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  • 2013⁄03⁄11(Mon)
  • 05:14

ゲンキノモト

戦争が終わって、僕達は懐かしい故郷に帰ってきた。
一緒に戦場を潜り抜け支えてくれた仲間達が新しく住人として加わり、カサレリアにも穏やかな活気が戻ってきた。
新たな生活にも慣れ、それぞれがそれぞれの生活を送る。
失ったものは多いけれど、皆、未来に向かって歩き出そうとしている。
勿論、僕もそうだ。
しばらく放置していた畑や農具の手入れをしたり、家畜の世話をしたり、
復興中のウーイッグに野菜を売って少々のお金を得たり、もぐり
それで必要なものを買ったり、買わずに作れるものは自作したり…やる事はいくらでもある。
お手製の古い湯船で心地よい疲労をほぐし、今日も一日平穏に過ごせた事に感謝しつつベッドに潜り込む。
軽い興奮状態のウォレンが僕の家に来たのは、そんな時だった。

「ウォレン…もう止めようよ、こんな事…」

無駄と思いつつ、一応抵抗する僕。
僕の肩を木製のテーブルに押さえつけるウォレンの指が食い込んで、痛い。
顔を近づけてくるウォレンの息遣いが少し荒くて、熱い。
「ウッソは嫌なの?今までずっとやってきた事なのに」
「前も言っただろ?今はこのカサレリアに、みんなと一緒に暮らしている…前とは違うんだよ」
「そりゃ、ずっとこのままじゃいけないっていうのは分かってるさ。だけどしたいんだよ!
このままじゃ、どうしようもないんだ!…それに、今までだって皆がいたじゃないか!同じだよ!」
「大声出さないでよ、ウォレン!隣の家のシャクティに聞こえたらどうするのさ…」
こんな事、言い訳だって分かっている。
でも、ウォレンを止める事ができるのなら理由は何でも良かった。
「頼むよウッソ!ぼく、明日マルチナさんと2人でお出かけ…ウーイッグに買出しにいくだけなんだけどさ。
とにかく、緊張してドキドキして、眠れないんだよ!このままじゃマルチナさんに笑われちゃう!」
そんなに真剣な瞳で見つめないでよ、ウォレン。
ウォレンがマルチナ産を好きなのは僕だって良く知ってるからさ…
「だからさ…昔みたいに安心させてよ、ウッソ…」
ウォレンの唇が、僕のそれを覆う。
「ん…んん…」
慣れたようにウォレンの舌が僕の中に進入してきて、僕の舌を弄ぶ。
それだけで、僕の口から甘い声が漏れてしまう。
…少し、悔しい。
いつ命を落とすか分からない、極限状態の恐怖を耐えなくてはならなかった戦場。
…いつからだったか…そう、確かオデロさんとトマーシュさんが冗談半分で僕に悪戯したのが発端だったと思う。
気が付いたら、ウォレンやカレルまで加わって。
僕達は、時々お互いの心の隙間を埋めるように身体を求め合っていた。
あくまで身体だけの交わり。誰を好きとか、そういうお互いの心には踏み入らないようにしていた。
それでも絆は強くなっていったし、寂しさも癒す事が出来た。

でも、戦争が終わって…オデロさんがいなくなって…
虚無の心を埋める為の身体の関係は必要ない、新生活にはかえって邪魔になるという事になって…
全員一致の上で、僕達は普通の友人、仲間の関係に戻った。
……その筈だったのに。

「…へへ、チューするの久しぶりだね。やっぱりウッソはおいしいや」
人の気も知らないで、ウォレンは暢気に微笑む。
「変な事言わないでよ」
「だって本当の事なんだもん。ウッソとえっちするのって、本当に気持ちいいし…」
「…ウォレン…やめ…」
少し長めのウォレンの指が、僕のお腹や脇腹をなぞりながら僕のシャツを捲り上げていく。
大したことじゃないのに…慣れてる筈なのに…身体の奥がむず痒くなってくる。
「…何か、ウッソを抱いてるとすごく安心できるんだ。 トマーシュやカレル…オデロも同じ事言ってたよ」
「ウォレン…ぼく、もうこんな事……あっ!」
「そんな事言っても、しっかり感じちゃってるんだろ?乳首、こんなに硬くなってる」
胸にある突起に指が当たっただけで、身体に軽い快感が走る。
僕の反応が楽しいのか、ウォレンは指で、手のひらで、コリコリする乳首を弄り回す。
「ウォレンが…んッ…弄るからでしょ…」
「ウッソのここだって、しっかり勃ってる。いやらしいよね、ウッソは」
「あッ…!駄目、ウォレン…やっ…!」
弱々しいながらも制止を呼びかけるんだけど、ウォレンは全く聞き入れてくれない。
それどころか、知り尽くした僕の弱い所を的確に狙ってくる。
駄目…駄目だよ、これ以上は…
「…ウッソ、一緒に気持ちよくなろうよ。ほら、ウッソも触って…ぼくも勃ってきたんだ」
ウォレンのもう片方の手が、僕の左手をウォレンの熱を孕んだ砲身に導く。
…もうこんなに硬くなってる、ウォレン。
でも、もっと大きくなるって知ってるよ、僕。どうすれば気持ちいいかも。
だからウォレンも…もっと僕を気持ちよくして…!
僕とウォレンはお互いにお互いを昂らせていく。
ほんの少し前まで当たり前だった感覚が、ひどく愛おしい。
僕を必要としてくれる事が嬉しくて、でも愛されているのではないと知っているから少し寂しくて。
そんな葛藤を押し流していく、身体の奥から溢れ出る快楽への欲求が僕を解放する。
「あ…はぁ…んんッ…ウォレ…」
「あはッ、凄く…イイ…よ、ウッソ…」
「はぁ…はぁ…ぁ…はぁ…ん!」
「ウッソ…もう入れて…いい?ぼく、あんまり持ちそうにない…や…」
「ん…」
ウォレン…久しぶりだからなのかな?
でも…僕も多分そんなに持たない。だから僕は、いつものように呼んだ。
「ハロ、ハロ…来い」
「呼ンダカ、ウッソ」
「ウォレンに…はぁ…アレを…」
「アレカ、分カッタ。ウォレン、使エ」
ウォレンはハロが持ってきた容器を受け取る。
その中身は…以前まで行為の時に使っていた、ローション。
まだ塗られた訳じゃないのに…僕のお尻の穴がキュッと締まる。同時に、じんわりと熱くなる。
早く…早く塗って欲しい。
「サンキュー、ハロ……ウッソ、お尻、出して…」
「んっ…」
ピチャ…ピチャ…
「はぁん!」
待っていた刺激に、僕の身体が全身で悦びを感じてピクピク震える。
「…ヌルヌルが…イイ…イイよぉ、ウォレン…」
ウォレンにお尻の筋肉を解してもらいながら、僕もローションを手に塗りウォレンのおちんちんをマッサージする。
「ぼくも…イイよ…はぁ……ウッソ、いくよ……ッ!」
まだ完全に塗り終える前にウォレンのおちんちんは僕の手を離れ、解された箇所から僕の内部に侵入してきた。
「ああああっ!」
思わず嬌声が漏れる。ウォレンが僕の内部を擦り付ける度に、僕は壊れていく。
何度やっても気持ち良すぎて…乱れているだろう自分を思うと恥ずかしくなる。
お願いウォレン、もっと僕をおかしくして!恥ずかしさなんてどこかへ行っちゃうくらいに狂わせてぇ…ッ!! 「ああ…ッ!ウォレン、ウォレ…ン!」
「はぁっ、はぁっ…良すぎる、良すぎるよ!ウッソぉ…!」
「あっ…はぁっ…ああン…」
「だ、駄目だ…このままじゃ本当に持たない…!…ハ…ハロ…手伝え!」
「分カッタ、ウォレン。ウッソ、ハロモ手伝ウ」
「はぁっ…はぁ…ハ…ハロ…?」
いつの間に用意したのか、ハロの口にはローションたっぷりの柔らかそうな筒が…
何それ…蒟蒻スポンジ?わざわざ筒状に穴なんか開けちゃって…そんなもの、どうするの?

!!まさか!!

ハロは僕の予想通り、僕の勃起したものをその筒に差し込んだ。
「ひゃあぁ・・・ん!」
「好キナダケイヤラシク乱レテイイゾ、ウッソ」
ぬめりのある柔らかな感触がおちんちんと金玉に擦れるだけでもすごく気持ち良くて解けちゃいそう…
それなのにハロは…よりにもよって、スポンジを加えたまま細かくバイブレーションを開始した。
「ひゃッ!ハ、ハロ!あっ、だ、駄目だよ…そんな所…ッ!動かないで、振動を与えないでェ!あぁ…ん!」
「ウッソ…ウッソ…すごく感じてるね。はぁ…も…もう限界だ!出すよ、ウッソ…ウッソぉ…くッ!!」
「ああッ、ウォレン、ウォレン…あ…ああ…ハロぉ!…出る、出ちゃうよぉ…ああ…ッ!!」
「ウッソノ精液、ハロガ飲ンデヤルカラ全部出セ」
「ひっ…はああぁ…んんッ!」
…僕はウォレンとハロの攻めに、あっけなく陥落した。
ウォレンも僕の中に全部出しちゃったのかなぁ…
そう思うと、急に恥ずかしさが甦ってきて、無意識に両腕をクロスさせて顔を隠す。
「はぁ…はぁ……ウッソ、気持ち良かったよ…」
「…はぁ…はぁ…」
「ウッソも気持ちよかった・・・?」
ああもう、どうしてウォレンはこうも恥ずかしげも無く素直に言葉に出来るんだろう?
僕も少しだけ、素直になってみる。
「僕も…すごく感じちゃった…」
恥ずかしいから、顔は隠したまま。
「へへ、良かったー!ちゅっ」
ウォレンはそんな僕の事を理解してくれてるのか、無理に顔を見ようとせずおでこにキスをした。
そのままの状態で僕のお尻にタオルを当てた。
「ほらウッソ、ちゃんと拭かないと周りまで汚しちゃうぞ」
…誰のせいだと思ってるのさ。 「ウッソモ、ウォレンモ、凄クエクスタシーヲ感ジテタゾ!」
「ハロ、お疲れさん…って、おいウッソ、ハロが…!」
「ハロ…そうだ、ハロ!」
僕は、さっきハロが何をしていたかを思い出した。
確か僕、ハロの中に…!
……ああ、やっぱり。
ハロは、ローションと僕の放ったものが混ざり合った何ともいえない化粧をしていた。
「あーあ、ハロの奴ウッソの精液まみれだ…ペロッ」
「ち、ちょっと止めてよウォレン!汚いってば!」
「汚くないよ、だってウッソのだもん」
ウォレン…嬉しいというか、恥ずかしいよ…
「いいからハロを貸してよ!」
残念そうなウォレンからハロを取り上げ、その汚れを仮拭きしてやる。
「んもう…こういう機能なんて付いてないのに無茶するんだから。 後でちゃんと整備しないとね」
「頼ンダゾ、ウッソ」
「ところでハロ、お前、あんな事どこで覚えてきたのさ?」
「秘密ダ」
…ハロの秘密、今度じっくりと詮索してみよう。
僕がハロの世話をしている間に、ウォレンはもう服を着て帰る準備が出来ていた。
「ウォレン…明日はマルチナさんと上手くいくといいね」
「うん、頑張るよ!今日は本当にありがとう、元気が出たよ!」

           *

次の朝、僕が家の横の小さな畑からトマトを採っていると、遠くからワッパがやってきた。
ウォレンとマルチナさんだ。
「おーい、ウッソー!おっはよー!」
「おはよう、今からウーイッグに行くの?」
「そうよ。ほら、今から行けば朝イチで市場で買い物するのに丁度いいでしょ?」
「そうだね、それならゆっくり出来る時間も増えるものね」
「あら、心配しなくても用事が済めばさっさと帰ってくるわよ。ね、ウォレン?」
「そ…そうですね、マルチナさん…………トホホ……」
…ウォレン、さっきまでの元気はどうしたのさ。
「それじゃあね、ウッソ」
「いってらっしゃい、気をつけてね」
2人を乗せたワッパが走り去るのを見届けて、軽い溜息をつく。
ウォレンってばいい奴なんだけど、甘え癖があるからなぁ。
「…頑張れ、ウォレン」

これから何度ウォレンを元気付けることになるのかと思うと、少し複雑…
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