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  • 2013⁄04⁄18(Thu)
  • 00:41

南美端小学校の話

ここ、南美端(なみはた)小学校は普通とは少しばかり違った教育方針を
採っている。一つ目は、くすぐりを教育に取り入れている点。二つ目は、5
年生になった男子児童は女子によって躾けられる義務があるという点。そし
て三つ目は、いくつかのキーワードを使った暗示で教育の補助を行っている
点だ。これを洗脳だ、人権侵害だ、などというのは分かっていない人間だけ
で、この学校に子供を通わせる保護者もこの方針には諸手をあげて賛同して
いる。
 全ての保護者が賛同するわけがないだろう?もちろん、そういった保護者
にはこの教育方針のすばらしさを自らの身をもって理解してもらうことにな
っている。モンスターペアレンツなどというものが存在する昨今、保護者を
きっちりと躾けてあげるのも学校の仕事なのだ。正しい親の在り方というも
のまで教えてくれるこの学校を賞賛する声は多い……。
南美端小学校の話その1


「健太君、『両手、頭』」
「ん、わかった」

 昼休みの教室、宝華(ほうか)は隣の席に座っている健太にそう声を掛け
た。短く刈り込んだ髪の健太は、半袖半ズボンの制服がよく似合ういわゆる
スポーツ少年タイプだ。いつもなら外にサッカーでもやりに行く所だが、今
日は教室残るよう宝華に言われたのでここにいる。気のない返事をした健太
は両手を頭の後ろにやり、指同士を絡めながら首筋にぺったりあてた。何気
ない動作のように見えるが、これだけで健太の両手はもうそこから動かすこ
とが出来なくなる。宝華の口にした『両手、頭』というキーワードを受けて、
あらかじめ健太に仕込まれていた『両手を頭の後ろにやってそこから動かさ
ない』という命令が実行されたからだ。健太をはじめとして、男子に掛けら
れた暗示は多岐に渡る。そのほとんどは担任である林田吉見(はやしだよし
み)が握っているが、今宝華が使ったような一部の簡単な暗示に関しては、
キーワードが女子に教えられている。男子を円滑に躾けるための道具が女子
には与えられているわけだ。もっとも、躾けられる側である男子はそのこと
に全く気が付いていないのだが。

「じゃあ腋、こちょこちょするね」
「う、うん。わかった」

 これからくすぐられる。そんなことを言われたというのに、健太は嫌がる
素振りすら見せなかった。多少は緊張しているようだったが。
 後ろの机を少し動かして、健太の背後に作ったスペースに立った宝華は、
慣れた手つきでためらいなく腋を攻撃し始めた。

「そーれ、こちょこちょこちょこちょ…」
「あっひぃっ!ひっふうぅぅっ、うっううぅくくいひひひぃぃ!」

 宝華のほっそりした指先が健太の腋にあてられ、こちょこちょこちょとい
う囁きと共に腋の窪みをほじり始めた。制服越しとはいえ、全開にされた敏
感な部分をくすぐられるのはきつい。何度と無く行われてきたことだが、こ
のくすぐったさに慣れる気配はなかった。

「ああっ、ああぁ、ダメ、ダメだぁっ!うひぃっ!くすぐったいっ!」

 腋を閉じてくすぐったさから逃れたいという健太の希望に反して、両手は
接着したように後頭部から離れない。従って腋は全開のままで、どうやって
も宝華の魔手から逃れることは出来なかった。それでもくすぐったさを紛ら
せようと、健太は足をばたつかせながら体をくねくねと左右によじっていた。

「暴れちゃダメじゃない、もー。……健太君、『V字開脚』」
「く、くくく、くぅぅぅっ!?」

 宝華がそう言うと、椅子の下でどたばたと乱雑なステップを踏んでいた健
太の足が持ち上がりはじめる。毎日柔軟体操を行っており柔らかな関節を保
持している健太は、120度ほどに開脚しピンと足を伸ばした見事な開脚を
見せた。これもあらかじめ健太の脳に刻まれたキーワードだ。

「上手に出来るようになったねー。えらいよ健太君。あ、美紀ちゃん、江里
ちゃん。悪いんだけど健太君の足ささえてあげてくれない?」
「いいよー」
「しっかり持っててあげるからね」

 近くの席で見ていた友人達はこころよく宝華の言葉に応じる。よくくすぐ
る相手が運動場に遊びに行って彼女たちは暇だったのだ。

「ううぅぅ、く、くぅ…!」
「大丈夫?」

 顔を真っ赤にしてぷるぷると震える健太の右足を抱きかかえてやりながら、
江里は心配そうにする。実はお尻と背中だけで体を支えながらV字開脚をや
るのはかなりつらい。そのため普段この開脚姿勢をとらせるときには床の上
に寝転がらせたり、両手を床についたり、両手で太股を抱えさせてからやら
せるのが常である。宝華には男の子を苦しめて喜ぶ趣味はないので、健太に
無理をさせずすぐにクラスメートの手を借りたのだ。

「ほら、もう笑っても大丈夫だよ」
「うう、う、うはははははぁっ!」

 下手に笑い声をあげると力が抜けそうなので、笑いを必死で堪えな
がら足に力を入れていた健太だが、美紀と江里が両足を持ってくれたお陰で
少し楽になったのか、力を抜きながら笑い声を出し始める。とはいえ足を持
ち上げる必要が無くなっただけでV字開脚の姿勢は維持しなければならない
ので、ぴんと伸ばされたままの足はぴくぴくと震えていたが。

「じゃあ私足の裏くすぐったげる。江里はどーすんの?」
「あ、私はこのへんかな」

 美紀は健太の左足首を持ち、上靴を脱がせた足の裏に這わせた指をせわし
なく動かして靴下の上からくすぐり始める。対して江里は右足を胸元にしっ
かり抱え込むと、膝の裏と太股にそっと指を這わせて上下に動かし始めた。
靴下越しに感じる柔らかなくすぐったさと、膝裏と太股の付け根付近に走る
触れるか触れないかの繊細なタッチが生み出すもどかしいむずがゆさ。もち
ろんこの間、腋をくすぐる宝華の指も止まることはない。

「あひゅえぇっ!?ひゅひぃ、ひぃっひっひひひぃ!らめ!しょこやめぇっ!
きゃははっはははっはっはぁ!!?」

 両足から異なったくすぐったさが昇ってきて、お尻で一つに混じり合った
あと脊髄を通り脳へと届けられる。シャツ越しに腋の柔らかい窪みをいじっ
てくる宝華の指と合わせてくすぐったさの三重奏となり、強烈な刺激で健太
は顔をぐしゃぐしゃにしながら笑い声を挙げていた。そんな健太に宝華は更
に注文を出す。

「こらっ、そんな態度じゃダメでしょう?美紀ちゃんも江里ちゃんも健太君
のために手伝ってくれてるんだよ?ほら、こちょこちょしてくれてる二人に
『お礼を言いなさい!』」
「!!くっくひゅひぃっ、こ、こひょっ!こひょこひょひてくりぇてぇっ、
あ、ああぁありがひゃっひゃっひゃひゃあぁっ!はひっっひひひっひぃっ!!」
「もー…そんな不真面目なお礼じゃダメでしょ?今日はお礼の言い方じっく
り練習させたげる。ほらもう一回最初から!」
「きゃっきゃっきゃははははぁっ!おお、おっぉおっ!こひょこひょぉっ!
ひょっひょっひょへひゃぁっ!?あひぃ、あっひっひひひぃぃっ!!!」

 ただ教室にいただけなのに3人掛かりでくすぐられ、激しく笑い狂わされ
る。これがこの学校の日常。しかしこの程度は序の口に過ぎない。
 女子の手で定められる恥ずかしいルール、教師しか知らないいくつもの強
力な暗示、繰り返される躾という名のくすぐり、そして少年達はそれら全て
に逆らえないのだ。

 恥辱とくすぐったさで彩られた学校生活は卒業するまで終わることがない。
 いや、もしかしたら卒業したあとも逃れられないかもしれないが。
 南美端小学校の話その2

 南美端小学校では5~6年生の担任というのは特別な地位にある。多感な
思春期の少年達を正しく教育し、また少女達に男の子の正しい取扱い方を伝
えるこの職に就けるのは男子児童特別教育指導資格を持った女性教師だけだ。
この資格を持った教師が行う暗示を駆使した教育は教師ごとにその内容が大
きく異なるため、5年生から6年生にかけては同じ教師が受け持つことにな
る。指導要領にある基本的な暗示についてはどのクラスでも同じように施さ
れるが、そこから先のより発展的な暗示の内容と、その利用については教師
の個性が大きく出てくるのだ。
 例えば、怖い先生だと生徒から恐れられる稲場先生の5年1組では『服従』
が男子の基本姿勢とされ、厳しい罰を中心とした教育が行われる。忘れ物や
遅刻をした男子が丸出しにした尻を叩かれ、泣きながら許しを請う姿が1組
ではよく見られる。厳しくすることこそが男の子のためである、と教えこま
れる女子は適切な飴と鞭の使い方を学習することになる。先生が常に厳しい
ので、時折甘えさせてくれる女子に男子はよく懐くようになるのだ。

 続いて2組の林田先生。彼女は稲場先生とは逆にとても優しい先生として
生徒達から好かれている。子供の自主性を大事にすることを心がけている林
田先生がかける暗示は、男子が自分から躾けられることを望むようにすると
いうものだ。女子に使い方を教えている暗示とは全く別の無意識下で働く暗
示、例えば特定の文字列を見るとおしっこを漏らしてしまうものや、特定の
音楽を聴くと教科書をランドセルから取り出して学校に来てしまう等、を使
うことで男子は知らず知らずの内に失敗をしてしまう。そして女子による躾
という名のくすぐりを受けさせた後今度はその暗示が機能しないように変え、
『女子による躾を受けたお陰で失敗しないようになった』と誤認させるのだ。
こうすることで男子は自発的に女子による躾を受けるようになり、逆らう意
識がなくなっていく。これが『自主性』を大事にする教育というわけだ。

 3組の西野先生は『悦び』を主体とした教育を行う。3組の男子は全員肉
体の感度を引き上げる暗示を掛けられた上で快楽を中心としたくすぐりを受
け、気持ちよさでメロメロになった男子は女子に身も心も支配されるのだ。
3組に行けば敏感になった胸をさすられ続けて息も絶え絶えになった男の子
や、適度なバランスで股間を踏み抜かれる電気アンマにしびれる男の子、か
わいらしくすぼまったお尻の穴を柔らかい筆で撫でられて震える男の子など
がよく見られる。いつしか男子達は恥ずかしい躾の時間を心待ちにするよう
になるのだ。必然的に女子がテクニシャンとなるのがこのクラスの特徴とも
言える。

 4組の川崎先生は、一見すると何の特色もない教育を行っているように見
える。当たり前のように男の子がくすぐられ、当たり前のように男の子が辱
められる。ただそれだけだ。しかし学校内の誰もが彼女には一目置いている。
何故なら、川崎先生の暗示の腕前は学校一だからだ。彼女が仕込む暗示は指
導要領にあるものよりはるかに多く、複雑で、そして精密だ。意味のある言
葉、ない言葉、音、光、様々な要素を組み合わせたその暗示は男の子を完全
に支配する。意識はあるのに体が動かない、意志に反して命令通りに体が動
く、意識のないまま命令を実行するなどの肉体的なコントロールのみならず、
常識のすり替え、価値観の転換、記憶の消去など精神に至るまでが彼女の思
うがままとなるため、特色ある教育など行わなくても、完璧な成果を上げる
ことが出来るのだ。学校の教育方針に苦情を言いに来た酷く興奮した母親を、
20分足らずで『説得』した時のことを考えれば彼女の実力を疑う者はいな
いだろう。男の子の心と体をどんな色にでも染め上げられる彼女は、個人の
性質や家庭環境に合わせた最適の躾を施してくれる。

 また、全クラスに共通する習慣として学級会におけるクラスのルール作り
がある。忘れ物をしたときの罰則、挨拶の仕方、はたまた足の裏強化週間の
実行などその内容は多岐に渡るが、いずれも男子がよりよく学校生活を送れ
るようにするために女子が精一杯考えたものだ。当然、恥ずかしい命令やく
すぐりの強化などに男子は(5年1組を除いて)反対することが多いが、こ
れらのルールは多数決によって民主的に施行される。尚、女子の方が人数が
多いことや、女子が欠席したときには公平を期するため欠席した女子の数と
同数の男子が投票に参加しないというきまりが問題視されたことはない。

 この素晴らしい学校に通うことの出来る幸せな男の子達の日常については、
いずれ。
南美端小学校では男女ペアで行動することが多い。男子1人に対し女子1人
(2人の場合もある)の躾係が付き、男子が立派な男の子になれるように、
また気持ちよく学校生活を出来るように隅々までサポートすることになって
いる。それはある意味で奉仕に近く、それ故に次のような大義名分が罷り通
る。『南美端小学校では女子よりも男子の方が優遇されている』という大義
名分が。実際男子専用の設備や男子用の方が金が掛かっている設備は校内に
いくつもある。その用途はさておき。


  南美端小学校の話その3


「きゃはははぁっあはっあははははっ!」
「ふひっ、ふ、うぅぅふふっふひひっひぃっ」
「んっくっくくぅっ!あっあぁっ!そこやめてぇっ!」

 熱気の満ちた体育館に男の子達のあげる笑い声が無数に響く。
 ここ、南美端小学校では高学年の男子はいくつもの暗示をかけられその行動
を支配される。その際、負荷の大きい姿勢を強いられる事もあり、発育途中の
男の子の体が壊れないよう日頃から柔軟体操を中心とした軽い運動を行ってお
く必要がある。そのため月、水、金の朝は高学年専用のこの第二体育館で、体
操の時間がとられていた。

 体操の時間はまず最初に男の子の体を解すアップから始まる。床に寝転がっ
た男子の体を女子は思い思いの手段でくすぐり、激しく笑わせる。こうするこ
とで体が温まり柔軟性が増すのだ。当然この間男子は体を動かすことは許され
ず、3分間のアップが終わった後にはぐったりする子も多い。次に行われるの
は柔軟体操だ。アップ同様女子が手伝ってくれるので、力が抜けきった男子も
関節を伸ばすことが出来る。これは規定のメニューさえこなしておけば残りの
時間どんなストレッチをやっていても良く、どのあたりを重点的にやるのかは
手伝いの女子が決める。

「ほらぁ、また足曲がってる。ぴーんと伸ばしてなきゃ」
「ううぅぅ、ぐぎぃぃ…!」
「大分足が開けるようになってきたね。もうちょっとで180度だよ」
「ひぃ…ひっひっひひひはぁっ…」
「もうちょっと!もうちょっとで頭につくよ!」
「あ…くぅぅ…!ふっ、ふぅっふぅぅっ!」

 床に座り、そろえた両足を伸ばした男子の背中にのしかかりながら首筋をこ
しょこしょといじりまわす女子。床に手をつきながら少しずつ足を開いていく
男の子のお尻と太股をなで回す女子。床に延ばした右足に跨り、寝ころんだ男
子の体に向かってピンと伸ばした左足を押していきながら膝で股間をグリグリ
と刺激する女子。皆、思い思いのストレッチで男子のサポートをしていた。苦
痛を伴いがちな柔軟体操を男子が楽しく出来るよう、女子は男子の体を押した
り支えたりするだけでなくくすぐってあげなければならない。『女子に手伝っ
てもらいながら目標を達成することに喜びを感じる』男子は、嫌がることなく
苦しいストレッチをこなす。お陰でこの学校の男子児童は全国平均よりもはる
かに体が柔らかく、卒業する頃にはテレビに出られそうなほど柔軟になってい
る子もしばしば居る。

「それでは最後、ポーズの練習に入ります」

 ステージ上にマイクを持った稲場先生が現れ、男子達に緊張が走る。このポ
ーズの練習では、先生に指定されたポーズを次々ととっていかなくてはならな
い。男の子は例え疲れていても女子の命令した姿勢をきっちり維持しなければ
ならないため、この練習は必ず体操の時間の最後にとられる。

「『おすわり』!」

 鋭い声が飛ぶと体育館中の男子が床にしゃがみこみ両手を床につき、犬のお
すわりと同じような姿勢をとる。この練習で男子がやらされるポージングは数
ある暗示の中でも最も単純でよく使われるものだ。キーワードがそのまま暗
示内容を現すため子供にも分かりやすいのが特徴で、女子が使い方を教わる暗
示の大半はこのポージングに属する。これらのキーワードを聞くと男子は条件
反射でその姿勢をとってしまうのだ。

「『気を付け』!」

 しゃがんでいた男子全員が立ち上がり背筋をピンと伸ばす。

「次、『ちんちん』!」

 間髪入れずに飛ぶ次の指令に、再度一斉にしゃがむ男子。さらに腕を縮めて
手首を軽く曲げ舌を突き出して、芸をする愛玩犬のように愛嬌を振りまく。し
かし先生の指令が早かったせいか、数人の男子は動きが遅れる。

「きびきび動きなさい!」
「ごえんあはいぃっ!」

 舌を突き出したままなのでごめんなさいとちゃんと言うこともできないが、
叱られた男子は先生が怖いのでこう言わずに入られなかった。
 その後も立ったまま自分の足首を掴んでお尻を突き出す『馬飛び』、床に寝
転がって足を高くあげながら開脚した『逆Y字』、足を肩幅より大きめに開き
そろえた両手を上にピンと伸ばす『人の字』、両手を首の後ろで組み足を大き
く開いたうえで腰を落とす『オープン』などを男子はどうにかこなしていく。
足に負担が掛かる『オープン』はつらめの姿勢だが、胴体を無防備に晒す上に
股を開いてお尻やおちんちんをアピール出来るため、男の子のかわいらしさを
引き出す姿勢として様々な場面で重宝されている。男子は誰の前でも、どんな
場所でもこのポーズを実行できるよう、毎日最低10回お風呂で練習するよう
言いつけられている。

そして一通りのポーズをこなし、ようやく苦しい練習時間が終わりを迎えた。

「それじゃあ…『休め』!」

 それを聞いた男子達は足を肩幅に開き、再び両手を頭の後ろで組んで左手
と右手の指を一本ずつ絡める。両手が腰の後ろでないのがこの学校の『休め』
の特徴だ。

「『そのまま待機』!女子は男子の体をチャイムが鳴るまでよくマッサージ
しなさい。今朝はここまで」

 それだけ言うと、稲場先生は無駄のない動きでステージを後にする。残り
の時間は実質自由時間と言っていい。女子は『休め』の姿勢で動かず待機し
ている男子の体を思う存分弄ぶことが出来るのだ。

「えへへ…じゃあ今日もここいじったげるね。」
「そっそこやめてぇっ!ううぅっくふぅっ!?」
「やめて欲しいのどっち?お尻?おちんちん?」
「あぅぅ…どっちもダメだからぁっ!」
「両方はダァメ。どっちかをいっぱいいじってくださいってかわいらしくお
ねだりできたら、反対側はやめてあげるよ?」

 体操服越しに股間を前後からぐりぐりと揉まれ、恥ずかしいおねだりを自
発的にやらされる大柄な男の子がいる。

「小原君の汗の匂いってちょっと好きかも。でも……」
「くひゃあぁっ!あっひゃっひゃひゃひゃひゃっひゃぁあぁっ!やめひぇっ!?」
「小原君の可愛い声はすごく好き。いっぱい聞かせてね」

 正面から抱きつかれ、弱点である腋を責められて悲鳴を上げる男の子がいる。
 
 体育館中を満たす笑いと悲鳴のハーモニーを響かせながら少年達は体力を搾
られていた。今はまだ朝。一日がはじまったばかりである。
南美端小学校の話その4


 5年2組はこの時間体育の授業だった。今日は体育館で新しい運動
に挑戦するらしい。

「それじゃあ今日は腹筋の練習。みんな、補助具を付けて」
『はーい!』

 先生の問いかけに子供達の元気な声が答える。
 体育の授業で使う腹筋補助具は金属製のしっかりした作りの棒で、
弓のように弧を描いている。中心には女子が掴むための握りが、両端
には男子の足を固定するための幅と厚みのあるベルトが取り付けられ、
また握りの位置は調整が利くため、足の長さに関わらず女子は自分の
やりやすい体勢で補助が出来る親切設計になっていた。

「それじゃあ補助具付けるから足開いて。あと、『両手は頭』ね」
「うん、わかった」

 腹筋をやるため横になった健太が足を開くと、宝華はその脛にベル
トを巻き付けしっかり固定する。これで健太はもう足を閉じることが
出来ず、後頭部を支えるように添えられた手はもう健太の意志で動か
すことは出来ない。完全に抵抗できない体勢だった。そして健太の足
の間に座った宝華が補助具をしっかり握り、上靴を脱いで伸ばした足
を健太の股間にあてれば腹筋の準備完了だ。

「この運動の最終的な目標は10回とします。でも今日はとりあえず
1回だけでも出来たら終了して良いわ。それじゃあはじめ」

 このクラスの担任である林田先生がホイッスルを吹くと、女子は一
斉に男子の股間にあてた足を動かし始めた。

「ふひゃっひゃっひゃぁっ!?」
「あぁっ、あ、ううぅぅっ!」
「うひぃっひっひひひひぃぃははははぁっ!!」

 股間に振動を受けるこの感触を性的快感としてとらえる子供はまだ
このクラスにはほとんどいない。故に男子の大半はくすぐったさに腰
をくねらせ、上半身を右に左にねじりながら笑い混じりの可愛らしい
悲鳴を上げていた。
 電気アンマを受けながらの腹筋、それが今日の体育の授業の内容だ
った。

「ひゃあぁっ!あはははぁっ!無理ぃ、こんなの無理だってぇ!」
「弱音を吐かない。ほら、私も手伝ってあげるからがんばって」
「あぅぅっ、きゃははぁ!がんばるから、もうちょっとよわくぅぅっ!」

 ちょうどかかとが蟻の戸渡りにあたるように調整しながら、宝華は
小刻みに右足を振動させて健太の股間をしびれさせていた。無論、痛
みを感じるほど強くはない。

「さあお腹に力を入れて。ぐぐーってやるの」
「ううぅ、ううぅぅぅっ!」

 健太の上半身は少しばかり持ち上がるが、5センチほど上がったと
ころで力が抜け再び左右に体をツイストさせはじめる。

「もー、健太君ホントに筋肉ないんだからー」
「ごめ、ごめんっっくっくくぅぅぅっひぃぃっ」

 ちなみに、健太に限らず全ての男子は女子の『補助』が原因で腹筋
が出来ないという事実に気がついていない。暗示によって躾のための
思考誘導が成されている男子は、女子の行動が自分達の不利益になる
可能性を一切思いつかないようになっているのだ。

 1分ほどそんな無理のある腹筋を続けた後、すっかり息も上がり全
身に汗をにじませた健太を休ませながら次はどうするかを宝華は考え
ていた。

『男の子の体に一番合った補助のやり方を見つけてあげるのは女の子
の大事な仕事なの。みんな、自分が躾ける男の子に何が一番効くのか、
よく考えなきゃダメよ』

 先生からそう教わったのは先週の体育の授業だ。今までと同じでは
健太も飽きるだろうし、足も疲れる。少し違うやり方に変えてみよう
と宝華は考えた。

(健太君の一番効くところ……どこかな)

 腋は凄く弱い。しかし今必要なのは股付近の弱点だ。はあはあと荒
い呼吸を繰り返す健太の、裾の短い半ズボンに覆われたそこをじっと
見つめる。

(よし、この辺やってみよ!)

 宝華は右足を軽く引き、手持ちぶさただった左足と揃えるようにし
て爪先を健太の股間にロックオンした。

「じゃあもう1回挑戦。行くよ?」
「う…うん」

 少し体力の戻った健太の大きく開かれた太股の付け根に宝華は両足
の親指をぐぐっと押し込み、マッサージするかのようにそこをぐりぐ
りと刺激しはじめた。

「おぉああぁっ!?あっああうぅぅっ!ん、っぐぐっぐぐぅぅ…!」

 今までとはまた違った、筋肉の張りをほぐされる心地よさと入り交
じったくすぐったさが健太の敏感な部位を揺さぶる。健太はその刺激
に笑い転げる代わりに、脂汗を流して歯を食いしばりながら腰を浮か
せはじめた。

「健太君、お腹を持ち上がるんじゃないの。持ち上げるのは頭!」
「ごめんっんっ、んぅぅ…!」
「……もしかして場所悪い?」

 あまり効果的じゃないのだろうかと不安になった宝華は足の力を抜
き、今の具合を訪ねてみることにした。同時に浮いていた健太のお尻
もぺたんと床につき、ふう、と息を吐く。

「どう?さっきの方が良かった?」
「ん……さっきのはちんちんがビリビリしてすごくくすぐったかった
けど、今のはくすぐったいのに何か気持ちよくて力が入らない感じだ
った」
「えー?お腹にすごく力入ってたよ。けど、やり方は悪くないのかな」

 足の裏ブルブルよりも親指グリグリの方が効くのかな?そう思った
宝華はこのやり方でもう少し他の場所も責めることにした。

「それじゃあもう1回。私も頑張って手伝うから、今度こそ出来るよ
うにがんばろ?大丈夫、健太君はやれば出来るんだから」
「うん…ありがと、宝華」

 横になっている健太とその足元に座る宝華、お互いの表情まではよ
く見えない位置だったが、声の感じからしてきっと健太は照れている
のだろう。それを考えると愛おしさが湧いてくる。

(ホント、健太君かわいいな)

 ちなみに当の本人達は知らないことだが、この南美端小学校では男
子だけでなく女子にも暗示がかけられている。これは円滑な躾を実行
するための物で男子にかけられているものほど強力ではなく、学校の
教育方針に疑問を抱かないこと、躾を担当する男子に深い親愛の情を
抱くことなどに留まっている。

(よおし、今度はこのへんを…)

 宝華は少し自分の体をねじると右足を健太のおちんちんの付け根に、
左足をお尻の穴にあて親指でぐりぐりと揉みはじめた。

「ああぁ!あっあっははははひゃひゃぁっ!?そこはぁっ!おひりぃ
っ!?」
「健太君のお尻、あったかいし触り心地いいね。さ、お腹に力入れて
腹筋腹筋」

 くすぐったさに悶える健太の様子と、はじめて足で触れるお尻の感
触に若干興奮した宝華の全身に力がこもる。同時に、健太の股間に食
い込む爪先も深さをじりじりと増す。

「ふぅぅっ!ふっ、ぅぅぅ…!」

 一方健太は、自分の体力がそろそろ限界であることに気がついてい
た。だからこのチャンスでせめて1回でも腹筋を成功させなければな
らない。顔をリンゴのように真っ赤に染めた健太は、必死の思いでお
腹に力を込めた。

「ふ…んんっ……!」

 お尻の穴にめり込んだ親指が振動し経験したことのないむずがゆさ
を生み出す。おちんちんの根本へのマッサージはどこか奇妙なイケナ
イ気持ちよさを感じるが、それ以上にのたうちまわりたくようなくす
ぐったさもある。大きな声をあげて笑えばきっと楽になるだろう。け
れど、健太はそうせずに必死で頑張った。自分の腹筋を成功させるた
めに、足も疲れているだろうにずっと補助を続けてくれてる宝華に報
いるために。

「あっ!イケる、イケるよ健太君!」

 そして健太の上半身が床から45度の角度まで持ち上がり、60度
を超えて。

「く…ううぅっ!!」
「あとちょっと、ちょっとだから……やったぁ!」

 健太の上半身は完全に起きあがることが出来た。

「先生!健太君腹筋出来たよ!」
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 その声に体育館中の視線が集まる。嬉しそうな宝華と、荒い呼吸を
繰り返しながら再び床に寝転がる健太の姿を担任の林田先生と女子全
員が見た。男子はぐったりと脱力しているか、くねくねと笑い悶えて
いた。
 少し離れたところで男の子のキンタマの扱いについて指導していた
林田は健太と宝華の所に近寄ると、

「2人ともよく頑張ったわね。今日はじめて挑戦するのに1回だけで
も出来るなんてすごいわ」
「えへへ…」

 嬉しそうに照れ笑いをする宝華。健太も声には出さないが、誇らし
げな表情をしていた。

「宝華ちゃん、健太君にたっぷりご褒美をあげなさい。残りの時間全
部使っても良いわ」
「やったぁ!」
「他の組も出来た男の子にはご褒美をあげること。いいわね」
『はーい!』

 女子達の元気な声が響く。

 結局この授業でご褒美を貰えたのは健太を含め3人だけだった。
 そして当の健太はというと。

「うふふ~、健太君の大好きな腋、思いっきりいじってあげるね。ご
褒美だから遠慮しなくていいから」
「うん」

 体操服のシャツを脱がされ、上半身裸となった健太に宝華がそ
っと寄り添う。そして健太に両手を頭の後ろで組ませると、左の
腋に吸い付いてペロペロと舐めはじめた。

「ひゃふぅっ!?うっううぅぅっくくくくぅぅっ!!」
「もうがまんしなくていいんだよ?ほら、おっきな声で笑って」

 さらに健太の体に抱きつくように腕を回し、右手で健太の右の
腋をひっかきながら左手を健太の右の脇腹には這わせはじめる。
これには耐えきれず、健太は首をブンブン振りながら激しい笑い
を吐き出しはじめた。

「きゃははははぁっ!!はひっっひひひっひいいぃっ!」
「んむ……いっぱい汗かいてるね」

 人間の体が作り出す塩味をじっくりと味わい、ちゅっちゅっと
音を立てながら左の腋を吸いたてる。

「宝華…!宝華、それダメで…ぐひぃひゃひゃははははははは!!
あひっあひっっひぃぉぉおおっ!?」

 その様子を見ていた林田先生は健太の耳元でそっと囁く。

「ダメじゃないでしょ?健太君、『ちゃんと考えて』みなさい。
あなた腋をこちょこちょされるの大好きだったじゃない」
「うんっ大好きぃ、いいぃひゃひゃひゃっひゃぁっ!大好きだけ
どぉっ!んぉぉっ!?おはぁっ!あっはっはははははははぁっ!!」

 思考をすり替える暗示によって、健太は一番苦手な場所をくす
ぐられるのが大好きだと言わされてしまう。これを繰り返すこと
によって健太は、腋をくすぐられるのが大好きだと誤認していく
のだ。

「よかったわね宝華ちゃん。健太君すごく喜んでるみたい。これ
はご褒美なんだからチャイムが鳴るまでちゃんと続けてあげてね」
「ふぁあい」

 舌を突き出したままもごもごと宝華は返事をする。
 それからチャイムが鳴るまでの間、体育館にはご褒美をもらった
3人の男の子の幸せそうな笑い声が響き、それをBGMに残りの男
の子達は脱力したまま電気アンマに身を任せていた。

「ぎゃははははぁぁっ!!宝華、そこ、お、おおぉひひひっひっひ
ぃっ大好き!大好きだからぁ!だめだよぉっ!強い!強ひぃぃっひ
ひひひひぃ!!ああぁぁぅぅ!舐めるのがぁぁ!!そこぉっほっほ
ほほひひいっ!くしゅぐったいいぃぃ!!くしゅぐった…んひゃは
はははははぁっ!!あひゃっ!ひゃっぁひゃひゃああははぁぁぁ!!」

 卒業するまであと2年近く。
 男の子達は学校の定めるこのくすぐりに彩られた教育方針から決
して逃れることは出来ない。
南美端小学校の話その5


電車に乗って二駅目、そこでその子達はいつも電車に乗ってくるの。
南美端小学校に通うとっても可愛い男の子たち。
どうして南美端小学校って分かったか?
そんなの簡単だよ。そっと近寄って耳元でキーワードを囁いてあげればすぐ反応するんだもん。
どうしてそんなことしたか?
勘だよ、勘。あの学校の躾受けてる男の子って、なんか独特のオーラみたいなのあるんだよ。
僕のことお仕置きして!みたいなやつ。
それにね……なんていうか、こう、飢えてたの。
笑わないでよ!高校に入ってから男の子をくすぐる機会なんて全然なくて物足りなかったんだよ!
くすぐられる男の子の可愛い姿見たかったんだもん。しょうがないでしょ。
え?どうして誘ったって……実はね、その男の子たち3人組なの。
だから私が1人抱きしめてこちょこちょしてると残りの2人がうらやましそうな顔してるからさ、
なんか可哀想になっちゃって。
あ、ほら。来たよ。あの子達。
あは、こっち見て顔赤くしてる。どうされるか分かっちゃったんだ。
私たち5人いるもんね。3人とも仲良くくすぐられちゃうからねー。
ほら、こっちこっち。
3人ともここのつり側に捕まってみて?あ、1個のつり側を両手で持ってね。
うんうん、思ったとおり。ちょうどいいみたい。
爪先立ちで足が付くぐらいがね、ちょうどいいんだよ。
それじゃあ君たち『手はそのまま』ね。
これでもうこの子達はここから手を離せなくなっちゃった。
え?ウソじゃないよ。ホントだって。
試しに腋をこちょこちょしてみるから。ほーらこちょこちょこちょ……。

「ひゃっひゃっひゃあぁっ!?だっだめっ!そこさわっちゃだめっ!」

そんなこと言ってもお姉さんの手は止まらない~♪
ほらほらもっといっぱいくすぐっちゃうよ。腕を下ろせば防げるかもね。

「あぅああぁっはっはは!!ははぁははぁっくくくくぅぅっ!」

ほらね?この子達はすごーくいい子になるよう教育されてるから
こんなにしても勝手に手を下ろしたりしないの。
大丈夫大丈夫、くすぐりって程々だと体にいいんだよ。
気絶するくらいキツイやつじゃなきゃ大抵平気だから。
私この子お気に入りだからそっちの2人が満足するまでくすぐったげてくれる?
……うんそう。やめてって言ってる間は満足してないってことだからやめちゃダメ。

「きゃはっきゃははははぁっ!やめてっやめてぇっ!」
「放せよ!足、持ち上げるな…ぎゃははははは!!あし、あしはなしてぇっ!」

お友達すごく嬉しそうだね。あんなに笑って。
それじゃあ君、手を離していいよ。

そんな顔しない。いつもみたいに抱っこしてあげるから、素直に、ね?
ふふ、私この瞬間結構好きなんだ。君がそうやって私の胸に顔をうずめてうっとり
してるのを見るのが。
照れないの。私このおっぱい結構自慢なんだから。君みたいな可愛い子が
夢中になってくれるんならこの胸も育った甲斐があるってもんよ。
……うん、怒ってないから。好きなだけ溺れていいからね。
それじゃ、『手はそのまま』
これでもう私に抱きついたまま逃げられないね。
それじゃ行くよ。首と脇腹ダブルこうげき~♪

「ううぅ~~っ、ふっふふふぅぅ~んんっ!」

そうやってしがみ付いたままだと腋も閉じれないね。
ダイレクトアタックゥ~。

「うひゃぅんっ!?またそこ……うぅっくっくくぅひあぁははっはっはははぁ!」

さらにおっぱいで顔面圧迫攻撃だ!

「くふぁぁっふぁふぁふぁばばばばばば……ううぶぶぶぶぶ…!」

おっぱいで窒息しながらこちょこちょされるのはどう?
これが癖になっちゃったらクラスの女の子で我慢できなくなっちゃうかもしれないね。

「ぶぶぶぶ……ぶはぁっ!」

はい深呼吸タイム。
酸素吸えた?それじゃあもう1回行くよ、そーれこちょこちょこちょ……。

………………………………………………………………

3人とももう息も絶え絶えって感じ。
そっちの子なんか漏れちゃう!って何度も叫んじゃってたけど
お漏らししなくてよかったね。
よかったらおトイレまでつれてってあげるけど……いらない?
へえ、そうなんだ。人の行為を断っちゃうんだ。
ああ、ウソウソ。怒ってない怒ってない。
それじゃあ私たちもう行くから。

……またこの電車で会いましょ?
南美端小学校の話その6

由乃が5年生になって3ヶ月。最初は驚いた「女の子が男の子を躾けてあげる」とい
う南美端小学校高学年のルールだったが、今はすっかり慣れて、毎日たっぷり男の子
をくすぐっている。悲鳴のような笑い声を上げ、体をくねらせて悶え、きついくすぐ
りに許しを請う男の子たちの愛らしい姿に胸をときめかせる楽しい日々を送る由乃だ
ったが、ある日こんなことを思った。

(お兄ちゃんて、くすぐられるとどんな顔で笑うのかな)

 現在中学1年生の由乃の兄、満。同じ家に住んでいるのだから当然彼も同じ小学校
に通っていた。つまり卒業までの2年間毎日女の子に責められ、暗示によって思考ま
で完全に支配されていたはずなのである。
 授業中にどうしても兄をくすぐってみたくなった由乃は、家に帰ったらさっそくや
ってみようと決意するのであった。

 そして。

「ねーせんせー」

 次の日、由乃は学校で担任の川崎先生に兄の事を尋ねてみることにした。

「せんせーって由乃のお兄ちゃんの担任だったんでしょ?」
「由乃ちゃんのお兄ちゃんて言うと……満君ね。ええ、その通りよ」
「だったらお兄ちゃんも女の子にしつけされてたんでしょ?けど、昨日由乃がやって
もいうこと聞いてくれなかったの。なんで?」

 それを聞いて川崎先生は事の次第を理解した。つまるところ由乃は日頃クラスの男
子をくすぐるノリで満をくすぐろうとして怒られたのだろう。それも当然だ。男の子
を躾けるための暗示は卒業時に一旦封印しているのだから。

(さて、どうしようか)

 川崎先生は満にかけた封印を解くべきか迷っていた。
 羞恥やくすぐりとは無縁の普通の生活を長く続ければ続けるほど、躾が始められた
時の恥ずかしさが増し男の子の心にくさびとして深く打ち込まれる。この小学校で1
年から4年までは高学年に比べておとなしい教育方針が採られているのも、卒業時に
暗示が封印されるのもそのためだ。

(まだ3ヶ月……少し早いけど、由乃ちゃんなら大丈夫かしら)

 結局、川崎先生は由乃にある情報を教えてあげることにした。

「由乃ちゃん、満君が小学校の時みたいないい子になるにはスイッチを入れてあげな
きゃならないの。それはね――」

………………………………………………………………………

「ねー、お兄ちゃーん」
「なんだよ。もういきなりくすぐるのは無しだぞ」

 部屋で宿題をやっていた満のところに来た由乃だったが、満は昨日のことをまだ怒
っているのか少しむすっとしていた。

「わかってるよ。今日は昨日のおわびに来たの」
「ホントに反省してるのか?」
「うん。だから今度は教わったばかりの『おまじない』してあげようと思って」
「……ん……っ」

 その言葉を聞いて満の動きが止まる。

「……どんな、おまじないなんだ?」
「とりあえずおなか出してくれる?」
「わかったよ」

 満は何の疑問も持たずシャツを捲り上げる。これがくすぐったさで満ちた恥ずかし
い日々の再開の合図だとは知らずに。もっとも知っていたところで満自身に止める事
は出来なかったのだが。

「ありがと。それでね、こうするんだって」

 そう言って由乃は満のお腹にそっと手のひらを押し当てた。

「あ……!」

 ほのかに熱を持った感触がおへその下に触れ、思わず満の体がぴくんと震える。

「『いい子いい子いい子~』」
「うっ…あぁ……!?」

 そのまま由乃は円を描くように満の下腹部をなで始めた。小さい子供をあやすよう
に『いいこいい子』と声をかけながら。

(なんだよこれ……由乃になでられてるとこがあったかくてジンジンして……なんか
気持ちいい……頭がボーッとしてく…)

 じんわりと満の下腹部から全身へと熱が広がっていく。その心地よさに満の目はと
ろんとしていき、体から力が抜けていく。暖かい布団の中で二度寝するような幸せな
感覚に包まれて満は半睡状態に落ちていった。
 満が反応しなくなったのを確認した由乃は、川崎先生から教わったキーワードを囁
きかけた。

「『満はお風呂が大好き』」
「んっ…う……俺、は、お風呂が、大好き、です…」

………………………………………………………………………

「……ん?」

 目を覚ました満がきょろきょろと見回すと、彼が覚えているよりも10分ほど時間が
経過していた。

「あー、うたた寝してたかー」

 体を動かすとくきくきと音がなる。そういえば由乃が来てたような気がするけど……
と思ったところで、自分を呼ぶ母親の声が聞こえたので満は台所に向かうことにした。

「いただきまーす」

 母、幸恵の手料理に出来合いのおかず1品を加えたいつもどおりの食卓。勢いよくご
飯とおかずを頬張る満と、にこにこしながらそれを見守る幸恵。あまりにいつもどおり
の光景を見ながらゆっくりご飯を食べる由乃は、先ほどの『おまじない』が本当に効い
ているのかどうか心配になってきた。

 そして時間はさらに流れ9時前。

「由乃、今日はなかなかお風呂に入らないのね」
「えっ?うん、テレビ面白くってさー。由乃、お兄ちゃんのあとでもかまわないよ」
「じゃあ俺、先入るぞ?」
「いいよー」

 そう返事をした由乃だが、着替えを持って脱衣所に入っていく満の姿を思わず目で追
ってしまう。

「本当にどうしたの?あ、もしかして久しぶりにお兄ちゃんと一緒にお風呂に入りたか
ったとか?」
「もうっ、お母さんってば!そんなんじゃないって……ないわけじゃないのかな?」
「いったいどっちなのよ」

 否定しているのか肯定しているのかわからない由乃の言葉に幸恵は思わず苦笑した。
素直なんだか素直になれないんだか。そんなことを幸恵が思っていると、キィ、とド
アの開く音がして風呂に入ったはずの満が姿を見せる。

「あら、どうしたの満」
「いや、その……あれなんだけど……」

 所在なさげな様子の満はぶつぶつとつぶやきながら視線を彷徨わせる。言いたいこと
があるのに言えない。そんな様子だった。それを見てようやく、由乃は自分の『おまじ
ない』がうまくいっている自信を持った。

(先生が言ったとおりだ……!)

 なら、満が何を言おうとしているのかも由乃が思っているとおりだろう。だから、満
の口ではっきり言わせなければならない。

「ねえお兄ちゃん、こういうときは『おねだりしたいことをはっきり言いなさい』って
先生に言われなかった?」
「………!!」

 意識に働きかけ命令を実行させるキーワードが織り込まれた由乃の言葉に、今の満が
逆らうことは出来なかった。それがどんなに恥ずかしいことでも。

「母さん!『お願い、俺と一緒にお風呂に入って下さい』!」

 それを言われた幸恵は一瞬きょとんとした顔をしたが、すぐに優しい笑顔に変わった。

「最近ずっと平気だったけど、またぶり返したの?」
「うん、そう…なんだ」

 妹の前でこんなことを言ってしまった羞恥に顔を紅く染めて満は俯く。

「ねえお母さん、どういうことぉ?」
「実はね、満ってば」
「やめろよ母さん!由乃に言うことないだろ!?」
「由乃ももう5年生なんだから知っていてもいいころよ」

 満の抵抗を意に介さず、幸恵は由乃に秘密を明かす。

「満はね、お風呂が怖くて一人で入れないの」

 この問題が明らかになったのは満が5年生になってすぐの三者懇談の時だった。今ま
でそんな素振りをまったく見せていなかったのだが、実は満はお風呂を苦手にしていた
のだという。当時担任だった川崎先生がそんな親子に与えた対応策は、幸恵が満をお風
呂に入れてやる、というものだった。

「スキンシップというのはとても大事なんです。しっかりと抱きしめて、安心してお風
呂に入れるようにしてあげてください」
「恐怖心というのは笑いでまぎれます。怖がらずにすむようくすぐりながら入浴すれば
いいんですよ」
「満君のくすぐり方はこれからもお手紙で伝えますから、指示は守るようにしてください」
「満君が『一緒にお風呂に入ってほしい、ってお願いしてきたら絶対にお願いを聞いて
あげてくださいね。』約束ですよ」

先生の言葉は幸恵の心に深く深く刻まれた。

「それ以来満が怖がる日には一緒にお風呂に入ってあげることにしたの。結局小学校を
卒業するまで毎日だったんだけど」
「ふーん。そういえばお兄ちゃんとお母さんいつもお風呂一緒だったよね」

 ちなみに。そのことに関して疑問を抱かないよう由乃も暗示にかけられていたのだが
それは彼女のあずかり知らぬことだ。

「ええ、そうね。でも今日からは由乃も一緒に入りましょうか」
「そんなっ、母さん!」
「由乃も学校で男の子のくすぐり方教わってるんでしょ?」
「うん。先生にも上手だってほめられたよ」
「なら問題ないわね。今日は由乃と二人で満のことこちょこちょしてあげるわ」

 しぶる様子の満だったが、幸恵と由乃に手を引かれて脱衣場に入ってからはおとなし
かった。

「さ、脱ぎ脱ぎしましょうね」
「一人で脱げるよ…うぅ…」

 妹の前で小さい子供のように服を脱がせてもらうのは恥ずかしくてたまらなかった
が、風呂周りでは逆らうことが出来ないよう暗示がかけられている満は幸恵の言葉に
従うしか出来なかった。

「大丈夫だよ、今のお兄ちゃんすごくかわいいから。ほーらいい子いい子♪」
「あっ……ああぁ……」

 下腹部をやさしーくなでられ腰を震わすぞくぞくとした感覚にしびれる満。由乃の
手のすぐ下では、満のペニスに血液が集まり始めていた。

 男子優遇方針の一つとして、南美端小学校では男子児童に定期的にエステを受けさ
せていた。可愛い男の子をもっと可愛く、そのためには時に薬物まで使われるその施
療によって少年たちの肉体は妖しい魅力を持つようになる。肌のつやを増すマッサー
ジ、無駄な体毛の脱毛処理、無意識下に刻み込まれる細かな仕草の数々、さらにはホ
ルモン投与―――南美端小学校を卒業した男子は、こういった工程によって可愛い男
の子に作り変えられる。
 中には徹底的に改造が加えられ、とても女らしい姿、男の娘にされてしまう子もい
るが、幸か不幸か満はそこまではされていなかった。

 湯船がそんなに大きいわけではないので、3人入ればかなり狭い。必然的に3人は
密着してお湯に浸かっていた。

「母さん、由乃……この状態、恥ずかしい……」
「何言ってるの、こうしないとあなた怖くて動けなくなっちゃうでしょ?」
「大丈夫大丈夫、ちゃんと捕まえといてあげるから、お兄ちゃんは安心しててくれれ
ばいいから」
「ううう……」

 背後から幸恵にふんわりと抱きしめられ、柔らかい胸やお腹の感触が背中にダイレ
クトに伝えられる。一方反対側では由乃がぎゅっと抱きつき、凹凸の少ない体のすべ
すべの肌を押し付けて背中とは異なる気持ちよさを与えてくる。そしてすでに勃起し
ている満のおちんちんは由乃のお腹で押さえつけられていた。由乃が体を左右に動か
せばそれだけで満は達してしまうかもしれない。
 しかし、満に加えられる責めはまだ始まってさえいないのだ。

「じゃあまずは軽くね?こちょこちょこちょこちょ」
「ひっ!?あっああぁっ…ううぅ~~っうっふぅっ!」

 幸恵が満の耳元でこちょこちょと囁きかけると、それだけで満は唸りながら身じろ
ぎし始めた。2年間にわたって「こちょこちょ」と言われながらくすぐられ続けてき
た満は、この言葉を聞くだけでくすぐったさを思い出してしまい悶える体にされてし
まっている。条件反射というやつだ。

「ちょっ……母さんっそれ反則…んはぁっ!」
「うわぁお兄ちゃんすごくかわいい顔してる~♪けどお母さん、まだくすぐってない
のにお兄ちゃんどうしてこんな風になってるの?」
「満はね、こうやってこちょこちょって言われるだけでくすぐられたときのことを思
い出して笑っちゃうのよ」
「へー、そうなんだー。それじゃあこれからいっぱい言ってあげないといけないね」

 悪戯するときのにんまりとした笑みを浮かべた由乃がそう言って顔を覗き込むと、
満は何も言わず顔をそらす。お風呂に入っている間の満は一切抵抗できないのだ。

「それじゃあ由乃、お兄ちゃんをくすぐってあげるわよ」
「うん!」
『こちょこちょこちょこちょ~♪』

 幸恵と由乃は声を合わせてこちょこちょと言いながら、満の肌の上に指を這わせて
いった。

「んひぃ~っ!?ううぅっくっくくぅ~~っ!!あはぁっあ~っはははははは!!だ
めだっくすぐったいいぃ~~!!」

 腋の下を通った幸恵の手が満の右の乳首を軽くつまんでいじり、左側では腋を優し
く撫でる。由乃は満の首筋を舐めながら脇腹を左右からつつきまわす。まだそんなに
激しくくすぐっていないというのに満は大きく口を開けて笑い声を撒き散らしていた。

「ぐっぎぃ~っひひひひひぃっ!かあさんっよし、のぉっ!き、きききついってぇ~!!
ふひゃぁっはははははぁっ!もっとっやさ、しく、ひてぇぇっ!」
「ダァメ」

 由乃の言葉は実に簡潔だった。

「このくらいできついとか、お兄ちゃんちょっと怠けすぎなんじゃないの?クラスの
男の子でももっと我慢できるのに」
「だって、ううぅ、うぅっくぅ~~!く、くくぅ、ひさしぶり、だからぁっ」
「こんなんじゃ男の子失格だよ!これからはお兄ちゃんが立派な男の子になれるよう
私が毎日こちょこちょしたげる」
「あひぇぇっあひ、ひひぃっへへへへへぇあああ!」

 声が大きくなると共に由乃の手の動きも激しさを増していく。幸恵は娘の意思を尊
重してか、何も言わず息子をくすぐる手の力を強めた。

「だからこれからお兄ちゃんは私の言うことをちゃんと聞くいいお兄ちゃんになるの!
わかった!?」
「わははっ!わはぁっ!わかった!わかったからっ、とめてくれぇっへへっへぇっ!」

 その言葉を聞いてようやく由乃はくすぐりの手を止め、つられて幸恵もくすぐりを
やめる。

「えへへ~。お母さん聞いた?お兄ちゃんこれから私の言うことなんでも聞いてくれる
んだって」
「よかったわね由乃。それじゃあこれからお兄ちゃんのことは由乃にお願いするわね」
「うん、任せてよ!」
「ちょ、ちょっと待ってっ」

 しかし、くすぐりをやめて欲しくてつい言った一言がとんでもないことになりつつ
あるのを感じた満は、必死で食い下がろうとする。

「なんでもするなんて、そこまで言ってない!言ってないって!」

 そんな兄の様子を見て由乃はうっすらと意地の悪い笑みを浮かべる。

「へぇー?お兄ちゃんそういうこと言っちゃうんだ。私の言うことちゃんと聞くって
約束したのに、あれってその場しのぎのうそだったんだぁ」
「あ、いや、それは」
「お母さんこれってどう思う?お兄ちゃん悪い子だよねぇ」
「そうね。たっぷりお仕置きする必要があるわ」
「そんな……!」
「大丈夫よ満」

 幸恵は満の首元を優しく撫でながら、耳元で何事かを囁く。それを聞いて満は顔色
を変え、え、そんなの無理だって、などと小声でもらした。

「今言ったことをちゃんと約束できるんなら、由乃も悪いようにはしないと思うわよ」
「け、けど…」
「もういいよお母さん。お兄ちゃんてばお仕置きしないとわかんないみたいだから、
とりあえず目いっぱいこちょこちょしちゃお?」

 幸恵の言葉に即答できなかった満は、結局お仕置きされることになってしまったの
である。それからしばらくの間、浴室の中には少年の笑い声が反響し続けた。

「うぎゃああっははっははははははぁぁぁっ!!だめっ、やめろぉぉっくすぐったい
いぃぃぃ!!」

 自分の太ももを抱えてじっとするよう命令された満は、暗示によってその体勢から
動けなくされてしまう。足首から先だけはかろうじて動かすことが出来たが、由乃は
そこをつかんで激しくくすぐった。足の裏全体を指でくすぐるだけでなく、足の裏の
しわを一つ一つ丹念に爪でなぞり、また指をしゃぶったり指の間に舌を通して嘗め回
したり。それらの作業一つ一つに満は敏感に反応して笑いまくった。

「あひゃっひゃひゃひゃひゃ、あし、あしばっかりぃぃ!!うひゃぁっひゃっひゃっ
ひゃひゃひゃっひゃああああっ!!!かあさんっ!?そこはやだぁぁぁっははははは
はははぁぁっ!!」

 身動きの取れない満が湯船に沈まないよう後ろから支えていた幸恵だったが、彼女
は満の内股に手を伸ばし、太ももの付け根からお尻、袋にかけてを繊細なタッチでく
すぐり回した。単にくすぐったいだけとは違う甘い刺激が尾てい骨から駆け上がって
くるが、足の裏から送り込まれるくすぐったさと相まって満の思考はどろどろにかき
回されていた。

 その後も幸恵と由乃はあの手この手で満の全身をくすぐり回し、およそ10分が経
過した。

「はひっ、はひぃっ、…ひぃ、…ひへっ……えへぇっ…」

 体力を残らず搾り取られ、びくびくと痙攣しながら半笑いのおかしな呼吸音をもら
す満。うっすら開けられた瞳の焦点は合わず、涙と鼻水とよだれにまみれた顔には理
性のかけらも残っていない。湯船には満が出してしまった精液まで浮いている。

「ふふ…お兄ちゃんてばすっかり出来上がっちゃってる。男の子がとろけた時の顔っ
てどうしてこんなにかわいいのかなぁ」
「それはね由乃。余計なものがみんなそぎ落とされた素の表情だからよ。無防備に自
分をさらけ出した顔だから、素敵に感じるのよ」
「そっかぁ、これがお兄ちゃんの本当の顔なんだね」

 顔を見合わせてふふっと笑いあった母娘は、再びサンドイッチ状態で満を抱きしめ
ながら意識が戻るのを待った。

 心地よい疲労感とすっかり癖になっている甘い痺れにひたっていた満は、ほどなく
して暖かい感触の中に引き戻され、涙でぼやけた視界の中に笑顔の妹を見つけた。

「起きたんだねお兄ちゃん」

 由乃は満の目元に唇を寄せ、涙を舌で拭うと優しい声で問いかけた。

「お兄ちゃん、さっきお母さんに言われたこと、今度こそ約束できる?」
「う…ん、やくそく、するよぅ…」

 何歳か若返ったような子供っぽい口調になった満は、はっきりしない頭のままで約
束の言葉を口にさせられる。自分自身に深く暗示を刻み込むための言葉を。

「これから、は、由乃の言うことをちゃんと聞く、いい子になりますぅ…」
「満?こういうときは自分から由乃にお願いするものでしょ?」

 幸恵の言葉に少し考えた満だったが、すぐに最後の言葉が搾り出される。

「由乃の言うこと、何でも聞くからぁ…お、俺がいい子になれるように、しつけてく
ださい…」

 普通の中学生ではなくなってしまう、妹への服従を誓う言葉を。

「よく出来ました。これなら満点だよ、お兄ちゃん」

 南美端小学校を卒業してようやくその呪縛から逃れることが出来た満。しかし彼は
家族によって再び深く深く縛られるのだった。

 そして風呂上りのことである。

「由乃ぉ……それ、やめてぇ…」
「ダメだよお兄ちゃん。先生に今日のことちゃんと報告いしないといけないんだから」

 服を着ることを許可されなかった満は全裸のまま部屋に戻らされ、今由乃の前でしゃ
がみこんでいる。足を大きく開き両手を頭の後ろで組んだ、恥ずかしい部分を一切隠せ
ないポーズだ。しかも由乃は携帯のカメラを満に向けている。

「ホラ笑って。きれいに撮ってあげる」
「ああぁ……」

 もう風呂場の外でも逆らえない。絶望的な状況なのに満の心には奇妙な充足感がある。
小学校を卒業するまで日常だった女の子に辱められ、弄ばれる生活が戻ってきたからだ。

「ちゃんと我慢できたねー。えらいよ、お兄ちゃん。ごほうびにこちょこちょしたげる。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょ…」
「あっああっ!ふひっひぃっひひひああぁぁははぁっ!んっんんっくぅっくくぅぅっひ
ぃっひゃぁぁ!」

 そう言って、由乃はまだ熱が冷めないままの満の体に指を這わせる。快感として体に
覚えこまされたそのくすぐったさ抗う術は満にはなかった。

「今度友達連れてきて、一緒にお兄ちゃんのことくすぐったげる。頭のてっぺんから爪
先まで残さずこちょこちょしてあげるから。うれしいでしょ?」
「んひひひひぃっ!?ひゃっくふぅっ!しょんなぁ、やあぁっははははははははぁっ!!
くしゅ、くしゅぐったいのはぁやめてぇぇへへへへへひひひぃぃっ!!」

 南美端小学校では男の子を最高に幸せにするための教育が行われている。その対象は、
在校生だけとは限らない。
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