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  • 2014⁄01⁄09(Thu)
  • 01:07

筆みはし

お昼休み、沖君に呼び出された。
珍しいな。どうしたんだろう。
田島君がついてきたがったけど、沖君が困ってたから、ダメだよって置いてきた。
屋上へ通じる踊り場で、沖君があの、えっとって繰り返してる。
これが沖君じゃなくて女の子だったらちょっとドキドキした、かも。
沖君は、やっと覚悟決めた!って顔で俺に頭下げた。
「三橋っ!オレの筆になってくれ!」
い、イミ、わかんない……

おどおどしてたら、沖君があわてて説明してくれた。
「お、オレ書道やってて」
「しょっ書道!スゴイ!…って、しゅ、習字?」
「えと、そう。それで、今度作品、出せって、言われてて」
オレがあんまりキョドるから、沖君にも喋り方、うつっちゃってる。
それでオレが筆?
「お、おおお、オレ、髪、みじかい、よー?」
頭のてっぺんの髪をつまんで見せる。
髪の毛、筆にされるのはいいけど、長さ足りないと思う。
オレより泉君のほうがよさそう。

「あ、ち、ちがう!えと、筆にするのは、髪じゃなくて」
沖君が、目、つむって、ふるふると指差す。
指差してる先は、オレだ。
沖君の指が、オレの頭のてっぺんからつま先までをすーっとなぞるように指した。
「三橋、の、からだ」

さーっと血の気が引く音がした。
き、きもちわるい……
体が揺れて、背中がどんって壁につく音がして、そのままずるずるへたり込んでしまった。
田島君置いてこなきゃよかった。
いや、置いてきて正解だった?
「ち、違うっ三橋!いや、えと、違わないんだけど」
沖君がすごい形相で腕をぶんぶん振りまわしてる。
ツバ、とんでる、こわい。
怖くて声も出ないって久しぶり、だ。
どうしよう、沖君変態だったんだ。
ちょっとオレと似てるかもって思ってたけど、オレ、だ、だまされて、た?

た、たすけ、よぶ。
田島君と阿部君から、なんかあったらスグ携帯かけろって口うるさく言われてる。
よ、よくわかんないけど、どっちかにかけよう。
オレにはムリだ。
なんとかズボンの尻ポケットから携帯電話を取り出して、フリップを開ける。
そしたら。
「ちょっとタンマーーーーーー!!」
「ひいいいいいいっ」
沖君、が、すごい勢いでオレの携帯を奪い取った。
ど、どうなるんだ、オレ。

「阿部だけはやめて。呼ぶなら、田島にして」
沖君、か、顔、ちかい。
顔近づいたら、沖君も涙目になってるの、見えた。
「でも、まず、オレの話、聞いて」
たのむ、とまた深々と頭を下げられた。
ちょっと、こわく、なくなった、かも。
「あの、け、ケータイ…」
「うわっ、ご、ごめんっ」
奪われたばかりの携帯が、胸元に押し付けられる。
沖君、変態だけど、悪い人じゃ、ない、よね。
チームメイトだし。と、投手同士、だし。
と、投手に、わるいひと、いない、よ。

沖君の説明はむずかしくてよくわからなかったけど、とにかくえらい先生に作品をださなきゃいけなくて、それがアートなんだって。
アートだからいろいろ道具にも意味がないとダメで、それでオレが筆だと意味がある、の?ホントに?オレ、だまされてる?
「N○Kでも放送されたことあるんだけど」
「み、みたこと、ない…」
オレ、テレビ自体あんま見ない。
でもテレビでやってることなら、きっと大丈夫だよね。
沖君、すっごく困ってるみたいだし。
オレも、誰かの役にたつの、すっごく、うれしい!
「お、オレ、やる、よ。筆、やる」
「あ、ありがとう三橋ー!」
沖君が感激して、オレの手をむぎゅってにぎりしめた。
まだちょっとこわいけど、がまん、がまん。

とりあえず今度の日曜に沖君の家に行くことになった。
一人で行くのは怖かったから、誰か連れてっていい?って聞いたら阿部以外なら誰でもって。
沖君、阿部君のこと嫌いなのかな。
それともまだちょっと気まずい、とか、かな。
オレは田島君を誘った。

学校で待ち合わせて、自転車で沖君の家まで行く。
チャイム鳴らしたら沖君が出て、そのまま部屋に通された。
「おっじゃまっしまーす!」
「お、……しま、す」
沖君の部屋って、どんな部屋なのかな。
オレ、他人の部屋ってどんなのか、あんまりしらない。
ちょっと緊張しながら入ると、床一面にブルーシートが敷かれてた。
その真ん中に水入れと硯と筆が数本。太いのや細いのや、いろいろ。
オレ、帰っちゃ、ダメ、かな。

「なーなーなー、何やんの?」
田島君がベッドの下や机の下を漁りながら沖君に聞く。
オレもよくわかってないから、当然オレから説明された田島君はもっとわかってない。
「今日は、うちあわせ、みたいなのしようと思って」
「うちあわせ?習字の?」
コクンと沖君がうなずく。
「まずコンセプt」
「うおーヘンな筆!たっかそうー!」
「……」
田島君はものすごい早さで沖君の説明に飽きた。
高価そうな筆を手にとって、器用にくるくるまわして遊んでる。

「あっあの、オレもね、説明、きいても、よく、わかんない」
「そっか。たぶん、今日はまだ墨つかうとこまでいかないと思う」
「お、オレ、どしたらいい?」
よくわかんないから、ゆーとーりにしろって言われるほうが、ラク。
「とりあえず服脱いでからだ確認させて」

ピキンって、音がした、気が、した。
田島君が左手でぐるぐるぐるぐる筆を回転させてる。目線は沖君から離れない。
「沖さー…、三橋、イジメてんの?」
「ひっ」
「ちっがう、よ!」
沖君のほうが体大きいのに、へたり込んでぷるぷる震えてる。
お、おおおオレ、かばって、やんなきゃ!
「オレ、つかって、習字、するんだ」
「三橋つかって? 習字を?」
田島君がこっち向いた。左手で回転する筆の速度が、ちょっと落ちた。
「オレが、筆、なんだ」
「三橋が筆? …あ、わかった!チンコ習字か!」
え、そうなの!?
違うって言ってよ沖君!
沖君のほうをうかがうと、しせん、はずされた。
おおおおおおおれおれおれおれそうなの!?
か、からだってチンコってイミだったの!?

「沖って意外と大胆なんだなー」
ふいに目の前に影がさした。
田島君が、いつのまにか、オレの肩に腕、まわしてる。
そのまま、ぐいって体ひっぱって、半身でかばうみたいにして、オレから沖君が見えないようにしてくれた。
け、ど、……あれ?
「いや、ちが、チンコじゃなくって」
肩に回った手が、オレのシャツの袖口をまくりあげてる。
むきだしになった肘や二の腕を手のひらでゆっくりなでてくる。
田島君、ヘン?
いつもよく体さわるけど、いつもと、さわりかた、ちがくない、か?
肘、ひえてたのかな?それで、あっためて、くれてる?
うん、そうだ。きっと。
変態は沖君だけで十分だ。
「ちげーの?」
「いや、ちがわないけど、他も、使いたいっていうか」
「イミわかんねー。なんかねーの、見本とかさ」
「こ、これっ」
田島君の腕がスッとはなれて、沖君が差し出したパンフレットみたいなのを手に取った。

(パンフレット片手に沖ががんばって説明しましたが描写省略。)

沖君の長い長い説明が終わって、部屋の空気がしんとしずまりかえった。
お互いがお互いの出方をうかがって、見えない圧力があって、耳がつーんってする。
こういうふんいき、苦手、だ。
なんかしゃべりたい、けど、オレ、あんなの見せられてどうしたらいいんだろ。

パンフレットには、、体中に墨をぬられたはだかの女の人や男の人がクレーンで吊り下げられて、ばかみたいにでっかい半紙にべしゃってはりついてる写真が何枚も載ってた。
墨だけど、人間の体はおうとつがあるから、おっぱいの形やおしりの形や、…ちんこの形、も、わかる。うっすら。
これを、オレに、しろと。
沖、君、は。

「ムリじゃね?」
あっさりと田島君が言ってくれた。
オレももうもげてもいいって勢いで首をたてに振る。
ムリムリムリムリ、です。
「クレーンないじゃん。この部屋」
「うひょっ」
そこ!? そこなんだ田島君!?
あんまりびっくりしたから、オレすっごいヘンな声でちゃった。
「だから、ここまで先鋭的なのは、まだムリだから」
「それでチンコ習字?」
「だからチンコに限らないんだって」
二人してチンコチンコ連呼してるけど、それオレのチンコの話なんだよね。オレ、話にいれてもらえてない、けど。
「オレ、三橋のからだにすっごいムラムラするんだよ!」

興奮した沖君が絶叫した。ブルーシートにつばがぺぺぺってとぶ。
ダメだ。
ガマンしてた涙が、ぼろってひとつぶ、落ちた。
ホイホイ来ちゃって、オレ、バカだ。
お母さんごめんなさい。たすけて。

「あれ。泣いてんの、三橋」
田島君が体倒して、下からオレの顔覗き込んでくる。
泣くと思考がとまっちゃう。から、泣いちゃダメだ。
泣いちゃダメだって思うと、よけい涙とまんなくなっちゃうから、泣いちゃダメだって思っちゃダメだ。
って思っちゃダメでダメがオレで
……オレ、やっぱダメな奴、だ。
ひざの上にぼたぼた涙が落ちてハーパンにしみが広がっていく。
みっともない。
みっともないから、帰ろう。
うん、これでいい。
沖君も、こんなみっともないチンコ、いらないよね。
そう思ってちらっと沖君の様子をうかがう。

ふーっふーって、おっきい鼻から息がでてた。
おっきい鼻、とか、言っちゃいけないんだけど、でも、すっごく、おっきく、ふくらんでる
目も、 こ わ い…です。
なんか、前のめりになってる、し。

「大丈夫だよ、三橋」
かたまってたら、ぎゅって田島君がオレの手をつかんだ。
それから、オレの服のすそをつかんだ。
そのまま、べろん、とあっさり上半身裸にむかれた。
声を出す暇もなかった。
た、田島君、は、スゴイな。
スゴイ……、ヒドイ、な。
「オレもつきあうからさ!」
にーって笑って、田島君があっという間にパンツいっちょになった。オレンジ色のトランクスが目にまぶしい、です。

「田島のは別に…」
不満そうなちいさい声が聞こえたけど、聞こえなかったことにした。
田島君と一緒なら、できる…かも。
そうだよ、オレ約束しちゃったんだし。
それに友達の役にたてるなんて、はじめて、だ!
それってスゴイ、事だ、よ。うん、スゴイ!スゴイ!
オレはなんだか急にたかまってきた。
勢いよく立ち上がって、正座している沖君を見下ろし、宣言する。
「おおおオレっがんばる、からっ!」
ばばっと頭下げる。ちょっとビビってる沖君に。
「オレのチンコ、使ってやって、くだ、さいっ!」


※沖視点にチェンジ

「ちょ、ちょっと待て、待って、お前ら」
三橋が頭下げたままオレをみる。う、うわめづかい、やめろ。
「ごかい、誤解ゴカイが、ある。あるよ」
「なに。ゴカイって」
「オレが言うムラムラは、芸術的な、興奮で」
「沖が変態ってこと?」
「ちっがくて……田島、チンコしまってくれ」
田島のほうを見たらいつの間にか全部脱いでやがった。
ぶっといのがぶらんぶらんしてて、ムカツク。
オレの視線に気づいた三橋も見てしまったのか、顔を赤くして股間のあたりを手で覆った。
え、まさか勃ったとか?
「いーじゃん気にすんなよ!」
「……見たくねんだよ田島のは。じゃなくて、話、進まない、から」
こいつらに前衛書道だの構成要素だのの話したって無駄なのはよくわかった。
ホントは腕とか、三橋のからだの一部なら作品として成立するんだけどもういい。チンコでいいよもう。
後悔すんなよ三橋。
お前がオレのチンコ使えって言ったんだからな。

オレは筆と半紙を手にとって、まだチンコぶらぶらさせてる田島に渡した。
こいつパンツ履く気ねーな。
「ちょっと田島が思うようにやってみてよ」
「おー?好きにやっちゃっていーの?」
「いいよ。三橋もその方が緊張しないと思うし」
それに田島はイメージかたまってるみたいだしな。参考にさせてもらおう。

こいつらにお茶も何も出してないことに気づいたので、オレは台所へ茶菓子やジュースやらを準備しに行った。
部屋を空けるときに、始めとけよって声をかけて。
冷蔵庫から麦茶と、一応客用の茶碗も水屋の奥から引っ張り出して、お菓子と盆を探すのに多少手間取ったけどまあせいぜい5分くらいだ。
そう、オレが部屋を空けたのはほんの5分くらいなんだよ!

落ち着こう。サードランナーだ。
……うん、落ち着いた。
両手ふさがってたからドアを開けてもらおうとしたら、扉越しに甘ったるい声が耳に飛びこんできた。
直感で、田島の野郎AV見てやがるってピンときた。
オレの部屋、DVD一体型のテレビあるしな。
普段の田島の言動見てれば誰だってそう思うはずだ。
だからオレは苦笑しつつ自分でドア開けて、部屋に入ったんだ。
そしたら、三橋がえらいことになってた。

まず部屋が水でびしょびしょ。
正確にはブルーシートが水浸しになってたんだけどさ。
敷いててよかったブルーシート。いやマジで。
それから何故か三橋は目隠しされてた。多分自分のシャツで。
胸の辺りがぬらぬら光ってて、着ていたズボンもぐっしょぐしょ。
んでフルチンの田島が両手に濡れた筆持って三橋に覆いかぶさってる。

こいつってやっぱメット脱ぐとバカなのかなあ。
うりゃ!うりゃ!って言いながら三橋の乳首やチンコを筆でいじってる。
水を含んだ筆をぺちょって乳首やわき腹に押し付けて円を描くように回したり、
そのまますーって速度変えて体をなぞったり、筆の尻でぐいぐい押したり。
その度に三橋が体よじらせて悲鳴みたいな声をあげてる。
どうやったらたった5分までここまでカオスな状況作れるんだよ。
三橋もなんで言いなりになってるんだ。

あーあーあーみたくねえもん見た。
だからパンツ履けよって言ったのに田島の野郎。
ご立派ですねふざけんな。
それにしてもズボン越しとは言え三橋のチンコちっちぇえな。
いや田島のと比較してるからちっちゃく見えるのか?
それとも勃起度合いが違うのか?
真剣にサイズ比較を始めたら、ようやく田島がオレに気づいた。
「おーす沖ー。お前もまざるー?」

まざるー?ってそんなキャッチボール誘うみたいに気軽に声かけんな。
「田島、お前ナニしてんの」
声が多少震えてたけど、なんとか大丈夫だ。がんばれオレ。
「んーと三橋で筆?」
いみわかんねえええええええええええええ!!!
「チンコ習字なら勃ってたほうがいいだろ」
「……そうかもな」
もう疲れた。泉ってこんなのと毎日付き合ってるのか?
そりゃ慣れるしかないよな。うん。
「んん、たじま、くん…?」
筆攻撃が止まったせいか、三橋が息を整えて顔を持ち上げてる。
目隠しされてるからどうせこっちの様子は見えてないんだけどドキッとする。
「おー!わりぃわりぃ!」
「ふひゃっ! あっ、あっ」
筆攻撃、再開。三橋、轟沈。
地声が高いから喘ぎ声も高いのか。そりゃ音だけ聞いてればAVと間違えるよな。ドンマイ、オレ。
「なあ沖さーゴム持ってる?」
「ゴム?」
「コンドーム。いれたくなんねえ?」

ちょいちょい、と筆でつついたのは三橋の乳首だ。
充血して真っ赤になってる。
つつかれてビクビクッと三橋の体が震えたから相当敏感になってるんだろう。たぶん。
「や、やめなよそういうの」
「三橋、耳栓してっからこんくらいの声なら聞こえてないぜ」
目隠しに耳栓。
なんか脳のキャパ超えそうだよ…
「オレのでよけりゃ使う?ちっとでかめだけどさ!」
親指立ててウィンクしやがった。
つうかゴムにサイズなんてあるのか。知らなかった。
へぇー、へぇー、ふぅーん。

…どうしよう?
借りちまうか、見とくだけにするか?

やっちまえ、ってどこか遠くで声が聞こえた。
「つかう」
田島がちょっと驚いたような顔をした。
そんな顔されるなんて、そっちの方が意外だよ。
「んじゃ下脱がしてチンコいじってやって」
「田島は?」
「三橋説得する」
オレの手に筆を押し付けると、田島は三橋の頭の上に脚開いて座った。
よっこらしょって三橋の頭を片方の太ももの上に乗せる。
「三橋ー、服気持ち悪くね?」
「う…?う、そ、そーか、も」
「乾かしといてやるから脱いじゃおうぜ」
チョイチョイって手で合図送られた。
脱がせってことか。はいよ。
水分を含んで重くなってるせいで、肌に引っかかって脱がせにくい。
仕方なくヒザまでぐるぐる巻きにして下ろした後、すぽんと足から抜いた。
ぐしょぐしょのズボンとパンツを軽く絞って椅子の背にかけて、ついでに全開だった窓を閉めた。
あぶねーな。外に聞こえてたら親にばれるぞ、近所経由で。

ため息ひとつついて振り返ると、三橋と田島が二人の世界作ってた。
「た、じま、くん、あの、あのっ」
膝枕されて頭なでられながら、三橋が必死に田島の腕をつかんだ。
「あのっ……、ごめん、なさいっ!」
え、謝った?謝ったよね?
なんで三橋が謝るんだ?
「オレ、オレヘンな声でちゃって…」
「大丈夫だって。気にすんな!」
「ごめん、ごめんね。キモイ、よ、ね」
目隠しされてるシャツに、見る間に染みが広がっていく。
田島の腕をつかむ手には力が入りすぎて、関節が白く浮き上がってる。
ツメも立てちゃってかなり痛そうだけど、田島は平気そうだ。
っていうか三橋、どんな思考でそうなるんだ。
オレの時は青ざめてへたり込んでたじゃないか。
これが才能の差なのか。
「オレこそごめんなー。沖助けてやんなきゃって思ったら気合はいっちゃってさ」
でもさ、と三橋の耳元に顔を近づける。
お前も体やわらけーな田島よ。
「三橋、すっげ、かわいい」
「へぇぐっ!?」
「オレ、ソーサクイヨクわいてきた。ゲンミツに」
「お、おおオレ、オレ、役に、たってる!?」
「たってる。すっげーたってる」
ああ、俺幻覚が見える。
三橋の頭に耳と、おしりにしっぽが見えるよ。
それで、ぶんぶん振ってるよ、しっぽ。

「おおおおオレ、がんばる、よっ!」
「そうかー。えらいぞ三橋」
田島が頭をなでると三橋はくすぐったそうにうへへえと笑って頭をグリグリ動かす。
三橋の茶色い髪の毛と田島の真っ黒いチン毛が絶妙なコントラストを描き、二種類の毛がこすれる音がジャリジャリジャリってもうオレ氏にそう。こいつら帰ったら部屋中ファブリーズぶっかけてやる。
それにしても躾けられてんな三橋犬。
「なー沖! 沖も、三橋がんばってるって思うだろ?」
きたよウィンク。
「うん。思う。三橋はすっごくがんばってる」
これは普段から思ってたことだからすんなり口に出せた。
「ほ、ほんと!?沖君も、オレ、がんばってるって思う!?」
がんばってるってなんかのスイッチなのか?
三橋がオレにまでぶんぶんと見えないしっぽを振り始めた。
「うん」
「うおおおおおおおおー!」
「燃えてきたな!三橋!」
突然雄たけびをあげだした三橋を田島が煽る。
なあ、泉。お前本当にこいつらのノリに慣れたのか?
オレは永遠に慣れそうにないよ。

「んじゃ、続きすっか!」
「おう!」
勇ましいな三橋。お前そんな返事もできるんだな。

そんな感じで筆プレイ再開。
含ませる水の量を加減して、うっすら割れてる白い腹にぽたぽた水滴落としたり、尿道のあたりをちょろちょろくすぐったり、乳首の先端を穂先でつついてみたりするたびに三橋の体が跳ねてかわいらしい声を上げる。
最初隠れてた先端部分もにょきっと顔を出して、粘度の高い雫を涎みたいにだらしなくこぼしながら、どんどん赤みを増してきていた。
こんだけイジられたらもう声も出せないんじゃないかって思うけど、三橋ってみかけのわりにタフだからな。
顔は上気してるし息も荒いけど、まだ全然いけそうだ。

「沖、ほっそい筆ない?すっげほっそいのでいいんだけど」
細い筆?
面相筆なら一本持ってたな。使ったことないけど。
田島に渡すとカバンから何か取り出して…あ、ゴムだ。
筆の軸部分にゴム被せてる。
続けてかばんの中から取り出したローションをたっぷりまぶして。
「ほい」
渡された。
これはやっぱりあれだよな。オレが突っ込めってことか?
「オレ、自信ないよ…」
「大丈夫だよ。オレ、今までチンコ入れそこなったことないもんね!」
イミわかんねええええええええええ。
「ローションこぼれちゃうしさ、さっさと入れようぜ。
もー待ちすぎてチンコ破裂しそうだよ」

田島は三橋の傍にかがみこむと、まだ少し引っかかってた皮を下に押し下げて、むきだしになった先端部分を指でつぶすようにして擦りだした。
「ふやぁっ! あっ、あっ、んん」
「気持ちいー?」
「ん、んんっ、らい、じょうぶっ」
三橋がふるふると首を横に振る。
気持ちよくなっちゃダメって思ってんのか、もしかして。
オレも最近ミハリンガルのスキル身についてきたからなんとなくわかった。
「気持ちいくなるようにしてんだけどなー。三橋、気持ちいくならない?」
わざとらしくトーンを落とした田島の声に、また慌てて首を振る。
「きっ、きもちいいっ!ほんろはっ!ふあああああっごめ、ごめんっ、ひゃああっ」
暇だったからなんとなく手を伸ばして乳首を引っ掻いたら、海老みたいに背をそらせて震えた。
「声、キモイ、よね、ごめ、ごめんっ」
「「かわいいよ!」」
…田島とハモっちゃった。キショイ。
無言で三橋の尻の穴を指差されたのでとりあえず筆を入れてみることにする。
うっすら充血して濃いピンク色になったそこは、三橋の呼吸にあわせてひくついていた。
面相筆だからオレの小指よりもずっと細いけど、こんなぎっちり締まってる穴にホントに入るのかな。
もうどうにでもなーれ。
オレは一声念じてそこに筆を差し込んだ。

ローションのせいかゴムのせいか、多分どっちもだろうけど筆はするすると三橋の穴の中に吸い込まれていく。
「あんま深くいれんなよ」
「あ、そうなんだ」
「三分の一くらいでいいぜ。んで適当に動かして」
適当って、どう動かしたらいいんだ。
深く考えずに人差し指を筆の軸にひっかけ、ぐるんとまわす。
「ひゃああっ」
短く叫んで三橋がブリッジした。
ケツがぐぐぐって持ち上がって慌てて筆から手を離す。
うおすげえ!オレの目の高さで筆がぶらんぶらん揺れてる!
これは妄想じゃない、確かにしっぽが生えている!三橋ってしっぽ似合うすげえ!なんかねずみのしっぽみたいでヤバイけどすげえ!

「お、沖、くん、鼻、鼻息…」
三橋の声でハッとした。
だって興奮しちゃったんだよ…
持ち上がっていた尻がぺたんと床についた拍子に面相筆が穴からころんと出てきた。
おかえり、オレの筆。短い旅だったな。

「ご、ごめん三橋」
謝っても反応がない。そういえば耳栓してるんだっけ。
「大丈夫みてーだから、次これ入れて」
田島が少し太めの筆を渡してくる。
これもオレの筆だぞ、と思ったがまあ流してやることにした。
面相筆からゴムを外して付け替え、新しい筆を入り口に当てる。
「ん、んん…?」
さっきはするりと入ったのに、今度はつっかかって全然ダメだ。
三橋も何か感じ取ったのか、顔持ち上げてこっちの方見ようとしてる。無駄なのに。
「なあ、目隠しと耳栓ってなんでしてんの?」
外した方が怖くないんじゃないかな、と乳首くりくりしてる田島に提案。
「見えねーほうがこわくねんじゃないかって」
今のこの部屋の状況を客観的に見る。
うん、田島は正しいな。
「耳栓は?」
「段取り聞かないほうがこわくねんじゃって思ったんだけど、そっちは外すか」
「オレもそれがいいと思う」
んじゃ、と田島が乳首から手を離して耳栓を外す。
「うひっうひゃ、は……ん、耳、いい、の?」
多分田島とオレがいるほうを見たつもりなんだろう、三橋の顔が空中の二点を移動する。
「ん。ちょっと痛いことするけど、ガマンできるか?」
「へ、へいき、だよ」
少し青ざめた顔で田島に応える。
「痛かったらそう言えよ」
でも入れちゃうけどな、とは続けずにオレも声をかける。

「お、オレ、がんばる、よ」
かたく握り締めた三橋の手が震えていたので思わずつかんでしまった。
手が冷たい。
引きかけた三橋の手をぎゅっとつかんで引き戻す。
それじゃいきますか。
筆、二本目。入ります。

ひねるようにしながら押し込むと、弾力で押し返されながらもなんとか
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

※省略部分のあらすじ
やっと沖が三橋につっこんだぜ!


高く突き出された尻に押し付けるようにしてなんとか最後まで三橋の中にオレのチンコを埋め込んだ。
ヘンな表現だけどもうほんときついわせまいわで埋め込んだって言うしかない。
さようなら童貞。
こんにちは三橋穴。
これでオレ魔法使いにならずにすむんだ!

「んああっ、ひゃぇええっ!噛んじゃう!かんじゃううう!」
嬉しさに我を忘れてガンガン掘ってたら、三橋が悲鳴を上げて田島のチンコから口を離した。
じろり、と刺すような田島の視線を感じる。
やべえオレ殺されるかも。
「ごめん、痛かった?」
動きを控えめにして、ふるふる震えている白い尻に手のひらを当てて包み込むようになでる。
下からくいっと持ち上げて手を離すと表面だけふるるんってふるえてフルー○ェのCM思い出した。
「だい、じょうぶ。ごめ、ん、沖君、田島君」
ぽろぽろと涙をこぼしながら目のふちを赤く染めた三橋が肩越しにこっちを振りかえる。
唇がぬめついた光をはなってとってもエロイです。
でも顔の脇に田島のチンコがあって台無しです。
その時オレにひらめきが訪れた。

オレ、実はチンコふたつ生えてるんだ。

つまりあの三橋にフェラしてもらってるチンコもオレのチンコ。
通称チンコ・ナンバー2。
挿入してるこのチンコももちろんオレのチンコ。
この場にあるチンコでオレのじゃないのは三橋のチンコだけ。
よし、これでいこう。

「くわえんのムリなら口当ててるだけでもいーぞー」
「ふ、んむ…」
妄想を固めてる間に、三橋は健気にももう一度ナンバー2を口に含もうと努力していたらしい。
ホント、あきれちゃうくらいまじめだよな。
しばらくがんばっていたが諦めたのか、くてんと頭を落として唇で懸命にナンバー2をはむはむしだした。

ちょっと不満そうな田島に目で合図を送るとOKが出た。
「三橋、キツかったら言って」
「む。…わ、かた」
腰をしっかりつかんで、ぎりぎりまで。
「う、あ、あ、あっあっあっ」
抜く時の方が気持ちいいのか三橋の声が切羽詰ったものになる。
ゆっくりと引き抜いて一気に押し込む動作を繰り返す。
こういう動きだとオレはそんなに気持ちよくない。疲れるし。
でも三橋はすっごく気持ちよさそうで、もう唇当てるのもムリになってナンバー2に鼻押し当ててふがふが喘いでる。

熱を持った三橋の中が段々とやわらかい感触に変わっていく。
そっと前のほうに手を伸ばすと、ガチガチに固くなった三橋のチンコが触れた。
「ふぁ、ん、ごめん、ごめんっ、おき、く…」
チンコ勃てちゃってごめんって、やっぱ三橋はヘンだ。
親指で先端を押しつぶすようにするとぐちゅりと音がした、ような気がした。
つながってるとこや三橋の唇からも水音がして、ホントはどこから聞こえてる音なのかわからない。
水音って西広が借してくれるエロ小説によく出てくる表現だけど、ホントにそんな感じの音なんだな。
ぴちゃぴちゃうるさい。
そう思ったら耳の奥がかあっと熱くなって、それを振り切るようにめちゃくちゃに突き上げながら三橋のを擦って、気がついたらイっちゃってた。

***

すうすう寝息をたてている三橋の体を拭いてベッドに寝かせた後、部屋の惨状を改めて確認してオレは低い唸り声を上げた。
まあ、シート敷いてただけよかった…と思おう。
わけがわからないまま終わった1回目の後、田島と交代しながら結局ゴム一箱使い切った。
「…なあ、田島っていっつも箱で持ち歩いてんの?」
それって球児としてはやばくね?
言外にそういうイミを持たせて聞いたけど、田島はニヤッと笑うだけで答えなかった。
まあいいや。田島の考えることはオレにはわからん。
「それよりさー、どうすんの習字」
「ああ、まあ……三橋寝ちゃったしな…」
習字じゃなくて前衛書道だと突っ込む気力もなかった。
オレもこのまま昏倒したいくらい疲れてる。
困ったように額を掻いていた田島が、何か思いついたらしく机の上に保護しておいた半紙を手に取った。
勝手に硯に墨汁をあけ(墨を磨るという選択肢はないんだろう。あの硯いい物なのに。)半紙を真っ黒に塗りつぶす。

「なあ、何してんの?」
少しの余白もないように丁寧に塗りつぶしている姿に不審を覚えて尋ねると、筆を置いてまたニヤリと笑う。
「なんか尖ったのない?はさみとかでもいーけど」
「はさみ、ならあるけどさ」
なんとなく見当がついた。
違っててほしい。
「じゃきーん!」
はさみと使用済みのあれを高々と掲げもち、いちいち効果音つけながら切り込みをいれて中身を真っ黒の半紙の上にぶちまけていく。

「あっれー?ダメだ、見えねえな」
「当たり前だろ…何やってんだよ…」
匂いさえなければうっすらと糊をぶちまけたようにしか見えない。
「イケると思ったんだけどな」
田島なりの気遣いだったんだろう。
どっと疲れたけどな。
「いーから。片付け、手伝ってよ」
ほーいとのんきな返事を返した田島に半紙をゴミ箱へ捨てさせた。

後日、オレを推してくれてた書道家の先生にこっぴどく叱られたけど、オレに前衛はムリだってわかったから、もういい。
やきゅうがんばるぜー!


終わり。
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