった。
下校時間も迫った時刻、グラウンドを使用していたそれぞれの部はすでに練習を終えてお
り、コート整備や用具の後片付けに取り掛かっていた。
そんな中の一つである野球部もまた、練習に励む部員達の一日が今日もまた終わろうとし
ていた。
「拓人」
地面に散乱するボールの数々をケースに集めていた一年生の春山拓人は、突然背後からの
声で作業の手を止められる。
「は、はい……」
強張らせた表情を向けた先には、二年生の沖が立っていた。
沖はそんな拓人へほんのわずかな微笑を浮かべながら、ゆっくりと足を進めさらに間近に
まで迫ってきた。
距離を詰められ、拓人はいつしかすっかり全身を硬直させて立ち竦んでしまう。
そんな拓人の肩へと片腕を回し、乱暴にグイっと身を抱き寄せる。
「今日、ちょっと残ってくれるか?俺らの『自主練』に付き合って欲しいんだよ」
周囲には聞こえない小さな声で、沖はそう拓人の耳元で囁くのだった。
しかしその瞬間、拓人は露骨なまでの動揺を色濃くさせていく。
「終わったら、部室に来い。みんな待ってっから」
「……分かりました」
震える声を引き絞り、拓人はそう答えるしかなかった。
その時、沖の手が拓人の臀部辺りへと素早く伸ばされてくる。
「っ……!」
ズボンの上から谷間へと指が食い込んでくるや、拓人はビクッと大きく身を震わせた。思
わず声も発してしまいそうになるも、寸前のところで押し殺す。
ククッと、沖は嘲笑する様な笑みと眼差しを向ける。
「頼んだぜ、何せお前は期待のルーキーなんだしよ」
そう言い残し、沖はすぐさま拓人から離れてその場から立ち去っていく。
しかし沖がいなくなってもなお、青ざめた拓人はしばし固まったまま動く事が出来なかっ
た。布地越しに触れられた指の生々しい感触が未だに残る中、一年生でありながらピッチャ
ーとしての才能と頭角を見せ始めた拓人の、『追加練習』が始まろうとしていたのである。
部室の戸を開けると、すでに中では二年、三年の先輩達がたむろして待ち構えていた。
脱ぎ捨てられたシャツやシューズなど部員達の様々な私物や練習用用具が乱雑に置かれ
た、臭気とホコリに満ちた典型的な男子運動部部室。しかし練習を終えて何も知らぬ部員
達が帰った後のその場所は、今や狂気と倒錯の空間へと一変していたのである。
「へへ、やっと主役のお出ましだぜ」
先輩達の野卑な笑みと眼差しが、室内へと足を踏み入れる拓人へ集中して浴びせられて
いく。
震えそうになる身体を懸命に堪え、拓人は彼らの前へと立つ。向けられるいくつもの視
線から表情を隠す様に、拓人は無言で顔を俯けていた。それが今の拓人に出来る、唯一に
してあまりに微弱な抵抗であった。
やがてその内の一人、さっきこの部室へと呼び出した沖が、拓人へと最初の言葉を放つ。
「拓人、脱げ」
沖は拓人の下半身へ視線を向けながら、そう簡素に命じてきた。
その言葉で、拓人は一気に胸が締め付けられる様な苦しさを覚えていく。しかし抵抗も
懇願も無意味だという事は、拓人自身が一番よく分かっていた。早くこの忍従の時間から
解放されるためにも、拓人は彼らからの命令に対し、素直に従うしかなかった。
先輩達の視線を一身に受けながら、拓人は強張り震える指先を自らのベルトへと伸ばし
ていく。
狭い室内に、カチャカチャとベルトの金属音が響き渡る。
「ノロノロしてんな。てめぇ、そんくらいの事でどんだけ時間掛ける気なんだ」
「許してやれよ、才能ある新人ピッチャー君は俺ら凡人どもとは違うんだって。何事にお
いても、冷静沈着に動作を進めてんだろうよ」
「それか、わざと焦らして俺らの期待を盛り上げてるのかもよ」
ベルトやズボンのホックを外す拓人に対し、次々とわざとらしい嫌味が飛び交う。
それら言葉の一つ一つが、拓人のプライドを容赦なく踏み躙っていく。しかしそれ以上
に、こんな理不尽な目に遭いながらも何ら抗う事も出来ず従い続けるしかない自分自身と
いうものに、拓人は絶望的な無力感で苛まれていくのだった。
やがてはついに、自らの手でファスナーをも引き下ろす。腰に対するズボンの締め付け
が、一気に緩んでいく。
(耐えろ!)
拓人は己へと必死に言い聞かせ、覚悟を決める。そして先輩達の加虐的な監視の中で、
そのままズボンを下着ごと静かに摺り下ろしていくのだった。
露となり、周囲に曝け出される拓人の恥部へと彼らの視線は集中していく。そしてクス
クスと、嘲笑する様な笑いが拓人を包み込む。
陰毛が薄っすらと目立ち始めたばかりの幼いペニスに、いくつもの眼差しが浴びせられ
る。無論、前を手で隠す事など拓人には許されはしない。完全なる見世物のごとく、拓人
はその無様な姿のままで先輩達の前に立ち続けねばならなかった。それは繊細な年頃の少
年にとって、あまりに耐え難い屈辱と精神的苦痛の時間。しかし拓人にとって、これは単
なる始まりでしかなかったのである。
拓人は一切の感情を殺し、耐え続けた。しかし耐えるという事に努めようとすればする
程、むしろ彼らから自分のこんな恥ずかしい姿を見られているのだという事実を、より過
剰なまでに意識せずにいられなくなってしまう。それは同時に、拓人の鼓動を激しく高鳴
らせていき、身体を急速に熱くさせていくのだった。
(だめだ……また、俺……)
羞恥心という感情の昂ぶりが、拓人の身体に屈折した反応を呼び覚ましていく。
「おいおい、もう勃ってきてんじゃん」
一斉に彼らは色めき立つ。
力なく垂れ下がっていた拓人のペニスは、何人もの人間に見守られる中、いつしかその
姿を確実に豹変させていく。
「何だよお前、俺達にフルチン見られて興奮してんのか?」
「………」
拓人の表情に、悔しさが濃厚に滲んでいく。しかし拓人の意思や理性とはまるで無関係
に、ピクピクと幹を脈打たせながら、己のペニスが先輩達の前で逞しく直立していくのだ
った。
(何でだよ……何で俺……こんなに悔しいのに……こんなに辛い目に遭ってるのに……ど
うして……)
到底受け入れなれないあまりに残酷な現実と自己嫌悪。拓人は自分自身で己の誇りを徹
底的に打ち砕いてしまう結果を、今日もまた招いてしまうのであった。
そしてそんな拓人の醜態が、いよいよ彼らを勢い付かせていく。
やがて三年生でキャプテンでもある村西が、拓人の前へと足を進めてくる。
「黙ってないで、何とか言えよ」
絶望の中で佇む拓人の横へと村西は身を寄せるや、いきなり少年のペニスを掴んできた。
ビクッと、拓人の身体が敏感に震える。
口元を歪めながら、村西はそのまま拓人のペニスを乱暴に扱いていく。
「あっ……んんっ……!」
押し殺す様な喘ぎを洩らしながら、拓人は腰を何度も捩らせる。
「先輩が聞いてんだ、ちゃんと答えるのが礼儀ってもんだろ?」
「………」
「いつまでたっても、生意気な野郎だ」
黙り込む拓人に対し、苛立たしげに舌打ちをしながら村西は呟く。
すると今度は、同じく三年の井上が拓人の前へと迫ってくる。
「お前さぁ、それでカッコ付けてるつもりか?俺らの前でチンポお勃てる変態に、今さら
何のプライドがあるってんだ?」
「ち、違います……俺は……」
それでもなお、必死になって拓人は反論しようとする。
しかしそんな中で、ペニスを掴む村西の手はいよいよその動作を加速させていく。
「んぁっ……ああっ……」
「変態だろが、正真正銘の」
「ひっ……やぁっ……!」
さらに村西は、指で亀頭部分を集中的に刺激してくるのだった。
痺れる様な敏感な刺激が、拓人の中で激しく駆け巡っていく。それは同時に否応なく、
拓人の中でもどかしいまでの疼きを掻き立ててきてしまう。
そんな拓人の様子を、他の部員達は楽しそうに眺めてきていた。
「見ろよ、もうあんなにガマン汁垂らしてるぜ」
二年の大西が、これ見よがしに指摘してくる。
村西に股間を弄られながら、瞬く間に拓人の亀頭は潤いに満ちていき、先走りのカウパ
ーがドロドロと垂れ流れていく。
息を荒げ、顔を高潮させていく拓人。耐え難い恥辱を強いられてもなお、幼い性感はい
よいよ鋭敏になっていき、火照り続ける股間は欲望を込み上がらせてきてしまう。
しかしその時、急に村西はペニスから手を離してきた。
カウパーに塗れながら、力強く何度も脈打つ拓人のペニス。今や限界にまで張り詰めて
逞しく反り返るそれは、まさに欲望の塊以外の何ものでもなかった。
- category
- SS
- 2011⁄08⁄21(Sun)
- 02:50
土蔵の中 アロエ
とある静かな山村。豊かな山森と清らかな川の流れる一見して牧歌的なその村にも、一歩
集落の中へ入ったならば、堅牢なる村落社会の掟と階級によって支配される世界があった。
この村の一軒に、山中家がある。村内の他の家々とは比較にならない、突出して豪勢な邸宅。
昔からこの村の土地の多くを所有している大地主であった。
維新の世から未だ半世紀足らず。しかし明治以降の山中家の成長は著しいものがあった。以
前の様な単なる農地の地主というだけでなく、この地域における林業、運送、鉄道といった、
様々な事業に参入した事で大いに財をなし、その富は村の権力者として絶対的な裏打ちとなっ
ていたのである。
そんな山中家に生まれた一人の少年。
今年、尋常小学校の五年生に進級した山中実には、生まれてからこの方、自分の住む家の敷
地の中であるというのに、一度として立ち入った事のない場所があった。それは裏庭にある古
びた土蔵。幼い頃から実は、父からその土蔵に入ってはならないと、固く厳命されていた。し
かしそれは実だけではない。母や兄達、そして使用人といったこの家に関わる者一切の立ち入
りを父は拒んでいたのである。
何でもそこは父の仕事場でもあるらしく、誰にも邪魔をされたくないというのが一応の理由
であった。しかし好奇心旺盛な年頃である実には、その秘められた場所というものが何ともい
えず魅力的に感じてならなかった。
そしてついにある日、実は土蔵の中の探索を決意したのである。
ある晴れた休日の昼下がり。実が友人の家から戻ってみると、邸内は静まり返っていた。
どうやら家人達は皆出払っている様子で、容易に帰ってくる気配はない。家に一人という
状況の中で暇を持て余した実は、以前から気になっていた土蔵の探索をするいい機会では
ないかと、何気に思い付いたのだった。
そして実は、裏庭の土蔵へと足を運んだ。
(ん?)
土蔵に近付き、実は思わず足を止めた。誰もいないと思っていたはずが、土蔵の中で人
の気配がするのである。
(父さん、いるのかな?)
もしそうだとすれば、言い付けを守らず土蔵に侵入しようものなら、厳格な父にこっぴ
どく叱られるのは目に見えている。しかし一度決意しここまで来た以上、実はどうしても
沸き起こる好奇心を止める事が出来なかった。
(窓からちょっと中を覗くくらいなら、大丈夫だろ)
忍び足でさらに実は土蔵へと接近していく。そして土蔵の壁際を伝いながら、取り付け
られた窓のそばに身を置き、そっと顔を近付けていきながら、意を決して中を覗き込んだ。
「っ……!?」
その瞬間、実は思わず驚きの声を発してしまいそうになる。
窓越しに飛び込んできた蔵の中の光景。それは幼い実が想像していた以上のあまりに尋常
ならざる一人の人間の姿。
(あれは、ユウ兄ちゃん!)
蔵の中に居るのは父だとばかり思っていた実にとって、それはあまりに意外な人物、同じ
村の少年である間宮雄一郎であった。
実とは二歳違いの少年で、去年小学校を卒業し、その年の級生の中で唯一、狭き門である
中学に進学した村一番の秀才である。そして何より、いつも温和で優しい雄一郎は、実にとっ
て昔から誰よりも尊敬出来る兄のごとき存在であった。
その雄一郎が、父以外誰も入る事を許されない土蔵の中に居るのである。しかし実の衝撃
は、ただ雄一郎が土蔵の中に居るという事ではない。
(どういう事だ……え、何でユウ兄ちゃんがあんな事に……)
窓の向こうに居る雄一郎は、あまりに信じがたい姿となっていた。
衣服を全て脱ぎ去った、一糸纏わぬ雄一郎の光景。
露わとなるその素肌には、太い麻縄が肩から足にかけて複雑な括り方で巻かれている。両手首
は後ろ手に組まされ、脚も左右へと大きく広げられながら、踵が殿溝の辺りへピッタリとくっ付
く程に膝を大きく曲げられた姿位で、しっかりと縛り上げられているのだった。
(………)
愕然としたまま、実は声を失う。
そしてそんな拘束された形の雄一郎は、蔵の天井の梁に取り付けられた滑車によって、床へと向
き合わされる様に身を傾けられながら、宙へと縄で釣り上げられていたのである。
当然ながら、その状況は当の雄一郎にとって不本意極まりない様子であった。縛り上げられなが
ら、今にも泣きそうなばかりに表情を強張らせている。
(何で……一体何が……)
まさに、人としての誇りを一切奪われ、晒し者のごとき姿となる雄一郎。さらに実に衝撃を覚え
させたのは、縛られる雄一郎の肛門には、太さが二寸はあろうかという赤い蝋燭を、半分程も中へ
押し込められていたのである。当然ながら、この状況が雄一郎一人に出来るものではない。
(父さん!)
最初に視界へ飛び込んできたあまりにすさまじい雄一郎の姿に、すっかり注意を奪われてしまった
実であったが、無残な少年の傍らには、父が何食わぬ顔で立っていたのである。
「んぁっ……ううっ……」
雄一郎が洩らす呻きに似た声が、鮮明に実の耳へも伝わってくる。それがいっそう、この少年が
受ける非道なる仕打ちへの痛々しさを実の心に刻んでいく。
しかしそんな雄一郎を傍で眺める父は、少年の苦しむ姿を見て楽しんでいるとしか思えない、あ
まりに冷酷な笑みを浮かべているのだった。
(父さんが、ユウ兄ちゃんにこんな真似を……!?)
少年の思考の範疇をはるかに超えたおぞましい光景。実は茫然自失となったまま固まってしまう。
「ひっ……んぁぁっ……!」
その時、甲高い声が雄一郎から発せられ、実はハッとなる。
理解不能な現実。しかしそれでも実は目を凝らし、窓越しから薄暗い中の様子を改めて注視し
ていく。
雄一郎の肛門へと挿入される蝋燭。それをさらに父は、雄一郎の中深くへと容赦なく押し込ん
でいくのだった。
「だ、旦那様……許して、もう許してください……!」
悲痛な声で、雄一郎は父へと必死に訴えていた。
しかし雄一郎のそんな言葉に、父は鼻で笑う。
「何を言うか、ここはもうすっかり形を変えているではないか」
「あっ……ああっ……」
今度は父の手が、雄一郎の股間へと伸ばされながら、その部分を乱暴に弄っていく。
そんな雄一郎の股間へ視線を移しながら、実は息を呑んだ。
(あれが、ユウ兄ちゃんのチンポ……あんなにカチンコチンに……)
苦痛に悶え続ける雄一郎。しかしその下半身に目を向ければ、はち切れんばかりに怒張した少
年の陰茎が、天井を仰がんばかりに勢いよく反り返っているのだった。わずかな歳の差であると
いうのに、同じ男である自分のものとは比較にならない異質なる形のもの。実は雄一郎のその部
分へといつしかすっかり釘付けとなってしまう。
「フン、本当にお前は淫乱な身体をしておる。どうだ、お前の事だ、この程度ではまだ物足りな
いのであろう?」
そう言いながら、父は雄一郎の肛門へと押し込んでいた蝋燭を再びしっかりと掴み、今度は少
年の体内を掻き回すかのごとく、グイグイと前後左右へ大胆に動かしていくのだった。
「やぁっ……あっ……あぁっ……!」
いよいよ雄一郎の表情が、苦悶に歪んでいく。
「見てみぃ、いやらしい汁がどんどん垂れておるではないか」
父の向ける眼差しを追って、実も再び雄一郎の陰茎へと目を凝らす。
いつの間にか雄一郎の陰茎の先端からは、溢れ出した液体が床へと止めどなく垂れ落ちていく。
(え……ションベン……?)
こんな目に遭っているのである。苦痛に耐え切れず、思わず雄一郎が失禁したとしても何らお
かしくはない。しかし実の目には、その液体が普段排泄する尿とはどうしても違うものに映って
ならない。
それはドロドロと、糸を引きながら垂れる粘性の透明な液体。そんなものが自分の体内から出
た記憶のない実にすれば、状況はますます訳が分からず混乱していく一方であった。
しかしそんな詳細を、いちいち考えていられる余裕は実になかった。
「ああっ!」
土蔵の中に響く雄一郎の悲鳴が、もはや少年の忍耐力を遠に超えている仕打ちである事を十分
に物語っていた。
しかし容赦なく、父は蝋燭で雄一郎の肛門を責め立てながら、さらにもう一方の手でそそり立
つ陰茎を扱いていく。
「やめて、もうやめてぇ!」
なおも父から激しく責められ続ける雄一郎は、泣き叫びながら懇願する。
するとそんな雄一郎に、父は厳しい眼差しを向けるのだった。
「大声を出すなと、何度言えば分かるのだ!」
そう一喝するなり、壁へと立て掛けてあった竹刀を掴み、それを持って雄一郎の吊るし上げら
れた身体を何度も激しく叩き打っていく。
「ひぃっ……あっ……!」
拘束され逃げる事どころか身を防ぐ事すら出来ない雄一郎の肌へ、勢いよく竹刀が振り下ろさ
れる。雄一郎は歯を食い縛り、必死に耐え続ける以外に術はなかった。
(こんなの、拷問だ……)
いつしか実は恐怖に身を震わしていた。単に雄一郎が受ける肉体的な苦痛というだけでなく、
同じ村の少年へこんな真似を平然と繰り広げる父が、実には悪魔を見るかのごとき存在に映って
いく。
やがて存分に雄一郎を傷め付け満足したとばかり、父は持っていた竹刀を床へと置き捨てる。
幸い、雄一郎に目立った外傷はなさそうであった。しかし竹刀によって滅多打ちにされた少年
の艶やかな肌は、あちらこちらが痛々しく発赤していた。
「家人にも、お前のこんなあられもない姿を見られていいのか?わしとてさすがに他人の噂話まで
は止める事は出来んぞ。もしそんな事にでもなれば、お前の顛末は明日にも村中に知れ渡る事にな
るだろうな」
そう言ってくる父の言葉に、沈痛な表情で雄一郎はギュッと下唇を噛み締める。
「分かるか?村の神童として皆の期待を一身に集めているお前が、一夜にして唾棄すべき変態性欲
者となって村中から蔑視の目で見られる事になるのだぞ?」
「うっ……うぐぅっ……」
しかし雄一郎はついに堪えられなくなった様で、ボロボロと涙を流しながら嗚咽を漏らしていく。
そんな雄一郎の哀れな姿を眺めながら、父はむしろ口元に薄らと笑みを浮かべていた。心身共に
苦しみもがく雄一郎に対して向けられる、それはあまりに残酷な眼差し。
「わしに何か文句があるというなら、聞いてやるぞ?」
今や満身創痍となった雄一郎へと問うも、それはあまりにわざとらしい口調であった。
雄一郎はそんな父に対し、潤んだ瞳を逸らす。
「あ、ありません……旦那様の御命令には……何であろうと僕は従い続けます……」
一切の感情を押し殺す様に、雄一郎は引き絞る様な声でそう答えるのだった。
「そうであろう、わしがいなければお前は中学に進学する事など出来なんだ。お前の聡明さを誰よ
りも買っているからこそ、わしは学資を助けてやっているのだ。その事を忘れるな」
涙目で、表情にはこの上ない苦渋の色を雄一郎は浮かばせている。
ここにきて、ようやく実はこの理解の追い付かなかった状況の背景を、断片的ながらも把握した。
(そうだ……ユウ兄ちゃん、父さんから学費を工面してもらってて……)
小学校では優秀な成績を収めていた雄一郎。しかしそんな聡明なる少年も、卒業後の進路という
場面で、理不尽なる現実というものと否応なく向き合わねばならなかった。村一番の秀才と持ては
やされながらも、雄一郎の家は山中家から土地を借りて生計を立てる一介の小作農家。毎日の生活
で精一杯という家計の中、中学へ進学するための学費など、雄一郎の両親に捻出出来る訳がなかっ
たのである。
所詮は貧しい農家の倅という立場の雄一郎には、勉学を諦め、小学校を出た後は他の少年達と同
じく、どこかの街へ奉公に出るという運命が定められていた。しかしその時、雄一郎の希望となっ
たのが他でもない、村の大地主である父であった。父は、村が誇る秀才をこのまま埋めさせてはな
らないと、全面的に雄一郎へ学費の工面を決断したのである。それは村の篤志家の美談として、村
民達を大いに賑わせた。
実もまた、雄一郎が進学出来る事を我が事の様に喜んだものである。
(父さんは恩人だから……ユウ兄ちゃんは何をされても逆らえない……)
貧しさという現実に押し潰されそうになっていた雄一郎、しかし父の援助は何ら少年を救ってな
どいなかった。中学に進学出来た見返り、それは雄一郎へ新たに待ち受けていた過酷なる現実。
「やめて……もうやめて……ユウ兄ちゃんを、苛めないで……」
いつしか自然と、涙ぐむ実の口からはそんな言葉が漏れ出していた。しかしそれはあまりにか細
く、中に居る父や雄一郎に届くものではない。
「んっ……んんっ……!」
しかしそんな実の気持などあまりに虚しく、雄一郎は父によってさらなる忍従を課せられていく。
雄一郎の肛門へ埋められた蝋燭を、父はさらに乱暴に前後方向へ繰り返し動かしてくる。
幼い少年の肉体を、限界にまで父によって追い詰められていく。それでも雄一郎は、さっきのご
とく父の機嫌を損ねまいとしてか、絶叫を発したいであろう口元をしっかりと閉じ、頬へ涙を伝わ
せながらも懸命に声を押し殺していた。
その光景を正視する実もまた、いつしか瞳から止めどなく涙が溢れ出していた。
「美しい……お前のそのよがり狂う姿、なんと淫靡で美しいのだ……」
宙釣りで縛り上げられたまま、身悶え必死に身体を捩らせて喘ぐ少年の姿を、父は魅入る様に眺
めながら呟く。
「だ、だめっ……僕もう、もうっ……!」
その時、雄一郎の強張った身体が激しく震え出す。
(あっ……!)
実はその瞬間を、克明に脳裏へ焼き付けられる事となった。
痙攣する様に全身を震わせ、逞しく直立する雄一郎の陰茎から、勢いよく大量の白濁が噴出する。
その光景を、父は満足そうに眺めていた。
「前を触りもしておらんのに、肛門だけで絶頂を迎えるとはな。フフ、やはりお前はなかなか仕込み
甲斐がある」
異様なる液体を放出させながら、雄一郎はそのまま朦朧とした様子で脱力していく。
全てが限界であった。気が付くと、実は覗き込んでいた土蔵から脱兎のごとく走り出していた。も
う何も考えたくなかった。今はただ、あの異常なる空間から一刻も早く逃げてしまいたい、その一心
で雄一郎は走り続ける。
『ユウ兄ちゃん、学校に行ける事になったんだって?』
『ああ、お前の父さんのお陰でな。旦那様には、本当に感謝してるよ』
『ユウ兄ちゃん?』
『ごめんな……ハハ、男が涙なんか見せちゃだめだよな……だけど俺、こんな幸運に恵まれて……
本当に嬉しくて、幸せなんだ……』
『………』
『俺、もっと勉強して、絶対立身出世してやるんだ。貧乏人とか言って馬鹿にしてた奴らを見返
して……親父達ももう金の心配しなくていいくらい裕福にさせてやって……くそっ、涙が止まん
ねぇよ……情けねぇ……』
『……俺、ユウ兄ちゃんが泣いたなんて、絶対に他の奴には言わないから安心して』
『ありがとな、この事は絶対に内緒だかんな』
中学への進学が決まったあの日、自分だけに見せてくれた雄一郎の涙と最高の笑顔。それは今
もなお、実の心に大切な想い出として残っている。
しかしあの希望に満ち溢れた少年は、その代償として徹底的にその純粋なる心を踏み躙られた。
(もうあの時のユウ兄ちゃんは戻ってこない)
涙を流しなおも走り続ける実は、子供ながらその残酷なる事実を思い知らされるのだった。
集落の中へ入ったならば、堅牢なる村落社会の掟と階級によって支配される世界があった。
この村の一軒に、山中家がある。村内の他の家々とは比較にならない、突出して豪勢な邸宅。
昔からこの村の土地の多くを所有している大地主であった。
維新の世から未だ半世紀足らず。しかし明治以降の山中家の成長は著しいものがあった。以
前の様な単なる農地の地主というだけでなく、この地域における林業、運送、鉄道といった、
様々な事業に参入した事で大いに財をなし、その富は村の権力者として絶対的な裏打ちとなっ
ていたのである。
そんな山中家に生まれた一人の少年。
今年、尋常小学校の五年生に進級した山中実には、生まれてからこの方、自分の住む家の敷
地の中であるというのに、一度として立ち入った事のない場所があった。それは裏庭にある古
びた土蔵。幼い頃から実は、父からその土蔵に入ってはならないと、固く厳命されていた。し
かしそれは実だけではない。母や兄達、そして使用人といったこの家に関わる者一切の立ち入
りを父は拒んでいたのである。
何でもそこは父の仕事場でもあるらしく、誰にも邪魔をされたくないというのが一応の理由
であった。しかし好奇心旺盛な年頃である実には、その秘められた場所というものが何ともい
えず魅力的に感じてならなかった。
そしてついにある日、実は土蔵の中の探索を決意したのである。
ある晴れた休日の昼下がり。実が友人の家から戻ってみると、邸内は静まり返っていた。
どうやら家人達は皆出払っている様子で、容易に帰ってくる気配はない。家に一人という
状況の中で暇を持て余した実は、以前から気になっていた土蔵の探索をするいい機会では
ないかと、何気に思い付いたのだった。
そして実は、裏庭の土蔵へと足を運んだ。
(ん?)
土蔵に近付き、実は思わず足を止めた。誰もいないと思っていたはずが、土蔵の中で人
の気配がするのである。
(父さん、いるのかな?)
もしそうだとすれば、言い付けを守らず土蔵に侵入しようものなら、厳格な父にこっぴ
どく叱られるのは目に見えている。しかし一度決意しここまで来た以上、実はどうしても
沸き起こる好奇心を止める事が出来なかった。
(窓からちょっと中を覗くくらいなら、大丈夫だろ)
忍び足でさらに実は土蔵へと接近していく。そして土蔵の壁際を伝いながら、取り付け
られた窓のそばに身を置き、そっと顔を近付けていきながら、意を決して中を覗き込んだ。
「っ……!?」
その瞬間、実は思わず驚きの声を発してしまいそうになる。
窓越しに飛び込んできた蔵の中の光景。それは幼い実が想像していた以上のあまりに尋常
ならざる一人の人間の姿。
(あれは、ユウ兄ちゃん!)
蔵の中に居るのは父だとばかり思っていた実にとって、それはあまりに意外な人物、同じ
村の少年である間宮雄一郎であった。
実とは二歳違いの少年で、去年小学校を卒業し、その年の級生の中で唯一、狭き門である
中学に進学した村一番の秀才である。そして何より、いつも温和で優しい雄一郎は、実にとっ
て昔から誰よりも尊敬出来る兄のごとき存在であった。
その雄一郎が、父以外誰も入る事を許されない土蔵の中に居るのである。しかし実の衝撃
は、ただ雄一郎が土蔵の中に居るという事ではない。
(どういう事だ……え、何でユウ兄ちゃんがあんな事に……)
窓の向こうに居る雄一郎は、あまりに信じがたい姿となっていた。
衣服を全て脱ぎ去った、一糸纏わぬ雄一郎の光景。
露わとなるその素肌には、太い麻縄が肩から足にかけて複雑な括り方で巻かれている。両手首
は後ろ手に組まされ、脚も左右へと大きく広げられながら、踵が殿溝の辺りへピッタリとくっ付
く程に膝を大きく曲げられた姿位で、しっかりと縛り上げられているのだった。
(………)
愕然としたまま、実は声を失う。
そしてそんな拘束された形の雄一郎は、蔵の天井の梁に取り付けられた滑車によって、床へと向
き合わされる様に身を傾けられながら、宙へと縄で釣り上げられていたのである。
当然ながら、その状況は当の雄一郎にとって不本意極まりない様子であった。縛り上げられなが
ら、今にも泣きそうなばかりに表情を強張らせている。
(何で……一体何が……)
まさに、人としての誇りを一切奪われ、晒し者のごとき姿となる雄一郎。さらに実に衝撃を覚え
させたのは、縛られる雄一郎の肛門には、太さが二寸はあろうかという赤い蝋燭を、半分程も中へ
押し込められていたのである。当然ながら、この状況が雄一郎一人に出来るものではない。
(父さん!)
最初に視界へ飛び込んできたあまりにすさまじい雄一郎の姿に、すっかり注意を奪われてしまった
実であったが、無残な少年の傍らには、父が何食わぬ顔で立っていたのである。
「んぁっ……ううっ……」
雄一郎が洩らす呻きに似た声が、鮮明に実の耳へも伝わってくる。それがいっそう、この少年が
受ける非道なる仕打ちへの痛々しさを実の心に刻んでいく。
しかしそんな雄一郎を傍で眺める父は、少年の苦しむ姿を見て楽しんでいるとしか思えない、あ
まりに冷酷な笑みを浮かべているのだった。
(父さんが、ユウ兄ちゃんにこんな真似を……!?)
少年の思考の範疇をはるかに超えたおぞましい光景。実は茫然自失となったまま固まってしまう。
「ひっ……んぁぁっ……!」
その時、甲高い声が雄一郎から発せられ、実はハッとなる。
理解不能な現実。しかしそれでも実は目を凝らし、窓越しから薄暗い中の様子を改めて注視し
ていく。
雄一郎の肛門へと挿入される蝋燭。それをさらに父は、雄一郎の中深くへと容赦なく押し込ん
でいくのだった。
「だ、旦那様……許して、もう許してください……!」
悲痛な声で、雄一郎は父へと必死に訴えていた。
しかし雄一郎のそんな言葉に、父は鼻で笑う。
「何を言うか、ここはもうすっかり形を変えているではないか」
「あっ……ああっ……」
今度は父の手が、雄一郎の股間へと伸ばされながら、その部分を乱暴に弄っていく。
そんな雄一郎の股間へ視線を移しながら、実は息を呑んだ。
(あれが、ユウ兄ちゃんのチンポ……あんなにカチンコチンに……)
苦痛に悶え続ける雄一郎。しかしその下半身に目を向ければ、はち切れんばかりに怒張した少
年の陰茎が、天井を仰がんばかりに勢いよく反り返っているのだった。わずかな歳の差であると
いうのに、同じ男である自分のものとは比較にならない異質なる形のもの。実は雄一郎のその部
分へといつしかすっかり釘付けとなってしまう。
「フン、本当にお前は淫乱な身体をしておる。どうだ、お前の事だ、この程度ではまだ物足りな
いのであろう?」
そう言いながら、父は雄一郎の肛門へと押し込んでいた蝋燭を再びしっかりと掴み、今度は少
年の体内を掻き回すかのごとく、グイグイと前後左右へ大胆に動かしていくのだった。
「やぁっ……あっ……あぁっ……!」
いよいよ雄一郎の表情が、苦悶に歪んでいく。
「見てみぃ、いやらしい汁がどんどん垂れておるではないか」
父の向ける眼差しを追って、実も再び雄一郎の陰茎へと目を凝らす。
いつの間にか雄一郎の陰茎の先端からは、溢れ出した液体が床へと止めどなく垂れ落ちていく。
(え……ションベン……?)
こんな目に遭っているのである。苦痛に耐え切れず、思わず雄一郎が失禁したとしても何らお
かしくはない。しかし実の目には、その液体が普段排泄する尿とはどうしても違うものに映って
ならない。
それはドロドロと、糸を引きながら垂れる粘性の透明な液体。そんなものが自分の体内から出
た記憶のない実にすれば、状況はますます訳が分からず混乱していく一方であった。
しかしそんな詳細を、いちいち考えていられる余裕は実になかった。
「ああっ!」
土蔵の中に響く雄一郎の悲鳴が、もはや少年の忍耐力を遠に超えている仕打ちである事を十分
に物語っていた。
しかし容赦なく、父は蝋燭で雄一郎の肛門を責め立てながら、さらにもう一方の手でそそり立
つ陰茎を扱いていく。
「やめて、もうやめてぇ!」
なおも父から激しく責められ続ける雄一郎は、泣き叫びながら懇願する。
するとそんな雄一郎に、父は厳しい眼差しを向けるのだった。
「大声を出すなと、何度言えば分かるのだ!」
そう一喝するなり、壁へと立て掛けてあった竹刀を掴み、それを持って雄一郎の吊るし上げら
れた身体を何度も激しく叩き打っていく。
「ひぃっ……あっ……!」
拘束され逃げる事どころか身を防ぐ事すら出来ない雄一郎の肌へ、勢いよく竹刀が振り下ろさ
れる。雄一郎は歯を食い縛り、必死に耐え続ける以外に術はなかった。
(こんなの、拷問だ……)
いつしか実は恐怖に身を震わしていた。単に雄一郎が受ける肉体的な苦痛というだけでなく、
同じ村の少年へこんな真似を平然と繰り広げる父が、実には悪魔を見るかのごとき存在に映って
いく。
やがて存分に雄一郎を傷め付け満足したとばかり、父は持っていた竹刀を床へと置き捨てる。
幸い、雄一郎に目立った外傷はなさそうであった。しかし竹刀によって滅多打ちにされた少年
の艶やかな肌は、あちらこちらが痛々しく発赤していた。
「家人にも、お前のこんなあられもない姿を見られていいのか?わしとてさすがに他人の噂話まで
は止める事は出来んぞ。もしそんな事にでもなれば、お前の顛末は明日にも村中に知れ渡る事にな
るだろうな」
そう言ってくる父の言葉に、沈痛な表情で雄一郎はギュッと下唇を噛み締める。
「分かるか?村の神童として皆の期待を一身に集めているお前が、一夜にして唾棄すべき変態性欲
者となって村中から蔑視の目で見られる事になるのだぞ?」
「うっ……うぐぅっ……」
しかし雄一郎はついに堪えられなくなった様で、ボロボロと涙を流しながら嗚咽を漏らしていく。
そんな雄一郎の哀れな姿を眺めながら、父はむしろ口元に薄らと笑みを浮かべていた。心身共に
苦しみもがく雄一郎に対して向けられる、それはあまりに残酷な眼差し。
「わしに何か文句があるというなら、聞いてやるぞ?」
今や満身創痍となった雄一郎へと問うも、それはあまりにわざとらしい口調であった。
雄一郎はそんな父に対し、潤んだ瞳を逸らす。
「あ、ありません……旦那様の御命令には……何であろうと僕は従い続けます……」
一切の感情を押し殺す様に、雄一郎は引き絞る様な声でそう答えるのだった。
「そうであろう、わしがいなければお前は中学に進学する事など出来なんだ。お前の聡明さを誰よ
りも買っているからこそ、わしは学資を助けてやっているのだ。その事を忘れるな」
涙目で、表情にはこの上ない苦渋の色を雄一郎は浮かばせている。
ここにきて、ようやく実はこの理解の追い付かなかった状況の背景を、断片的ながらも把握した。
(そうだ……ユウ兄ちゃん、父さんから学費を工面してもらってて……)
小学校では優秀な成績を収めていた雄一郎。しかしそんな聡明なる少年も、卒業後の進路という
場面で、理不尽なる現実というものと否応なく向き合わねばならなかった。村一番の秀才と持ては
やされながらも、雄一郎の家は山中家から土地を借りて生計を立てる一介の小作農家。毎日の生活
で精一杯という家計の中、中学へ進学するための学費など、雄一郎の両親に捻出出来る訳がなかっ
たのである。
所詮は貧しい農家の倅という立場の雄一郎には、勉学を諦め、小学校を出た後は他の少年達と同
じく、どこかの街へ奉公に出るという運命が定められていた。しかしその時、雄一郎の希望となっ
たのが他でもない、村の大地主である父であった。父は、村が誇る秀才をこのまま埋めさせてはな
らないと、全面的に雄一郎へ学費の工面を決断したのである。それは村の篤志家の美談として、村
民達を大いに賑わせた。
実もまた、雄一郎が進学出来る事を我が事の様に喜んだものである。
(父さんは恩人だから……ユウ兄ちゃんは何をされても逆らえない……)
貧しさという現実に押し潰されそうになっていた雄一郎、しかし父の援助は何ら少年を救ってな
どいなかった。中学に進学出来た見返り、それは雄一郎へ新たに待ち受けていた過酷なる現実。
「やめて……もうやめて……ユウ兄ちゃんを、苛めないで……」
いつしか自然と、涙ぐむ実の口からはそんな言葉が漏れ出していた。しかしそれはあまりにか細
く、中に居る父や雄一郎に届くものではない。
「んっ……んんっ……!」
しかしそんな実の気持などあまりに虚しく、雄一郎は父によってさらなる忍従を課せられていく。
雄一郎の肛門へ埋められた蝋燭を、父はさらに乱暴に前後方向へ繰り返し動かしてくる。
幼い少年の肉体を、限界にまで父によって追い詰められていく。それでも雄一郎は、さっきのご
とく父の機嫌を損ねまいとしてか、絶叫を発したいであろう口元をしっかりと閉じ、頬へ涙を伝わ
せながらも懸命に声を押し殺していた。
その光景を正視する実もまた、いつしか瞳から止めどなく涙が溢れ出していた。
「美しい……お前のそのよがり狂う姿、なんと淫靡で美しいのだ……」
宙釣りで縛り上げられたまま、身悶え必死に身体を捩らせて喘ぐ少年の姿を、父は魅入る様に眺
めながら呟く。
「だ、だめっ……僕もう、もうっ……!」
その時、雄一郎の強張った身体が激しく震え出す。
(あっ……!)
実はその瞬間を、克明に脳裏へ焼き付けられる事となった。
痙攣する様に全身を震わせ、逞しく直立する雄一郎の陰茎から、勢いよく大量の白濁が噴出する。
その光景を、父は満足そうに眺めていた。
「前を触りもしておらんのに、肛門だけで絶頂を迎えるとはな。フフ、やはりお前はなかなか仕込み
甲斐がある」
異様なる液体を放出させながら、雄一郎はそのまま朦朧とした様子で脱力していく。
全てが限界であった。気が付くと、実は覗き込んでいた土蔵から脱兎のごとく走り出していた。も
う何も考えたくなかった。今はただ、あの異常なる空間から一刻も早く逃げてしまいたい、その一心
で雄一郎は走り続ける。
『ユウ兄ちゃん、学校に行ける事になったんだって?』
『ああ、お前の父さんのお陰でな。旦那様には、本当に感謝してるよ』
『ユウ兄ちゃん?』
『ごめんな……ハハ、男が涙なんか見せちゃだめだよな……だけど俺、こんな幸運に恵まれて……
本当に嬉しくて、幸せなんだ……』
『………』
『俺、もっと勉強して、絶対立身出世してやるんだ。貧乏人とか言って馬鹿にしてた奴らを見返
して……親父達ももう金の心配しなくていいくらい裕福にさせてやって……くそっ、涙が止まん
ねぇよ……情けねぇ……』
『……俺、ユウ兄ちゃんが泣いたなんて、絶対に他の奴には言わないから安心して』
『ありがとな、この事は絶対に内緒だかんな』
中学への進学が決まったあの日、自分だけに見せてくれた雄一郎の涙と最高の笑顔。それは今
もなお、実の心に大切な想い出として残っている。
しかしあの希望に満ち溢れた少年は、その代償として徹底的にその純粋なる心を踏み躙られた。
(もうあの時のユウ兄ちゃんは戻ってこない)
涙を流しなおも走り続ける実は、子供ながらその残酷なる事実を思い知らされるのだった。
- category
- ショタ小説
- 2011⁄08⁄21(Sun)
- 02:48
少年という名の貢物 アロエ
とあるホテルの一室。
シャワーで入念に身体を洗った直後だというのに、浴室を出た川野和希は、昼間サッカー
部の練習でたっぷりと汗を流したユニホームをまた着直さなければならなかった。
リビングへと戻るそんな和希を、ソファーに腰掛ける四十代半といった様子の背広姿の男
が待ち受ける。
「やっぱりユニホーム姿の君も、なかなかいいねぇ」
男はほくそ笑みながら、そんな和希の姿をマジマジと眺めてくる。
まるで舐める様な男の陰湿な視線を浴びせられる和希は、耐えられないとばかりに緊張で
強張る顔を横へと背けた。
しばしユニホーム姿の和希を男はジッと鑑賞する様に眺めていたのだが、やがてソファー
から腰を上げ、直立不動の少年へゆっくりと近付いていく。
男の接近に、和希は胸の鼓動が一気に高鳴ってきてしまう。
やがて和希の至近距離にまで迫った男は、左腕を少年の背中へと回してきながら、その身体
をしっかりと抱き寄せてきた。
不安と恐怖、そして嫌悪によって男の腕に包まれた身体が震えそうになってくるも、和希は
それを懸命に堪える。
「あ、あの・・・まだこれ洗濯してなくて・・・汗臭いですから・・・」
「それでいいんだよ。むしろ、そっちの方が私も興奮させられるってものさ」
男は事もなげにそう答えてきた。
(この変態野郎が・・・!)
そう叫び、今すぐこの男を殴り倒して逃げ出したい衝動で和希は一杯になってきてしまう。和
希にしてみれば、早く洗濯してさっぱり綺麗にさせたい汗と砂の臭いに塗れたユニホームでしか
ないのだが、どうやら男にとってはこの上なく喜ばしいものの様子らしい。この男と過ごす時間
は、十四歳の和希にとって屈折した大人の欲望というものの醜さを嫌という程に思い知らされる
ものとなっていた。
男の名は、宮部といった。和希の父親が経営する電気工事店が融資を受けている銀行の支店長
である。そしてその肩書きは同時に、小さいながらもささやかに営む父親の会社の生殺与奪を持
つ立場に今やなっていたのだった。
そんな宮部の右手が、和希の下半身へと伸ばされてくる。
ユニホームパンツの上から、和希の股間がしっかりと掴まれてくる。反射的に和希はその手か
ら逃げる様に腰を捩じらせるも、宮部の左腕が少年の身体をしっかりと拘束してきた。
「んっ・・・はぁっ・・・」
宮部によって、和希の股間が弄られていく。
男の蠢く様な生々しい手の感触が、布地越しに和希のペニスへ鮮明に伝えられてくる。その刺激
が、急速に和希の股間を熱くさせてきてしまう。
「聞いた話だと、和希君は今年チームでレギュラーになったんだって?」
「・・・・」
「試合で君の活躍する姿、私も見てみたいもんだよ」
耳元でそう囁いてきながら、宮部の手は和希の穿くユニホームパンツの裾から中へと強引に差し込
まれてきた。
「ああっ・・・んぁっ・・・!」
しだいに強張った和希の身体が小刻みに震え出していく。パンツの中でしっかりと宮部の指が絡め
られてくる少年のペニスは、いよいよその反応を露骨にさせてきてしまう。
「このままじゃ、汗だけじゃなくて君の淫らな匂いまでこのユニホームに染み込んじゃいそうだね」
濡れ始めてくるペニスの先端部分を指摘してくる様に、宮部は言ってきた。
すっかり潤んだ瞳の和希は、ギュッと強く下唇を噛み締める。宮部によって無理矢理に刺激されてい
く性感に身悶えながら、今夜もまた身が引き裂かれんばかりの恥辱と忍耐を和希は課せられていく。
全ては半年前に始まった。あの日も、今夜と同じこのホテルの一室であった。一人呼び出された和希
は、顔すら知らなかったこの宮部という男によって、父親の会社が経営的に逼迫している事を教えられ
たのである。
銀行からの融資が止まってしまえば会社は倒産する。その状況を知らされた瞬間、経営者である父親
ですら知らないであろう中、和希はこの男の慰みものという存在へと堕ちていった。
「やっ・・・ああっ・・・!」
いつしか和希は、ベッドへと仰向けに押し倒されていた。
シャツはたくし上げられ、ハーフパンツも下着ごと膝の辺りにまで引き下ろされてしまう。露わとなる
少年特有の張りのある艶やかな素肌は、宮部からの濃厚な愛撫へと晒されていく。
「ひぁっ・・・あっ・・・や、やめっ・・・!」
何度となく、和希は激しく身を震わせた。
そんな和希の乳首を、宮部は舌先でくすぐる様に刺激していく。
痺れる様な感覚が、和希の全身を駆け巡る。そしてその感覚に反応する様に、今やすっかりたくましく
直立していた少年のペニスが、勢いよく脈打ってくるのだった。
その光景を眺めながら、宮部は口元をほころばせる。
「ほんの少しの間に、君の身体も随分とエッチになっちゃったね」
悪びれる様子もなくそう言ってくる宮部に対し、いつしか和希は激しく憎悪に満ちた眼差しを男へと向
けていた。
「何か言いたい事でもあるのかい?」
そんな和希へと、宮部はあまりにわざとらしく問い掛けてくる。
ハッとし、和希はすぐに宮部から視線を背けた。
「いえ・・・別にありません・・・」
「君が不満だっていうなら、いつでも帰っていいんだよ?」
「・・・・」
宮部はそう言ってくるも、和希にそんな選択が許されるはずもなかった。己のプライドを
貫く事によって待っているのは、家族もろともが全てを失い路頭に迷うという絶望的な現実
でしかない。
「最も、和希君だってもうこんな身体を一人で慰めるだけじゃ、物足りなくなってるんじゃ
ないのかい?」
そう宮部は言ってきながら、今やすっかり剥かれて露わとなっていた和希の亀頭を指先で
集中的に刺激していく。
「ああっ・・・」
自然と喘ぐ様な声を和希は漏らし、身を大きく仰け反らせた。
すっかり潤ったその部分からは、先走りの液体が止めどなく溢れ出しながら、怒張しきっ
た幹を伝ってドロドロと垂れ落ちていく。
そんな和希を、宮部はいっそう心理的に追い詰めてくる。
「さぁ、どうして欲しいんだい?」
「い・・・イキたい・・・です・・・」
この上ないもどかしさを表情に滲ませながら、和希はか細くそう答えた。
宮部にそんな事を訴える事自体、和希にとって屈辱以外の何ものでもない。しかしそうで
も言わない限り、いつまでも宮部によって焦らされ続け、生殺しのごとき苦痛にもがかねば
ならないという事を、この男から何度となく辱めを受けてきた和希はすでに学習していた。
しかし宮部は、そんな和希の言葉に満足していない様子であった。
「前にも言ったろ?人に説明する時は、もっと分かりやすくハッキリ言うもんだって」
「・・・・」
「今さらどれだけ強がったところで、何も変わらないって事は君が一番よく分かってるだろ?」
嘲笑う様な眼差しで、宮部は言ってくる。
「チンポが・・・我慢出来ません・・・き、気持ちよく・・・僕を射精させてください・・・」
溢れ出しそうになる涙を必死に堪え、震える声で和希は改めて宮部へと答えた。
そんな和希へと、宮部はどこか冷たい笑みを浮かべてくる。そしてそのまま、煽り立てら
れた少年のペニスをしっかりと掴み、激しく扱き立ててきた。
「んっ・・・あっ・・・!」
一気に刺激が増し、すでに限界寸前であった和希は、ブルブルと足腰を震わせながら四肢
を引き攣らせる様に力ませていく。
和希のそんな様子に、宮部はペニスを掴む手の動きをいっそう加速させてくる。
そして次の瞬間、和希はあまりに不本意極りない状況の中で、絶頂へと導かれていくのだっ
た。
「っ・・・!」
勢いよく、大量の精液が和希のペニスから噴出していく。
その光景に、宮部は瞳を爛々と輝かせながら魅入る。
大きく噴き上がった和希の白濁は、そのまま少年の下腹部、太股、周辺のシーツ、そしてペ
ニスを掴む宮部の手や腕などへと降り注ぐのだった。
この時ばかりは、一時的ながらも和希は頭の中が真っ白となり、思考がストップしてしまう。
鬱屈していた欲望を一気に吐き出した直後の解放感にしばし和希は茫然自失となるも、しか
しその後に待っているのは、宮部という唾棄すべき存在によって自分は射精にまで達してしまっ
たのだという、絶望的なまでの自己嫌悪であった。
「やっぱり若い男の子は勢いが違うねぇ。ホント、羨ましいよ」
事もなげに言ってくる宮部の言葉が、打ちひしがれる和希の心をいっそう残酷に抉っていく。
あられもなく乱れた衣服と精液に塗れる素肌、そんな和希の姿を宮部はこの上なく満足そうな
様子で眺めていた。
やがて絶頂の余韻も冷め始めると、和希は疲労と脱力感に、息を荒げながらそのままベッ
ドの上でぐったりとしてしまう。
(今日は、随分とあっさりしてるな・・・)
いつもの宮部ならもっと執拗に責め立ててき、一度の射精を迎えるまでに和希は泣き叫びた
くなる程に身悶えさせられていた。それだけに今夜のこの淡白さが逆に、和希は不気味に感じ
てならない。
しかしその疑問を、すぐに和希は理解させられた。
「今夜は、分かってるね?」
「はい・・・」
土曜日の夜はまだ始まったばかりなのだと、和希は改めて気付かされていく。家族には友達
の家に泊まると伝えてある。今夜、和希が時間に拘束される理由はもう何もない。
「今日は君との一晩を過ごせるんだ、たっぷりと私を楽しませてもらうからね」
穏やかにそう言ってくる宮部ではあったが、和希へと向けられるその瞳はギラギラと輝き、ま
さに獲物へと今にも襲いかからんばかりの獣そのものであった。
「いい眺めだ、特にそのユニホーム姿だと余計にそそられるものがあるよ」
命ぜられるがまま従順に従う和希に、宮部の屈折した加虐心がいよいよ昂ぶっていく様
子であった。
身に着けるユニホームのシャツと靴下はそのままで、ハーフパンツと下着だけを脱がさ
れた和希は、ベッドの上で四つん這いの姿勢を強いられる。そして腰を突き出し無防備に
曝け出される少年のアナルは、背後の宮部から執拗な視線を浴びせられるのだった。
(いっそもう俺を殺してくれ・・・)
恥辱に塗れる和希は、本気で舌を噛んでしまいたい衝動を覚えてならない。中途半端な
格好で恥部を露出させられるという今のこの姿に、和希はむしろ全裸になる以上に無様で
惨めな気分で一杯になっていく。
「ほら、もっと両脚を広げてお尻をこっちへ高く向けなさい」
すかさずそう指示してくる宮部に、和希は言われる通りに体位を修正する。プライドも
誇りも全て奪われ、今や和希は宮部を楽しませ満足させるという、ただそれだけの存在で
しかなかった。
やがて十分に和希の姿を堪能した宮部は、その臀部へと静かに右手を伸ばしていく。
滑らかな肌とラインの両丘から覗く和希の蕾へと、さっき自らが放った精液が宮部によっ
て丹念に塗り込められてくる。
「あっ・・・はぁ・・・」
生温かな粘液と指の感触を表面で感じながら、和希は小刻みに身を震わせた。
やがてねっとりと潤ったその蕾に、宮部は中指の先端を押し当ててきながら、グッと圧
力を加えてくる。
「んんっ・・・あっ・・・」
ズブズブと、宮部の指が和希の中へとゆっくり埋められていく。
引き締まった内腔へと強引に侵入してくる異物の圧迫感を感じさせられながら、自然と和
希はくぐもった声を漏らしてしまう。すぐにシーツへと顔面を強く押し付け、和希は必死に
堪えようとする。
「君もすっかり、後ろの方の味を覚えたみたいだねぇ」
「やぁっ・・・んっ・・・ああっ・・・!」
すぐに探り当てられた敏感な部分を刺激され、和希は甲高い声を発して何度となく身を捩
じらせた。鈍痛にも似たその感覚は、内部から下腹部や股間へと響く様に拡散し、否応なく
身体を反応させてきてしまう。
「君のオチンチン、もう元気を取り戻してきたのかい?」
宮部はそう言いながら、未だ射精を終えて間もない少年のペニスへ、覗き込む様にして
視線を向けてくる。
己の白濁に塗れてテカる和希のペニスは、指で刺激されるアナルの感覚に呼応する様に、
いつしか再び幹を硬くさせ始めてピクピクと脈打ってきていた。
「も、もうやめてください・・・あっ・・・んぁっ・・・!」
「君くらいだよ、お尻を責められてそんなに気持ちよくなれる中学生は」
「違う、俺は・・・」
「何が違うって言うんだい?」
「ひぁっ・・・!」
内壁のその一点へ、宮部の指がいっそう強く食い込んでくる。
ビクンッと、和希の身体が激しく震えた。駆け巡る強烈な刺激に、和希の全身が火照る
様に熱くなっていく。
「今の自分がどんな姿になっているのか、自覚出来てるのかい?さっきまであんな爽やか
でカッコよかったサッカー少年が、今じゃお尻に指を入れられながらいやらしく喘いで、
アソコをビンビンに勃起させている。こんな今の和希君の姿をもし友達が見たら、一体ど
んな風に思うだろうね?」
「やめろ!」
耐え切れなくなった和希は、泣き叫ぶ様な声を上げた。瞳からも涙がボロボロと零れ落
ちていく。
しかしそんな和希へと、残酷な現実が容赦なく突き付けられる。男の指で肛門を弄られ
るという、あまりにおぞましい行為に晒されながらも、少年のペニスはすっかり反応を著
明にさせていき、射精後とは思えない逞しい姿を取り戻していくのだった。
「本当に君はいやらしくて、いけない子だ」
宮部はほくそ笑みながら、もう片方の手を和希のペニスへと伸ばしていく。
「んんっ・・・はぁっ・・・」
怒張する幹へと、宮部の指が絡められる。しかし今度は、さっきの様に本格的な刺激を
和希へ加えてくる事はなかった。二度目の勃起ながら若々しい精力が漲る少年の欲望を愛
でるかのごとく、その手の動きは緩慢なものでしかない。
そんな宮部からの行為に、和希の身体はいっそう疼き出してきてしまう。
「また出したくなってきたのかい?全く、若い男の子は羨ましいよ」
「・・・・」
和希は涙目で悔しさを露骨に表情へ滲ませながらも、もう何ら反論する事が出来ない。
股間の奥底から込み上がってくるもどかしいまでの欲求に、亀頭は改めて潤いに満ちてい
き、透明な液体が糸を引いてシーツの上へと垂れ落ちていく。
しかしその時、それまで散々和希の中を蹂躙していた宮部の指が、あっさりとそのアナ
ルから引き抜かれてしまう。
「っ・・・?」
いよいよ宮部の行動がエスカレートしていく矢先だと思っていただけに、和希はどこか
拍子抜けさせられるものがあった。それまで内壁を押し広げていた圧迫が消え去った事に、
むしろ妙な空虚感が和希の中に残る。
それだけでなく、なぜか宮部はペニスからも手を離してしまい、和希の身体を完全に解
放してしまう。
本来なら安堵させられるものなのだろうが、何ともいえない中途半端さに和希の火照っ
た身体と昂ぶり出していた気持ちはどうも落ち着けないままであった。
「さぁ、こっちを向きなさい」
宮部からの指示に、四つん這いになっていた和希は身体を向け直す。
「和希君のエッチな姿を見てるばっかりじゃ、こっちが堪らなくて仕方がない。そろそろ、
私の方も何とかしてもらおうか?」
宮部はそう言いながら、自らのベルトやズボンのホックを外していく。
カチャカチャと、静まり返った室内に強調されて響くベルトの金属音。その音は今や、
和希の中で条件反射的に恐怖を煽るものとなっていた。
そして次の瞬間、すっかり怒張しきっていた宮部のペニスが曝け出されてき、和希は顔
を強張らせて息を呑む。
「今度は、和希君が私を気持ちよくさせる番だよ」
和希へと、宮部はそう静かに言ってきた。
「その・・・どうすれば・・・」
恐る恐る、和希はか細い声で宮部へと問う。
しかし宮部は、そんな和希へどこか不愉快そうな表情を向けてきた。
「まだ分からないのかい?君はお父さんの会社の存続をかけた接待をしているんだ。その
私をどうすれば喜ばせられるのか、少しは自分で考えたらどうだ」
「・・・・」
宮部からの辛辣な言葉に、和希は深く俯いて下唇をギュッと噛み締める。
「君だって、もうそれなりに要領は掴んでるだろ?」
そう言ってくる宮部が何を自分に望んでいるのか、和希は考えるまでもなかった。もう
慣れた事だと自らへ言い聞かせ、シーツの上で膝立ちの姿勢で向かい合う宮部へと、和希
は身を屈めていく。
そして眼前に位置した宮部のペニスを、和希は両手で包み込む様にして掴み、ゆっくり
慎重に扱き出す。
和希からの行動に、宮部はフッと口元に笑みを浮かべてきた。後はただ見守る様に、奉仕
を始めた少年の健気な姿を無言のまま見下ろし続ける。
いかに宮部が和希という少年に夢中となっているのか、その下半身の状態が十分に物語っ
ていた。相手が中年男性とは思えない程に、青筋を何本も浮き上がらせながら逞しく反り返
る幹と、剥き出しの赤黒い亀頭。未だ性に目覚めて間もない和希のとは違う、大人の男とし
ての十分な風格を漂わせるものであった。
そして同時にその猛々しい一物は、これまで何度となく和希の身体を陵辱してきた恐ろし
い凶器でもあった。和希にとってそれは、己を這い上がれぬまでの絶望へと突き落とす事と
なった、根本的な存在なのである。
「そろそろ、こんなんじゃ物足りなくなってきたよ」
ペニスを擦る和希へと、やがて宮部は呟く様に言ってきた。
和希はそろそろ次の行動に移らねばならなくなる。
(さっさとこいつをイカせて、終わりにしよう)
夜はまだ長い。このままではとても自分の身が持たないと、和希はそう合理的な思考をす
る事で何とか自身を苛む屈辱を和らげようとした。
「そのまま・・・横になってください・・・」
和希がそう言うと、宮部は素直にベッドの上で仰向けとなる。
そんな宮部の傍らへと和希は身を置きながら、両手をシーツの上へと置いて体勢を保ちつ
つ、男の腰の辺りへと横から覆い被さる様にゆっくり上半身を傾けていった。
宮部の直立するペニスへ、和希の口元がしだいに接近していく。
顔を間近にまで寄せると、ムンッとする、男の独特の臭いがいよいよ鮮明になって鼻へと付く。
ゾワゾワする様な、何とも不愉快な感覚が和希の全身を駆け巡る。もう何度となく経験してきた
行為ではあるものの、それでも未だ身体は激しい拒絶反応を示してきてしまう。
(やらなきゃなんないんだ、そうじゃなきゃ、俺は何のために今まで頑張ってきたんだ!)
和希は自らへ必死に言い聞かせ、一気に宮部のペニスを口へと含む。
「んっ・・・んんっ・・・」
口の中一杯に広がる宮部の熱いその塊の感覚に、和希の顔はいよいよ嫌悪に歪んでいく。それで
も懸命に自らの気持ちを押し殺し、宮部のをさらに喉元深くまで和希は咥え込む。
その間、横になる宮部は何ら言葉を発してくる事もなく、瞑目したまま和希からの行為に身を委
ねていた。
「はぁ・・・んっ・・・」
この耐え難い精神的苦痛から解放されるには、一刻も早く宮部を快感の絶頂へと導かねばならな
かった。それだけに和希は、無我夢中で口に含んだそのペニスをしゃぶり、舐め、扱きと、思い付
く限りのテクニックを駆使していく。
「いい、最高だよ、和希君・・・やっぱり君は覚えがよくて賢い子だ」
「・・・・」
ここまでして文句を言われるよりはましなのだろうが、それでもそんな宮部の称賛する様な言葉
が、今の様な行為を初めて強いられた時の辛い記憶を蘇らせ、和希の心を苛んでいくのだった。
『その程度の事も出来ないなら、君だけじゃなく家族全員がもっと辛い目に遭う事になるんだよ?』
そう脅され、命令に従わされたあの日の夜は、決して遠い過去の話ではない。宮部から厳しい叱
責を何度も浴びせられる中、無理矢理にペニスを咥えさせられる和希は泣きながらその残酷な奉仕
に努めたのだった。あの日以来、行為自体にはある程度慣れた和希ではあったが、その分宮部に対
する憎しみいっそう募っていくばかりであった。
やがて和希は、宮部の亀頭部分を舌先で集中的に刺激していく。
「ああっ・・・」
恍惚の声が漏れながら、宮部のペニスが和希の眼前で何度も勢いよく脈打ってくる。
良好な反応を示し始めた男の欲望に対し、和希は一気にたたみ掛けるとばかり、もう一度ペニス
を大きく咥え込みながら、激しく口で扱いていった。
「そのくらいで、もういいよ」
しかしその矢先、突然な宮部の言葉で行為は中断させられてしまう。
このまま何とか口だけで済ませられればという、和希の目論見はやはり甘いものでしかな
かった。
「さて、そろそろ一段落つけようか」
宮部は身を起こしながら、いよいよ和希にとって最も恐れていた行為への移行を宣言して
くるのだった。
そんな宮部の股間へ、改めて和希は視線を向ける。
(今晩、何回こいつの相手しなきゃなんないんだよ・・・)
和希の奉仕ですっかり唾液に潤ったその逞しい一物を見る限り、そう簡単に欲望が枯れ果
ててくれるとは到底思えない。このままでは本当に自分の身体が壊れてしまうのではないか
と、和希は恐怖に駆られていく。
しかしもう、和希はそんな先の事を考えていられる余裕すらなかった。次の瞬間には、攻
守交替とばかりに宮部が和希へとまた覆い被さってくる。
和希は仰向けに押し倒されるや、宮部によって両脚を持ち上げられて大きく開脚させられた。
あられもない体位で、再び宮部の前に和希のアナルが堂々と曝け出される。しかし今度は、
さっきの様な戯れのごとき生易しいものではなかった。すっかり欲情に瞳をギラギラと輝か
せる宮部は、衝動的とばかりの勢いで、一気に和希のアナルへと顔を埋めてくる。
「ひっ・・・!」
収縮する蕾へ、ねっとりとした宮部の舌が擦り付けられてき、和希は激しく身悶えた。
(この変態が・・・!)
いくら事前に身体をしっかり洗っているとはいえ、躊躇いなく自分の肛門へと口や舌を押
し付けてくる宮部の行為は、和希にとっておぞましい限りの嫌悪を抱かせていく。
しかしそんな和希のアナルへと、宮部は執拗な愛撫を繰り返す。そして押し広げられた和
希の蕾の中へまで、宮部は舌を強引に押し込んでくるのだった。
「あっ・・・ああっ・・・」
いつの間にかすっかり萎えていた和希のペニスも、ここにきて急速に回復し始める。
すると宮部は頃合いを見計らうかの様に、一旦は顔を上げてきながら、今度は指を二本同
時に和希のアナルへ乱暴に挿入していく。
シャワーで入念に身体を洗った直後だというのに、浴室を出た川野和希は、昼間サッカー
部の練習でたっぷりと汗を流したユニホームをまた着直さなければならなかった。
リビングへと戻るそんな和希を、ソファーに腰掛ける四十代半といった様子の背広姿の男
が待ち受ける。
「やっぱりユニホーム姿の君も、なかなかいいねぇ」
男はほくそ笑みながら、そんな和希の姿をマジマジと眺めてくる。
まるで舐める様な男の陰湿な視線を浴びせられる和希は、耐えられないとばかりに緊張で
強張る顔を横へと背けた。
しばしユニホーム姿の和希を男はジッと鑑賞する様に眺めていたのだが、やがてソファー
から腰を上げ、直立不動の少年へゆっくりと近付いていく。
男の接近に、和希は胸の鼓動が一気に高鳴ってきてしまう。
やがて和希の至近距離にまで迫った男は、左腕を少年の背中へと回してきながら、その身体
をしっかりと抱き寄せてきた。
不安と恐怖、そして嫌悪によって男の腕に包まれた身体が震えそうになってくるも、和希は
それを懸命に堪える。
「あ、あの・・・まだこれ洗濯してなくて・・・汗臭いですから・・・」
「それでいいんだよ。むしろ、そっちの方が私も興奮させられるってものさ」
男は事もなげにそう答えてきた。
(この変態野郎が・・・!)
そう叫び、今すぐこの男を殴り倒して逃げ出したい衝動で和希は一杯になってきてしまう。和
希にしてみれば、早く洗濯してさっぱり綺麗にさせたい汗と砂の臭いに塗れたユニホームでしか
ないのだが、どうやら男にとってはこの上なく喜ばしいものの様子らしい。この男と過ごす時間
は、十四歳の和希にとって屈折した大人の欲望というものの醜さを嫌という程に思い知らされる
ものとなっていた。
男の名は、宮部といった。和希の父親が経営する電気工事店が融資を受けている銀行の支店長
である。そしてその肩書きは同時に、小さいながらもささやかに営む父親の会社の生殺与奪を持
つ立場に今やなっていたのだった。
そんな宮部の右手が、和希の下半身へと伸ばされてくる。
ユニホームパンツの上から、和希の股間がしっかりと掴まれてくる。反射的に和希はその手か
ら逃げる様に腰を捩じらせるも、宮部の左腕が少年の身体をしっかりと拘束してきた。
「んっ・・・はぁっ・・・」
宮部によって、和希の股間が弄られていく。
男の蠢く様な生々しい手の感触が、布地越しに和希のペニスへ鮮明に伝えられてくる。その刺激
が、急速に和希の股間を熱くさせてきてしまう。
「聞いた話だと、和希君は今年チームでレギュラーになったんだって?」
「・・・・」
「試合で君の活躍する姿、私も見てみたいもんだよ」
耳元でそう囁いてきながら、宮部の手は和希の穿くユニホームパンツの裾から中へと強引に差し込
まれてきた。
「ああっ・・・んぁっ・・・!」
しだいに強張った和希の身体が小刻みに震え出していく。パンツの中でしっかりと宮部の指が絡め
られてくる少年のペニスは、いよいよその反応を露骨にさせてきてしまう。
「このままじゃ、汗だけじゃなくて君の淫らな匂いまでこのユニホームに染み込んじゃいそうだね」
濡れ始めてくるペニスの先端部分を指摘してくる様に、宮部は言ってきた。
すっかり潤んだ瞳の和希は、ギュッと強く下唇を噛み締める。宮部によって無理矢理に刺激されてい
く性感に身悶えながら、今夜もまた身が引き裂かれんばかりの恥辱と忍耐を和希は課せられていく。
全ては半年前に始まった。あの日も、今夜と同じこのホテルの一室であった。一人呼び出された和希
は、顔すら知らなかったこの宮部という男によって、父親の会社が経営的に逼迫している事を教えられ
たのである。
銀行からの融資が止まってしまえば会社は倒産する。その状況を知らされた瞬間、経営者である父親
ですら知らないであろう中、和希はこの男の慰みものという存在へと堕ちていった。
「やっ・・・ああっ・・・!」
いつしか和希は、ベッドへと仰向けに押し倒されていた。
シャツはたくし上げられ、ハーフパンツも下着ごと膝の辺りにまで引き下ろされてしまう。露わとなる
少年特有の張りのある艶やかな素肌は、宮部からの濃厚な愛撫へと晒されていく。
「ひぁっ・・・あっ・・・や、やめっ・・・!」
何度となく、和希は激しく身を震わせた。
そんな和希の乳首を、宮部は舌先でくすぐる様に刺激していく。
痺れる様な感覚が、和希の全身を駆け巡る。そしてその感覚に反応する様に、今やすっかりたくましく
直立していた少年のペニスが、勢いよく脈打ってくるのだった。
その光景を眺めながら、宮部は口元をほころばせる。
「ほんの少しの間に、君の身体も随分とエッチになっちゃったね」
悪びれる様子もなくそう言ってくる宮部に対し、いつしか和希は激しく憎悪に満ちた眼差しを男へと向
けていた。
「何か言いたい事でもあるのかい?」
そんな和希へと、宮部はあまりにわざとらしく問い掛けてくる。
ハッとし、和希はすぐに宮部から視線を背けた。
「いえ・・・別にありません・・・」
「君が不満だっていうなら、いつでも帰っていいんだよ?」
「・・・・」
宮部はそう言ってくるも、和希にそんな選択が許されるはずもなかった。己のプライドを
貫く事によって待っているのは、家族もろともが全てを失い路頭に迷うという絶望的な現実
でしかない。
「最も、和希君だってもうこんな身体を一人で慰めるだけじゃ、物足りなくなってるんじゃ
ないのかい?」
そう宮部は言ってきながら、今やすっかり剥かれて露わとなっていた和希の亀頭を指先で
集中的に刺激していく。
「ああっ・・・」
自然と喘ぐ様な声を和希は漏らし、身を大きく仰け反らせた。
すっかり潤ったその部分からは、先走りの液体が止めどなく溢れ出しながら、怒張しきっ
た幹を伝ってドロドロと垂れ落ちていく。
そんな和希を、宮部はいっそう心理的に追い詰めてくる。
「さぁ、どうして欲しいんだい?」
「い・・・イキたい・・・です・・・」
この上ないもどかしさを表情に滲ませながら、和希はか細くそう答えた。
宮部にそんな事を訴える事自体、和希にとって屈辱以外の何ものでもない。しかしそうで
も言わない限り、いつまでも宮部によって焦らされ続け、生殺しのごとき苦痛にもがかねば
ならないという事を、この男から何度となく辱めを受けてきた和希はすでに学習していた。
しかし宮部は、そんな和希の言葉に満足していない様子であった。
「前にも言ったろ?人に説明する時は、もっと分かりやすくハッキリ言うもんだって」
「・・・・」
「今さらどれだけ強がったところで、何も変わらないって事は君が一番よく分かってるだろ?」
嘲笑う様な眼差しで、宮部は言ってくる。
「チンポが・・・我慢出来ません・・・き、気持ちよく・・・僕を射精させてください・・・」
溢れ出しそうになる涙を必死に堪え、震える声で和希は改めて宮部へと答えた。
そんな和希へと、宮部はどこか冷たい笑みを浮かべてくる。そしてそのまま、煽り立てら
れた少年のペニスをしっかりと掴み、激しく扱き立ててきた。
「んっ・・・あっ・・・!」
一気に刺激が増し、すでに限界寸前であった和希は、ブルブルと足腰を震わせながら四肢
を引き攣らせる様に力ませていく。
和希のそんな様子に、宮部はペニスを掴む手の動きをいっそう加速させてくる。
そして次の瞬間、和希はあまりに不本意極りない状況の中で、絶頂へと導かれていくのだっ
た。
「っ・・・!」
勢いよく、大量の精液が和希のペニスから噴出していく。
その光景に、宮部は瞳を爛々と輝かせながら魅入る。
大きく噴き上がった和希の白濁は、そのまま少年の下腹部、太股、周辺のシーツ、そしてペ
ニスを掴む宮部の手や腕などへと降り注ぐのだった。
この時ばかりは、一時的ながらも和希は頭の中が真っ白となり、思考がストップしてしまう。
鬱屈していた欲望を一気に吐き出した直後の解放感にしばし和希は茫然自失となるも、しか
しその後に待っているのは、宮部という唾棄すべき存在によって自分は射精にまで達してしまっ
たのだという、絶望的なまでの自己嫌悪であった。
「やっぱり若い男の子は勢いが違うねぇ。ホント、羨ましいよ」
事もなげに言ってくる宮部の言葉が、打ちひしがれる和希の心をいっそう残酷に抉っていく。
あられもなく乱れた衣服と精液に塗れる素肌、そんな和希の姿を宮部はこの上なく満足そうな
様子で眺めていた。
やがて絶頂の余韻も冷め始めると、和希は疲労と脱力感に、息を荒げながらそのままベッ
ドの上でぐったりとしてしまう。
(今日は、随分とあっさりしてるな・・・)
いつもの宮部ならもっと執拗に責め立ててき、一度の射精を迎えるまでに和希は泣き叫びた
くなる程に身悶えさせられていた。それだけに今夜のこの淡白さが逆に、和希は不気味に感じ
てならない。
しかしその疑問を、すぐに和希は理解させられた。
「今夜は、分かってるね?」
「はい・・・」
土曜日の夜はまだ始まったばかりなのだと、和希は改めて気付かされていく。家族には友達
の家に泊まると伝えてある。今夜、和希が時間に拘束される理由はもう何もない。
「今日は君との一晩を過ごせるんだ、たっぷりと私を楽しませてもらうからね」
穏やかにそう言ってくる宮部ではあったが、和希へと向けられるその瞳はギラギラと輝き、ま
さに獲物へと今にも襲いかからんばかりの獣そのものであった。
「いい眺めだ、特にそのユニホーム姿だと余計にそそられるものがあるよ」
命ぜられるがまま従順に従う和希に、宮部の屈折した加虐心がいよいよ昂ぶっていく様
子であった。
身に着けるユニホームのシャツと靴下はそのままで、ハーフパンツと下着だけを脱がさ
れた和希は、ベッドの上で四つん這いの姿勢を強いられる。そして腰を突き出し無防備に
曝け出される少年のアナルは、背後の宮部から執拗な視線を浴びせられるのだった。
(いっそもう俺を殺してくれ・・・)
恥辱に塗れる和希は、本気で舌を噛んでしまいたい衝動を覚えてならない。中途半端な
格好で恥部を露出させられるという今のこの姿に、和希はむしろ全裸になる以上に無様で
惨めな気分で一杯になっていく。
「ほら、もっと両脚を広げてお尻をこっちへ高く向けなさい」
すかさずそう指示してくる宮部に、和希は言われる通りに体位を修正する。プライドも
誇りも全て奪われ、今や和希は宮部を楽しませ満足させるという、ただそれだけの存在で
しかなかった。
やがて十分に和希の姿を堪能した宮部は、その臀部へと静かに右手を伸ばしていく。
滑らかな肌とラインの両丘から覗く和希の蕾へと、さっき自らが放った精液が宮部によっ
て丹念に塗り込められてくる。
「あっ・・・はぁ・・・」
生温かな粘液と指の感触を表面で感じながら、和希は小刻みに身を震わせた。
やがてねっとりと潤ったその蕾に、宮部は中指の先端を押し当ててきながら、グッと圧
力を加えてくる。
「んんっ・・・あっ・・・」
ズブズブと、宮部の指が和希の中へとゆっくり埋められていく。
引き締まった内腔へと強引に侵入してくる異物の圧迫感を感じさせられながら、自然と和
希はくぐもった声を漏らしてしまう。すぐにシーツへと顔面を強く押し付け、和希は必死に
堪えようとする。
「君もすっかり、後ろの方の味を覚えたみたいだねぇ」
「やぁっ・・・んっ・・・ああっ・・・!」
すぐに探り当てられた敏感な部分を刺激され、和希は甲高い声を発して何度となく身を捩
じらせた。鈍痛にも似たその感覚は、内部から下腹部や股間へと響く様に拡散し、否応なく
身体を反応させてきてしまう。
「君のオチンチン、もう元気を取り戻してきたのかい?」
宮部はそう言いながら、未だ射精を終えて間もない少年のペニスへ、覗き込む様にして
視線を向けてくる。
己の白濁に塗れてテカる和希のペニスは、指で刺激されるアナルの感覚に呼応する様に、
いつしか再び幹を硬くさせ始めてピクピクと脈打ってきていた。
「も、もうやめてください・・・あっ・・・んぁっ・・・!」
「君くらいだよ、お尻を責められてそんなに気持ちよくなれる中学生は」
「違う、俺は・・・」
「何が違うって言うんだい?」
「ひぁっ・・・!」
内壁のその一点へ、宮部の指がいっそう強く食い込んでくる。
ビクンッと、和希の身体が激しく震えた。駆け巡る強烈な刺激に、和希の全身が火照る
様に熱くなっていく。
「今の自分がどんな姿になっているのか、自覚出来てるのかい?さっきまであんな爽やか
でカッコよかったサッカー少年が、今じゃお尻に指を入れられながらいやらしく喘いで、
アソコをビンビンに勃起させている。こんな今の和希君の姿をもし友達が見たら、一体ど
んな風に思うだろうね?」
「やめろ!」
耐え切れなくなった和希は、泣き叫ぶ様な声を上げた。瞳からも涙がボロボロと零れ落
ちていく。
しかしそんな和希へと、残酷な現実が容赦なく突き付けられる。男の指で肛門を弄られ
るという、あまりにおぞましい行為に晒されながらも、少年のペニスはすっかり反応を著
明にさせていき、射精後とは思えない逞しい姿を取り戻していくのだった。
「本当に君はいやらしくて、いけない子だ」
宮部はほくそ笑みながら、もう片方の手を和希のペニスへと伸ばしていく。
「んんっ・・・はぁっ・・・」
怒張する幹へと、宮部の指が絡められる。しかし今度は、さっきの様に本格的な刺激を
和希へ加えてくる事はなかった。二度目の勃起ながら若々しい精力が漲る少年の欲望を愛
でるかのごとく、その手の動きは緩慢なものでしかない。
そんな宮部からの行為に、和希の身体はいっそう疼き出してきてしまう。
「また出したくなってきたのかい?全く、若い男の子は羨ましいよ」
「・・・・」
和希は涙目で悔しさを露骨に表情へ滲ませながらも、もう何ら反論する事が出来ない。
股間の奥底から込み上がってくるもどかしいまでの欲求に、亀頭は改めて潤いに満ちてい
き、透明な液体が糸を引いてシーツの上へと垂れ落ちていく。
しかしその時、それまで散々和希の中を蹂躙していた宮部の指が、あっさりとそのアナ
ルから引き抜かれてしまう。
「っ・・・?」
いよいよ宮部の行動がエスカレートしていく矢先だと思っていただけに、和希はどこか
拍子抜けさせられるものがあった。それまで内壁を押し広げていた圧迫が消え去った事に、
むしろ妙な空虚感が和希の中に残る。
それだけでなく、なぜか宮部はペニスからも手を離してしまい、和希の身体を完全に解
放してしまう。
本来なら安堵させられるものなのだろうが、何ともいえない中途半端さに和希の火照っ
た身体と昂ぶり出していた気持ちはどうも落ち着けないままであった。
「さぁ、こっちを向きなさい」
宮部からの指示に、四つん這いになっていた和希は身体を向け直す。
「和希君のエッチな姿を見てるばっかりじゃ、こっちが堪らなくて仕方がない。そろそろ、
私の方も何とかしてもらおうか?」
宮部はそう言いながら、自らのベルトやズボンのホックを外していく。
カチャカチャと、静まり返った室内に強調されて響くベルトの金属音。その音は今や、
和希の中で条件反射的に恐怖を煽るものとなっていた。
そして次の瞬間、すっかり怒張しきっていた宮部のペニスが曝け出されてき、和希は顔
を強張らせて息を呑む。
「今度は、和希君が私を気持ちよくさせる番だよ」
和希へと、宮部はそう静かに言ってきた。
「その・・・どうすれば・・・」
恐る恐る、和希はか細い声で宮部へと問う。
しかし宮部は、そんな和希へどこか不愉快そうな表情を向けてきた。
「まだ分からないのかい?君はお父さんの会社の存続をかけた接待をしているんだ。その
私をどうすれば喜ばせられるのか、少しは自分で考えたらどうだ」
「・・・・」
宮部からの辛辣な言葉に、和希は深く俯いて下唇をギュッと噛み締める。
「君だって、もうそれなりに要領は掴んでるだろ?」
そう言ってくる宮部が何を自分に望んでいるのか、和希は考えるまでもなかった。もう
慣れた事だと自らへ言い聞かせ、シーツの上で膝立ちの姿勢で向かい合う宮部へと、和希
は身を屈めていく。
そして眼前に位置した宮部のペニスを、和希は両手で包み込む様にして掴み、ゆっくり
慎重に扱き出す。
和希からの行動に、宮部はフッと口元に笑みを浮かべてきた。後はただ見守る様に、奉仕
を始めた少年の健気な姿を無言のまま見下ろし続ける。
いかに宮部が和希という少年に夢中となっているのか、その下半身の状態が十分に物語っ
ていた。相手が中年男性とは思えない程に、青筋を何本も浮き上がらせながら逞しく反り返
る幹と、剥き出しの赤黒い亀頭。未だ性に目覚めて間もない和希のとは違う、大人の男とし
ての十分な風格を漂わせるものであった。
そして同時にその猛々しい一物は、これまで何度となく和希の身体を陵辱してきた恐ろし
い凶器でもあった。和希にとってそれは、己を這い上がれぬまでの絶望へと突き落とす事と
なった、根本的な存在なのである。
「そろそろ、こんなんじゃ物足りなくなってきたよ」
ペニスを擦る和希へと、やがて宮部は呟く様に言ってきた。
和希はそろそろ次の行動に移らねばならなくなる。
(さっさとこいつをイカせて、終わりにしよう)
夜はまだ長い。このままではとても自分の身が持たないと、和希はそう合理的な思考をす
る事で何とか自身を苛む屈辱を和らげようとした。
「そのまま・・・横になってください・・・」
和希がそう言うと、宮部は素直にベッドの上で仰向けとなる。
そんな宮部の傍らへと和希は身を置きながら、両手をシーツの上へと置いて体勢を保ちつ
つ、男の腰の辺りへと横から覆い被さる様にゆっくり上半身を傾けていった。
宮部の直立するペニスへ、和希の口元がしだいに接近していく。
顔を間近にまで寄せると、ムンッとする、男の独特の臭いがいよいよ鮮明になって鼻へと付く。
ゾワゾワする様な、何とも不愉快な感覚が和希の全身を駆け巡る。もう何度となく経験してきた
行為ではあるものの、それでも未だ身体は激しい拒絶反応を示してきてしまう。
(やらなきゃなんないんだ、そうじゃなきゃ、俺は何のために今まで頑張ってきたんだ!)
和希は自らへ必死に言い聞かせ、一気に宮部のペニスを口へと含む。
「んっ・・・んんっ・・・」
口の中一杯に広がる宮部の熱いその塊の感覚に、和希の顔はいよいよ嫌悪に歪んでいく。それで
も懸命に自らの気持ちを押し殺し、宮部のをさらに喉元深くまで和希は咥え込む。
その間、横になる宮部は何ら言葉を発してくる事もなく、瞑目したまま和希からの行為に身を委
ねていた。
「はぁ・・・んっ・・・」
この耐え難い精神的苦痛から解放されるには、一刻も早く宮部を快感の絶頂へと導かねばならな
かった。それだけに和希は、無我夢中で口に含んだそのペニスをしゃぶり、舐め、扱きと、思い付
く限りのテクニックを駆使していく。
「いい、最高だよ、和希君・・・やっぱり君は覚えがよくて賢い子だ」
「・・・・」
ここまでして文句を言われるよりはましなのだろうが、それでもそんな宮部の称賛する様な言葉
が、今の様な行為を初めて強いられた時の辛い記憶を蘇らせ、和希の心を苛んでいくのだった。
『その程度の事も出来ないなら、君だけじゃなく家族全員がもっと辛い目に遭う事になるんだよ?』
そう脅され、命令に従わされたあの日の夜は、決して遠い過去の話ではない。宮部から厳しい叱
責を何度も浴びせられる中、無理矢理にペニスを咥えさせられる和希は泣きながらその残酷な奉仕
に努めたのだった。あの日以来、行為自体にはある程度慣れた和希ではあったが、その分宮部に対
する憎しみいっそう募っていくばかりであった。
やがて和希は、宮部の亀頭部分を舌先で集中的に刺激していく。
「ああっ・・・」
恍惚の声が漏れながら、宮部のペニスが和希の眼前で何度も勢いよく脈打ってくる。
良好な反応を示し始めた男の欲望に対し、和希は一気にたたみ掛けるとばかり、もう一度ペニス
を大きく咥え込みながら、激しく口で扱いていった。
「そのくらいで、もういいよ」
しかしその矢先、突然な宮部の言葉で行為は中断させられてしまう。
このまま何とか口だけで済ませられればという、和希の目論見はやはり甘いものでしかな
かった。
「さて、そろそろ一段落つけようか」
宮部は身を起こしながら、いよいよ和希にとって最も恐れていた行為への移行を宣言して
くるのだった。
そんな宮部の股間へ、改めて和希は視線を向ける。
(今晩、何回こいつの相手しなきゃなんないんだよ・・・)
和希の奉仕ですっかり唾液に潤ったその逞しい一物を見る限り、そう簡単に欲望が枯れ果
ててくれるとは到底思えない。このままでは本当に自分の身体が壊れてしまうのではないか
と、和希は恐怖に駆られていく。
しかしもう、和希はそんな先の事を考えていられる余裕すらなかった。次の瞬間には、攻
守交替とばかりに宮部が和希へとまた覆い被さってくる。
和希は仰向けに押し倒されるや、宮部によって両脚を持ち上げられて大きく開脚させられた。
あられもない体位で、再び宮部の前に和希のアナルが堂々と曝け出される。しかし今度は、
さっきの様な戯れのごとき生易しいものではなかった。すっかり欲情に瞳をギラギラと輝か
せる宮部は、衝動的とばかりの勢いで、一気に和希のアナルへと顔を埋めてくる。
「ひっ・・・!」
収縮する蕾へ、ねっとりとした宮部の舌が擦り付けられてき、和希は激しく身悶えた。
(この変態が・・・!)
いくら事前に身体をしっかり洗っているとはいえ、躊躇いなく自分の肛門へと口や舌を押
し付けてくる宮部の行為は、和希にとっておぞましい限りの嫌悪を抱かせていく。
しかしそんな和希のアナルへと、宮部は執拗な愛撫を繰り返す。そして押し広げられた和
希の蕾の中へまで、宮部は舌を強引に押し込んでくるのだった。
「あっ・・・ああっ・・・」
いつの間にかすっかり萎えていた和希のペニスも、ここにきて急速に回復し始める。
すると宮部は頃合いを見計らうかの様に、一旦は顔を上げてきながら、今度は指を二本同
時に和希のアナルへ乱暴に挿入していく。
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