2ntブログ
  • 2014⁄01⁄11(Sat)
  • 23:53

大事な玩具

放課後。
あのハードな合宿の日々が終わり、志郎に通常の学校生活が戻ってきた。
戻ってきたからやっぱり逃げなくてはいけない。
捕まるとまた酷い目にあわされるから。
というわけでホームルームが終わると同時に教室の外へダッシュ。
廊下を抜け、
階段を降り、
昇降口に出たあたりで何気に見知った顔、亜里沙とすれちがう。
にっこりと贈られる優しい笑み。
さっさと通り過ぎればいのだが、
そうさせない魅力にひかれ、ついそちらに注意をむけたとたん、
がしっ!!
両脇をこれまた見知った女生徒達に掴まれ、宙に持ち上げられる。
「はい、ごくろうさま」
「わざわざ私達に会いに走ってきてくれるなんて嬉しいわ」
「わっ、瑞穂さん、智里さん!」
志郎は足をばたばたと空回りさせて女生徒達の顔を見上げ、
瑞穂と智里はにこにこと笑いながら捕獲した志郎を連行して行く。
「では、私は別に準備を進めておきますから」
笑顔を絶やさぬまま亜里沙は言い、
志郎に顔をそっと近づけて目を細めた。
「志郎さん、今日は特に頑張ってくださいね」
「な、何を・・・」
亜里沙の謎めいた言葉は、本人が謎だらけ故に2倍3倍と不安になる。
だが亜里沙は笑みだけを答えとして、瑞穂たちと目を合わせて頷きあう。
「OK、じゃあ私達は体育館で待ってるわね」
「分かっていると思いますが、今日の主役はあくまで・・・」
「了解、つまみ食いは控えるよ」
ますます謎の会話。
いや、謎だけど、自分がどういう目にあうのかだけは用意に想像できて、
志郎は無駄としりつつバタバタと暴れてみせる。
「てっ、何をする気ですか?いやです、いやーっ」
「あらら志郎君、今日はいつもよりパワー溢れてるわね」
「その調子で、みんなの期待に答えてね」
「ふふふ、今日は体育館は全部女子バレー部の貸しきりだから安心して叫んでいいわよ」
もがく志郎をむしろ歓迎して、
2人はひょうひょうと廊下を進み体育館の扉を開ける。
そこには、
『女子バレー部新入生に可愛い隠しマネージャお披露目会』
の文字。
「こ、これは」
「うん、今年の一年生と志郎君の顔見せ会だよ」
「今年は新入部員が多くて10人もいるんだけど、志郎君なら大丈夫だね」
かるーく言う、瑞穂と智里。
「とりあえず、志郎君にはあそこの鉄棒に磔になってもらうから」
これもやっぱり軽く言われ、
「いやああああ」
志郎は本気で悲鳴をあげた。
「はい志郎君、こっちよ〜」
志郎を抱えた瑞穂と智里が体育館の中央に用意された鉄棒を示す。
それは体操用に使われる背の高い鉄棒で、
きわめて丈夫そうな支柱に、
さらに丈夫そうな鉄の棒が渡してある。
もうひとつさらに、その鉄の棒からぶら下がる皮の紐と皮の手錠。
何に使うかなど愚問。
志郎は必死に手足をばたつかせて叫んだ。
「いや、いやですっ、いや〜」
「「あっ」」
瑞穂と智里の一瞬の隙をついて、逃げ出す志郎。
だだだだだだっ!
一目散に出口に向かって駆け出した。
「ああーっ!」
「志郎君待って〜っ!」
待たないっ!
待ったら僕はダメになる!!
ぐっと意志を固める志郎。
今日のことで明日がどんなに辛くなっても、今日逃げることで明日も変わるんだ。
ほら、一歩ずつちかづいてくるあの扉。
あの向こうに僕の幸せがあるんだ!!
そう、あと一歩。
あと、3センチ。
ガラララララ。
そして、志郎が触れる前に開かれた扉。
それはまるで志郎を祝福するように、
「はーい志郎君、こんにちわ」
「あれれ?もしかして逃げようとしてたの」
「ふふーん、悪い子だね〜」
早苗、千尋、恵の3人の胸の中へ少年を飛び込ませていた・・・。


・・・で、


「ううっ、志郎君が逃げるなんて、ショックだよ〜」
「あはっ・・あふ・・」
「あんた達が乱暴だからよね、志郎君」
「ひん・・・ああ・・・」
「そうそう」
「あっ・・くひん・・・」
「いいもん、私、別に怒ってないから」
「そうなの?」
「だって・・・、嫌がる志郎君もやっぱり可愛いじゃない」
「ひあっ・・あくっ・・んんあっ・・・・」
志郎は5人の女生徒に捕獲され鉄棒の下までつれてこられると、
鉄棒から降りる皮手錠に吊るされて、
5人がかりでの準備運動を受けさせられていた。
志郎の衣服の中に5人分の手が入り込み、もぞもぞと急所を撫で責めている。
中でも『逃げられた!』瑞穂と智里は、
瑞穂が後ろから、
智里が前からズボンの中に手を突っ込み、ペニスと肛門を容赦なく責めたてている。
智里の右手がゆるゆるとペニスをしごき、左手が袋を揉みしだく。
「あくっ・・いやあ・・逃がしてえ・・・」
「そうか、志郎君のそういう慣れてくれないところも素敵よね」
瑞穂が肛門に根元までつき入れた2本の指を前後させて頷く。
「ぎひいいっ」
指が一番深くまで入ったところを折り曲げられ、
ぐりぐりと捻りを入れられながら抜かれて身悶えする志郎。
その口を早苗、千尋、恵がつぎつぎと塞いで、乳首が爪でこしこしと弄られる。
「かっ・・あひん・・・ふああっ・・・」
悲鳴と甘い喘ぎを交互に出して、
手錠に両手を中に吊り上げられた志郎が女生徒達の中心で身をくねらせていく。

新入生登場まであと少し・・。
体操用の鉄棒に両手を上げて吊るされ、5人の女生徒に嬲られる志郎。
足は余裕を持って床に着いているが、
肛門を挿し抜く指に捻りを入れられると、
志郎は悲鳴を上げてよたつき、女生徒たちの手の中で躍らせれた。
「ほらほら志郎君、お尻の中をもっとぐりぐりしちゃうよ〜」
「あう・・あ・・だめえ・・・ああっ・・・・」
「あら?ダメなのにどうしてこっちはこんなに大きくなっちゃうのかな?」
後ろを責められてもがく志郎のペニスも、
やはり女生徒の手が弄りまわし、
逆手にしごいて少年のどうしようもない身体の反応を揶揄して遊ぶ。
「はあ・・・んん・・・・あふ・・・」
志郎が出す喘ぎ声を聞き取りながら、
次々と入れ替わり、休みなく責めてくる女生徒達。
志郎を感じさせることに主体をおいたその責めは、確実に志郎を高ぶらせていく。
「ふふふ、気持ちいいでしょ?」
「乳首がかたくなってるよ〜」
「ホント、志郎君のおっぱい舐めてあげる」
女生徒の2人が志郎のシャツをめくり上げて、2つの小さな乳首に口をつけた。
唇で吸引し、舌の表面を当てこすり下から上へと弾くように舐めあげる。
「どう、気持ちいい?」
余った女生徒の一人が志郎の目をまっすぐ見つめて質問する。
「く・・・は・・」
ペニスに肛門、両方の乳首、少年の身体の性帯を同時に責められる志郎は、
潤ませた目で見返し、
鉄棒に括られた両手を軸にしてくねくねと身を歪ませる。
「聞かれたら、答えるの」
と、唇を深く塞ぐ女生徒。
志郎の口内に舌を挿し入れて、歯の付け根の裏側をくすぐり回す。
「・・むぐ・・・ん・・あふ・・・」
志郎は、女生徒しっかりとつかまれた頭を揺すってくぐもった声で鳴く。
「私も舐めてあげるね」
さらにペニスを責めていた女生徒がそれにならって、志郎を口に含む。
指で根もとの方を軽く揺さぶりながら、
舌で軟らかい先の部分を丁寧に舐めて愛撫する。
「じゃあ私も、特別だよ・・」
そして、肛門を責めていた指が抜かれて、代わりに舌の先がすぼまりに触れる。
「・・・んんっ!・・」
びくうっ!
変化した責めに志郎の身体が跳ねて、女生徒達に抱きとめられる。
「5人がかりで舐め舐め責めなんて、他の男の子が聞いたら泣いて羨ましがるわよ」
一度、唇を放して女生徒が言う。
「気持ちいいでしょ、幸せ?」
「あ・・ん・・・・だめえ・・・・あ・・ん・・・気持ちいい・・・よ・・・」
それぞれに動く女生徒達の舌に翻弄され、
途切れ途切れに志郎が口を開く。
どの言葉も熱い息に包まれ、目の縁に溜まった涙がふるふると落ちて流れた。
「よく言えました。ご褒美に、もうすぐもっとたくさんで弄ってあげるね」
「・・あんっ・・」
再び唇を重ねられ、志郎は短く鳴いた。

体育館の真中。
体操用の鉄棒に両手を結ばれた志郎が、女生徒達に絡みつかれて悶えている。
女生徒の数は5人。
背の小さな志郎の華奢な身体に口付けして、それぞれの局部に舌を這わせて弄んでいる。
「志郎君はこうすると気持ちいいだよね〜」
智里がペニスの先を指で持ち上げ、
その裏側を舌を立ててつううっと一筋舐め上げた。
「ううっ」
「で、こうしたりして・・」
さらに袋の裏側に指を伸ばして、
うっすらと触れる力加減で細かくくすぐる。
「ひあっ・・・くっ・・・・」
志郎は鉄棒と繋がる皮の紐をギシギシならし、
身を捻りながら鳴き声をあげようとするが、
その口もまた千尋の唇に塞がれてくぐもった音にしかならない。
ドンドンッ。
その時、大きくノックされる体育館の扉。
志郎が一瞬ドキリと身をこわばらせ目を見開いた。
「来たみたいね」
一方、女生徒達は慌てる様子もなく志郎に張り付いたままそれぞれに笑みを浮かべている。
「志郎君、新入生の入場よ」
「志郎君の恥ずかしくて可愛いところをたくさん見せてあげようね」
「!!」
それを聞いて激しく首を振る、志郎。
ドンドンッ。
扉が再びノックされて、外から効きなれた友美の声が聞こえる。
「新人連れてきたよー、入るからねー」
「いいわよ、入れてー」
答えたのは早苗。
志郎は必死に首をふり、なんとか唇を振りほどいて訴える。
「ぐっ・・ぐっ・・ん・・・いやっ・・・だめえーーっ」
「大丈夫、みんなバレー部の子達だから」
何が大丈夫なのか、
いつもの明るい声でにっこり微笑む女子生徒達。
「開けるよー」
「どうぞー」
そして、さっと志郎の身体から離れて、
少年の裸体を扉の外から入ってくる者達にさらす準備をする。
「いやあ・・・だめえ・・・入れないで」
キュオォォォ・・。
鉄棒の下で必死に身体を振る志郎の前で、ゆっくり開かれていく扉。
その向こうから、
知った顔と知らない顔を合わせて10人を超える女子達の視線が飛び込んで来て、
志郎は今までにない羞恥心に襲われ、叫び声をあげた。
「いやああ、見ないでえーーーーっ」

バレー部の新入生。
つまり同じ一年生の女子生徒10人の目が鉄棒から吊るされた志郎の裸体に集まる。
そのほとんどが男の裸を初めて見つめるものであり、
それ故に責め慣れた上級達とは違う、好奇心にあふれるものであった。
しかも一年生の中には志郎の知った顔、同じクラスの子までいた。
「・・お願い・・見ないで・・・」
ひとりひとりに穴があくほど観察され、志郎は顔を真っ赤にして身をよじる。
「もうひとりのマネージャーって志郎君だったんだ・・」
と言ったのは、同じクラスの女子。
志郎の前まで近づき、やや頬をそめて顔と剥き出しになった下半身を見下ろす。
バレー部に所属するだけあって、やはり小柄な志郎よりも背は高い。
「・・や、弥恵さん見ないで・・」
か細い声で震える志郎に、
「そっか・・そうね・・」
弥恵はかるく頷いて納得する。
「私も、学校で一番可愛い男の子は志郎君だと思ってたよ」
どうやら一年生達は志郎に対してそういう説明を受けていたらしい。
志郎を選んだ張本人、亜里沙が弥恵の言葉を聞いてにこにこと微笑む。
「気に入ってくれましたか?」
「はい!」
弥恵の顔は納得から満足に移り、
さらに、わきわきとした押さえられないものに変っていた。
「・・志郎君、触ってもいいよね」
弥恵の手がすうっと志郎の身体に伸びる。
弥恵としても初めて触れる男の身体であり、ドキドキする心臓にあわせて指先が微かに震えている。
「弥恵さん、だめえっ」
「弥恵でいいよ・・」
拘束されて逃げられない志郎に弥恵は答えて、両方の手のひらを脇腹のあたりにそっと沿えた。
「すべすべしてる、気持ちいい」
弥恵は手のひらに伝わる志郎の身体の感想を口にして、
脇腹から胸へと撫で上げた。
「はうっ・・・」
ビクリと反応する志郎と口から漏れる喘ぎ。
自分の簡単な愛撫に志郎が感じている。
弥恵はそのことが分かると無性に嬉しくなった。
同時に鉄棒の下で無残に両手を縛られ、
何の抵抗もできない華奢な少年の姿にもっと苛めて鳴かせてみたいという好虐心が芽生える。
「志郎君、いつもこんな事されてたのね」
弥恵はもっと志郎が感じるように手のひらに意識を集中し、
くすぐるように力を加減して志郎の身体をさすった。
上級生によって『準備運動』を済まされていた志郎は、
弥恵が思うままにくねり、喘ぎ声で喉を鳴らす。
「ん・・はふ・・ああ・・やめて・・弥恵・・・さん・・・」
「ごめん、なんか志郎君を苛めるのやめられない」
可愛い。
面白い。
愉しい。
私のものになっている・・。
弥恵の頭の中がぼーっとし、身体が熱くなってくる。
「・・・これが男の子なんだ・・」
熱のこもった呟きが漏れて、
弥恵はごく当たりまえに志郎に唇を重ねていた。
「さあ、他の一年生の方もよろしければ志郎君に触ってみてください」
そして、
亜里沙の声で他の一年生も動き出した・・・・。




・・・おまけ。

「うっ、あっさり志郎君の魅力にとり付かれているような」
「いいんじゃない、それが目的だし」
「でも、少しは遠慮ってものも・・」
「ふーん、結花、妬いてるわね」
「ううっ・・」

かなり退屈になった上級生達は、改めて志郎の魅力について語り出すのであった。


「初めて、キス、しちゃった・・」
唇を離し、弥恵が志郎に微笑む。
「ここ、さわるよ」
志郎の下腹部に手をおろす、弥恵。
固く張り詰めたペニスを柔らかく手のひらで包むと、ゆっくりと前後させて志郎の反応を観察する。
「あん・・そこはダメ・・弥恵さん」
志郎は弥恵の期待以上の感度で敏感に反応し、
動かす手に合わせて喘いでくれた。
「弥恵、・・・呼び捨てでいいよ」
「んん・・・やめて・・・」
「弥、恵、私の名前を呼んで」
「弥恵・・・はう・・やめて・・」
ゾクッ。
震える志郎の声で名前を呼ばせるだけで、弥恵の身体に言い知れぬ快感が走る。
おとなしく、とびぬけて可愛いい、このクラスメイト。
女子達の会話の中で密かに出てくるこ少年と自分が、
特別な繋がりで結ばれていくような気持ち。
そしてそれは気持ちだけでなく、現実にこの手で好きなだけ嬲れる。
「ほら、志郎君の気持ちよさそうな顔、みんなが見てるよ」
ペニスをしごきながら、弥恵が志郎に言う。
志郎の周りには弥恵の他の一年生が、
裸で吊るされて性器を嬲られて悶える自分を取り囲んで注目している。
「ああ、みんな見ないで、恥ずかしい・・」
「知ってた?志郎君て女の子に人気あるんだよ。優しくて、可愛い男の子だって」
女子生徒達の手がそろそろと志郎の全身にのびてくる。
そのひとつひとつが志郎の肌を確かめるように指先から手のひらへと触れ、
それぞれの知識と好奇心によって、
少年の性感にそって撫でまわし始める。
「ひああ・・あう・・だめえ・・あんっ・・はうう・・」
志郎は首筋から足の先まで全身を10人もの少女達がのばす手に弄ばれ、すすり鳴く。
「それが、先輩達とこんなやらしい事してたんだね。志郎君のえっち・・」
「ち・・ちがう・・ひああっ」
「ふふ、男の子ってここを弄られると気持ちいいんでしょ?今日は私がいっぱいしてあげるから」
徐々に手の動きを早めていく、弥恵。
「あ・・ああ・・あ、ああ、はん、はっ、だめえ、くっ、くんっ、んん・・」
それに合わせて志郎の息も荒くなり、
顔を左右にふって女生徒達に覆われた身をくねらせていく。
「志郎君のここ、ビクビクしてきたよ。もう、イきそうなの?」
「やめて、それ以上はもう、あんっ、でちゃうぅ」
「いいよ、出すところ見たい、志郎君のイっちゃうところ私達に見せて」
「あ、あ、あうっ、だめええ」
志郎に集まる熱を持った視線。
少女達は全員でひとりの少年を責め、少年が達するまで追い詰めていく。
「んっ、んっ、んんっ、ああっ!!」
その視線の中心で身悶える志郎。
ペニスの先から精が飛び出そうとするのを必死で堪え、
その我慢を突き崩そうと弥恵が棒を擦りたてる。
そして、
「あうっ」
ついに一線をこえ、身を反らせる志郎。
ビンッと弥恵の中でペニスが膨らみ、先の出口が口を開けた。
ビュッビュッ。
「見ないでええっ、いやあああっ」
志郎の叫びとともに熱い精液が弥恵の手と身体の上に飛び散る。
射精はそのまま数度続き、
弥恵は精液を受けながら手を動かし続けた。
「凄い、志郎君、熱いのが飛んでくる、熱いよ・・」
弥恵は両手に感じる精液の熱にさらに陶酔して、
愛しい少年の恥ずかしい絶頂の顔をじっくりと胸の奥に焼きつけていた。
「志郎君、すごく気持ちよさそうな顔したね」
同級生の射精という、
今ままで想像もしたことのない瞬間の快感に震えた顔を見て、
弥恵と弥恵と一緒に志郎を取り囲む少女達は満足げに笑みを浮かべた。
飛び出してきた精液の熱と臭いが、
自分たちの手で同級生を辱めていることをリアルに感じる。
他の見知らぬ男ものであったなら汚いと思ったかもしれない。
だが、
目の前で声をあげる少年は何よりも可愛いく、
哀れに縛り上げられた身体から、さらにその声と熱を絞りとりたいと願わせた。
そして願いは、
自分たちの欲望のおもむくままに果たすことができる。
この子は今、大事な玩具として私達に捧げられているのだから。
「今度はあれを使ってみようよ」
と、少女の中の一人がバレー部備え付けのアイテムボックスを指差す。
アイテムボックスといってもただのダンボール箱であるが、
箱には大きく『志郎君専用、清潔に!!』と太字で書かれており、
中にはぎっしり少年への責め具がつまっているものである。
「えへへ、私これを使ってみたいな〜」
と、少女が持ち出してきたのは一本のバイブ。
アヌス用の細身で緩やかなくびれが施してあるのものであった。
「これってお尻の方に挿れるやつでしょ」
「そうね、それ使いましょう」
「賛成っ」
順に道具を手にとって嬉々と悦ぶ少女達。
「というわけで志郎君、こんどはこれを挿れさせてね」
表面にローションとたっぷりと落して、志郎へと迫る。
「いやだ、お願い、みんなやめて・・・」
少女達のなかで弱々しく首をふる、志郎。
少女達はその志郎の身体を手で抱きとめ、
それぞれ左右から数人がかりで脚を掴んで無理やり開かせる。
「はい、お尻だしてえ」
「やめて、やめてよ・・」
小さな抵抗をする小さな身体は何の問題もなく少女達に操られ、
腰を引かされ、突き出した尻を開かれ、
恥ずかしい穴にローションに濡れた棒の先が押し当てられる。
「私、挿れられるときの男の子の顔を見てみたい」
「あ、私も」
「私も見る〜」
志郎を除き込む、少女達の輝いた顔、顔、顔。
どれもが期待に満ち溢れ、志郎の羞恥に染まる瞬間を心待ちにしている。
それがさらに志郎を辱め、
くねくねと身体を揺する無駄な抵抗が少女達をより愉しませるスパイスになる。
「じゃあ、いくよ〜」
「えいっ」
ずぶううう。
「やめて、いやああ、見ないでええ、くうううううう・・・」
肛門に異物が突き刺さる瞬間、みだらに歪む同級生の顔。
ゆっくりと中へ進められていくのに合わせて、その口から息が漏れる。
志郎の顔は必死に何かに耐えつつ、
快楽と苦痛を同時に味あわされる喘ぎに徐々に壊されていく。
「すごい・・」
「なんかゾクゾクする」
「私、なんか・・」
「うん・・」
他人に見せるには酷く恥ずかしく、
故に見る側にとっては極上の悦びにひたり、つぶやく少女達。
その目と手は志郎から離れず、全員の胸の内に同じ欲望を抱かせる。


・・・もっと、この子を侵したい。

少女達は鉄棒に繋がれた志郎の肛門を背後からバイブで犯し、
狂態を眺め陶酔していく。
「志郎くん、今度はこれに乗ってね」
んしょっ、んしょっと少女達の手によって、志郎の前に運ばれてきたのは跳び箱。
当然、この場に持ち出されるからにはただの運動具ではない。
普通と同じなのは2段目までで、
通常手を付く為に平らになっている一番上の段が、
そのまま木の枠の斜面が続いた山となってる、三角木馬状の責め具であった。
そして、その一段目の側面に書かれた『さく:亜里沙』の可愛らしい文字。
「ひいい・・いやああ・・・」
志郎は首を振って拒否するが、
誰もがこれから志郎が発する叫び声に期待して、
左右から志郎の身体が持ち上げられ、
肛門からバイブが抜かれると同時に宙で脚が開かされる。
「いや・・やめて・・・たすけて・・・」
浮かされた身体のすぐ下に運び込まれる跳び箱の尖り。
「大丈夫ですよ、志郎さんが怪我をしないようにかなり丸めてありますから」
どこからか亜里沙すすすっと横歩きで現れて、木馬の背を撫でて説明する。
「ほら、あまり痛いことをするとこのお話も隠しページに行っちゃいますし、
 あ、でも、これはセーフという事で使わせてくださいね」
亜里沙は、いつものようににっこり微笑んで、
木馬の背の中央に埋め込まれていた突起を引張りあげる。
突起は先ほどまでバイブに犯されていた志郎の肛門の直下に勃ち、
何の為に付けられた物か、誰の目にも明らかであった。
「では、頑張って皆さんのお相手になってくださいね」
すっとつま先立ちになり、志郎の頬に軽く口付けする亜里沙。
ほほほ・・、とは笑わなかったものの、
そういうポーズで口に手を当てて登場時と同じく横歩きで志郎の視界から消える。
「では、皆さんいいですよ」
という、声を残して。
「いくよ、志郎くん」
そしてまわりに残ったのは期待に満ち溢れた同級生達。
亜里沙の横入りで焦らされた分、さらに息を熱くしていた。
「降ろすよ」
志郎を串刺しの木馬へと導いていく少女達。
志郎の肛門に突起がめり込み、自重によって突き抜かれていく。
「待って・・だめ・・・ひ・・・・ひいっ・・・・」
突起はただの棒ではなく、
幾つも凹凸が施されており、
窄まりが突起の膨らみを通すたびに志郎は声を上げて鳴き、
跳び箱の側面を脚で挟んで侵入を拒もうとする。
だが当然、
少女達が志郎にそのような逃げを許すはずもなく、
志郎の脚が跳び箱を挟み込めば、何人もの手でそれを引き剥がし、
志郎の降下を進めて次の悲鳴を上げさせた。
とんっ!
「ひああああっ」
完全に木馬の背に跨らせられる、志郎。
反射的に立ち上がろうとするところを脚を広げられて、
さらに股間に三角部分を食い込ませられた。
「あううう・・・助けてえ・・・・」
「ふふふふ・・」
志郎の助けを求める声に、少女達はまず笑みで答える。


「ほーら」
ガタガタガタガタガタッ・・・。
志郎が跨る跳び箱を、前と後ろから同級生達が揺らす。
「ひああっ・・あう・・・食い込むううっ・・・」
志郎は肛門にめり込んだ突起を中心に、
三角に分けられた跳び箱の先に股間を擦られ、万歳させられた両手を捻ってもがいた。
「志郎君、可愛いよ」
「もっと声を聞かせて」
貪欲に責めてくる、少女達。
跳び箱の上でくねり踊る志郎の身体に、何本もの指と何枚もの唇で寄り添ってくる。
「ここからまた出すところ、見たいな」
勃ち上がった状態から休むことを許されないペニスの根元に同級生の指が回され、
先と横から舌が這わされた。
指はペニスの付け根を緩やかにしごき、
舌は自由気ままに蠢いて、それぞれの角度から敏感な部分にねっとりと密着する。
「さあ、出すとこを見せて」
「早くう〜」
さらには横から少女達が志郎の乳首をひとりひとつずつ爪で弄り、
左右の耳に口をつけて催促する。
「くふ・・あ・・・」
身悶える、志郎。
「出してくれないとこうしちゃうよ〜」
ガタガタガタガタガタッ。
そして、深く揺らされる跳び箱。
割られた股間に疼きが走り、どちらの方向に体重を逃がそうとしても同級生達が押し戻す。
「ほらほらほら〜」
「ああ、あうっ、揺らさないで、お願いっ」
「じゃあ、出して」
「出す、出すから、許してっ」
「本当に?」
「あうう、お尻が、とめてえっ」
「じゃあ、少し待ってあげる」
哀願する志郎をみて、同級生達は頷きあい、跳び箱を揺らす手を休める。
逆にペニスへの責めはきついものとなり、
少女達が代わる代わるペニスを口いっぱいに頬張っては、力の限り愛撫を繰返した。
「あう・・あん・・・くう・・・」
次々とペニスを咥える口を変えられ、リレーされて志郎は鳴く。
だがここまでに何回も射精を強いられおり、少女達が望むようにイくことは出来ない。
「ぶ、ぶ、ぶー、時間切れー」
ひとりの少女が叫び、
「志郎君に罰ゲームですー」
「それー」
まわりの少女隊が待ち望んだように、跳び箱揺らしを再開する。
「ぎいっ、ひいっ、いやああっ」
跳び箱の角が跳ね上がり、
床を叩く衝撃が繰返し志郎を襲い、泣き叫ばせる。
「今度は出してくれるかな、志郎君」
「あうう、出す、出します、だから止めてえ〜」

「ほらほら、早く出してよ」
「出す・・・出すからここから降ろして・・・お願い・・」
「私達はこの上でイっちゃう志郎君が見たいの、だからこのまま頑張るの」
志郎の哀願に首を振って答える少女達。
跳び箱の縁を叩き続けて、志郎の射精を強引に迫る。
「ひい、いっ、あっ、こんな、出ないよ」
「じゃあ、揺らすのはこれでお終いにしてあげるから、今度は自分の手で出しなさい」
少女の中のひとり、
弥恵が志郎のわななく唇に指を這わせて言った。
「そういうのもいいね」
「志郎君のひとりエッチって可愛いかも」
少女達は頷き合い、
それを見て弥恵が志郎の両手を繋ぎ続けていた枷を外す。
弥恵はしなだれ落ちる志郎の手を受けとめて、
手首に紅く残った縛りの跡をさすりながら言う。
「ただし、ここから降りちゃだめ。揺らすのはお終いにしてあげるからね」
ちゅっと、弥恵が志郎の手首にキスをして自身のペニスを握らせる。
そして、横から志郎の顔を胸に抱きよせて囁いた。
「やりやすいように私の胸、生で舐めさせてあげる」
弥恵が体操服を捲り上げ、胸の膨らみをさらす。
下着は着けておらず、
若い乳房の若い乳首が有無を言わさず志郎の唇を押し割って入る。
「始めて・・・」
弥恵は言い、掴んだ志郎の手の上からペニスをさすって動かし始めた。
「・・・あ・・・・ん・・・・・」
徐々に自分の意志で手を動かし始める、志郎。
何人かの手と指が志郎の乳首を転がし、
志郎の口が弥恵の乳首を含む。
「ん・・ああ・・・あ・・」
女達の玩具である志郎の身体は愛撫に敏感に反応する。
しだいにペニスを握る手に力がこもり、声にもつやが出始める。
「男の子が自分をえっちするときってこういう顔するんだね」
「みて、先からまた液が溢れてる」
まわりから聞こえる少女達の声。
自分のオナニーを何人もの女の子達が観察している。
そう考えると、
一方的に嬲られているだけの時とは違う恥ずかしい熱が身体の奥で燃え出し、
疼きにかわってペニスとそれを癒す手に響いていく。
「・・・はあ・・・・ひんっ」
一瞬、力が抜け跳び箱の尖りに身体が沈む。
声を出して反射的に身を悶えさせると、弥恵にぐっと抱きしめられた。
「今の志郎君すごくいいよ、ずっとずっとこのまま置いておきたい」
志郎が自分の手で自分のペニスを固くさせていくのを、少女達は見ていた。
志郎は手淫による快楽に喘ぎながら、
ときおり脚の力が抜けて跳び箱の尖った背に座り込んで悲鳴を上げるのも合わせて、
それは心の底から愉しい見世物であった。
しかも少女達はこの後もこの少年に何をしてもいいのだ。
10人もの仲間で一人の少年を嬲りものにする。
全員が全員、次の責めに鳴く志郎の姿を思い浮べて、志郎が自ら達する時を見守っていた。
「・・あっ・・んっ・・・」
弥恵に支えられ声をあげる志郎。
しごく手が速くなり、ペニス先から先走りの液が糸をひいて落ちていく。
「イきそうなのね。さあ、イって。自分でイくところを皆に見せて」
弥恵の囁きに導かれて、
志郎の息は荒く昇り、ペニスの先を天井に向かって突き出した。
「あ・・ああ・・・あん・・・ふああっ!」
くっと固まる四郎の四肢。
ペニスの先からぴゅっと白の精液が噴き出る。
ここまでの射精の連続でさすがにその量は少なかったものの、
放出の瞬間、志郎の顔が確かに快楽に歪み振るえるのを少女達は見た。
「ああ、志郎君可愛い」
ぐたっとなりかける志郎に少女達が群がり、10人がかりで志郎の身体を持ち上げる。
そのまま体育館に用意されていたマットの上へと志郎を運び、
仰向けで寝かせて手足を押さえ付ける。
「今度は私達の手で弄らせて」
「全員でイかせてあげる」
少女達は輪になって志郎を取り囲み、
一人が脚の間に入ると、射精したばかりで休みを求める志郎のペニスを激しくしごき始めた。
最初から全開の無理やり少年をイかせる擦り方である。
「あっ、ひいいっ、そんなに強く握らないで、ひんっ」
萎え掛けた志郎のペニスは無理やり固さを戻されて、
志郎は押さえられた手足を突っ張らせて鳴いた。
「知ってる?イったペニスを休ませずに思いっきりしごき続けると、男の子は何回でもイっちゃうんだって」
「私もそれ聞いたことある」
「じゃあ、試そうよ」
「志郎君、イきっぱなしにしてあげる」
「そんな、だめっ、だめえ、ああああああっ」
少女達の言葉どおり、志郎は早くも次の絶頂を迎えさせられた。
脚がビンっと張り、背中がそって持ちがるところを集団に押さえられる。
ペニスの口がパクとパクと開き、確かな絶頂感を志郎に与えてほんの僅かな精液が出た。
「次は、私」
そして、しごき手は休みなく交代し、再び志郎のペニスを全力で擦り責める。
「あおっ、おおおっ、いやああっ、助けてえっ」
志郎は叫ぶが少女の手は止まらず、志郎はもう一度絶頂へと昇らされた。
「ひいいいいいっ」
今度は精液は出ず、口だけがパクパクと開閉する。
志郎はマットの上でのたうちかけ、それすらも封じられて次のしごき手にペニスを握られた。
「志郎君、イくときはイくって言うんでしょ。言わないと、ずっと苛めるよ」
「私達が全員満足するまでやめないからね」
「言うことを聞いて、私達を満足させて」
ざしゅっ、ざしゅっ、ざしゅっ・・・。
ペニスは嬲り倒され、少女達は全員が自分の番が終るまで満足しそうにない。
それどころか、ここまで興奮した少女達が一人一回で済ませるだろうか?
「さあ、言いなさいっ、イくんでしょっ」
「ひいっ、ひいいっ、イクっ、イきますうううっ!!」


「あ、くっ、イくうううっ、はあっ!」
少女の手の中で志郎のペニスが脈打った。
ビクビクと勃起した身を震わせて、先の口がパクパクと開閉した。
そして、そこから漏れるのは僅かな雫だけ。
無慈悲に与えられる少女達のしごきにより、志郎のペニスはとうに搾りとられた状態となっている。
それでも射精に到る瞬間、志郎は数瞬の快楽に支配され鳴き声をあげる。
「あああ・・ああ・・・あう・・」
そしてペニスの脈動が収まり、沈黙しようとする志郎。
だが、次の女生徒が志郎と同じく萎れかかったペニスを掴んでそれを許さない。
固さを失い本来のサイズに戻って休息しようとするペニスを激しくしごき立てて、
無理やり勃起状態に復活させるのだ。
「あうっ、もうだめえ、擦らないで」
「だめよ、そこ、一気に勃たせちゃえ」
「出したばかりなら、何度でもイけるはずよ」
「あ、また固くなってきた」
「ホント、志郎君、また元気になってきたわよ」
「ふふふ、またイかせてあげるからね」
「いや、お願い、もう、もう、許して」
志郎の哀願。
無視する少女達。
ごしごしと上下する同級生の手の中で、
志郎のペニスはクニクニと嬲られ、空射ちの快楽地獄へと昇らされて行く。
「ほらほら、イくでしょう?どうなの?」
「ああ、イくぅ、またイっちゃう、ああ、いやあああっ」
ポッ。
と開く志郎の放出口。
一滴、雫がこぼれ出て、志郎は声をあげて鳴いた。
「ふふ、次は私」
「もうやめて・・・もうイきたくないよ・・・許して・・・・」
「くすくす、大丈夫、許さないから安心してまたイきなさい」
「うひっ、ひいっ、ああああっ」
志郎のペニスは新たな少女の手でもみくちゃにされ、
下げかけた頭を再びもたげさせられると、
連続する手淫責めは、すぐにまた志郎に絶頂の快楽を与えて叫ばせた。
「いいいいっ、イくううっ、ああああっ」
「次、私」
「はあ、はあ、ああああっ、壊れるううう・・・・」
またひとつ口をあけるペニスを眺め、
10人の少女達は全員が次に自分がイかせるまで、志郎を放さないことを決めていた。




終り。





で、
本当に射ち止めになった志郎を、謎の腕力で笑顔の亜里沙が背負いつつ。
「次の章は私が主役です」
一礼をして、自分の家へとお持ち帰りしていったという。
「一緒に愉しみましょうね、志郎さん」
目が覚めて、
志郎が最初に見たのは見たこともないほど広く高い天井。
身はふかふかとしたクッションに半ば沈んでいて、
さらにすべすべとしたシーツが上から掛けられている。
ベットの中・・・?
ぼんやりとした意識で考える志郎。
とりあえず身体を動かそうとして、不意に左腕の方から引っ張り返された。
「????」
覚めきらない目で、志郎がそちらを見る。
そこには、
「・・・・・・・・・・」
抱っこちゃん体勢で志郎の腕に絡みついて眠る。
幸せそうなバレー部の謎マネージャー、亜里沙がいた。

「えええええええーーーーーっ!!」
「・・・・・ぁ・・・」
その広い広い部屋に響き渡った志郎の叫び声に、
亜里沙の目がやんわりと開く。
亜里沙は最初に志郎の方を見て、
驚き混乱する志郎とは逆に安心したように笑みを浮かべる。
「おはようございます、志郎さん」
ベットの中で志郎の腕に抱き付いたまま、
亜里沙から志郎への落ちついた優しい声での挨拶。
「あ、亜里沙さん?どうして?」
「昨日の新人歓迎会で志郎さんが意識不明になられましたので、私が私の家へお連れしました。
 志郎さんのお家の方には、昨日の内に私から連絡しておきましたので心配はいりません」
亜里沙からの連絡・・・。
また謎な技術を使ったと思われるが、
志郎に向けられる言葉は澱みなく、笑顔にも一点の曇りなし。
「ついでに学校の方もお休みにしましたので、ゆっくりしていってくださいね」
そして亜里沙がこう言った場合、
休みなのは生徒ではなく、学校自身である。
きっとそうだ。
「それにしても、志郎さんにも限界があったんですね」
くすりと笑って言う亜里沙。
志郎の腕をさらに自分の胸の中に抱き込んで、気持ち良さそうにすりよる。
「亜里沙さんっ、ちょっと、そんな格好でっ」
志郎が見る亜里沙の姿は就寝用の薄いキャミソール一枚で、
シーツのめくれたところから、その向こうの肌の色と形が透けて見え、
寄りかかられた腕にはっきりと女性としての肢体の感触が伝わって来る。
「寝るときはいつもこの格好ですけど、志郎さんはお嫌いでしたか?」
「そういう事じゃなくて、あの」
「それに志郎さんの方は私の好みで何も着けていらっしゃいませんし」
「えええっ」
そこで初めて全裸の自分に気がついた、志郎。
慌てて隠そうとするのを、亜里沙がさらに身を寄せて妨害する。
「こうやって志郎さんに抱き付いて寝ているのはとても気持ちいいですわ」
「ああ、ダメですよ、亜里沙さん」
志郎は亜里沙から離れとするが、
亜里沙の謎の怪力は笑みを浮かべたままビクとさせない。
「ふふ、志郎さんはいつも新鮮で可愛らしいです、それにもうすっかり元気みたい」
亜里沙の身体が徐々に志郎の上に被さって来る。
「まあ、どちらにしても脱がしますし、2人きりでするにはとてもよい機会ですので」
「き、機会・・?」
「はい、カタカナで言うと“チャンス”です」
にっこり。
笑う、亜里沙。
「志郎さんの周りにはライバルがいっぱいですから」
「だ、ダメですぅ」
「ふふ、私の方もダメです。志郎さんの傍らで一晩も我慢してたんですから」

「一晩って、もしかして僕と一緒に寝たんですか?」
「はい、しっかりと」
亜里沙は嬉しそうに答えて、
「でも、志郎さんが完全にダウンされていたので何もやましい事はできませんでした」
と残念そうに首を振る。
「そ、そんな亜里沙さんダメじゃないですか」
「何がです?」
「女の人が僕なんかと一緒に寝たら・・・」
それ以上にひどいことを散々されて来て、かなり順番が違っているといえども、
志郎はまたひとつ良くない階段を降りてしまった気がして、亜里沙に言った。
「ふふ」
その志郎の唇に、亜里沙の指が縦に一本あてがわれる。
「自分のことを“なんか”なんて言ったら、たくさんの人が怒りますよ」
亜里沙の笑み。
それが志郎の顔のすぐ横に落ちて来て、覆い被さって抱きつく。
「まず初めに私が怒ります」
亜里沙の身体はごろごろとじゃれつく猫のような微妙な重さを志郎に伝えて、
耳元に柔らかな唇を吐息とともに触れさせた。
「志郎さんは私が選んだ唯ひとりのお相手なんですよ。悪くいってはいけません」
「・・・ああ・・・」
それだけで、志郎の身体の芯に走る甘い痺れ。
「それに私は志郎さんのこと好きですよ。・・・こうして、ひとり占めにしたくなるくらい」
言って、
亜里沙の唇が志郎の耳を噛んだ。
同時に抱き付いていた指が、そっと身体の輪郭を撫でる。
「ふあ・・あっ・・」
触られているだけなのに、これまでに受けてきたどの愛撫よりも深く届く快感。
志郎は喘ぎを上げて身をよじった。
「志郎さんは私のことどう思っていらっしゃいますか?
 無理やりこんなことをして嫌っていらっしゃいますか? ああ、答えないでくださいね。
 どのような答えを頂いても、きっと私、志郎さんをむちゃくちゃにしてしまいます」
もがく志郎の上に乗って、亜里沙は身をこすり付ける。
「亜里沙さん・・ダメ・・あっ・・感じすぎる・・ひっ」
まだ始まったばかりだというのに、
志郎はビリビリと快感の痺れに飲み込まれ、喘ぎの悲鳴をあげた。
そんな志郎に亜里沙は瞳を閉じてキスをした。
「今日は亜里沙の一人占めの日です」


「・・・志郎さんの身体、私の好きにさせてください」

「亜里沙さん・・ダメです・・よ・・・」
亜里沙に組み敷かれながらも、手を伸ばし逃れようとする志郎。
「ふふ、逃がさないですよ、志郎さん」
その手を掴んで引き戻し、
亜里沙はくすくすと笑って志郎の乳首へとキスをする。
つんと張った乳首の先を唇で挟み、舌でちろちろとくすぐって志郎の感度を確かめた。
「あんっ」
志郎が声を上げて肩を浮かせた。
亜里沙が掴んだ腕が逃げ場を求めて持ち上がり、
力が入りきらずにまたシーツへと落ちる。
それを見た亜里沙が乳首を完全に口に含み、舌全体を使って大きく舐める愛撫に移ると、
志郎の手はシーツを掴んでくつくつとうねった。
「あっ・・亜里沙さん・・・あんっ・・・」
口から出る声は喘ぎ。
それでも亜里沙の身体を自分の上からどかせようと膝を立てると、
亜里沙は空いた手で、志郎のもう一つの乳首を摘んで軽く捏ねた。
「ひあっ・・んっ・・」
絶妙の感覚。
上と舌で爪が軽く乳首の腹に窪みをつくり、
擦りあわされるように動くと、ぴりぴりと甘い痛みを感じさせる快感を生み出す。
「ふあっ」
志郎がまたもや声をあげ、
身体の自由が奪われると同時に立ち上げた膝が亜里沙の脚に払われた。
亜里沙は志郎が新たな抵抗を示す前に、さらに乳首への責めを強化する。
唇に代わって、綺麗にそろった歯がこりこりと乳首を噛み、
爪がクニクニと徐々に力を込めて愛撫を加えていく。
「あう・・んん・・・だめ・・・はっ・・・」
右に左に傾いて、快感に鳴く志郎。
力の入らない両手が震えながら持ち上がり、
胸に吸いつく亜里沙の髪にかかると、亜里沙はとどめとばかりにキュウっと乳首を爪で搾った。
乳首から志郎の全身へ、
一瞬でビリビリと痺れさせ硬直させる気持ち良さが流し込まれる。
「くひんっ!」
背が弓なりに反り、跳ねがる志郎の腰。
「痛すぎますか、志郎さん?」
その浮いた腰に乗って、胸から顔を離した亜里沙が乳首を弄りながら訊く。
下から見上げるのは潤んだ志郎の目。
真直ぐ見つめ返す亜里沙の目に、喘ぎながら答える。
「気持ち・・いです・・けど・・あっ、だめえっ」
「良かった」
そして答えの途中で安心した顔で頷き、口を放した乳首へもう片方の手を添えた。
「いっぱい感じてくださいね」




「突然だがちょっと待て、そして考えろ、何故に今日は突然学校が休みなのか?」
「1)悪い病気が流行った」
「2)悪い事件が起きた」
「3)我等の亜里沙が何かした」
集まっているのはバレー部レギュラーの面々。
長身でそれなりに目立つお嬢さんの方々が路上で円陣を組み、相談している。
「3だな」
「3だろ」
「ていうか、志郎くんがいないし」
「昨日のあの後、亜里沙がお持ち帰りしたのはほぼ間違いない」
「うむ」
一斉に頷く、皆さん。
「で、これから亜里沙邸に乗り込むにあたって問題がある」
「なんだ、亜里沙の家なら急に押しかけてもケーキとお茶は出るぞ」
「セルフサービスでいいなら、おかわり自由だしな」
「違うっ、問題は、」
「問題は?」



「・・・・・・・私達がこうやって出てくるとえっちシーンが減って読者の皆様が迷惑することだ」



というわけで、視点は亜里沙の部屋にもどって。
「ふふ、登場キャラが多いというのも大変ですねぇ」
志郎の上に乗っかる亜里沙が含み笑いをする。
「な・・なに・・笑っているん・・です・・あう・・」
「ふふ、志郎さんは知らなくても言いことですよ」
言って、
亜里沙は口と手に含んだ乳首を掻きまわした。
「あうっ、あんっ」
またもや喘ぎを上げて、跳ね上がる志郎。
「志郎さんはどこを触っても敏感ですね、弄りがいがあります」
「うう・・あ・・亜里沙さん・・・どうしてそんな・・・上手・・すぎ・・・」
「あら、誉められちゃいました」
亜里沙は志郎に嬉しそうに微笑み返す。
「これはお返しです」
と、
亜里沙は口に含んだ分の乳首を手に持ち替え、身体を起こし、
両手持ちになった志郎の乳首を2つ同時にクリクリと弄り捻った。
微妙な力加減で爪も使う。
「ふわああっ」
志郎の身体全部がゾクゾクと震え、喉を反らせて鳴く。
走りまわる快感に志郎は身をくねらせ、
亜里沙がそれをさらに指に力を入れて反り上がらせる。
「あん、あう、ああっ・・」
「気持ちいいですか?ではこちらも責めますね」
亜里沙は乳首で志郎の上体を吊り上げている姿勢でそっと腰を浮かせた。
一旦、座る位置を志郎の下腹部からさらに下へと移動させ、
そこからふわっとした感じで、既にいきり勃ったペニスを脚の間で下から上へと押し倒して上った。
キャミソールの下に唯一身に着けた下着越しに、
やわらかな亜里沙の股間が、硬い志郎のペニスをその志郎自身の腹との間で挟み込む。
「さあ、動きますよ」
志郎へ、静かに腰掛ける亜里沙。
ペニスが半ば潰されつつ包み込まれて、ゆっくり、亜里沙の前後運動でしごかれはじめる。
「んんっ、ぐうっ」
「志郎さんの感じている顔、たくさん見させて頂きますね」



で、


「あ、ケーキケーキ」
「そのお茶とって」
「なんでちゃんと人数分のケーキセットが用意してあるかな?この家は・・・」
呼び鈴を押して正面から堂々と押し入ったメンバー達。
亜里沙の部屋までまだまだ遠い応接室で、第一の妨害に全員まったりとはまっていた。

きゅ。
きゅ。
きゅ。
志郎の上で亜里沙が下腹部をこすり付ける。
両手で乳首を操り、股間でペニスを擦り撫でるのだ。
「あ、亜里沙さん・・あ・・」
志郎は柔らかな膨らみにペニスの腹を潰される快感に喘ぎ、亜里沙に向かって口を開くが、
亜里沙は唇でそれを塞ぐ。
「ふふ、志郎さんはもう黙って気持ち良くなっていてください」
そして、さらに密着させた部分を揺らして志郎を責める。
苦痛となるギリギリ手前まで中央を圧迫されるペニス。
「あ・・く・・・」
「あ、今、志郎さんのが跳ねました。
 こうしていると志郎さんが感じていることが、すごく良く分かりますよ」
亜里沙は志郎の脚を割って身体を押し付け、
志郎を犯すように下から上へグラインドを仕掛けた。
「ひむ・・ああ・・僕・・・もう・・・ああっ・・・」
「ああ、志郎さんがきてるのが私にも分かります」
亜里沙の手が志郎の乳首から離れ、肩を掴むようになる。
亜里沙自身もやや熱くなった吐息を漏らしながら、一回一回丹念に腰を押し込み、志郎に言った。
「もう出ちゃいそうですね・・・・、すこし苛めます」
亜里沙の身体が沈み、ぐっとペニスが絞められる。
苦痛はない。
が、出口を塞がれた状態で志郎のペニスはより深い責めを受けることになる。
「ふむ・・ああ・・・亜里沙さ・・・・や・・・くむ・・・・」
もがく志郎のその顔があくまで快楽のものであることを確かめつつ、
亜里沙は絞めたモノの上で踊る。
跳ね上がる志郎の肩を押さえつけて、
同じく跳ね上がらんとするペニスの熱を心地よく受けた。
「んん・・・ん・ん・・んんっ」
「ああ、本当に出したがってます。私の下でノックして、可愛いですよ、志郎さん」
「もう・・もう・・・あん・・・」
「そうですね、そろそろですね」
限界を訴え始めた志郎と、その身体に亜里沙は微笑む。
そして、さあ出してくださいと、志郎を解放するつもりだった。
が、
「・・・・・・・・・・・ごめんなさい、志郎さん」
亜里沙の身体はその考えとは逆に、
志郎のペニスに乗ったまま、さらに動きをエスカレートさせていた。
「ひ・・ひ・・・あうううっ」
「ごめんなさい、私、生まれて始めて、本気で人を苛めたくなっちゃいました・・」





そのころ志郎捜索隊の面々は、

「よし、プールだプール」
「私は露天風呂」
「誰か、対戦やらない?」
「むこうに卓球台もあるよ」

・・・・・まったりと遊んでいた。


「ううん」
亜里沙が気持ち良さそうに志郎に密着し身体を動かす。
姿勢は亜里沙が志郎に完全に抱き付いた形で、
ペニスの腹を押さえ付けた部分を中心にむにむにと全身をこすり付けている。
志郎と言う抱き枕に身を擦りつけて悦ぶ、そんな図だ。
「亜里沙さん・・・あ・・ああ・・・だめ・・・ゆるして・・・」
「ごめんなさい、もう少しこうさせてください」
言いながら、ゆさゆさ、ゆっくり亜里沙は身をゆすった。
志郎のペニスはくちゅくちゅと揉み潰される。
痛みはなく、どんどん涌き上がって来る射精感。
「あ・・う・・・んん・・・」
だが適度に圧迫されたペニスは射精することも許されず、ゆさゆさと、ゆさゆさと、
まったり焦らされ続ける。
「ああ・・ああ・・・・あん・・・・」
悶える、志郎。
亜里沙はそんな志郎の反応を捕まえた全身で愉しんでいる。
「志郎さん、可愛い、ずっとこうしていたい気分です」
「そんな・・・おかしくなるぅ・・・」
「それではあと1時間、いえ、2時間、こうさせいてください。・・・ちゃんとするのはその後で」
「だめ・・そんなに待てない・・・です」
志郎は身をくねらせ、
ときおりピクンと背を反らせては亜里沙から逃げようとする。
が、その度にクリクリとペニスを転がされて動きを封じられた。
「ああ、志郎さんのここもう弾けそうですものね。
 でも、今日の志郎さんは亜里沙のものですから許してあげられません」
そしてまた亜里沙は腰をひとつ押し付け、
きゅううっと限界の半歩手前まで志郎を抱きしめた。
「くふううっ」
亜里沙の下でシーツを掴み、志郎は鳴く。
1分、2分・・・。
鳴き声は長く続き、それが悲鳴にかわる手前で亜里沙は志郎を一時開放する。
「・・・はう・・・」
そしてまた、志郎を抱く亜里沙。
「ふあああっ」
これから2時間。
亜里沙は時をわすれて、この行為を何十回と繰返した。




そして、一同。
「すぴー、すぴー」
「zzzzzzz」
「ふかふかベットっすよ・・・」
遊び疲れて、お昼ね中。

「亜里沙さん・・・も・・・もう・・・」
「もう少し、もう少し、ね」
「くぁ・・ん」
亜里沙が抱きつく下で、また志郎が身をくねらせる。
きゅんと手足が突っ張り、背中と腰を順に浮き沈みさせる志郎。
その揺れる感覚がまるで波に乗っているようで、
亜里沙は本当にいつまでもこうしていたい気分になる。
だが、時間にして2時間。
志郎の方はそろそろ限界に近い。
それが分かっていて、亜里沙はもう一度、下腹部を志郎に押し付けてペニスを擦り潰した。
「ひぃいい・・い・・・ん」
志郎がもやの掛かりきった声で鳴く。
今度は両膝が立ち上がり、下半身がシーツから浮いた。
「志郎さんのここ、私のお腹にまでくっついてビクビクしていますよ」
新しい波に乗り、
亜里沙が志郎に語りかける。
「もう・・許して・・・ああ・・・」
「ごめんなさい、そんなに降参されると今日の私、もっと意地悪くなってしまいます」
今度は長い長い抱擁。
「ああっ・・くうっ・・・」
志郎のペニスがビクビクと脈打ち、浮いた腰が落ちて、また持ち上がる。
「いっ・・くうう・・」
せき止められた状態での絶頂。
志郎は亜里沙に許しを請いながら終わらぬ快楽地獄に悶えもがく。
そしてそれが収まりかけても亜里沙は離れない。
志郎の喘ぐ顔をうっとりと眺め、
一つの絶頂が過ぎるとじりっと腰を進めてまた次の頂きへ志郎を昇らせた。
「壊れるううう・・・あん・・・あああっ」
繰返しイかされる志郎。
「壊したいです、志郎さんをもっと滅茶苦茶にしたい・・・」
ぎゅっと、亜里沙が志郎に抱きつく。
「そんあ・・あ・・・ああ・・・・あううう」
長い長い抱擁。
志郎の鳴き声が細く長く響き、
亜里沙は唇でそれを塞いで沈黙の時間を敷いた。

それで、
本当に長い時間。

「はふ」
と、甘い息を出して顔をあげる亜里沙。
「私もイっちゃた感じです、ふわふわします」
火照った頬に手を当てて幸せにひたる声を出した。
「志郎さん、大丈夫ですか?」
あくまでも幸せそうに自分がまたがる志郎を見下ろす。
「・・・・・・・・だめ・・です・・・・」
そこには、ぐるぐると目をまわしのびている志郎。
「あらら、これが俗に言われる相手のことを考えないえっちというものですね。私としたことが反省です」
言いつつ、
志郎の上からは降りない亜里沙。
本当に本当に幸せそうに。
「反省ですけど・・・・、そろそろちゃんとしましょうか?」
くったりした志郎の上で、濡れた自分の下着をそっと下ろした。



で、ご一行。
まあいいや、描写なし。

「なんだとこらーーっ!!」


「・・・そろそろちゃんとしましょうか?」
下着を外した亜里沙が志郎の上に跨ぎなおす。
勃ったペニスを入口につけ、そっと身を沈める。
「くふ・・ん」
吐息を漏らした、亜里沙。
「あふ・・う・・・あっ」
同時に志郎も声をあげ、目を覚ました。
「あ・・亜里沙さん」
「ふふ、じっとしていてくださいね」
亜里沙は見下ろしながら、ゆっくりと根元まで受け入れていく。
「あ、あん・・・ああ・・」
秘肉に包まれ、過敏になっている志郎のペニスに走る快感。
志郎はすぐにもイきそうになるのを懸命に堪えた。
「出ちゃいそうですね、志郎さん」
そんな志郎を亜里沙は愉しげに眺め下ろす。
ぴとっ。
亜里沙の身が最後まで下り、一番深くまで志郎が飲み込まれた。
亜里沙は志郎を絞めつけ、軽く揺さぶって志郎の反応を観察する。
「あふぅ、あっ、イくううっ」
志郎のペニスは絶頂寸前で、
身をくねってそれを堪える少年の姿が、
秘部から感じる快楽とあわせて大きな悦びとなる。
「可愛い志郎さん」
亜里沙はうっとりと微笑み、またゆっくり身を持ち上げていく。
「ああああ・・・」
再びペニスが秘肉に撫でられ、志郎が声をあげる。
「私の中でいっぱい感じてくださいね」
ちゅぽ。
亜里沙は一度完全にペニスを抜き、再び挿入を開始して身を降してていく。
ゆっくりと確実に志郎に快感を与えながら。
「ふううっ、出るううっ」
亜里沙に向かって、突き出される手。
それを見て、亜里沙の中に押さえられないものが走る。
「ごめんなさい、今日の亜里沙は悪い女です」
亜里沙は何処からか一本のリボンを取出すと、
自分の身体の下で志郎のペニスの根元を縛りつけてしまった。
「ああっ」
またもや射精口を塞がれた。
志郎は自分に施された処置を感じ取り、またも始まる快楽地獄の予感に悲鳴を出した。
「ちゃんとイってもらおうと思っていたんですよ。でも・・・・・」
突き出された志郎の手を握る亜里沙。
「やっぱり我慢できないです」
掴んだ志郎の手を大の字に広げて押さえ付けた。


「亜里沙は貴方を、犯します」


亜里沙の視線が志郎に降りている。
熱と潤みを含んだその瞳。
腰が落ち。
性器が性器を包み。
「あ・くん・・」
亜里沙の口から快楽の吐息が吐き出される。
「志郎さん・・とてもいいです・・よ・・」
亜里沙は言い、くにっと結合部を捻った。
「ひ・・ああ・・・」
今度は下から上へ吹き上がる志郎の嬌声。
亜里沙は、助けを求めて自分の方へ置き上がろうとする志郎の胸を突いて押し返し、
膣で掴んだペニスの硬さを意識して、ぎしゅぎしゅと騎乗位で責め続けた。
「ああ、ああ、亜里沙さん、もう終わりに、ああっ、してください」
志郎のペニスに巻き付けられたリボンが2人の間で揺れる。
志郎はそれ解こうとリボンの端を掴むがどうやっても外れない。
その間にも亜里沙の身体は志郎の上で弾み、
志郎はさらに快楽の海に沈められていく。
「なんでも、なんでもしますからぁ」
哀願する、志郎。
だが亜里沙は軽く首を振るだけでそれを拒否する。
「志郎さんは何もしなくていいですよ。今はこのまま、私に犯されていてください」
「そんな・・ああ・・・壊れるうう・・」
「ふふふふ」
いつもは、マネージャーとしてコートの外にいる亜里沙。
一歩引いた感じでいることがほとんどで、何処かに余裕をのこして振舞っているのが普通であったが、
今は夢中になって志郎を嬲っていた。
「そんなにイきたいですか?」
「イかせてくださいっ、お願いです、亜里沙さん・・」
「でも、男の方は一度イかれるとどうしても衰えてしまいますから・・・」
「ああ・・・お願いですう」
「ふふ、どうしましょう」
獲物をいたぶる猫の様子だ。
その猫が、志郎がもがく様子をみてやんわりと結論をだす。
「そうですね、何時までもというわけにもいきませんから、一度くぎりをつけましょうか」
亜里沙の膝が曲がり、志郎の脚を跳ね上げて深く身を入れた。
そして浮いた志郎の背に両手を回し、
半ば抱き上げる形で志郎の身を突き崩し始めた。
「ああっ、あああっ、いいっ、あんんんっ」
「いいですよ、志郎さん。一緒にイきましょう」


「あ・・志郎さん・・・私・・イきます・・・よ」
亜里沙が、くんっとしなる。
膣がペニスを絞め、
「あん・・」
小さな喘ぎが亜里沙の喉を通った。
亜里沙の絶頂。
志郎の背を抱く手の指が丸まり、背の肉に爪をたてる。
「あ、亜里沙さん・・」
そして、志郎。
「ほ、解いてっ、お願いいいっ」
同じ絶頂の中で解放を求めてもがく。
亜里沙はその志郎を細まった目で見、
ペニスに巻き付くリボンの端を口に咥えゆっくりと引いた。
瞬間、弾け出る精。
「ああああっ」
志郎の顔が快感に歪み、今まで押し込められていたモノを一気に放出する。
「ああ・・・志郎さん、いっぱい出てます・・あん・・・」
リボンを放し、囁く亜里沙。
「志郎さん素敵です・・素敵な気持ちです・・・」
志郎を抱きしめてもう一度絶頂に立ち、
志郎と2人ベットに倒れ込むようにして、ようやく休みのときを迎えた。


10分後。
「さあ、続きをしましょう♪」
けろっと回復した亜里沙が志郎を揺すり起こすまで。


「ふふふ、志郎さん、おきてくださいね・・」
志郎の上で亜里沙がまた動く。
膣とペニスは繋がったままで、
亜里沙は身体全体を志郎に絡ませてゆする。
「あん・・もう少し・・休ませて・・ください・・んんんっ・・」
「ダメです、私の身体で志郎さんを元気にさせちゃいます」
そう言って、
亜里沙は志郎の首筋を噛んだ。
ちゅうっと吸い、キスマークをつける。
そして反対側の首筋から肩口、胸元へと次々と口付けする。
「あうっ、亜里沙さん、やめて、あうっ」
マークされるたびに声をあげて反応する志郎。
そして亜里沙の口が胸の先を覆い、歯が乳首を噛み締めた。
「あくううっ」
反り上がる志郎を押さえ付けて、歯型をつける亜里沙。
反動で膣の中のペニスが跳ねるのを感じて、口をつけたまま言う。
「元気になってきましたよ」
そして、反対側の乳首にされる亜里沙のキス。
放した方の乳首には爪をたて、悪女の空気で志郎を責める。



亜里沙は志郎を責めた。
膣で、唇で、指で、幾度も搾り取る。
今も志郎の背後から組み付き、首筋を噛んで、ペニスを搾る。
ペニスは、
何度も何度も何度も射精させられ、それでも亜里沙の手でまた絶頂された。
「くんっ」
跳ねる志郎の身。
亜里沙の指がしなり、しごかれたペニスの先から精液が零れ落ちた。
「志郎さん、また出ましたよ」
ペニスを捏ねながら、亜里沙が囁く。
「次はどうしましょう?
 手がいいですか?口ですか?それとも私の中にしましょうか?」
「ひあ・・あう・・・」
「大丈夫ですよ、ほら私がまた元気にしてあげますから」
すっかり力が抜けて、くたっとなる志郎。
そこに亜里沙が囁き、肛門に指を挿し入れる。
「んんっ・・あっ」
「ほら、志郎さんはここがツボですね。私、志郎さんの身体のこと全部覚えちゃいました」
言葉のとおり、
亜里沙の指は確実に志郎の点を弄り、ペニスを休みなく勃たせていった。
「や・・ん・・」
「そうですね。もう一度、私としましょう。私もまた気持ちよくなりたいです」
亜里沙は志郎の前にまわり、
シーツに押しつけて上から乗りかかる。
そして、ちゅっと志郎に口付けする亜里沙。
「亜里沙さん・・酷いです・・」
志郎が何とかそれだけを言うと、
「はい、本当に好きな人には遠慮なしですから」
亜里沙はごめんないねと笑いながら、志郎をまた犯しにかかった。



それから、???後。


「どりゃあああああっ!!」
「志郎君、助けに来たわよ!!」
寄り道に寄り道を重ねたメンバーが遂に亜里沙の部屋になだれ込んだ。
全員充分に遊びつくし、
あとは志郎を捕まえていいことするだけだという顔だ。
「皆さん、いらっしゃいませ」
と、ベット上から身を持ち上げて出迎えたのは亜里沙。
裸でやや髪が乱れ、
脚の間からはポタポタと、その、いやらしい液が落ちる。
そして、その下で横たわって目をまわしている志郎。
身体中に亜里沙のキスマークを受け、ふに〜と意識を失っていた。
その光景に一瞬言葉を失う一同。
そして、
「ああああああああああああああああっ!!」
「志郎君が、するめになってるうううーーーーーーっ!!!」
「お湯、お湯かければ戻るんじゃない」
「亜里沙、あんたやり過ぎ〜」
「ふふ、つい夢中で」
「志郎君、志郎君、私よ、分かる!?、卒業したら一緒になろうねって約束した・・」
「って、どさくさで嘘吹き込まないでよ」
「いや、今の志郎君なら刷り込みできそうで」
「じゃあ、私も」
「やめやめやめ、こうなったら順にお持ち帰りね。とりあえず、今日と明日は私」
「何かってに決めてるのよ、それに今日と明日って2日も占有する気?」
「今日は志郎君を休ませてあげて、それからたっぷり・・・」
「それならくじ、くじにしよう」
「それよりも、ここはやはり全員で一度に・・・」
夢の中の志郎を囲んで、賑やかな会議が行なわれるのだった。


とにかく・・・。
「今日は志郎さんを一人占めできて幸せでした」
その輪の中で亜里沙は微笑み、この女子バレー部はこれからも健在であった。


その日の練習の締めは、ロードワークといういかにも運動部らしいものだった。
学校を出て、
となりの街の可愛い男の子がいる私立の学校を覗いて返ってくるという定番の練習メニュー。
途中からなんとなく競争形式になり、
子供のころからかけっこ大好きだった私は、仲間にかなりの大差をつけて学校へ戻って来た。
戻った順にあがりということにしておいたので、
私はてくてくと部室の方に向かいドアを開けて中に入った。
「・・あ・・・」
と、そこにいたのは志郎君。
ベンチの真ん中にちょんと座り、小さな寝息をたてて眠っている・・・。
志郎君が眠っている。
志郎君が可愛い顔で眠っている。
志郎君が可愛い顔で無防備に眠っている。
志郎君が可愛い顔で無防備に食べてくださいと・・・・・・・・。
とにもかくにも、
志郎君を起こさないようにそーっと近づく私。
「むふふ、どうしちゃおうかしら?」
いろいろ淫猥なことを考えつつ、
となりに座り手をかけようとすると志郎くんの膝の上に亜里沙の字でメモが置いてあった。
『寝むってしまいました。しばらく起こさないであげてくださいね』
「ち、先手をうたれたか」
メモ紙を拾い上げ、ぴんと指で弾いた。
「せっかく2人きりなのにね」
志郎君の寝顔にささやく。
それから志郎君が本当に寝ているのを確かめて、志郎くんの上着の裾をそっと持ち上げた。
「・・・・・・・」
そこにあるのは志郎くんの脇腹にできた小さな薄い傷痕。
あの合宿の日、
志郎君が私を助けてくれたときにできちゃった傷。
・・・ごめんね。
この傷を見る度にそう思い、
そう思いながら、ほっと息をつくようなとても嬉しい気持ちになる。
私が志郎君につけてしまった傷なのに、
そんな気持になるのはとても悪いことだと考えるのだけど、
すごくすごく幸せになっている自分。
だから、
「・・・ごめんね、志郎君」
と口に出していう言葉には二重の意味。
私はこの小さな男の子が好きだ。
他のみんなが言う好きにどれだけの色と濃さがあるのかは分からないけど、
私は志郎君が好き。
今は『ぬけがけ禁止よ』などと言い合っているけど、
志郎君をとりあう日が来たら、私は真っ先に立候補するつもりでいる。
志郎君はそのときどういう答えをくれるだろう。
そこで志郎君のいろんな答えを想像する私。
うれしくて泣いちゃうような答え。
哀しくて泣いちゃうような答え。
どうなんだろう・・。
もしまごまごして迷ってしまうようなら、お姉さんは躊躇なく手篭めにしちゃうぞ。
と、
そこまで考えて私は自分の汗っぽさが気になった。
志郎君が起きるまでこうしていたいとはやまやまだけど、
好きな男の子の目覚めに嗅がせるには問題のある香り。
「シャワーでも浴びてきますか」
立ち上がって私は背伸びをする。
少々伸びすぎた背から見下ろす志郎君は変わらず無防備に眠っている。
誰も悪戯をしないように亜里沙のメモを膝に戻し、
その頬へかるくキスをした。
そういえば明日は休日、練習も休みなんだよね。
そうだね、
急いでシャワーを浴びて志郎君を誘ってみよう。
石鹸の香りのする女の子の空気をサービスしながら、台詞はシンプルにこう。


・・・デートしようよ、志郎君。

駅の前の噴水。
その前に立っている結花さん。
同じように待ち合わせをしている人達の中で腕時計をちらちらと見て、
うーんと考えるような仕草をしたかと思うとポケットからブラシを取出して髪をとく。
噴水の水が流れる池に自分を写し、ひとつ頷く。
「よしっ・・と」
小さく聞こえてくる声。
そこから僕のほうに振り返り、僕に気がつくいた。
「あ・・・」
嬉しそうに手をあげる結花さん。
その手にブラシがまだ残っているのに気がつき、それを慌ててポケットにしまい、
あらためて笑顔を浮かべて僕に手を振って小走りによってきた。
「おはよう、志郎君」
いつも元気な結花さんの弾む声。
「おはようございます。待ちました?」
僕が挨拶を返し訊くと、首をふって全然と答えた。
「まだ約束の時間前だしね。私の方が早く来すぎちゃっただけ」
結花さんが笑う。
その耳でイヤリングが揺れる。
「あ」
と、今度は僕が声を出す。
いつもの体操服やユニホーム姿とは違う結花さん。
私服姿というのを見たことがないわけではなかったけど、
今日の結花さんはとてもおしゃれをしてきていて、
なんというかその、
普通の女の子よりずっと高いその背に合わせた衣装は僕の目にすごく綺麗に見えた。
「どうしたの?」
そんな僕に結花さんが不思議そうに視線をおろす。
「あ、なんでもないですっ」
答える、僕。
答えるものの、
当然僕は見上げる形になっていて、それがよけいに今日の結花さんというものを意識させた。
学校の先輩。
年上の女の人。
それとそれと・・・・。
「じゃあ行こうか」
結花さんがにっこり笑って僕の横に立つ。
「あ、はい」
結花さんが差し出した手を、僕は自然につかんでいた。

デートコースは捻りをいれず、まずは映画ということにしました。
これまで、
志郎君と2人きりで過ごしたことなんてほとんどないし、
あったとしても交流を深める前に襲ってしまってばかりだったので、
とりあえず一緒にならんでスクリーンでも眺めていれば会話とか距離とか空気とか、
掴めるだろうと思ったのです。

・・・失敗でした。

何気に選んだその恋愛映画が終わると同時、
ツボにはいった私は、志郎君の横でべろべろと涙を流していたのでした。



「あの、これ使ってください・・」
映画館の外のベンチ。
映画でこれだけ泣けるお得な人間に、
志郎君がおろおろとしながらも綺麗なハンカチを渡してくれる。
「ありがとう」
うけとって涙を押さえる。
それからぎゅ〜っと目を閉じ、搾り出した涙を拭ききって私は苦笑いを浮かべた。
「ごめんね、びっくりした?」
ハンカチを外し、上目遣いで志郎君を見る。
「えっと、あの・・・少し」
答える、志郎君。
「そうだよね」
私は、どう考えても映画でだだ泣きというイメージの女ではないだろう。
昨日、
『デートしようよ』
そう誘ったときの志郎くんも驚いた顔をしていたけど、
今のこれはそれ以上に衝撃を与えたことと思う。
「最近は泣かないようになってきたから大丈夫だと思ってたんだけど。・・・油断しちゃた」
私は最後に顔をひと拭きし、壁に掛けてあるポスターを見ながら言う。
同じく、ポスターを見上げる志郎君。
「結花さん、こういうのに弱い方なんですか?」
「うん、実は」
「そうですか・・」
・・・意外ですね。
なんとなく志郎君の次の台詞を予想する私。
でも聞こえた志郎くんの言葉は、
「・・・そういうの、可愛いです」
「え?」
「あっ」
振りかえる私に、慌てて口を押さえる志郎君。
「今、なにって言ってくれた?」
「なんでもないです」
「なんでもなくないよ、私、聞こえたから」
「聞こえたならいいじゃないですか」
「もう1度、聞・き・た・い・の♪」
立ち上がる私に、後ずさる志郎君。
「ほらほら、言いなさい〜」
「結花さん、みんな見てますと、あっ、結花さん、落ちついて〜」
これが今の私と志郎君の距離。
とりあえず掴んでおきましょう。
「むふーーー♪」
・・・大きい。
でっかい、バケツのような器。
その器に盛られた極大のパフェ。
そのパフェの向こうでご機嫌このうえない結花さん。
「さ、志郎くん、食べよ」
柄の長いスプーンをひらひらさせて、
山盛りのクリームの真ん中からハムハムと食べ始める。
「美味しい〜」
なんて言うか・・・・、とても幸せそう。
「ん?」
そんな結花さんが僕を見る。
すもっ。
スプーンでクリームをすくい、それを僕の前まで運んできた。
「あーーーん」
「え?」
「あーーーん」
にっこり笑って、結花さん。
「あーーーん」
3回続けて迫る勢い。
圧された僕が口をあける。
「・・・・はく」
「美味しい?」
「は、はい」
「良かった♪」
嬉しそうに笑う、結花さん。
その顔はさっきよりももっと幸せそうで、僕はまたその顔を見つめてしまう。
「どうしたの?」
言いつつ、クリームをすくう結花さん。
またそれを僕の前に持ってくる。
「あーーーん」
「・・・はく」
「あーーーん」
「・・・はく」
「あーーーん」
「・・・はく」
「あーーーん」
「・・・あう、僕ばかりに食べさせないでください」
「ふふふ、うちのハムはひまわりの種、16個までいけるわよ」
「ハム?」
「ハムスター、頬袋がいっぱいになるまで種を欲しがるの」
「僕はハムスターじゃないです」
「うーん、そうだったらカゴに入れて持って帰れるのに」
「カゴは嫌です」
「うーーん、嫌ですか」
結花さんは笑ったまま言って、クリームをすくって今度は自分の口の中に入れた。
そして、ちょっと考えるようにして言う。
「無理やりは嫌だよね、やっぱ」
それからもう少し考えて。
「でも、うちのハムは脱走しても自分で小屋に戻ってくるし、」
「だから僕はハムスターじゃありません」
「そうだね、志郎くんは・・」
結花さんの目が僕を見る。
「男の子だ」


「カゴには入れらない、男の子」
結花さんは残念そうに、
そして、それ以上に愉しそうに言う。
「ホント、入れられたらいいのにね〜」
クリームの先をスプーンで突つき、
ひとつすくって今度は自分の口の中に入れた。
「結花さん、そんなに僕をカゴ入りにしたいんですか?」
「うん」
頷く、結花さん。
「でも、志郎くんが嫌がるなら無理にはしない」
「いつも無理やりですけど」
「いつもは、ね・・」
言って、
結花さんが視線を傾けた。
そんな結花さんを僕は見つめる。
小さく呟くのが聞こえた。
「・・・こうしてデートなんかしてると、無理やりってのもできなくなりそうだな・・・・」
「結花さん??」
「あ、ううん、なんでもない」
そして、視線が僕へと戻ってくる。
スプーンを器につき入れて、中身を大盛りにすくい出す。
「さあ、気を入れて食べちゃお。溶けちゃったら美味しくないよ」
食べ始めたばかりの極大のパフェ。
志郎は添えられたフルーツをとりながらながら、
はもはもと口を動かす結花を見ていた。
二人で食べ尽くすには、ちょっと時間がかかりそうだった。


「美味しかったね〜♪」
大盛りパフェを食べきった僕と結花さんは、
重くなったお腹を軽くするために2人並んで街中を歩く。
「結花さん、あのお店よく行くんですか?」
「たまにね。どうして?」
「あのパフェのチケット、たくさん持ってたから」
あの巨大パフェ。
大きさに合わせて値段のもそれなりにしたのだけど、
結花さんは得意そうにサービスチケットの束を取りだし、それで払った。
「ああ、チケットね」
頷く、結花さん。
通りかかった帽子屋さんの前で立ち止まり、ひとつ手にとって頭に乗せる。
「昨日、亜里沙にもらったの」
ふむふむ、と鏡を覗き結花さんはポーズをとる。
「亜里沙さんに?」
「うん、今日の志郎くんとの初デート頑張ってねって」
「ええっ!」
驚く、僕。
周りをぶんぶんと見まわした。
いつもの様子から考えて、今日のことは他の皆には内緒だと思っていたからだ。
「じゃあ、今日のこと他の皆も・・・」
「うーん、どうだろう?教えてはないけど亜里沙に見抜かれたってことは、バレてるかもね。
 ふふ、今もどこかで見張ってるかも」
結花さんはクスクスと笑った。
「それは、まずいんじゃ」
「そう?」
ぽふっ。
頭の上、結花さんに帽子を被せられた。
「志郎君、こっち見て。うん、似合ってる、かわいい」
鏡を見るとそれは、なぜか犬の耳がついた帽子で、 
上機嫌の結花さんが両手でその耳をピンピンとひっぱって形を整えている。
「じゃあ、もし今、皆に見つかったらどうする?
 皆に追いかけられたら、志郎君は一緒に逃げてくれる?」
結花さんが、僕の横に顔をよせた。
一緒に鏡を見て、言う。
「本当に、本当にだよ、私が志郎君をひとり占めにしたいって言ったら。 
 志郎君は皆の中で私を選んでくれる?」
結花さんの目が優しく僕を見た。
そしてその目が閉じて、少しだけ僕に唇を傾けた。

・・・・あ。
目を閉じて、唇を向ける結花さん。
すっと息もとめて、僕を待っている。
どうしよう。
僕は迷った。
結花さんが僕にして欲しいことは分かる。
けどそれをすることは、
『・・・私を選んでくれる?』
を認めること。
僕は僕のキスを待っている結花さんの前で動けない。
帽子屋さんの鏡の前。
黙ってこうしているには長い時間。
結花さんのことは嫌いじゃない。
近くで見る静かな顔はいつもより綺麗に見える。
キスしてあげたい。
でもキスしていいのか分からない。
「・・・ふふ・・」
と、結花さんが目を開けて笑った。
舌をぺろっと出して僕を上目使いで見た。
「残念、うまくカゴに誘ったつもりだったけど、ひっかからなかったか〜」
そして、
ととっと僕から2、3歩離れ自分が被った帽子を傾けて顔を隠した。
「急に困らせるようなこと言ってごめんね」
「そんな、僕も、その・・・ごめんなさい」
「志郎君が謝ることじゃないよ」
結花さんが顔をあげる。
笑顔。
「さあ、デートの続きをしよう!」
その笑顔から出される手を、僕は今までとは違う気持で握り返した。
そして、私達はデートを続ける。
私と志郎君は並んで歩き、同じものを見て、会話する。
すごく楽しい。
志郎君が繋いでくれる手がとても嬉しい。
志郎君喪私ぐらい楽しんでくれているかな?
楽しすぎて、
志郎君と話ながらちょっと不安も感じて、
さっきは迫り過ぎてしまったっと後悔もしている。
「結花さん、あれっ」
と、
志郎君が私を呼んで立ち止まった。
止まったのはスポーツショップの前。
私が志郎君の視線にあわえてそっちを見ると、
ガラスで仕切ったショーウインドウの中に、
売り物とは別にサインの書かれたバレーボールとそのサインを書いたプロ選手の写真が飾ってあった。
「おおおっ」
反射的にサインに引き寄せられる私。
ガラスの寸前まで顔を近づけて、まじまじとサインボールを見る。
「生サインだ。貴重〜」
「やっぱり、この人って結花さんが好きな選手ですよね」
志郎君は、そんな私の傍らに立って一緒にサインを見た。
「うん、そう♪」
私は初めて見た本物に見とれて、うんうんと頷く。
それから、ちょっと気づいて志郎君の方を見た。
「あれ?でも志郎君、よく知ってたね。この選手の話、したことあったけ?」
記憶の中では無い。
「このまえ結花さんがこの人の写真が載ってる雑誌を夢中で読んでたから、
 そうなのかなって思ったんです」
「ああ〜」
思い出す。
そういえば特集記事が出た号を学校に持っていったことがある。
「それと、結花さんその人のジャンプとかの真似とかしてたし・・・」
「ええっ!!志郎くん見てたの?」
それは、こっそり一人でしてたこと。
雑誌に載っていたプロのアタックの連続写真を見て、体育館の隅に隠れてまねっこをしてたのだ。
テレビのアイドルのふり真似をしているようなもので、
それを見られてたなんて恥ずかしい〜。
「結花さん、一生懸命に練習してるなっと思って見てましたけど。ダメでした?」
そんな私に、高志くんがくりくりっと目を向ける。
「別にダメじゃないけど・・・、それ、志郎くんの他に誰か見てた」
「僕だけです」
「じゃ、それ秘密、志郎君の胸にしっかりしまっておいて、お願いっ」
「はあ、結花さんがそう言うなら」
承知してくれる志郎くんを見て、私はほっと胸を撫でる。
それにしても・・、
「私も結構、志郎くんに見られてるんだ」
「だいたい毎日会ってますからね」
「そっか、そうだね」
そして、またサインを見る私と志郎くん。
「お店の中、入ります?」
志郎くんが私に訊いて、
「うん、入る」
私は頷いて答えた。
その後は、志郎くんとのデートは普通に進んだ。
スポーツショップでバレー用品を撫でまわし、
街をぶらぶらと歩き、
ベンチで休んでアイスクリームを食べて、くだらないお喋りをして、笑いあって過ごした。
私と、志郎くんという一人の男の子。
本当に普通のデート。
今更ながら順序の何もかもが逆で、
特別なにかをしないでも、ただ2人で並んでいれば楽しいという過ごし方。
「もうこんな時間だね」
「そうですね」
帰り道。
時計をみながら言う私達。
楽しかった?
私がそう訊く前に、
「楽しかったですね」
志郎くんが言ってくれた。
嬉しかった。
何よりも、何をされるよりも、何をするよりも嬉しくなった。
「楽しくなかった、ですか?」
答えなかった私に心配そうに訊きなおす、志郎くん。
私は力いっぱい首を振った。
楽しかったよ、ありがとう、たくさん志郎くんに告げた。
一気に一気に私の胸のある嬉しい気持を口にして、
志郎くんがはにかんで頷くのを見て、
もっと嬉しくなって、
それから何を言っていいのか分からなくなって、私は口を閉じる。
くすくす。
志郎くんが笑った。
「む、なにが可笑しいかな?」
「結花さん、一生懸命だったから」
「どうせ私はいつも全力バカですっ」
「バカじゃないですよ」
今度は、志郎くんが首をふった。
「でも今の結花さん、可愛かったから」
「えっ」
ぼわっ。
志郎くんの言葉に頬が熱くなる。
「か、可愛いのは志郎くんだよ」
そう言って、私は熱い顔のまま足を早めて歩き出す。
「僕は可愛いって言われても嬉しくないです」
「いいの、可愛いんだから」
そして、また始まるくだらないお喋り。
やがて早めた足もゆっくりと戻り、私と志郎くんは並んで最初のデートを終えた。

そして、最後の最後の別れ際。
黙って目を閉じた私に、初めて志郎くんのほうからキスしてくれた。


関連記事
category
ショタ×女

TrackBack Url

http://shoutarou2003.blog.2nt.com/tb.php/1078-2c57cd13

最新コメント

カウンター

プロフィール

おおのれん

Author:おおのれん
ショタの体験談とか色々載っけていきます
ご要望等ありましたら、コメントにてどうぞ
また、体験談投稿もお待ちしています。
それもコメントにてどうぞ

リンクはフリーです。ご自由にどうぞ





https://amzn.to/3wP2x6p