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  • 2010⁄11⁄04(Thu)
  • 03:20

リュカ

島の大災害から数年後。
こわもてブタマスクをリーダーとし、それを大幅に補佐する優秀な部下が市の政権を握り
壊滅寸前にまで陥ったノーウェア島のニューポークシティは、
知識や感心事の幅を広げたアンドーナッツによって復興。
そこに住んでいた者はみな、大災害前と同じ生活に戻っていた。
しかし一部、そうならなかった人間も居たのである。

「はふぅ… ブタマスクさんのチンポ美味しいです…」
ニューポークシティの裏路地に集まった売春施設の数々。
そこで大災害の元凶となった少年が罰として、
その場所でブタマスクの連中や市の住人に体を売らされていたのだった。
ブタマスク軍の中には大災害の元凶であり、大事な指揮官を奪われた怒りから
その少年とその仲間の死刑を望む者も少なからず居たが
元凶の少年に指揮官を重ねて非情になれない同ブタマスク隊員の反対と、
自分はどうなっても構わないから、他の者に手を出さないでくれと
言って土下座までした本人の懇願で、少年の身内や関係者の記憶を操作し今の形で落ち着いたのである。

「ありがとうございました~」
少年は出ていく客を見送っていた。
「お疲れ様、流石に5人相手の後じゃクタクタだろう。
 今日はもう上がってメシ食って寝て良いぞ、リュカ。」
店長がリュカと読んだ少年に優しく声をかけた。
「ありがとうございますヨシダさん、それではお先に失礼致します。」
「ああ、よく休めよ。」
リュカは店長に頭を下げ夕飯をとると、自分の部屋へ戻っていった。

「今日も疲れた…」
リュカは部屋に入った途端にこう呟きベッドに横たわった。
「でもヨシダさんが居たから、少し楽だったな…」
布団をかぶりながら再度呟き、ふと枕元の卓上カレンダーを見る。
「あっ… 明日で16になるのか。」
リュカは今までの誕生日を思いだし始めた。
(この生活になってからの誕生日なんて、
 ヨシダさんがこっそりくれる小さいケーキと痛い注射だけ。
 明日もきっとそうなんだろうな…)
そして、リュカはリモコンで部屋の明かりを消して眠りについた。

-翌日
リュカは早朝に起こされ、全裸で身体測定をさせれた。
「うん、今年も背は伸びてないし、体重も維持してるな。」
「毛も生えてないし、余計な筋肉もついていない。」
身体測定を行ったブタマスク2人がそう言いながら紙に記載した。
「さて、この予防注射で今年の身体測定は終了。
 はい、少し我慢してね~」
白衣を着た男が、リュカの腕に注射した。

(この注射も5回目…)
リュカは減っていく注射の液体を眺め、
(最初はブタマスク共に拘束された初日。
 あの日にこの注射で僕はPSIも使えない、筋力も低下させられて年相応の子供にされた。
 その後は誕生日にこの注射を射たれて、同じ体を維持させられ続けて…)
と、昔の注射の記憶を少し悲しい気持ちを交えつつ思いだしていた。

「じゃあリュカ、いつも通り仕事に入ってくれ。」
「解りました。」
リュカは作り笑顔をヨシダに向け返事を返し、服を身に付け仕事場に入って行った。

(今日は誰とセックスさせられるのかな…)
リュカは仕事場のベッドに腰をかけ不思議な箱を見ながら、そんな事を考えていた。

そして数時間後…
ドアの開く音がした。
(とりあえず顔を確認しようかな。)
リュカはすぐさまドアに視線を移した。
(…っ!)
リュカは驚いて言葉を失った。
(この逆髪、腕だけでも筋肉が付いてるのが解る逞しい体、間違いない…)
それでもリュカは4年ぶりに再開した顔見知りの成長した姿を瞳に焼き付け懐かしさを感じ始めた。
(声を出せ、僕!
 いつかこんな日が来る事も有るって前々から自分に言い聞かせてたじゃないか!)
リュカは少し深めに息を吸い込んだ。
「いらっしゃいませ、今日ご主人様にご奉仕させて頂くリュカでございます。」
リュカは男の足元に近づき、土下座をしながら挨拶した。
「ああ、今日はよろしく。
 でもご主人様じゃ無くて、フエルって呼び捨てにしてくれるかな?」
「かしこまりました、フエル。」
「う~ん… 丁寧語もやめてくれるかな?」「解ったよ、フエル。」
「うん、それでいい。」
「じゃあ何しよっか、フエル?」
「じゃあ、君の体を洗ってあげるよ。」
「ありがとう、フエル。」

そして二人は全裸になり、浴室に入った。
(凄く成長してるな…フエル)
リュカはフエルの裸体を食い入るように眺めた。
(チンチンも大人同然で凄くおっきい…
 それに色具合を見るかぎりじゃ、それなりに遊んでるな…きっと。)
大体の相手がメタボリック著しいブタマスクや中年男性相手のリュカにとっては、
フエルの若くて立派でスリムな肉体は凄く新鮮で美しい魅力的な物だった。
「じゃあ、背中から洗ってあげるね。」
「うん、ありがと。」
フエルはリュカの背中に備え付けのボディーソープを付けスポンジで擦り始めた。
「フエルって、ここ始めて?」
「こういうお店自体が始めてだよ。」
「そうなんだ、じゃあ今日は何でここに入ろうと思ったの?」
「前々から興味は有ったけど、今までお金無くてね。
 最近、ここにこられる程の金を稼げる仕事にありつけてようやくってトコ。」
「でもこんな所で本当に良かったの?」
「ん、何でそんな事言うんだい?」
「顔も良いし、体も筋肉付いてるけどスリムで、女の子がほっとくとは思えないからさ。」
「…お金が無い頃は、年の近い女の子と何人か付き合ってセックスしてたよ。」
「あっやっぱり…」
「なんでやっぱりって思ったのかな?」
「そのオチンチン、結構使用感有るから…」「ああ、職業柄解っちゃったりするんだ?」「うん。」
「はは、参ったな。
 でも、みんな僕と一度でもセックスすると、絶対別れ話になるんだ…」
「何でみんな、そんな勿体無い事を…?」
「解らない…
 みんなただ別れましょうとしか言わないんだ。」
「…」
「ごめん、湿っぽくなっちゃったね。」
「ううん、そんな事無い。」
リュカは即座に否定したが、その後はベッドに戻るまでお互い無言のままだった。

「じゃあ、そろそろエッチしようか?」
ベッドに戻った時に、フエルが先に口を開いた。
「うん、いいよ。」
と、リュカはちょっと心の底で期待しながら、返事を返した。
「じゃあお尻を向けて」
「うん。」
と、リュカはフエルに向かってお尻を向けた。
「じゃあ指から始めようかな…」
そう言いながら、フエルはリュカの門に指を近づけた。
(痛いっ!)
フエルの指が入った途端、今までに感じた事の無い激痛が走った。(今まで色んなのとやってきたけど
 玄人の鞭打ちプレイより痛いかも…
  でも、仕事だから我慢…)
声を出したい気持ちを抑え、我慢する事に決めた。
しかし、指が増えるにつれてどんどん痛みが増していった。
(ひょっとしてフエルがすぐ女の子と別れるのって痛いから…?)しかし客商売、別れた女の子みたいに嫌な顔を見せるにはいかず、ただただ耐えた。
「気持ちよさそうだね…
 僕もあそこがもう我慢できないっ…!」
フエルは指を抜いて、代わりに自分の股間に有る巨棒をリュカに差し込んだ。
(痛いっ! 指以上に痛いよっ!)
リュカは目尻に涙を浮かばせていた。
「君は素晴らしいよ!
 今までエッチしてきた女の子たちと違って、とても嬉しそうな顔をしてる…!」
そう言うと、フエルは更に力を入れて、リュカの体に巨棒の出し入れを繰り返した。
(ううっ… 僕の演技の上手さがここまで仇になるなんて…
 痛い、痛い、痛い、痛いっ~!)
それでもリュカは、フエルが射精するまで我慢を続けた。
「はぁ…満足。」
射精を終えたフエルは、とても明るい笑顔でそう呟いた。
「僕もフエルとして、とっても気持ち良かったよ」
と、リップサービスをフエルにかけた。
「じゃあ、そろそろ仕事に戻らなくちゃいけないから帰るね。」
と、フエルは服を着はじめた。
「また来てね、僕いつまでも待ってるから。」
と、リュカはまた本心とは真逆の返事を返した。
「うん、これからもリュカの事を贔屓にするからね。
 よーし、仕事頑張って、君といっぱい時間を過ごすぞ~!」
と、明るい様子で部屋を出ていった。
(うう…、また痛いだけのセックスを味わうのか…)
フエルが出ていった後、リュカは我慢してた涙を一気に放出させたのだった…





16歳の誕生日を迎えた僕。
だけど、今年もきっと同じ事の繰り返し。
そうタカをくくっていた僕に昔に無くしてしまった友達が現れた…

「今日も痛かった…」僕は仕事が終わって自室に入った途端、おしりの割れ目を擦りながら呟いてしまった。
その原因は昔友達で今は常連客のフエル。
誕生日に相手をして以来、彼はほぼ毎日来てさっき10回目のセックスを行った所だ。
でもフエルはちっとも上達する事なく、僕はお尻の痛みを蓄積させていった。
僕はフエルの事は嫌い…いや好きな位だけど、
この状態を続けたら他のお客さん相手の時にきっと支障が出る。
そこで、僕は今の状況を変えようと考えを練り始める事にした…

―翌日

今日もいつものセックスしている午後11時頃。
フエルは僕に会いに来てくれた。

「こんばんは、フエル。」
「こんばんは、リュカ。」
最初は毎回こんな感じでお互い挨拶を交わす。

「今日は何から始めよっか、リュカ?」
フエルが先に口を開いて来た。
僕は、これ幸いと自分の欲求を述べる事にした。
「僕、自分のオチンチンをフエルの中に入れたい!」
それを聞いたフエルは凄く驚いた表情を見せ動揺し始めた。
「ぼ、僕のお尻にリュカが自分のオチンチンを突っ込むの?」
「うん。」
「そ、そんな… 僕今までされた事無いし…」
フエルは、僕から視線を反らし恥ずかしがり始めた。
「やっぱり駄目?」
僕は少し寂しげな声でフエルにうったえかける。
「駄目じゃないけど…」
拒否こそしてないけど、煮え切らない態度をフエルは見せる。
「ごめん、やっぱ駄目だよね…
 フエルに僕の童貞を貰って欲しかったんだけど…」
職業柄、嘘ついているようにしか思われないであろう言葉でフエルに更に寂しげにうったえてみた。
「……」
フエルは動揺を止め、僕の目を強く見つめ始める。
「…解った。
 僕もリュカのオチンチン欲しい…」
「ありがとうフエル、大好き!」
僕は思わずフエルに抱きついてキスをしてしまったのだった。
そしてお互い一糸纏わぬ姿になり、ベッドに横たわった。

「フエル、じゃあ始めるよ。」
「うん。」
フエルの返事を聞くと、僕はフエルのお尻の穴を舐め始めた。
「何か、変な感じ…」
と、フエルはいつもと違う感じの声色を出しながら言った。
そんなフエルに僕は加減する事なく、更に中にまで舌を突っ込み、入念に舐め続けた。
「ハァッ…」
フエルは言葉も出す余裕が無くなり始めたようであえぎ声だけを出し続けた。
そんなフエルに興奮した僕は4年もかけて習得した舌技をフル活用して更に攻め立てた。
「アァーーーーーッ」我慢できなくなったフエルは、叫び声を上げながら大量に精液をベッドのシーツにかけた。
「もう! まだオチンチン入れて無いのに!」
射精したフエルに、敢えて意地悪な事を言ってやった。
「そんな事言われたって、リュカの舌責め、気持ち良すぎて我慢出来なかったんだもん!…」
と、フエルは真っ赤にした顔を両手で隠しながら言ったのだった。
「ごめんごめん、じゃあオチンチン入れるから四つん這いになって力抜いて。」
「うん…。」
フエルは返事を返すと、言われた通りの姿勢になってくれた。
そして、僕は自分のオチンチンでフエルを貫いた!
「ハァ…ハァ…」
フエルは貫かれた途端、またあえぎ声をあげ射精したばかりのオチンチンを固くしてしまった。
僕はそんなフエルに興奮を増し、ピストン運動を繰り返し続けた。「もう…我慢できないっ!」
僕とフエルは同じセリフを言い、射精したのだった。

その後はお互いしばらく無言の状態が続いた。
「凄かった…」
フエルが先に口を開いた。
「何か、また新しい世界が広がった感じ…」と、手を伸ばし自分のお尻の穴を触っていた。
その後、僕らはお風呂に入り体を綺麗に洗い服を着たのだった。
「じゃあそろそろ帰るよ。」
「また来てくれる?」
「うん、リュカの事がますます気に入ったから…」
フエルは顔を赤らめた。
「ありがとう、僕もフエルがだぁーい好き!」
「ははっそれはこっちが言いたい位さ、じゃあまた明日!」
フエルは、通路に続くドアを開けて帰って行った。

(計画通り!)

僕は痛いセックスの回数が減る手応え。
童貞を捧げた事、フエルの初釜を奪った事の喜びと達成感にしばらく浸ったのだった…





ポーキーとブタマスク相手の対決に3年以上の月日を駆け巡り
おかあさんとクラウスとの本当の別れにたどり着く事が出来た僕は
おとうさん・ボニー・クマトラ・ダスターが見守る中、最後の針を引き抜いた…

目映い光と凄まじい轟音と共にドラゴンは蘇った。
きっと良い方向に変わると信じてた、信じようと思ってた。
でも… 僕のそんな気持ちを嘲笑い踏みにじるかのように
ドラゴンはすぐさまハミングバードの卵を破壊し
島全体を荒らすだけ荒らして何処かに行っただけだった…
タツマイリやニューポークの人達の死亡・大怪我こそ無かったものの
結局、何も島の状況なんて変わらない。
それどころか建物や住居の殆んどが潰れてしまった事で
普通に暮らしていた人たちにとっては不幸になっただけだった。
でもタツマイリのみんなと、別世界から来たニューポークシティの
ブタマスクを含めた住民のみんなが協力しあい
僕もお父さんも復興の為に出来る限りの力を注ぎ
建物や住居はどんどん戻っていったのだった。
本当はブタマスク共に荷担したり、ニューポークを元に戻したりしたくはなかったけど
ブタマスクを含む大多数の人はポーキーに連れてこられ元に戻る手段も経たれてしまっている被害者。
僕も仲間もお父さんも過去の私怨を捨て、その人達との共存を選ぶ事にしたんだ。
そして住む場所が出来た人、本来の仕事に戻る人達の喜ぶ姿は僕も見ていてとても嬉しかった。
その後、僕とお父さんとボニー。
クマトラやダスターやおじいちゃんとウエスさん。
他のタツマイリのみんなもニューポークに住む場所を与えられ、
ニューポーク復興作業の疲れを癒していたのだった。

「もうすぐ復興も終わりだな。」
「そうだね。」
「今までお前をほったらかし気味で悪かった。
 これからはお前の事を亡くなったクラウスの分まで大切にするからな。」
「お父さん…」
僕は久しぶりに目頭が熱くなるのを感じた。
「そうだ、明日は3人でピクニックにでも出掛けようか。」
「うん。」
「じゃあ、少し早いけどもう寝るか。」
「賛成、早く起きてお弁当作りたいしね。」
会話はそこで終わり、パジャマに着替えると
お父さんと僕はおやすみと一言交わし、そのままベッドに入り眠りについたのだった

―ガチャ…

僕は玄関のドアの鍵が開く音で目を覚ました。
窓を見てみると、まだ真っ暗。
不審に思った僕はベッドから起き上がろうとした…
しかし体を起こしたと同時に部屋の電気が付き、沢山のブタマスクが部屋に侵入してきのだ!
それも大佐、中佐、少佐の軍服のブタマスクが軽く50人は居たと思う。
「なっ…!」
僕は多数のブタマスクに驚いてしまい、それ以上声を出すことが出来なかった。
「夜分失礼」
ブタマスク大佐が僕に話し掛けた。
「こ…こんな時間に何しに来た!」
僕は絞るような声でそのブタマスクに返事を返す。
「貴方を連行しに決まってるでしょ?
 今まで復興優先だから目を瞑って来ましたが
 復興も終わった今、我々への公務執行妨害に器物破損。
 挙げ句に大災害まで引き起こし
 我々の指揮官を殺した 犯 罪 テ ロ リ ス ト の
 貴方をこのまま放置する訳にはいかんのですよ。」
ブタマスク達は僕と眠り続けているお父さんとボニーに一斉に銃を向けた。
(こいつら、僕の態度次第じゃ皆殺しにする気だ…)
そう考えた僕は
「欲求は何ですか…?」
と、凄く小さな声で返事を返した
「随分と物わかりがおよろしいようで。
 ではこのまま我々に連行されて頂きますよ。」
ブタマスクは軍服のポケットから手錠を出し、僕の両手首にはめた。

「この手錠は貴方の魔法みたいな力も封じる優れ物なんですよ。」
僕に手錠をはめたブタマスク大佐は明るく弾んだ声でそう言ったのだった。
そしてすぐさま合図を中佐の二人に送り、僕を両脇から拘束したのだった。
「では、ニューエンパイアポーキービルまでよろしくお願い致しますよ。」
そして僕はブタマスク達にニューエンパイアポーキービルまで連れていかれたのだった…
10数分程ブタマスクの市内警備用の車で移動し、ニューエンパイアポーキービルに着いた僕は
ヒラのピンク服を含めた大多数のブタマスクが立っている広い部屋の中心部に立たされた。
ここ数ヵ月感じたことの無い強い殺意と視線を肌で強く感じたような気がした。
「ニューエンパイアポーキービルへよく来てくれたな、リュカ」
市のリーダーに就任したコワモテブタマスクが僕に近づいて声をかけてきた。
「…何でこんな時間に僕を連れてきたんですか?」
少し睨みつけながら、コワモテブタマスクに質問をした。
「…ニューポークシティの破壊と指揮官殺しをしたお前と
 それに荷担していた関係者もといクマトラ・ダスター・お前の親父と犬っころの処刑だよ。」
「………っ!」
僕はコワモテブタマスクの言った事にショックを受けた。
「復興最中に俺達全員でもう決定してたんだよ。
 少しでも人手が欲しかったから今まで黙ってたが
 復興も終わる今、お前たちを生かしとく理由も無くなったからな。」
「ぼっ…僕がやった証拠が何処に有るんだ…!」
そう…さっきから不思議におもっていた指揮官殺しの濡れ衣。
そしてそれ以上に、ブタマスク達はなぜ大災害の原因が僕に有ると知っていたのが不思議で仕方がなかった。
「私が証人だよ。」
ブタマスクの集まりから、白髪の禿げた細身の老人が現れた。
「アンタはアンドーナッツ博士!」
僕はその老人の名前を大声で叫ぶ。
「博士、本当にコイツが大災害や指揮官殺しを…?」
コワモテブタマスクがアンドーナッツに確認を求めた。
「ああそうだよ、何より私はちゃんと現場を見ていたからねえ。
 物的証拠もほれ、この通り。」
アンドーナッツは数枚の紙をみんなに見せつけ回った後、僕に見せた。
確かに、あの日の僕とクラウスの姿、針を引き抜いた姿がその紙には書かれていた。

「写真って言うんだよ、それ。
 少し知識と技術と特別な材料が居るが、
 現実そのままの風景や生物を簡単に残せる便利な代物なんだよ。」
アンドーナッツは、僕に知識を披露して悦に入っていた。
「……」
心の底から怒りがわいてきた僕はアンドーナッツを強く睨み付けた。
「おお、怖い怖い。
 その特殊な手錠を作って使わなかったら
 この場で私も指揮官殿みたいに殺されてたかもなあ…」
アンドーナッツはねっとりした声で毒舌を吐き僕を嘲笑った。
「僕は指揮官…クラウスを殺してなんかいない!」
僕はアンドーナッツを再度怒鳴り付けた。
「…君の言う事と、私の言う事。
 ブタマスク君達はどっちを信じるかな…?」
アンドーナッツは更に見下した笑顔を僕に見せつけ、落ち着いた声で返答した。
僕はすぐ周りを見回し耳をすますと、
確かにアンドーナッツの言うことを信じてるブタマスクのヒソヒソ声が聞こえる。
「さて…君がこれ以上人殺しや破壊を出来ないようにしてあげようか。」
アンドーナッツはブタマスクに小声で指示をし、何かがのったお盆を持ってこさせた。
ガラスで出来た筒で片側に針が、反対側には蓋らしき物が付いていて、中に色付きの液体が入っていた。
「注射って言うんだよ、これ。
 中に薬の成分を含んだ液体を入れて、この蓋で空気を遮断して
 腕の血管に針を入れて、液体を注入する物なんだ。」
アンドーナッツはまた知識を披露して悦に入った。
「さて…、注入してあげよう。」
アンドーナッツは僕の腕を濡れた綿で拭き、針を突き刺して液体を流し込んだ。
注射の液体が無くなり針が引き抜かれた途端、僕の体が凄く熱くなった。
「くくくくくっ…」
アンドーナッツはまた笑い始めた。
「なっ…何の注射なんだよ、これ。」
僕は熱さに耐えながら、アンドーナッツに問いかけた。
「私が研究した弱体化兼若さ維持の試薬だよ。
 君がその薬を試される人間の第一号に選ばれ、たった今投薬されたって訳だ。
 …代償として寿命が多少縮むのをネズミで既に確認済みだがね。」

と、アンドーナッツの説明が終わると、途端に静かになり長い時間が経った。

「もうそろそろだな…
 コワモテ君、もうリュカ君の手錠を外しても大丈夫だよ。」
「本当に大丈夫ですかい?」
「ああ、太鼓判を押しても良い位だよ。」
「じゃあ外しますぜ、博士。」
アンドーナッツの言う事を信じたっぽいコワモテブタマスクは僕の手錠を外した。
「さっ…私が憎くて憎くて堪らないだろう。 君のお得意のPSIとやらで、私を殺してみろ!」
アンドーナッツは僕を挑発してきた。
「…じゃあお望み通り殺してやるよ、PKLOVEΩっ!」
僕はアンドーナッツに向けて強く念じた。
「何も起こらないみたいだけどぉ?」
アンドーナッツはニヤニヤしている。
「ならぶん殴るまでだっ…!」
僕はアンドーナッツに駆け寄り、握り拳を顔に当てようとした。
「…っ!」
アンドーナッツはいとも簡単に僕のパンチを受け止めた。
「どうした?
 こんなジジイの私ががいとも簡単に受け止められるなんて、
 どれだけ貧弱な肉体なのかな、リュカくぅ~~~ん?」
アンドーナッツは笑顔を見せるが、僕はアンドーナッツは反対に
着実に迫ってきている死刑への恐怖が強まっていった…
「わははははっ! 良い怯え顔だ…
 私にとっては最高級のご馳走だよおっ…!!」
博士につられ、周りのブタマスクも笑い始めた。
「さて…、そろそろお別れだ。」
コワモテブタマスクの声が耳に入ったと同時に、別のブタマスク4人が僕の両腕・両足を掴んだ。
「まあ、最後に何か一言言わせてやる。
 命乞いでも、俺達や博士の罵倒でも好きにしろ。」
コワモテブタマスクは銃口を額にくっつけた。
「…お願いします!
 殺すのは僕だけにして、他の皆は殺さないでっ!」
僕は必死でコワモテブタマスクに訴えた。
「…何となく、お前ならそういうと思ってたよ。」
コワモテブタマスクは額から銃口を離した。
「安心しろ、命だけは生かしてやる。
 なんせお前に同情して反対した奴が半分以上だし
 俺達も、元々済んでいたお前達に危害を加えてた落ち度も有るしな…」

僕はそれを聞いてホッとした気持ちに包まれた。
「…だがな、俺や残りの仲間たちは
 お前に普通の生活をさせるつもりは全く無いんだよ。」
コワモテブタマスクは、僕のパジャマや下着を力任せに引きちぎって裸にしてしまった。「今日からお前は俺達の性処理の道具だ。
 死ぬまでボロ雑巾のようにあつかってやるよ…!」
その時コワモテブタマスクのマスクの隙間から見えた目は
タネヒネリを冒険してた時に見た幻覚以上の恐ろしさと憎悪を感じたのだった。

「さて、リュカ君。
 私が君を生まれ変わらせてあげるからね。
 それと、君をよくしってる人たちの記憶は
 全部消しとくって、みんなで決めたから安心して良いよぉ…
 さあそこのブタマスク君、リュカ君を私の研究施設に運んでくれたまえ。」
そしてアンドーナッツの指示に従ったブタマスクに、僕は連れて行かれたのだった。

…その後、僕はアンドーナッツの手によって色々変えさせられた。
癖っ毛だった僕の髪はサラサラとなるように毛根とやらを変化させられ
声も、僕を嫌うブタマスクがより苛めたくなるような感じに声帯を改造された。
顔だけは、クラウスを忘れきれないブタマスク達の要望でいじられなかったにも関わらず、
鏡で見た髪型が変わった自分は全くの別人に見え、
どれだけ、あの癖っ毛が自分の個性を出してたか思い知らされた。

術後経過が終わった翌日、僕はブタマスクにお披露目された。
髪型と声が変わっただって知らされてた筈なのに、みんなの驚いた顔がチラチラ目についた。
「いやー、見違えたな~」
コワモテブタマスクまで、僕に同じことを言い放つ。
「でも何か足りないんですよねえ…」
コワモテの横に居たブタマスクが小さく呟いた。
「何が足りないってんだ?」
コワモテブタマスクはそのブタマスクに理由を聞いた。
「うーん… 眼鏡…かな?」
「眼鏡ねえ…
 よし、誰かとりあえずコイツに合う伊達眼鏡買って来い!」
そして10分位が経って、買ってきたブタマスクから眼鏡を手渡された。
「着けてみろ。」
コワモテブタマスクに命令されるがまま、僕は眼鏡を着けたのだった。

「野〇の〇太だ!」
眼鏡をかけた僕を見たブタマスクの一人が笑いながら、そう言った。
「本当だ!」
「金髪美少年になった、の〇太君って感じw」
「助けてドラ〇も~ん!ってか。」
ブタマスク達は盛り上がっているが
ドラ〇もんも野〇の〇太も知らない自分は不愉快でしかない。
「なんだ、その野〇の〇太とかドラ〇もんとか?」
コワモテブタマスクが、笑っているブタマスク達に聞きはじめた。
「私の元いた時代の国でやってたアニメであります!」
「ド〇え〇もんって言う、猫型ロボットが居ないと何も出来ない情けない少年なのであります!」
と、ブタマスク達は答えた。
「へえ…、説明されても俺には全部はわからねえが
 今のコイツに眼鏡が似合ってるのは確かだな。」
そう言いながら、コワモテブタマスクはじろじろと僕を見続け数十分後。
僕のお披露目は無事に終了したのだった。

その後、僕は売春施設に住まわされ、アイツラに体を売り続ける人生になった。
でもこんな僕の体でアイツラが満足し、
仲間や家族が無事で暮らしているなら、これ位の事は苦でも何でもない。
そう言い聞かせて今日も僕はブタマスク達の相手をするのだった…
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