- 2010⁄12⁄23(Thu)
- 01:18
サトシ達は次の目的地へ
サトシ達は次の目的地へ向かう途中、道の端に小さな店を見付けた
「何屋さんかな?ねえねえ!ちょっと覗いてみない!?」
「うーん…こんな人気の無い場所に店なんか…怪しくないか?」
大丈夫大丈夫!と、ヒカリは行く気満々のようだ
「俺もちょっと気になる!なあタケシー」
少し考え、とりあえず覗いてみる事にした
中に居たのは一人の老人だけだった
「いらっしゃい」
「すみません、ここって何を売っているんですか?」
「うちは薬屋じゃよ
傷薬から栄養剤…ポケモンにも人にも効くから、持ってても損は無い筈じゃ」
粉薬、塗薬、栄養ドリンク…珍しい物にサトシもヒカリも不思議そうに物色している
(ん…?)
タケシが隅っこに有った小さな袋を手にした
(………説明が無い)
「おじいさん、これは何の薬です?」
「おお、まだ一袋残っておったか
これは一番人気の物での…あまり大きな声では言えん」
老人はタケシを呼び、耳元でコソリと呟いた
「“正直になる薬”じゃ
意中の相手に飲ませると良い事があるやもしれん…
そいじゃこれは初来店のお主にぷれぜんとじゃ」
「え、あ…」
そう言うと、タケシのズボンのポケットに詰めた
「タケシ、何やってんだ?」
「い、いやいや!別に…!」
ひょいと覗かれて慌てふためく
「これ下さいっ」
ヒカリが両手に抱えて持って来たのは…
「化粧水?」
「うん!ここってお肌の薬も有るみたい
値段も安くて大丈夫!」
目を輝かせて嬉しそうに笑う
三人はそれぞれ買い終え、再び目的地へ向かって歩き出した
(正直になる薬か…これでお姉さん達を…って、いかんいかん!そんな不埒な!)
「何一人で百面相してんの?」
「え!?あー別に何でも無いさ!ハハハ…」
「なあタケシ、まだ着かないのか?」
あれから暫く歩き続け、辺りは薄ら夕焼け色に包まれて来ていた
「あたし疲れちゃったあ…」
「そうだな…どこかでテントでも張…あ、あれは…!!」三人の目の前に一人の女性が歩いていた
「紹介が遅れました、自分はタケシと申します!」
「俺サトシです」
「ピカ、ピカチュウ」
「あたしヒカリです」
「私はヤオイ、宜しくね
もう直ぐ着くわよ」
数分歩くと、立派とは言えないが、しっかりした造りの宿屋が現われた
「ただいまー」
ヤオイは三人をロビーへ案内した
「お父さんに話してくるわ、待ってて」
「はい」
「お待たせ!それじゃあこちらへどうぞ」
外から見れば普通の建物だったが、中は意外と広く綺麗に整っていた
「料金は特別格安にさせて頂くわ!
それじゃあこの端から三つ目までの部屋、それぞれ使ってね」
「ありがとうございます!」
左の部屋はサトシ
真ん中の部屋はタケシ
右の部屋はヒカリが使う事にした
各々部屋に荷物を降ろし、ロビーへ集合した
「綺麗で良い部屋だったわね」
「ああ!そうだ、部屋に有った案内を見てたんだが、ここを右に曲がって真直ぐ行ったら温泉が有るらしい」
「良いなぁ温泉!あたし行きたーい」
「ピカー!」
三人は浴衣と入浴セットを持ち、温泉へ向かった
「うわあー広ーい!」
ヒカリは目をキラキラ輝かせ、そそくさと掛け湯をした
ゆっくり肩まで浸かると息を吐く
「ふー…良い湯加減…最高ー…
ポケモン専用のお風呂も有るなんて、素敵な所…」
目を閉じ、満足そうに呟いた
「ひゃっほーい!」
ザブン!と大きな音と飛沫をあげて、サトシは風呂に飛び込んだ
「おいサトシ、プールじゃないんだぞ」
「へへっ、ごめんごめん!」
しょうがないな、と肩を竦め、軽く掛け湯をして浸かった
「こんなでかい風呂なんて久し振りだなあ」
「そうだな、ゆっくりしていこう…」
吐いた息は蒸気と共に消えて行った
青い浴衣に着替え終わり、二人が上がった時、丁度ヒカリと鉢合わせた
ピンクの浴衣が良く似合っている
「気持ち良かったな!」
「うん!もう最高!あ、ヤオイさん」
「あら皆、ここに居たのね
もう少しで夕飯だから、広間に集まってね」
「やったあ!それじゃあポケモン達を連れてくるわ!サトシとタケシは先行ってて」
「場所は分かるか?」
「案内見るから大丈夫!」
じゃあ、とヒカリはポケモン達を迎えに行った
「とりあえず、部屋にもどって服と入浴セット置いて来よう」
「うん」
二人は各々の部屋に別れた
ポス、と足元に何かが落ちた
「ん?これは…」
広い上げると、それは老人から貰った“正直になる薬”だった
袋を開けてみると、微量の粉末二袋、カプセル六錠が入っている
「ああ、忘れてた…やっぱり怪しいよな…」
コンコン
「タケシー、行くぞー」
「あ、ああ」
タケシは薬を袖に隠し、サトシと共に広間へ向かった
「ここが広間だ」
「んー、良い匂い…早く入ろうぜ!」
ガチャ、とドアを開けると予想以上に豪華な食事が並べてあった
「うわあ旨そう!」
「ああ!ヤオイさん!」
「いらっしゃい、飲み物置いておくわね」
「お手伝い致します!」
「ふふふ…お客さんは座ってて、さあ」
二人が座ると、ヒカリとポケモン達がやって来た
「おっ、皆来たか」
「わーい、美味しそう!」
「ポケモン達の食事はこっちよ」
ズラリと並べられたポケモンフーズに大喜びで駆け寄る
「それじゃ、頂きまーす!」
世話しなく食べ始めるサトシとヒカリを見て苦笑いするタケシ
「二人共元気ね」
「はは…お前達、そんな一気に食べてると喉に詰まるぞ?」
「んぐ!」
胸をドンドン叩くサトシに、言わんこっちゃない、と水を差し出すタケシ
ヤオイが楽しそうに笑っている
「はいタケシ君、コップ貸して」
中身の無くなったコップに飲み物を注ごうとするヤオイ
「あ、ハイ、ありがとうございま…」
ふいに二人の手が触れた
「ご、ごめんなさい」
「い、いえこちらこそ!」
互いに見詰め合い思わず赤面する二人
「もぐもぐ…ねえサトシ、あの二人何だか仲良さげじゃない?」
「パクパク…ん?ああそだな、良かったじゃないかタケシ」
(ヤオイさんが俺を見て照れてる…もしかして、もしかして…)
「わ、私…少し失礼します…」
少し慌てたように広間を出て行ってしまった
「タ・ケ・シ」
ボーッとしているタケシにヒカリが話し掛ける
「もう、何ボーッとしてんのよ
お姉さんとお付き合い出来るかもしれないのよ?チャンスじゃない!
告白しちゃえばもしかしたら大丈夫じゃない?」
ニヤニヤしながら話すヒカリに告白と言われ、ますます動揺する
(そうか…そうだな…自分に正直に…正直に…ああっ!出来ない!いざとなったら勇気が!!)
(…これはだいじょばないわね…)
「あたし席戻るね、頑張って!」
(………正直…自分で“正直になる薬”を飲んでみれば…)
サッと袋からカプセル一錠と粉末を取り出す
(カプセルは俺…)
ごくん、と飲み物と共に飲み込む
(………ヤオイさん…すみません…)
卑怯だと思いながら、タケシは新しいコップに粉末と飲み物を入れた
扉が開き、待ち焦がれたヤオイが入って来た
(き、来た…)
「ヤ…ヤオイさん!」
「あ…ハ、ハイ!」
(頑張るのよタケシ!)
「これを…今更ですが、乾杯しませんか?…あ、あなたとの…出会いに…」
「タ、タケシ君…はい…」
おずおずと受け取り、コップを前に出す
「「乾杯」」
コップがカチン、と音を立てて離れた
一気に飲み干すタケシを見て、ヤオイも口を近付けた
「んぐ!」
え?と二人が振り返るとまたもサトシが胸を叩いている
「もーまたぁ?もっとゆっくり食べないからよ…」
「サトシ君、ほら…」
(あ!!!!)
ヤオイがサトシに渡した物は、タケシから受け取った薬入りの飲み物だった
「ちょま…!!」
それを受け取るとサトシもまた一気に飲み干した
「…!!!!」
「…ぶはっ!生き返った…ありがとうございますヤオイさん!」
「ふふ、どう致しまして」
どうやらポケモン達も全員食べ終わったようだ
「そろそろ部屋戻るか」
「さっきエステ見付けたの、あたしそっち行ってくる!」
「それじゃ案内するわヒカリちゃん」
「ありがとうございます!」
女性二人が出て行った所で、サトシとタケシも広間を出る事にした
(ああヤオイさんに飲ませる筈が…)
「どうしたんだタケシ、さっきから元気無いじゃないか」
溜め息を吐き、チラリと横目見るとサトシの大きな目とかち合う
ドクン、と心臓が跳ね上がった
体が徐々に熱くなっていくのが分かる
「タケシ?」
(な、何だ…何でこんなに心臓が…)
「タケシ…おーい」
心臓の鼓動が全身に響き渡っていく
フラリと体の力が抜け、サトシに寄り掛かってしまう
「タケシ!?しっかりしろよ!」
顔をあげると焦った顔のサトシのアップ
一瞬、ドキドキがムラムラに変わった
「今直ぐ部屋に連れてってやるからな!」
サトシはタケシを抱えて部屋へ向かった
(おかしいな…部屋ってこんなに遠かったっけ…)
足取りが重くなっていく
(タケシ抱えてるから…かな)
じんわり汗が浮かぶ
(…俺も部屋に戻って少し寝よう)
「…!」
ふいに足が縺れて壁に寄り掛かった
「…サトシ」
「平気だよ、俺も風邪引いちゃったかな?」
はは…と苦笑し、壁伝いに歩き、一番手前のサトシの部屋に着いた
「っ…、タケシ…俺の部屋でも良いか…」
「ああ…悪いな」
少しでも早く休みたく、ひとまずサトシの部屋で休ませる事にした
カチャ
「ぃよっ…と」
ボフッとタケシをベッドへ寝かせ、立っているのが辛くなったサトシも共に崩れてしまう
「サトシ…」
「変だな、いきなり二人共風邪引いちまうなんて…」
「…」
(あの薬の所為か…?ヤオイさんをこんな目に遭わせようとしてたのか、俺は…
サトシにも悪い事、したな…)
直ぐ横に居るサトシの頭を優しく撫でると、ピク、と反応した
布が擦れる音、そしてゆっくりタケシの方を向く
顔がすっかり紅潮し、息も荒い
それはタケシも同じだった
タケシが感じているこのムラムラを、サトシも感じているのなら…
「…俺、何か変だ…心臓がドキドキしてる」
「…俺もだよ」
サトシは目だけを動かし、自分にゆっくりと覆い被さってくるタケシを眺めた
俯せになっているサトシの肩を掴み、仰向けにする
((…こんな趣味無いけど…))
自分の意思とは裏腹に、二人は互いを求め、顔を近付けた
軽く触れ、音を立てて離れる
次に唇を割り舌を絡める
解放すると更に息が荒くなったサトシと目が合う
胸元をはだけさせ、直に肌を撫でると熱が伝わって来た
冷たかったのかサトシが息を詰めたのが分かった
「…サトシ、怖いか?」
「………いや…」
タケシ浴衣の裾を握る
「…冷たくて、気持ち良かった」
自分の鼓動が更に早くなっていく
サトシの首筋に舌を這わせ、そのまま鎖骨をなぞっていく
目を閉じると舐められる場所に自然と意識が集中する
「……ん…」
タケシが帯を解く
上半身を完全に露にし、鎖骨からゆっくり下へ移動する
所々に赤く印を残しながら…
「っ…あっ…!」
胸まで降り、小さな突起に舌を絡ませる
いきなりの快楽に思わず声をあげた
「タケシ…そこ、舐めんな…!」
ヌルヌルと刺激を与えられ、辛そうに顔を歪める
「んんっ!…ちょっ、と…マジ…やだ…!」
優しく舐められ、キツく吸われ、もう片方は指で捏ねくり回される
「ぁ、タケ…タケシ!」
切羽詰まった声で呼び、タケシの浴衣をギュッと握り、ビクンと跳ねる
世話しなく上下する胸から離れた
「…サトシ、お前」
「はあっ…はあ…だ、だから、嫌だって、言ったんだ…はぁ…」
「まさか舐めただけで…」
「い、言うな!」
薬の効果は半端じゃないようだ
「胸だけでこんななら…ここを弄ったらどうなるんだろうな」
「え!?」
ニヤリと笑い、裾を通り下着の中へ手を差し込む
抵抗したかったが体が言う事を聞かず、されるがままになってしまう
先程の刺激でヌメっているサトシ自身を軽く握ると、小さく呻き背を反らせた
その光景にタケシが生唾を飲む
「…感じ過ぎ」
「ん…うるさい…!」
ジロリと睨むサトシの下着を手早く取り除き、足を開かせた
「お、おいタケシっ…」
間に割り込みすっかり勃ち上がったサトシ自身に再び指を絡めた
「っあぁ…!」
自分のものとは思えない甘い声に、慌てて口を抑えた
「っ…ん、っ…ふっ…!」
手を動かす度にビクビクと震えながら苦しそうに小さく喘ぐサトシに更にムラムラしてしまう
扱く手はそのままに、体を曲げ、再び舌を突起に絡める
微かにサトシが震えているのが分かる
「ぅ…ぁ…はぁっ…」
「…声聞かせろよ」
首を振って拒否するサトシの手を掴み、無理矢理引き剥がす
「あっ!やめ…あっ、んぁっ…!」
「そう言う声だよ…」
上下する手に力をいれ、早急に動かしていく
「タケ…!や、やめろ、ああっ…離し…っ!」
「見せてみろよ、お前のイク時の顔」
困ったような、照れたような、怒ったような瞳をタケシに向ける
「んっ!あ、はあっ…もうダメ、だ…!ぅ、くっ…ッッ!!」
手の中でサトシが大きく震え、声にならない声を出し、白濁を零した
疲れ切ったサトシの最後の一滴まで出し終える
「綺麗だったぞサトシ、一瞬男に見えなかったよ」
「………ぃ」
「…何だ?」
「…俺ばっか、ズルイ」
不貞腐れたようにフイと視線を逸らす
正直タケシも限界を感じていた
「よしサトシ、俺の上に乗ってみろ」
「…上?」
動けないでいるサトシを持ち上げ、自分の腹に後ろ向きに座らせる
訳が分からず、寝転がっているタケシに振り返る
「ど、どうすんの?」
「俺のを触って
俺がお前にしたように」
「俺に…したように…?」
視線を元に戻すと大きくなっているタケシ自身が有った
「こ、これを…」
「『これ』は無いだろ『これ』は…早く」
優しく促され、おそるおそる触れてみた
(…かた)
ギュッと握って、されたように擦ってみる
「そう、そのまま…」
「うん………わ!?」
剥き出しになっている太股に触れると驚いて声を上げる
「気にしない気にしない
俺を気持ち良くするのに専念してくれ」
戸惑いながら再び擦り始めた
太股に置かれた手がスルリと動くと、サトシの手が止まってしまう
タケシの腹に硬いものが当たる
「まだ足りないか?」
問いに答えず止まった手を動かし始める
更に大きくなっていくソレにサトシの顔が赤くなる
「サトシ」
「…何」
「見えない」
「…何が?」
グイッ!と足を引っ張られ、バランスを崩し、握っていたものから手を離すとシーツに手をついた
「っぶな…!いきなり何すんだ…!」
「見えた」
「!!!?」
自分が四つん這いになっている
つまり下半身がタケシの眼前に晒されているのだ
姿勢を戻そうともがくが、足をガッチリ捕らえられ動けない
「…っ!!やめろ離せっ!」
「もう一回気持ち良くしてやるよ」
「な…!」
少し力を入れて腰を降ろさせると、サトシ自身に舌を絡めた
ビクン、と全身が跳ね、踏ん張っていた腕の力が抜ける
「…!…何やって…」
「…勝負してみようか」
戸惑い涙目のサトシに問う
「先にイッちゃったら負けだ
頑張れよサトシ、俺と一緒な事すれば勝てるかもなあ?」
言い終えると再びソレに口を運ぶ
根元から先端へ舌をゆっくり、ゆっくり這わせていく
(こ…このままじゃ…っ)
快感に半泣きになりながら再度タケシ自身を握るが、どうにも力が入らず、ただ自分が追い込まれるだけだ
『俺と一緒な事すれば…』
(…一緒な…?)
意を決し、自分がされているように、タケシのソレを口に含んでみた
青臭さと生暖かさで眉間に皺を寄せるが、ぎこちなく舌を使うとタケシの動きが止まった
しかしそれも束の間で、直ぐに行為を開始する
「っ…んん…」
(…タケシ、気持ち良いのか…な…?)
そう思うと少し嬉しくなった
今度は口の中に含み、吸い上げてみる
それにつられてタケシも吸い上げる
「ん、っ!は…っ」
強烈な快楽に一瞬口を離してしまうが、直ぐに続きを始める
もう限界を迎えてしまいそうなサトシは、ギュッとシーツを握った
しかしそれで我慢出来る訳も無く、体がブル、と震え始めた
「ふ…ん、んっ…んー…」
(もうイキそうだな)
「んっ、んぅ!ッッ…んんんーっ!!」
先端を強く吸うと、口の中に温かい液体が流れ込んでくる
「うっ…!?」
それと同時に、達した瞬間サトシの口腔が窄み思い切り強くタケシに吸い付いた
そして直ぐさまタケシも放ってしまった
「うっぷ!?」
「………!!!」
驚いたのはタケシだ
まさか自分がイカされるとは思っていなかった…
「………引き分けって事で」
「ダメ、お前が先にイッたからサトシの負けー」
クルリとサトシを組み敷くと、次の行為へ進む為足の間に割り込んだ
近くに有ったティッシュでサトシの口元を拭ってやる
半開きの目で自分を眺める子供に奇妙な感覚が沸いた
膝を立たせ、己の指をサトシに押し付ける
「?」
「口開けて」
薄く開いた唇を割り、その指で舌を弄る
「んん…」
「…もう良いかな」
スル、と指を引き抜くと、その濡れた指を下へ持っていき、辿り着いた後口へ押し当てた
驚いたのかサトシが息を詰めたのが分かった
そのままゆっくり、中へ進める
「…う」
「辛い?」
「ぃ、いや、何か…変な感じ…」
無意識にタケシを締め付ける
「サトシ、息吐いて…力を抜いて…」
優しく頭を撫でられ、安心したように身を任せる
中指を一本挿れても大丈夫そうだ
「…入ったよ」
「…んっ…うん…」
クイ、と指を折る
「!」
「サトシ」
「…平気だ、ちょっと…」
「ちょっと…何だ?」
「………何でもない」
薄く笑い、律動を始めた
中で指が動く感覚に思わず目を固く瞑る
抜き差しする内にサトシの息が荒くなっていく
(自覚無いのがタチ悪い…)
二本に増えた指を蠢かせるとふいに袖を引っ張られた
「も…もうダメかも…」
「………俺も」
指を引き抜くと自分とサトシの帯を解き抱き付いた
「ちょっと…手加減出来ないかもしれない」
黙ったまま、タケシの背に腕を回した
後口に熱く固い物が押し当てられ身を竦める
怯えているのは分かっているが、自分を抑える事は出来なかった
サトシの足を折り曲げ、自らの腰を降ろしていく
「ん…!」
「…っはぁ…」
キツい締め付けに苦戦しながらも、徐々に中へ入っていく
眉間に皺を寄せシーツを握り締めるサトシの耳を甘噛みし、ほんの少し力が緩んだ瞬間一気に突き挿れた
「ッあ…!!」
やはり無理が有ったのか苦しそうに背を反らせ咳込む
「………スマン」
苦しむサトシには申し訳無いが、小刻みに収縮する中が心地良い
一刻も早く揺さぶりたい衝動に駆られるがそこはグッと堪える
「ん………は…挿入っ…た…?」
「ああ…ごめん」
「び…びっくり、した…でも」
軽く手を重ねる
「?」
「もう、大丈夫だから…」
照れたような表情をタケシに向ける
「…動いても…」
小さく頷くサトシを確認すると、腰を掴んで少しずつ揺すり始めた
「ん…んっ、ぁっ…」
切れたのか流れる血が白いシーツに落ちる
「あっ、タケシ…もっとゆっくり…!」
「…」
聞こえてはいるのだが、自分の体は言う事を聞かない
ベッドのスプリングの軋む音が激しくなっていく
「あ、あっ…っ…ああっ!」
タケシの胸を押し返し首を振る
「サトシ、最高だ」
涙で潤む瞳をタケシに向ける
「…可愛いよ」
「ふ…タケ…っん!!」
イッて敏感になっているサトシ自身を握って上下に擦ると、ギュウッと中が締まった
「………今まで見て来たお姉さん達より…」
突き上げる腰、擦る手が早く激しくなっていく
「ずっと可愛い」
空いた手で固くなっている胸の突起を撫でる
「…っ……!」
感じ過ぎて言葉が出ない
頭がついていかない
それでもタケシの声はハッキリと聞こえた
「こんな時にしか、言えない…」
「…?あ…も、もう…っダメだ…!」
もう限界を迎えそうなサトシは、押し返していた手を、語りかける相手の首に回した
「好きだ」
「へ…」
突然唇を重ねられ何も考えられなくなる
本能の赴くまま、二人は白濁を零した
二人は暫く抱き合ったまま放心状態だった
「…」
「…」
「…なぁサトシ」
「ん…?」
「もういっか「イヤダ」
即答であえなく玉砕
「疲れた…喉乾いた」
「…はい」
タケシは動けないサトシを処理してやり、ベッドを降りて水を注ぎに行った
(……………………やっちまった…)
思い出して羞恥心いっぱいに、サトシは枕に顔を埋めた
(はあ…まさかあいつが初めての相手になるとは…しかし)
水をコップに注ぎながらタケシも思い出す
(男同士って、気持ち良かったんだな…結構…可愛かったし)
最中の場面が頭から離れずまたもムラッとしてしまう
(いかんいかん!)
首を振ってサトシの元へ向かった
「ほら」
「ん」
差し出された水を受け取る
「…」
「な、何だよ」
「いや何でも…」
じっと見詰めてくるタケシを不審に思いながら、喉を潤す為一気に飲み干した
空になったコップを近くのテーブルに置く
チラリとタケシを見るとまだ見詰めている
「…何なんだよ」
「気が変わったら言ってくれ」
「何の」
「もう一回」
「う…うるさい!」
ボッと顔を真っ赤にしたサトシは、タケシに向かって枕を投げ付けてやった
「痛てっ…はは…」
「ったく……………!?」
いきなりドクンと胸が跳ねる
(…あれ?また…体が…熱くなって…)
「どした?」
「…」
「…」
「…タケシ」
「んん?」
「……………気が、変わった」
俯き呟くサトシにニヤリと笑って再びベッドへ上がった
「今度は優しくするから」
タケシの手から空になった袋が一つ、床に落とされた
「…シ……ケシ…!」
(声が聞こえる…)
「タケシ!」
(あー…サトシの声だ…)
「ピカチュウ、十万ボルト」
(え?)
「アバババババババババババババ!!」
「タケシ!」
「良かった、起きたわね」
ガバッと起き上がると、座り込んでいるサトシとヒカリ、ポケモン達が居た
辺りを見渡すと自分が寝ていた場所は草むらの中だった
「え?え?どういう事だ?」
「混乱するのも無理無いわ」
「俺達もびっくりしたんだ、起きたら天井は空だったし」
「あの子の所為よ」
ヒカリが指差した先には…
「ムウマ~」
「ム…ムウマージ…?」
「この間の奴と違うみたいだけど…また眠らされてたみたいだな」
はあ、と溜め息を漏らす
「じゃ、じゃあ…サトシ、昨日の夜…」
「?何の事?」
ガックリ肩を落とすタケシ
「あたし旅館の夢見たわ」
「偶然だな、俺も」
「「ヤオイさんって人が…」」
「「「!」」」
「ピカ!」
「ポチャ!」
「皆も?確か皆が一緒に居たのは…」
「夕飯を食べた所?」
「ええ、やっぱり一緒な夢だったのね…あたしはあの後エステに行って部屋に戻ったわ」
「俺は…」
(サトシは俺と一緒に居た筈だ!)
ギラリとタケシの目がサトシを捉える
「タケシが具合悪くなって…」
(そう!)
「で、タケシを俺の部屋に連れてって、俺も具合悪くなって」
(そう!!)
「そのまま代わりに俺がタケシの部屋行って休んだ」
明らかにショックを受けているタケシに?が浮かぶ
「タケシは?」
「え!?あ、や、その、ええと…!お、俺もそのまま寝て、た…!」
「そっか」
いつの間にかムウマージは居なくなっていた
「まさかヤオイさんが幻覚だったなんて…タケシったらデレデレだったのにね」
肩を落としたまま歩くタケシを励ます
「………いや…はぁ…」
「元気出せよタケシ!」
お前の所為だよ、と思いながら口にはしない
「ねー、あたしお腹空いちゃった!あそこのカフェでも行かない?」
「行こうぜタケシ!」
「…そうだな、ご飯でも食べて元気出そう」
財布と相談、とバッグを開ける
「…!」
そこには…
「やったあ!おっ先にー」
「はは…やっぱ女の子って分からないな」
「サトシ」
「ん?」
「お前…昨日の夜の事…」
自分の手がじっとり汗をかいているのが分かる
「…その…」
「…」
こっちを見ない…
「サトシは、知らないかもしれないけど…俺「ストップ!」
勢い良く振り返ったサトシを見て驚いた
まるで茹蛸の様だ
「知ってる」
『好きだ』
「………忘れる訳、無いから」
「サ…」
「早く行こうぜ、ヒカリが待ってる」
走るサトシの後ろ姿を眺めながら、バッグに入っていた小さな袋を近くのゴミ箱に捨てた
性欲なら負けない!ちょっと年上ムッツリストーカータケシ
「何屋さんかな?ねえねえ!ちょっと覗いてみない!?」
「うーん…こんな人気の無い場所に店なんか…怪しくないか?」
大丈夫大丈夫!と、ヒカリは行く気満々のようだ
「俺もちょっと気になる!なあタケシー」
少し考え、とりあえず覗いてみる事にした
中に居たのは一人の老人だけだった
「いらっしゃい」
「すみません、ここって何を売っているんですか?」
「うちは薬屋じゃよ
傷薬から栄養剤…ポケモンにも人にも効くから、持ってても損は無い筈じゃ」
粉薬、塗薬、栄養ドリンク…珍しい物にサトシもヒカリも不思議そうに物色している
(ん…?)
タケシが隅っこに有った小さな袋を手にした
(………説明が無い)
「おじいさん、これは何の薬です?」
「おお、まだ一袋残っておったか
これは一番人気の物での…あまり大きな声では言えん」
老人はタケシを呼び、耳元でコソリと呟いた
「“正直になる薬”じゃ
意中の相手に飲ませると良い事があるやもしれん…
そいじゃこれは初来店のお主にぷれぜんとじゃ」
「え、あ…」
そう言うと、タケシのズボンのポケットに詰めた
「タケシ、何やってんだ?」
「い、いやいや!別に…!」
ひょいと覗かれて慌てふためく
「これ下さいっ」
ヒカリが両手に抱えて持って来たのは…
「化粧水?」
「うん!ここってお肌の薬も有るみたい
値段も安くて大丈夫!」
目を輝かせて嬉しそうに笑う
三人はそれぞれ買い終え、再び目的地へ向かって歩き出した
(正直になる薬か…これでお姉さん達を…って、いかんいかん!そんな不埒な!)
「何一人で百面相してんの?」
「え!?あー別に何でも無いさ!ハハハ…」
「なあタケシ、まだ着かないのか?」
あれから暫く歩き続け、辺りは薄ら夕焼け色に包まれて来ていた
「あたし疲れちゃったあ…」
「そうだな…どこかでテントでも張…あ、あれは…!!」三人の目の前に一人の女性が歩いていた
「紹介が遅れました、自分はタケシと申します!」
「俺サトシです」
「ピカ、ピカチュウ」
「あたしヒカリです」
「私はヤオイ、宜しくね
もう直ぐ着くわよ」
数分歩くと、立派とは言えないが、しっかりした造りの宿屋が現われた
「ただいまー」
ヤオイは三人をロビーへ案内した
「お父さんに話してくるわ、待ってて」
「はい」
「お待たせ!それじゃあこちらへどうぞ」
外から見れば普通の建物だったが、中は意外と広く綺麗に整っていた
「料金は特別格安にさせて頂くわ!
それじゃあこの端から三つ目までの部屋、それぞれ使ってね」
「ありがとうございます!」
左の部屋はサトシ
真ん中の部屋はタケシ
右の部屋はヒカリが使う事にした
各々部屋に荷物を降ろし、ロビーへ集合した
「綺麗で良い部屋だったわね」
「ああ!そうだ、部屋に有った案内を見てたんだが、ここを右に曲がって真直ぐ行ったら温泉が有るらしい」
「良いなぁ温泉!あたし行きたーい」
「ピカー!」
三人は浴衣と入浴セットを持ち、温泉へ向かった
「うわあー広ーい!」
ヒカリは目をキラキラ輝かせ、そそくさと掛け湯をした
ゆっくり肩まで浸かると息を吐く
「ふー…良い湯加減…最高ー…
ポケモン専用のお風呂も有るなんて、素敵な所…」
目を閉じ、満足そうに呟いた
「ひゃっほーい!」
ザブン!と大きな音と飛沫をあげて、サトシは風呂に飛び込んだ
「おいサトシ、プールじゃないんだぞ」
「へへっ、ごめんごめん!」
しょうがないな、と肩を竦め、軽く掛け湯をして浸かった
「こんなでかい風呂なんて久し振りだなあ」
「そうだな、ゆっくりしていこう…」
吐いた息は蒸気と共に消えて行った
青い浴衣に着替え終わり、二人が上がった時、丁度ヒカリと鉢合わせた
ピンクの浴衣が良く似合っている
「気持ち良かったな!」
「うん!もう最高!あ、ヤオイさん」
「あら皆、ここに居たのね
もう少しで夕飯だから、広間に集まってね」
「やったあ!それじゃあポケモン達を連れてくるわ!サトシとタケシは先行ってて」
「場所は分かるか?」
「案内見るから大丈夫!」
じゃあ、とヒカリはポケモン達を迎えに行った
「とりあえず、部屋にもどって服と入浴セット置いて来よう」
「うん」
二人は各々の部屋に別れた
ポス、と足元に何かが落ちた
「ん?これは…」
広い上げると、それは老人から貰った“正直になる薬”だった
袋を開けてみると、微量の粉末二袋、カプセル六錠が入っている
「ああ、忘れてた…やっぱり怪しいよな…」
コンコン
「タケシー、行くぞー」
「あ、ああ」
タケシは薬を袖に隠し、サトシと共に広間へ向かった
「ここが広間だ」
「んー、良い匂い…早く入ろうぜ!」
ガチャ、とドアを開けると予想以上に豪華な食事が並べてあった
「うわあ旨そう!」
「ああ!ヤオイさん!」
「いらっしゃい、飲み物置いておくわね」
「お手伝い致します!」
「ふふふ…お客さんは座ってて、さあ」
二人が座ると、ヒカリとポケモン達がやって来た
「おっ、皆来たか」
「わーい、美味しそう!」
「ポケモン達の食事はこっちよ」
ズラリと並べられたポケモンフーズに大喜びで駆け寄る
「それじゃ、頂きまーす!」
世話しなく食べ始めるサトシとヒカリを見て苦笑いするタケシ
「二人共元気ね」
「はは…お前達、そんな一気に食べてると喉に詰まるぞ?」
「んぐ!」
胸をドンドン叩くサトシに、言わんこっちゃない、と水を差し出すタケシ
ヤオイが楽しそうに笑っている
「はいタケシ君、コップ貸して」
中身の無くなったコップに飲み物を注ごうとするヤオイ
「あ、ハイ、ありがとうございま…」
ふいに二人の手が触れた
「ご、ごめんなさい」
「い、いえこちらこそ!」
互いに見詰め合い思わず赤面する二人
「もぐもぐ…ねえサトシ、あの二人何だか仲良さげじゃない?」
「パクパク…ん?ああそだな、良かったじゃないかタケシ」
(ヤオイさんが俺を見て照れてる…もしかして、もしかして…)
「わ、私…少し失礼します…」
少し慌てたように広間を出て行ってしまった
「タ・ケ・シ」
ボーッとしているタケシにヒカリが話し掛ける
「もう、何ボーッとしてんのよ
お姉さんとお付き合い出来るかもしれないのよ?チャンスじゃない!
告白しちゃえばもしかしたら大丈夫じゃない?」
ニヤニヤしながら話すヒカリに告白と言われ、ますます動揺する
(そうか…そうだな…自分に正直に…正直に…ああっ!出来ない!いざとなったら勇気が!!)
(…これはだいじょばないわね…)
「あたし席戻るね、頑張って!」
(………正直…自分で“正直になる薬”を飲んでみれば…)
サッと袋からカプセル一錠と粉末を取り出す
(カプセルは俺…)
ごくん、と飲み物と共に飲み込む
(………ヤオイさん…すみません…)
卑怯だと思いながら、タケシは新しいコップに粉末と飲み物を入れた
扉が開き、待ち焦がれたヤオイが入って来た
(き、来た…)
「ヤ…ヤオイさん!」
「あ…ハ、ハイ!」
(頑張るのよタケシ!)
「これを…今更ですが、乾杯しませんか?…あ、あなたとの…出会いに…」
「タ、タケシ君…はい…」
おずおずと受け取り、コップを前に出す
「「乾杯」」
コップがカチン、と音を立てて離れた
一気に飲み干すタケシを見て、ヤオイも口を近付けた
「んぐ!」
え?と二人が振り返るとまたもサトシが胸を叩いている
「もーまたぁ?もっとゆっくり食べないからよ…」
「サトシ君、ほら…」
(あ!!!!)
ヤオイがサトシに渡した物は、タケシから受け取った薬入りの飲み物だった
「ちょま…!!」
それを受け取るとサトシもまた一気に飲み干した
「…!!!!」
「…ぶはっ!生き返った…ありがとうございますヤオイさん!」
「ふふ、どう致しまして」
どうやらポケモン達も全員食べ終わったようだ
「そろそろ部屋戻るか」
「さっきエステ見付けたの、あたしそっち行ってくる!」
「それじゃ案内するわヒカリちゃん」
「ありがとうございます!」
女性二人が出て行った所で、サトシとタケシも広間を出る事にした
(ああヤオイさんに飲ませる筈が…)
「どうしたんだタケシ、さっきから元気無いじゃないか」
溜め息を吐き、チラリと横目見るとサトシの大きな目とかち合う
ドクン、と心臓が跳ね上がった
体が徐々に熱くなっていくのが分かる
「タケシ?」
(な、何だ…何でこんなに心臓が…)
「タケシ…おーい」
心臓の鼓動が全身に響き渡っていく
フラリと体の力が抜け、サトシに寄り掛かってしまう
「タケシ!?しっかりしろよ!」
顔をあげると焦った顔のサトシのアップ
一瞬、ドキドキがムラムラに変わった
「今直ぐ部屋に連れてってやるからな!」
サトシはタケシを抱えて部屋へ向かった
(おかしいな…部屋ってこんなに遠かったっけ…)
足取りが重くなっていく
(タケシ抱えてるから…かな)
じんわり汗が浮かぶ
(…俺も部屋に戻って少し寝よう)
「…!」
ふいに足が縺れて壁に寄り掛かった
「…サトシ」
「平気だよ、俺も風邪引いちゃったかな?」
はは…と苦笑し、壁伝いに歩き、一番手前のサトシの部屋に着いた
「っ…、タケシ…俺の部屋でも良いか…」
「ああ…悪いな」
少しでも早く休みたく、ひとまずサトシの部屋で休ませる事にした
カチャ
「ぃよっ…と」
ボフッとタケシをベッドへ寝かせ、立っているのが辛くなったサトシも共に崩れてしまう
「サトシ…」
「変だな、いきなり二人共風邪引いちまうなんて…」
「…」
(あの薬の所為か…?ヤオイさんをこんな目に遭わせようとしてたのか、俺は…
サトシにも悪い事、したな…)
直ぐ横に居るサトシの頭を優しく撫でると、ピク、と反応した
布が擦れる音、そしてゆっくりタケシの方を向く
顔がすっかり紅潮し、息も荒い
それはタケシも同じだった
タケシが感じているこのムラムラを、サトシも感じているのなら…
「…俺、何か変だ…心臓がドキドキしてる」
「…俺もだよ」
サトシは目だけを動かし、自分にゆっくりと覆い被さってくるタケシを眺めた
俯せになっているサトシの肩を掴み、仰向けにする
((…こんな趣味無いけど…))
自分の意思とは裏腹に、二人は互いを求め、顔を近付けた
軽く触れ、音を立てて離れる
次に唇を割り舌を絡める
解放すると更に息が荒くなったサトシと目が合う
胸元をはだけさせ、直に肌を撫でると熱が伝わって来た
冷たかったのかサトシが息を詰めたのが分かった
「…サトシ、怖いか?」
「………いや…」
タケシ浴衣の裾を握る
「…冷たくて、気持ち良かった」
自分の鼓動が更に早くなっていく
サトシの首筋に舌を這わせ、そのまま鎖骨をなぞっていく
目を閉じると舐められる場所に自然と意識が集中する
「……ん…」
タケシが帯を解く
上半身を完全に露にし、鎖骨からゆっくり下へ移動する
所々に赤く印を残しながら…
「っ…あっ…!」
胸まで降り、小さな突起に舌を絡ませる
いきなりの快楽に思わず声をあげた
「タケシ…そこ、舐めんな…!」
ヌルヌルと刺激を与えられ、辛そうに顔を歪める
「んんっ!…ちょっ、と…マジ…やだ…!」
優しく舐められ、キツく吸われ、もう片方は指で捏ねくり回される
「ぁ、タケ…タケシ!」
切羽詰まった声で呼び、タケシの浴衣をギュッと握り、ビクンと跳ねる
世話しなく上下する胸から離れた
「…サトシ、お前」
「はあっ…はあ…だ、だから、嫌だって、言ったんだ…はぁ…」
「まさか舐めただけで…」
「い、言うな!」
薬の効果は半端じゃないようだ
「胸だけでこんななら…ここを弄ったらどうなるんだろうな」
「え!?」
ニヤリと笑い、裾を通り下着の中へ手を差し込む
抵抗したかったが体が言う事を聞かず、されるがままになってしまう
先程の刺激でヌメっているサトシ自身を軽く握ると、小さく呻き背を反らせた
その光景にタケシが生唾を飲む
「…感じ過ぎ」
「ん…うるさい…!」
ジロリと睨むサトシの下着を手早く取り除き、足を開かせた
「お、おいタケシっ…」
間に割り込みすっかり勃ち上がったサトシ自身に再び指を絡めた
「っあぁ…!」
自分のものとは思えない甘い声に、慌てて口を抑えた
「っ…ん、っ…ふっ…!」
手を動かす度にビクビクと震えながら苦しそうに小さく喘ぐサトシに更にムラムラしてしまう
扱く手はそのままに、体を曲げ、再び舌を突起に絡める
微かにサトシが震えているのが分かる
「ぅ…ぁ…はぁっ…」
「…声聞かせろよ」
首を振って拒否するサトシの手を掴み、無理矢理引き剥がす
「あっ!やめ…あっ、んぁっ…!」
「そう言う声だよ…」
上下する手に力をいれ、早急に動かしていく
「タケ…!や、やめろ、ああっ…離し…っ!」
「見せてみろよ、お前のイク時の顔」
困ったような、照れたような、怒ったような瞳をタケシに向ける
「んっ!あ、はあっ…もうダメ、だ…!ぅ、くっ…ッッ!!」
手の中でサトシが大きく震え、声にならない声を出し、白濁を零した
疲れ切ったサトシの最後の一滴まで出し終える
「綺麗だったぞサトシ、一瞬男に見えなかったよ」
「………ぃ」
「…何だ?」
「…俺ばっか、ズルイ」
不貞腐れたようにフイと視線を逸らす
正直タケシも限界を感じていた
「よしサトシ、俺の上に乗ってみろ」
「…上?」
動けないでいるサトシを持ち上げ、自分の腹に後ろ向きに座らせる
訳が分からず、寝転がっているタケシに振り返る
「ど、どうすんの?」
「俺のを触って
俺がお前にしたように」
「俺に…したように…?」
視線を元に戻すと大きくなっているタケシ自身が有った
「こ、これを…」
「『これ』は無いだろ『これ』は…早く」
優しく促され、おそるおそる触れてみた
(…かた)
ギュッと握って、されたように擦ってみる
「そう、そのまま…」
「うん………わ!?」
剥き出しになっている太股に触れると驚いて声を上げる
「気にしない気にしない
俺を気持ち良くするのに専念してくれ」
戸惑いながら再び擦り始めた
太股に置かれた手がスルリと動くと、サトシの手が止まってしまう
タケシの腹に硬いものが当たる
「まだ足りないか?」
問いに答えず止まった手を動かし始める
更に大きくなっていくソレにサトシの顔が赤くなる
「サトシ」
「…何」
「見えない」
「…何が?」
グイッ!と足を引っ張られ、バランスを崩し、握っていたものから手を離すとシーツに手をついた
「っぶな…!いきなり何すんだ…!」
「見えた」
「!!!?」
自分が四つん這いになっている
つまり下半身がタケシの眼前に晒されているのだ
姿勢を戻そうともがくが、足をガッチリ捕らえられ動けない
「…っ!!やめろ離せっ!」
「もう一回気持ち良くしてやるよ」
「な…!」
少し力を入れて腰を降ろさせると、サトシ自身に舌を絡めた
ビクン、と全身が跳ね、踏ん張っていた腕の力が抜ける
「…!…何やって…」
「…勝負してみようか」
戸惑い涙目のサトシに問う
「先にイッちゃったら負けだ
頑張れよサトシ、俺と一緒な事すれば勝てるかもなあ?」
言い終えると再びソレに口を運ぶ
根元から先端へ舌をゆっくり、ゆっくり這わせていく
(こ…このままじゃ…っ)
快感に半泣きになりながら再度タケシ自身を握るが、どうにも力が入らず、ただ自分が追い込まれるだけだ
『俺と一緒な事すれば…』
(…一緒な…?)
意を決し、自分がされているように、タケシのソレを口に含んでみた
青臭さと生暖かさで眉間に皺を寄せるが、ぎこちなく舌を使うとタケシの動きが止まった
しかしそれも束の間で、直ぐに行為を開始する
「っ…んん…」
(…タケシ、気持ち良いのか…な…?)
そう思うと少し嬉しくなった
今度は口の中に含み、吸い上げてみる
それにつられてタケシも吸い上げる
「ん、っ!は…っ」
強烈な快楽に一瞬口を離してしまうが、直ぐに続きを始める
もう限界を迎えてしまいそうなサトシは、ギュッとシーツを握った
しかしそれで我慢出来る訳も無く、体がブル、と震え始めた
「ふ…ん、んっ…んー…」
(もうイキそうだな)
「んっ、んぅ!ッッ…んんんーっ!!」
先端を強く吸うと、口の中に温かい液体が流れ込んでくる
「うっ…!?」
それと同時に、達した瞬間サトシの口腔が窄み思い切り強くタケシに吸い付いた
そして直ぐさまタケシも放ってしまった
「うっぷ!?」
「………!!!」
驚いたのはタケシだ
まさか自分がイカされるとは思っていなかった…
「………引き分けって事で」
「ダメ、お前が先にイッたからサトシの負けー」
クルリとサトシを組み敷くと、次の行為へ進む為足の間に割り込んだ
近くに有ったティッシュでサトシの口元を拭ってやる
半開きの目で自分を眺める子供に奇妙な感覚が沸いた
膝を立たせ、己の指をサトシに押し付ける
「?」
「口開けて」
薄く開いた唇を割り、その指で舌を弄る
「んん…」
「…もう良いかな」
スル、と指を引き抜くと、その濡れた指を下へ持っていき、辿り着いた後口へ押し当てた
驚いたのかサトシが息を詰めたのが分かった
そのままゆっくり、中へ進める
「…う」
「辛い?」
「ぃ、いや、何か…変な感じ…」
無意識にタケシを締め付ける
「サトシ、息吐いて…力を抜いて…」
優しく頭を撫でられ、安心したように身を任せる
中指を一本挿れても大丈夫そうだ
「…入ったよ」
「…んっ…うん…」
クイ、と指を折る
「!」
「サトシ」
「…平気だ、ちょっと…」
「ちょっと…何だ?」
「………何でもない」
薄く笑い、律動を始めた
中で指が動く感覚に思わず目を固く瞑る
抜き差しする内にサトシの息が荒くなっていく
(自覚無いのがタチ悪い…)
二本に増えた指を蠢かせるとふいに袖を引っ張られた
「も…もうダメかも…」
「………俺も」
指を引き抜くと自分とサトシの帯を解き抱き付いた
「ちょっと…手加減出来ないかもしれない」
黙ったまま、タケシの背に腕を回した
後口に熱く固い物が押し当てられ身を竦める
怯えているのは分かっているが、自分を抑える事は出来なかった
サトシの足を折り曲げ、自らの腰を降ろしていく
「ん…!」
「…っはぁ…」
キツい締め付けに苦戦しながらも、徐々に中へ入っていく
眉間に皺を寄せシーツを握り締めるサトシの耳を甘噛みし、ほんの少し力が緩んだ瞬間一気に突き挿れた
「ッあ…!!」
やはり無理が有ったのか苦しそうに背を反らせ咳込む
「………スマン」
苦しむサトシには申し訳無いが、小刻みに収縮する中が心地良い
一刻も早く揺さぶりたい衝動に駆られるがそこはグッと堪える
「ん………は…挿入っ…た…?」
「ああ…ごめん」
「び…びっくり、した…でも」
軽く手を重ねる
「?」
「もう、大丈夫だから…」
照れたような表情をタケシに向ける
「…動いても…」
小さく頷くサトシを確認すると、腰を掴んで少しずつ揺すり始めた
「ん…んっ、ぁっ…」
切れたのか流れる血が白いシーツに落ちる
「あっ、タケシ…もっとゆっくり…!」
「…」
聞こえてはいるのだが、自分の体は言う事を聞かない
ベッドのスプリングの軋む音が激しくなっていく
「あ、あっ…っ…ああっ!」
タケシの胸を押し返し首を振る
「サトシ、最高だ」
涙で潤む瞳をタケシに向ける
「…可愛いよ」
「ふ…タケ…っん!!」
イッて敏感になっているサトシ自身を握って上下に擦ると、ギュウッと中が締まった
「………今まで見て来たお姉さん達より…」
突き上げる腰、擦る手が早く激しくなっていく
「ずっと可愛い」
空いた手で固くなっている胸の突起を撫でる
「…っ……!」
感じ過ぎて言葉が出ない
頭がついていかない
それでもタケシの声はハッキリと聞こえた
「こんな時にしか、言えない…」
「…?あ…も、もう…っダメだ…!」
もう限界を迎えそうなサトシは、押し返していた手を、語りかける相手の首に回した
「好きだ」
「へ…」
突然唇を重ねられ何も考えられなくなる
本能の赴くまま、二人は白濁を零した
二人は暫く抱き合ったまま放心状態だった
「…」
「…」
「…なぁサトシ」
「ん…?」
「もういっか「イヤダ」
即答であえなく玉砕
「疲れた…喉乾いた」
「…はい」
タケシは動けないサトシを処理してやり、ベッドを降りて水を注ぎに行った
(……………………やっちまった…)
思い出して羞恥心いっぱいに、サトシは枕に顔を埋めた
(はあ…まさかあいつが初めての相手になるとは…しかし)
水をコップに注ぎながらタケシも思い出す
(男同士って、気持ち良かったんだな…結構…可愛かったし)
最中の場面が頭から離れずまたもムラッとしてしまう
(いかんいかん!)
首を振ってサトシの元へ向かった
「ほら」
「ん」
差し出された水を受け取る
「…」
「な、何だよ」
「いや何でも…」
じっと見詰めてくるタケシを不審に思いながら、喉を潤す為一気に飲み干した
空になったコップを近くのテーブルに置く
チラリとタケシを見るとまだ見詰めている
「…何なんだよ」
「気が変わったら言ってくれ」
「何の」
「もう一回」
「う…うるさい!」
ボッと顔を真っ赤にしたサトシは、タケシに向かって枕を投げ付けてやった
「痛てっ…はは…」
「ったく……………!?」
いきなりドクンと胸が跳ねる
(…あれ?また…体が…熱くなって…)
「どした?」
「…」
「…」
「…タケシ」
「んん?」
「……………気が、変わった」
俯き呟くサトシにニヤリと笑って再びベッドへ上がった
「今度は優しくするから」
タケシの手から空になった袋が一つ、床に落とされた
「…シ……ケシ…!」
(声が聞こえる…)
「タケシ!」
(あー…サトシの声だ…)
「ピカチュウ、十万ボルト」
(え?)
「アバババババババババババババ!!」
「タケシ!」
「良かった、起きたわね」
ガバッと起き上がると、座り込んでいるサトシとヒカリ、ポケモン達が居た
辺りを見渡すと自分が寝ていた場所は草むらの中だった
「え?え?どういう事だ?」
「混乱するのも無理無いわ」
「俺達もびっくりしたんだ、起きたら天井は空だったし」
「あの子の所為よ」
ヒカリが指差した先には…
「ムウマ~」
「ム…ムウマージ…?」
「この間の奴と違うみたいだけど…また眠らされてたみたいだな」
はあ、と溜め息を漏らす
「じゃ、じゃあ…サトシ、昨日の夜…」
「?何の事?」
ガックリ肩を落とすタケシ
「あたし旅館の夢見たわ」
「偶然だな、俺も」
「「ヤオイさんって人が…」」
「「「!」」」
「ピカ!」
「ポチャ!」
「皆も?確か皆が一緒に居たのは…」
「夕飯を食べた所?」
「ええ、やっぱり一緒な夢だったのね…あたしはあの後エステに行って部屋に戻ったわ」
「俺は…」
(サトシは俺と一緒に居た筈だ!)
ギラリとタケシの目がサトシを捉える
「タケシが具合悪くなって…」
(そう!)
「で、タケシを俺の部屋に連れてって、俺も具合悪くなって」
(そう!!)
「そのまま代わりに俺がタケシの部屋行って休んだ」
明らかにショックを受けているタケシに?が浮かぶ
「タケシは?」
「え!?あ、や、その、ええと…!お、俺もそのまま寝て、た…!」
「そっか」
いつの間にかムウマージは居なくなっていた
「まさかヤオイさんが幻覚だったなんて…タケシったらデレデレだったのにね」
肩を落としたまま歩くタケシを励ます
「………いや…はぁ…」
「元気出せよタケシ!」
お前の所為だよ、と思いながら口にはしない
「ねー、あたしお腹空いちゃった!あそこのカフェでも行かない?」
「行こうぜタケシ!」
「…そうだな、ご飯でも食べて元気出そう」
財布と相談、とバッグを開ける
「…!」
そこには…
「やったあ!おっ先にー」
「はは…やっぱ女の子って分からないな」
「サトシ」
「ん?」
「お前…昨日の夜の事…」
自分の手がじっとり汗をかいているのが分かる
「…その…」
「…」
こっちを見ない…
「サトシは、知らないかもしれないけど…俺「ストップ!」
勢い良く振り返ったサトシを見て驚いた
まるで茹蛸の様だ
「知ってる」
『好きだ』
「………忘れる訳、無いから」
「サ…」
「早く行こうぜ、ヒカリが待ってる」
走るサトシの後ろ姿を眺めながら、バッグに入っていた小さな袋を近くのゴミ箱に捨てた
性欲なら負けない!ちょっと年上ムッツリストーカータケシ
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