- 2015⁄10⁄21(Wed)
- 00:34
生徒指導
舞台と登場人物
以下のような設定を行なった上での試し書きです。設定を先出しするという手抜き…。
市立なんちゃら南中学校に設定。略称「南中(なんちゅう)」。
武内新(たけうち・あらた)
陸上部員。3年E組の生徒。2年時もE組で、一年生から二年生にかけて生徒会役員を担当。成績は良かった筈が、最近やや停滞気味。
小学校以来の友人である大地とはやや微妙な間柄。仲良しだった筈が、苛めのような扱いを受けたり、関係修復してからは大地が勉強に集中するために新から距離を置くようになり、そのことが新の新しいストレスになったり。
小宮山大地(こみやま・だいち)
サッカー部員。3年E組で新の同級生だが、小学校以来の付き合い。2年時はA組だった。元々あまり成績は良くなかったが、最近伸び盛り。
一時期、新のことを苛めてしまっていた。
三浦真司(みうら・しんじ)
理科担当の若手教諭。今年度は3年E組担任、つまり新と大地の担任。前年度は2年A組で大地の担任は二年連続。生徒会役員会の顧問もしている。
頻繁に個人面談を行なうが、生徒からの人気は高い。自腹で飲み物やお菓子を用意して面談に臨み、特に男子生徒相手ではカーペットが敷かれソファが置かれた生活指導室を借り、割と個人的な相談にもざっくばらんに対応している。という普段からのカモフラージュにより…
関野聡(せきの・さとし)
数学担当の教諭で、真司よりも更に若い。今年度は3年B組担任で、真司と三年生の担任団を形成。前年度は2年E組で新の担任であった。
以下試し書きは、受験生となったにも関わらず成績が停滞気味となってきた新が、生活指導室で真司からの個人面談を受けているシーンより始まります。生活指導室には新と真司しかおらず、扉は新が気付かない内に施錠され、新はいつもの面談と変わらず真司が用意してくれたスポーツドリンクを、何ら疑うこと無く飲み干しました。
以下のような設定を行なった上での試し書きです。設定を先出しするという手抜き…。
市立なんちゃら南中学校に設定。略称「南中(なんちゅう)」。
武内新(たけうち・あらた)
陸上部員。3年E組の生徒。2年時もE組で、一年生から二年生にかけて生徒会役員を担当。成績は良かった筈が、最近やや停滞気味。
小学校以来の友人である大地とはやや微妙な間柄。仲良しだった筈が、苛めのような扱いを受けたり、関係修復してからは大地が勉強に集中するために新から距離を置くようになり、そのことが新の新しいストレスになったり。
小宮山大地(こみやま・だいち)
サッカー部員。3年E組で新の同級生だが、小学校以来の付き合い。2年時はA組だった。元々あまり成績は良くなかったが、最近伸び盛り。
一時期、新のことを苛めてしまっていた。
三浦真司(みうら・しんじ)
理科担当の若手教諭。今年度は3年E組担任、つまり新と大地の担任。前年度は2年A組で大地の担任は二年連続。生徒会役員会の顧問もしている。
頻繁に個人面談を行なうが、生徒からの人気は高い。自腹で飲み物やお菓子を用意して面談に臨み、特に男子生徒相手ではカーペットが敷かれソファが置かれた生活指導室を借り、割と個人的な相談にもざっくばらんに対応している。という普段からのカモフラージュにより…
関野聡(せきの・さとし)
数学担当の教諭で、真司よりも更に若い。今年度は3年B組担任で、真司と三年生の担任団を形成。前年度は2年E組で新の担任であった。
以下試し書きは、受験生となったにも関わらず成績が停滞気味となってきた新が、生活指導室で真司からの個人面談を受けているシーンより始まります。生活指導室には新と真司しかおらず、扉は新が気付かない内に施錠され、新はいつもの面談と変わらず真司が用意してくれたスポーツドリンクを、何ら疑うこと無く飲み干しました。
新は急に眠気を感じ始めた。
真司に勧められたスポーツドリンクに精神安定剤が含まれていたためだが、新本人はそのことに気付くことは無かった。
「どうした。眠いのか?」
真司は笑みを浮かべながら問い掛けた。
「す、すいません…。夜更かししてるわけじゃないんですが…」
新は恐縮するが、ついつい瞼が落ちてしまう。
「いいよいいよ。折角相談室で面談やってるんだから、リラックスしろよ」
「すいません、ほんと…」
「そうだ、丁度良い機会だから、リラックスと気分転換の方法を伝授してやろうか」
「え…」
「お前、最近勉強にも部活にも集中できない、って言ってたろ」
「はい…」
「リラックスと気分転換を効果的に行なえば、その後は自分の思い通りに集中できるようになるんだよ。先生はその秘訣を知ってるから、教えてやるよ」
「あ…はい…ありがとうございます。お願いします」
「じゃあ、先ず楽な格好をしよう。遠慮せず、ソファーに寄り掛かって座ってごらん。目も瞑っちゃっていいよ」
「はい…」
新は背筋を伸ばすのをやめ、柔らかいソファーに身体を預けると目を閉じた。眠気を感じていたこともあり、担任の前ではあったがホッとした。
「少しリラックスできたかな」
「はい…」
「その調子だ。では、次に呼吸を整えようか」
「呼吸?」
「そう。ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。この繰り返しだよ。先生の声に合わせて深呼吸しよう」
「はい」
「吸って、吐いて、吸って、吐いて…」
真司の声に合わせて新の胸が動く。真司は徐々に呼吸の間隔を広げていった。自然と呼吸が深くなる。
「…吸って…吐いて…」
新の首が次第に前に落ちていく。膝の上に乗せた手がソファーに落ちる。だが、完全に眠ってしまたわけではなく、真司の言葉に従いながら呼吸を続けていた。
「…吸って…吐いて…そのまま続けて…気持ちが軽くなっていくよ…」
新は返事をすることなく、深呼吸を繰り返した。
「今、ゆったりとした気持ちになっているよ。どうだい?」
暫くしてから真司が優しく問い掛けると、新は小さく
「はい」
と答えた。
「とてもリラックスできている、ということだね」
新は頷く。
「少し試してみよう。今、武内の両腕はとても軽い。風船がつけられたように、ゆっくり上に上がっていくよ」
ソファーに投げ出されていた新の両腕が、真司の言葉通りに前方に向かって上がっていった。水平な位置に達し「前に倣え」のような姿勢になったところで、また真司が言った。
「腕の重さが徐々に元に戻るよ。また段々下がっていく」
新の両腕はその指示に従う。
「今度は、腕がもっともっと重くなる。身体全体が重くなって、座っているのが辛くなる」
新の腕はソファーに落ち、上半身が重さに耐えられなくなりつつあるのか、少しずつ揺れ始めた。
「大丈夫、ソファーだから、そのまま横に寝てしまおう」
新の身体が人形のように倒れ込んだ。更に、頭がソファーから転げ落ちそうになる。真司は素早くテーブルの横を回り新のそばにかがむと、その頭部を下から支えた。
若い汗と砂埃の混じった男子中学生独特の匂いが舞い上がった。
「もう身体は重くない。元に戻ったよ」
そう言いながら目を閉じたままの頭をソファーに戻し、床に着いていた両脚もソファーに上げた。新はソファーの上に真っ直ぐ寝る体勢となった。
真司は新を楽にさせようと、学生服の第一ボタンを外した。授業中を含め大抵は外しているくせに、面談や生徒会役員会議の場合にはいつもはめていた。真司はその律儀さを好ましく感じていた。
5時間目の体育の授業を慌しく終えたのか、学生服の下には体育着を着たままだった。白い丸首Τシャツの襟元が見え、汗の匂いが一瞬強くなった。
「今、武内はリラックスしてとても良い気分になっている。ね?」
催眠状態の新はまた小さく頷いた。
「それでは、集中するための方法を教えてあげよう。ちゃんと覚えられるように、先生の指示を必ず復唱するんだよ」
「はい…」
やや間を置いてから、早速新は復唱を始めた。
「…必ず復唱します」
「よし。では先ず最初に、先生の声に集中してほしい」
「はい…先生の声に集中します」
「先生の声が良く聞こえるかい?」
「はい…良く聞こえます」
「先生の声だけを聞いて」
「…先生の声だけを聞きます」
「先生の声と自分の声以外の音は、何も聞こえなくなる」
「…先生と自分の声以外は、何も聞こえなくなります」
真司は新の耳元でゆっくり静かに指示を出し続ける。
「先生の声しか聞こえないから、武内は先生の言葉に必ず従う」
「…先生の言葉に必ず従います」
真司は暗示の内容を強め、従属関係を確実なものにしていく。
「先生の命令は絶対だ」
「…先生の命令は絶対です」
「つまり、俺は新のご主人様ということになる」
真司は自分自身を俺と言い、新を名前で呼び始めた。新は抗うこと無く真司の言葉を認めた。
「はい。先生は僕のご主人様です」
「新は俺に逆らえない。喜んで従う」
「僕は先生に逆らえません。喜んで従います」
「何も隠せない。訊かれたことは喜んで答える」
「僕は先生に何も隠せません。訊かれたことは喜んで答えます」
「俺の下僕になることはとても誇らしいことだ」
「先生の下僕になることは、とても誇らしいことです」
「今のこの状態が、新はとても好きだ。とても嬉しい」
「僕はこの状態がとても好きで、とても嬉しいです」
「とても気持ちいい」
「とても気持ちいいです」
「この状態の時は、俺のことをご主人様と呼べ」
「この状態の時は、せんせ…ご主人様のことをご主人様と呼びます」
「新は、俺のことをご主人様と呼ぶのが好きだ」
「はい。ご主人様のことをご主人様と呼ぶのが好きです」
新の言葉には、次第に嬉しさの感情が滲むようになっていた。いまや完全に真司の支配下に入っていた。
「今、新は催眠状態にある。分かるか?」
「はい、ご主人様。僕は催眠状態にあります。…気持ちいいです…ご主人様」
新は催眠という言葉の意味を理解できたのかどうか、少し迷う様子を見せた後、自分自身の感じ方を答えた。
真司は満足そうに笑みを浮かべると、後催眠のための暗示を与え始めた。
「今後、俺自身が『新、安らかなまどろみを』と合言葉を言うと、お前はすぐにこの状態になれる」
「はい。ご主人様が『新、安らかなまどろみを』と合言葉をおっしゃると、僕はすぐにこの状態になれます」
「そうだ。気持ち良くなれる」
「はい、ご主人様。気持ち良くなれます」
「では、俺が『普段の武内に戻れ』と言うと、お前は催眠状態の間のことを全部忘れて、爽やかな気分で目覚め、普段の武内に戻る」
真司の指示に、新の表情が曇った。
「はい…ご主人様。…ご主人様が『普段の武内に戻れ』とおっしゃると、今のことを全部忘れて目が覚めて…普段の僕に戻ります」
その口調には不満すら浮かんでいた。
「そうだ。でも、俺が合言葉を言えば、いつでもまた俺の下僕になって気持ち良くなれる。安心して普段の武内に戻るんだ」
新の表情が柔らぐ。
「はい、ご主人様。安心して普段の僕に戻ります」
「では…、普段の武内に戻れ」
指示通り、新はゆっくりと目を開けた。眩しそうに何度か瞬きする。直後に、自分を覗き込む真司の顔と、自分が横たわっていることに気付く。
「あっ、すいませんっ」
寝込んでしまったことを詫びながら上半身を起こそうとする新を、真司は愉快そうに慰めた。
「いやいや、疲れてるんだよ。気にするなよ」
「なんだか眠くて。本当にすいません」
催眠状態の間のことは、完全に記憶の底にしまい込んでいる様子だった。
ソファーの背もたれに手をかけながら上半身を起こした新に、真司は合言葉を放った。
「新、」
新は下の名前で呼ばれ、「え?」という表情を真司に向ける。
「安らかなまどろみを」
途端に新の瞼は閉じられ、力を失なった上半身がソファーに向かって倒れようとする。真司は新の頭部と背中を支えてゆっくりと寝かせた。
「気分はどうだ?」
「はい、ご主人様、とても気持ち良いです」
後催眠の暗示も成功だった。
真司は更に続けた。
「新、お前は俺の下僕だな?」
「はい、ご主人様。僕はご主人様の下僕です」
「俺の命令は絶対だな?」
「はい。ご主人様の命令は絶対です」
「よし。いい子だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
新の口調は明らかに喜びを滲ませていた。
「もう復唱しなくて良いから、俺の話をよく聞け」
「はい、ご主人様」
「新は催眠状態に入る前のことを覚えているか?」
「はい、ご主人様。覚えています。いつもの自分です」
「そうだ。その状態は『普段の武内』だ」
「はい、ご主人様」
「普段の武内は、催眠状態の間のことを覚えていない」
「はい、ご主人様。その通りです」
目を瞑ったままの新が残念そうに答える。
「なぜなら、俺と新との主従関係は二人だけの秘密だからだ。他の人には、親にも他の先生にも友達にも、知られてはいけない」
「はい、ご主人様」
「俺と二人だけの秘密を持てるのは、とても嬉しいことだ」
「はい、ご主人様。嬉しいです」
新の口調に明るさが戻る。
「秘密を守らなければならないから、普段の武内は催眠状態のことを覚えていない」
「はい、ご主人様。その通りです」
今度は誇らしげに答える。
「でも、俺がある命令を出すと、新は催眠状態の間のことを全て記憶したまま、目覚めることもできる」
真司の説明の意味を理解するための一瞬の間の後、新は嬉しそうに答える。
「…はい、ご主人様」
「新が催眠状態の時、俺が『本当の新になれ』と命令すると、新は俺の下僕のまま爽やかな気分で目覚めることができる」
「はい、ご主人様」
「命令の言葉を繰り返してみろ」
「はい、ご主人様。『本当の新になれ』です」
「そうだ。いい子だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「『本当の新』の状態の時、新は俺の忠実な下僕だから、催眠状態同様、隠し事はできないし、俺の言葉や命令は絶対で、喜んで従いたくなる」
「はい、ご主人様」
「では、早速試してみよう」
「はい、ご主人様。お願いします」
軽い興奮を覚えているのか、新の顔に少し赤みが差した。
「本当の新になれ」
新は先程と同様、眩しそうに目を開けた。だが今度は、催眠状態の間の記憶を残した忠実な下僕としての目覚めだった。
「あっ、ご主人様。申し訳ありません。眠ってしまっていました」
ごく自然に「ご主人様」と呼びかけると、新は慌てて直立不動の姿勢で真司の前に立った。それが新の中での「下僕」のイメージであったらしい。
「新」
「はい、ご主人様」
「お前にとって、俺は何だ?」
「はい、ご主人様。ご主人様は僕のご主人様です」
直立不動のまま、主である真司の目を真っ直ぐに見詰めながら新が答える。
「よし。いい子だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
真司は自分が座っていた一人掛けのソファーに戻った。真司は既に劣情を催しており、チノパンの股間が盛り上がりを見せていた。
真司は満足そうな微笑みを浮かべながら、新に対する支配力を行使し始めた。
「新は一年生の秋から一年間、生徒会の役員をやっていたな」
「はい、ご主人様」
「その時の生徒会の顧問を覚えているか?」
「はい、ご主人様。ご主人様でした」
「俺はあの頃からお前を下僕にしたくてしょうが無かったんだ」
「はい、ご主人様、ありがとうございます」
「今年度はやっと担任になって個別面談の時間をとれるようになったからね。新に本当の新になってもらうことができたよ」
「はい、ご主人様、ありがとうございます」
「では新、幾つか質問したいことがある。正直に答えてくれよ」
「はい、ご主人様」
「新はオナニーとかマスターベーションという言葉は知ってるかい」
「はい、ご主人様、知っています」
新は少し照れながら答えた。
「新はオナニーは毎週どれくらいやってる?」
「え…」
新の顔が一気に真っ赤になった。
「オナニーの回数を答えるんだ」
「あ、はい、ご主人様…」
だが、新はなかなか答えようとしない。忠誠を誓わせていたとしても、覚醒状態では命令の受容に限界があった。
真司は苦笑した。
「そうか、暗示が少し甘かったな」
真司は立ち上がると、新の肩に手を回した。
「あ、あの、ご主人様…」
「もう一回気持ち良くなろう。新。安らかなまどろみを」
催眠状態に入った新の全身が弛緩する。真司は小柄な新の身体を支えてソファーに座らせると、耳許で暗示をかけ始めた。
「気持ちはどうだい。新」
「はい、ご主人様。気持ちいいです」
「お前には教育が足りなかったようだ」
「はい、ご主人様。申し訳ありません」
「これから言うことを良く聞き、復唱するんだ」
「はい、ご主人様。良く聞き、復唱します」
「新は俺の完全な下僕だ」
「はい、ご主人様。僕はご主人様の完全な下僕です」
「だから、全てのことを主に知ってもらいたいと思う」
「はい、ご主人様。全てのことを知ってほしいと思います」
「全てというのは、一人だけの秘密も、全部だ」
「はい、ご主人様。一人だけの秘密も、全部知ってもらいと思います」
「オナニーの回数も知ってもらいたい」
「はい、ご主人様。オナニーの回数も知ってもらいたいです」
「どんな格好でオナニーしているのかも知ってもらいたい」
「はい、ご主人様。どんな格好でオナニーしているのかも知ってもらいたいです」
「どんなことで勃起するのかも知ってもらいたい」
「はい、ご主人様。どんなことで勃起するのかも知ってもらいたいです」
「その他の恥ずかしいこと全部、知ってもらいたい」
「はい、ご主人様。その他の恥ずかしいこと全部、知ってもらいたいです」
「そうだ。今の気持ちを忘れないで、目覚めるんだ。本当の新になれ」
新は目を開けると、ハッとしたように立ち上がって姿勢を正した。真司が横に立っていることに気付くと、真司の方へ身体を向けて頭を下げた。
「度々すいません、ご主人様」
「いや、いいんだ。それより、俺の質問に答えたくなったか?」
「はい。僕のことを全部知ってもらいたいです」
新は真司のことを見上げて笑みを浮かべた。
「オナニーは毎週何回やってる?」
「はい、ご主人様。可能であれば毎晩やっています」
新は今度はすんなり答えた。
「すごいな…。割と真面目そうに見えるのに、新は結構エッチなんだな」
「はい、ご主人様。良くないとは思っても、我慢できずにやってしまいます」
「いや、オナニーは全然悪いことじゃないよ。俺達二人だけの秘密にしなくちゃならないけど、罪悪感や自己嫌悪を感じる必要は無いんだ」
「はい、ご主人様。分かりました。ありがとうございます」
新はにっこり微笑んだ。
「一度に何回抜ける?」
「はい、ご主人様。2回から3回くらいです」
「さすが、若いね。じゃあ、どんな格好でオナニーしてる?」
「はい、ご主人様。陸上部のユニフォームと同じものを着ます。小遣いを貯めて買いました。その上に部活のウィンドブレーカーを着ることもあります。あと、ティッシュを何枚も重ねて袋を作って…おちんちんにかぶせます」
まだ少し躊躇があるらしく、新は恥ずかしそうに顔を伏せた。
「袋?」
「はい、ご主人様。ランニングパンツの上からこすって抜くのが一番気持ちいいので、パンツが精液で汚れないようにしています」
「なるほどね。オナニーの時は立って?座って?」
「はい、ご主人様。ベッドの上に寝ます。うつぶせになったり、丸めた布団に抱きついたりして、腰を動かします。でも、実際に出す時は仰向けで背を反らしながら両手でこすります」
真司は新の股間に目を遣る。学生服の上着のためにはっきりとは分からなかったが、次第に窮屈そうになってきているようだった。
「オナニーはいつもその格好なのかい?」
「はい、ご主人様。大体はこの格好でやります。でも時間が無い時は、トイレで便器に座って直接手でしごきます」
「その時、ランシャツだけ着て抜いたりしないのかい?」
「はい、ご主人様。そういうこともあります」
新は少しずつ前傾姿勢となっている。本格的に勃起してきているようだった。
真司は更に質問した
「何をおかずにしているんだい?」
「はい、ご主人様。自分のユニフォーム姿と…です」
新は何かを言いかけた。真司はそのことに気付きながらも質問を進めた。
「陸上部のユニフォームって、確か、青いやつだよな」
「はい、ご主人様。青くて、脇に黒と白のラインが入っていて、インナーが付いているタイプです」
「新によく似合ってるよ。青いユニフォーム姿の新を見るのが俺も好きだ」
「ありがとうございます、ご主人様。僕は青が好きです」
新の顔が上気して赤くなる。
「他にもおかずはあるだろう?」
「え…はい…ご主人様。…あります…」
新は戸惑いながら答えた。羞恥心や抵抗感が特に強いと、暗示通りに行動しない場合がある。真司は少し語気を強めて尋ねた。
「新は俺の完全な下僕だろう。下僕は主に対して秘密を明かすのが嬉しいんだ。他のおかずも答えろ」
「は、はい…ご主人様…」
新の中では命令と羞恥とがせめぎ合い、今にも泣き出しそうな表情となっていた。校内では決して見せたことの無い顔だった。
そんな新の様子を見られたことに満足しながら、真司は穏かな口調で諭すように言った。
「何も恥ずかしがることは無いんだ。お前は俺の下僕だから、俺はお前の全てを受け入れてやる」
「はい…ありがとうございます…ご主人様」
「もう一回訊こう。自分のユニフォーム姿以外のおかずを教えてほしい」
「はい…ご主人様…」
新は一旦は逡巡する様子を見せたが、泣きそうな表情のままで答え始めた。
「…大地のことを思い出しながら抜いています」
「小宮山のことだね」
「はい。小宮山大地です。大地がサッカーをしているところや、僕のユニフォームを着てくれた姿や、大地のユニフォームを着せてくれたことや、一緒に…」
新はまた口籠ってしまった。真司は新を促すため、本来真司が知らない筈の情報を持ち出した。
「大地の家で一緒にオナニーし合ったことを思い出しながら、だろ?」
「はい、ご主人様。この前大地の家に呼ばれた時、お互いのユニフォームを着たまま抱き合ったり、おちんちんをこすり付け合ったり、ユニフォームを着たまま風呂に浸かったりして、何度もオナニーしました。最後に二人でシャワーを浴びた時も我慢できなくて、大地の名前を何度も大声で呼びながら抜いてしまいました。抜き過ぎて僕だけ少し血が出てしまいました。その後、頭の中がずっと大地のことでいっぱいになって、授業中も勃起していることがあります。僕は…僕は変態なんです」
真司が大地宅での出来事を知っている奇妙さに気付くこと無く、新は一気に告白し、そして静かに泣き出した。
真司は更に新の恥部に触れる質問を続けた。
「修学旅行の最後の夜には、大地と一緒に旅館の会議室にこもっていただろう?」
「は、はい…ご主人様…」
新は驚いて顔を上げる。
「あの時、大地にフェラチオしてもらって、気持ち良かったか?」
新の顔が真っ赤になる。
「ご主人様、どうしてそれを…」
「答えろ。気持ち良かったか?」
新の目から再び涙が溢れ出す。
「はい、ご主人様…。とても気持ち良かったです。僕は変態です。今も勃ってしまっています。ごめんなさい」
真司は無言でソファーから立ち上がると、新に近寄り肩を抱き締めた。
「ご、ご主人様…?」
「新」
「は、はい…」
真司は新の熱い股間を太股に感じながら、新に語りかけた。
「お前は変態じゃない。人を好きになって、その人で抜きたくなるのは当然のことなんだ」
「はい。でも…」
「好きになったのが男でも女でも、関係無い。俺だって男が好きだ。俺もお前と同じなんだ」
「ご主人様も…?」
「あぁ、そうだよ。ほら、触ってごらん」
真司は新の手首を掴むと、自分の股間に当てがった。
「ご主人様も勃ってる…?」
「そうだよ。新をこうして抱きながら、とても興奮しているよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「だから、新が大地のことを好きなのは、全然おかしなことじゃない」
「はい、ご主人様」
「でも、世の中はまだまだ俺達のような存在を認めてくれない。だから、このことは、新と、大地と、俺の3人の秘密にしておこう」
「はい、ご主人様」
新の涙はもう引いていた。
真司は新を抱いたまま続けた。
「一つ教えてやろう」
「はい、ご主人様」
「大地も俺の忠実な下僕なんだ」
「えっ」
新が驚きの声を上げる。
「俺は2年生の時から大地の担任だろ?」
「はい、ご主人様」
「だから去年の内にちゃんと、今のお前のように忠実な下僕にしてやったんだよ」
「ご主人様、全然気付きませんでした」
「『普段の小宮山』は下僕であることを完全に忘れているからな。でも、個別面談の時にはちゃんと催眠状態を経て『本当の大地』となって、俺に包み隠さず何でも報告しているよ」
「そうだったんですか…」
「嬉しいだろ?大好きな大地と一緒に、俺の下僕になれて」
「はい、ご主人様。嬉しいです」
そう答えながら、新は何かを訊きたげな表情を浮かべる。
そのことを察して真司が続ける。
「大丈夫。大地は新のことが本当に好きなんだ。修学旅行のフェラチオや大地の家でのオナニーを嬉しそうに報告していたよ」
新は赤面しながら笑みを浮かべた。
「新は不安だったんだろ?大地が最近離れてしまったようで」
新の笑みが消えた。胸中を言い当てられたのは明らかだった。
「は、はい、その通りです。ご主人様」
「ごめんな。あれは俺がそういう命令を出したからなんだ」
新の顔が曇る。
「これも二人のことを考えたからなんだ。お前達、同じ高校に行きたいだろ?」
「はい、勿論です。ご主人様」
「新はこのままの調子で勉強していけば、きっと県立一高に受かると思う。でも、大地はそうじゃない。結構頑張ってはいるが、もう少し校内順位を上げられるくらいじゃないと難しいんだ。だから、新が離れていくかも知れないという不安を払拭させて、勉強に集中できる精神状態に置いてやったんだ。その分、結果的に新から距離を置けることになってしまって、今度は新の方に問題が出ちゃったんだけどな」
「はい…ご主人様」
「お前、頭の中が大地のことでいっぱいで、勉強にも部活にも集中できないんだろ?」
「…はい、その通りです。ご主人様」
「だったら、お前にも集中するための命令を出してやる」
「ありがとうございます。ご主人様。お願いします」
「では新、安らかなまどろみを」
真司の腕の中で新は目を閉じ催眠状態に入った。真司は新を抱いたまま、その耳許で囁いた。
「新、気持ちはどうだい」
「はい、ご主人様。とても気持ちいいです」
「これから、大地の真実を教えてやる。よく聞けよ」
「はい、ご主人様」
「最初に大地を下僕にした時、一番の悩みを訊き出したら『小学校の頃から新のことが好きで仕方が無かったけど、男同士だし、好きな気持ちが暴走して苛めてばかりいたから、今更告白なんてできない』というものだった」
「はい…」
「俺は生徒会の顧問として新を見ていたから、新が男に興味があることは分かっていた」
「はい…」
「新、役員の先輩がふざけて羽交い締めにしてきた時、嫌がった振りをしながら嬉しかったんだろ?」
「はい…その通りです」
「そういう確信があったから、大地には思い切って新に告白するように命令したんだ」
「はい…」
「俺は新を自分のクラスに入れて下僕にするつもりだったから、告白が失敗しても二人に肉体関係を持たせる程度ならば可能だった」
「はい…」
「結局は両想いになったから良かったけど、新と大地とを結び付けるきっかけを作ったのは俺だということ、理解できただろ」
「はい、ご主人様のお陰で大地と付き合うことができました」
「理解が早いね。いい子だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「つまり、俺は二人の主であり、俺がコントロールできるのだから二人の関係は強固で疑いようが無い、ということになる」
「はい、ご主人様のお陰で、大地との関係は強固です」
「そうだ。だから、今大地が勉強のために離れていたとしても、全く心配は無い」
「はい、心配ありません」
「そして新も、大地のことを少し脇へ置いておいて、勉強や部活に集中できることになる」
「はい、僕も勉強や部活に集中できます」
「もしも大地のことで頭がいっぱいになっても、大地を思い出しながらオナニーすれば、その後は頭がすっきりして目の前のことに集中できるようになる」
「はい、大地でオナニーすれば、頭がすっきりして集中できます」
「新は、普段の武内に戻ったら催眠状態や本当の新の時のことを忘れてしまうけれど、勉強や部活に集中しようと思えばちゃんと集中できること、そして大地で抜けば頭がすっきりすること、この2つだけは覚えている。いいかい?」
「はい、普段の僕に戻っても、集中したいと思えば集中できます。大地でオナニーすれば頭がすっきりします」
「そうだ。よく分かったね。いい子だ、新」
「ありがとうございます、ご主人様」
「それじゃあ、俺にお礼をしてくれるかい?新」
「はい、ご主人様。お礼させてください」
「ありがとう、新。じゃあ、新は催眠状態のまま、立ったり動いたりすることができる。いいかい?」
「はい、僕は催眠状態のまま立ったり動いたりできます」
「この手を離すから、ちゃんと立つんだよ」
「はい、ご主人様」
真司は、新を抱き締めていた腕を緩め、静かに離した。新は少しふらつきながらも催眠状態のまま立ち続けていた。
「新、目を開けたら周りがよく見えるよ。開けてごらん」
「はい、ご主人様」
新がゆっくりと目を開く。
「周りが見えるかい?」
「はい、ご主人様。よく見えます」
「では、俺が手を引くから、ゆっくり付いて歩いておいで」
真司は新の手をとって歩かせると、相談室の出入口近くのやや広い場所へと導いた。
「新、暫くそこでそのまま待ってろ」
「はい、ご主人様」
真司は相談室備え付けの戸棚の中から、備品の三脚と一眼レフタイプのデジタルカメラを取り出し、新の姿を撮影する位置に設置を始めた。運動会などで使われる撮影機材がここに仕舞われていることは、教師たちと生徒会役員だけが知っていることだった。かつて自分も扱い、そして今自分を写そうとしている機材を、催眠状態の新は無表情のまま眺めていた。
デジカメにACアダプタをつないで動作を確認すると、真司は自分の財布の中から自前のメモリカードを抜き出し、デジカメに挿入した。ファインダーに新の全身が収まることを確認すると、動画モードにして撮影を開始した。
「新、そこで制服を抜いで、体育着になるんだ」
「はい、ご主人様、制服を脱ぎます」
新はぎこちない手付きで学生服のボタンを外し始めた。上着を脱ぐと、厚手の白いΤシャツが現れる。胸には「3-E 武内」とプリントされたゼッケンが縫い付けられていた。
次にベルトを外しズボンを下ろす。新は白いサッカーパンツ姿となった。標準の体育着ではなく市販のパンツで、トリコットサテンの素材が蛍光灯の光を反射している。南中の体育着としては綿の白いサッカーパンツが指定されていたが、名前を付ける必要が無く体育教師もうるさいことを言わなかったため、サッカー部部員に限らず一般的なサッカーパンツを利用する者が少なくなかった。
「新も普通のサカパンをはいているんだ」
「はい、ご主人様。大地のパンツをはかせてもらって、好きになりました」
「俺は体育着の素朴さも好きだな。股下は体育着の方が短いしな。でも、今のサカパン姿の新もすごくいいよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「その格好でもオナニーするのかい?」
「はい、ご主人様。少しだけやりました。でも、授業に使うものだと、なんとなく使いにくいです。それに、本当は青いサッカーパンツをはきたいです」
「そっか、新はやっぱり真面目なんだな。じゃあ、いつか青のサカパンを手に入れてオナニーしたいかい」
「はい、ご主人様。小遣いを貯めて、次は青のサカパンを買おうと思います」
ゆったりとしたサッカーパンツの上からでも、新の股間の膨らみが分かるようになってきた。新は猫背になり始める。
「いい目標だね、新。青のサカパン姿、俺にも見せてくれよ」
「分かりました、ご主人様」
「今、勃起してるだろ?新」
「は、はい、ご主人様」
新は恥ずかしそうに答えた。
「恥ずかしいことじゃない。いいことだよ、新。サカパン姿がよく似合ってる。自信を持って勃起しよう、新」
「はい、ご主人様」
「勃起しているところを俺に見られるのは嬉しいことだ」
「はい、ご主人様」
新は少し猫背を改めた。
「勃起しているところを堂々と見せるんだ。それはとても誇らしいことなんだから」
「はい、ご主人様」
新は背筋を伸ばす。サッカーパンツの前面が張り、新自身の姿が浮かんだ。
「それじゃ、ちょっとシャツが出かかってるし、靴下が下がってるから、ちゃんと着直してごらん」
「はい、ご主人様」
新は白いソックスを伸ばし、Τシャツをパンツの中に入れ直した。パンツのゴム部分がシャツに隠れること無く見えるようになる。
「新、気を付け、だ。直立不動の姿勢になれ」
「はい、ご主人様」
新が姿勢を正すと、膨らんだ股間が更に強調されることとなった。勃起しながらも新の顔は表情と自我を失ったままで、立ち尽くす様はまるで人形のようだった。
「新、右向け、右」
「はい、ご主人様」
新は右を向く。股間の膨らみが更に目立つようになる。
「新、右向け、右」
「はい、ご主人様」
新がカメラに向かって背を向けた。Τシャツの背中にも胸と同じゼッケンが付けられていた。
「新、前屈してみろ」
「はい、ご主人様」
サッカーパンツの光沢が尻の小さな丸みを強調した。
「新、気を付け」
「はい、ご主人様」
新は再び背筋を伸ばす。
「新、回れ、右」
真司は新を元通りカメラの方へ向かせた。
「新、Τシャツを脱げ」
「はい、ご主人様」
新が脱ぎ終えると、
「新、気を付け」
と改めて直立不動の姿勢をとらせる。上半身には、ランニングシャツの薄い日焼け跡が残っていた。
「はい、ご主人様」
「新、両腕を横に水平に伸ばしてみろ」
「はい、ご主人様」
新は全体的に体毛が少なく、腋毛も見える程には生えていなかった。薄い胸板と薄桃色の乳輪、そして微かに浮かんで見える腹筋が、大人と子供の境目を感じさせた。
「新、回れ、右」
「はい、ご主人様」
腕を上げたまま、新が背中を向ける。左右の肩甲骨が張り出し、その間では背筋の谷間が真っ直ぐ上下に走っていた。
「新、腕を下ろして、回れ、右」
「はい、ご主人様」
真司は再度新を自分の方へ向かせると
「新、今度はサカパンを脱げ」
と命じた。
「はい、ご主人様」
新はパンツの紐を解くが、ぎこちなさの中に戸惑いが混じっていた。真司は新への暗示を強める。
「新、ご主人様に下着や裸を見てもらうのは誇らしく嬉しいことだ」
「はい、ご主人様」
「新は本当は早く真っ裸になりたいんだ。それなのに、順序立ててゆっくり脱がされているから、実はさっさとサカパンを脱ぎたくてしょうがない。やっと脱げることになって、新はとても嬉しくてますます興奮しているんだ」
「はい、ご主人様」
新は嬉しそうに答えると、サッカーパンツを一気に下ろし脚を抜いた。
新が着用しているものは、水色で前閉のビキニパンツと白い靴下だけとなった。ビキニの前は既にカウパー氏腺液で濡れ、紺色に変わって見える。
真司はまた新を一回転させる。短距離走者らしく、特に大腿後面の筋肉が発達を見せていた。
「新、ビキニも抜いでしまいたいか?」
「は…はい、ご主人様」
新は嬉しそうに、しかしまだ恥ずかしさを完全には拭えないまま、答えた。
「新、お前は早く真っ裸になって、その姿を主に見せたい」
「はい、ご主人様」
「新、ビキニも抜いでしまいたいか?」
「はい、ご主人様。早く抜いで裸になりたいです」
暗示を重ねられた新は、再度の質問に躊躇うこと無く答えた。
「よし、ビキニも、靴下も抜いでしまおう」
「はい、ありがとうございます、ご主人様」
間も無く、新はカメラと真司の前に全裸で直立することになった。ランニングパンツの日焼け跡の中央で、新自身が先を濡らしながら元気良く勃っていた。大きいとは言えないが均整がとれた形で、皮もしっかり剥けていた。生え始めて間も無い陰毛が新自身にまとわりついている。
真司はゴミ収集用の袋を取り出して広げると、新の足許にビニルシートのように敷いた。
「新、今お前は主の前に全裸で立っている。下僕として、とても嬉しくて気持ちがいいだろ?」
「はい、ご主人様。嬉しいです。気持ちいいです」
「大地とシャワーを浴びた時も、お互い全裸になったんだろう?」
「はい、ご主人様」
既に勃起していた新自身が、より張りを増した。
「さぁ、大地のことを考えよう。大好きな大地の姿を思い出そう」
屹立した新自身からカウパー氏腺液が遠慮無く流れ出し、糸を引きながらゴミ袋の上に水溜りを作る。
「新、オナニーしたいかい?」
新の息遣いが一瞬大きくなる。
「はい、ご主人様。大地のことで頭がいっぱいです。大地で抜きたいです」
「よし。では、いい子の新にご褒美だ。この場でオナニーさせてやろう」
「あ、ありがとうございます、ご主人様」
カウパー氏腺液が留まること無く流れ続ける。
「新、本当の新になれ」
数度瞬きしてから、新ははっきりと目を開いた。真司の忠実な下僕として、これまでの遣り取りを記憶したまま覚醒した。
「ご主人様、ここで抜いてもいいんですか?」
新は開口一番、恥じらうこと無く尋ねた。
「ああ、いいよ。でも、ちょっと待つんだ。まだちんちんに触るなよ」
「はい、ご主人様」
次第に息遣いを荒くしながら、新は恨めしそうに自分自身を見下ろす。
真司は財布の中から小さなビニルの包みを取り出し、封を切った。
「俺がコンドームをはめてやるから、その中に出すんだ」
「え?…は、はい、ご主人様」
新が首を傾げる。
「新はきっとコンドームを見たことが無いだろうね」
そう言いながら、真司はコンドームを取り出すと新の横にかがんだ。
「は、はい、ご主人様。見たことがありません」
「これからお前のちんちんに触るけど、声を出すなよ」
「え…。分かりました、ご主人様」
真司はコンドームの液溜めの部分を新自身の先端に当てがうと、丁寧に被せ始めた。
「あっ」
新の腰が引ける。
「黙って真っ直ぐ立ってろ」
「は、はい、ご主人さ…ぅうっ」
コンドームを伸ばす真司の指の動き、そしてコンドーム自体の吸着感は、今にも弾けようとする新自身にとって十分過ぎる刺激となっていた。
「う…は…あ…ぁあっ…」
真っ直ぐ立てと命令されてはいても、新の腰は次第に引けて膝は笑い始め、上半身は前のめりになってしまった。真司がコンドームを伸ばし終わるとほぼ同時に、新は床に膝を付いてしまった。
それでも、触れるな、という命令は有効であったため、自分自身が独り震えるのを新はどうすることもできずにいた。
「は、はぁっ…」
「新、お前はもう大地のことしか考えられない。頭が大地のことでいっぱいだ。大地のユニフォーム姿、大地の全裸姿、キスしたこと、一緒にオナニーしたこと、大地の手で抜いてもらったこと、大地の口でフェラチオしてもらったこと、シャワーを浴びたこと…」
新は全身で息を始めた。両肩に汗が浮かぶ。
「ぁ、ぁあ、だ、だいち…」
「ほら、大地の舌の感触が蘇える…」
「ぁ、ぁん…だいち…」
口を半開きにして、舌を動かし始めた。
「ほら、大地に抱いてもらった時の感じを思い出す…」
上半身を固くし、悶える。
「ほら、大地の匂いが漂ってくる…」
鼻腔がひくひくと動く。
「…ん…ふぅ…だいちぃ…んふ、ん…」
新は鼻で泣き始めた。
「ぁ…抜きた、ぃ…ご主人様…抜き、たぃ…です…」
新は真司に懇願し始めたが、その目は焦点を結んでおらず、ここにはいない大地の幻影を追っていた。
「お前の頭の中は大地でいっぱいだ。一回抜いただけでは気が済まない。抜いてもお前のちんちんは勃起し続ける。俺がいいと言うまで、お前の頭は大地でいっぱいのままだ。だから、何度も何度も抜き続ける」
「だ、だいち…だいちぃ…好きだぁ…とても好きだよぉ…だいちぃ…」
口から涎が溢れ出し始めた。
真司は遂に自慰を解禁した。
「新、ちんちんに触って抜いていいぞ」
「ぁ、ありがとうご…あっ…あっ…ぁん…あ…」
新は礼の言葉を言い終えることもできずに、自分自身に夢中になった。
「…だいち…だいち…だいち…だいちっ…ぅくっ」
新は小声で大地を呼び続け、やがて最初の絶頂を迎えた。コンドームの中に白濁した精液が飛び出し、全身に汗が吹き出した。
しかし真司の命令通り、新自身の勢いが収まることは無く、次の頂きを目指して新は手を動かし続けた。
「だいちぃ…」
「…だいちぃ…だ、抱いて、抱ひてよ…だいちぃ…」
新がゴミ袋の上に涎の池を作り、虚ろな瞳をしながら無理矢理5回目の射精を終えた時、真司は新の肩にスポーツタオルをかけ、
「新、もういいぞ。もう大地のことはすっきりした」
と声をかけた。
「は、はぃ、ごひゅじん、さ…ま…」
新は自分自身から手を離すと、腰を落として床の上にへたりこんだ。新自身が急速にしぼみ始める。
「新、安らかなまどろみを」
催眠状態に入り、新の首が前に落ちる。半開きになった口から、一際大きな涎の塊が糸を引いて落ちた。
真司は急いでコンドームを抜いた。大量の精液がたまっている。中の匂いを嗅いで満足そうに笑みを浮かべると、コンドームの口をしばって持参したビニル袋の中にしまい込む。
続いて真司は厚手のウェットティッシュを何枚か出し、コンドームのゼリーと精液で汚れた新自身を拭いた。火照りが残る局部に冷たいものを当てがわれ、新は「ひっ」と小さく声を上げて身震いした。
「大丈夫。そのままゆったりした気分でいるんだ」
疲れ切った新は小さく頷くだけだった。
真司は新と自分の手を拭き、更に新の顔の涙と涎と汗の跡を拭い取ると、床に敷いていたゴミ袋をたたんで汚れたウェットティッシュと共にひとまとめにした。
「新、本当の新になれ」
肩にタオルをかけたまま、新がゆっくりと顔を上げる。
「気分はどうだ?」
「ぁ…はい、ご主人様。…すっきりした気分です」
「勉強に集中できそうかい?」
「はい…ご主人様」
「それは良かった。立てるかい?」
「はい、ご主人様」
新は床に手を付きながらのろのろと立ち上がった。新自身は小さく萎んでいたが、亀頭が顔を覗かせていた。陰毛はまだ生え始めたばかりだったが、陰茎の皮は立派に剥けていた。
「ちんちんや手はきれいに拭いておいたよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「そのタオルで汗を拭いたら、脱いだ服を着てソファーに座るんだ」
「はい、ご主人様」
新は髪の毛や胸の汗を拭うとビキニパンツをはいたが、自分が濡らしてしまっていたことに気付き顔をしかめた。
「気持ち悪いかい?」
「はい、少し…」
「そのタオルで拭いてもいいよ」
「すみません、ご主人様」
「謝らなくてもいいよ。男にとっては当たり前のことなんだから」
「ありがとうございます、ご主人様」
新はビキニパンツの表面をタオルで何度かこすり水分を拭うと、サッカーパンツ、Τシャツ、学生服と順番に着てソファーに座った。
「新、安らかなまどろみを」
真司の言葉で、新は今日何度目かの催眠状態に入った。
「新、気分はどうだい」
真司は改めて確認する。
「はい、ご主人様。すっきりしていますが、なんだか疲れています。でも、気持ちいいです」
「ゆったりとした気分でリラックスするんだ。でも眠るんじゃないぞ。ソファーに寄っ掛かって暫く休もう」
「はい、ご主人様」
新の身体がソファーの背もたれに預けられる。
真司はデジタルカメラの録画を止めると、メモリカードを抜いて財布にしまい、機材を戸棚に片付け始めた。新の精液が詰まったコンドームにはもう1枚ビニル袋を重ね、チノパンのポケットに入れた。ゴミ類を改めて小さくまとめ、これもビニル袋に入れて自分の書類ケースに隠した。
後片付けが終わると、真司は新に声をかけた。
「新、聞こえるかい」
「はい、ご主人様」
新は身体をソファーに投げ出したままではあったが、即答した。眠ってしまってはいなかった。
「今日の教育はここまでだ」
「はい、ご主人様。ありがとうございました」
「では、新が普段の武内として目覚めた時の記憶を整理しておこう」
「はい、ご主人様」
「今日の面談で、新は一学期の中間テストの成績が良くなかったこと、そして勉強や部活に集中できないことだけを先生に相談した。それに対して先生は、気分転換のコツとしてその時やりたいことをやってしまえば、その後は気が散らずに勉強や部活に打ち込めることを教えてあげた。それを聞いて新は、大地でオナニーすれば頭がすっきりすることを自分で思い付いたんだ。そして、集中しようと自分自身で念じれば、勉強にも部活にも集中できることにも気付いたんだ。普段の武内に戻った時は、このことだけを覚えている」
「はい。大地でオナニーすれば、頭がすっきりすることを思い付きました。集中しようと自分で念じれば、集中できることに気付きました」
「その通りだ。いい子だね、新」
「ありがとうございます、ご主人様」
「新のビキニは面談中に先走りでかなり濡れてしまったけど、これはなんでだろう」
「はい、ご主人様。本当の僕は、ご主人様にランニングパンツやサッカーパンツをはいてオナニーすることを説明しながら勃起して、パンツを濡らしました。でも普段の僕は、大地でオナニーすることを自分で思い付いて、そのことで面談中に勃起してしまい、パンツを濡らしました」
新は真司の意図通り自分自身の二つの状態を理解し、区別して判断するようになっていた。
「新、素晴しいよ。お前はとてもいい子だ。完璧な下僕だよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
誇らしさと嬉しさを滲ませながら、新が答える。
「では新、姿勢良く座ってごらん」
ゆっくりとではあったが、新が姿勢を正す。背筋を伸ばし手を膝に置いたところで、真司はまた声をかけた。
「新、次に普段の武内に戻った時が、丁度面談が終了したタイミングだ。新は俺に挨拶をして、相談室を出ていく」
「はい、ご主人様」
真司は周囲を見回し、『個別面談』の残骸が残っていないか改めて確認した。ふと気付いたように、新の前のグラスから飲みかけを自分のグラスに移し、新のグラスには新しくスポーツドリンクを注ぎ直した。
「普段の武内に戻れ」
新が目を開け、真司を正面から見る。何か解決策を得られた時のように晴れやかな表情を見せ、真司に頭を下げた。
「三浦先生、ありがとうございました。これで勉強とかに集中できそうです」
「それは良かった。武内には期待してるから、短距離の自己新も、一高も、両方目指して頑張れよ」
「はい、ありがとうございます」
新はソファーから立ち上がろうとして、自分のグラスに手を伸ばした。
「あ、すいません、残り、飲んじゃいます」
「そうだな。飲んじまってくれ」
「なんだか喉乾いちゃって…。体育の後だからかな」
新は少し照れたように笑いながら、グラスの中身を飲み干した。
「だろうね」
真司は笑い返す。現在の新は、催眠状態や『本当の新』状態を完全に忘却した状態で思考している。真司の企みは成功した。
「失礼します」
新が相談室を辞し教室に戻るのを確認すると、真司は近くの職員専用トイレに向かい個室に入った。黒いビキニパンツを下ろすと、屹立した自分自身からコンドームを外す。液溜めには透明なカウパー氏腺液が溜まっていた。相談室での個別面談の間に溜まった劣情を手早く処理する。ズボンのポケットには、動画データと新の精液を確保してある。ゆっくりと楽しむのは今晩以降で構わない。
真司は相談室を施錠すると、スポーツドリンクのペットボトルとグラスを職員室の冷蔵庫や流しに片付け、書類ケースやらファイルやらとタオルをまとめて抱えて自席に戻った。
「三浦先生、個別面談だったんですか?」
隣の席の関野聡(せきの・さとし)が話し掛けてきた。大学を卒業して最初の赴任先が南中という数学担当の教師で、真司よりも2歳若い。今年度は3-Bの担任だが、昨年度は新がいた2-Eの担任を務めていた。
「えぇ、武内から相談を受けたもので」
「武内ですか?彼なら問題無さそうなのに…あ、そういや、中間で順位下げてましたよねぇ」
「その件ですよ。最近スランプ気味みたいですよ」
「そうですかぁ。でも、それをちゃんと面談して受け止められる三浦先生もすごいですよね。自分は全然生徒を見てあげられてないですよ」
「いやー、どうだか。私なんて面談って形でごまかしてるだけかも知れませんね」
「またまたぁ」
聡は人懐こい顔で真司に笑いかけてきた。
聡は高校・大学と柔道を続けていたらしく、真司よりもがっしりした体躯をしている。そう言えば、一緒に仕事をして3年目になるが、彼女がいるとか結婚とか、そうした話題を彼の口から聞くことは全く無かった。以前から少しは興味があったが、同じ部活動や委員会の顧問をしているわけでも無く、二人きりで会議室や相談室にこもる機会に恵まれてこなかった。
新を下僕にできた興奮は、一回抜いた程度で解消できるものではない。いつもは男子中学生のことでばかり妄想を逞しくする真司だったが、急に聡に対する欲情を覚えた。最近、聡から話し掛けてくることも増えている。
「そうだ、関野先生。今度二人で飲みにでも行きません?」
「あ、いいですねー。うちの先生たち、あんまり飲みに出てくれないから、是非!」
聡の無邪気な笑顔に笑い返しながら、真司自身は再び身を固くし、ビキニパンツを濡らし始めていた。
「お、新が戻ってきた」
「あ、大地。どうしたんだよ」
面談を終えた新が教室に戻ると、大地をはじめとする数人が思い思いに教卓や机に座りながら談笑していた。
「今日は部活も無いし、テスト終わってとりあえず落ち着いたし、のんびり新待ってた」
大地が応える。
「へぇー。…さんきゅ」
嬉しかったが、なんとなく目を逸らしながら軽い礼だけを返す。
「面談長かったなー」
「うん…。中間の結果悪かったから、色々言われてた」
「悪い、ったって俺よりずっと上じゃん」
悪友の一人がわざと拗ねたように反論する。
「あ…ごめん…いや、急に落ちたから…その…」
普段であればお互いに笑い飛ばせる話題だったが、ややナーバスになっていた新は、不用意な発言を取り繕おうとしどろもどろになってしまった。
「くっくっく、新が俺に抜かされたとなりゃ、三浦っちも慌てるだろー」
大地がおどけた口調で割って入る。
「そうだぞ大地、どうして突然クラストップになってんだよ」
「くぅーっ、秘かにガリ勉してたなー」
「裏切り者ーっ」
話題の中心が大地に移ったので、新はホッとしながら帰り支度を始めた。
取り急ぎ筆記具などをスクールバッグに放り込み、着替えが入った体育着袋と一緒に肩から提げる。
その様子に気付いた大地が机から立ち上がった。
「新、帰れる?」
「うん、お待たせ」
「じゃ帰ろ帰ろ」
それぞれ、机から降りて自分のバッグを肩にかけたり手に提げたりする。
「そだ。今日俺ん家来ない?」
大地が全員に提案する。
「え?なんで?」
「成績上がったからゲーム解禁ーっ。封印してたアレを、今日開ける!」
「おぉー!」
大地が「アレ」と言うのは、大型連休前に発売されていた新作テレビゲームのことだった。
ビッグタイトルの続編であったため、ゲーム好きな何人かが騒ぎ出す。
「行く行く!」
「俺、一旦家帰ってから大地ん家行くわ」
「なんでだよ」
「自分のデータカード持ってく。キャラ育ててっから」
「そういうことやってるから成績落ちるんだぞー」
「うっせー」
新自身はあまりテレビゲームをやらないものだから、最初は何のことか分からずにいた。
話題に入りそびれていると、大地が直接声をかけてきた。
「新も来るだろ?」
「え?…ん…」
今日は身体にだるさが残っているから、本当は早々に風呂に入って寝たい気分だった。だが、自分の面談が終わるのを待ち、更に自宅に誘ってくれた大地の気持ちがありがたいのも事実だった。
「そうだな。行くよ」
「よっしゃ」
大地は無邪気に喜ぶと、バッグを肩に担いだ。
「帰ろー」
周りを促しながら教室を出ていく。
真司に勧められたスポーツドリンクに精神安定剤が含まれていたためだが、新本人はそのことに気付くことは無かった。
「どうした。眠いのか?」
真司は笑みを浮かべながら問い掛けた。
「す、すいません…。夜更かししてるわけじゃないんですが…」
新は恐縮するが、ついつい瞼が落ちてしまう。
「いいよいいよ。折角相談室で面談やってるんだから、リラックスしろよ」
「すいません、ほんと…」
「そうだ、丁度良い機会だから、リラックスと気分転換の方法を伝授してやろうか」
「え…」
「お前、最近勉強にも部活にも集中できない、って言ってたろ」
「はい…」
「リラックスと気分転換を効果的に行なえば、その後は自分の思い通りに集中できるようになるんだよ。先生はその秘訣を知ってるから、教えてやるよ」
「あ…はい…ありがとうございます。お願いします」
「じゃあ、先ず楽な格好をしよう。遠慮せず、ソファーに寄り掛かって座ってごらん。目も瞑っちゃっていいよ」
「はい…」
新は背筋を伸ばすのをやめ、柔らかいソファーに身体を預けると目を閉じた。眠気を感じていたこともあり、担任の前ではあったがホッとした。
「少しリラックスできたかな」
「はい…」
「その調子だ。では、次に呼吸を整えようか」
「呼吸?」
「そう。ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。この繰り返しだよ。先生の声に合わせて深呼吸しよう」
「はい」
「吸って、吐いて、吸って、吐いて…」
真司の声に合わせて新の胸が動く。真司は徐々に呼吸の間隔を広げていった。自然と呼吸が深くなる。
「…吸って…吐いて…」
新の首が次第に前に落ちていく。膝の上に乗せた手がソファーに落ちる。だが、完全に眠ってしまたわけではなく、真司の言葉に従いながら呼吸を続けていた。
「…吸って…吐いて…そのまま続けて…気持ちが軽くなっていくよ…」
新は返事をすることなく、深呼吸を繰り返した。
「今、ゆったりとした気持ちになっているよ。どうだい?」
暫くしてから真司が優しく問い掛けると、新は小さく
「はい」
と答えた。
「とてもリラックスできている、ということだね」
新は頷く。
「少し試してみよう。今、武内の両腕はとても軽い。風船がつけられたように、ゆっくり上に上がっていくよ」
ソファーに投げ出されていた新の両腕が、真司の言葉通りに前方に向かって上がっていった。水平な位置に達し「前に倣え」のような姿勢になったところで、また真司が言った。
「腕の重さが徐々に元に戻るよ。また段々下がっていく」
新の両腕はその指示に従う。
「今度は、腕がもっともっと重くなる。身体全体が重くなって、座っているのが辛くなる」
新の腕はソファーに落ち、上半身が重さに耐えられなくなりつつあるのか、少しずつ揺れ始めた。
「大丈夫、ソファーだから、そのまま横に寝てしまおう」
新の身体が人形のように倒れ込んだ。更に、頭がソファーから転げ落ちそうになる。真司は素早くテーブルの横を回り新のそばにかがむと、その頭部を下から支えた。
若い汗と砂埃の混じった男子中学生独特の匂いが舞い上がった。
「もう身体は重くない。元に戻ったよ」
そう言いながら目を閉じたままの頭をソファーに戻し、床に着いていた両脚もソファーに上げた。新はソファーの上に真っ直ぐ寝る体勢となった。
真司は新を楽にさせようと、学生服の第一ボタンを外した。授業中を含め大抵は外しているくせに、面談や生徒会役員会議の場合にはいつもはめていた。真司はその律儀さを好ましく感じていた。
5時間目の体育の授業を慌しく終えたのか、学生服の下には体育着を着たままだった。白い丸首Τシャツの襟元が見え、汗の匂いが一瞬強くなった。
「今、武内はリラックスしてとても良い気分になっている。ね?」
催眠状態の新はまた小さく頷いた。
「それでは、集中するための方法を教えてあげよう。ちゃんと覚えられるように、先生の指示を必ず復唱するんだよ」
「はい…」
やや間を置いてから、早速新は復唱を始めた。
「…必ず復唱します」
「よし。では先ず最初に、先生の声に集中してほしい」
「はい…先生の声に集中します」
「先生の声が良く聞こえるかい?」
「はい…良く聞こえます」
「先生の声だけを聞いて」
「…先生の声だけを聞きます」
「先生の声と自分の声以外の音は、何も聞こえなくなる」
「…先生と自分の声以外は、何も聞こえなくなります」
真司は新の耳元でゆっくり静かに指示を出し続ける。
「先生の声しか聞こえないから、武内は先生の言葉に必ず従う」
「…先生の言葉に必ず従います」
真司は暗示の内容を強め、従属関係を確実なものにしていく。
「先生の命令は絶対だ」
「…先生の命令は絶対です」
「つまり、俺は新のご主人様ということになる」
真司は自分自身を俺と言い、新を名前で呼び始めた。新は抗うこと無く真司の言葉を認めた。
「はい。先生は僕のご主人様です」
「新は俺に逆らえない。喜んで従う」
「僕は先生に逆らえません。喜んで従います」
「何も隠せない。訊かれたことは喜んで答える」
「僕は先生に何も隠せません。訊かれたことは喜んで答えます」
「俺の下僕になることはとても誇らしいことだ」
「先生の下僕になることは、とても誇らしいことです」
「今のこの状態が、新はとても好きだ。とても嬉しい」
「僕はこの状態がとても好きで、とても嬉しいです」
「とても気持ちいい」
「とても気持ちいいです」
「この状態の時は、俺のことをご主人様と呼べ」
「この状態の時は、せんせ…ご主人様のことをご主人様と呼びます」
「新は、俺のことをご主人様と呼ぶのが好きだ」
「はい。ご主人様のことをご主人様と呼ぶのが好きです」
新の言葉には、次第に嬉しさの感情が滲むようになっていた。いまや完全に真司の支配下に入っていた。
「今、新は催眠状態にある。分かるか?」
「はい、ご主人様。僕は催眠状態にあります。…気持ちいいです…ご主人様」
新は催眠という言葉の意味を理解できたのかどうか、少し迷う様子を見せた後、自分自身の感じ方を答えた。
真司は満足そうに笑みを浮かべると、後催眠のための暗示を与え始めた。
「今後、俺自身が『新、安らかなまどろみを』と合言葉を言うと、お前はすぐにこの状態になれる」
「はい。ご主人様が『新、安らかなまどろみを』と合言葉をおっしゃると、僕はすぐにこの状態になれます」
「そうだ。気持ち良くなれる」
「はい、ご主人様。気持ち良くなれます」
「では、俺が『普段の武内に戻れ』と言うと、お前は催眠状態の間のことを全部忘れて、爽やかな気分で目覚め、普段の武内に戻る」
真司の指示に、新の表情が曇った。
「はい…ご主人様。…ご主人様が『普段の武内に戻れ』とおっしゃると、今のことを全部忘れて目が覚めて…普段の僕に戻ります」
その口調には不満すら浮かんでいた。
「そうだ。でも、俺が合言葉を言えば、いつでもまた俺の下僕になって気持ち良くなれる。安心して普段の武内に戻るんだ」
新の表情が柔らぐ。
「はい、ご主人様。安心して普段の僕に戻ります」
「では…、普段の武内に戻れ」
指示通り、新はゆっくりと目を開けた。眩しそうに何度か瞬きする。直後に、自分を覗き込む真司の顔と、自分が横たわっていることに気付く。
「あっ、すいませんっ」
寝込んでしまったことを詫びながら上半身を起こそうとする新を、真司は愉快そうに慰めた。
「いやいや、疲れてるんだよ。気にするなよ」
「なんだか眠くて。本当にすいません」
催眠状態の間のことは、完全に記憶の底にしまい込んでいる様子だった。
ソファーの背もたれに手をかけながら上半身を起こした新に、真司は合言葉を放った。
「新、」
新は下の名前で呼ばれ、「え?」という表情を真司に向ける。
「安らかなまどろみを」
途端に新の瞼は閉じられ、力を失なった上半身がソファーに向かって倒れようとする。真司は新の頭部と背中を支えてゆっくりと寝かせた。
「気分はどうだ?」
「はい、ご主人様、とても気持ち良いです」
後催眠の暗示も成功だった。
真司は更に続けた。
「新、お前は俺の下僕だな?」
「はい、ご主人様。僕はご主人様の下僕です」
「俺の命令は絶対だな?」
「はい。ご主人様の命令は絶対です」
「よし。いい子だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
新の口調は明らかに喜びを滲ませていた。
「もう復唱しなくて良いから、俺の話をよく聞け」
「はい、ご主人様」
「新は催眠状態に入る前のことを覚えているか?」
「はい、ご主人様。覚えています。いつもの自分です」
「そうだ。その状態は『普段の武内』だ」
「はい、ご主人様」
「普段の武内は、催眠状態の間のことを覚えていない」
「はい、ご主人様。その通りです」
目を瞑ったままの新が残念そうに答える。
「なぜなら、俺と新との主従関係は二人だけの秘密だからだ。他の人には、親にも他の先生にも友達にも、知られてはいけない」
「はい、ご主人様」
「俺と二人だけの秘密を持てるのは、とても嬉しいことだ」
「はい、ご主人様。嬉しいです」
新の口調に明るさが戻る。
「秘密を守らなければならないから、普段の武内は催眠状態のことを覚えていない」
「はい、ご主人様。その通りです」
今度は誇らしげに答える。
「でも、俺がある命令を出すと、新は催眠状態の間のことを全て記憶したまま、目覚めることもできる」
真司の説明の意味を理解するための一瞬の間の後、新は嬉しそうに答える。
「…はい、ご主人様」
「新が催眠状態の時、俺が『本当の新になれ』と命令すると、新は俺の下僕のまま爽やかな気分で目覚めることができる」
「はい、ご主人様」
「命令の言葉を繰り返してみろ」
「はい、ご主人様。『本当の新になれ』です」
「そうだ。いい子だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「『本当の新』の状態の時、新は俺の忠実な下僕だから、催眠状態同様、隠し事はできないし、俺の言葉や命令は絶対で、喜んで従いたくなる」
「はい、ご主人様」
「では、早速試してみよう」
「はい、ご主人様。お願いします」
軽い興奮を覚えているのか、新の顔に少し赤みが差した。
「本当の新になれ」
新は先程と同様、眩しそうに目を開けた。だが今度は、催眠状態の間の記憶を残した忠実な下僕としての目覚めだった。
「あっ、ご主人様。申し訳ありません。眠ってしまっていました」
ごく自然に「ご主人様」と呼びかけると、新は慌てて直立不動の姿勢で真司の前に立った。それが新の中での「下僕」のイメージであったらしい。
「新」
「はい、ご主人様」
「お前にとって、俺は何だ?」
「はい、ご主人様。ご主人様は僕のご主人様です」
直立不動のまま、主である真司の目を真っ直ぐに見詰めながら新が答える。
「よし。いい子だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
真司は自分が座っていた一人掛けのソファーに戻った。真司は既に劣情を催しており、チノパンの股間が盛り上がりを見せていた。
真司は満足そうな微笑みを浮かべながら、新に対する支配力を行使し始めた。
「新は一年生の秋から一年間、生徒会の役員をやっていたな」
「はい、ご主人様」
「その時の生徒会の顧問を覚えているか?」
「はい、ご主人様。ご主人様でした」
「俺はあの頃からお前を下僕にしたくてしょうが無かったんだ」
「はい、ご主人様、ありがとうございます」
「今年度はやっと担任になって個別面談の時間をとれるようになったからね。新に本当の新になってもらうことができたよ」
「はい、ご主人様、ありがとうございます」
「では新、幾つか質問したいことがある。正直に答えてくれよ」
「はい、ご主人様」
「新はオナニーとかマスターベーションという言葉は知ってるかい」
「はい、ご主人様、知っています」
新は少し照れながら答えた。
「新はオナニーは毎週どれくらいやってる?」
「え…」
新の顔が一気に真っ赤になった。
「オナニーの回数を答えるんだ」
「あ、はい、ご主人様…」
だが、新はなかなか答えようとしない。忠誠を誓わせていたとしても、覚醒状態では命令の受容に限界があった。
真司は苦笑した。
「そうか、暗示が少し甘かったな」
真司は立ち上がると、新の肩に手を回した。
「あ、あの、ご主人様…」
「もう一回気持ち良くなろう。新。安らかなまどろみを」
催眠状態に入った新の全身が弛緩する。真司は小柄な新の身体を支えてソファーに座らせると、耳許で暗示をかけ始めた。
「気持ちはどうだい。新」
「はい、ご主人様。気持ちいいです」
「お前には教育が足りなかったようだ」
「はい、ご主人様。申し訳ありません」
「これから言うことを良く聞き、復唱するんだ」
「はい、ご主人様。良く聞き、復唱します」
「新は俺の完全な下僕だ」
「はい、ご主人様。僕はご主人様の完全な下僕です」
「だから、全てのことを主に知ってもらいたいと思う」
「はい、ご主人様。全てのことを知ってほしいと思います」
「全てというのは、一人だけの秘密も、全部だ」
「はい、ご主人様。一人だけの秘密も、全部知ってもらいと思います」
「オナニーの回数も知ってもらいたい」
「はい、ご主人様。オナニーの回数も知ってもらいたいです」
「どんな格好でオナニーしているのかも知ってもらいたい」
「はい、ご主人様。どんな格好でオナニーしているのかも知ってもらいたいです」
「どんなことで勃起するのかも知ってもらいたい」
「はい、ご主人様。どんなことで勃起するのかも知ってもらいたいです」
「その他の恥ずかしいこと全部、知ってもらいたい」
「はい、ご主人様。その他の恥ずかしいこと全部、知ってもらいたいです」
「そうだ。今の気持ちを忘れないで、目覚めるんだ。本当の新になれ」
新は目を開けると、ハッとしたように立ち上がって姿勢を正した。真司が横に立っていることに気付くと、真司の方へ身体を向けて頭を下げた。
「度々すいません、ご主人様」
「いや、いいんだ。それより、俺の質問に答えたくなったか?」
「はい。僕のことを全部知ってもらいたいです」
新は真司のことを見上げて笑みを浮かべた。
「オナニーは毎週何回やってる?」
「はい、ご主人様。可能であれば毎晩やっています」
新は今度はすんなり答えた。
「すごいな…。割と真面目そうに見えるのに、新は結構エッチなんだな」
「はい、ご主人様。良くないとは思っても、我慢できずにやってしまいます」
「いや、オナニーは全然悪いことじゃないよ。俺達二人だけの秘密にしなくちゃならないけど、罪悪感や自己嫌悪を感じる必要は無いんだ」
「はい、ご主人様。分かりました。ありがとうございます」
新はにっこり微笑んだ。
「一度に何回抜ける?」
「はい、ご主人様。2回から3回くらいです」
「さすが、若いね。じゃあ、どんな格好でオナニーしてる?」
「はい、ご主人様。陸上部のユニフォームと同じものを着ます。小遣いを貯めて買いました。その上に部活のウィンドブレーカーを着ることもあります。あと、ティッシュを何枚も重ねて袋を作って…おちんちんにかぶせます」
まだ少し躊躇があるらしく、新は恥ずかしそうに顔を伏せた。
「袋?」
「はい、ご主人様。ランニングパンツの上からこすって抜くのが一番気持ちいいので、パンツが精液で汚れないようにしています」
「なるほどね。オナニーの時は立って?座って?」
「はい、ご主人様。ベッドの上に寝ます。うつぶせになったり、丸めた布団に抱きついたりして、腰を動かします。でも、実際に出す時は仰向けで背を反らしながら両手でこすります」
真司は新の股間に目を遣る。学生服の上着のためにはっきりとは分からなかったが、次第に窮屈そうになってきているようだった。
「オナニーはいつもその格好なのかい?」
「はい、ご主人様。大体はこの格好でやります。でも時間が無い時は、トイレで便器に座って直接手でしごきます」
「その時、ランシャツだけ着て抜いたりしないのかい?」
「はい、ご主人様。そういうこともあります」
新は少しずつ前傾姿勢となっている。本格的に勃起してきているようだった。
真司は更に質問した
「何をおかずにしているんだい?」
「はい、ご主人様。自分のユニフォーム姿と…です」
新は何かを言いかけた。真司はそのことに気付きながらも質問を進めた。
「陸上部のユニフォームって、確か、青いやつだよな」
「はい、ご主人様。青くて、脇に黒と白のラインが入っていて、インナーが付いているタイプです」
「新によく似合ってるよ。青いユニフォーム姿の新を見るのが俺も好きだ」
「ありがとうございます、ご主人様。僕は青が好きです」
新の顔が上気して赤くなる。
「他にもおかずはあるだろう?」
「え…はい…ご主人様。…あります…」
新は戸惑いながら答えた。羞恥心や抵抗感が特に強いと、暗示通りに行動しない場合がある。真司は少し語気を強めて尋ねた。
「新は俺の完全な下僕だろう。下僕は主に対して秘密を明かすのが嬉しいんだ。他のおかずも答えろ」
「は、はい…ご主人様…」
新の中では命令と羞恥とがせめぎ合い、今にも泣き出しそうな表情となっていた。校内では決して見せたことの無い顔だった。
そんな新の様子を見られたことに満足しながら、真司は穏かな口調で諭すように言った。
「何も恥ずかしがることは無いんだ。お前は俺の下僕だから、俺はお前の全てを受け入れてやる」
「はい…ありがとうございます…ご主人様」
「もう一回訊こう。自分のユニフォーム姿以外のおかずを教えてほしい」
「はい…ご主人様…」
新は一旦は逡巡する様子を見せたが、泣きそうな表情のままで答え始めた。
「…大地のことを思い出しながら抜いています」
「小宮山のことだね」
「はい。小宮山大地です。大地がサッカーをしているところや、僕のユニフォームを着てくれた姿や、大地のユニフォームを着せてくれたことや、一緒に…」
新はまた口籠ってしまった。真司は新を促すため、本来真司が知らない筈の情報を持ち出した。
「大地の家で一緒にオナニーし合ったことを思い出しながら、だろ?」
「はい、ご主人様。この前大地の家に呼ばれた時、お互いのユニフォームを着たまま抱き合ったり、おちんちんをこすり付け合ったり、ユニフォームを着たまま風呂に浸かったりして、何度もオナニーしました。最後に二人でシャワーを浴びた時も我慢できなくて、大地の名前を何度も大声で呼びながら抜いてしまいました。抜き過ぎて僕だけ少し血が出てしまいました。その後、頭の中がずっと大地のことでいっぱいになって、授業中も勃起していることがあります。僕は…僕は変態なんです」
真司が大地宅での出来事を知っている奇妙さに気付くこと無く、新は一気に告白し、そして静かに泣き出した。
真司は更に新の恥部に触れる質問を続けた。
「修学旅行の最後の夜には、大地と一緒に旅館の会議室にこもっていただろう?」
「は、はい…ご主人様…」
新は驚いて顔を上げる。
「あの時、大地にフェラチオしてもらって、気持ち良かったか?」
新の顔が真っ赤になる。
「ご主人様、どうしてそれを…」
「答えろ。気持ち良かったか?」
新の目から再び涙が溢れ出す。
「はい、ご主人様…。とても気持ち良かったです。僕は変態です。今も勃ってしまっています。ごめんなさい」
真司は無言でソファーから立ち上がると、新に近寄り肩を抱き締めた。
「ご、ご主人様…?」
「新」
「は、はい…」
真司は新の熱い股間を太股に感じながら、新に語りかけた。
「お前は変態じゃない。人を好きになって、その人で抜きたくなるのは当然のことなんだ」
「はい。でも…」
「好きになったのが男でも女でも、関係無い。俺だって男が好きだ。俺もお前と同じなんだ」
「ご主人様も…?」
「あぁ、そうだよ。ほら、触ってごらん」
真司は新の手首を掴むと、自分の股間に当てがった。
「ご主人様も勃ってる…?」
「そうだよ。新をこうして抱きながら、とても興奮しているよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「だから、新が大地のことを好きなのは、全然おかしなことじゃない」
「はい、ご主人様」
「でも、世の中はまだまだ俺達のような存在を認めてくれない。だから、このことは、新と、大地と、俺の3人の秘密にしておこう」
「はい、ご主人様」
新の涙はもう引いていた。
真司は新を抱いたまま続けた。
「一つ教えてやろう」
「はい、ご主人様」
「大地も俺の忠実な下僕なんだ」
「えっ」
新が驚きの声を上げる。
「俺は2年生の時から大地の担任だろ?」
「はい、ご主人様」
「だから去年の内にちゃんと、今のお前のように忠実な下僕にしてやったんだよ」
「ご主人様、全然気付きませんでした」
「『普段の小宮山』は下僕であることを完全に忘れているからな。でも、個別面談の時にはちゃんと催眠状態を経て『本当の大地』となって、俺に包み隠さず何でも報告しているよ」
「そうだったんですか…」
「嬉しいだろ?大好きな大地と一緒に、俺の下僕になれて」
「はい、ご主人様。嬉しいです」
そう答えながら、新は何かを訊きたげな表情を浮かべる。
そのことを察して真司が続ける。
「大丈夫。大地は新のことが本当に好きなんだ。修学旅行のフェラチオや大地の家でのオナニーを嬉しそうに報告していたよ」
新は赤面しながら笑みを浮かべた。
「新は不安だったんだろ?大地が最近離れてしまったようで」
新の笑みが消えた。胸中を言い当てられたのは明らかだった。
「は、はい、その通りです。ご主人様」
「ごめんな。あれは俺がそういう命令を出したからなんだ」
新の顔が曇る。
「これも二人のことを考えたからなんだ。お前達、同じ高校に行きたいだろ?」
「はい、勿論です。ご主人様」
「新はこのままの調子で勉強していけば、きっと県立一高に受かると思う。でも、大地はそうじゃない。結構頑張ってはいるが、もう少し校内順位を上げられるくらいじゃないと難しいんだ。だから、新が離れていくかも知れないという不安を払拭させて、勉強に集中できる精神状態に置いてやったんだ。その分、結果的に新から距離を置けることになってしまって、今度は新の方に問題が出ちゃったんだけどな」
「はい…ご主人様」
「お前、頭の中が大地のことでいっぱいで、勉強にも部活にも集中できないんだろ?」
「…はい、その通りです。ご主人様」
「だったら、お前にも集中するための命令を出してやる」
「ありがとうございます。ご主人様。お願いします」
「では新、安らかなまどろみを」
真司の腕の中で新は目を閉じ催眠状態に入った。真司は新を抱いたまま、その耳許で囁いた。
「新、気持ちはどうだい」
「はい、ご主人様。とても気持ちいいです」
「これから、大地の真実を教えてやる。よく聞けよ」
「はい、ご主人様」
「最初に大地を下僕にした時、一番の悩みを訊き出したら『小学校の頃から新のことが好きで仕方が無かったけど、男同士だし、好きな気持ちが暴走して苛めてばかりいたから、今更告白なんてできない』というものだった」
「はい…」
「俺は生徒会の顧問として新を見ていたから、新が男に興味があることは分かっていた」
「はい…」
「新、役員の先輩がふざけて羽交い締めにしてきた時、嫌がった振りをしながら嬉しかったんだろ?」
「はい…その通りです」
「そういう確信があったから、大地には思い切って新に告白するように命令したんだ」
「はい…」
「俺は新を自分のクラスに入れて下僕にするつもりだったから、告白が失敗しても二人に肉体関係を持たせる程度ならば可能だった」
「はい…」
「結局は両想いになったから良かったけど、新と大地とを結び付けるきっかけを作ったのは俺だということ、理解できただろ」
「はい、ご主人様のお陰で大地と付き合うことができました」
「理解が早いね。いい子だ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「つまり、俺は二人の主であり、俺がコントロールできるのだから二人の関係は強固で疑いようが無い、ということになる」
「はい、ご主人様のお陰で、大地との関係は強固です」
「そうだ。だから、今大地が勉強のために離れていたとしても、全く心配は無い」
「はい、心配ありません」
「そして新も、大地のことを少し脇へ置いておいて、勉強や部活に集中できることになる」
「はい、僕も勉強や部活に集中できます」
「もしも大地のことで頭がいっぱいになっても、大地を思い出しながらオナニーすれば、その後は頭がすっきりして目の前のことに集中できるようになる」
「はい、大地でオナニーすれば、頭がすっきりして集中できます」
「新は、普段の武内に戻ったら催眠状態や本当の新の時のことを忘れてしまうけれど、勉強や部活に集中しようと思えばちゃんと集中できること、そして大地で抜けば頭がすっきりすること、この2つだけは覚えている。いいかい?」
「はい、普段の僕に戻っても、集中したいと思えば集中できます。大地でオナニーすれば頭がすっきりします」
「そうだ。よく分かったね。いい子だ、新」
「ありがとうございます、ご主人様」
「それじゃあ、俺にお礼をしてくれるかい?新」
「はい、ご主人様。お礼させてください」
「ありがとう、新。じゃあ、新は催眠状態のまま、立ったり動いたりすることができる。いいかい?」
「はい、僕は催眠状態のまま立ったり動いたりできます」
「この手を離すから、ちゃんと立つんだよ」
「はい、ご主人様」
真司は、新を抱き締めていた腕を緩め、静かに離した。新は少しふらつきながらも催眠状態のまま立ち続けていた。
「新、目を開けたら周りがよく見えるよ。開けてごらん」
「はい、ご主人様」
新がゆっくりと目を開く。
「周りが見えるかい?」
「はい、ご主人様。よく見えます」
「では、俺が手を引くから、ゆっくり付いて歩いておいで」
真司は新の手をとって歩かせると、相談室の出入口近くのやや広い場所へと導いた。
「新、暫くそこでそのまま待ってろ」
「はい、ご主人様」
真司は相談室備え付けの戸棚の中から、備品の三脚と一眼レフタイプのデジタルカメラを取り出し、新の姿を撮影する位置に設置を始めた。運動会などで使われる撮影機材がここに仕舞われていることは、教師たちと生徒会役員だけが知っていることだった。かつて自分も扱い、そして今自分を写そうとしている機材を、催眠状態の新は無表情のまま眺めていた。
デジカメにACアダプタをつないで動作を確認すると、真司は自分の財布の中から自前のメモリカードを抜き出し、デジカメに挿入した。ファインダーに新の全身が収まることを確認すると、動画モードにして撮影を開始した。
「新、そこで制服を抜いで、体育着になるんだ」
「はい、ご主人様、制服を脱ぎます」
新はぎこちない手付きで学生服のボタンを外し始めた。上着を脱ぐと、厚手の白いΤシャツが現れる。胸には「3-E 武内」とプリントされたゼッケンが縫い付けられていた。
次にベルトを外しズボンを下ろす。新は白いサッカーパンツ姿となった。標準の体育着ではなく市販のパンツで、トリコットサテンの素材が蛍光灯の光を反射している。南中の体育着としては綿の白いサッカーパンツが指定されていたが、名前を付ける必要が無く体育教師もうるさいことを言わなかったため、サッカー部部員に限らず一般的なサッカーパンツを利用する者が少なくなかった。
「新も普通のサカパンをはいているんだ」
「はい、ご主人様。大地のパンツをはかせてもらって、好きになりました」
「俺は体育着の素朴さも好きだな。股下は体育着の方が短いしな。でも、今のサカパン姿の新もすごくいいよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「その格好でもオナニーするのかい?」
「はい、ご主人様。少しだけやりました。でも、授業に使うものだと、なんとなく使いにくいです。それに、本当は青いサッカーパンツをはきたいです」
「そっか、新はやっぱり真面目なんだな。じゃあ、いつか青のサカパンを手に入れてオナニーしたいかい」
「はい、ご主人様。小遣いを貯めて、次は青のサカパンを買おうと思います」
ゆったりとしたサッカーパンツの上からでも、新の股間の膨らみが分かるようになってきた。新は猫背になり始める。
「いい目標だね、新。青のサカパン姿、俺にも見せてくれよ」
「分かりました、ご主人様」
「今、勃起してるだろ?新」
「は、はい、ご主人様」
新は恥ずかしそうに答えた。
「恥ずかしいことじゃない。いいことだよ、新。サカパン姿がよく似合ってる。自信を持って勃起しよう、新」
「はい、ご主人様」
「勃起しているところを俺に見られるのは嬉しいことだ」
「はい、ご主人様」
新は少し猫背を改めた。
「勃起しているところを堂々と見せるんだ。それはとても誇らしいことなんだから」
「はい、ご主人様」
新は背筋を伸ばす。サッカーパンツの前面が張り、新自身の姿が浮かんだ。
「それじゃ、ちょっとシャツが出かかってるし、靴下が下がってるから、ちゃんと着直してごらん」
「はい、ご主人様」
新は白いソックスを伸ばし、Τシャツをパンツの中に入れ直した。パンツのゴム部分がシャツに隠れること無く見えるようになる。
「新、気を付け、だ。直立不動の姿勢になれ」
「はい、ご主人様」
新が姿勢を正すと、膨らんだ股間が更に強調されることとなった。勃起しながらも新の顔は表情と自我を失ったままで、立ち尽くす様はまるで人形のようだった。
「新、右向け、右」
「はい、ご主人様」
新は右を向く。股間の膨らみが更に目立つようになる。
「新、右向け、右」
「はい、ご主人様」
新がカメラに向かって背を向けた。Τシャツの背中にも胸と同じゼッケンが付けられていた。
「新、前屈してみろ」
「はい、ご主人様」
サッカーパンツの光沢が尻の小さな丸みを強調した。
「新、気を付け」
「はい、ご主人様」
新は再び背筋を伸ばす。
「新、回れ、右」
真司は新を元通りカメラの方へ向かせた。
「新、Τシャツを脱げ」
「はい、ご主人様」
新が脱ぎ終えると、
「新、気を付け」
と改めて直立不動の姿勢をとらせる。上半身には、ランニングシャツの薄い日焼け跡が残っていた。
「はい、ご主人様」
「新、両腕を横に水平に伸ばしてみろ」
「はい、ご主人様」
新は全体的に体毛が少なく、腋毛も見える程には生えていなかった。薄い胸板と薄桃色の乳輪、そして微かに浮かんで見える腹筋が、大人と子供の境目を感じさせた。
「新、回れ、右」
「はい、ご主人様」
腕を上げたまま、新が背中を向ける。左右の肩甲骨が張り出し、その間では背筋の谷間が真っ直ぐ上下に走っていた。
「新、腕を下ろして、回れ、右」
「はい、ご主人様」
真司は再度新を自分の方へ向かせると
「新、今度はサカパンを脱げ」
と命じた。
「はい、ご主人様」
新はパンツの紐を解くが、ぎこちなさの中に戸惑いが混じっていた。真司は新への暗示を強める。
「新、ご主人様に下着や裸を見てもらうのは誇らしく嬉しいことだ」
「はい、ご主人様」
「新は本当は早く真っ裸になりたいんだ。それなのに、順序立ててゆっくり脱がされているから、実はさっさとサカパンを脱ぎたくてしょうがない。やっと脱げることになって、新はとても嬉しくてますます興奮しているんだ」
「はい、ご主人様」
新は嬉しそうに答えると、サッカーパンツを一気に下ろし脚を抜いた。
新が着用しているものは、水色で前閉のビキニパンツと白い靴下だけとなった。ビキニの前は既にカウパー氏腺液で濡れ、紺色に変わって見える。
真司はまた新を一回転させる。短距離走者らしく、特に大腿後面の筋肉が発達を見せていた。
「新、ビキニも抜いでしまいたいか?」
「は…はい、ご主人様」
新は嬉しそうに、しかしまだ恥ずかしさを完全には拭えないまま、答えた。
「新、お前は早く真っ裸になって、その姿を主に見せたい」
「はい、ご主人様」
「新、ビキニも抜いでしまいたいか?」
「はい、ご主人様。早く抜いで裸になりたいです」
暗示を重ねられた新は、再度の質問に躊躇うこと無く答えた。
「よし、ビキニも、靴下も抜いでしまおう」
「はい、ありがとうございます、ご主人様」
間も無く、新はカメラと真司の前に全裸で直立することになった。ランニングパンツの日焼け跡の中央で、新自身が先を濡らしながら元気良く勃っていた。大きいとは言えないが均整がとれた形で、皮もしっかり剥けていた。生え始めて間も無い陰毛が新自身にまとわりついている。
真司はゴミ収集用の袋を取り出して広げると、新の足許にビニルシートのように敷いた。
「新、今お前は主の前に全裸で立っている。下僕として、とても嬉しくて気持ちがいいだろ?」
「はい、ご主人様。嬉しいです。気持ちいいです」
「大地とシャワーを浴びた時も、お互い全裸になったんだろう?」
「はい、ご主人様」
既に勃起していた新自身が、より張りを増した。
「さぁ、大地のことを考えよう。大好きな大地の姿を思い出そう」
屹立した新自身からカウパー氏腺液が遠慮無く流れ出し、糸を引きながらゴミ袋の上に水溜りを作る。
「新、オナニーしたいかい?」
新の息遣いが一瞬大きくなる。
「はい、ご主人様。大地のことで頭がいっぱいです。大地で抜きたいです」
「よし。では、いい子の新にご褒美だ。この場でオナニーさせてやろう」
「あ、ありがとうございます、ご主人様」
カウパー氏腺液が留まること無く流れ続ける。
「新、本当の新になれ」
数度瞬きしてから、新ははっきりと目を開いた。真司の忠実な下僕として、これまでの遣り取りを記憶したまま覚醒した。
「ご主人様、ここで抜いてもいいんですか?」
新は開口一番、恥じらうこと無く尋ねた。
「ああ、いいよ。でも、ちょっと待つんだ。まだちんちんに触るなよ」
「はい、ご主人様」
次第に息遣いを荒くしながら、新は恨めしそうに自分自身を見下ろす。
真司は財布の中から小さなビニルの包みを取り出し、封を切った。
「俺がコンドームをはめてやるから、その中に出すんだ」
「え?…は、はい、ご主人様」
新が首を傾げる。
「新はきっとコンドームを見たことが無いだろうね」
そう言いながら、真司はコンドームを取り出すと新の横にかがんだ。
「は、はい、ご主人様。見たことがありません」
「これからお前のちんちんに触るけど、声を出すなよ」
「え…。分かりました、ご主人様」
真司はコンドームの液溜めの部分を新自身の先端に当てがうと、丁寧に被せ始めた。
「あっ」
新の腰が引ける。
「黙って真っ直ぐ立ってろ」
「は、はい、ご主人さ…ぅうっ」
コンドームを伸ばす真司の指の動き、そしてコンドーム自体の吸着感は、今にも弾けようとする新自身にとって十分過ぎる刺激となっていた。
「う…は…あ…ぁあっ…」
真っ直ぐ立てと命令されてはいても、新の腰は次第に引けて膝は笑い始め、上半身は前のめりになってしまった。真司がコンドームを伸ばし終わるとほぼ同時に、新は床に膝を付いてしまった。
それでも、触れるな、という命令は有効であったため、自分自身が独り震えるのを新はどうすることもできずにいた。
「は、はぁっ…」
「新、お前はもう大地のことしか考えられない。頭が大地のことでいっぱいだ。大地のユニフォーム姿、大地の全裸姿、キスしたこと、一緒にオナニーしたこと、大地の手で抜いてもらったこと、大地の口でフェラチオしてもらったこと、シャワーを浴びたこと…」
新は全身で息を始めた。両肩に汗が浮かぶ。
「ぁ、ぁあ、だ、だいち…」
「ほら、大地の舌の感触が蘇える…」
「ぁ、ぁん…だいち…」
口を半開きにして、舌を動かし始めた。
「ほら、大地に抱いてもらった時の感じを思い出す…」
上半身を固くし、悶える。
「ほら、大地の匂いが漂ってくる…」
鼻腔がひくひくと動く。
「…ん…ふぅ…だいちぃ…んふ、ん…」
新は鼻で泣き始めた。
「ぁ…抜きた、ぃ…ご主人様…抜き、たぃ…です…」
新は真司に懇願し始めたが、その目は焦点を結んでおらず、ここにはいない大地の幻影を追っていた。
「お前の頭の中は大地でいっぱいだ。一回抜いただけでは気が済まない。抜いてもお前のちんちんは勃起し続ける。俺がいいと言うまで、お前の頭は大地でいっぱいのままだ。だから、何度も何度も抜き続ける」
「だ、だいち…だいちぃ…好きだぁ…とても好きだよぉ…だいちぃ…」
口から涎が溢れ出し始めた。
真司は遂に自慰を解禁した。
「新、ちんちんに触って抜いていいぞ」
「ぁ、ありがとうご…あっ…あっ…ぁん…あ…」
新は礼の言葉を言い終えることもできずに、自分自身に夢中になった。
「…だいち…だいち…だいち…だいちっ…ぅくっ」
新は小声で大地を呼び続け、やがて最初の絶頂を迎えた。コンドームの中に白濁した精液が飛び出し、全身に汗が吹き出した。
しかし真司の命令通り、新自身の勢いが収まることは無く、次の頂きを目指して新は手を動かし続けた。
「だいちぃ…」
「…だいちぃ…だ、抱いて、抱ひてよ…だいちぃ…」
新がゴミ袋の上に涎の池を作り、虚ろな瞳をしながら無理矢理5回目の射精を終えた時、真司は新の肩にスポーツタオルをかけ、
「新、もういいぞ。もう大地のことはすっきりした」
と声をかけた。
「は、はぃ、ごひゅじん、さ…ま…」
新は自分自身から手を離すと、腰を落として床の上にへたりこんだ。新自身が急速にしぼみ始める。
「新、安らかなまどろみを」
催眠状態に入り、新の首が前に落ちる。半開きになった口から、一際大きな涎の塊が糸を引いて落ちた。
真司は急いでコンドームを抜いた。大量の精液がたまっている。中の匂いを嗅いで満足そうに笑みを浮かべると、コンドームの口をしばって持参したビニル袋の中にしまい込む。
続いて真司は厚手のウェットティッシュを何枚か出し、コンドームのゼリーと精液で汚れた新自身を拭いた。火照りが残る局部に冷たいものを当てがわれ、新は「ひっ」と小さく声を上げて身震いした。
「大丈夫。そのままゆったりした気分でいるんだ」
疲れ切った新は小さく頷くだけだった。
真司は新と自分の手を拭き、更に新の顔の涙と涎と汗の跡を拭い取ると、床に敷いていたゴミ袋をたたんで汚れたウェットティッシュと共にひとまとめにした。
「新、本当の新になれ」
肩にタオルをかけたまま、新がゆっくりと顔を上げる。
「気分はどうだ?」
「ぁ…はい、ご主人様。…すっきりした気分です」
「勉強に集中できそうかい?」
「はい…ご主人様」
「それは良かった。立てるかい?」
「はい、ご主人様」
新は床に手を付きながらのろのろと立ち上がった。新自身は小さく萎んでいたが、亀頭が顔を覗かせていた。陰毛はまだ生え始めたばかりだったが、陰茎の皮は立派に剥けていた。
「ちんちんや手はきれいに拭いておいたよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「そのタオルで汗を拭いたら、脱いだ服を着てソファーに座るんだ」
「はい、ご主人様」
新は髪の毛や胸の汗を拭うとビキニパンツをはいたが、自分が濡らしてしまっていたことに気付き顔をしかめた。
「気持ち悪いかい?」
「はい、少し…」
「そのタオルで拭いてもいいよ」
「すみません、ご主人様」
「謝らなくてもいいよ。男にとっては当たり前のことなんだから」
「ありがとうございます、ご主人様」
新はビキニパンツの表面をタオルで何度かこすり水分を拭うと、サッカーパンツ、Τシャツ、学生服と順番に着てソファーに座った。
「新、安らかなまどろみを」
真司の言葉で、新は今日何度目かの催眠状態に入った。
「新、気分はどうだい」
真司は改めて確認する。
「はい、ご主人様。すっきりしていますが、なんだか疲れています。でも、気持ちいいです」
「ゆったりとした気分でリラックスするんだ。でも眠るんじゃないぞ。ソファーに寄っ掛かって暫く休もう」
「はい、ご主人様」
新の身体がソファーの背もたれに預けられる。
真司はデジタルカメラの録画を止めると、メモリカードを抜いて財布にしまい、機材を戸棚に片付け始めた。新の精液が詰まったコンドームにはもう1枚ビニル袋を重ね、チノパンのポケットに入れた。ゴミ類を改めて小さくまとめ、これもビニル袋に入れて自分の書類ケースに隠した。
後片付けが終わると、真司は新に声をかけた。
「新、聞こえるかい」
「はい、ご主人様」
新は身体をソファーに投げ出したままではあったが、即答した。眠ってしまってはいなかった。
「今日の教育はここまでだ」
「はい、ご主人様。ありがとうございました」
「では、新が普段の武内として目覚めた時の記憶を整理しておこう」
「はい、ご主人様」
「今日の面談で、新は一学期の中間テストの成績が良くなかったこと、そして勉強や部活に集中できないことだけを先生に相談した。それに対して先生は、気分転換のコツとしてその時やりたいことをやってしまえば、その後は気が散らずに勉強や部活に打ち込めることを教えてあげた。それを聞いて新は、大地でオナニーすれば頭がすっきりすることを自分で思い付いたんだ。そして、集中しようと自分自身で念じれば、勉強にも部活にも集中できることにも気付いたんだ。普段の武内に戻った時は、このことだけを覚えている」
「はい。大地でオナニーすれば、頭がすっきりすることを思い付きました。集中しようと自分で念じれば、集中できることに気付きました」
「その通りだ。いい子だね、新」
「ありがとうございます、ご主人様」
「新のビキニは面談中に先走りでかなり濡れてしまったけど、これはなんでだろう」
「はい、ご主人様。本当の僕は、ご主人様にランニングパンツやサッカーパンツをはいてオナニーすることを説明しながら勃起して、パンツを濡らしました。でも普段の僕は、大地でオナニーすることを自分で思い付いて、そのことで面談中に勃起してしまい、パンツを濡らしました」
新は真司の意図通り自分自身の二つの状態を理解し、区別して判断するようになっていた。
「新、素晴しいよ。お前はとてもいい子だ。完璧な下僕だよ」
「ありがとうございます、ご主人様」
誇らしさと嬉しさを滲ませながら、新が答える。
「では新、姿勢良く座ってごらん」
ゆっくりとではあったが、新が姿勢を正す。背筋を伸ばし手を膝に置いたところで、真司はまた声をかけた。
「新、次に普段の武内に戻った時が、丁度面談が終了したタイミングだ。新は俺に挨拶をして、相談室を出ていく」
「はい、ご主人様」
真司は周囲を見回し、『個別面談』の残骸が残っていないか改めて確認した。ふと気付いたように、新の前のグラスから飲みかけを自分のグラスに移し、新のグラスには新しくスポーツドリンクを注ぎ直した。
「普段の武内に戻れ」
新が目を開け、真司を正面から見る。何か解決策を得られた時のように晴れやかな表情を見せ、真司に頭を下げた。
「三浦先生、ありがとうございました。これで勉強とかに集中できそうです」
「それは良かった。武内には期待してるから、短距離の自己新も、一高も、両方目指して頑張れよ」
「はい、ありがとうございます」
新はソファーから立ち上がろうとして、自分のグラスに手を伸ばした。
「あ、すいません、残り、飲んじゃいます」
「そうだな。飲んじまってくれ」
「なんだか喉乾いちゃって…。体育の後だからかな」
新は少し照れたように笑いながら、グラスの中身を飲み干した。
「だろうね」
真司は笑い返す。現在の新は、催眠状態や『本当の新』状態を完全に忘却した状態で思考している。真司の企みは成功した。
「失礼します」
新が相談室を辞し教室に戻るのを確認すると、真司は近くの職員専用トイレに向かい個室に入った。黒いビキニパンツを下ろすと、屹立した自分自身からコンドームを外す。液溜めには透明なカウパー氏腺液が溜まっていた。相談室での個別面談の間に溜まった劣情を手早く処理する。ズボンのポケットには、動画データと新の精液を確保してある。ゆっくりと楽しむのは今晩以降で構わない。
真司は相談室を施錠すると、スポーツドリンクのペットボトルとグラスを職員室の冷蔵庫や流しに片付け、書類ケースやらファイルやらとタオルをまとめて抱えて自席に戻った。
「三浦先生、個別面談だったんですか?」
隣の席の関野聡(せきの・さとし)が話し掛けてきた。大学を卒業して最初の赴任先が南中という数学担当の教師で、真司よりも2歳若い。今年度は3-Bの担任だが、昨年度は新がいた2-Eの担任を務めていた。
「えぇ、武内から相談を受けたもので」
「武内ですか?彼なら問題無さそうなのに…あ、そういや、中間で順位下げてましたよねぇ」
「その件ですよ。最近スランプ気味みたいですよ」
「そうですかぁ。でも、それをちゃんと面談して受け止められる三浦先生もすごいですよね。自分は全然生徒を見てあげられてないですよ」
「いやー、どうだか。私なんて面談って形でごまかしてるだけかも知れませんね」
「またまたぁ」
聡は人懐こい顔で真司に笑いかけてきた。
聡は高校・大学と柔道を続けていたらしく、真司よりもがっしりした体躯をしている。そう言えば、一緒に仕事をして3年目になるが、彼女がいるとか結婚とか、そうした話題を彼の口から聞くことは全く無かった。以前から少しは興味があったが、同じ部活動や委員会の顧問をしているわけでも無く、二人きりで会議室や相談室にこもる機会に恵まれてこなかった。
新を下僕にできた興奮は、一回抜いた程度で解消できるものではない。いつもは男子中学生のことでばかり妄想を逞しくする真司だったが、急に聡に対する欲情を覚えた。最近、聡から話し掛けてくることも増えている。
「そうだ、関野先生。今度二人で飲みにでも行きません?」
「あ、いいですねー。うちの先生たち、あんまり飲みに出てくれないから、是非!」
聡の無邪気な笑顔に笑い返しながら、真司自身は再び身を固くし、ビキニパンツを濡らし始めていた。
「お、新が戻ってきた」
「あ、大地。どうしたんだよ」
面談を終えた新が教室に戻ると、大地をはじめとする数人が思い思いに教卓や机に座りながら談笑していた。
「今日は部活も無いし、テスト終わってとりあえず落ち着いたし、のんびり新待ってた」
大地が応える。
「へぇー。…さんきゅ」
嬉しかったが、なんとなく目を逸らしながら軽い礼だけを返す。
「面談長かったなー」
「うん…。中間の結果悪かったから、色々言われてた」
「悪い、ったって俺よりずっと上じゃん」
悪友の一人がわざと拗ねたように反論する。
「あ…ごめん…いや、急に落ちたから…その…」
普段であればお互いに笑い飛ばせる話題だったが、ややナーバスになっていた新は、不用意な発言を取り繕おうとしどろもどろになってしまった。
「くっくっく、新が俺に抜かされたとなりゃ、三浦っちも慌てるだろー」
大地がおどけた口調で割って入る。
「そうだぞ大地、どうして突然クラストップになってんだよ」
「くぅーっ、秘かにガリ勉してたなー」
「裏切り者ーっ」
話題の中心が大地に移ったので、新はホッとしながら帰り支度を始めた。
取り急ぎ筆記具などをスクールバッグに放り込み、着替えが入った体育着袋と一緒に肩から提げる。
その様子に気付いた大地が机から立ち上がった。
「新、帰れる?」
「うん、お待たせ」
「じゃ帰ろ帰ろ」
それぞれ、机から降りて自分のバッグを肩にかけたり手に提げたりする。
「そだ。今日俺ん家来ない?」
大地が全員に提案する。
「え?なんで?」
「成績上がったからゲーム解禁ーっ。封印してたアレを、今日開ける!」
「おぉー!」
大地が「アレ」と言うのは、大型連休前に発売されていた新作テレビゲームのことだった。
ビッグタイトルの続編であったため、ゲーム好きな何人かが騒ぎ出す。
「行く行く!」
「俺、一旦家帰ってから大地ん家行くわ」
「なんでだよ」
「自分のデータカード持ってく。キャラ育ててっから」
「そういうことやってるから成績落ちるんだぞー」
「うっせー」
新自身はあまりテレビゲームをやらないものだから、最初は何のことか分からずにいた。
話題に入りそびれていると、大地が直接声をかけてきた。
「新も来るだろ?」
「え?…ん…」
今日は身体にだるさが残っているから、本当は早々に風呂に入って寝たい気分だった。だが、自分の面談が終わるのを待ち、更に自宅に誘ってくれた大地の気持ちがありがたいのも事実だった。
「そうだな。行くよ」
「よっしゃ」
大地は無邪気に喜ぶと、バッグを肩に担いだ。
「帰ろー」
周りを促しながら教室を出ていく。
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