- 2010⁄11⁄10(Wed)
- 02:08
??×サトシ
…その研究所は薄暗い森の奥にあった。
サトシは訓練に最適な場所を求めてピカチュウと2人、森の中を歩いていた。
「なかなか適当な場所が無いなあ…」
タケシ達から離れてだいぶ時間が経つ。空腹を訴えるお腹を抱えるとサトシは
「もう戻ろうか」
と傍らのピカチュウに話し掛けた。と、その時
「ピカ!?」
「何だ…?」
ポケモンの甲高い鳴き声に2人は足を止めた。
「あっちだ。行ってみよう」
2人は駆け出した。
「なっ…これは」
ポケモン達がぐったりと横たわっている。サトシは駆け寄ろうとした。
「誰だ!」
黒い服に身を包んだ男が立っていた。いや-
「どうした」
一人では無い。数人の黒服の男たちがまわりの木立から姿を現した。
「お前ら…ポケモンに何をした!」
「別に。ちょっと眠ってもらっただけさ」
「嘘だ!」
ポケモンを庇いながらキッと睨み付けてくるサトシに、男は唇の端を歪めて笑った。
「威勢のいい坊やだな。お前には用がない、が-」
サトシの傍らに視線がおりる。
「良いピカチュウを連れている。そいつには用があるな」
そう言って近付こうとした。
ジリッと男が近寄る。ピカチュウは頬に電気を溜めながら低く構えた。とその時
隙をついてサトシが黒服に体当たりをくらわせた。
「ピカチュウ、逃げろ!」
「ピカ!?」
サトシを置いてなどいけない。
首を振るピカチュウに
「俺は大丈夫だから。頼む、みんなに知らせてくれ!」
尚もピカチュウはためらい、その場を動こうとしなかったが
「ピカチュウ!」
サトシの強い口調に意を決したように走り出した。
追おうとする男たちの前にサトシが立ちふさがる。
「っ!まったく」
男が舌打ちした。
「大人しく渡していればいいものを-」
次の瞬間、後頭部に鈍い衝撃を感じ、サトシは意識を失った。
目が覚めると固いベッドの上だった。
「痛てて…」
サトシは殴られた後頭部をさすりながら起き上がった。
周囲を見回してみる。自分の寝かされているベッド以外何も無い、簡素な部屋だった。
扉は一つしか無く、窓には格子がはめられている。
「ここは…」
ベッドからおりようとした時、まるでタイミングをはかったかのように扉がノックされた。
「入るよ」
サトシの返事も待たずに白衣の男が先ほどの黒服を伴って部屋に入ってきた。
「気分はどうかな?」
「いい訳ないだろ」
男たちを睨み付ける。
「ここから出せ!」
サトシの言葉を全く意に介する様子もなく、白衣の男は話し始めた。
「困ったなあ…まさか人に見られるなんて」
そう言って嫌な目つきで黒服を睨んだ。
「誰にも見られるな…と、言わなかったか?」
「すみません」
あの黒服が恐縮している。よほどの権力を持った人間なのだろう。
「この子に見られた上ポケモンに逃げられただって?どう責任をとるつもりなんだい?」
神経質そうに爪先を小刻みに動かしている。
黒服は額に汗を浮かべ
「今回の事は本当に申し訳ありませんでした。次からは-」
「次があると思ってるのか?」
黒服の表情が凍りつく。
「まあいい。それより問題はこの子だ」
白衣の男がサトシを見た。
「処分する訳にもいかないし…」
処分…普通でない言い様にサトシの背筋に冷たいものが走る。
「…そうだ」
白衣の男は嫌な笑みを浮かべた。
「この子に研究を手伝ってもらおうかな」
ポケモンが好きなようだし、と含みのある言い方をする。
「お前らの手伝いなんか…」
「どうなってもいいのかい?」
男の冷たい笑顔。目の前にナイフを突きつけられたように、サトシは言い返す事ができなかった。
じゃあ早速始めよう…男は楽しそうに部屋を出て行った。
しばらくして黒服だけが再び部屋にやってきて、別段拘束する事もなくサトシを部屋から連れ出した。
逃げられないという自信があるのだろう。付いて来いという仕草をしたあと、黙ったまま男は歩き出した。
仕方なくサトシも後について歩き出す。しかしさりげなく周囲に目をやりながら逃げる方法を考えていた。
さっきは白衣の男の異様さに気圧されて言い返せなかったが、手伝ってやる気など当然、毛頭無かった。
(何も無いな)
左右には同じような扉。暗い廊下がどこまでも続いている。
無言で歩き続けるとしばらくしてようやく少し明るい場所に出た。
息の詰まるような暗さから解放されホッと息をつく。だが、
「…着いたぞ」
唐突に口を開いた黒服が一つの扉の前で足を止めた。
扉を開き、入れと無言で指示する。
サトシはとりあえず従う素振りを見せ、中に入った。
目のくらむような明るさ-思わず手をかざし、そろそろと目を開いた。
何かの実験を行っているらしい部屋だった。たくさんの資料がそこかしこに広げられ、何に使うのか大掛かりな機材が置かれている。
その間を何人もの研究員が歩き回っているのだった。
「やあ、来たね」
さっきの白衣の男が近付いて来た。
「もう準備はできているよ」
そう言って例の冷たい笑みを浮かべた。
「“あの子”もお待ちかねだ」
「“あの子”…?」
まるでサトシの声に反応したかのように重々しい音が響く。
奥の壁と思われたものがゆっくり上昇し始めた。壁の無くなった部分が光を反射し、ガラス張りなのだと気付く。
「こっちへおいで」
白衣の男が手招きした。
サトシは奥へ歩を進めると壁際に立った。ガラスの向こうにもう一つの部屋が見える……
「っ!?」
「可愛いだろ?」
いつの間にか隣に立っていた男がうっとりとつぶやいた。
「僕が作ったんだ」
壁の向こうにいたもの。それは…世にも醜い生き物だった。
赤黒い肉の塊のようなそれはどこが顔なのかも分からず、手も足もなく、しかし全体が脈打ちながら蠢いていた。
「色々な生き物の遺伝子を集めてね、新しい生き物を作ったんだ」
男は一人、恍惚と説明を続ける。
「なかなか成功しなくて…苦労してやっと生まれた子なんだ」
だから可愛くてね。男の言葉にサトシの背中を冷たい汗が伝う。
「この子と遊んであげて欲しいんだ」
サトシにほほ笑む。
「ちょっと気難しくて、うちの研究員たちでは気に入らないみたいでね」
気が付くと両脇に黒服が立っていた。
「君が無事気に入ってもらえるよう祈っているよ」
黒服はサトシの両腕を拘束するとガラス壁の端-重々しい扉へと歩き出した。
「-っ!」
二重の扉をくぐり抜け、サトシはガラス壁の向こうに投げ出された。
抵抗を試みたがさすがのサトシも大の男2人にかなうはずもなく-
ズッ…
重いものを引きずるような音。サトシはゆっくり振り向いた。
間近で見たそれはとても大きかった。
巨体が揺れ、再び引きずるような音をたてて近付いて来る。
思わず逃げようとした。自分の投げ込まれた出入り口、重い扉を押してみるがびくともしない。
背後の気配に振り向くと“それ”はもう、すぐそばまで来ていた。
突如巨体の上部、頭頂部とおぼしき場所が割れた。まるで巨大な口をあけて今にも襲いかかってくるように見えた。が-
口と思ったそこから、無数の蔓(つる)が吐き出された。
「なっ…?」
蔓が動き、まるでそれぞれが意思を持っているかのようにサトシの腕、体に巻き付く。
このまま締め上げられるのか…覚悟を決めたかのように目をギュッと瞑ったその時
「…え?」
蔓は締め上げようとはせず、なぜか体のまわりを這いだした。
ヌルヌルと粘液を出しながらサトシの体を探る。服の上からとはいえとても気持ち悪い。
「やめろっ」
抵抗を試みた。一本の蔓を無理やり引き剥がす。だが…それがかえって相手を刺激してしまった。
「わっ-」
両手両足を拘束される。そのまますごい力で空中に持ち上げられた。
ビリッという音。サトシは下に目をやった。
「あ…?」
裸の下半身…破られた服がかろうじて爪先に引っかかっている。
「何を…」
『君と遊びたいんだよ』
突然の声。サトシは驚いてガラスに目をやった。
『ああ…言ってなかったね。マイクがあるからそちらにも聞こえるんだよ』
そしてわざとらしく間をあけると
『もちろんそっちの音もしっかり聞こえてるからね』
と告げた。
蔓がヌルヌルと粘液をだしながらサトシの足を這った。
「は…やめろ…」
先ほどより声が弱々しい。というのもだんだん蔓の這う場所がむずがゆくなって来たからだ。
蔓が再び両足に絡みついた。そして
「あ…!?」
ガラスに向かいサトシの足を大きく開いた。
『へえ…』
男の感心したような声。
『いやらしいんだね。パンパンじゃないか』
ガラス越しに、サトシのはちきれんばかりに勃起したものが男たちの目に晒されている。
「嫌だっ…見るな!」
恥辱に体が震える。
『こんなものめったに見られないからね。最後までじっくりと見させてもらうよ』
サトシの表情が絶望の色に染まる。
蔓は男たちの反応を意に介する様子も無く、サトシをなぶる事に夢中になり始めた。
上体に絡み付いていた蔓が上着までも破り捨てた。胸を這い、乳首を吸い上げる。
「あっ…はぁ…嫌だ…」
両足に巻き付いた蔓がギリギリまでサトシの足を開いた。そして…
一本の蔓が粘液を垂らしながらサトシの中心部に触れ、そのまま激しく舐め回し始めた。
「ひぃ…あっ」
たまらない…耐えきれずサトシは腰を振った。
(あの粘液には催淫効果があるからな)
しかしあえてサトシには言わなかった。
サトシの足の間、中心部は粘液にまみれ、テラテラと淫猥に光を反射している。
「…ぁ…もうやめてくれ…」
サトシの哀願も通じず、ひとしきり舐め回して満足したのか蔓は次の行動へ移った。
サトシのものを舐め回していた蔓が糸を引きながら離れていく。そして今度は真下から後孔に触れてきた。
両足を拘束する蔓が僅かに動いてサトシは下を見た。
そして今まさに自らを犯そうとしている蔓に目がとまった。
「ああ……」
肉色のグロテスクな形状。嫌な予感に体が震えた。
「ぐ…っ…あ…」
力を込め硬度を増したものの先端がサトシの中にはいってきた。痛み、そして恐怖に、見開いた目から涙が零れる。
蔓は粘液を撒き散らしながら容赦なくサトシの中へ侵入する。先端までおさめると、ゆっくり円を描くように掻き回した。
「あっ…やめ…」
もどかしい刺激にいやらしく腰が揺れる。
サトシの反応を楽しむように、蔓は次第に行為をエスカレートさせていった。
粘ついた音をたてながらゆっくり抜き差しする。
粘液の効果もあってか次第に痛みが遠のき、気が付くとサトシは蔓の動きに合わせて夢中で腰を振っていた。
蔓の動き…激しいピストン運動と共に時折悲鳴をあげる程の強烈な感覚。
サトシの中の善いポイントを蔓は非情なまでに的確に攻めた。
交合はさらに深くなり信じられないような所にまで侵入を感じる。
「は……おなか…っ」
自分の中で形を感じ取れるほどの激しい性交。
もう何も考えられなかった。ただ自分を支配する感覚-認めたくないが
(気持ちい…)
ガラス越しの男たちのギラつくような視線。それさえどうでも良かった。
次第に快感の波が短くなり、終わりが近い事を報せる。
蔓が再び胸を這った。固く凝った突起を押し潰し、吸い上げる。
足に絡みついた蔓が股の内側を這い、粘液の跡をつけた。
「はぁ…あ…も…無理…」
全身を強ばらせ、粘液にまみれた体を震わせた。
腹部が痙攣し、絶頂をむかえる。深く入り込んだ蔓を思い切り締め付け、淫らに腰を突き出しながら射精した。
「あぁ……アアアア!!」
初めての強烈な感覚-だが普通でない行為によってもたらされたそれは、永くサトシを苛んだ。
激しい吐精は目の前のガラスだけで無く、自らの顔までも白濁で汚した。
永い絶頂を終え、自分の放ったものと粘液によってサトシの全身はベトベトに濡れそぼっていた。
『後ろだけで…すごいね』
揶揄するような声。
『それにもうすっかり仲良しだ』
蔓がねだるように中でうごめく。
『これからも頼むよ、ええと…』
そういえば名前がまだだったね、と続けようとした時、突如所内に警報の音が鳴り響いた。
『何事だ』
『それが-』
サトシはぼんやりと男たちの声を聞いていた。
と、
『何だお前は!』
激しい爆発音と共に研究室に誰かが入り込んだようだ。怒声、そして慌ただしい足音-
ガラスの壁の重い扉が開き、誰かが飛び込んできた。
「サトシ君…!」
名前を呼び、絶句する気配。
それが誰なのかを確かめる事なく、サトシは意識を手放した。
「…ん」
心地よい風に目を開いた。明るい…外だ。
ゆっくり体を起こすと
「目が覚めたかい?でもまだ起きあがっちゃ駄目だよ」
声のした方へ視線を巡らす。そこにいたのはポケモンレンジャーのハジメだった。
「ハジメさんが助けてくれたんですか?」
ありがとうございます、と礼を言うと
「たまたまミッションの途中でね。とある研究所からポケモンを助け出すっていう…」
そう言って言葉を濁すハジメにサトシは自分がどういう状況だったのか思い出した。
冷たい眼差しの白衣の男、黒服の男達、そして醜い生物…
自らの身に起こった信じられないような出来事の数々。何より
(俺…
サトシは身震いすると、まるで寒さを凌ぐように体を抱きかかえた。
あの醜悪な生き物によって与えられた快楽…辱め。
しかし恥ずかしい姿を男達に見られながら、体は確かに悦びを感じていたのだ…
ギリッ
歯を食いしばり、指先の色が変わるほど強く体を抱きしめた。と、
「…?」
力の込められた腕に手が置かれ、自身を拘束するようにしていた腕を解かれた。
手の主を見上げるより早く、覆い被さってきた影に優しく抱き締められた。
「ハジメさん…」
「大丈夫」
ポンポンと優しく背中を叩かれる。
「サトシ君はサトシ君、だろ?」
そう言って微笑む気配。
しばらくそのまま優しい抱擁は続いた。
“サトシ君はサトシ君、だろ?”
(俺は俺…)
サトシはゆっくり深呼吸した。新しい酸素が体全体を満たして行く-
「ハジメさん」
サトシはハジメの目を見た。
「俺、もう大丈夫です。いつまでもクヨクヨしててもしょうがないし」
それからハッとしたように
「それよりもポケモンたちは?」
と聞いた。ハジメは苦笑すると
「本当に君は…」
え?と返すサトシに
「いや…ちょっとポケモンたちが羨ましくなっただけ」
ポケモンはみんな無事救出したよ。そう言って立ち上がった。
「ほら、仲間が迎えに来た」
遠くから「おーい」と呼ぶ声。
2人は手を振ってタケシたちに場所をしらせたのだった。
サトシは訓練に最適な場所を求めてピカチュウと2人、森の中を歩いていた。
「なかなか適当な場所が無いなあ…」
タケシ達から離れてだいぶ時間が経つ。空腹を訴えるお腹を抱えるとサトシは
「もう戻ろうか」
と傍らのピカチュウに話し掛けた。と、その時
「ピカ!?」
「何だ…?」
ポケモンの甲高い鳴き声に2人は足を止めた。
「あっちだ。行ってみよう」
2人は駆け出した。
「なっ…これは」
ポケモン達がぐったりと横たわっている。サトシは駆け寄ろうとした。
「誰だ!」
黒い服に身を包んだ男が立っていた。いや-
「どうした」
一人では無い。数人の黒服の男たちがまわりの木立から姿を現した。
「お前ら…ポケモンに何をした!」
「別に。ちょっと眠ってもらっただけさ」
「嘘だ!」
ポケモンを庇いながらキッと睨み付けてくるサトシに、男は唇の端を歪めて笑った。
「威勢のいい坊やだな。お前には用がない、が-」
サトシの傍らに視線がおりる。
「良いピカチュウを連れている。そいつには用があるな」
そう言って近付こうとした。
ジリッと男が近寄る。ピカチュウは頬に電気を溜めながら低く構えた。とその時
隙をついてサトシが黒服に体当たりをくらわせた。
「ピカチュウ、逃げろ!」
「ピカ!?」
サトシを置いてなどいけない。
首を振るピカチュウに
「俺は大丈夫だから。頼む、みんなに知らせてくれ!」
尚もピカチュウはためらい、その場を動こうとしなかったが
「ピカチュウ!」
サトシの強い口調に意を決したように走り出した。
追おうとする男たちの前にサトシが立ちふさがる。
「っ!まったく」
男が舌打ちした。
「大人しく渡していればいいものを-」
次の瞬間、後頭部に鈍い衝撃を感じ、サトシは意識を失った。
目が覚めると固いベッドの上だった。
「痛てて…」
サトシは殴られた後頭部をさすりながら起き上がった。
周囲を見回してみる。自分の寝かされているベッド以外何も無い、簡素な部屋だった。
扉は一つしか無く、窓には格子がはめられている。
「ここは…」
ベッドからおりようとした時、まるでタイミングをはかったかのように扉がノックされた。
「入るよ」
サトシの返事も待たずに白衣の男が先ほどの黒服を伴って部屋に入ってきた。
「気分はどうかな?」
「いい訳ないだろ」
男たちを睨み付ける。
「ここから出せ!」
サトシの言葉を全く意に介する様子もなく、白衣の男は話し始めた。
「困ったなあ…まさか人に見られるなんて」
そう言って嫌な目つきで黒服を睨んだ。
「誰にも見られるな…と、言わなかったか?」
「すみません」
あの黒服が恐縮している。よほどの権力を持った人間なのだろう。
「この子に見られた上ポケモンに逃げられただって?どう責任をとるつもりなんだい?」
神経質そうに爪先を小刻みに動かしている。
黒服は額に汗を浮かべ
「今回の事は本当に申し訳ありませんでした。次からは-」
「次があると思ってるのか?」
黒服の表情が凍りつく。
「まあいい。それより問題はこの子だ」
白衣の男がサトシを見た。
「処分する訳にもいかないし…」
処分…普通でない言い様にサトシの背筋に冷たいものが走る。
「…そうだ」
白衣の男は嫌な笑みを浮かべた。
「この子に研究を手伝ってもらおうかな」
ポケモンが好きなようだし、と含みのある言い方をする。
「お前らの手伝いなんか…」
「どうなってもいいのかい?」
男の冷たい笑顔。目の前にナイフを突きつけられたように、サトシは言い返す事ができなかった。
じゃあ早速始めよう…男は楽しそうに部屋を出て行った。
しばらくして黒服だけが再び部屋にやってきて、別段拘束する事もなくサトシを部屋から連れ出した。
逃げられないという自信があるのだろう。付いて来いという仕草をしたあと、黙ったまま男は歩き出した。
仕方なくサトシも後について歩き出す。しかしさりげなく周囲に目をやりながら逃げる方法を考えていた。
さっきは白衣の男の異様さに気圧されて言い返せなかったが、手伝ってやる気など当然、毛頭無かった。
(何も無いな)
左右には同じような扉。暗い廊下がどこまでも続いている。
無言で歩き続けるとしばらくしてようやく少し明るい場所に出た。
息の詰まるような暗さから解放されホッと息をつく。だが、
「…着いたぞ」
唐突に口を開いた黒服が一つの扉の前で足を止めた。
扉を開き、入れと無言で指示する。
サトシはとりあえず従う素振りを見せ、中に入った。
目のくらむような明るさ-思わず手をかざし、そろそろと目を開いた。
何かの実験を行っているらしい部屋だった。たくさんの資料がそこかしこに広げられ、何に使うのか大掛かりな機材が置かれている。
その間を何人もの研究員が歩き回っているのだった。
「やあ、来たね」
さっきの白衣の男が近付いて来た。
「もう準備はできているよ」
そう言って例の冷たい笑みを浮かべた。
「“あの子”もお待ちかねだ」
「“あの子”…?」
まるでサトシの声に反応したかのように重々しい音が響く。
奥の壁と思われたものがゆっくり上昇し始めた。壁の無くなった部分が光を反射し、ガラス張りなのだと気付く。
「こっちへおいで」
白衣の男が手招きした。
サトシは奥へ歩を進めると壁際に立った。ガラスの向こうにもう一つの部屋が見える……
「っ!?」
「可愛いだろ?」
いつの間にか隣に立っていた男がうっとりとつぶやいた。
「僕が作ったんだ」
壁の向こうにいたもの。それは…世にも醜い生き物だった。
赤黒い肉の塊のようなそれはどこが顔なのかも分からず、手も足もなく、しかし全体が脈打ちながら蠢いていた。
「色々な生き物の遺伝子を集めてね、新しい生き物を作ったんだ」
男は一人、恍惚と説明を続ける。
「なかなか成功しなくて…苦労してやっと生まれた子なんだ」
だから可愛くてね。男の言葉にサトシの背中を冷たい汗が伝う。
「この子と遊んであげて欲しいんだ」
サトシにほほ笑む。
「ちょっと気難しくて、うちの研究員たちでは気に入らないみたいでね」
気が付くと両脇に黒服が立っていた。
「君が無事気に入ってもらえるよう祈っているよ」
黒服はサトシの両腕を拘束するとガラス壁の端-重々しい扉へと歩き出した。
「-っ!」
二重の扉をくぐり抜け、サトシはガラス壁の向こうに投げ出された。
抵抗を試みたがさすがのサトシも大の男2人にかなうはずもなく-
ズッ…
重いものを引きずるような音。サトシはゆっくり振り向いた。
間近で見たそれはとても大きかった。
巨体が揺れ、再び引きずるような音をたてて近付いて来る。
思わず逃げようとした。自分の投げ込まれた出入り口、重い扉を押してみるがびくともしない。
背後の気配に振り向くと“それ”はもう、すぐそばまで来ていた。
突如巨体の上部、頭頂部とおぼしき場所が割れた。まるで巨大な口をあけて今にも襲いかかってくるように見えた。が-
口と思ったそこから、無数の蔓(つる)が吐き出された。
「なっ…?」
蔓が動き、まるでそれぞれが意思を持っているかのようにサトシの腕、体に巻き付く。
このまま締め上げられるのか…覚悟を決めたかのように目をギュッと瞑ったその時
「…え?」
蔓は締め上げようとはせず、なぜか体のまわりを這いだした。
ヌルヌルと粘液を出しながらサトシの体を探る。服の上からとはいえとても気持ち悪い。
「やめろっ」
抵抗を試みた。一本の蔓を無理やり引き剥がす。だが…それがかえって相手を刺激してしまった。
「わっ-」
両手両足を拘束される。そのまますごい力で空中に持ち上げられた。
ビリッという音。サトシは下に目をやった。
「あ…?」
裸の下半身…破られた服がかろうじて爪先に引っかかっている。
「何を…」
『君と遊びたいんだよ』
突然の声。サトシは驚いてガラスに目をやった。
『ああ…言ってなかったね。マイクがあるからそちらにも聞こえるんだよ』
そしてわざとらしく間をあけると
『もちろんそっちの音もしっかり聞こえてるからね』
と告げた。
蔓がヌルヌルと粘液をだしながらサトシの足を這った。
「は…やめろ…」
先ほどより声が弱々しい。というのもだんだん蔓の這う場所がむずがゆくなって来たからだ。
蔓が再び両足に絡みついた。そして
「あ…!?」
ガラスに向かいサトシの足を大きく開いた。
『へえ…』
男の感心したような声。
『いやらしいんだね。パンパンじゃないか』
ガラス越しに、サトシのはちきれんばかりに勃起したものが男たちの目に晒されている。
「嫌だっ…見るな!」
恥辱に体が震える。
『こんなものめったに見られないからね。最後までじっくりと見させてもらうよ』
サトシの表情が絶望の色に染まる。
蔓は男たちの反応を意に介する様子も無く、サトシをなぶる事に夢中になり始めた。
上体に絡み付いていた蔓が上着までも破り捨てた。胸を這い、乳首を吸い上げる。
「あっ…はぁ…嫌だ…」
両足に巻き付いた蔓がギリギリまでサトシの足を開いた。そして…
一本の蔓が粘液を垂らしながらサトシの中心部に触れ、そのまま激しく舐め回し始めた。
「ひぃ…あっ」
たまらない…耐えきれずサトシは腰を振った。
(あの粘液には催淫効果があるからな)
しかしあえてサトシには言わなかった。
サトシの足の間、中心部は粘液にまみれ、テラテラと淫猥に光を反射している。
「…ぁ…もうやめてくれ…」
サトシの哀願も通じず、ひとしきり舐め回して満足したのか蔓は次の行動へ移った。
サトシのものを舐め回していた蔓が糸を引きながら離れていく。そして今度は真下から後孔に触れてきた。
両足を拘束する蔓が僅かに動いてサトシは下を見た。
そして今まさに自らを犯そうとしている蔓に目がとまった。
「ああ……」
肉色のグロテスクな形状。嫌な予感に体が震えた。
「ぐ…っ…あ…」
力を込め硬度を増したものの先端がサトシの中にはいってきた。痛み、そして恐怖に、見開いた目から涙が零れる。
蔓は粘液を撒き散らしながら容赦なくサトシの中へ侵入する。先端までおさめると、ゆっくり円を描くように掻き回した。
「あっ…やめ…」
もどかしい刺激にいやらしく腰が揺れる。
サトシの反応を楽しむように、蔓は次第に行為をエスカレートさせていった。
粘ついた音をたてながらゆっくり抜き差しする。
粘液の効果もあってか次第に痛みが遠のき、気が付くとサトシは蔓の動きに合わせて夢中で腰を振っていた。
蔓の動き…激しいピストン運動と共に時折悲鳴をあげる程の強烈な感覚。
サトシの中の善いポイントを蔓は非情なまでに的確に攻めた。
交合はさらに深くなり信じられないような所にまで侵入を感じる。
「は……おなか…っ」
自分の中で形を感じ取れるほどの激しい性交。
もう何も考えられなかった。ただ自分を支配する感覚-認めたくないが
(気持ちい…)
ガラス越しの男たちのギラつくような視線。それさえどうでも良かった。
次第に快感の波が短くなり、終わりが近い事を報せる。
蔓が再び胸を這った。固く凝った突起を押し潰し、吸い上げる。
足に絡みついた蔓が股の内側を這い、粘液の跡をつけた。
「はぁ…あ…も…無理…」
全身を強ばらせ、粘液にまみれた体を震わせた。
腹部が痙攣し、絶頂をむかえる。深く入り込んだ蔓を思い切り締め付け、淫らに腰を突き出しながら射精した。
「あぁ……アアアア!!」
初めての強烈な感覚-だが普通でない行為によってもたらされたそれは、永くサトシを苛んだ。
激しい吐精は目の前のガラスだけで無く、自らの顔までも白濁で汚した。
永い絶頂を終え、自分の放ったものと粘液によってサトシの全身はベトベトに濡れそぼっていた。
『後ろだけで…すごいね』
揶揄するような声。
『それにもうすっかり仲良しだ』
蔓がねだるように中でうごめく。
『これからも頼むよ、ええと…』
そういえば名前がまだだったね、と続けようとした時、突如所内に警報の音が鳴り響いた。
『何事だ』
『それが-』
サトシはぼんやりと男たちの声を聞いていた。
と、
『何だお前は!』
激しい爆発音と共に研究室に誰かが入り込んだようだ。怒声、そして慌ただしい足音-
ガラスの壁の重い扉が開き、誰かが飛び込んできた。
「サトシ君…!」
名前を呼び、絶句する気配。
それが誰なのかを確かめる事なく、サトシは意識を手放した。
「…ん」
心地よい風に目を開いた。明るい…外だ。
ゆっくり体を起こすと
「目が覚めたかい?でもまだ起きあがっちゃ駄目だよ」
声のした方へ視線を巡らす。そこにいたのはポケモンレンジャーのハジメだった。
「ハジメさんが助けてくれたんですか?」
ありがとうございます、と礼を言うと
「たまたまミッションの途中でね。とある研究所からポケモンを助け出すっていう…」
そう言って言葉を濁すハジメにサトシは自分がどういう状況だったのか思い出した。
冷たい眼差しの白衣の男、黒服の男達、そして醜い生物…
自らの身に起こった信じられないような出来事の数々。何より
(俺…
サトシは身震いすると、まるで寒さを凌ぐように体を抱きかかえた。
あの醜悪な生き物によって与えられた快楽…辱め。
しかし恥ずかしい姿を男達に見られながら、体は確かに悦びを感じていたのだ…
ギリッ
歯を食いしばり、指先の色が変わるほど強く体を抱きしめた。と、
「…?」
力の込められた腕に手が置かれ、自身を拘束するようにしていた腕を解かれた。
手の主を見上げるより早く、覆い被さってきた影に優しく抱き締められた。
「ハジメさん…」
「大丈夫」
ポンポンと優しく背中を叩かれる。
「サトシ君はサトシ君、だろ?」
そう言って微笑む気配。
しばらくそのまま優しい抱擁は続いた。
“サトシ君はサトシ君、だろ?”
(俺は俺…)
サトシはゆっくり深呼吸した。新しい酸素が体全体を満たして行く-
「ハジメさん」
サトシはハジメの目を見た。
「俺、もう大丈夫です。いつまでもクヨクヨしててもしょうがないし」
それからハッとしたように
「それよりもポケモンたちは?」
と聞いた。ハジメは苦笑すると
「本当に君は…」
え?と返すサトシに
「いや…ちょっとポケモンたちが羨ましくなっただけ」
ポケモンはみんな無事救出したよ。そう言って立ち上がった。
「ほら、仲間が迎えに来た」
遠くから「おーい」と呼ぶ声。
2人は手を振ってタケシたちに場所をしらせたのだった。
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