- 2013⁄09⁄12(Thu)
- 23:57
ディディー3
「ねぇ、ドンキー。どこに連れてってくれるの?」
「……今は言えないな」
「そっか。うん、そうだよね。楽しみは最後まで知らない方がいいもんね」
ディディーはご機嫌な顔で、陽光に照らされた広い道を歩いていた。
自慢の長いシッポを左右にふりながら、前を歩くドンキーにぴったりとついていく。
時折吹く風でお気に入りの帽子が飛ばされそうになるが、頭を手で押さえているのでなくす心配はない。
ドンキーを盾にしているおかげで前から吹いてくる風は防げるので、横からの風だけに注意しておけば大丈夫だ。
(やっぱりドンキーは頼りになるよね)
ディディーはドンキーの後ろ姿を見てニコニコと笑う。
誰もが認めるこの仲良しコンビは、いつでもどこでも行動を共にしている。
おいしいバナナをたらふく食べて食休みを終えたので、これから2匹で出かけるところなのだ。
今日は珍しくドンキーが「おれについてこい」と胸を張って歩き出したので、ディディーは逆らわず、ドンキーの後ろをついていくことに決めたのだった。
平和になってからは日光浴を楽しみ、冷たいバナナミルクセーキを飲み、ハンモックで昼寝する日々ばかりだったので、ジャングルに出かけるのはずいぶん久しぶりのことだ。
懐かしむにはまだ早いかもしれないが、盗まれたバナナをクレムリンたちから取り返したのがもうずっと以前のことのように思える。
冒険したことを思い出しながらジャングルを歩くのは、すごく新鮮だった。
「……今は言えないな」
「そっか。うん、そうだよね。楽しみは最後まで知らない方がいいもんね」
ディディーはご機嫌な顔で、陽光に照らされた広い道を歩いていた。
自慢の長いシッポを左右にふりながら、前を歩くドンキーにぴったりとついていく。
時折吹く風でお気に入りの帽子が飛ばされそうになるが、頭を手で押さえているのでなくす心配はない。
ドンキーを盾にしているおかげで前から吹いてくる風は防げるので、横からの風だけに注意しておけば大丈夫だ。
(やっぱりドンキーは頼りになるよね)
ディディーはドンキーの後ろ姿を見てニコニコと笑う。
誰もが認めるこの仲良しコンビは、いつでもどこでも行動を共にしている。
おいしいバナナをたらふく食べて食休みを終えたので、これから2匹で出かけるところなのだ。
今日は珍しくドンキーが「おれについてこい」と胸を張って歩き出したので、ディディーは逆らわず、ドンキーの後ろをついていくことに決めたのだった。
平和になってからは日光浴を楽しみ、冷たいバナナミルクセーキを飲み、ハンモックで昼寝する日々ばかりだったので、ジャングルに出かけるのはずいぶん久しぶりのことだ。
懐かしむにはまだ早いかもしれないが、盗まれたバナナをクレムリンたちから取り返したのがもうずっと以前のことのように思える。
冒険したことを思い出しながらジャングルを歩くのは、すごく新鮮だった。
(あれっ? ここって……)
一体ドンキーはどこへ連れてってくれるんだろうと胸を膨らませていたディディーだったが、やってきたのはおなじみのバナナジャングルだ。
「バナナでも取りに行くの?」
ディディーの問いかけに、ドンキーは無言でうなずく。
トロッコに乗るわけでもなく、はたまた遺跡を散策するわけでもなく、ドンキーの目的は大量のバナナを持ち帰ることらしい。
期待がはずれて少し残念な気持ちになったディディーだったが、『バナナなら倉庫にいっぱいあるし、いつでも食べれるじゃんか』などと無粋なことは言わない。
ドンキーにはドンキーなりの考えがあるのだろう。
それに、先導してるのはドンキーなのだから、ここは黙って従うのが相棒というものだ。
「行くぞ」
「うん」
本心はおくびにも出さず、にこやかに返事する。
おいしいバナナを求め、ドンキーはどんどん森林の奥へ奥へと歩を進めていく。
さっきから口数の少ないドンキーに若干疑問を抱きながらも、ディディーははぐれないように早足でついていった。散策を始めてから数分。
本道からはだいぶ離れてしまったというのに、ドンキーは引き返しもせず、黙々と前を歩き続ける。
奥へ進むにつれ、やがて見慣れない光景が広がっていく。
最初は笑顔だったディディーも、今はすっかり表情を曇らせていた。
「こんなところにバナナがあるのかなぁ……」
あたりを見回しながら、不安混じりの声でつぶやく。
それまでは黙ってドンキーの後ろを歩いていたが、なぜかドンキーは段々知らない場所に足を踏み入れていくので、内心不安を感じていたのだった。
ここはバナナジャングルの、どのあたりなんだろう?
脇道かどうかも怪しい。
見慣れない場所だし、しかも木々の緑に覆われているせいで、太陽の光は少ししか射しこんでこない。
おかげでまだ昼間だというのに薄暗く、今にもオバケが出てきそうな雰囲気だ。
元々不気味さが漂う場所が嫌いなディディーにとって、こういった場所は苦手だ。
ドンキーがそばにいるから心細くはないものの、おばけロープのもりを彷彿させるこの場所に長くいるのは正直嫌だった。
ひんやりと冷たい空気が背筋に流れ、ディディーは身を震わせる。
「ね、ねぇ、ドンキー。ここどこ?」
ドンキーだけにしか聞こえない声量でたずねる。
大きな声を出すと、そこらの草むらがガサガサと動きそうな気がしてこわいからだ。
少しでも恐怖を紛らわそうと思って声をかけたのだが、聞こえなかったのか、ドンキーはなにも返事をしない。
「ねぇ、ドンキー、ドンキーってば。……ドンキー?」
声が小さすぎたかなと気を取り直し、今度は少し大きめの声で何度も呼びかける。
それでもドンキーは振り向かず、依然として黙りこんだままだ。
「……?」
ディディーは訝しい眼つきでドンキーの背中を見つめる。
周りは静かだし、しかもこんなに近い距離で話しかけてるのに聞こえないはずがない。
どこへ行くか聞いた時はちゃんと答えたんだから、難聴という可能性もない。
怒らせることはなにもしてないし、無視するのはどう考えてもおかしい。
もう一度声をかけようか迷っている時、ふと、恐ろしい考えが脳裏をよぎる。
(まさか、方角がわからなくなって適当に歩いてるだけなんじゃ……。
迷ってるのがばれたくないからわざとオイラを無視してるんだとしたら……)
そんなはずはない。
ディディーたちが住んでるこの島は確かにかなりの広さだし、未知のエリアはまだ他にもたくさんある。
だけど、見知らぬ場所とはいってもここがバナナジャングル界隈だというのは確かだ。
ここから永久に出られないなんてこと、あるわけがない。
そもそも、ドンキーがなんの考えもなしにこんな場所までやってくるわけがない。
(きっとドンキーは目的があってここにきたんだ。
ただオイラが知らないだけで、この辺には舌がとろけるほどのおいしいバナナがあるんだ、たぶん。
穴場に向かってるだけで、決して迷ってなんかない……よね)
ディディーはそう何度も自分に言い聞かせながら歩く。
しかしその“目的”が不明瞭であるため、不安は消えるどころか、いや増すばかりだった。
(うぅっ、やだなぁ。こういう場所……)
眼を左右に動かして、木々の間から幽霊やクレムリンの集団が潜んでいないか注意を払う。
こんな気味の悪いところ、一刻も早く抜け出してしまいたい。
今はそう願うばかりだった。
「うわっ!」
よそ見しながら歩いていたディディーは、なにか毛深い物体にぶつかった。
バランスを失ってしりもちをつく。
見上げると、ドンキーの逞しい背中が視界に映った。
どうやらドンキーの背中にぶつかったらしい。
「もう、急に立ちどまらないでよ。危ないじゃんか」
ただでさえ視界が悪いのにと心の中でぼやく。
「……」
足をとめたドンキーはこっちを向いて謝るわけでもなく、何事もなかったように再び前進を始めた。
ディディーとある程度距離をあけたところで立ちどまり、くるりとディディーに向き直る。
ずっと背中を向けていたドンキーがいきなり振りむいたので、思わず息を呑む。
相変わらず無言だが、視線はしっかりとディディーを捕らえていた。
一体なにを考えているのか、表情からは全く読み取れない。
家を出てからドンキーの様子がどうもおかしい。
そう思っていても、声をかけようという気にはなれなかった。
しりもちをついたまま黙りこんでいると、ドンキーは突然こっちへ近寄ってきた。
「っ……!」
ゆっくりと歩み寄ってくるドンキーにただならぬ恐怖を感じ、おしりを地面につけたまま後ずさる。
立ちあがろうとするも、足に力が入らない。
身体の震えがとまらないのは、冷えた土のせいだけではなかった。
相棒のドンキーになぜこんなにビクビクしているのか自分でもわからない。
ドンキーと向かいあうのは日常茶飯事のことなのに、それなのに……。
(こ、こないで、こないでよ。お願いだからこないで……)
ディディーの心の叫びも虚しく、2匹の幅は次第に縮まっていく。
素早さに定評のあるディディーだが、じりじりと迫る巨体から眼を離せず、身体が硬直してしまっている。
ヘビに睨まれたカエルだ。
屈んで顔を覗きこんでくるドンキー。
生暖かい鼻息が顔にかかり、シッポの毛が逆立つ。
「ひっ!」
両方の肩をゴツゴツした手でつかまれて反射的に眼をとじる。
「うわわっ……!」
眼をあけようとする間もなく、ディディーはそのままぐいっと地面に押し倒された。
背中に当たる冷たい土が、より一層恐怖心をそそる。
「……ずっと我慢してきたがもう無理だ。もう限界だ。
ディディー、おれの物になってくれ」
ようやく開かれたドンキーの口から出てきた言葉は、全くもって意味不明だった。
ディディーは今起きている状況を把握できておらず、眼を瞬く。
「ちょっ、い、いきなりなにすんのさ。離してよ」
「残念だがそいつは無理だな」
ディディーを押さえつけている手に力が加えられた。
肩が地面に食いこみ、鈍痛が走る。
無理に抵抗すると痛みが増すからうかつに身体を動かせない。
「い、痛い。離してよ。ほんとに痛いから……」
「ダメだ。離すと逃げるだろ」
ディディーが震える声で訴えても、ドンキーは少しも力を緩めようとしない。
柔らかい土のおかげで激痛とまではいかないものの、非常に強い力で押しつけられているので逃れようにも逃れられない。
少しでも力を緩めたら、ディディーが隙を狙って逃げ出すことをドンキーは想定しているのだろう。
足の速さでは到底勝てないのを自覚しているから、こうして身動きを封じる手段をとったらしい。
ドンキーは先ほどとは打って変わってにやにやと笑っていた。
全く知らない場所に連れてこられ、近づいてきたと思ったら無言で押し倒され、『おれの物になってくれ』と変なことを言われる。
ドンキーの不可解な言動に、ディディーはただただ困惑するばかりだ。
「ド、ドンキー、眼がこわいよ。一体どうしちゃったの……?」
おそるおそるたずねてみる。
ディディーの眼は恐怖に怯えていた。
見慣れているはずのドンキーの笑った顔が、初めてこわいと感じているからだ。
「相棒であるお前と毎日毎日行動を共にしているうちにおれは……」
ドンキーはそこまで言いかけて、顔を至近距離まで寄せてくる。
ゴクリと唾を飲みこむ。
「お前のことが好きになった。最近はお前のことを考えながら寝るようになった。
あどけない顔つき、愛くるしい仕草、華奢な肉体……おれは知らず知らずお前に惹かれていた。
おれは……いつしかディディーと肉体的に交わりたいとさえ希求するようになっていた」
ドンキーは思いつめた表情でそう語るが、性に関する事柄に疎いディディーには理解しがたい内容だった。
ディディーだってそりゃもちろん、ドンキーのことは好きだ。
嫌いだったら相棒なんてとっくにやめてるし、ヒマな時に自分からドンキーの家に出向いたりしない。
ここまで長い付き合いをしてきたのは、お互いが好感を持っているなによりの証拠だ。
しかしどうやら、ドンキーがディディーに抱く“好き”という気持ちは、ディディーがドンキーに抱く好意とはちがうみたいだ。
肉体的な交わりってなんだろう。
なんでわざわざこんな場所でそんなことを話すんだろう。
バナナの収穫は一体どうなったんだろう……?
頭に様々な疑問が渦巻く中、ドンキーは再び話し始めた。
「ガキのお前に性的な欲望を抱くなんて頭おかしいと思われるだろうが、おれがお前を愛してるという気持ちは揺るがないぜ。
オスだろうが異種だろうがそんなのどうだっていい。
ホモゴリラと罵られたって構わない。
おれはお前が好きだ。もっともっとお前と仲良くしたい。
エロいことだっていっぱいしたい」
そこまで言われてやっと、ドンキーの言ってることの意味が頭の中に染みとおってきた。
要するにドンキーは、ただの相棒として仲を深めたいのではなく、恋人以上の関係になってディディーと一緒に過ごしたい。
そう言いたいらしい。
ドンキーの唐突な告白に思考が追いつかず、ディディーはどう返事したらいいのかわからなかった。
戸惑いを隠せないまま、ぼそぼそと口を動かす。
「そ、そんなこと急に言われても困るよ。オイラにはディクシーが……」
ディディーがガールフレンドの名前を口にすると、ドンキーは残念そうにため息をつく。
「ディクシーか……。なら聞くが、ディディーはディクシーのことを心から愛しているのか?
『オイラの生涯のパートナーだ!』って自信を持って言えるのか?
『ディクシーが大好きだ! ディクシーを愛してる!』って世界の中心で豪語できるか?
今すぐチューしてこいって言ったらダッシュであいつのところに行けるか?」
「それは……」
そんないっぺんに質問をされたってすぐに答えられるわけがない。
返答に窮するのを狙ったのか、ドンキーは途端に勝ち誇った顔を浮かべる。
「ほぉら見ろ。即答できない時点でお前たちの付き合いは所詮その程度だったってことだろ?
ディディーを愛してやまないのは世界でおれだけじゃないか。
おれは前から疑問に思ってたんだ。
なあ、ディディー。あんな頭にでかいバナナがくっついただけのメスゴリラのどこがいいんだ?
なんだってあいつを好きになったんだ?」
完全にディクシーをバカにした口ぶりだった。
トレードマークともいえる金色のポニーテールをでかいバナナなんて言い方、いくらなんでも失礼すぎる。
あまりに無神経なその言い草に、ディディーは怒りを抑えることができなかった。
「そ、そんな言い方ないでしょ! ディクシーに失礼だよ! 2回も助けられてるくせに!」
普段は温厚なディディーでも、たいした理由もなく仲間を貶されたら感情的になる。
ディディーに思いを寄せてるからって無関係のディクシーを侮蔑するなんてどうかしてる。
危険を冒して2度もクルールと戦って救出してくれたというのに、恩知らずも甚だしい。
ディディーは眼を吊りあげてドンキーをにらみつけるが、ドンキーは全く臆することなく、澄ました顔で同じ質問を繰り返す。
「答えになってないぞ。彼女のどこを好きになった?」
「ドンキーとちがって優しいところ! 頼りになるところ! しっかりしてるところ!」
「ほう」
黙ってはいけない。
咄嗟にそう判断したディディーは、ありったけの勇気をふるい起こして言い返す。
もしここでなにも言い返さなかったら、ディクシーとは所詮うわべだけの付き合いだと認めてしまうようなものだからだ。
ドンキーにはキャンディー姉ちゃんがいるじゃない!
それなのにどうして……どうしてオイラをそんな眼で見るの……?」
ディディーが今抱いている一番の疑問はこれだった。
異性で且つ同じゴリラの種族が相棒だったなら、恋愛感情が芽生えるのもまだわかる。
でもディディーはまだ少年ぐらいの年だし、種族だってちがうし、ドンキーと同じオスだ。
そんなディディーに愛情を抱くなんて、一体どういう心理なのだろう?
恋愛経験がとぼしいディディーには、ドンキーの真意など到底理解できそうになかった。
ドンキーはフンっと鼻で笑いながら、またしてもおかしなことを言い出す。
「あんなガバマンを愛した覚えなどない。あいつはな、クレムリンに愛人がいるんだよ」
「あ、愛人……? どういうこと?」
意外な返答に驚いて聞き返すが、ドンキーはニヤニヤしていてなにも答えない。
でもそう言われてみれば、最近ドンキーとキャンディーが一緒にいるのを全然見ていない気がする。
それに、キャンディーがドンキーに内緒でクレムリン軍団と会っているのを、ディディーは何度か目撃したことがあった。
なにか悪事をしている様子はなかったし、仲良さげに話してたから誰にも言わなかったけれど、まさかデキてるとは思わなかった。
「うそだぁ。もう、ドンキーったら。またオイラをからかおうとして」
作り笑いしながらそう言ったけど、ドンキーが冗談で言っていないのは明白だった。
「信じるか信じないかはお前の勝手だ。
頼むから信じてくれなどと懇願するつもりは一切ないさ。
だがこれだけは断言しておこう。
おれが本当に愛してるのはディディー、お前だけだ。
クレムリンのチンポを恥ずかしげもなく頬張ってるあんなビッチゴリラなんざ初めから眼中にない」
ドンキーはジャングルに響き渡るほどの大きな声で堂々と言い放つ。
誰かに聞かれてたらどうしてくれるんだよと狼狽してる余裕はなかった。
(ど、どうしよう。眼が本気だよぉ……)
ドンキーの瞳はまさに性欲に餓えたゴリラの眼そのものだった。
ディディー以外はなにも見えていない、そんな眼つきだ。
「さあ、股間のずる剥けバナナをしゃぶってもらおうか」
ドンキーは白い歯を見せて笑う。
屈託のない笑顔におぞましさを感じる。
思わずドンキーの局部に眼をむけると、赤黒いペニスがにょきっと顔を出していた。
「な、なに言って……。ドンキー、いい加減離してよ。んー! んーーー!」
この状況からなんとか抜け出そうと、腕に渾身の力を振り絞る。
悲しいことに、びくともしない。
片手で軽々とタルを持ち上げるドンキーと、両手じゃないと重い物を持てないディディーとでは、力の差は歴然だった。
ドンキーは、必死に逃れようとするディディーを見て嘲笑う。
「ははっ、非力のお前が俺の腕力に勝てるわけがなかろう」
「うぅっ……」
悔しいけどその通りだった。
ディディーの腕の力なんて、ドンキーからすれば赤子同然。
力が取り柄のドンキーに、まだ少年であるディディーが力比べをしたところで敵うわけがないのだ。
「……オイラをどうするつもり?」
おそれていた疑問を口にすると、ドンキーは身の毛がよだつセリフを耳元でささやいた。
「決まってるじゃないか。犯すんだよ。心も身体もな」
どうやら本気でディディーを襲うつもりのようだ。
屹立した凶悪なペニスが、それを裏付けている。
ディディーの背中にたちまち嫌な汗が流れる。
「い、いやだ!」
無駄とはわかっていてもじっとしていられるわけがなく、足をばたつかせて暴れ回る。
お腹を蹴ったりして抵抗を試みるが、タフなドンキーはちっとも怯まない。
この際敵でもいいから誰か助けてくれないかと周りを見渡すが、誰もいないどころか気配すらしなかった。
よしんば誰かが近くを通りかかっても、この異様な光景を目の当たりにしたら恐ろしくなって逃げ出すだろう。
「ふふふっ……」
薄気味悪い笑い声が耳に入る。
眼の前で欲情しているゴリラは、血走った眼をディディーにむけていた。
「な、なにさ」
平静を装って聞いてみると……。
「無駄だとわかってるのに必死で抵抗するお前もかわいい」
「なっ……」
口元をゆがめるドンキーは、ディディーが身につけている赤いベストをわしづかみする。
絶句して身体が硬直してしまった瞬間を狙われたのだ。
「服はジャマだから脱いどこうな」
上に引っ張って、強引に脱がせようとしてくる。
着衣プレイは好みじゃないのか、空いている手で器用に自分のネクタイを外していく。
「やめて! やめてよ!」
脱がされてたまるかと刃向かうも、力で捩じ伏せるドンキーの前ではなんの意味ももたなかった。
上にめくられ、視界が赤一色に染まる。
それでもベストに顔を突き出したりして悪あがきするが、ドンキーの目的は服を脱がすことだけではなかったようだ。
「かわいらしい乳首だな」
「ぁっ……!」
ディディーの上半身に口元を寄せたドンキーは、あらわになった小粒型の乳首に吸いついた。
全身を貫くような性感が襲いかかる。
空いている手でドンキーの頭を離そうとするが、ドンキーは構わずディディーの乳頭部をチューチューと赤ちゃんコングのように吸っている。
「ちょっ、どこ吸って――ひゃう!」
ベストに顔を覆われてドンキーが見えないせいで、ほんのちょっと吸われただけでも敏感に反応してしまう。
「ディディーの性感帯は乳首なのか。それを知られたくないから服で隠してたんだな。
乳首隠してケツ隠さずか。
ははっ、かわいいところあるじゃんか」
「なっ!? ちち、ちがう! そんなんじゃないよ!」
「でもいじられるとつい感じちゃうんだろ?」
「んっ……!」
どぎまぎするディディーを無視して乳首を攻め立てるドンキー。
舌先でぺろぺろ遊ぶように舐めたり、甘えるように吸ったり、やめたと見せかけて軽く噛んだり。
その度にディディーは嬌声をあげながらも、なんとかしてドンキーを引き離そうと両手でドンキーの頭を押さえる。
そんな行為をしても、どうにもならないことはわかっていた。
だからといって、じっとしているわけにはいかないのだ。
「ド、ドンキぃ、ダメだよ……ひぁっ……!」
もう1つの乳頭部まで指先で遊ばれ、首がそり返る。
ディディーの喘ぎ声に、ドンキーの性的興奮は凄まじい勢いで高まっていく。
「なあ、ディディー。素直に裸になった方が賢明だと思うぜ。
あまり動くと服が破れるぞ?」
「……」
意地悪な口調で忠告するドンキーは、乳首を口撫しながら服を取りあげようとする。
裸にさせるための口実であるのはわかっているが、そう言われてしまってはなにも言い返せなかった。
このシャツはすごく気に入っているのだ。
ドンキーの言うとおり、下手に抵抗して破れでもしたら最悪だ。
当然、破れたままの服をずっと着るわけにはいかない。
となると必然的に、新しい服が出来上がるまでの間は丸裸の格好で過ごすはめになってしまう。
そんな格好ではディクシーはおろか、コングファミリーのみんなに合わす顔がない……。
ディディーは泣く泣くドンキーに服従することとなった。
「よしよし、いい子だ」
「あっ……」
ドンキーは余裕たっぷりの表情で、ディディーから服を剥ぎ取った。
おまけに愛用している帽子まで奪われ、ディディーはあっという間に全裸になった。
まるで追いはぎにでもあった気分だ。
「これでお前は裸んぼ」
服と帽子を無情にも後ろに投げ捨てたドンキーは、横たわるディディーの裸体を舐めるように視姦している。
本来ならチンパンジーはこの格好が当たり前なのだが、赤いベストを着慣れているディディーにとっては、恥辱を受けたも同然だった。
不快感を掻き消してしまうほどの羞恥心が押し寄せる。
「返してよぉ……早く離してよぉ……」
弱々しい声でお願いするが、聞き入れてもらえないのはわかり切っていた。
解放するつもりならわざわざ裸になんてしない。
ドンキーの前戯はまだ始まったばかりだった。
「おや、こんなところに無防備なおへそちゃんが」
「ひゃっ!」
腹部にある小さなくぼみを舌先で撫でられ、全身の毛が逆立つ 。
反射的にドンキーの頭を掴むが、くすぐったくて思うように力が入らない。
ようやく腕を解放されて多少は自由になったとはいえ、状況は最初より悪化していた。
「お前のこのやらしいへそが、溜まったおれの情欲をそそってたのは知ってたか?」
「やあぁっ、ちょっ、ドンキー」
「お前にフェラしてもらって口に発射して、ケツマンにぶち込んでバックからガンガン突く妄想で毎晩寂しくシコシコしてたんだぜ」
耳を疑うセリフを平然と言いながら、ドンキーはひたすらディディーのおへそを舐める。
「や、やめて。そんなとこ、舐めないでよぉ……」
普段から見せている部分だからこそ、執拗に舐められたりすると気恥ずかしいと感じてしまう。
乳首の次はおへそを刺激されて、ディディーは顔を真っ赤に染めあげる。
「へそを舐められるのがそんなに気持ちいいのか?
水臭ぇやつだなぁ。言ってくれればいつでも舐め回してやったのに」
「ダ、ダメ、ダメだって……はぁっ! あっ……」
「毎日毎日かわいらしいおへそ見せやがって」
ディディーをこよなく愛するドンキーはとどまるところを知らない。
舌を巧みに動かして、おへそをくすぐるように舐め続けている。
「くすぐったいよ……」
「もっとやってほしいの間違いだろ?」
「やあぁっ……」
身体をよじって口淫から逃れようとするが、今度は両足を掴まれているので感度を和らげるのもままならない。
(なんで……なんでなの……?)
こんなことをされて、ちょっとでも気持ちいいと感じてしまった自分に心底嫌気がさす。
相手がディクシーなら、恥ずかしくはあっても少しは楽しむことができるかもしれない。
だけど、オスのドンキーにこんな風に身体を弄ばれてもちっともうれしくない。
気持ち悪いのに、不快なはずなのに、それなのに、恥部は快感を求めてひくついているのだ。
「はぁっ、はぁっ、ディディー……」
息を乱すドンキーは、腹部から胸部へと舌を這わせていき、再び乳首をかわいがる。
ディディーの上半身はドンキーの唾液でベトベトだ。
「ディディー、見てくれ。おれの黄金バナナを」
ドンキーがそう言って見せたのは、カチカチになっている性器だった。
見せつけるように、それをディディーの顔の前へと持っていく。
「っ!」
先ほど眼にしたドンキーのペニスは、一段と凶悪さを増していた。
早く出したいと言わんばかりに膨れ上がり、少し刺激を与えただけでどろどろの体液が飛び出してきそうだ。
包皮が後退した尖端からは、透明の分泌液が滲み出ている。
ディディーはそのおぞましいバナナから眼をそらすことができず、食い入るように見つめていた。
「おいしそうだろ? すぐにごちそうしてやるからな」
「い、一体なにをするつもりなの?」
「この期に及んでまだしらばっくれるつもりか?
いくらガキんちょのお前でもオナニーぐらいは経験ずみだろぉ?」
「……」
否定も肯定もできなかった。
性知識がそんなにないとはいえ、ディディーは精通をすでに迎えている。
当然、分泌液の正体がなんなのかは理解していた。
「まさか……まさか……」
ディディーの顔から血の気がひいていく。
嫌な予感が頭から離れない。
戦慄するディディーに、ドンキーは満面の笑みで言い放った。
「おれのバナナミルクセーキ、たっぷり注いでやるからな」
「じょ、冗談でしょ!? 離して、離してってば!」
ディディーは叫び声をあげながら、ドンキーの顔をシッポで何度も叩く。
犯される。このままでは本当に犯される。
最初のころに感じていた恐怖は、今やすっかりドンキーに襲われるという恐怖に変わっていた。
シッポの攻撃は予想外だったのか、ドンキーは顔をしかめる。
が、たじろいだのはほんの一瞬で、すぐまた笑顔に戻り、暴れ回るシッポに手を伸ばす。
「ふふっ」
「ふあぁっ……!」
必死の抵抗も空しく、シッポをぎゅっと握りしめられた。
ディディーの全身からたちまち力が抜けていく。
枝やフックにぶら下がることができる利便性に優れたシッポだが、握られてしまうと力が出なくなってしまうのだ。
「お前の弱点はシッポだったな」
「ダ…メぇ……」
こんなことになるならヒマな時に克服しておくべきだった。
いくらでも時間はあったのに、平和に酔いしれて怠けた結果がこれだ。
ディディーは今になって後悔の念に駆られるが、もう手遅れだった。
抵抗する力を封じられてしまった今、打つ手は1つもない。
絶望――その2文字がディディーの頭に浮かぶ。
「よーしよしよし。今挿れやすい環境を作ってやるからな」
ドンキーはシッポを掴んだまま、ディディーの肛門に口元を寄せていく。
仰向けの体勢のディディーは、片足をドンキーに持ち上げられている。
つまり、ドンキーの眼の位置からはディディーのおしりの穴が丸見えなのだ。
「ド、ドンキー!? ちょっ、やだ! やめてぇ!」
「普段からケツ丸出しのくせしてなにを今さら。
『挿れていいよ』っておれを誘ってたんだろ?」
「ちが……!」
「これがディディーのにおいか。うーん、実に香しい」
「どど、どこ嗅いでんの!? やめて! お願いだからやめて!」
ドンキーは全く聞く耳を持たず、ディディーの恥部に鼻先を押しつけ、クンクン嗅いでいる。
顔を蹴って退けたいのに、こうやって喚くことしかできない自分が情けない。
ディディーは自分の無力さをこれほどまで痛感したことは今まで一度もなかった。
「大事なお前の肉体をなるたけ傷つけたくないんだよ。
濡らしといた方が多少は挿れやすくなるだろ?」
どうやらドンキーはおしりの穴に唾液をたっぷり染みこませるつもりらしい。
挿入する前にきちんと濡らしておこうとすでに決めていたような言い方だった。
「んー!ん゙ーーーーー!」
蹴飛ばしたくてもいかんせん力が出ないのでどうしようもなかった。
「アナルはしっかり舐めておかねぇとな」
「ひっ……!」
肛門の表面にざらついた舌が当たり、ディディーは身体をビクッとさせた。
「お前ってすこぶる敏感肌なんだな。けど、そういうところも好きだぜ」
「ぁっ、やあぁっ、ふぁああぁん……」
ドンキーはすぐ上にある陰嚢をやらしい手つきで撫でながら、おしりの穴を口撫する。
ディディーは歯を食いしばって耐えるが、それでも喘ぎ声を抑えられない。
おしりの穴から伝わってくる強烈な刺激が、かつてない性感を呼び起こす。
「ダメだ…よぉ……。き、汚いよぉ……」
決して清潔とは呼べない箇所をうれしそうに舐めているドンキーが信じられなかった。
最愛の相手の肉体だからとはいえ、体内に繋がっている穴にためらいもなく舌を伸ばすなんて、どういう神経をしているんだろう。
「汚い? こんなにぷりぷりでうまそうなケツのどこが不潔なんだ?」
ドンキーは意に介する様子もなく、尻穴に唇をあてがう。
おしりの穴に入りこんだ長い舌が、ディディーに更なる快感を与えた。
「やあああぁんっ……」
ディディーの艶っぽい声が薄暗い森の中に響く。
淫らな穴はすっかり性感の虜になり、絶え間なくひくついている。
それに伴って、ディディーのペニスがみるみるうちに大きくなっていく。
ドンキーの男根とは色も大きさも全然ちがう、未熟なオチンチン。
勃起しても大きさは元の時とさほど変わらないが、精一杯膨らんで「元気いっぱいだよ」と主張する様は、まるでドンキーにこんにちはの挨拶でもしているかのようだ。
「こどものお前にはちょっと刺激が強すぎたかなぁ?」
「ぁっ、ふあぁっ……」
「言葉にならないくらい気持ちいいのか? ならキンタマも愛でてやるよ」
「ひぐっ……!」
相棒のディディーを汚していることに、ドンキーは相当興奮しているようだ。
ディディーの両足をぐいっと持ちあげたあと、陰部に顔をうずめて柔らかい肉の実をしゃぶっている。
シッポを解放されてやっと力が戻ったが、でんぐり返しの体勢で恥部をぺろぺろされているのでどのみち動けない。 「おぉっ……」
ドンキーは顔をあげた途端、歓喜の声を漏らす。
ディディーの男の子のしるしが変貌を遂げたことに気づいたからだ。
「ふふっ、ディディー。おれに迫られて嫌がってたのは演技だったのかな?」
「ぁっ……」
ドンキーのごつごつした太い指が、赤くて小さなオチンチンを包みこむ。
「ケツの穴舐められてチンポ勃たせるなんて。
全くお前ってやつは淫乱でやらしくてマセたチンパンジーだなぁ」
「だって、だって……」
そんなことは断じて認めたくなかったが、おしりを攻められて勃起してしまった以上、変態のそしりを免れない。
根元をしっかりと握られたペニスは、ドンキーの手の中でより一層固くなっていく。
「バナナと呼ぶにはまだまだ早いが、中々いいモノを持ってるじゃないか」
ドンキーはそう言いながら、指先でつまんだオチンチンを上下にこすり始めた。
今まで味わったことのない快感が、全身を突き抜ける。
「いっ……! ちょっ、なにす……」
「愛らしいな。お前と一緒で」
「やめて! やめてよ!」
「そうかそうか、焦らすのはやめてほしいのか。
溜まってて早く抜きたい気持ちはわかるぞ。
だがそう焦るな。お楽しみはまだまだこれからだぜ」
「そんなこと誰も言ってないでしょ!」
「わかったわかった。たっぷり搾り取ってやるから落ちつけって。
快楽に溺れてうっかりションベン漏らすなよ?」
「悪ふざけもいい加減にしてよ!」
「そう躍起になるな。ちゃんとイかせてやるって。
あっ、もし失禁してもディクシーには内緒にしといてやるよ。
おれとお前だけのヒミツな」
……ダメだ。
ドンキーは自分のいいようにしか解釈しない。
食ってかかったところで結局は受け流されるだけだ。
言い合っても時間の無駄だと思えてくる。
「……ねぇ、ドンキー。自分が一体なにしてるのか……わかってる?」
「ああ、わかってるさ。見ての通り、お前をチンぐり返しにさせてチンポシコシコしてる。
……だがやはり、手でするだけでは物足りん」
「うわわわっ!」
勃起したペニスを前にして我慢できなくなったらしく、ついにドンキーはディディーのペニスを根元まで咥えこんだ。
顔を蹴られるのを警戒してか、再びディディーの両足をしっかり持つ。
「んっ……ディディチンうまい」
「や、やだよぉ、こんな格好……。もうやめてよぉ……」
赤ちゃんコングがおしりの穴を拭いてもらう時のような格好にさせられたディディーは、顔を真っ赤にしてドンキーに訴える。
だがもちろんドンキーは聞いておらず、ひたすらディディーのオチンチンを舐めている。
ペニスを挟んだ唇が上下に動くたびに、ジュポッ、ジュポっと卑猥な音がドンキーの口元から漏れる。
(もうやだ……恥ずかしいよ……)
ディディーは生まれて初めてオチンチンを舐めてもらっているというのに、素直に喜ぶこともできない。
相棒もといオスのドンキーにエッチなことをされて、心から楽しめる方が無理なので当然といえば当然だ。
「早く出しちまえよ」
「ひぁっ……!」
やり慣れてるんじゃないかと疑いたくなるほど、ドンキーの口淫は刺激が強い。
特に敏感な尖端部分を重点的に攻めてくる。
ディディーのペニスは射精に備え、先っぽの穴から透明の粘液を出し始めた。
ドンキーはおいしそうにその液体を舐め取る。
オチンチンから熱い液体がこみ上げてくるのを感じ、ディディーは声を張りあげた。
「ドンキー、頼むからやめて! ドンキー! ドンキーったら!」
「お前はやっぱ最高の相棒だ。先にミルクセーキをごちそうしてくれるなんて。
いつでも1番を譲ってくれるお前のそういうところ好きだぜ」
ドンキーは言わずもがな口淫に夢中で全く聞いていない。
(やばい、やばいよ……)
「ケツももっといじってやるよ」
「はひっ!」
おしりに異物が入りこんでくる感覚。
ドンキーが肛門にずぶりと指を差しこんだのだ。
指を前後して強烈な刺激を与えてくる。
無論、性器を頬張る口の動きはとめない。
2つの恥部を同時に攻めたてられ、ディディーは気が遠のいてしまいそうだった。
「ほっ、ほっ」
「ふあぁっ、いや、やあああぁっ……」
静寂が支配するジャングルに響き渡る嬌声。
今の声を聞きつけたクレムリン軍団やアニマルフレンドが、興味津々な顔でしげみから覗いてたらどうしよう。
そんな不安が頭をよぎったが、気にしている余裕などなかった。
絶頂が間近に迫ったペニスが尖端をグググッと膨らませて放精に備える。
「発射準備DK?」
意味深なセリフを吐くドンキーは、早く出せと言わんばかりに全速力でペニスを舐め回し、手で上下に扱く。
おしりの穴をほじくられているせいで抑制できず、ディディーはあっけなくアクメを迎えることとなった。
「いっ……あひっ……! も、もうダメ……ダメ……出る……!」
情けない声とともにオーガズム。
脈打つオチンチンの先っぽから勢いよく白濁液が飛び出す。
「ぁっ……ぁっ……」
ドピュッ、ドピュッ、ドピュッと断続的に、どろどろの精液をドンキーの口内に叩きつける陰茎。
一度出てしまったらもうとまらない、とめられない。
極度の興奮状態に陥っていたためか、ひとりエッチの時とは比べものにならないくらいの精液の量だ。
「んっ……」
打ちこまれた新鮮な精子を喉を鳴らして飲みこむドンキー。
精液という名の真っ白なバナナミルクセーキは、ドンキーの口内をたちまち満たしていく。
射精する瞬間をばっちり見られてしまっただけでなく、人生初の口内発射をドンキーの口にしてしまった。
「……」
ディディーは射精したことによって少し頭が冷静になったが、悲惨な現実を未だ受けとめられずにいた。
「いっぱい出たな」
「はああぁっ……」
オシッコを出す穴を吸引され、茎に残っていた微量の精液までも搾取される。
ドンキーが口を離すと、射精を終えたばかりのオチンチンが小刻みにふるえていた。
多量の精を吐き出したというのに、ディディーのオチンチンは萎えることなく、勃起を維持している。
精力旺盛な年頃であるディディーが、こんな状況で1回射精した程度で満悦するわけがないのだ。
「ごちそうさん。お前特精のミルクセーキがここまでうまいとは思わなかったぜ。
明日から毎日飲ませてくれよな」
ドンキーは満足そうに、口の周りに付着した精液を舐めている。
もうなにも言い返す気にもなれない。
ディディーはお腹で息を繰り返しながら自分のオチンチンを呆然と見つめていた。
「さて、おれのバナナが爆発しそうなほど痛いわけだが」
「っ!」
今にもはち切れてしまいそうな凶悪なペニスが視界に飛びこんだ。
ドンキーが立ちあがった今が逃げ出す絶好のチャンスだ。
だけど、ディディーはすでに気力も体力も尽きており、もはや起きあがることすらできなくなっていた。
「うわっ!」
ドンキーは、上を向いて横たわるディディーの身体を反転させた。
「いよいよこの時が来たわけだ、喜んでくれ。さあこっちにおいで」
ディディーの脇をつかみ、後ろから抱きあげる。
「エロいケツだ。まさにケツマンコと呼ぶにふさわしい」
「いやだ! いやだ!」
おしりに嫌な汗をかく。
なんとか逃れようと残った体力でじたばたするが、足は空を切るだけでドンキーに届かない。
「みっともないぞ、ディディー。おれにフェラされて射精したくせして。
さあ、1つになろうぜ」
「ま、待って! お願いだから考え直して!」
「ああ、十分考えたし散々悩んだりもしたさ。その結果がこれだ」
「ぁっ……!」
ペニスの先っぽと尻穴の表面が触れあい、ニュプッと卑猥な音がたつ。
もうドンキーに心の迷いはないようだ。
「いくぞ」
「あああぁっ……!」
ドンキーのペニスが少しずつディディーの中に侵入していく。
後背位の体勢で犯されるディディーは、苦痛で顔を歪める。
先ほど濃厚な精液を放出したオチンチンが、まだまだ出し足らないと訴えているが、今はそれどころじゃなかった。
「んくっ……!」
「いぎぎっ……!」
決して不可能ではないが、小柄なディディーの肛門でドンキーの大きなペニスを受けるのは、少々無理があった。
唾液が潤滑がわりになっているおかげで途中までは挿入できたものの、根元まですっぽり入るのは容易ではなかった。
「くっ……いい締まりしやがって……」
「し、しり! おしり! おしり痛い!」
張り裂けそうな痛みに耐え切れず、ドンキーに訴える。
しかしドンキーはやめる気配が全くない。
やめるどころか、さらに奥深くまでペニスをインサートしようとしている。
「はぁっ、はぁっ、ディディー、ディディいぃ……」
「っ……」
生暖かい息が耳元に吹きかけられるが、あまりの激痛に声が出せない。
おへそや恥部を好き勝手に舐められるし、ドンキーの所為で射精するはめになるし、踏んだり蹴ったりだ。
「くおおおぉっ!」
一気に挿入してしまおうと考えたのか、ドンキーは奇声を発しながらペニスをずぶずぶと押し進めていく。
おしりの内壁がどれだけきつく締めつけても、ドンキーの暴走をとめることはできなかった。
「……入ったぜぇ」
「っ!」
動きをとめたドンキーは口元を歪めて笑う。
失神してしまうほどの激痛が少しだけマシになる。
だけど、安心したのも束の間だった。
一見なにも起こっていないように見えるが、ディディーはおしりに強烈な違和感を覚えていたのだ。
おしりの穴には、熱くて固いドンキーのイチモツが見事に根元まで入っていた。
それはすなわち、ディディーとドンキーが繋がったことを意味する。
「おれたちは元々2匹で1匹みてぇなもんだったし、いずれはこうなる運命だったのさ。
なんせおれらは最高で最強のコンビなんだから」
かっこよく聞こえる言葉だが、翻弄されてきたディディーからすればただの詭弁にしか聞こえない。
吹雪の谷でお互い寄り添って、凍えた身体を温めたことはあったけど、今思えばその時からすでにドンキーはディディーに歪んだ愛情を抱いていたのだろう。
(おしりにチンチンが……ドンキーのチンチンがぁ……)
「ディディケツ……たまらん」
「あぎいぃっ!」
おしりの穴の奥深くまで突き刺さったペニスが、快楽を求めて怒張する。
息も絶え絶えのディディーだが、悲しみに暮れているヒマなどない。
挿入されてからが本当の地獄なのだ。
「好きだ、ディディー。さあいくぞ!」
「ちょっ、あっ、いた……」
地面に座りこんだドンキーはディディーの脇腹をしっかり掴むと、腰を前後に振ってピストン運動を始めた。
「ディディー、どうだ? おれのバナナ」
「あ゙っ! あ゙っ!」
「ノンケのお前とセックスしてるってだけですげぇ興奮するぜ」
ドンキーは根元まで突き入れた肉茎を律動的に前後させる。
密着した2匹の結合部からグチュッ、ヌチュッと下品な音が漏れ出る。
ディディーのおしりの穴は裂けてしまいそうなほど拡張していた。
「んっ、くっ……!」
(ああぁっ……! お、おしり痛い……!)
大きさを増したドンキーの肉棒は、ディディーに更なる陵辱を与えていた。
もはやドンキーは自分が快感を得ることしか考えていない。
「んぐぅっ!」
「くっ……そろそろイくぜ」
「やぁんっ……」
背後から伸びた手が、ディディーの胸部にある2つの突起をいじくる。
忘れたころにやってくる愛撫。
犯されているこの状況では性感など微塵も感じなかった。
「おれの想いが詰まったザーメン……受け取ってくれ!」
爆発寸前のドンキーのペニスが最大限に膨らんだ。
尖端から大量の分泌液を流しこんでくる。
「い、痛い! 痛いよドンキー!」
「う゛っ……! だ、出すぞディディー!」
「ひぐっ!」
ドンキーが眼を細めた瞬間、おびただしい量の白濁液がディディーの中ではじける。
先刻吐き出されたディディーの精液とは比べものにならないほど、ドンキーの精液の量は凄まじい。
勢いが強すぎて痛みさえ感じる。
「ふぅっ……」
「あっ、あああぁっ……」
深い悲しみにとらわれるディディー。
満足げに声を漏らしたドンキーは余韻に浸っているのか、ペニスを差しだんだまま黙っている。
「うぉっと!」
大きく開いた肛門が赤黒いペニスを締めつけ、微量の液を搾り出す。
ディディーの下半身は前も後ろも精液でべとべとだ。
「すげぇ気持ちよかった……マジ最高」
ドンキーはすっかり射精の快感に酔いしれているようだ。
恍惚の表情を浮かべながら腰を軽くふって、ペニスでおしりを突いてくる。
逆流する精液が、結合部のほんの僅かな隙間から流れ出る。
ディディーの体内に大量の子種を注ぎこんだドンキーだが、それでも飽き足りないのか、まだディディーを解放する気配はなさそうだった。
「もいっちょ抜くか?」
「さ、さわらないで……」
乳首をいじっていた指が下方へと移動し、赤いオチンチンを握りしめる。
ディディーは手をどかそうとするが、いかんせん力が出ない。
こんな状況だというのに、オチンチンは憎たらしいほど元気いっぱいだった。
「なあ、ディディー」
ドンキーは突然耳打ちをしてくる。
「な、なに?」
「おれ、今度は思いきり飛ぶところが見たい」
「っ! それってまさか……」
ディディーの顔から血の気がひいていく。
どうやらドンキーはこの体勢のまま、ディディーに2度目の射精をさせるつもりらしい。
「若いお前のチンポならタル大砲ぐらいの勢いあるだろうしさぁ。
ミルクセーキ、おもっきし前方に飛ばしてくれ。
もっとおれを悦ばせてくれ」
「や、やだ! もうやだ! やだぁ!」
なんとかしてドンキーから逃れようと必死でもがくが、ペニスを奥深くまで差しこまれた状態ではどうしようもなかった。
「遠慮するな」
「あっ、ちょっ、やあぁっ、チンチンダ…メぇ……」
オチンチンを扱かれながら耳に息を吹きかけられる。
先ほど一滴残さず精を搾りあげたおしりがドンキーのペニスを締めつける。
「ふふっ、おれなんかとちがってすごい回復力だ」
「い、痛いよ……抜いて、ドンキー……」
「ああ。たっぷり精液抜いてやるさ」
「ち、ちがうって。そっちの抜くじゃなくてチンチン抜い――やああぁん……!」
ディディーの悪夢はまだ始まったばかりだった。
一体ドンキーはどこへ連れてってくれるんだろうと胸を膨らませていたディディーだったが、やってきたのはおなじみのバナナジャングルだ。
「バナナでも取りに行くの?」
ディディーの問いかけに、ドンキーは無言でうなずく。
トロッコに乗るわけでもなく、はたまた遺跡を散策するわけでもなく、ドンキーの目的は大量のバナナを持ち帰ることらしい。
期待がはずれて少し残念な気持ちになったディディーだったが、『バナナなら倉庫にいっぱいあるし、いつでも食べれるじゃんか』などと無粋なことは言わない。
ドンキーにはドンキーなりの考えがあるのだろう。
それに、先導してるのはドンキーなのだから、ここは黙って従うのが相棒というものだ。
「行くぞ」
「うん」
本心はおくびにも出さず、にこやかに返事する。
おいしいバナナを求め、ドンキーはどんどん森林の奥へ奥へと歩を進めていく。
さっきから口数の少ないドンキーに若干疑問を抱きながらも、ディディーははぐれないように早足でついていった。散策を始めてから数分。
本道からはだいぶ離れてしまったというのに、ドンキーは引き返しもせず、黙々と前を歩き続ける。
奥へ進むにつれ、やがて見慣れない光景が広がっていく。
最初は笑顔だったディディーも、今はすっかり表情を曇らせていた。
「こんなところにバナナがあるのかなぁ……」
あたりを見回しながら、不安混じりの声でつぶやく。
それまでは黙ってドンキーの後ろを歩いていたが、なぜかドンキーは段々知らない場所に足を踏み入れていくので、内心不安を感じていたのだった。
ここはバナナジャングルの、どのあたりなんだろう?
脇道かどうかも怪しい。
見慣れない場所だし、しかも木々の緑に覆われているせいで、太陽の光は少ししか射しこんでこない。
おかげでまだ昼間だというのに薄暗く、今にもオバケが出てきそうな雰囲気だ。
元々不気味さが漂う場所が嫌いなディディーにとって、こういった場所は苦手だ。
ドンキーがそばにいるから心細くはないものの、おばけロープのもりを彷彿させるこの場所に長くいるのは正直嫌だった。
ひんやりと冷たい空気が背筋に流れ、ディディーは身を震わせる。
「ね、ねぇ、ドンキー。ここどこ?」
ドンキーだけにしか聞こえない声量でたずねる。
大きな声を出すと、そこらの草むらがガサガサと動きそうな気がしてこわいからだ。
少しでも恐怖を紛らわそうと思って声をかけたのだが、聞こえなかったのか、ドンキーはなにも返事をしない。
「ねぇ、ドンキー、ドンキーってば。……ドンキー?」
声が小さすぎたかなと気を取り直し、今度は少し大きめの声で何度も呼びかける。
それでもドンキーは振り向かず、依然として黙りこんだままだ。
「……?」
ディディーは訝しい眼つきでドンキーの背中を見つめる。
周りは静かだし、しかもこんなに近い距離で話しかけてるのに聞こえないはずがない。
どこへ行くか聞いた時はちゃんと答えたんだから、難聴という可能性もない。
怒らせることはなにもしてないし、無視するのはどう考えてもおかしい。
もう一度声をかけようか迷っている時、ふと、恐ろしい考えが脳裏をよぎる。
(まさか、方角がわからなくなって適当に歩いてるだけなんじゃ……。
迷ってるのがばれたくないからわざとオイラを無視してるんだとしたら……)
そんなはずはない。
ディディーたちが住んでるこの島は確かにかなりの広さだし、未知のエリアはまだ他にもたくさんある。
だけど、見知らぬ場所とはいってもここがバナナジャングル界隈だというのは確かだ。
ここから永久に出られないなんてこと、あるわけがない。
そもそも、ドンキーがなんの考えもなしにこんな場所までやってくるわけがない。
(きっとドンキーは目的があってここにきたんだ。
ただオイラが知らないだけで、この辺には舌がとろけるほどのおいしいバナナがあるんだ、たぶん。
穴場に向かってるだけで、決して迷ってなんかない……よね)
ディディーはそう何度も自分に言い聞かせながら歩く。
しかしその“目的”が不明瞭であるため、不安は消えるどころか、いや増すばかりだった。
(うぅっ、やだなぁ。こういう場所……)
眼を左右に動かして、木々の間から幽霊やクレムリンの集団が潜んでいないか注意を払う。
こんな気味の悪いところ、一刻も早く抜け出してしまいたい。
今はそう願うばかりだった。
「うわっ!」
よそ見しながら歩いていたディディーは、なにか毛深い物体にぶつかった。
バランスを失ってしりもちをつく。
見上げると、ドンキーの逞しい背中が視界に映った。
どうやらドンキーの背中にぶつかったらしい。
「もう、急に立ちどまらないでよ。危ないじゃんか」
ただでさえ視界が悪いのにと心の中でぼやく。
「……」
足をとめたドンキーはこっちを向いて謝るわけでもなく、何事もなかったように再び前進を始めた。
ディディーとある程度距離をあけたところで立ちどまり、くるりとディディーに向き直る。
ずっと背中を向けていたドンキーがいきなり振りむいたので、思わず息を呑む。
相変わらず無言だが、視線はしっかりとディディーを捕らえていた。
一体なにを考えているのか、表情からは全く読み取れない。
家を出てからドンキーの様子がどうもおかしい。
そう思っていても、声をかけようという気にはなれなかった。
しりもちをついたまま黙りこんでいると、ドンキーは突然こっちへ近寄ってきた。
「っ……!」
ゆっくりと歩み寄ってくるドンキーにただならぬ恐怖を感じ、おしりを地面につけたまま後ずさる。
立ちあがろうとするも、足に力が入らない。
身体の震えがとまらないのは、冷えた土のせいだけではなかった。
相棒のドンキーになぜこんなにビクビクしているのか自分でもわからない。
ドンキーと向かいあうのは日常茶飯事のことなのに、それなのに……。
(こ、こないで、こないでよ。お願いだからこないで……)
ディディーの心の叫びも虚しく、2匹の幅は次第に縮まっていく。
素早さに定評のあるディディーだが、じりじりと迫る巨体から眼を離せず、身体が硬直してしまっている。
ヘビに睨まれたカエルだ。
屈んで顔を覗きこんでくるドンキー。
生暖かい鼻息が顔にかかり、シッポの毛が逆立つ。
「ひっ!」
両方の肩をゴツゴツした手でつかまれて反射的に眼をとじる。
「うわわっ……!」
眼をあけようとする間もなく、ディディーはそのままぐいっと地面に押し倒された。
背中に当たる冷たい土が、より一層恐怖心をそそる。
「……ずっと我慢してきたがもう無理だ。もう限界だ。
ディディー、おれの物になってくれ」
ようやく開かれたドンキーの口から出てきた言葉は、全くもって意味不明だった。
ディディーは今起きている状況を把握できておらず、眼を瞬く。
「ちょっ、い、いきなりなにすんのさ。離してよ」
「残念だがそいつは無理だな」
ディディーを押さえつけている手に力が加えられた。
肩が地面に食いこみ、鈍痛が走る。
無理に抵抗すると痛みが増すからうかつに身体を動かせない。
「い、痛い。離してよ。ほんとに痛いから……」
「ダメだ。離すと逃げるだろ」
ディディーが震える声で訴えても、ドンキーは少しも力を緩めようとしない。
柔らかい土のおかげで激痛とまではいかないものの、非常に強い力で押しつけられているので逃れようにも逃れられない。
少しでも力を緩めたら、ディディーが隙を狙って逃げ出すことをドンキーは想定しているのだろう。
足の速さでは到底勝てないのを自覚しているから、こうして身動きを封じる手段をとったらしい。
ドンキーは先ほどとは打って変わってにやにやと笑っていた。
全く知らない場所に連れてこられ、近づいてきたと思ったら無言で押し倒され、『おれの物になってくれ』と変なことを言われる。
ドンキーの不可解な言動に、ディディーはただただ困惑するばかりだ。
「ド、ドンキー、眼がこわいよ。一体どうしちゃったの……?」
おそるおそるたずねてみる。
ディディーの眼は恐怖に怯えていた。
見慣れているはずのドンキーの笑った顔が、初めてこわいと感じているからだ。
「相棒であるお前と毎日毎日行動を共にしているうちにおれは……」
ドンキーはそこまで言いかけて、顔を至近距離まで寄せてくる。
ゴクリと唾を飲みこむ。
「お前のことが好きになった。最近はお前のことを考えながら寝るようになった。
あどけない顔つき、愛くるしい仕草、華奢な肉体……おれは知らず知らずお前に惹かれていた。
おれは……いつしかディディーと肉体的に交わりたいとさえ希求するようになっていた」
ドンキーは思いつめた表情でそう語るが、性に関する事柄に疎いディディーには理解しがたい内容だった。
ディディーだってそりゃもちろん、ドンキーのことは好きだ。
嫌いだったら相棒なんてとっくにやめてるし、ヒマな時に自分からドンキーの家に出向いたりしない。
ここまで長い付き合いをしてきたのは、お互いが好感を持っているなによりの証拠だ。
しかしどうやら、ドンキーがディディーに抱く“好き”という気持ちは、ディディーがドンキーに抱く好意とはちがうみたいだ。
肉体的な交わりってなんだろう。
なんでわざわざこんな場所でそんなことを話すんだろう。
バナナの収穫は一体どうなったんだろう……?
頭に様々な疑問が渦巻く中、ドンキーは再び話し始めた。
「ガキのお前に性的な欲望を抱くなんて頭おかしいと思われるだろうが、おれがお前を愛してるという気持ちは揺るがないぜ。
オスだろうが異種だろうがそんなのどうだっていい。
ホモゴリラと罵られたって構わない。
おれはお前が好きだ。もっともっとお前と仲良くしたい。
エロいことだっていっぱいしたい」
そこまで言われてやっと、ドンキーの言ってることの意味が頭の中に染みとおってきた。
要するにドンキーは、ただの相棒として仲を深めたいのではなく、恋人以上の関係になってディディーと一緒に過ごしたい。
そう言いたいらしい。
ドンキーの唐突な告白に思考が追いつかず、ディディーはどう返事したらいいのかわからなかった。
戸惑いを隠せないまま、ぼそぼそと口を動かす。
「そ、そんなこと急に言われても困るよ。オイラにはディクシーが……」
ディディーがガールフレンドの名前を口にすると、ドンキーは残念そうにため息をつく。
「ディクシーか……。なら聞くが、ディディーはディクシーのことを心から愛しているのか?
『オイラの生涯のパートナーだ!』って自信を持って言えるのか?
『ディクシーが大好きだ! ディクシーを愛してる!』って世界の中心で豪語できるか?
今すぐチューしてこいって言ったらダッシュであいつのところに行けるか?」
「それは……」
そんないっぺんに質問をされたってすぐに答えられるわけがない。
返答に窮するのを狙ったのか、ドンキーは途端に勝ち誇った顔を浮かべる。
「ほぉら見ろ。即答できない時点でお前たちの付き合いは所詮その程度だったってことだろ?
ディディーを愛してやまないのは世界でおれだけじゃないか。
おれは前から疑問に思ってたんだ。
なあ、ディディー。あんな頭にでかいバナナがくっついただけのメスゴリラのどこがいいんだ?
なんだってあいつを好きになったんだ?」
完全にディクシーをバカにした口ぶりだった。
トレードマークともいえる金色のポニーテールをでかいバナナなんて言い方、いくらなんでも失礼すぎる。
あまりに無神経なその言い草に、ディディーは怒りを抑えることができなかった。
「そ、そんな言い方ないでしょ! ディクシーに失礼だよ! 2回も助けられてるくせに!」
普段は温厚なディディーでも、たいした理由もなく仲間を貶されたら感情的になる。
ディディーに思いを寄せてるからって無関係のディクシーを侮蔑するなんてどうかしてる。
危険を冒して2度もクルールと戦って救出してくれたというのに、恩知らずも甚だしい。
ディディーは眼を吊りあげてドンキーをにらみつけるが、ドンキーは全く臆することなく、澄ました顔で同じ質問を繰り返す。
「答えになってないぞ。彼女のどこを好きになった?」
「ドンキーとちがって優しいところ! 頼りになるところ! しっかりしてるところ!」
「ほう」
黙ってはいけない。
咄嗟にそう判断したディディーは、ありったけの勇気をふるい起こして言い返す。
もしここでなにも言い返さなかったら、ディクシーとは所詮うわべだけの付き合いだと認めてしまうようなものだからだ。
ドンキーにはキャンディー姉ちゃんがいるじゃない!
それなのにどうして……どうしてオイラをそんな眼で見るの……?」
ディディーが今抱いている一番の疑問はこれだった。
異性で且つ同じゴリラの種族が相棒だったなら、恋愛感情が芽生えるのもまだわかる。
でもディディーはまだ少年ぐらいの年だし、種族だってちがうし、ドンキーと同じオスだ。
そんなディディーに愛情を抱くなんて、一体どういう心理なのだろう?
恋愛経験がとぼしいディディーには、ドンキーの真意など到底理解できそうになかった。
ドンキーはフンっと鼻で笑いながら、またしてもおかしなことを言い出す。
「あんなガバマンを愛した覚えなどない。あいつはな、クレムリンに愛人がいるんだよ」
「あ、愛人……? どういうこと?」
意外な返答に驚いて聞き返すが、ドンキーはニヤニヤしていてなにも答えない。
でもそう言われてみれば、最近ドンキーとキャンディーが一緒にいるのを全然見ていない気がする。
それに、キャンディーがドンキーに内緒でクレムリン軍団と会っているのを、ディディーは何度か目撃したことがあった。
なにか悪事をしている様子はなかったし、仲良さげに話してたから誰にも言わなかったけれど、まさかデキてるとは思わなかった。
「うそだぁ。もう、ドンキーったら。またオイラをからかおうとして」
作り笑いしながらそう言ったけど、ドンキーが冗談で言っていないのは明白だった。
「信じるか信じないかはお前の勝手だ。
頼むから信じてくれなどと懇願するつもりは一切ないさ。
だがこれだけは断言しておこう。
おれが本当に愛してるのはディディー、お前だけだ。
クレムリンのチンポを恥ずかしげもなく頬張ってるあんなビッチゴリラなんざ初めから眼中にない」
ドンキーはジャングルに響き渡るほどの大きな声で堂々と言い放つ。
誰かに聞かれてたらどうしてくれるんだよと狼狽してる余裕はなかった。
(ど、どうしよう。眼が本気だよぉ……)
ドンキーの瞳はまさに性欲に餓えたゴリラの眼そのものだった。
ディディー以外はなにも見えていない、そんな眼つきだ。
「さあ、股間のずる剥けバナナをしゃぶってもらおうか」
ドンキーは白い歯を見せて笑う。
屈託のない笑顔におぞましさを感じる。
思わずドンキーの局部に眼をむけると、赤黒いペニスがにょきっと顔を出していた。
「な、なに言って……。ドンキー、いい加減離してよ。んー! んーーー!」
この状況からなんとか抜け出そうと、腕に渾身の力を振り絞る。
悲しいことに、びくともしない。
片手で軽々とタルを持ち上げるドンキーと、両手じゃないと重い物を持てないディディーとでは、力の差は歴然だった。
ドンキーは、必死に逃れようとするディディーを見て嘲笑う。
「ははっ、非力のお前が俺の腕力に勝てるわけがなかろう」
「うぅっ……」
悔しいけどその通りだった。
ディディーの腕の力なんて、ドンキーからすれば赤子同然。
力が取り柄のドンキーに、まだ少年であるディディーが力比べをしたところで敵うわけがないのだ。
「……オイラをどうするつもり?」
おそれていた疑問を口にすると、ドンキーは身の毛がよだつセリフを耳元でささやいた。
「決まってるじゃないか。犯すんだよ。心も身体もな」
どうやら本気でディディーを襲うつもりのようだ。
屹立した凶悪なペニスが、それを裏付けている。
ディディーの背中にたちまち嫌な汗が流れる。
「い、いやだ!」
無駄とはわかっていてもじっとしていられるわけがなく、足をばたつかせて暴れ回る。
お腹を蹴ったりして抵抗を試みるが、タフなドンキーはちっとも怯まない。
この際敵でもいいから誰か助けてくれないかと周りを見渡すが、誰もいないどころか気配すらしなかった。
よしんば誰かが近くを通りかかっても、この異様な光景を目の当たりにしたら恐ろしくなって逃げ出すだろう。
「ふふふっ……」
薄気味悪い笑い声が耳に入る。
眼の前で欲情しているゴリラは、血走った眼をディディーにむけていた。
「な、なにさ」
平静を装って聞いてみると……。
「無駄だとわかってるのに必死で抵抗するお前もかわいい」
「なっ……」
口元をゆがめるドンキーは、ディディーが身につけている赤いベストをわしづかみする。
絶句して身体が硬直してしまった瞬間を狙われたのだ。
「服はジャマだから脱いどこうな」
上に引っ張って、強引に脱がせようとしてくる。
着衣プレイは好みじゃないのか、空いている手で器用に自分のネクタイを外していく。
「やめて! やめてよ!」
脱がされてたまるかと刃向かうも、力で捩じ伏せるドンキーの前ではなんの意味ももたなかった。
上にめくられ、視界が赤一色に染まる。
それでもベストに顔を突き出したりして悪あがきするが、ドンキーの目的は服を脱がすことだけではなかったようだ。
「かわいらしい乳首だな」
「ぁっ……!」
ディディーの上半身に口元を寄せたドンキーは、あらわになった小粒型の乳首に吸いついた。
全身を貫くような性感が襲いかかる。
空いている手でドンキーの頭を離そうとするが、ドンキーは構わずディディーの乳頭部をチューチューと赤ちゃんコングのように吸っている。
「ちょっ、どこ吸って――ひゃう!」
ベストに顔を覆われてドンキーが見えないせいで、ほんのちょっと吸われただけでも敏感に反応してしまう。
「ディディーの性感帯は乳首なのか。それを知られたくないから服で隠してたんだな。
乳首隠してケツ隠さずか。
ははっ、かわいいところあるじゃんか」
「なっ!? ちち、ちがう! そんなんじゃないよ!」
「でもいじられるとつい感じちゃうんだろ?」
「んっ……!」
どぎまぎするディディーを無視して乳首を攻め立てるドンキー。
舌先でぺろぺろ遊ぶように舐めたり、甘えるように吸ったり、やめたと見せかけて軽く噛んだり。
その度にディディーは嬌声をあげながらも、なんとかしてドンキーを引き離そうと両手でドンキーの頭を押さえる。
そんな行為をしても、どうにもならないことはわかっていた。
だからといって、じっとしているわけにはいかないのだ。
「ド、ドンキぃ、ダメだよ……ひぁっ……!」
もう1つの乳頭部まで指先で遊ばれ、首がそり返る。
ディディーの喘ぎ声に、ドンキーの性的興奮は凄まじい勢いで高まっていく。
「なあ、ディディー。素直に裸になった方が賢明だと思うぜ。
あまり動くと服が破れるぞ?」
「……」
意地悪な口調で忠告するドンキーは、乳首を口撫しながら服を取りあげようとする。
裸にさせるための口実であるのはわかっているが、そう言われてしまってはなにも言い返せなかった。
このシャツはすごく気に入っているのだ。
ドンキーの言うとおり、下手に抵抗して破れでもしたら最悪だ。
当然、破れたままの服をずっと着るわけにはいかない。
となると必然的に、新しい服が出来上がるまでの間は丸裸の格好で過ごすはめになってしまう。
そんな格好ではディクシーはおろか、コングファミリーのみんなに合わす顔がない……。
ディディーは泣く泣くドンキーに服従することとなった。
「よしよし、いい子だ」
「あっ……」
ドンキーは余裕たっぷりの表情で、ディディーから服を剥ぎ取った。
おまけに愛用している帽子まで奪われ、ディディーはあっという間に全裸になった。
まるで追いはぎにでもあった気分だ。
「これでお前は裸んぼ」
服と帽子を無情にも後ろに投げ捨てたドンキーは、横たわるディディーの裸体を舐めるように視姦している。
本来ならチンパンジーはこの格好が当たり前なのだが、赤いベストを着慣れているディディーにとっては、恥辱を受けたも同然だった。
不快感を掻き消してしまうほどの羞恥心が押し寄せる。
「返してよぉ……早く離してよぉ……」
弱々しい声でお願いするが、聞き入れてもらえないのはわかり切っていた。
解放するつもりならわざわざ裸になんてしない。
ドンキーの前戯はまだ始まったばかりだった。
「おや、こんなところに無防備なおへそちゃんが」
「ひゃっ!」
腹部にある小さなくぼみを舌先で撫でられ、全身の毛が逆立つ 。
反射的にドンキーの頭を掴むが、くすぐったくて思うように力が入らない。
ようやく腕を解放されて多少は自由になったとはいえ、状況は最初より悪化していた。
「お前のこのやらしいへそが、溜まったおれの情欲をそそってたのは知ってたか?」
「やあぁっ、ちょっ、ドンキー」
「お前にフェラしてもらって口に発射して、ケツマンにぶち込んでバックからガンガン突く妄想で毎晩寂しくシコシコしてたんだぜ」
耳を疑うセリフを平然と言いながら、ドンキーはひたすらディディーのおへそを舐める。
「や、やめて。そんなとこ、舐めないでよぉ……」
普段から見せている部分だからこそ、執拗に舐められたりすると気恥ずかしいと感じてしまう。
乳首の次はおへそを刺激されて、ディディーは顔を真っ赤に染めあげる。
「へそを舐められるのがそんなに気持ちいいのか?
水臭ぇやつだなぁ。言ってくれればいつでも舐め回してやったのに」
「ダ、ダメ、ダメだって……はぁっ! あっ……」
「毎日毎日かわいらしいおへそ見せやがって」
ディディーをこよなく愛するドンキーはとどまるところを知らない。
舌を巧みに動かして、おへそをくすぐるように舐め続けている。
「くすぐったいよ……」
「もっとやってほしいの間違いだろ?」
「やあぁっ……」
身体をよじって口淫から逃れようとするが、今度は両足を掴まれているので感度を和らげるのもままならない。
(なんで……なんでなの……?)
こんなことをされて、ちょっとでも気持ちいいと感じてしまった自分に心底嫌気がさす。
相手がディクシーなら、恥ずかしくはあっても少しは楽しむことができるかもしれない。
だけど、オスのドンキーにこんな風に身体を弄ばれてもちっともうれしくない。
気持ち悪いのに、不快なはずなのに、それなのに、恥部は快感を求めてひくついているのだ。
「はぁっ、はぁっ、ディディー……」
息を乱すドンキーは、腹部から胸部へと舌を這わせていき、再び乳首をかわいがる。
ディディーの上半身はドンキーの唾液でベトベトだ。
「ディディー、見てくれ。おれの黄金バナナを」
ドンキーがそう言って見せたのは、カチカチになっている性器だった。
見せつけるように、それをディディーの顔の前へと持っていく。
「っ!」
先ほど眼にしたドンキーのペニスは、一段と凶悪さを増していた。
早く出したいと言わんばかりに膨れ上がり、少し刺激を与えただけでどろどろの体液が飛び出してきそうだ。
包皮が後退した尖端からは、透明の分泌液が滲み出ている。
ディディーはそのおぞましいバナナから眼をそらすことができず、食い入るように見つめていた。
「おいしそうだろ? すぐにごちそうしてやるからな」
「い、一体なにをするつもりなの?」
「この期に及んでまだしらばっくれるつもりか?
いくらガキんちょのお前でもオナニーぐらいは経験ずみだろぉ?」
「……」
否定も肯定もできなかった。
性知識がそんなにないとはいえ、ディディーは精通をすでに迎えている。
当然、分泌液の正体がなんなのかは理解していた。
「まさか……まさか……」
ディディーの顔から血の気がひいていく。
嫌な予感が頭から離れない。
戦慄するディディーに、ドンキーは満面の笑みで言い放った。
「おれのバナナミルクセーキ、たっぷり注いでやるからな」
「じょ、冗談でしょ!? 離して、離してってば!」
ディディーは叫び声をあげながら、ドンキーの顔をシッポで何度も叩く。
犯される。このままでは本当に犯される。
最初のころに感じていた恐怖は、今やすっかりドンキーに襲われるという恐怖に変わっていた。
シッポの攻撃は予想外だったのか、ドンキーは顔をしかめる。
が、たじろいだのはほんの一瞬で、すぐまた笑顔に戻り、暴れ回るシッポに手を伸ばす。
「ふふっ」
「ふあぁっ……!」
必死の抵抗も空しく、シッポをぎゅっと握りしめられた。
ディディーの全身からたちまち力が抜けていく。
枝やフックにぶら下がることができる利便性に優れたシッポだが、握られてしまうと力が出なくなってしまうのだ。
「お前の弱点はシッポだったな」
「ダ…メぇ……」
こんなことになるならヒマな時に克服しておくべきだった。
いくらでも時間はあったのに、平和に酔いしれて怠けた結果がこれだ。
ディディーは今になって後悔の念に駆られるが、もう手遅れだった。
抵抗する力を封じられてしまった今、打つ手は1つもない。
絶望――その2文字がディディーの頭に浮かぶ。
「よーしよしよし。今挿れやすい環境を作ってやるからな」
ドンキーはシッポを掴んだまま、ディディーの肛門に口元を寄せていく。
仰向けの体勢のディディーは、片足をドンキーに持ち上げられている。
つまり、ドンキーの眼の位置からはディディーのおしりの穴が丸見えなのだ。
「ド、ドンキー!? ちょっ、やだ! やめてぇ!」
「普段からケツ丸出しのくせしてなにを今さら。
『挿れていいよ』っておれを誘ってたんだろ?」
「ちが……!」
「これがディディーのにおいか。うーん、実に香しい」
「どど、どこ嗅いでんの!? やめて! お願いだからやめて!」
ドンキーは全く聞く耳を持たず、ディディーの恥部に鼻先を押しつけ、クンクン嗅いでいる。
顔を蹴って退けたいのに、こうやって喚くことしかできない自分が情けない。
ディディーは自分の無力さをこれほどまで痛感したことは今まで一度もなかった。
「大事なお前の肉体をなるたけ傷つけたくないんだよ。
濡らしといた方が多少は挿れやすくなるだろ?」
どうやらドンキーはおしりの穴に唾液をたっぷり染みこませるつもりらしい。
挿入する前にきちんと濡らしておこうとすでに決めていたような言い方だった。
「んー!ん゙ーーーーー!」
蹴飛ばしたくてもいかんせん力が出ないのでどうしようもなかった。
「アナルはしっかり舐めておかねぇとな」
「ひっ……!」
肛門の表面にざらついた舌が当たり、ディディーは身体をビクッとさせた。
「お前ってすこぶる敏感肌なんだな。けど、そういうところも好きだぜ」
「ぁっ、やあぁっ、ふぁああぁん……」
ドンキーはすぐ上にある陰嚢をやらしい手つきで撫でながら、おしりの穴を口撫する。
ディディーは歯を食いしばって耐えるが、それでも喘ぎ声を抑えられない。
おしりの穴から伝わってくる強烈な刺激が、かつてない性感を呼び起こす。
「ダメだ…よぉ……。き、汚いよぉ……」
決して清潔とは呼べない箇所をうれしそうに舐めているドンキーが信じられなかった。
最愛の相手の肉体だからとはいえ、体内に繋がっている穴にためらいもなく舌を伸ばすなんて、どういう神経をしているんだろう。
「汚い? こんなにぷりぷりでうまそうなケツのどこが不潔なんだ?」
ドンキーは意に介する様子もなく、尻穴に唇をあてがう。
おしりの穴に入りこんだ長い舌が、ディディーに更なる快感を与えた。
「やあああぁんっ……」
ディディーの艶っぽい声が薄暗い森の中に響く。
淫らな穴はすっかり性感の虜になり、絶え間なくひくついている。
それに伴って、ディディーのペニスがみるみるうちに大きくなっていく。
ドンキーの男根とは色も大きさも全然ちがう、未熟なオチンチン。
勃起しても大きさは元の時とさほど変わらないが、精一杯膨らんで「元気いっぱいだよ」と主張する様は、まるでドンキーにこんにちはの挨拶でもしているかのようだ。
「こどものお前にはちょっと刺激が強すぎたかなぁ?」
「ぁっ、ふあぁっ……」
「言葉にならないくらい気持ちいいのか? ならキンタマも愛でてやるよ」
「ひぐっ……!」
相棒のディディーを汚していることに、ドンキーは相当興奮しているようだ。
ディディーの両足をぐいっと持ちあげたあと、陰部に顔をうずめて柔らかい肉の実をしゃぶっている。
シッポを解放されてやっと力が戻ったが、でんぐり返しの体勢で恥部をぺろぺろされているのでどのみち動けない。 「おぉっ……」
ドンキーは顔をあげた途端、歓喜の声を漏らす。
ディディーの男の子のしるしが変貌を遂げたことに気づいたからだ。
「ふふっ、ディディー。おれに迫られて嫌がってたのは演技だったのかな?」
「ぁっ……」
ドンキーのごつごつした太い指が、赤くて小さなオチンチンを包みこむ。
「ケツの穴舐められてチンポ勃たせるなんて。
全くお前ってやつは淫乱でやらしくてマセたチンパンジーだなぁ」
「だって、だって……」
そんなことは断じて認めたくなかったが、おしりを攻められて勃起してしまった以上、変態のそしりを免れない。
根元をしっかりと握られたペニスは、ドンキーの手の中でより一層固くなっていく。
「バナナと呼ぶにはまだまだ早いが、中々いいモノを持ってるじゃないか」
ドンキーはそう言いながら、指先でつまんだオチンチンを上下にこすり始めた。
今まで味わったことのない快感が、全身を突き抜ける。
「いっ……! ちょっ、なにす……」
「愛らしいな。お前と一緒で」
「やめて! やめてよ!」
「そうかそうか、焦らすのはやめてほしいのか。
溜まってて早く抜きたい気持ちはわかるぞ。
だがそう焦るな。お楽しみはまだまだこれからだぜ」
「そんなこと誰も言ってないでしょ!」
「わかったわかった。たっぷり搾り取ってやるから落ちつけって。
快楽に溺れてうっかりションベン漏らすなよ?」
「悪ふざけもいい加減にしてよ!」
「そう躍起になるな。ちゃんとイかせてやるって。
あっ、もし失禁してもディクシーには内緒にしといてやるよ。
おれとお前だけのヒミツな」
……ダメだ。
ドンキーは自分のいいようにしか解釈しない。
食ってかかったところで結局は受け流されるだけだ。
言い合っても時間の無駄だと思えてくる。
「……ねぇ、ドンキー。自分が一体なにしてるのか……わかってる?」
「ああ、わかってるさ。見ての通り、お前をチンぐり返しにさせてチンポシコシコしてる。
……だがやはり、手でするだけでは物足りん」
「うわわわっ!」
勃起したペニスを前にして我慢できなくなったらしく、ついにドンキーはディディーのペニスを根元まで咥えこんだ。
顔を蹴られるのを警戒してか、再びディディーの両足をしっかり持つ。
「んっ……ディディチンうまい」
「や、やだよぉ、こんな格好……。もうやめてよぉ……」
赤ちゃんコングがおしりの穴を拭いてもらう時のような格好にさせられたディディーは、顔を真っ赤にしてドンキーに訴える。
だがもちろんドンキーは聞いておらず、ひたすらディディーのオチンチンを舐めている。
ペニスを挟んだ唇が上下に動くたびに、ジュポッ、ジュポっと卑猥な音がドンキーの口元から漏れる。
(もうやだ……恥ずかしいよ……)
ディディーは生まれて初めてオチンチンを舐めてもらっているというのに、素直に喜ぶこともできない。
相棒もといオスのドンキーにエッチなことをされて、心から楽しめる方が無理なので当然といえば当然だ。
「早く出しちまえよ」
「ひぁっ……!」
やり慣れてるんじゃないかと疑いたくなるほど、ドンキーの口淫は刺激が強い。
特に敏感な尖端部分を重点的に攻めてくる。
ディディーのペニスは射精に備え、先っぽの穴から透明の粘液を出し始めた。
ドンキーはおいしそうにその液体を舐め取る。
オチンチンから熱い液体がこみ上げてくるのを感じ、ディディーは声を張りあげた。
「ドンキー、頼むからやめて! ドンキー! ドンキーったら!」
「お前はやっぱ最高の相棒だ。先にミルクセーキをごちそうしてくれるなんて。
いつでも1番を譲ってくれるお前のそういうところ好きだぜ」
ドンキーは言わずもがな口淫に夢中で全く聞いていない。
(やばい、やばいよ……)
「ケツももっといじってやるよ」
「はひっ!」
おしりに異物が入りこんでくる感覚。
ドンキーが肛門にずぶりと指を差しこんだのだ。
指を前後して強烈な刺激を与えてくる。
無論、性器を頬張る口の動きはとめない。
2つの恥部を同時に攻めたてられ、ディディーは気が遠のいてしまいそうだった。
「ほっ、ほっ」
「ふあぁっ、いや、やあああぁっ……」
静寂が支配するジャングルに響き渡る嬌声。
今の声を聞きつけたクレムリン軍団やアニマルフレンドが、興味津々な顔でしげみから覗いてたらどうしよう。
そんな不安が頭をよぎったが、気にしている余裕などなかった。
絶頂が間近に迫ったペニスが尖端をグググッと膨らませて放精に備える。
「発射準備DK?」
意味深なセリフを吐くドンキーは、早く出せと言わんばかりに全速力でペニスを舐め回し、手で上下に扱く。
おしりの穴をほじくられているせいで抑制できず、ディディーはあっけなくアクメを迎えることとなった。
「いっ……あひっ……! も、もうダメ……ダメ……出る……!」
情けない声とともにオーガズム。
脈打つオチンチンの先っぽから勢いよく白濁液が飛び出す。
「ぁっ……ぁっ……」
ドピュッ、ドピュッ、ドピュッと断続的に、どろどろの精液をドンキーの口内に叩きつける陰茎。
一度出てしまったらもうとまらない、とめられない。
極度の興奮状態に陥っていたためか、ひとりエッチの時とは比べものにならないくらいの精液の量だ。
「んっ……」
打ちこまれた新鮮な精子を喉を鳴らして飲みこむドンキー。
精液という名の真っ白なバナナミルクセーキは、ドンキーの口内をたちまち満たしていく。
射精する瞬間をばっちり見られてしまっただけでなく、人生初の口内発射をドンキーの口にしてしまった。
「……」
ディディーは射精したことによって少し頭が冷静になったが、悲惨な現実を未だ受けとめられずにいた。
「いっぱい出たな」
「はああぁっ……」
オシッコを出す穴を吸引され、茎に残っていた微量の精液までも搾取される。
ドンキーが口を離すと、射精を終えたばかりのオチンチンが小刻みにふるえていた。
多量の精を吐き出したというのに、ディディーのオチンチンは萎えることなく、勃起を維持している。
精力旺盛な年頃であるディディーが、こんな状況で1回射精した程度で満悦するわけがないのだ。
「ごちそうさん。お前特精のミルクセーキがここまでうまいとは思わなかったぜ。
明日から毎日飲ませてくれよな」
ドンキーは満足そうに、口の周りに付着した精液を舐めている。
もうなにも言い返す気にもなれない。
ディディーはお腹で息を繰り返しながら自分のオチンチンを呆然と見つめていた。
「さて、おれのバナナが爆発しそうなほど痛いわけだが」
「っ!」
今にもはち切れてしまいそうな凶悪なペニスが視界に飛びこんだ。
ドンキーが立ちあがった今が逃げ出す絶好のチャンスだ。
だけど、ディディーはすでに気力も体力も尽きており、もはや起きあがることすらできなくなっていた。
「うわっ!」
ドンキーは、上を向いて横たわるディディーの身体を反転させた。
「いよいよこの時が来たわけだ、喜んでくれ。さあこっちにおいで」
ディディーの脇をつかみ、後ろから抱きあげる。
「エロいケツだ。まさにケツマンコと呼ぶにふさわしい」
「いやだ! いやだ!」
おしりに嫌な汗をかく。
なんとか逃れようと残った体力でじたばたするが、足は空を切るだけでドンキーに届かない。
「みっともないぞ、ディディー。おれにフェラされて射精したくせして。
さあ、1つになろうぜ」
「ま、待って! お願いだから考え直して!」
「ああ、十分考えたし散々悩んだりもしたさ。その結果がこれだ」
「ぁっ……!」
ペニスの先っぽと尻穴の表面が触れあい、ニュプッと卑猥な音がたつ。
もうドンキーに心の迷いはないようだ。
「いくぞ」
「あああぁっ……!」
ドンキーのペニスが少しずつディディーの中に侵入していく。
後背位の体勢で犯されるディディーは、苦痛で顔を歪める。
先ほど濃厚な精液を放出したオチンチンが、まだまだ出し足らないと訴えているが、今はそれどころじゃなかった。
「んくっ……!」
「いぎぎっ……!」
決して不可能ではないが、小柄なディディーの肛門でドンキーの大きなペニスを受けるのは、少々無理があった。
唾液が潤滑がわりになっているおかげで途中までは挿入できたものの、根元まですっぽり入るのは容易ではなかった。
「くっ……いい締まりしやがって……」
「し、しり! おしり! おしり痛い!」
張り裂けそうな痛みに耐え切れず、ドンキーに訴える。
しかしドンキーはやめる気配が全くない。
やめるどころか、さらに奥深くまでペニスをインサートしようとしている。
「はぁっ、はぁっ、ディディー、ディディいぃ……」
「っ……」
生暖かい息が耳元に吹きかけられるが、あまりの激痛に声が出せない。
おへそや恥部を好き勝手に舐められるし、ドンキーの所為で射精するはめになるし、踏んだり蹴ったりだ。
「くおおおぉっ!」
一気に挿入してしまおうと考えたのか、ドンキーは奇声を発しながらペニスをずぶずぶと押し進めていく。
おしりの内壁がどれだけきつく締めつけても、ドンキーの暴走をとめることはできなかった。
「……入ったぜぇ」
「っ!」
動きをとめたドンキーは口元を歪めて笑う。
失神してしまうほどの激痛が少しだけマシになる。
だけど、安心したのも束の間だった。
一見なにも起こっていないように見えるが、ディディーはおしりに強烈な違和感を覚えていたのだ。
おしりの穴には、熱くて固いドンキーのイチモツが見事に根元まで入っていた。
それはすなわち、ディディーとドンキーが繋がったことを意味する。
「おれたちは元々2匹で1匹みてぇなもんだったし、いずれはこうなる運命だったのさ。
なんせおれらは最高で最強のコンビなんだから」
かっこよく聞こえる言葉だが、翻弄されてきたディディーからすればただの詭弁にしか聞こえない。
吹雪の谷でお互い寄り添って、凍えた身体を温めたことはあったけど、今思えばその時からすでにドンキーはディディーに歪んだ愛情を抱いていたのだろう。
(おしりにチンチンが……ドンキーのチンチンがぁ……)
「ディディケツ……たまらん」
「あぎいぃっ!」
おしりの穴の奥深くまで突き刺さったペニスが、快楽を求めて怒張する。
息も絶え絶えのディディーだが、悲しみに暮れているヒマなどない。
挿入されてからが本当の地獄なのだ。
「好きだ、ディディー。さあいくぞ!」
「ちょっ、あっ、いた……」
地面に座りこんだドンキーはディディーの脇腹をしっかり掴むと、腰を前後に振ってピストン運動を始めた。
「ディディー、どうだ? おれのバナナ」
「あ゙っ! あ゙っ!」
「ノンケのお前とセックスしてるってだけですげぇ興奮するぜ」
ドンキーは根元まで突き入れた肉茎を律動的に前後させる。
密着した2匹の結合部からグチュッ、ヌチュッと下品な音が漏れ出る。
ディディーのおしりの穴は裂けてしまいそうなほど拡張していた。
「んっ、くっ……!」
(ああぁっ……! お、おしり痛い……!)
大きさを増したドンキーの肉棒は、ディディーに更なる陵辱を与えていた。
もはやドンキーは自分が快感を得ることしか考えていない。
「んぐぅっ!」
「くっ……そろそろイくぜ」
「やぁんっ……」
背後から伸びた手が、ディディーの胸部にある2つの突起をいじくる。
忘れたころにやってくる愛撫。
犯されているこの状況では性感など微塵も感じなかった。
「おれの想いが詰まったザーメン……受け取ってくれ!」
爆発寸前のドンキーのペニスが最大限に膨らんだ。
尖端から大量の分泌液を流しこんでくる。
「い、痛い! 痛いよドンキー!」
「う゛っ……! だ、出すぞディディー!」
「ひぐっ!」
ドンキーが眼を細めた瞬間、おびただしい量の白濁液がディディーの中ではじける。
先刻吐き出されたディディーの精液とは比べものにならないほど、ドンキーの精液の量は凄まじい。
勢いが強すぎて痛みさえ感じる。
「ふぅっ……」
「あっ、あああぁっ……」
深い悲しみにとらわれるディディー。
満足げに声を漏らしたドンキーは余韻に浸っているのか、ペニスを差しだんだまま黙っている。
「うぉっと!」
大きく開いた肛門が赤黒いペニスを締めつけ、微量の液を搾り出す。
ディディーの下半身は前も後ろも精液でべとべとだ。
「すげぇ気持ちよかった……マジ最高」
ドンキーはすっかり射精の快感に酔いしれているようだ。
恍惚の表情を浮かべながら腰を軽くふって、ペニスでおしりを突いてくる。
逆流する精液が、結合部のほんの僅かな隙間から流れ出る。
ディディーの体内に大量の子種を注ぎこんだドンキーだが、それでも飽き足りないのか、まだディディーを解放する気配はなさそうだった。
「もいっちょ抜くか?」
「さ、さわらないで……」
乳首をいじっていた指が下方へと移動し、赤いオチンチンを握りしめる。
ディディーは手をどかそうとするが、いかんせん力が出ない。
こんな状況だというのに、オチンチンは憎たらしいほど元気いっぱいだった。
「なあ、ディディー」
ドンキーは突然耳打ちをしてくる。
「な、なに?」
「おれ、今度は思いきり飛ぶところが見たい」
「っ! それってまさか……」
ディディーの顔から血の気がひいていく。
どうやらドンキーはこの体勢のまま、ディディーに2度目の射精をさせるつもりらしい。
「若いお前のチンポならタル大砲ぐらいの勢いあるだろうしさぁ。
ミルクセーキ、おもっきし前方に飛ばしてくれ。
もっとおれを悦ばせてくれ」
「や、やだ! もうやだ! やだぁ!」
なんとかしてドンキーから逃れようと必死でもがくが、ペニスを奥深くまで差しこまれた状態ではどうしようもなかった。
「遠慮するな」
「あっ、ちょっ、やあぁっ、チンチンダ…メぇ……」
オチンチンを扱かれながら耳に息を吹きかけられる。
先ほど一滴残さず精を搾りあげたおしりがドンキーのペニスを締めつける。
「ふふっ、おれなんかとちがってすごい回復力だ」
「い、痛いよ……抜いて、ドンキー……」
「ああ。たっぷり精液抜いてやるさ」
「ち、ちがうって。そっちの抜くじゃなくてチンチン抜い――やああぁん……!」
ディディーの悪夢はまだ始まったばかりだった。
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