- 2014⁄02⁄21(Fri)
- 00:48
小学校からの帰り道
小学校からの帰り道、わたしの日課は、家の近くの自然公園の中を通って
帰ることだった。
木々の緑が好きだったし、季節ごと花や土の匂いも大好きだったから
二人連れの男女がベンチでいかがわしいことをしている夏の夜も、
あたり一面、真っ暗で誰かに襲われるんじゃないかと冷や冷やした
寂しい冬の夕暮れも毎日欠かさず公園内の同じ道をたどった。
ただ、唯一の例外は、夏休みの部活の帰り道だった。
公園の中を通ることは同じなんだけど、この時期だけは、わたしの家とは
反対の方角の遠回りの道を歩く。
なぜかって?
この季節だけ、自然公園の中のじゃぶじゃぶ池に水が張られるからだ。
帰ることだった。
木々の緑が好きだったし、季節ごと花や土の匂いも大好きだったから
二人連れの男女がベンチでいかがわしいことをしている夏の夜も、
あたり一面、真っ暗で誰かに襲われるんじゃないかと冷や冷やした
寂しい冬の夕暮れも毎日欠かさず公園内の同じ道をたどった。
ただ、唯一の例外は、夏休みの部活の帰り道だった。
公園の中を通ることは同じなんだけど、この時期だけは、わたしの家とは
反対の方角の遠回りの道を歩く。
なぜかって?
この季節だけ、自然公園の中のじゃぶじゃぶ池に水が張られるからだ。
じゃぶじゃぶ池は、学校のプールくらいの広さの丸い池とそこへ流れ込む
人工の川と、川の水源となっている小さな滝からできている。
普段は、滝の部分だけに水が流れていて川から先は干上がっているけれど、
真夏の季節になると滝と川の境目の仕切りが取り外されて、川と池に
水が張られる。
川も池もわたしの膝下くらいの浅い水位で、強い塩素のにおいがする清潔な
水だから、この季節になると小さい子たちが大勢、水遊びにやってくる。
その光景を見るために、わたしは遠回りして、このじゃぶじゃぶ池を通って
帰るのだった。
水遊びといっても、プールではないから、きちんとした更衣室などはない。
池の周りにはたくさんのベンチがあって、水遊びをする子供たちはそこで
着替えている。幼児が多いので、みんな素っ裸になって着替えるし、
そもそも水着なんて着ないで、裸で遊んでいる子も多い。
とくに男の子は平気な顔して裸で走り回っている。
それが、わたしが見たかった光景だ。
ある夏の日、いつものようにじゃぶじゃぶ池のそばを通り、わたしはベンチに
腰掛けたり、足だけを人工の川につけて涼んでみたりしながら、裸で
遊んでいる男の子たちをちらちらと眺めていた。
その日に限らず、いつも遊んでいる子の大半は幼児だ。
幼児の裸はとってもかわいいし、ちょこんとついているおちんちんも、
頬ずりしたくなるほどかわいらしいけれど、やっぱりちょっと幼すぎる。
小学校の低学年くらいの子が半ズボンを濡らせて遊んでいると、ちょっぴり
胸がわくわくして、早く着替えないかなー、と目で追っていたりする。
運よく着替えているところが見れて、幼児のよりは少し成長したおちんちん
が見れたりすると、その日は夜までずっとその興奮を引きずっている。
3年生くらいになると、さすがに素っ裸で遊ぶことはまずなく、着替えるときも
わざわざ木陰のほうへ行ったり、人のいるほうに背中を向けるので、チラッとでも
かわいいお尻が見えれば運のいいほうだ。高学年の子はどんな濡れていても
トイレで着替えたり、完全にタオルを巻いて着替えたりする。じっと見ていると
不審そうな顔をされたりもする。
でもその日、わたしは、隅のほうのベンチでこっちを向いて着替えようとしている
男の子を見た。
背格好は3年生くらいに見えたけど、水の中で上手にボールを蹴っている様子から、
もしかしたらもう少し年上かもしれないと思って、30分くらいの間、ずっとその子を目で追っていた。
そうしたら、しばらく一人で遊んだ後、水から上がって、あたりをキョロキョロと見回したかと思ったら、
恥ずかしそうな様子で、こっちを向いたまま着替えようとするので、目が釘付けになった。
かわいい顔をしていて、少し長めの髪。
え、うそ。そのまま、着替えちゃうの?
水につけた自分の足元を見つめるふりをしながら、わたしはちらちらとその子のほうを見た。
男の子は、真っ赤な顔をして、とても恥ずかしそうで、キョロキョロと周りばかりを見ている。
でもその子は、上半身裸のまま、タオルなんか巻かないで、びしょ濡れになった半ズボンに
手をかけ、すばやくスボンを下ろした。
あ、あ、あ
思わず声がでそうになった。
男の子は脱いだスボンを足首から抜き去ると、素っ裸のままで少しだけ両脚を開き、おちんちんを
突き出すように前に出した。
先端まで皮で覆われた小さな子供のおちんちんがピョコンと現れて、それからゆっくりと大きくなっていく。
まるでそこだけが別の生き物のように。
わたしは息が止まるほどびっくりしてその様子を見つめていた。
男の子のおちんちんはむくっむくっと大きくなってゆき、やがて
わたしの中指くらいになって、真上を向いて立ち上がった。
男の子の顔がますます赤くなってゆき、やがて恥ずかしさに耐えられなくなった
かのように屈むと、着替えの半ズボンをあわててはいた。
どうしてあんなことするんだろう?
どきどきしながらわたしがそう思っている間に、男の子はまだ赤い顔を
してキョロキョロしながら、荷物を持って走り去っていった。
前に一度、薄暗くなった夏の夕方に公園を歩いていたら、知らないおじさんが
あんなふうに上を向いたおちんちんを出して、木の影からいきなり飛び出
してきたことがあった。びっくりしてわたしは半分泣きながら、走ってにげてきた
ものだった。
男の子の行動はあのおじさんにちょっと似てるなと思った。おじさんのように
ニヤニヤ笑っていたわけではなく、むしろものすごく恥ずかしそうな顔をして
いたけれど、たしかにあの男の子は、同じことをしようとしていたように
見えた。
でも、どう見たって小学生だ。
小学生があんなことしたがるものなんだろうか。
わたしは興奮して、なかなかその場を離れられなかった。
男の子のビクビクと震えているおちんちんが目に焼きついていた。
それからわたしは、再びその男の子に会いたくて、部活も休んで一日のうちに何度も
じゃぶじゃぶ池のそばを通ってみた。そして三日後、ついにあの男の子を見つけた。
その子は今度はちゃんとした水着を着て、一人で滝に打たれて遊んでいた。
よく見ると決して太ってはいないけれど、日焼けした肩や胸のあたりにはしっかりと
筋肉がついていて、おなかのあたりの腹筋も引き締まって見えた。
上半身に比べると、太腿のあたりはもっと太くて、足を動かすたびにたくましい筋肉が
動く様子がわかる。
少し猫のような感じのするぱっちりした目と上向きの小さな鼻と、薄くて子供っぽい
小さな唇と、それから深く窪んだおへその穴と全体に低く見える背は幼く見えて、
スポーツが得意そうな体格とは不釣合いに思えた。
男の子はしばらく水の中で遊んだ後、この前と同じように池の隅のほうへ歩いていき
木の陰に隠れるようにしてタオルで体を拭いた。それからそのタオルをぽんと下へ
投げ捨てて、青いトランクス型の水着に手をかけて一気に下へさげた。
かわいいおちんちんがペロッと現れた。
この前とは違って本格的に水の中で遊んでいたせいか、おちんちんはキュッと縮まっ
てとても小さく見える。よくここで遊んでいる小さな小さな子供たちのようだった。
男の子は再びタオルを拾うと、おちんちんをつかむようにゆっくりと拭いていった。
それからタオルを捨てて、手を後ろにすると、このまえと同じようにゆっくりと両脚を
開いた。「休め」の姿勢だ。
でもそのあと、男の子は両脚をジリジリと次第に大きく開いてゆき、股間をグイッと
前に突き出した。すると、木の陰から差し込む夏の強い日の光がまともに当たり、
小さなおちんちんが輝くように白く見えた。
男の子はしばらくは下を向いて自分のおちんちんを眺めた後、顔をあげた。
この前と同じようにまっかっかな顔でとても恥ずかしそうに見えた。
おちんちんがビクッビクッと震えながら、ゆっくりと立ち上がっていく。男の子はもう
一度、下を向いて大きくなったおちんちんを撫でるように触ると、はじかれたように
あわててパンツをはいた。真っ白なただのブリーフがとても子供っぽく見えた。
男の子はそれから急いで半ズボンをはき、Tシャツを着ると、脱いだ水着なんかを
デイパックの中に押し込んで、逃げるように歩いていく。わたしはあわてて立ち上がり
男の子の後を追った。
男の子は、じゃぶじゃぶ池から一番近い公園の出入り口まで小走りにやってくると
置いてあったマウンテンバイクにまたがった。
「待って」
わたしが声をかけると、男の子ばビクッと体を震わせて、とても驚いたように顔を
あげる。乗りかかった自転車が傾いて、バランスを崩した男の子が自転車ごと
大きな音を立てて倒れた。夏の日差しに焼かれた土ぼこりがぱあっと舞い上がった。
「いてぇ」
男の子は小さな声をあげた。声変わりはしていないけど、ちょっと男の子っぽい声だ。
「だいじょうぶ?」
わたしは倒れた男の子の自転車を起こしながら、ちらちらとその子を見た。土を払い
ながら立ち上がると、わたしの肩くらいの背だった。
「急に声かけるから・・・・」
男の子はぶっきらぼうにそう言うと、怪訝そうな顔をしてわたしのことを見た。
「なんか用?」
「あのさぁ」
わたしはどきどきして、少し顔を熱くしたながら目を落とした。男の子の半ズボンの股間
に目がとまった。あの中のかわいいおちんちん、わたしは二回も見ちゃったんだな、と
思ったら、ますます顔が熱くなった。
「さっき、じゃぶじゃぶ池で遊んでたでしょ?」
「え?」
男の子は驚いたように目を大きく開けた。
「わたし、みちゃった」
男の子はクルッと向きを変えると、あわてて自転車に飛び乗った。わたしは自転車の後輪
を手でつかみながら、その上に書いてある名前をとっさに読み取った。
「待って。タカマツユウキくん」
男の子の足がピタッと止まった「ユウキくんって言うんだ」
わたしは手を離して、ユウキくんの側へ近づいた。
「城郷東小でしょう?」
書かれていた住所からそう言ってみた。
わたしの顔をにらみつけていたユウキくんの眉毛
がピクッと動いた。図星のようだ。
「わたしは城郷小学校だけど、塾の友達に東小の子も大勢いるんだ。ユウキくんのこと知ってる
子もいるよね、きっと」
「だから、なんだよ・・・」
ユウキくんは少し震える声でそう言った。
動揺を隠しきれていない様子だ。
「さっき、見たことバラしちゃおっかな」
「さ、さっき見たことって?」
「じゃぶ池で、裸になってたでしょ?」
「あれは・・・・ただ着替えてただけじゃんか」
「ほんとかなぁ。わざわざ裸になって、こんなふうにしてなかったっけ?」
わたしは両脚を開いてほんの少しだけ股間を突き出す真似をしてみせる。
ユウキくんのかわいい顔がサーッと赤く染まった。
「あれって、わざと見せてるでしょ?」
「ち、ちがうよ」
「そういうのってさ、犯罪だよね」
「ちがうってば」
「ぜーんぶ、言いふらしちゃおうっと」
「やめろぉ」
ユウキくんは最後に力なくもう一度、言った。
「それだけはやめてくれよ。お願いだから」
「じゃあ、さっきしていたこと、全部認める?」
ユウキくんは真っ赤な顔をしてうなずいた。
「ユウキくんって、東小学校の何年生?」
「六年」
「うそぉ。わたしと同じだ。それにしてはかわいいね。背、低いし」
「言うなよー。気にしてんだから」
「でもさ、どうして裸見られるの好きなの?」
「そ、それは・・・」
ユウキくんは真っ赤な顔のまま下を向いた。小さくやわらかそうな耳たぶがリンゴのように
赤く染まっている。
「それってさ、変態くんだよね」
「・・・・・・・」
「そんなに見られたいのならば」
わたしはユウキくんのあごに手をあてて上を向かせた。わたしと目があわせられないユウキ
くんはプイと横を向いた。
「わたしが手伝ってあげよっか」
「えっ」
驚いたユウキくんがわたしの顔を見つめる。
「そのかわり、ぜーんぶわたしの言うとおりにしてね。逆らったら、どうなるかわかるよねー」
「えっ、ここで?」
ユウキくんは落ち着きなくキョロキョロと周りを見回した。
「だいじょうぶ。だれもこないって」
「そうかなぁ」
公園の反対側、いつもわたしが通う道の途中にユウキを連れてきていた。
小高い丘の上に小さな休憩所があって、そこから園内が見渡せる。
下校途中に道を反れて、この丘の上から公園を見るのがわたしは好き
だった。
「ほら、はやくしないとだれか来ちゃうよ」
「わ、わかったよ」
ユウキくんはわたしに背を向けて休憩所の横の林のほうへ行った。
「だめだよ、そんなとこじゃ」
「だ、だって・・・・」
「こっち来て」
わたしはユウキくんを林から連れ出して、休憩所の奥の隅の柱の前に立たせた。
「ここでやって」
「ここ?」
顔をあげたユウキくん、ちょっとペットみたいでかわいい。
「わかったよ」
ユウキくんは下を向いて、半ズボンのチャックを下ろし始めた。
とりあえず、わたしの前で、たちしょんして見せてよ。
わたしはユウキくんにそうお願いした。
男の子なら、そんなこと全然平気だと思っていた。
ましてユウキくんは、人に裸を見られるの好きみたいだから。
でも、わたしの予想とは違って、ユウキくんはものすごく恥ずかしがって、
半ズボンのチャックは下ろしたものの、なかなかその先に進めない。
そうなるとかえっていじめたくなっちゃうというものだ
「できないの?」
ユウキくんは真っ赤になって下を向いたままだ。
「じゃあ、わたしがおしっこさせてあげようか」
わたしはしゃがんでユウキくんの股間に手を伸ばした。
ユウキくんはそんなことは予想していなかったようで、ひどくあわてて
両手で股間を押さえた。
「や、やめろよ」
「じゃあ、はやくして。ほんとに人、来ちゃうよ」
「わ、わかったよ」
ユウキくんは押さえた両手を開いたチャックの中へ入れて、おちんちんを
ひっぱりだした。ポロンと音がするように勢いよく、小さなおちんちんが
こぼれ出てくる。
「かわいい」
わたしは思わずそう言った。ユウキくんが頬を赤く染めたままわたしをにらんだ。
「はい、チーって、やってごらん」
わたしがそう言うと、ユウキくんは下を向いた。すぐにつかんだおちんちんの先
から透明なおしっこが勢いよく飛び出した。
「わーすごい」
わたしはそういいながら、ユウキくんの両脇に手を入れた。
「どうせなら、こっちのほうが気持ちいいよ」
わたしはおしっこをしているユウキくんの体を持ち上げ、休憩所の一番前面の
展望台へ運んでいく。そこからは公園の中が一望にできた。
「わあ、やめろぉ」
ユウキくんがあばれると、おしっこも揺れながら地面へ落ちていく。
わたしは展望台の手すりにユウキくんの体を押し付けた。
手すりの間から、まだ止まらないおしっこが丘の下へと落ちていく。
「ここだと、みーんなに見られていいでしょ?」
わたしはユウキくんの耳の側でそう言った。
わあっ、と叫んでいるユウキくんには何も聞こえていないようだった。
大きな浮き輪の中から顔を出すユウキくんはとても小さく見えた。
「わあ、足、完全に浮いちゃうんだね」
わたしの胸とおへその真ん中あたりに浮いているユウキくんの
腰をつかんでわたしは言った。
へへっ、とユウキくんは少し恥ずかしそうに笑う。
二人で市民プールに来ていた。それほど広くはないけれど
ちゃんと流れるプールがあって、夏休みの子供たちでにぎわっている。
わたしは大人が乗っても平気なくらい大きい浮き輪にユウキくんを入れ、
その端につかまりながら、一緒に流されていた。
すでに三周ほどしていた。わたしはユウキくんの水着の腰をつかんだ
まま歩き出した。少し斜めに寝転んだような体勢のままユウキくん
は浮き輪につかまって流されていく。
「そろそろいいかな」
わたしはユウキくんの顔をのぞきこんだ。
「え?」
「水着なんて脱いじゃおうよ」
「うそぉ、ここで?」
ユウキくんは驚いた顔であたりを見回した。少し泳ぐとすぐに他の人に
触れるくらい大勢の子供たちが泳いでいる。
「大丈夫だって。浮き輪の下なんだから、誰も気づかないよ」
「ええっ、でも・・・」
ユウキくんは下を向いてためらっている。
「もう、男らしくないなぁ」
わたしはつかんだ水着を一気に引っ張った。スルッとあっけないほど
水色のトランクス型の水着が脱げて、ユウキくんの足首に絡まった。
「わっ、よせよぉ」
ユウキくんはあわてて手を伸ばしたけれど、浮き輪の上に出した手
では下まで届かない。両手をすぼめて浮き輪からくぐりでようと
したときには、わたしは足首から水着を抜き取っていた。
「もーらった」
わたしは奪い取った水着をつかんだまま、少し先を泳いだ。
「ま、待てよぉ」
焦ったようなユウキくんの声が聞こえた。
人の間を縫うようにして泳ぐと、後ろから浮き輪と一緒にユウキくんが
ゆっくりとついてくる。さすがに素っ裸で泳ぐことはできないらしく、
大きな浮き輪につかまって流れされるだけのようだ。
わたしは立ち止まり、やってきたユウキくんの浮き輪につかまった。
「やばいって。返してよ」
「大丈夫だって。だれも気づいてないよ」
「返せったらぁ」
ユウキくんは両手を伸ばしてわたしの手につかんでいる水着を奪い
返そうとした。わたしはユウキくんの手をスルリとかわして、両手を
水の中へ入れると、ユウキくんの股間へ手を伸ばした。
「ターッチ」
わたしはそう叫んだ。
小さな魚みたいなおちんちんが手に触れる。
男の子のおちんちん、はじめて触っちゃった。
「わっ」
ユウキくんが驚いた顔になった。
「無防備だねぇ」
わたしは片手の手のひらで包むようにおちんちんをつかみ、もう片方の
手でその下のたまの部分をつかんだ。
てっきり、二人のたまたまがぶら下がっているのかと思ったら、
木の実のように固くキュッとなっていて、たまがあるのかどうか
わからない。
「たまたま、ないよ」
わたしはユウキくんの顔の近くで問いかけた。
「さ、触んなよぉ」
ユウキくんは真っ赤な顔になって小さな声でそう言った。
「ねえ、たまたま、どこ行っちゃったの?」
ユウキくんは周りをキョロキョロと見ながら、落ち着かない。
「寒いところでは縮むんだよ」
「ふーん。そうなんだ。体の中へ入っちゃうの?」
ユウキくんは真っ赤な顔をしてうなずいた。わたしの手のひらの中で
かわいいお魚さんが少しずつ大きく固くなっていく。
「あれあれ、なんだかんだ言って、大きくなってきた」
「しーっ、黙って」
「おもしろーい。どんどん成長していく」
「言わないでよぉ。お願い」
恥ずかしそうな顔を見ながら、わたしはさらに続けていく。
「いま休憩になったらどうする?」
「え?」
「みんないっせいに、プールから出ないといけないねぇ」
ユウキくんはあわててドーナツ型の流れるプールの中央にある時計を見た。
市民プールは一時間に一度、全員がプールから出される休憩時間がある。
あと5分ほどで休憩の笛がなる時刻だった。「どうする?このまま出たらびんびんになったおちんちん、みーんなに見られちゃうよ」
「そんなぁ」
ユウキくんはあわてた様子でわたしの顔を見つめた。
「だって、見られるの好きなんでしょ?」
「いくらなんでも・・・・こんなに大勢いるしー」
「勇気ないなぁ。名前はユウキなのに。男の子でしょ?」
「そんなこと言われても・・・・」
「じゃあね、ユウキくーん」
わたしはユウキくんの耳に口を寄せた。
真剣な顔
濡れた髪
少しふっくらした頬を伝う水
同い年のはずなのに、妙にかわいい。
胸がキュンとなる。
「笛がなる前に、最後までいったら水着返してあげる」
「最後までって?」
「ユウキくん、もう大人の体になった?」
「え?」
「ここで射精してみよっか」
「ええっ?」
驚いたユウキくんがわたしの顔を見つめた。
幼い表情を見ていたら、この子、射精なんて意味知ってるのかな、と疑問に
思う。でもわたしだって、精通って習ったくらいから、同じ6年生の男の子なら
知ってるだろうと思う。
「知ってるかな。ぼくゥ」
わたしは手を伸ばしてユウキくんの濡れた頭をなでなでしてみる。
ユウキくんは頭を振って、それをいやがった。
「でも・・・どうやって・・・・」
知ってるのか知らないのか、わからないけど、ユウキくんは曖昧にそう言った。
「大丈夫だって。わたしがやってあげるから」
わたしはそう言って、手の中で大きくなりきった、とは言っても、手のひらに
すっぽりと包まれちゃうような、ユウキくんのおちんちんの先っぽを指で
もんでいった。
「わっ、わっ、わっ」
ユウキくんは恥ずかしそうに声をあげて、あわててキョロキョロと回りを見回した。
鬼ごっこをしていた中学生くらいの女の子たちがキャアキャア言いながら、
ユウキくんの浮き輪にぶつかって、また泳いでいった。
女の子たちの背中を見ながら、わたしは固くなったおちんちんの先っぽを包んでいる
皮を指先でつまみながらもんでいった。
ああは言ったものの、正直なところどうしたら射精するのかわからない。
「かわいいお子ちゃまのおちんちんだから、射精はまだムリかなぁ」
そんなことを言いながら、わたしもちょっと焦ってきた。休憩の時刻まであと3分ほど
だった。
どうしようかと考えて、わたしは一つ思いついた。
ユウキくんは人に見られると感じちゃうんだから、思い切って誰かに見てもらおう。
わたしはおちんちんを離して、ユウキくんの脇腹あたりを抱えた。
「わっ、なにすんだよぉ」
いきなり抱えられて少しバランスを崩しながら、ユウキくんがあわてた声をあげる。
わたしはそのまま片手でユウキくんの体から浮き輪を抜き取って下へ放り投げた。
すぐ前にわたしたちより少し年下くらいの小学生の女の子たちが三人、歩きながら
しゃべってみた。
「おーい」
わたしは女の子たちの背中に声をかけてみる。三人が振り返った。
「それぇ」
わたしはユウキくんの脇腹をつかんだまま、思い切り抱えあげた。
とっさのことに無防備に両脚を伸ばしたまま、水面からユウキくん
の下半身が女の子たちの目の前に現れた。
一瞬、三人はきょとんとした顔で目の前のおちんちんを見つめて、それから顔を
見合わせて笑いながらキャアと声をあげた。
「わっ、なにすんだよ」
あわてて両手で股間を隠したユウキくんを水の中へ戻す。女の子たちは笑いながら
ユウキくんの顔をちらちらと見たあと、泳いでいってしまった。
「おっきくなったおちんちん、ばっちし見られちゃったね」
わたしはユウキくんの耳のそばでそう言った。ユウキくんの耳たぶはさくらんぼのように
まっかっかで、うつむいて返事もできない。
わたしは再び浮き輪を拾ってユウキくんの体に被せると、水面に浮いた下半身に再び
手を伸ばした。大きくなったままのおちんちんはビクビクと震えているような気がした。
「さあ、興奮したかなぁ」
わたしは片手でユウキくんのおちんちんをつかみ、もう片方の手で小さなユウキくんの
裸のお尻を撫でた。
「わあっわあっ」
ユウキくんが何かを必死にこらえるように声をあげる。
ユウキくんのおちんちんの先っぽからぬるぬるしたようなものが出てきて、わたしの
指がスルッと皮の中へ滑り込んだ。
「あっ」
ユウキくんが真っ赤な顔をあげる。わたしの手の平に、もっとぬるぬるしたものが
触れた。
突然のことにびっくりして、わたしは水の中から自分の手を出して眺めてみた。
白くぬるぬるした不思議なものがわたしの手にまとわりついていた。
「絶対にヤバイって」
着替えの入ったバッグをつかんだまま、ユウキくんはまだ濡れている体からポタポタと
水滴を滴らせてそう言った。
「大丈夫だって。ユウキくん低学年に見えるから」
「それにしたって小学生なんだから、ヤバイいって」
「へいきへいき」
泳ぎ終わった後、男子更衣室から着替えを持ってきてもらって、一緒に女子更衣室で
着替えよう、と誘った。ユウキくん、喜ぶかと思ったら、かなりためらっていて、シャワーを
浴びて女子更衣室の前までついてきたものの、そこで立ち止まってしまった。
こういうときは男の子のほうが度胸がないものなんだなーと思う。
「いいからいいから」
わたしはバスタオルをユウキくんの肩にかけて、胸が隠れるように上半身を包み込んだ。
「ユウキくん、女の子みたいにかわいい顔してるから、こうすれば女の子に見えるかも」
「絶対、見えないって」
わたしはユウキくんの肩を無理やり押して女子更衣室へ連れ込んだ。
「わあっ、やめろって」
「ここまで着て抵抗するとかえって怪しまれるよ。お姉ちゃんについてきた弟のふりして、
堂々としてたほうがいいよ」
薄暗い更衣室の中は真ん中に太い通路があって、そこから細い通路が分かれている。
細い通路にはロッカーが並んでいて、小さな女の子なんかはそこで着替えている。
わたしはユウキくんの肩を抱きかかえるようにして、細い通路の一番奥へと連れて行った。
わたしたちと同じくらいの小学生や少し大きい中学生くらいの女の子たちが5、6人で
わいわい言いながら着替えていた。
女の子たちはだれもユウキくんを気にとめたりしていなかったけれど、ユウキくんは目の
やりばに困ったように下を向いたまま歩いていた。時折、顔をあげては、あわてて下を
向く様子がなんとも言えずかわいい。
「ここだったら平気でしょ」
通路の一番奥に連れて行って、空いているロッカーに荷物を入れた。
ユウキくんがそこで体を拭いている間に、わたしはちょっと待ってて、と言い残して、
カーテンのあるブースでさっと着替えた。洋服を着て戻ってくるわたしを見て、
ユウキくんは、自分だけ先に着替えるなんてずるいぞ、と口を尖らせた。
「エロぃ。わたしの着替えるとこ見たかったの?」
「そうじゃないけど・・・・」
ユウキくんはそう言って真っ赤な顔になった。
「おれもあっちで着替えちゃダメ?」
「あたりまえでしょ。ここで着替えるの」
「やっぱりぃ」
「わたしの影に隠れていれば、他の女の子からは見えないでしょ?さあ、さっさと脱いで」
わたしはそういいながら、ロッカーの中のユウキくんのバッグをつかんで、中を覗いた。
くしゃくしゃになった半ズボンとTシャツと、それに・・・・
あった。ネズミ色のブリーフ。
「こんなかわいいのはいてるんだ」
わたしはパンツをつかんで、ユウキくんの目の前に広げてみる。
「返せよぉ」
「まず、先にバスタオル渡して」
わたしはユウキくんの体を包んでいたバスタオルを剥ぎ取るようにつかんで、バッグの中へ
押し込んだ。
上半身裸のユウキくんの体が現れる。ユウキくんはあわてて胸のあたりに手をやって
隠すようにした。
「女の子みたい」
「だってさ・・・・」
恥ずかしさのせいか、興奮のせいか、首から胸のあたりが少し赤く染まってきて、
乳首が鮮やかなピンク色になっている。
「女の子よりきれいだね」
わたしは思わずそう言った。「さあ、さっさと水着も脱いで」
わたしは手を伸ばしてそう言った。
「先に脱ぐの?」
「もちろん、こういうところではだかんぼになるの好きなんでしょ?」
わたしがそう言うと、ユウキくんはさらに真っ赤な顔になって下を向いて、海パンの紐を
解いた。親指を中へ差し込んで、少しパンツを下げると、腰の骨と股の線のつけ根が
現れた。
「さっ、早く」
わたしがせかすと、ユウキくんは困ったように顔をあげた。
「ダメ。できない」
「どうして」
「いくらなんでも、まわり女の子ばっかじゃん」
「そう」
ユウキくんは脱ぎかけたパンツを再びはくと、人形のように固まったまま動かない。
「ところでユウキくん、ヤマシタメグミって子知ってる?」
「え?」
「わたしと同じ塾通ってる東小の子。知ってるでしょう?」
ユウキくんは曖昧にうなずいた。
「クサカケイコちゃんとか、オノナツミちゃんとか、みーんなユウキくんと同じクラスでしょ?」
「・・・・・・」
「ユウキくんと公園で知り合ったこと話しちゃった。ユウキくんガッコウじゃあ、人気者なん
だね。スポーツは何でも得意で、学級委員もやってて、今年の運動会は応援団長だって。
すごいよねぇ」
「・・・・・・」
「おまけに頭も良いんだってね。塾で一番、頭のいいヤマシタさんが、タカマツユウキくんは
塾いかなくてもこのあたりの私立ならどこだって受かるって、言ってたよ」
「もうやめてくれぇ」
「みんな、ユウキくんのこの姿知ったら、なんて言うかナァ」
「わかったよ」
ユウキくんは観念したように、再び海水パンツに親指を入れた。それからクルッとわたしに
背を向けて、急いでパンツを下ろすと足首からそれを抜き去った。
「ちゃんと、こっち向いてパンツ渡してよ」
そのしぐさが妙におかしくて、わたしは少し笑いながらそう言った。ユウキくんが股間を
押さえながら振り向いた。
「さっ、パンツ渡して」
わたしはひったくるように、ユウキくんの手から海水パンツを奪い取った。
両手で股間を押さえ、身をすくめて立っているユウキくんは、これからお仕置きをされる
小さな子供のように見えた。
「ちゃんと、両手をわきにつけて。気をつけしないと」
わたしがそう言うと、しぶしぶ両手を股間からどかせて、太腿の横にピタッとつける。
小さなおちんちんが完全にあらわになった。
わたしの体を隔てたすぐ後ろでは、女の子たちがキャアキャアいいながら、大声でおしゃべり
している。
わたしは奪い取った海水パンツとユウキくんのネズミ色のブリーフを両方ともバッグに入れる
と、もう片方の手でユウキくんの手をにぎった。
わたしはユウキくんの片手をつかんだまま歩き出した。
「ち、ちょっと」
ユウキくんが驚いて声をあげる。
わたしは思い切り息を吸って、大声を出した。
「しょうがないなぁ。パンツ、どこへ落として来たの?」
わたしの声にとなりの少女たちが振り返った。とっさに股間を隠すこともできず呆然と立っている
ユウキくんを見て、女の子たちは目を丸くさせ、それから顔を見合わせた。
わたしはゆっくりとユウキくんの手を引いて女の子たちの前を通り、太い通路へと出る。
後ろのほうでにぎやかな女の子たちの声がした。
「男の子だよ」
「どうしよう見ちゃった」
「あたしも。モロ見えた」
「ちっちゃくて。かわいい」
「なに?おちんちんがかわいいって?」
「やだぁ。エロぃ」
「違うってば、背がちっちゃくてかわいいって言ったのぉ」
太い通路に出ると、大勢の女の人や女の子たちが行き交っている。おさげをして浮き輪を抱いている
小さな女の子が、引きずられるように歩いていくユウキくんとぶつかりそうになって、目の前に突然
現れたおちんちんに驚いて立ち止まる。後ろから来た若いきれいなお母さんらしき人が、女の子の
落とした浮き輪を拾って顔をあげると、ユウキくんの裸を見て、あらぁ、と言って笑った。
「わ、わ、わ」
ユウキくんはすっかり動転して、そう言ったきり、言葉がでない。わたしはおかまいなしに、ユウキくんを
カーテンのついたブースへと引っ張っていった。
「このあたりに落としてきたんじゃないの」
そういいながら、わたしは裸のユウキくんを連れて歩き回る。着替え終わってカーテンを開けて出てきた
中学生くらいの女の子が、ユウキくんの背中にぶつかって、ユウキくんの体が傾いた。
とっさに手を離したら、ユウキくんはドシンと大きな音を立てて、濡れた床の上にしりもちをついた。
「ごめんね。大丈夫?」
突然、現れた裸の男の子にびっくりした顔をしながら、中学生くらいの女の子はユウキくんのそばに近寄って
しゃがんだ。両手を後ろについて、脚を広げたユウキくんのおちんちんが、女の子の目の前でピョコンピョコン
と小さく揺れている。
「この子、どうしたの?」
女の子はユウキくんの背中を抱き起こしながら、わたしの顔を仰ぎ見た。
「パンツ、どこかへ落としちゃったみたいで」
わたしはごまかすように微笑みながらうそをついた。
「ほんとかなぁ。女子更衣室を裸で歩き回るなんて、ほんとは女の子に見られたいんじゃないの?ぼくぅ」
女の子は笑いながらそう言った。
わたしも笑い返しながら、適当にごまかそうとした。
ユウキくんは体を起こすと、床の上にペタンと座ったまま、恥ずかしそうに両手で股間を隠した。
「小学生だよね。何年?」
女の子に問いかけられて、ユウキくんは困ったようにわたしの顔を見た。
「3年生、だったかな」
わたしは女の子から目をそらせながら返事をする。
「あなたお姉ちゃん?」
「え、ええ。まぁ」
「お姉ちゃんも小学生?」
「6年です」
「そう。二人してプール?」
女の子は怪訝そうな顔をしてわたしのことをじっと見る。少しあせったわたしの心臓がドキドキとなった。
「ミキィ、どうしたの?」
もう一つのブースのカーテンが空いて、別の女の子が出てきた。同じ中学生くらいで背が高く、
髪の長いきれいな女の子だ。
「この子とぶつかっちゃってさ」
ミキと呼ばれた女の子が立ち上がってそう言った。
「ふーん」
もう一人のほうの女の子は、入れ替わるようにしゃがんで、ミキさんのほうを見上げた。
「男の子?」
「そう。ちゃんとついてたよ」
「やだぁ。エッチぃ」
「パンツ失くしたってさ」
「ふーん」
「ほんとかねぇ」
「え、どういうこと?」
女の子は興味深そうにユウキくんの体を上から下までジロジロと見ている。
ユウキくんは股間を押さえてずっと下を向いたまま、顔をあげることも、立ち上がることもできない。
耳たぶが破裂しゃうんじゃないかと思うほど真っ赤に染まっていた。
「なんか、わざと裸になってたみたいよ」
「ふうーん。いけないんだ」
女の子はユウキくんの正面からわきの下に手を入れた。
「ほうら、立って」
女の子はそのままユウキくんを持ち上げる。細く華奢な体つきに見えたけど、案外、すごい力もちだ。
軽々と抱えあげられたユウキくんはそのまま女の子が今まで着替えていたカーテンの中へ連れて
いかれた。
「あんたも入りなよ」
ミキさんに背中を押されてわたしもカーテンの中へ押し込まれた。
狭い着替えブースの中は四人も入るとかなり窮屈だ。
「どれどれ」
わたしの腰より少し高いくらいのところが棚のようになっていて、
荷物なんかを載せられる。その部分に女の人は抱き上げた
ユウキくんを座らせた。
「レイナ、どうするの?」
ミキさんがその背中に声をかけた。
「ぼくぅ、ほんとに3年生かな?」
レイナさんと呼ばれたその女の人は、ちらっとわたしはミキさんの
ほうを振り返って微笑むと、腰を少し屈めて、真っ赤な顔をしている
ユウキくんの顔を覗き込んだ。
「あ、あのぉ・・・・」
ユウキくんはそう言ったきり、うつむいてしまった。
「本当にパンツ、なくしちゃったの?」
ミキさんはそう言って、わたしが持っていたユウキくんのバッグを
奪い取った。
「あっ、待って」
わたしが手を伸ばしたときにはもう遅い。ミキさんはバッグの中を
のぞいて、ネズミ色のバンツを引っ張り出した。
「もしかして、これ?」
「あっ、返して」
ユウキくんが手を伸ばしたが、ミキさんは頭の上にパンツを上げて
パンツを取られないようにする。レイナさんがユウキくんの肩を押さえ
つけた。
「どういうこと?」
レイナさんはユウキくんとわたしの顔を交互に見つめた。
「あ、なーんだ。そんなところにあったんだぁ」
わたしは白々しいお芝居をしてみせた。
「わーかわいいパンツ。中のぞいちゃおう」
ミキさんがユウキくんのパンツをのぞきこみながら言った。
「ゲッ、おしっこのシミついてるよ。けっこうバッチイかも」
「返せよぉ。返せぇ」
ユウキくんは真っ赤な顔をして再び片手を伸ばそうとする。
レイナさんはあきれたように笑うとユウキくんの肩を押さえて
いた手を移動させて、両手首をつかんだ。
「やっぱり、わざと裸になってたでしょ?いけない子だなぁ」
レイナさんはそう言うと、わたしの方を振り返った。
「お姉ちゃんも共犯だよ」
「ごめんなさい」
わたしは素直にあやまった。
「ほかの人には内緒にしておいてあげるから、そのかわり
お姉ちゃん、この子の足、押さえてて」
わたしはうなずくとレイナさんの前で出た。ひざまづいて、
目の前にあったユウキくんの膝小僧を両手でつかむと、レイナ
さんはわたしを見下ろしてニッコリと笑った。
「そんなに見せたいのなら、じっくりと見てあげるよ」
レイナさんはユウキくんの両手をゆっくりと持ち上げていく。
「やだっ、やだぁっ」
ユウキくんは首を横に振って、必死に抵抗する。
「おとなしくシロー」
ミキさんはつかんでいたパンツをわたしの足元の床に投げ捨てて、
ユウキくんの両脇をくすぐった。
「わあっ」
ユウキくんが軽く叫ぶととも、レイナさんの手でユウキくんの両手は
みごとにバンザイさせられていた。わたしのすぐ目の前の少し
開かれた両膝の間に小さなおちんちんが現れた。
「どれどれ」
ミキさんが横からのぞきこんだ。
「わっ、ちっちゃ」
振り返って見上げたミキさんにレイナさんが笑いかける。
「やっぱり三年生だったかな?」
「幼稚園児なみ?」
「さあ、比べたことないから」
そんな会話をしながら、レイナさんがバンザイさせたユウキくんの
両手を壁にグイッと押し付けると、ミキさんは下を向いたユウキ
くんのあごに手をあてて、無理やり上を向かせた。
「ねぇ、ぼくぅ、ほんとに何年生よ」
目の前で呼吸とともにゆっくりと上下しているユウキくんのおへその
周りが、少しずつピンク色に染まっていく。
「6年生」
答えられないユウキくんに代わって、わたしが答えた。
「6年生?あんたたち姉弟じゃないの?」
「友達だよ。わたしも同じ6年生」
二人は顔を見合わせて、ニヤニヤと笑った。
「この子、名前、なんていうの?」
「タカマツユウキくん」
「そう。ユウキくぅん、恥ずかしいね。同じ年の女の子にかわいいおちんちん見られ
ちゃって」
「でも、ほんとはそうされたいんだよね」
「わたしたちも、じーっくり観察させてもらうから」
両脚を思い切り開いて
レイナさんがわたしを見下ろしてそう言った。
わたしはユウキくんの膝をつかんだまま、ぐいっと大きく横に開かせた。
「さーわっちゃおう」
ミキさんは歌うようにそう言うと手を伸ばして、小さなユウキくんの
おちんちんの先っぽを指で突いた。
ミキさんが指先で突くと、ユウキくんのおちんちんはムクムクッと大きくなっていく。
「わっ、おっきくなった」
ミキさんはレイナさんと顔を見合わせて笑った。
「ちゃんと大きくなるんだ」
「エロぃなぁ」
ミキさんは皮に包まれたまま大きくなっていくおちんちんの先っぽを手のひらで
包むようにつかんで、モニモニと規則ただしくもみしだいていった。
すぐにユウキくんのおちんちんはピンと上を向いてミキさんが手を離すと、
びよーんと揺れる。
「ねぇ、この中、どうなってるか知ってる?」
ミキさんがおちんちんの先を親指と人差し指でつまみながら、わたしを見下ろして
尋ねた。
「さあ」
わたしは曖昧な笑顔を作って笑い返す。
「皮、剥いちゃおう」
ミキさんはそう言うと、先っぽの皮をぺろんと剥いた。中から透明なぬるぬるした
ものに包まれてピンク色のきれいな先端が現れた。
「きれい」
思わず声に出して言ってしまったわたしは、上の二人を見上げて笑った。
顔から火が出るほど恥ずかしかった。
「もうこんなにぬるぬるしてるの?エッチだなぁ、ユウキくんは」
ミキさんはそう言うと、おちんちんから手を離し、ユウキくんの両手を押さえている
レイナさんに何かを耳打ちした。
「やだぁ、もう」
レイナさんはそう言って両手を離すとミキさんとともに壁から三歩ほど後ろに下がった。
ようやく両手が自由になったユウキくんはあわてて勃起したままのおちんちんを
両手で隠した。
「あんたもこっち来な」
ミキさんはそう言ってわたしを手招きする。わたしもユウキくんの側から離れて
二人の横に並んだ。「ユウキくん、射精できるのかな?」
ミキさんが真っ赤な顔をして股間を隠しているユウキくんに尋ねた。
返事ができないユウキくんに代わって、わたしの方を見る二人に
わたしは軽くうなずいて見せた。
「じゃあ、最後までやってごらん。自分の手で」
「ええっ?」
ユウキくんは驚いて顔をあげる。ミキさんはレイナさんと顔を
見合わせて微笑んだ。
「見られるの好きなんでしょう?三人で見ててあげるから、自分
でやってごらん」
「こ、ここで?」
「そう。ここで」
ミキさんはそう言うと、後ろのカーテンをサーッと開けた。部屋の
明かりが薄暗かったブースの中に差し込んでくる。すぐ後ろで
話をする子供たちの声や行き交う人たちの話し声が聞こえた。
「うわっ、開けないで」
ユウキくんは棚の上に座ったまま、あわてて体を屈めた。
「大丈夫だよ。わたしたちがここに立ってるから、外からは見えない
ってば」
ミキさんは幼稚園の先生が園児たちに言い聞かせるように、
ゆっくりとそう言った。
「早くしないと、わたしたち、ユウキくんのパンツ持ったまま、ここから
走って逃げちゃうよ。一人でここに取り残されたら、どうする?」
レイナさんが体を屈めてユウキくんの顔をのぞきこみながら言った。
「そ、そんなぁ」
「じゃあ、わたしたちがいる間に、さっさと自分の手でしてごらん」
「ムリだよそんなの・・・」
「どうして?こんなエッチなおちんちんしてるんだから、自分の手で
したことあるんでしょう?」
「でも・・・、いくらなんでも人が見てる前じゃできないよ。カーテン
も開いてるし」
「そう。ならいいわ。ミキ、行こっか」
レイナさんは振り返ってブースを出て行こうとした。
「あっ、待って・・・」
ユウキさんがうろたえながら言った。
「どうする?」
ミキさんがユウキくんの耳元で尋ねた。
「わ、わかったよ」
ユウキくんが消えそうな声で答えた。
「よーし、いい子だ」
ミキさんはそう言ってユウキくんの頭を撫でた。
ユウキくんは下を向いたまま股間を押さえていた手をどかせて
右手でおちんちんをつかみ、チラッとわたしたちの方を見上げると
恥ずかしそうにまた下を向いた。
「さっ、早くしないと他の人に気付かれちゃうよ」
レイナさんが小声でそう言った。
しばらくそのままじっとしたユウキくんは、やがてゆっくりと右手を
動かせていく。ピンク色の先っぽがぬるぬると濡れたまま皮の
先っぽから出たり入ったりしながら、少しずつ赤みをましていく。
「わっ、わっ」
ユウキくんはわたしたちの後ろを人が通るたびに、あわてて
股間を隠して身を屈める。
「かわいいね。恥ずかしがってる」
レイナさんはそう言うと、サッとカーテンを開けたままのブースの
外に出て、顔だけを中へ入れた。ユウキくんの全身に外の光が
パアッと差し込んだ。
「わあっ、だめっ」
ユウキくんは棚から落ちそうになるほどあわてて身を縮めた。
「もーう、度胸ないな。ほんとに男の子なのかぁ」
ミキさんが笑いながらユウキくんの額を突いた。
「早くしないと、みーんな出て行っちゃうよ」
今度はミキさんまでブースの外へ体を半分だしながらそう言う。
「わあっ、待ってぇ」
「じゃあ、隠してないで、早く続きやりな」
「わ、わかったよぉ」
ユウキくんが再びおちんちんをしごき始める。先っぽは最初に
見たときのような淡い桃色ではなく、もっと赤みを増して
鮮やかなピンク色に変わっていた。ぬるぬるした液は
赤ちゃんのよだれのようにツーと、ユウキくんの手の甲を
滴り落ちていった。
引き締まったおなかが呼吸とともに激しく上下して、おへその
くぼみには水滴がたまり、雨上がりの小さな水たまりのように
見えた。無防備に開かれた両足の太腿の筋肉がときどき
思い出したようにキュッと引き締まる。
「いくときの顔、みせてね」
再び戻ってきたレイナさんとミキさんがユウキくんのあごに
手をあてて顔を上げさせる。おちんちんの先っぽに負けない
くらい頬を赤く染めたユウキくんは、二人と目をあわせる
ことができない。逃げるようにさまよった視線が呆然と見つめる
わたしの視線とぶつかった。
「わあっ」
そのとき、ユウキくんのおちんちんの先っぽから、泉の水が
噴出すように白いものがピュピュッと飛び出した。
「きゃぁ、でたぁ」
二人は顔を見合わせて笑った。
わたしは声も出せないで、ただ突っ立ったまま口を開けて
その光景を眺めていた。
生まれてはじめて目の前でみた、男の子の射精の瞬間だった。
「ねえ、みてみて」
まだ濡れている水着の肩を突いて、キリコが言った。
「なに?」
振り向いて、目を丸くさせたキリコの指差す先を見る。
「男の子だよ」
着替えをするブースのカーテンがあけられて、そこから中学生くらいの女の子が二人と
男の子が一人、その後からもう一人、あたしたちと同じくらいの年の女の子が一人
どたどたっと出てきた。
「うそぉ、何で裸なの」
キリコは甲高い声をあげて笑った。
男の子は素っ裸で中学生の女の子に両手を引かれて、シャワーのあるところへと
連れて行かれるところだった。
恥ずかしそうに真っ赤な顔をして、隠すこともできない小さなおちんちんがピョコンピョコン
と揺れる。
「なんでなんで。わっ、どうしよう。ばっちしみちゃった」
一人で盛り上がっているキリコの声を遠くで聞きながら、あたしは呆然と突っ立って
その光景を見ていた。
あいかわらず、小さくて、かわいいおちんちん
凛々しさとかわいさの入り混じった顔
年齢よりも幼いからだつき
間違いなく、ユウキだと思った。
去年の秋、マンションを買って引っ越すまで、あたしはユウキの隣の部屋に住んでいた。
同じ社宅で、あたしが小学2年生のときにユウキが引っ越してきてから、3年ちょっとの間
登校班で一緒に学校に通った。
学年もクラスまでずっと一緒だった。
ユウキは、運動神経が抜群で、頭もよく、かわいい顔しているので、クラスの女の子たち
にはわりと人気があったけど、あたしたちは男の子と女の子ということもあって特に
親しくはなかった。
でも、ちょうど一年前の夏休み、忘れられない思い出がある。
その夏、ユウキはあたしの家で夏休みを過ごした。
ユウキのママが病気でちょうど夏休みの間、二週間ほど入院することになった。あたしの
ママはユウキのママととても仲がよくて、自分が入院している間、ユウキを預かっていてく
れないかと頼まれたらしい。
あたしの住んでいた社宅は半分くらいはパパが海外に単身赴任をしていて、あたしの家
もユウキの家もパパがいなかった。一人っ子のユウキは塾やサッカーの練習があって
田舎のおばあちゃん家に行くわけにも行かず、二週間の間、あたしの家に転がり込んで
きたわけだ。
「どうも、よろしくお願いします」
簡単な荷物だけ持ってやってきたユウキがペコリと頭を下げて、少し恥ずかしそうに笑った
のを昨日のことのように思い出す。
あたしんちはあたしと二つ上のカンナ姉ちゃんと五つ上のシズカ姉ちゃんの三人姉妹。
パパはずっと単身赴任していたから、女だけの家に突然、やってきた男の子にみんな
興味津々だった。
ユウキがトイレに入るとみんな聞き耳立てちゃったりして、男の子って、あんなふうに
音たてておしっこするんだー、って、お姉ちゃんたちと顔を見合わせて笑った。
いくら男の子でも、まわりが女ばかりだと気になるらしい。
ユウキは着替えるときなんかも誰もいない部屋にこもって着替えたり、隣の自分の家に戻って
着替えてきたりしていた。
パンツ姿ですら、あたしたちの前で決して見せようとしない。
そうなるとかえって見たくなるというもので、ユウキがお風呂に入っているときには
用もないのにわざと脱衣室へ入ってみたりして。
シズカ姉ちゃんなんか、「ユウキ、一緒にお風呂に入ろうか」なんてからかってた。
いいよ、と言いながら真っ赤な顔して恥ずかしそうに首を横に振るユウキがかわいくて、
お姉ちゃんは、毎日のようにそう言ってからかっていた。
ママはもっと大胆で、ユウキがお風呂に入っているときなんか、堂々と覗きこんで
「湯加減はどう?」
なんて言っていた。
「わ、わ、だいじょうぶ」
と、ユウキがあわてて言う声がお風呂の中に響いていたっけ。
そんなある日のこと、友達と遊んで家に帰ったら、ちょうどママとユウキが出かけるところだった。
「お出かけ?」
あたしが尋ねると、ママは、うん、ちょっとお医者さん、と答えた。
「ユウキ、具合悪いの?」
あたしはママとユウキの顔を見比べながら問いかけた。
「ううん。具合が悪いわけじゃないけど・・・」
ユウキは下を向いて、いいにくそうにポツリと言った。
「それがね・・・」
「わっ、だめぇ」
ママが言おうとしたら、ユウキがあわててさえぎった。
「ユウキのママに頼まれたんだけど・・・・・」
「わっ、わっ、やめて。言わないで」
「別に恥ずかしがることないじゃない。男の子なんだからヘイキヘイキ」
なんで男の子だから平気なのかは知らないけど、ママは真っ赤な顔をしてあわてるユウキくんの
口をふさいで話し始めた。
「泌尿器科っていうところへ連れて行くのよ」
「ヒニョウキ?」
「ユウキのママがずいぶん前に予約しておいたんだけど、急に入院しちゃったから、代わりに連れて
行ってほしいって」
「ユウキ、なんの病気なの?」
「病気じゃないんだけど・・・・」
わあ、やめて、言わないで。
ユウキが耳たぶをリンゴのように赤く染めてまたそう言った。
「おちんちんが小さいから、一度、見てもらうんだって」
ママはあわてるユウキを押さえながら、そっけなくそう言った。「そうだ、あんたも一緒に来る?」
ママは思いついたようにそう言った。とくに
「泌尿器科って、行ったことないから、なんか行きづらいのよね。それに用件が用件だし」
そういいながらもママはどこか楽しそうだ。
「わかった、あたしも一緒にいく」
こういうときだけは、あうんの呼吸だ。
あたしはすぐに提案に乗った。
「だめだよぉ。いやだって」
案の定、ユウキはちらちらとあたしの方を見ながら、いやがった。
「大丈夫よ。この子が診察するわけじゃないんだから」
ママはそう言ってユウキの背中を押した。
「ほら、うちもそうだけど、ユウキのところもパパいないでしょ?女だけだと、よくわかんないんだよねー」
車を運転しながらママが言った。
「なにが?」
「男の子のことがさ。特に体のことになると、全然わからなくて」
「あのさぁ」
あたしはぷいと横を向いて、外を見ているユウキを見ながら言った。
「ユウキって、おちんちん小さいの?」
運転しているママがプッと噴出した。
「黙ってろよー」
ユウキは真っ赤な顔をして、あたしの頭を殴るふりをした。
「さあ、あたしも見たことないからねー」
ママは笑いながらそう答える。
「おちんちん、小さいのって、ヤバいわけ?」
「あんまり小さいと病気なんじゃないの?ホルモンの異常とかさ。それに先っぽの皮が剥けないと
あとで困るらしいから」
「あっ、知ってる。ホーケイって言うんでしょ」
あたしが大声で言ったら、ママはまた吹き出した。
「そんなこと、女の子が大きな声で言うんじゃないの」
やがてたどり着いたのは、このあたりでも一番大きな病院で、入口のホールは、
大きなターミナルの駅のように大勢の人でごった返していた。
わたしたちは総合受付というのを済ませてから、デパートのような長いエスカレータ
を上り、三階の泌尿器科受付というところへやってきた。
診察室が三つあって、廊下には長いイスがところどころ置いてある。
そのうえに座って待っているのは、みんなおじいちゃんかせいぜいあたしのパパ
くらいの年齢の男の人ばかりだ。
フロアのその一角には、女の人も子供も誰もいなくて、あたしたちはひそひそと
小さな声で話をしながら、居心地の悪い思いして順番を待っていた。
三十分ほど待たされて順番がやってきた。三人そろって診察室の入口に行く。
あたしだけは外へ出ていようかと思ったのに、入口の若い看護婦さんが、
どうぞ、お姉ちゃんも入っていいよ。と言ったので、中へ滑り込んだ。
ユウキはちらっと振り返り、とてもいやそうな顔をしたけれど、もうそのときには
ママに背中を押されて丸い椅子の上に座らせれていた。
「こんにちは」
白衣を着たお医者さんはなんと女の先生だった。しかもママよりもずっと若い。
本当にこの人、医者なんだろうか、とあたしもちょっとびっくりした。
目をパチパチさせて驚いているユウキに向かって、女の先生はニッコリと微笑んだ。
「ごめんね。いつもの担当の先生が急患で、また、わたしが代わりに診察しているの
。女の先生じゃいやだよね。でも、心配しないで。これでもちゃんとしたプロだから。
それに男の子なんだから、ちょっとくらい恥ずかしくても平気だよね」
きびきびした言い方で先生はそう言った。
先生もママとおんなじことをいう。
どうして男の子だから平気なんだろう。
でも、医者にそういわれて、いやですともいえないよね。
ユウキはケナゲにもこっくりとうなずいた。緊張して、頬が赤くなり、半ズボンの先の
足が小刻みに揺れていた。女の先生は、まずユウキの顔に手をあてて、首のあたりを指で何度も撫で、
それから目を開かせて、中をのぞきこんだ。
その後、下を向いてカルテみたいなものに何かを書いてから、聴診器を
耳にかけた。
「上に着ているもの、全部、脱いでくれる?」
ユウキは黙ってうなずくと着ていた黄色のTシャツをスルッと脱いだ。
看護師さんがスッと寄ってきて、ユウキの手からくしゃくしゃに丸められた
Tシャツを受け取り、床に置いてあったかごの中へ入れる。
女の先生はとても真剣な顔をしてユウキの裸の胸に聴診器をあてた。
まだ少し子供っぽくやわらかそうなところが残っているユウキのおなかが、
呼吸とともに大きく出たり引っ込んだりする。
ユウキがちらっと顔を横に向けてあたしとママを見る。少し不安そうな顔
がとても幼く見えた。
「はい。いいです。ズボン脱いで、パンツ一枚になってみようか」
先生が聴診器を外しながらそう言った。ユウキはうなずいて立ち上がった
ものの、ちらちらとあたしの方を見てばかりいる。
「どうしたの?」
先生が少し怪訝そうな顔をして尋ねた。
「あのー」
「なに?」
「あ、いえ。いいです」
ユウキはどもりながらそう言うと、下を向いて半ズボンを脱いだ。
耳たぶを真っ赤にさせて脱いだ半ズボンを看護師さんに手渡す。
とうとうユウキは英語の柄が書いてあるベージュ色のブリーフ一枚
の姿になった。
「身長と体重、計って」
先生は看護師さんとユウキの両方に向かってそう言った。
「さあ、こっちへ」
看護師さんのやわらかそうな手がユウキの裸の背中を軽く押した。
おなかは子供っぽいのに、背中のほうか肩から下の骨が、がっちりしていて、
ちょっと男っぽい。
思わず見とれちゃった自分は恥ずかしくて、あたしは一人で赤くなった。
ユウキは、まず銭湯にあるような古い大きな体重計に乗って、その後は学校
でよくやる身長を測る装置に乗った。
「両手を脇につけて、あごを引いて」
看護師さんに言われてユウキは両手をピタッと腿のあたりにつける。
ユウキのパンツ一枚姿、あたしはママと並んで正面からじろじろとながめた。
両手を脇につけたせいで、ユウキのおへそが目の前にあらわになった。
そこが体の中へと続く入口みたいに深く小さな穴がぽっかりと空いている。
思わず指を突っ込んでみたいなるようなくぼみだ。
ベージュのブリーフはユウキの体にはわずかに小さいみたいで、おちんちんの形が
ほんの少しだけわかるように見えた。
それが大きいのか小さいのかは、あたしにはわからなかったけど。
看護師さんが読み上げたユウキの体重も身長もあたしよりもだいぶ小さかった。。
そのことを恥ずかしがるように、ユウキは下を向いて、手で何度も頭をかいた。
「じゃあ、そこの長いすに寝てみようか」
先生は短くそう言った。
でも、さっきまでのきっぱりした言い方とは少し違っていた。
子供たちをお昼寝に誘う、保育園の保母さんみたいな話しかただった。「問診標は拝見しましたが、どのようなことをご心配なさっていますか?」
先生は立っているママを見上げて、そう尋ねた。
「それがそのう・・・・」
ママは言いにくそうにそう言ったきり、次の言葉が出てこない。
「おちんちんがとっても小さいんです。このままで本当に大丈夫かなって、
心配で」
あたしは言いにくそうなママに代わって大声でそう言った。
先生と看護師さんがクスクスと笑った。
長いすに横たわったユウキが真っ赤な顔をして、首を起こした。
「ごめんなさい。そうじゃないの」
先生はユウキのほうを向いて、あわててまじめな顔をした。
「ごめんごめん。ユウキくんのことを笑ったんじゃないのよ。お姉ちゃんが
あんまりしっかりしていたから。」
体を起こしかけたユウキは、再び先生の手で押し戻されて、長いすに横たわった。
耳たぶもほっぺも、首のあたりまで、もうまっかっかだ。
「ちょっと、おなかさわらせてね」
先生はユウキのおなかを両手で触り、何度か強く押した。みぞおちのあたりに置かれたその手は
だんだんと下へ下がってゆき、とうとうパンツのところまでやってきた。
「ちょっとごめんね」
先生はユウキのパンツをズリッと少しだけ下に下げる。おちんちんの根元が現れて、股の線が
半分見えた。
「なんともなさそうだけど・・・」
先生はそういいながら、おちんちんの根元のあたりを何度も強く押した。
ユウキはこれから解剖される小動物のような目で先生の手をじっと見つめていた。
「おちんちん、みせてもらうね」
先生はユウキのパンツをつかみ、ゆっくりと膝の下までおろしていった。
ユウキのおちんちん、見えちゃう。
そう思った瞬間、わっ、と短い言葉とともに、ユウキの両手が股間を隠した。
「恥ずかしがらないの。見せてくれないと、診察できないでしょ?」
先生は少しだけ微笑みながらそう言った。
「だ、だって・・・」
ユウキは先生に訴えかけるように、ちらちらとあたしとママの方を見た。
「まだ小学生なんだから、お母さんとお姉ちゃんに見られても恥ずかしくないでしょ?」
「違うんだ。そうじゃないんだ・・・・」
「すぐに終わるからね」
先生はそう言って、ユウキの両手をつかんで両脇へと持っていく。
先生の肩越しに、ユウキの小さな手が持ち上げられていく場面が、スローモーションのように
ゆっくりと動いて見える。
あたし、とうとうみちゃった。
長いすに横たわったまま、中途半端にひらかれたユウキの両脚の間に、小さなおちんちん
がついているのを。
白く小さく不思議な形をした、ユウキの一番恥ずかしいその部分は、自分の手がちょっと触れた
瞬間に小さく揺れた。
プルプルッ、って。皿の上に落としたばかりの、プリンのような揺れ方だった。
「わっ、だめっ」
先生がおちんちんを見ようとしたとたん、ユウキは再び股間を手で隠した。
「おちんちん見てもらいに来たんでしょ?もういまさら恥ずかしがらないの」
先生は少し強い言い方でそういった。
「だ、だってさぁ・・・」
ユウキは何度もあたしのほうを見ながら真っ赤な顔で言った。
先生は再びユウキの手首をつかんで持ち上げる。でもすぐにユウキの手は股間に戻ってしまった。
「もう。困ったな。すぐに終わりますから、お母さん、押さえててください」
先生は助けを求めるように、振り返ってママのほうを見上げた。
「あ、あ、はいっ」
ママはそういいながらもオロオロして体が動かない。
「あたし、やる」
あたしはそう言って、長いすをぐるっと先生と反対のほうへ回ると、ユウキの胸のあたりにしゃがんだ。
「わっ、わっ、なんでおまえが来るんだよぉ」
うろたえたユウキが手の力をぬいた瞬間に、先生は再びユウキの手首をつかんで持ち上げると、
あたしに手渡した。
「もう、ちゃんと先生の言うこと聞かないとダメじゃない」
あたしはユウキの顔を見下ろしてそう言うと、ユウキの手首をぎゅっとつかんで、バンザイをさせるように
あたまのほうへと持っていく。
「うわあっ、やめろぉ」
ユウキはそう言って体を起こしかけた。でも、その前に先生の手がスーッと伸びて、人差し指と親指で
ユウキのおちんちんをつまんだ。
「わっ、わっ」
その瞬間、ユウキはそう言ったまま、急に抵抗するのをやめて、起こしかけたからだを元に戻した。
あたしの目の前で、先生の手につかまれているユウキのおちんちんは、太さも長さも先生の親指と
同じくらいで、お弁当に入れる小さなソーセージのような形をしていた。ただ、先っぽは皮にくるまれて
いてあさがおをつぼみのようになっている。
「ちょっと小さめだけど・・・・」
先生はそういいながら、おちんちんの皮を軽く引っ張った。先っぽからピンク色の中身がぴょこっと
顔を出す。
わあ、おちんちんの中って、あんなふうになってるんだ。
あたしの目は吸い込まれるようにその部分をじっと見つめていた。
「痛い?」
先生はユウキの顔を確認するように見ながら、慎重におちんちんの皮をむいていく。
「わっ、イタッ」
小さな体がピクッと動いて、ユウキが顔をしかめた。
「ごめんごめん。もうやめておこうね」
先生はやさしくそう言うと、キュッと小さく縮まったたまたまの入ってるほうへと
手を伸ばした。
「ごめんね。すぐ終わるから」
先生はそう言って、手のひらで包むようにたまたまをにぎった。
「ずいぶん縮んじゃってるね。緊張してるのかな。」
先生はそういいながら手のひらで温めるように、ユウキのたまたまを揉み解していく。
ユウキはどんな顔をしたらいいかわからないといった表情で先生の顔から目を反らし、
天井や部屋のあちこちを落ちつきなくちらちらと見ていた。
「5年生にしては、睾丸も少し未発達かな。」
先生の手はたまたまを一つずつつかんで、その大きさや形を調べているようだった。
「はい。ありがとう」
しばらくたまたまを調べていた先生はそう言ってニッコリと微笑むと、看護師さんが持ってきた
洗面器で手を洗った。
「ちょっとびっくりするかもしれないけど、次で最後だからね」
先生はそう言って、看護師さんに目配せをする。看護師さんがほんの一瞬、ニヤッと笑った。
なんとも説明できない不思議な笑顔だった。
「ええっ、まだ終わりじゃないの?」
ユウキはぽつりとそう言った。
どこか小さな男の子がお母さんに甘えるときのような声のようだった。
「前立腺、触診してみるから」
先生がそう言うと、看護師さんがスッとユウキの足のほうへやってきて、白い靴下を
履いたままのユウキの両足首をつかんだ。
「ちょっと、ごめんね」
看護師さんはユウキの顔をのぞきこんでそう言うと、つかんだ足首をゆっくりと持ち上げ
ていく。
「わ、わ、なにするの?」
ユウキが驚いて体を起こそうとする。あたしもびっくりしてユウキの両手を押さえつけていた
力が抜けていたから、上半身が半分起き上がった。先生がユウキの胸を押し戻しながら
やさしく言った。
「ちょっと、びっくりするかもしれないけど、すぐ終わるからね。」
あたしは再び、ユウキの両手をバンザイさせて押さえつける。看護師さんは赤ちゃんの
おむつを取り替えるときのように、高く持ち上げたユウキの両足を頭のほうへ曲げさせた。
ユウキのピンク色のお尻の穴が天井のほうを向いてあらわになる。きれいなピンク色の
お尻の穴は、ヒクヒクとそこだけが別の生き物のように動いていた。
人のお尻の穴なんて初めて見た。
赤ちゃんのお尻だって、こんなふうになったところは、見たことなかった。
「うわあっ、やだあっ」
ユウキは女の子のように高い声をあげた。かわいいけど、ちょっとなさけない声だ。
「ごめんね。すぐ終わるから」
先生は何度も同じことを言いながら、ピニールの手袋を両手にはめて、ユウキのお尻を
覗き込む。そのまま何かぬるぬるした透明のゼリーみたいのを両手に塗りたくってから、
左手をお尻の下にあてがい、右手の中指を伸ばした。
ゼンリツセンってなに?
いったい、なにするんだろう?
どきどきしながら見ていると、先生は伸ばした右手の中指をユウキのお尻の穴へあてが
った。
「や、やめてっ」
ユウキは真っ赤な顔をしてそう言うと、チラッとあたしの方を見た。
もう胸からおなかのあたりまでがピンク色に染まっていた。
「ちょっと、がまんしてね」
その言葉とともに、先生の右手の中指は、飲み込まれるようにユウキのお尻の穴に入っていった。
ユウキは目を大きく開いて、びっくりして声もでない様子だった。
あたしもおんなじだ。
人の指がお尻の穴の中へ入っちゃうなんて、想像したこともなかった。
「あ、あ、あ」
声もでないユウキに代わって、あたしの口から言葉にならない声が漏れる。
中指が根元までユウキのお尻の穴へ入ってしまうと、先生はユウキのピンク色に染まったおなか
のあたりを真剣な顔でじっと見つめながら、なにかをしているようだった。
ユウキのお尻の中で、先生の指はいったいなにをしているんだろう。
あたしは見えないユウキの体の中を覗いてみるような気持ちで、ユウキの股間のあたりを見つめた。
窮屈な姿勢にされて、おなかのほうへ押し付けられたおちんちんは、さらに小さく、体の中へ埋まって
しまったかのように見えた。
「はい。いいよ」
先生はそう言って、ゆっくりと指を引き抜くと、濡れたテイッシュで指を拭いてから、再びぬるぬるした
ゼリーみたいなものを手に塗った。
「体位変えて」
「下向き、ですか?」
「そう。四つんばいにさせて、少し両足、開かせて」
先生と看護師さんは短いやりとりをする。看護師さんが両足を長いすの上に下ろして、ユウキの両脇を
つかんで言った。
「うつぶせになってくれる?」
あたしはあわてて押さえていたユウキの両手を離した。
ユウキは体の位置をクルッと変えながら、看護師さんのほうへ首を曲げて泣きそうな声で言った。
「まだ終わらないのぉ?」
「ごめんね。もう一回だけ。これでおしまいだから」
看護師さんはそう言うと、うつぶせになったユウキの腰のあたりをもって、高く持ち上げた。ユウキは両肘と
両膝を長いすにつけて、四つんばいの格好にさせられる。お尻が看護師さくの顔の前へ突き出され、
見ているほうが恥ずかしくなるような格好だった。
あたしは跨いでいた長いすからゆっくりと降りた。顔をあげたユウキと目が合う。
お願い。見ないで
ユウキの目はそう言っているように見えた。
なんか急にかわいそうになった。
あたしは壁の側へ降り立ち、ユウキたちのいるほうへ背を向けた。
ごめんね。もう一回だけ。これで最後だからね。
そう言う先生の声が聞こえた。
診察が終わって、服を着たユウキは再び先生の前の丸い椅子へ座らされた。
「ちょっと発育が遅いけれど、とくに異常はないですよ。睾丸もちゃんと降りているし、尿道の亀裂も
ないし」
先生はユウキとママとそれからあたしの顔までみながらゆっくりとかんで含めるように言った。
ああ、よかった。
本気でそう思った。
「お父様は何ておっしゃってましたか?」
「それがその・・・単身赴任でずっと海外へ」
ママは最後までユウキの母親を演じつづけた。
「そうですか。最近は雑誌とかテレビとか、ネットとか、いろいろな情報がありますから、必要
以上に心配されるお母さんが増えているんですよ」
先生はそういいながら、大きなパソコンの画面を操作する。いつの間に撮影したのか、ユウキの
おちんちんのアップの写真が画面いっぱいに映し出された。
「うわっ」
ユウキはそう言って、ちらっとあたしのほうを見た。あたしはどんな顔していいかわからなくて、
ただ微笑みを浮かべていた。いやらしい顔に見えなければいいな、と思った。
「男の子のおちんちんはずっと皮が剥けたままでないといけないと勘違いしているお母さんが
多いのですが、こんなふうに皮を被ったままでいいんです。少し剥いてみたら、ユウキくんの
おちんちんはちゃんと皮が剥けるみたいなので、お風呂でよく洗って清潔にさえしていれば
大丈夫。二次性徴が始まれば、ちやんと大きくなると思うし・・・・」
先生はしばらくパソコンの画面の写真を見ながら考えた後、こう付け加えた。
「もし、このまま大きくならなくても、とっても素敵なおちんちんだとわたしは思うよ」
あたしも、そのとおりだと思った。
「でも、よかったね、なんともなくて」
病院の売店で買った紙パックのジュースを飲みながら、あたしとユウキはママがお会計をして
戻ってくるのを待っていた。
「女の子に言われたくない」
ユウキはずっとふくれた顔をしている。
「安心して。さっき見たことは、誰にも言わないから」
あたしはニヤニヤしながらそう言った。
「笑うなよ」
ユウキは真っ赤な顔をして口を尖らせる。
「笑ってないよ」
「女のくせに、人の裸みて。エロぃやつ」
「しょうがないじゃん。お姉ちゃんと間違えられて、診察室の中へ通されちゃったんだから」
「だから、最初からついて来なけりゃいいのに」
「だってさ・・・・」
ジュースを飲むたびに、ユウキの喉のあたりがピクピクと動く。
すごくきれいな首だなって思った。
「ちょっと、心配だったから」
あたしはそういいながら飲み終わった紙パックをぎゅっと握り締めた。
少し残っていたオレンジジュースがあたしの手の甲を濡らす。
さわやかな柑橘のにおいがした。
「ひどいめにあったねぇ」
プールの着替えを終えて、中学生のお姉さんたちと別れた後、わたしとユウキくんは近くの
公園で、二人並んでブランコに揺られていた。
「よく言うよ。誰のせいなんだよぉ」
ユウキくんはそう言いながらも、かすかに微笑んで立ち上がった。
きぃー こぉー きぃーっ
規則正しいブランコの音。
爽やかな夏の風に、横顔が揺れた。
半ズボンをはいて、立ちこぎをする男の子の姿って、どうしてこんなにエロいんだろう。
「しょうがないじゃん。途中で変な中学生に絡まれちゃったんだから。あんなふうになるなんて
わたしも思わなかったもんね。でもさ、おかげて大勢の女の子にかわいいおちんちんみられ
ちゃってよかったね」
わたしは砂の地面に足をつけ、ブランコを止めた。
ユウキくんの小さなお尻がせわしなく近づいては離れていく。
「どんな気分だった?」
「知るか、そんなの」
「ほんとは嬉しいくせに。二回もいっちゃってさ」
「ばか、こんなところで大声で言うなよ」
ユウキくんは両足を地面につけてあわててブランコを止めた。砂埃がパアッと舞い上がる。
キョロキョロと周りを見て真っ赤な顔をするユウキくんは、裸にされているときよりもずっと
恥ずかしそうに見えた。
「シャワー室でお姉さんたちにおちんちん洗ってもらってる姿、塾のみんなに見せてあげたかった
なぁ」
「だから、大声だすなって・・・」
あわてているユウキくんを見ると、ますますいじめてみたくなる。
わたしは体をユウキくんの方に向けて、ブランコにまたがった。ユウキくんは少しドキッとした顔
でわたしの下半身に目を落とした。
「ユウキくんってさぁ、いつからこんなことしてるの?」
「いつからって、そんなこと聞かれても・・・・」
「きっかけ、とかあるんでしょ?」
「それはそうだけど・・・」
「もう。あたまいいくせに、こういうことになるダメだナァ。順番に聞くから、ちゃんと答えてね。まず・・」
そういいながら、わたしは空を見上げた。爽やかな夏の青い空が広がっている。
「まずね、初めて女の子におちんちん、見られちゃったときのこと、教えてもらおうかな。じゃぶ池で
あんなことしてたんだから、その前にも女の子に見られちゃったことあるんでしょ?」
しばらく小さな口をキュッと閉じたあと、ユウキくんはこっくりとうなずいた。
「ふーん。そんなことがあったんだ」
わたしはニヤニヤしながら、うつむいたユウキくんの顔を下からすくい上げるように見上げた。
ユウキくんは顔をあげて、わたしから目を反らした。
一年前の夏休み、隣の家に住む同じクラスの女の子の家にお世話になり、その子の目の前で診察
されたときの出来事を、ユウキくんはそれから、何度も何度もつっかえながら、真っ赤な顔をして
話してくれた。
一種のハプニングなんだけど、十分刺激的なできごとだ。
「で、それから人に見られるのが快感になっちゃったわけ?」
「そういうわけでもないんだけど・・・」
「もう、はっきりしないなぁ。じゃあ、次の質問、じゃぶ池であんなことするようになったのはいつから?」
「・・・・今年の夏」
「そうするとこの一年の間に、ユウキくんは変態くんになっちゃったわけね」
ユウキくんは少しふくれた顔をしてわたしのことをにらんだ。
わたしはペロッと舌を出して笑ってみせる。
「もう一つ、質問いい?」
「もうヤダ」
「あと、一個だけお願い」
「やだってば」
「ちゃんと解明しておかないと、ユウキくん、もっとすごい変態くんになっちゃうかもよ。それでもいいの?」
ほんの一瞬、ずっと前に公園で出会った大人の姿がわたしの頭の中をよぎった。
ズボンを膝まで下ろして、上を向いた大きくて黒いおちんちんをわたしに見せつけながら、ニヤニヤと
笑っていた姿。あのときの恐怖が背中のほうからジワジワと蘇る。
たぶん、ユウキくんもわたしと同じなんだと思う。
きっと、何かを取り戻すために、何かに追われるように、こんなことをしちゃうんだ。
「そんなこと・・・・」
そういいながらも、ユウキくんは少し不安そうに見えた。
「もう一つだけ。わたし、ユウキくんが初めて射精したときのこと聞きたいんだ」
「初めて?」
「そう。もしかして、さっきプールでしたのが生まれて初めてだった?」
ユウキくんは視線を足元に落としながら、静かに首を横に振った。
「初めて出ちゃったのは、いつ?」
「それは・・・・」
ずいぶん間があった。初めてオナニーしたのはいつか、なんて質問、わたしだって、
答えられないだろうな、とちょっぴり思う。
「去年だよ」
「やっぱ、5年生のとき?」
「うん」
「かわいい体しているわりには、早熟だねぇ」
「ほっとけ」
そういいながらも、ユウキくんは恥ずかしそうに笑った。
なんかふっきれた感じがした。
もしかしたら、誰かに聞いて欲しかったのかもしれないね。
「詳しく話してくれるかな?」
ユウキくんは返事をしないまま、体をわたしのほうへ向けて、わたしと同じよう
にブランコにまたがった。
大きく開かれた半ズボンの股間に自然と目がいってしまう。その中で眠っている
小さなおちんちんの姿をわたしは頭の中に思い描いていた。
「ねえ、初めて出ちゃったときのこと、話してよ」
わたしはブランコの端をしっかりとつかんでいるユウキくんの両手を見ながらそう言った。
「去年の夏のことなんだ」
ユウキくんはぽつりとそう言って、また黙り込んだ。
強烈な夏の日差しが、砂の上にわたしたちの影をくっきりと浮かび上がらせている。
スーツと一すじの汗が小さなユウキくんの頬を伝った。
「去年の夏ってさ、その隣の女の子の家にお世話になっていたときの話?」
わたしがそう尋ねると、ユウキくんはチラッとわたしの顔を見て、こっくりとうなずいた。
「もしかしてさ、さっきの更衣室のお姉さんたちみたいなこと、されちゃったの?」
そう続けたわたしに、ユウキくんは自分の乗っていたブランコを勢いよくぶつけた。
ガチャガチャと騒々しい鎖の音がして、跨いでいたブランコが揺れる。
「わ、わわっ」
わざとよろけたふりをしたわたしの手を、さっとユウキくんがつかんだ。
夏の太陽のように暑く、少し湿った手だった。
「わっ、触っちゃった」
ユウキくんはそう言うと、半ズボンに自分の手をこすりつけた。
日に焼けた太腿と股の線に沿って走っている半ズボンの皺がわたしの目に映る。
「あたし、知ってるよ」
そのとき、女の子の声がした。
ユウキくんと二人して横を向くと、わたしと同じくらいの年齢の少し短めの髪をした女の子が
ブランコの黄色い柵に座っている。男の子のように短い半ズボンをはいて、素足にひっかけた
ビーチサンダルをぶらぶらさせていた。
「わっ、なんでおまえがこんなとこ、いるんだよぉ」
ユウキくんは本当にブランコから転げ落ちそうになって驚いた。
その格好がおかしくて、わたしはその女の子と顔を見合わせて笑った。ブランコに跨ったまま、向かい合って話をしている二人は、とても親しそうに見えた。
まるであの夏の、あたしとユウキみたい。
ちょっと、嫉妬したあたしは、よせばいいのにブランコへ駆け寄って、黄色い柵に腰掛けた。
その女の子は、突然現れたあたしに驚いていたみたいだったけど、もっと驚いていたのは
ユウキのほうだった。座っていたブランコから転げ落ちそうになった姿を見て、あたしは
その女の子と顔を見合わせて笑った。
「ごめん、ちょっと急用」
そう言ってキリコと別れたあたしはそっと二人の後をつけてきた。
なんだろう、あの二人。
それにどうしてユウキは女子更衣室なんかにいたんだろう。
それをどうしても突き止めたかった。
すっ裸のまま手を引かれて、大勢の女の子がキャーキャー言っているシャワー室に連れて
行かれたユウキは、そこでお姉さんたちに体を洗われていた。
「ほーら、きれいきれいにしないと」
二人のお姉さんはそういいながら、素手でユウキの体を撫で回し、小さなおちんちんを
おもちゃのように手のひらでぷるんぷるんとはじいていた。
まるであの夏のようだね。
あたしは心の中でユウキに呼びかけた。
二人の中学生の姿があたしの二人のお姉ちゃんと重なって見えたからだ。「うそーっ、ユウキ、そんなことされちゃったの?」
病院でのできごとを報告したら、カンナ姉ちゃんもシズカ姉ちゃんもケラケラと笑いころげた。
「見たかったなー。で、ユウキのおちんちん、どんなだった?」
「かわいかったよ。こんな感じかな」
あたしは自分の親指の先っぽをつまんでみせた。
「ユウキがまだちっちゃくて、あんたとよく遊んでいたころは、何回か見たことあったけどね。
公園のトイレに連れて行って、おしっこさせたりもしたんだよ」
シズカ姉ちゃんが少し得意げにそう言った。
「あたしもうっすらと覚えているかも」
「なーんだ、ずいぶん生意気そうになったなぁって思ってたのに、下半身はあのときのまんまなのか」
二人のお姉ちゃんは顔を見合わせて笑った。
「あたしも見たいな」
「あたしも」
「お風呂はいっているところ、のぞいちゃおうか」
「眠っている間に、裸にしちゃったりして」
ユウキにはとても見せられない光景だけど、まあ、女の姉妹なんて、そんなもんだ。
それから二日ほどたったある日、5人で夕食を食べていたら、ママが今週末に、旅行に行こう、と言い出した。
「は?旅行?」
「そう。ユウキのお母さん、来週退院できそうなんだって。ユウキがこのうちに泊まるのも今週いっぱいで終わり
だし、この夏はどこにもいけなかったから、最後に一泊くらい、どこかいかない?」
「ユウキと一緒に旅行か」
二人のお姉ちゃんは顔を見合わせた。
「でも、泊まるとき部屋どうするの?ユウキだけ別の部屋?」
「まさか。それじゃあかわいそうでしょ。一緒でいいんじゃない?」
「やだぁ、男と一緒に寝るの?」
そういいながらも、カンナ姉ちゃんはどこか嬉しそうだ。
「男って言っても、まだ小学生だし、ずっと小さいころから知ってるんだから、いいよねー」
ママはユウキのほうを見てそう言った。ユウキは困った顔をして、あたしたちを見回した後、ぷいっと下を向いた。
お姉ちゃんたちもあたしも、家族で旅行っていう年齢でもなかったけど、ユウキと一緒なら悪くないかも、と思った。
週末になって、あたしたちが泊まったのは箱根のホテルだった。それもたった一泊。
なんでよー、と抗議したら、いまごろ宿がとれるのはここくらいしかなかったんだよ、と
ママに言われた。
そのかわりに、わりと豪華なホテルで、すべてお部屋に露天風呂がついていて、
中央に大きな噴水のある広い屋外プールと小さな室内プールがあった。
箱根の観光地なんてそれほど興味のないあたしたちは、二つのプールに何度も
入って泳いでばかりいた。
プールではユウキと何度か競争したけれど、あたしはもちろん、カンナ姉ちゃんも一度も
勝てなかった。
「なーんだ、おまえ、おっせえなぁ」
ユウキはそう言いながら、ずっとご機嫌だった。
久しぶりにユウキらしい姿をみたような気がした。
プールから上がるときに、キュッと引き締まった小さな胸から、ぽたぽたとしずくが流れ
落ちるところや、ときどき下がりかけた海パンを引っ張りあげているところなんかを目撃
しながら、あたしはちょっぴり、どきどきした。
いままでは水着姿の男の子をみたって、なんとも思わなかったのに。
なぜだろう。あの水着のなかに、病院でみたかわいいおちんちんがしまわれているのかと
思ったら、胸がキュンとした。
「せっかくだから、お部屋についている露天風呂、入ってみたら」
部屋で夕食をとったあと、突然言い出したのはママだった。
「そういえば、温泉に来たのに、あたしたち、全然、お風呂入ってなかった」
「あんたたち、ずっとプールだったからね。わたしはもう三回も入っちゃった。すっごく気持ち
よかったよ」
「でもさ、部屋の露天風呂って、夏の間は9時までなんだって」
どこで知ったのか、カンナ姉ちゃんがそう言った。
「うそぉ、あと30分しかないよ」
「みんなで順番に入ってたら間に合わないね」
「じゃあ、一緒に入るか」
「そうしよう」
一番先に立ち上がったシズカ姉ちゃんが、そう言ってユウキの手をつかんだ。
きょとんとした顔で見上げたユウキに向かって、シズカ姉ちゃんが楽しそうに言った。
「ユウキも一緒に入ろうよ」
「いいよ、おれ」
ユウキはいつもの冗談だと思ったらしく、笑いながら言った。
「せっかく来たんだから、入ろう。もう時間ないし」
いつもと違って、シズカ姉ちゃんは本気のようだ。
「いいってば」
「なに恥ずかしがってんの」
「そんなんじゃないけど・・・」
強引なシズカ姉ちゃんの様子に、すこし戸惑いながら返事をするユウキの頬は、見る間に
赤くなっていった。
「あたしたちなら、全然、オッケーよ。ねー」
シズカ姉ちゃんがあたしたちを見下ろしてそう言った。
「うん。全然平気。赤ちゃんのころからユウキのこと知ってるしさ、弟みたいなもんだよね」
カンナ姉ちゃんの声を聞きながら、あたしだけは少し戸惑っていた。
お姉ちゃんたちはヘイキなんだろうか。
正直言って、あたしは同級生の男の子に裸を見られるのは抵抗があった。
病院でユウキが裸にされて診察されるところは、ばーっちり見てたくせにね。
「どうする?」
あたしはユウキと顔を見合わせた。ユウキの耳たぶはポトッと落っこちてしまいそうなほど
真っ赤に染まっていた。
「それじゃあさ、みんな水着着て入ろう。それならいいでしょ?」
あたしがそう提案して、四人で水着を着て入ることにした。
ガラス戸を開けて、バルコニーに出ると、竹の木で囲われたなかに、家のお風呂の三倍くらい
の広さのヒノキ造りの浴槽があって、その傍らに小さなムシロに囲われた脱衣場所があった。
二人のお姉ちゃんが、まだ濡れたままの水着をもってきて、その脱衣場所で着替えはじめる
と、ユウキはくるりと反対方向を向き、あわてて走っていった。
「ユウキ、なに逃げてんの?」
シズカ姉ちゃんはからかいながら、ユウキの背中に向かってそう言った。
「きもちいいよー。ユウキ、早くおいでぇー」
着替え終わって湯船につかりながら、シズカ姉ちゃんは何度も催促をする。
しばらくして、トイレで水着に着替えてきたユウキがしぶしぶ入ってきた。
「もぉ、早くしないと9時になっちゃうよ」
カンナ姉ちゃんはそういいながら、ユウキの手を引いた。ユウキの体がぐいっとあたしたちのほうへ
引き寄せられ、湯につかったばかりでまだ温まりきっていない太腿があたしの腕に触れた。
四人入ると、さすがに狭い。
ユウキはあたしとカンナ姉ちゃんの間に挟まれる格好になり、シズカ姉ちゃんと向かい合った。
「ね、きもちいいでしょ?」
シズカ姉ちゃんは足を伸ばして、ユウキのお腹のあたりにピタッとつける。ユウキがあわてて
両足をつかんで、腰の横へと動かした。
「引き締まってるね、ユウキのお腹。すごい固いよ」
シズカ姉ちゃんはそう言って、もう一度、両足をユウキのお腹へあてた。
「やめろって」
ユウキは再び両足首を持って、腰の脇へと動かす。
「引っ越してきたばかりのころのユウキって、めちゃくちゃかわいかったよねー」
「よくシズカ姉ちゃんに泣かされてたね」
「かわいいからしかたないのよ。かまいたくなっちゃうというか、いじめたくなっちゃうというか」
シズカ姉ちゃんはもう一度、ユウキのお腹に両足を乗せた。
「それが、こんなに男の子っぽくなるとはねぇ」
なぜかはわからないけど、ユウキは今度はお姉ちゃんの足をどかさずに、お腹に触れさせたまま
ちらちらと下を見た。湯の中でユウキの黄色い海パンがゆらゆらと揺れて見える。きれいな形の
シズカお姉ちゃんの足の親指がユウキのくぼんだおへそを探し当て、そこから中へもぐりこもうと
しているのをあたしは見た。まるでユウキの体内へと侵入しようとする美しいさかなのようだった。
「ねえ、ユウキ、このまえ病院に行ってきたんだって?」
ユウキの体にピタッと寄り添いながら、カンナ姉ちゃんが尋ねた。
「えっ?」
ユウキは一瞬、びっくりした顔をして、それからあたしのほうをにらんだ。
「しゃべったな」
「姉妹はしかたないでしょ?一緒に暮らしてるんだから」
あたしは訳のわからないいいわけをする。
「どこを診てもらったのかな?」
そう言うカンナ姉ちゃんに覗き込まれて、ユウキは真っ赤な顔をして下を向いた。
ユウキのお腹には、まだシズカ姉ちゃんの足が押し当てられたままだ。シズカ姉ちゃんはユウキ
の表情を注意深く観察しながら、おへそのくぼみに突っ込んだ足の親指で、やさしく撫でるように
その中をかき回している。
「恥ずかしいところ、診てもらったんでしょう。女の先生や看護婦さんたちにすっぽんぽんにされ
ちゃったんだって?」
「うるさいなー。ほっとけよ」
ユウキはちらちらとあたしのことを見ながら、口の中でつぶやくようにそう言った。
「ほっとけないよー。心配だもん」
「そうそう。ユウキのおちんちん、ちゃんと大人になれなかったら、責任感じちゃうし」
「なにそれ?なんの責任よ」
お姉ちゃんたちが勝手に盛り上がっていると、ユウキはお腹に押し当てられたシズカ姉ちゃんの
足を両手でどかせると、勢いよく立ち上がった。
あたしの目の前に現れた黄色い水着から、湯気がぱあっと立ち上り、よく日に焼けたユウキの
太腿を湯が流れ落ちていく。
「こらっ、まだ出ちゃダメ」
カンナ姉ちゃんがユウキの水着を引っ張った。スルッとトランクスがずり下がり、おちんちんの付け
根が見えた。
「わあっ、やめろよ」
ユウキがあわてて水着をはきなおす。カンナ姉ちゃんがその腕を引っ張ると、ユウキは倒れこむよう
にカンナ姉ちゃんの膝の上に座った。
「わあ、かわいい。ユウキ、赤ちゃんみたい」
カンナ姉ちゃんの膝を跨いで座った格好になったユウキを、シズカ姉ちゃんがそう言ってからかった。
ユウキは脱げかけた水着に手をあてたまま、あわてて立ち上がろうとする。シズカ姉ちゃんがぐいっ
と近づいて、その両足をつかんでひっぱった。
「うわあっ」
ユウキはカンナ姉ちゃんの胸に背中を押し当てるように倒れこむ。シズカ姉ちゃんは宙に浮いたユウキの
両足を大きく開かせ、自分の両脇に挟んだ。
「なんだよ。なにすんだよ」
ユウキの声が怒気が含まれる。あたしはお姉ちゃんたちの行動にちょっとびっくりして、ただ事態を見守る
しかなかった。
「お医者さんよりも、シズカ姉ちゃんのほうが経験豊富かもしれないから、ちゃんと診てもらいな」
カンナ姉ちゃんはそういいながら、膝の上のユウキの海パンをつかんでスルッと脱がせた。そこだけは
くっきりと日焼けしそこなった白いお尻が半分だけチラッと見えた。
「やっ、やめろぉ」
あわててお尻をしまおうとして、ユウキが海パンの後ろのほうをつかむと、今度はシズカ姉ちゃんが
前の方をつかんだ。
「こらあ、おとなしくしろー」
カンナ姉ちゃんがユウキの両手をつかんでバンザイをさせながら、両方の足を伸ばした。
お姉ちゃんの両足の上に、寝るような格好で乗せられたユウキの体が、半分水面から出た。
「ユウキのおちんちん、みーちゃおうっと」
歌うように言いながら、シズカ姉ちゃんは両脇に挟んだユウキの両足を放しながら、黄色い海パンを引き剥
がすように、脱がせていく。
「うわあっ、だめぇ。やめろぉ」
ユウキの声が溢れる湯の音にかき消される。
激しくわきあがった湯気を、あたしは両手で払った。その向こうに、ユウキから奪い取った黄色い海パンを
持って立っているシズカ姉ちゃんの姿があった。
「はなせよぉ。」
ユウキがカンナ姉ちゃんのお腹の上でもがいた。
両手はカンナ姉ちゃんがつかまれているから、足をバタバタさせるんだけど、
そうすると小さなおちんちんがピヨコンピョコンとゆれるのが、ちらちらと見えちゃった。
「わっ、みえたぁ」
ユウキの海パンを浴槽の外へ放り投げたシズカ姉ちゃんは、湯の中でしゃがんで
ユウキの下半身へ顔を近づける。
「わっわっ、見るなぁ」
暴れていたユウキは急におとなしくなると、両足をきゅっと縮めて股間を隠した。
「恥ずかしがるなぁ。男の子だろぉ」
「病院で女医さんと看護婦のお姉さんにじっくり見てもらったんでしょ。いまさら
恥ずかしがらないの」
二人のお姉ちゃんが口々にそういうと、ユウキの顔はまっかっかになって、何も
言い返せなくなった。
「さあ、ユウキくんのかわいいおちんちん見ちゃうぞぉ」
シズカ姉ちゃんがユウキの両足をつかむ。カンナ姉ちゃんは握り締めていたユウキ
の両手を自分のわきの下に挟むと、空いた両手でユウキのわき腹を押さえた。
「やめろぉ、やめろよぉぉ、やめてぇぇぇ」
いつもぶきらぼうなユウキが最後は半べその声をあげた。
なんだかちょとかわいそう。
そう思いながらも、あたしはユウキの両足が大きく開かされていくのを、目を
まんまるくしてじっと見つめていた。やがて開ききったユウキの太ももの間に小さなおちんちんが現れた。
病院で見たときと同じで、そこだけ白く日に焼けていない。私の親指くらいのかわいらしい
おちんちんと子猫のあそこみたいな小さなたまたまが、ユウキの腰の動きにあわせて
ぴょんぴょこんと揺れていた。
「どれどれ」
覗き込んだ二人のお姉ちゃんは、しばらくじーっとその部分を見つめた後、顔を上げて
ニヤニヤと微笑みながら顔を見合わせた。
「うそぉ。ちっちぁ」
「かわいすぎでしょ」
「幼稚園児のころとあんまし変わってない」
「まだまだここは赤ちゃんだね」
二人はそんなことを言い合ったあと、ユウキの顔を覗き込んだ。
ユウキの顔はさっきよりももーっとまっかっかになってて、首とか胸とか
小さなおへそのくぽみまでがピンク色に染まっている。
くちびるをキュッとかんで、目にうっすらと涙まで浮かべたユウキは、
恥ずかしすぎて、どんな顔をしていいかわからないといった様子で、
覗き込んだ二人の視線から逃れるようにプイと顔を背け、目を閉じた。
でも、カンナ姉ちゃんはそんなユウキのリンゴのように赤い頬を両手で
はさむと無理やり正面を向かせた。
「ねえ、ユウキくーん。かわいいおちんちんですねー」
「赤ちゃんみたいなおちんちん、見られて恥ずかしいねー」
ねえ、あんたもこっちきなよ。
シズカ姉ちゃんに手招きされて、あたしはユウキのお腹のあたりへ近寄った。
カンナ姉ちゃんのお腹の上に乗せられたユウキの体は全身が湯から出ている。
病院ではたしか靴下とかをはいていたけれど、今は何一つ身に着けていない
完全なすっぱだかだ。その姿を見たら、胸がどきどきしてとまらなくなった。
「こんなにかわいいと、ちょっといたずらしたくなるよね」
シズカ姉ちゃんは、あたしの顔を見ていたずらっ子のように微笑むと、涼しい
風に吹かれて小さなクルミのようになったユウキのたまたまへと手を伸ばした。
「こんなかわいい赤ちゃんおちんちんでも、ちゃんと勃つのかな。実験してみよう」
次の瞬間、白くてやわらかそうなシズカ姉ちゃんの手がユウキのおちんちんをたまたまごと
包み込んでいた。
「ひっ」
驚いたユウキの息をのむ声が聞こえた。
人工の川と、川の水源となっている小さな滝からできている。
普段は、滝の部分だけに水が流れていて川から先は干上がっているけれど、
真夏の季節になると滝と川の境目の仕切りが取り外されて、川と池に
水が張られる。
川も池もわたしの膝下くらいの浅い水位で、強い塩素のにおいがする清潔な
水だから、この季節になると小さい子たちが大勢、水遊びにやってくる。
その光景を見るために、わたしは遠回りして、このじゃぶじゃぶ池を通って
帰るのだった。
水遊びといっても、プールではないから、きちんとした更衣室などはない。
池の周りにはたくさんのベンチがあって、水遊びをする子供たちはそこで
着替えている。幼児が多いので、みんな素っ裸になって着替えるし、
そもそも水着なんて着ないで、裸で遊んでいる子も多い。
とくに男の子は平気な顔して裸で走り回っている。
それが、わたしが見たかった光景だ。
ある夏の日、いつものようにじゃぶじゃぶ池のそばを通り、わたしはベンチに
腰掛けたり、足だけを人工の川につけて涼んでみたりしながら、裸で
遊んでいる男の子たちをちらちらと眺めていた。
その日に限らず、いつも遊んでいる子の大半は幼児だ。
幼児の裸はとってもかわいいし、ちょこんとついているおちんちんも、
頬ずりしたくなるほどかわいらしいけれど、やっぱりちょっと幼すぎる。
小学校の低学年くらいの子が半ズボンを濡らせて遊んでいると、ちょっぴり
胸がわくわくして、早く着替えないかなー、と目で追っていたりする。
運よく着替えているところが見れて、幼児のよりは少し成長したおちんちん
が見れたりすると、その日は夜までずっとその興奮を引きずっている。
3年生くらいになると、さすがに素っ裸で遊ぶことはまずなく、着替えるときも
わざわざ木陰のほうへ行ったり、人のいるほうに背中を向けるので、チラッとでも
かわいいお尻が見えれば運のいいほうだ。高学年の子はどんな濡れていても
トイレで着替えたり、完全にタオルを巻いて着替えたりする。じっと見ていると
不審そうな顔をされたりもする。
でもその日、わたしは、隅のほうのベンチでこっちを向いて着替えようとしている
男の子を見た。
背格好は3年生くらいに見えたけど、水の中で上手にボールを蹴っている様子から、
もしかしたらもう少し年上かもしれないと思って、30分くらいの間、ずっとその子を目で追っていた。
そうしたら、しばらく一人で遊んだ後、水から上がって、あたりをキョロキョロと見回したかと思ったら、
恥ずかしそうな様子で、こっちを向いたまま着替えようとするので、目が釘付けになった。
かわいい顔をしていて、少し長めの髪。
え、うそ。そのまま、着替えちゃうの?
水につけた自分の足元を見つめるふりをしながら、わたしはちらちらとその子のほうを見た。
男の子は、真っ赤な顔をして、とても恥ずかしそうで、キョロキョロと周りばかりを見ている。
でもその子は、上半身裸のまま、タオルなんか巻かないで、びしょ濡れになった半ズボンに
手をかけ、すばやくスボンを下ろした。
あ、あ、あ
思わず声がでそうになった。
男の子は脱いだスボンを足首から抜き去ると、素っ裸のままで少しだけ両脚を開き、おちんちんを
突き出すように前に出した。
先端まで皮で覆われた小さな子供のおちんちんがピョコンと現れて、それからゆっくりと大きくなっていく。
まるでそこだけが別の生き物のように。
わたしは息が止まるほどびっくりしてその様子を見つめていた。
男の子のおちんちんはむくっむくっと大きくなってゆき、やがて
わたしの中指くらいになって、真上を向いて立ち上がった。
男の子の顔がますます赤くなってゆき、やがて恥ずかしさに耐えられなくなった
かのように屈むと、着替えの半ズボンをあわててはいた。
どうしてあんなことするんだろう?
どきどきしながらわたしがそう思っている間に、男の子はまだ赤い顔を
してキョロキョロしながら、荷物を持って走り去っていった。
前に一度、薄暗くなった夏の夕方に公園を歩いていたら、知らないおじさんが
あんなふうに上を向いたおちんちんを出して、木の影からいきなり飛び出
してきたことがあった。びっくりしてわたしは半分泣きながら、走ってにげてきた
ものだった。
男の子の行動はあのおじさんにちょっと似てるなと思った。おじさんのように
ニヤニヤ笑っていたわけではなく、むしろものすごく恥ずかしそうな顔をして
いたけれど、たしかにあの男の子は、同じことをしようとしていたように
見えた。
でも、どう見たって小学生だ。
小学生があんなことしたがるものなんだろうか。
わたしは興奮して、なかなかその場を離れられなかった。
男の子のビクビクと震えているおちんちんが目に焼きついていた。
それからわたしは、再びその男の子に会いたくて、部活も休んで一日のうちに何度も
じゃぶじゃぶ池のそばを通ってみた。そして三日後、ついにあの男の子を見つけた。
その子は今度はちゃんとした水着を着て、一人で滝に打たれて遊んでいた。
よく見ると決して太ってはいないけれど、日焼けした肩や胸のあたりにはしっかりと
筋肉がついていて、おなかのあたりの腹筋も引き締まって見えた。
上半身に比べると、太腿のあたりはもっと太くて、足を動かすたびにたくましい筋肉が
動く様子がわかる。
少し猫のような感じのするぱっちりした目と上向きの小さな鼻と、薄くて子供っぽい
小さな唇と、それから深く窪んだおへその穴と全体に低く見える背は幼く見えて、
スポーツが得意そうな体格とは不釣合いに思えた。
男の子はしばらく水の中で遊んだ後、この前と同じように池の隅のほうへ歩いていき
木の陰に隠れるようにしてタオルで体を拭いた。それからそのタオルをぽんと下へ
投げ捨てて、青いトランクス型の水着に手をかけて一気に下へさげた。
かわいいおちんちんがペロッと現れた。
この前とは違って本格的に水の中で遊んでいたせいか、おちんちんはキュッと縮まっ
てとても小さく見える。よくここで遊んでいる小さな小さな子供たちのようだった。
男の子は再びタオルを拾うと、おちんちんをつかむようにゆっくりと拭いていった。
それからタオルを捨てて、手を後ろにすると、このまえと同じようにゆっくりと両脚を
開いた。「休め」の姿勢だ。
でもそのあと、男の子は両脚をジリジリと次第に大きく開いてゆき、股間をグイッと
前に突き出した。すると、木の陰から差し込む夏の強い日の光がまともに当たり、
小さなおちんちんが輝くように白く見えた。
男の子はしばらくは下を向いて自分のおちんちんを眺めた後、顔をあげた。
この前と同じようにまっかっかな顔でとても恥ずかしそうに見えた。
おちんちんがビクッビクッと震えながら、ゆっくりと立ち上がっていく。男の子はもう
一度、下を向いて大きくなったおちんちんを撫でるように触ると、はじかれたように
あわててパンツをはいた。真っ白なただのブリーフがとても子供っぽく見えた。
男の子はそれから急いで半ズボンをはき、Tシャツを着ると、脱いだ水着なんかを
デイパックの中に押し込んで、逃げるように歩いていく。わたしはあわてて立ち上がり
男の子の後を追った。
男の子は、じゃぶじゃぶ池から一番近い公園の出入り口まで小走りにやってくると
置いてあったマウンテンバイクにまたがった。
「待って」
わたしが声をかけると、男の子ばビクッと体を震わせて、とても驚いたように顔を
あげる。乗りかかった自転車が傾いて、バランスを崩した男の子が自転車ごと
大きな音を立てて倒れた。夏の日差しに焼かれた土ぼこりがぱあっと舞い上がった。
「いてぇ」
男の子は小さな声をあげた。声変わりはしていないけど、ちょっと男の子っぽい声だ。
「だいじょうぶ?」
わたしは倒れた男の子の自転車を起こしながら、ちらちらとその子を見た。土を払い
ながら立ち上がると、わたしの肩くらいの背だった。
「急に声かけるから・・・・」
男の子はぶっきらぼうにそう言うと、怪訝そうな顔をしてわたしのことを見た。
「なんか用?」
「あのさぁ」
わたしはどきどきして、少し顔を熱くしたながら目を落とした。男の子の半ズボンの股間
に目がとまった。あの中のかわいいおちんちん、わたしは二回も見ちゃったんだな、と
思ったら、ますます顔が熱くなった。
「さっき、じゃぶじゃぶ池で遊んでたでしょ?」
「え?」
男の子は驚いたように目を大きく開けた。
「わたし、みちゃった」
男の子はクルッと向きを変えると、あわてて自転車に飛び乗った。わたしは自転車の後輪
を手でつかみながら、その上に書いてある名前をとっさに読み取った。
「待って。タカマツユウキくん」
男の子の足がピタッと止まった「ユウキくんって言うんだ」
わたしは手を離して、ユウキくんの側へ近づいた。
「城郷東小でしょう?」
書かれていた住所からそう言ってみた。
わたしの顔をにらみつけていたユウキくんの眉毛
がピクッと動いた。図星のようだ。
「わたしは城郷小学校だけど、塾の友達に東小の子も大勢いるんだ。ユウキくんのこと知ってる
子もいるよね、きっと」
「だから、なんだよ・・・」
ユウキくんは少し震える声でそう言った。
動揺を隠しきれていない様子だ。
「さっき、見たことバラしちゃおっかな」
「さ、さっき見たことって?」
「じゃぶ池で、裸になってたでしょ?」
「あれは・・・・ただ着替えてただけじゃんか」
「ほんとかなぁ。わざわざ裸になって、こんなふうにしてなかったっけ?」
わたしは両脚を開いてほんの少しだけ股間を突き出す真似をしてみせる。
ユウキくんのかわいい顔がサーッと赤く染まった。
「あれって、わざと見せてるでしょ?」
「ち、ちがうよ」
「そういうのってさ、犯罪だよね」
「ちがうってば」
「ぜーんぶ、言いふらしちゃおうっと」
「やめろぉ」
ユウキくんは最後に力なくもう一度、言った。
「それだけはやめてくれよ。お願いだから」
「じゃあ、さっきしていたこと、全部認める?」
ユウキくんは真っ赤な顔をしてうなずいた。
「ユウキくんって、東小学校の何年生?」
「六年」
「うそぉ。わたしと同じだ。それにしてはかわいいね。背、低いし」
「言うなよー。気にしてんだから」
「でもさ、どうして裸見られるの好きなの?」
「そ、それは・・・」
ユウキくんは真っ赤な顔のまま下を向いた。小さくやわらかそうな耳たぶがリンゴのように
赤く染まっている。
「それってさ、変態くんだよね」
「・・・・・・・」
「そんなに見られたいのならば」
わたしはユウキくんのあごに手をあてて上を向かせた。わたしと目があわせられないユウキ
くんはプイと横を向いた。
「わたしが手伝ってあげよっか」
「えっ」
驚いたユウキくんがわたしの顔を見つめる。
「そのかわり、ぜーんぶわたしの言うとおりにしてね。逆らったら、どうなるかわかるよねー」
「えっ、ここで?」
ユウキくんは落ち着きなくキョロキョロと周りを見回した。
「だいじょうぶ。だれもこないって」
「そうかなぁ」
公園の反対側、いつもわたしが通う道の途中にユウキを連れてきていた。
小高い丘の上に小さな休憩所があって、そこから園内が見渡せる。
下校途中に道を反れて、この丘の上から公園を見るのがわたしは好き
だった。
「ほら、はやくしないとだれか来ちゃうよ」
「わ、わかったよ」
ユウキくんはわたしに背を向けて休憩所の横の林のほうへ行った。
「だめだよ、そんなとこじゃ」
「だ、だって・・・・」
「こっち来て」
わたしはユウキくんを林から連れ出して、休憩所の奥の隅の柱の前に立たせた。
「ここでやって」
「ここ?」
顔をあげたユウキくん、ちょっとペットみたいでかわいい。
「わかったよ」
ユウキくんは下を向いて、半ズボンのチャックを下ろし始めた。
とりあえず、わたしの前で、たちしょんして見せてよ。
わたしはユウキくんにそうお願いした。
男の子なら、そんなこと全然平気だと思っていた。
ましてユウキくんは、人に裸を見られるの好きみたいだから。
でも、わたしの予想とは違って、ユウキくんはものすごく恥ずかしがって、
半ズボンのチャックは下ろしたものの、なかなかその先に進めない。
そうなるとかえっていじめたくなっちゃうというものだ
「できないの?」
ユウキくんは真っ赤になって下を向いたままだ。
「じゃあ、わたしがおしっこさせてあげようか」
わたしはしゃがんでユウキくんの股間に手を伸ばした。
ユウキくんはそんなことは予想していなかったようで、ひどくあわてて
両手で股間を押さえた。
「や、やめろよ」
「じゃあ、はやくして。ほんとに人、来ちゃうよ」
「わ、わかったよ」
ユウキくんは押さえた両手を開いたチャックの中へ入れて、おちんちんを
ひっぱりだした。ポロンと音がするように勢いよく、小さなおちんちんが
こぼれ出てくる。
「かわいい」
わたしは思わずそう言った。ユウキくんが頬を赤く染めたままわたしをにらんだ。
「はい、チーって、やってごらん」
わたしがそう言うと、ユウキくんは下を向いた。すぐにつかんだおちんちんの先
から透明なおしっこが勢いよく飛び出した。
「わーすごい」
わたしはそういいながら、ユウキくんの両脇に手を入れた。
「どうせなら、こっちのほうが気持ちいいよ」
わたしはおしっこをしているユウキくんの体を持ち上げ、休憩所の一番前面の
展望台へ運んでいく。そこからは公園の中が一望にできた。
「わあ、やめろぉ」
ユウキくんがあばれると、おしっこも揺れながら地面へ落ちていく。
わたしは展望台の手すりにユウキくんの体を押し付けた。
手すりの間から、まだ止まらないおしっこが丘の下へと落ちていく。
「ここだと、みーんなに見られていいでしょ?」
わたしはユウキくんの耳の側でそう言った。
わあっ、と叫んでいるユウキくんには何も聞こえていないようだった。
大きな浮き輪の中から顔を出すユウキくんはとても小さく見えた。
「わあ、足、完全に浮いちゃうんだね」
わたしの胸とおへその真ん中あたりに浮いているユウキくんの
腰をつかんでわたしは言った。
へへっ、とユウキくんは少し恥ずかしそうに笑う。
二人で市民プールに来ていた。それほど広くはないけれど
ちゃんと流れるプールがあって、夏休みの子供たちでにぎわっている。
わたしは大人が乗っても平気なくらい大きい浮き輪にユウキくんを入れ、
その端につかまりながら、一緒に流されていた。
すでに三周ほどしていた。わたしはユウキくんの水着の腰をつかんだ
まま歩き出した。少し斜めに寝転んだような体勢のままユウキくん
は浮き輪につかまって流されていく。
「そろそろいいかな」
わたしはユウキくんの顔をのぞきこんだ。
「え?」
「水着なんて脱いじゃおうよ」
「うそぉ、ここで?」
ユウキくんは驚いた顔であたりを見回した。少し泳ぐとすぐに他の人に
触れるくらい大勢の子供たちが泳いでいる。
「大丈夫だって。浮き輪の下なんだから、誰も気づかないよ」
「ええっ、でも・・・」
ユウキくんは下を向いてためらっている。
「もう、男らしくないなぁ」
わたしはつかんだ水着を一気に引っ張った。スルッとあっけないほど
水色のトランクス型の水着が脱げて、ユウキくんの足首に絡まった。
「わっ、よせよぉ」
ユウキくんはあわてて手を伸ばしたけれど、浮き輪の上に出した手
では下まで届かない。両手をすぼめて浮き輪からくぐりでようと
したときには、わたしは足首から水着を抜き取っていた。
「もーらった」
わたしは奪い取った水着をつかんだまま、少し先を泳いだ。
「ま、待てよぉ」
焦ったようなユウキくんの声が聞こえた。
人の間を縫うようにして泳ぐと、後ろから浮き輪と一緒にユウキくんが
ゆっくりとついてくる。さすがに素っ裸で泳ぐことはできないらしく、
大きな浮き輪につかまって流れされるだけのようだ。
わたしは立ち止まり、やってきたユウキくんの浮き輪につかまった。
「やばいって。返してよ」
「大丈夫だって。だれも気づいてないよ」
「返せったらぁ」
ユウキくんは両手を伸ばしてわたしの手につかんでいる水着を奪い
返そうとした。わたしはユウキくんの手をスルリとかわして、両手を
水の中へ入れると、ユウキくんの股間へ手を伸ばした。
「ターッチ」
わたしはそう叫んだ。
小さな魚みたいなおちんちんが手に触れる。
男の子のおちんちん、はじめて触っちゃった。
「わっ」
ユウキくんが驚いた顔になった。
「無防備だねぇ」
わたしは片手の手のひらで包むようにおちんちんをつかみ、もう片方の
手でその下のたまの部分をつかんだ。
てっきり、二人のたまたまがぶら下がっているのかと思ったら、
木の実のように固くキュッとなっていて、たまがあるのかどうか
わからない。
「たまたま、ないよ」
わたしはユウキくんの顔の近くで問いかけた。
「さ、触んなよぉ」
ユウキくんは真っ赤な顔になって小さな声でそう言った。
「ねえ、たまたま、どこ行っちゃったの?」
ユウキくんは周りをキョロキョロと見ながら、落ち着かない。
「寒いところでは縮むんだよ」
「ふーん。そうなんだ。体の中へ入っちゃうの?」
ユウキくんは真っ赤な顔をしてうなずいた。わたしの手のひらの中で
かわいいお魚さんが少しずつ大きく固くなっていく。
「あれあれ、なんだかんだ言って、大きくなってきた」
「しーっ、黙って」
「おもしろーい。どんどん成長していく」
「言わないでよぉ。お願い」
恥ずかしそうな顔を見ながら、わたしはさらに続けていく。
「いま休憩になったらどうする?」
「え?」
「みんないっせいに、プールから出ないといけないねぇ」
ユウキくんはあわててドーナツ型の流れるプールの中央にある時計を見た。
市民プールは一時間に一度、全員がプールから出される休憩時間がある。
あと5分ほどで休憩の笛がなる時刻だった。「どうする?このまま出たらびんびんになったおちんちん、みーんなに見られちゃうよ」
「そんなぁ」
ユウキくんはあわてた様子でわたしの顔を見つめた。
「だって、見られるの好きなんでしょ?」
「いくらなんでも・・・・こんなに大勢いるしー」
「勇気ないなぁ。名前はユウキなのに。男の子でしょ?」
「そんなこと言われても・・・・」
「じゃあね、ユウキくーん」
わたしはユウキくんの耳に口を寄せた。
真剣な顔
濡れた髪
少しふっくらした頬を伝う水
同い年のはずなのに、妙にかわいい。
胸がキュンとなる。
「笛がなる前に、最後までいったら水着返してあげる」
「最後までって?」
「ユウキくん、もう大人の体になった?」
「え?」
「ここで射精してみよっか」
「ええっ?」
驚いたユウキくんがわたしの顔を見つめた。
幼い表情を見ていたら、この子、射精なんて意味知ってるのかな、と疑問に
思う。でもわたしだって、精通って習ったくらいから、同じ6年生の男の子なら
知ってるだろうと思う。
「知ってるかな。ぼくゥ」
わたしは手を伸ばしてユウキくんの濡れた頭をなでなでしてみる。
ユウキくんは頭を振って、それをいやがった。
「でも・・・どうやって・・・・」
知ってるのか知らないのか、わからないけど、ユウキくんは曖昧にそう言った。
「大丈夫だって。わたしがやってあげるから」
わたしはそう言って、手の中で大きくなりきった、とは言っても、手のひらに
すっぽりと包まれちゃうような、ユウキくんのおちんちんの先っぽを指で
もんでいった。
「わっ、わっ、わっ」
ユウキくんは恥ずかしそうに声をあげて、あわててキョロキョロと回りを見回した。
鬼ごっこをしていた中学生くらいの女の子たちがキャアキャア言いながら、
ユウキくんの浮き輪にぶつかって、また泳いでいった。
女の子たちの背中を見ながら、わたしは固くなったおちんちんの先っぽを包んでいる
皮を指先でつまみながらもんでいった。
ああは言ったものの、正直なところどうしたら射精するのかわからない。
「かわいいお子ちゃまのおちんちんだから、射精はまだムリかなぁ」
そんなことを言いながら、わたしもちょっと焦ってきた。休憩の時刻まであと3分ほど
だった。
どうしようかと考えて、わたしは一つ思いついた。
ユウキくんは人に見られると感じちゃうんだから、思い切って誰かに見てもらおう。
わたしはおちんちんを離して、ユウキくんの脇腹あたりを抱えた。
「わっ、なにすんだよぉ」
いきなり抱えられて少しバランスを崩しながら、ユウキくんがあわてた声をあげる。
わたしはそのまま片手でユウキくんの体から浮き輪を抜き取って下へ放り投げた。
すぐ前にわたしたちより少し年下くらいの小学生の女の子たちが三人、歩きながら
しゃべってみた。
「おーい」
わたしは女の子たちの背中に声をかけてみる。三人が振り返った。
「それぇ」
わたしはユウキくんの脇腹をつかんだまま、思い切り抱えあげた。
とっさのことに無防備に両脚を伸ばしたまま、水面からユウキくん
の下半身が女の子たちの目の前に現れた。
一瞬、三人はきょとんとした顔で目の前のおちんちんを見つめて、それから顔を
見合わせて笑いながらキャアと声をあげた。
「わっ、なにすんだよ」
あわてて両手で股間を隠したユウキくんを水の中へ戻す。女の子たちは笑いながら
ユウキくんの顔をちらちらと見たあと、泳いでいってしまった。
「おっきくなったおちんちん、ばっちし見られちゃったね」
わたしはユウキくんの耳のそばでそう言った。ユウキくんの耳たぶはさくらんぼのように
まっかっかで、うつむいて返事もできない。
わたしは再び浮き輪を拾ってユウキくんの体に被せると、水面に浮いた下半身に再び
手を伸ばした。大きくなったままのおちんちんはビクビクと震えているような気がした。
「さあ、興奮したかなぁ」
わたしは片手でユウキくんのおちんちんをつかみ、もう片方の手で小さなユウキくんの
裸のお尻を撫でた。
「わあっわあっ」
ユウキくんが何かを必死にこらえるように声をあげる。
ユウキくんのおちんちんの先っぽからぬるぬるしたようなものが出てきて、わたしの
指がスルッと皮の中へ滑り込んだ。
「あっ」
ユウキくんが真っ赤な顔をあげる。わたしの手の平に、もっとぬるぬるしたものが
触れた。
突然のことにびっくりして、わたしは水の中から自分の手を出して眺めてみた。
白くぬるぬるした不思議なものがわたしの手にまとわりついていた。
「絶対にヤバイって」
着替えの入ったバッグをつかんだまま、ユウキくんはまだ濡れている体からポタポタと
水滴を滴らせてそう言った。
「大丈夫だって。ユウキくん低学年に見えるから」
「それにしたって小学生なんだから、ヤバイいって」
「へいきへいき」
泳ぎ終わった後、男子更衣室から着替えを持ってきてもらって、一緒に女子更衣室で
着替えよう、と誘った。ユウキくん、喜ぶかと思ったら、かなりためらっていて、シャワーを
浴びて女子更衣室の前までついてきたものの、そこで立ち止まってしまった。
こういうときは男の子のほうが度胸がないものなんだなーと思う。
「いいからいいから」
わたしはバスタオルをユウキくんの肩にかけて、胸が隠れるように上半身を包み込んだ。
「ユウキくん、女の子みたいにかわいい顔してるから、こうすれば女の子に見えるかも」
「絶対、見えないって」
わたしはユウキくんの肩を無理やり押して女子更衣室へ連れ込んだ。
「わあっ、やめろって」
「ここまで着て抵抗するとかえって怪しまれるよ。お姉ちゃんについてきた弟のふりして、
堂々としてたほうがいいよ」
薄暗い更衣室の中は真ん中に太い通路があって、そこから細い通路が分かれている。
細い通路にはロッカーが並んでいて、小さな女の子なんかはそこで着替えている。
わたしはユウキくんの肩を抱きかかえるようにして、細い通路の一番奥へと連れて行った。
わたしたちと同じくらいの小学生や少し大きい中学生くらいの女の子たちが5、6人で
わいわい言いながら着替えていた。
女の子たちはだれもユウキくんを気にとめたりしていなかったけれど、ユウキくんは目の
やりばに困ったように下を向いたまま歩いていた。時折、顔をあげては、あわてて下を
向く様子がなんとも言えずかわいい。
「ここだったら平気でしょ」
通路の一番奥に連れて行って、空いているロッカーに荷物を入れた。
ユウキくんがそこで体を拭いている間に、わたしはちょっと待ってて、と言い残して、
カーテンのあるブースでさっと着替えた。洋服を着て戻ってくるわたしを見て、
ユウキくんは、自分だけ先に着替えるなんてずるいぞ、と口を尖らせた。
「エロぃ。わたしの着替えるとこ見たかったの?」
「そうじゃないけど・・・・」
ユウキくんはそう言って真っ赤な顔になった。
「おれもあっちで着替えちゃダメ?」
「あたりまえでしょ。ここで着替えるの」
「やっぱりぃ」
「わたしの影に隠れていれば、他の女の子からは見えないでしょ?さあ、さっさと脱いで」
わたしはそういいながら、ロッカーの中のユウキくんのバッグをつかんで、中を覗いた。
くしゃくしゃになった半ズボンとTシャツと、それに・・・・
あった。ネズミ色のブリーフ。
「こんなかわいいのはいてるんだ」
わたしはパンツをつかんで、ユウキくんの目の前に広げてみる。
「返せよぉ」
「まず、先にバスタオル渡して」
わたしはユウキくんの体を包んでいたバスタオルを剥ぎ取るようにつかんで、バッグの中へ
押し込んだ。
上半身裸のユウキくんの体が現れる。ユウキくんはあわてて胸のあたりに手をやって
隠すようにした。
「女の子みたい」
「だってさ・・・・」
恥ずかしさのせいか、興奮のせいか、首から胸のあたりが少し赤く染まってきて、
乳首が鮮やかなピンク色になっている。
「女の子よりきれいだね」
わたしは思わずそう言った。「さあ、さっさと水着も脱いで」
わたしは手を伸ばしてそう言った。
「先に脱ぐの?」
「もちろん、こういうところではだかんぼになるの好きなんでしょ?」
わたしがそう言うと、ユウキくんはさらに真っ赤な顔になって下を向いて、海パンの紐を
解いた。親指を中へ差し込んで、少しパンツを下げると、腰の骨と股の線のつけ根が
現れた。
「さっ、早く」
わたしがせかすと、ユウキくんは困ったように顔をあげた。
「ダメ。できない」
「どうして」
「いくらなんでも、まわり女の子ばっかじゃん」
「そう」
ユウキくんは脱ぎかけたパンツを再びはくと、人形のように固まったまま動かない。
「ところでユウキくん、ヤマシタメグミって子知ってる?」
「え?」
「わたしと同じ塾通ってる東小の子。知ってるでしょう?」
ユウキくんは曖昧にうなずいた。
「クサカケイコちゃんとか、オノナツミちゃんとか、みーんなユウキくんと同じクラスでしょ?」
「・・・・・・」
「ユウキくんと公園で知り合ったこと話しちゃった。ユウキくんガッコウじゃあ、人気者なん
だね。スポーツは何でも得意で、学級委員もやってて、今年の運動会は応援団長だって。
すごいよねぇ」
「・・・・・・」
「おまけに頭も良いんだってね。塾で一番、頭のいいヤマシタさんが、タカマツユウキくんは
塾いかなくてもこのあたりの私立ならどこだって受かるって、言ってたよ」
「もうやめてくれぇ」
「みんな、ユウキくんのこの姿知ったら、なんて言うかナァ」
「わかったよ」
ユウキくんは観念したように、再び海水パンツに親指を入れた。それからクルッとわたしに
背を向けて、急いでパンツを下ろすと足首からそれを抜き去った。
「ちゃんと、こっち向いてパンツ渡してよ」
そのしぐさが妙におかしくて、わたしは少し笑いながらそう言った。ユウキくんが股間を
押さえながら振り向いた。
「さっ、パンツ渡して」
わたしはひったくるように、ユウキくんの手から海水パンツを奪い取った。
両手で股間を押さえ、身をすくめて立っているユウキくんは、これからお仕置きをされる
小さな子供のように見えた。
「ちゃんと、両手をわきにつけて。気をつけしないと」
わたしがそう言うと、しぶしぶ両手を股間からどかせて、太腿の横にピタッとつける。
小さなおちんちんが完全にあらわになった。
わたしの体を隔てたすぐ後ろでは、女の子たちがキャアキャアいいながら、大声でおしゃべり
している。
わたしは奪い取った海水パンツとユウキくんのネズミ色のブリーフを両方ともバッグに入れる
と、もう片方の手でユウキくんの手をにぎった。
わたしはユウキくんの片手をつかんだまま歩き出した。
「ち、ちょっと」
ユウキくんが驚いて声をあげる。
わたしは思い切り息を吸って、大声を出した。
「しょうがないなぁ。パンツ、どこへ落として来たの?」
わたしの声にとなりの少女たちが振り返った。とっさに股間を隠すこともできず呆然と立っている
ユウキくんを見て、女の子たちは目を丸くさせ、それから顔を見合わせた。
わたしはゆっくりとユウキくんの手を引いて女の子たちの前を通り、太い通路へと出る。
後ろのほうでにぎやかな女の子たちの声がした。
「男の子だよ」
「どうしよう見ちゃった」
「あたしも。モロ見えた」
「ちっちゃくて。かわいい」
「なに?おちんちんがかわいいって?」
「やだぁ。エロぃ」
「違うってば、背がちっちゃくてかわいいって言ったのぉ」
太い通路に出ると、大勢の女の人や女の子たちが行き交っている。おさげをして浮き輪を抱いている
小さな女の子が、引きずられるように歩いていくユウキくんとぶつかりそうになって、目の前に突然
現れたおちんちんに驚いて立ち止まる。後ろから来た若いきれいなお母さんらしき人が、女の子の
落とした浮き輪を拾って顔をあげると、ユウキくんの裸を見て、あらぁ、と言って笑った。
「わ、わ、わ」
ユウキくんはすっかり動転して、そう言ったきり、言葉がでない。わたしはおかまいなしに、ユウキくんを
カーテンのついたブースへと引っ張っていった。
「このあたりに落としてきたんじゃないの」
そういいながら、わたしは裸のユウキくんを連れて歩き回る。着替え終わってカーテンを開けて出てきた
中学生くらいの女の子が、ユウキくんの背中にぶつかって、ユウキくんの体が傾いた。
とっさに手を離したら、ユウキくんはドシンと大きな音を立てて、濡れた床の上にしりもちをついた。
「ごめんね。大丈夫?」
突然、現れた裸の男の子にびっくりした顔をしながら、中学生くらいの女の子はユウキくんのそばに近寄って
しゃがんだ。両手を後ろについて、脚を広げたユウキくんのおちんちんが、女の子の目の前でピョコンピョコン
と小さく揺れている。
「この子、どうしたの?」
女の子はユウキくんの背中を抱き起こしながら、わたしの顔を仰ぎ見た。
「パンツ、どこかへ落としちゃったみたいで」
わたしはごまかすように微笑みながらうそをついた。
「ほんとかなぁ。女子更衣室を裸で歩き回るなんて、ほんとは女の子に見られたいんじゃないの?ぼくぅ」
女の子は笑いながらそう言った。
わたしも笑い返しながら、適当にごまかそうとした。
ユウキくんは体を起こすと、床の上にペタンと座ったまま、恥ずかしそうに両手で股間を隠した。
「小学生だよね。何年?」
女の子に問いかけられて、ユウキくんは困ったようにわたしの顔を見た。
「3年生、だったかな」
わたしは女の子から目をそらせながら返事をする。
「あなたお姉ちゃん?」
「え、ええ。まぁ」
「お姉ちゃんも小学生?」
「6年です」
「そう。二人してプール?」
女の子は怪訝そうな顔をしてわたしのことをじっと見る。少しあせったわたしの心臓がドキドキとなった。
「ミキィ、どうしたの?」
もう一つのブースのカーテンが空いて、別の女の子が出てきた。同じ中学生くらいで背が高く、
髪の長いきれいな女の子だ。
「この子とぶつかっちゃってさ」
ミキと呼ばれた女の子が立ち上がってそう言った。
「ふーん」
もう一人のほうの女の子は、入れ替わるようにしゃがんで、ミキさんのほうを見上げた。
「男の子?」
「そう。ちゃんとついてたよ」
「やだぁ。エッチぃ」
「パンツ失くしたってさ」
「ふーん」
「ほんとかねぇ」
「え、どういうこと?」
女の子は興味深そうにユウキくんの体を上から下までジロジロと見ている。
ユウキくんは股間を押さえてずっと下を向いたまま、顔をあげることも、立ち上がることもできない。
耳たぶが破裂しゃうんじゃないかと思うほど真っ赤に染まっていた。
「なんか、わざと裸になってたみたいよ」
「ふうーん。いけないんだ」
女の子はユウキくんの正面からわきの下に手を入れた。
「ほうら、立って」
女の子はそのままユウキくんを持ち上げる。細く華奢な体つきに見えたけど、案外、すごい力もちだ。
軽々と抱えあげられたユウキくんはそのまま女の子が今まで着替えていたカーテンの中へ連れて
いかれた。
「あんたも入りなよ」
ミキさんに背中を押されてわたしもカーテンの中へ押し込まれた。
狭い着替えブースの中は四人も入るとかなり窮屈だ。
「どれどれ」
わたしの腰より少し高いくらいのところが棚のようになっていて、
荷物なんかを載せられる。その部分に女の人は抱き上げた
ユウキくんを座らせた。
「レイナ、どうするの?」
ミキさんがその背中に声をかけた。
「ぼくぅ、ほんとに3年生かな?」
レイナさんと呼ばれたその女の人は、ちらっとわたしはミキさんの
ほうを振り返って微笑むと、腰を少し屈めて、真っ赤な顔をしている
ユウキくんの顔を覗き込んだ。
「あ、あのぉ・・・・」
ユウキくんはそう言ったきり、うつむいてしまった。
「本当にパンツ、なくしちゃったの?」
ミキさんはそう言って、わたしが持っていたユウキくんのバッグを
奪い取った。
「あっ、待って」
わたしが手を伸ばしたときにはもう遅い。ミキさんはバッグの中を
のぞいて、ネズミ色のバンツを引っ張り出した。
「もしかして、これ?」
「あっ、返して」
ユウキくんが手を伸ばしたが、ミキさんは頭の上にパンツを上げて
パンツを取られないようにする。レイナさんがユウキくんの肩を押さえ
つけた。
「どういうこと?」
レイナさんはユウキくんとわたしの顔を交互に見つめた。
「あ、なーんだ。そんなところにあったんだぁ」
わたしは白々しいお芝居をしてみせた。
「わーかわいいパンツ。中のぞいちゃおう」
ミキさんがユウキくんのパンツをのぞきこみながら言った。
「ゲッ、おしっこのシミついてるよ。けっこうバッチイかも」
「返せよぉ。返せぇ」
ユウキくんは真っ赤な顔をして再び片手を伸ばそうとする。
レイナさんはあきれたように笑うとユウキくんの肩を押さえて
いた手を移動させて、両手首をつかんだ。
「やっぱり、わざと裸になってたでしょ?いけない子だなぁ」
レイナさんはそう言うと、わたしの方を振り返った。
「お姉ちゃんも共犯だよ」
「ごめんなさい」
わたしは素直にあやまった。
「ほかの人には内緒にしておいてあげるから、そのかわり
お姉ちゃん、この子の足、押さえてて」
わたしはうなずくとレイナさんの前で出た。ひざまづいて、
目の前にあったユウキくんの膝小僧を両手でつかむと、レイナ
さんはわたしを見下ろしてニッコリと笑った。
「そんなに見せたいのなら、じっくりと見てあげるよ」
レイナさんはユウキくんの両手をゆっくりと持ち上げていく。
「やだっ、やだぁっ」
ユウキくんは首を横に振って、必死に抵抗する。
「おとなしくシロー」
ミキさんはつかんでいたパンツをわたしの足元の床に投げ捨てて、
ユウキくんの両脇をくすぐった。
「わあっ」
ユウキくんが軽く叫ぶととも、レイナさんの手でユウキくんの両手は
みごとにバンザイさせられていた。わたしのすぐ目の前の少し
開かれた両膝の間に小さなおちんちんが現れた。
「どれどれ」
ミキさんが横からのぞきこんだ。
「わっ、ちっちゃ」
振り返って見上げたミキさんにレイナさんが笑いかける。
「やっぱり三年生だったかな?」
「幼稚園児なみ?」
「さあ、比べたことないから」
そんな会話をしながら、レイナさんがバンザイさせたユウキくんの
両手を壁にグイッと押し付けると、ミキさんは下を向いたユウキ
くんのあごに手をあてて、無理やり上を向かせた。
「ねぇ、ぼくぅ、ほんとに何年生よ」
目の前で呼吸とともにゆっくりと上下しているユウキくんのおへその
周りが、少しずつピンク色に染まっていく。
「6年生」
答えられないユウキくんに代わって、わたしが答えた。
「6年生?あんたたち姉弟じゃないの?」
「友達だよ。わたしも同じ6年生」
二人は顔を見合わせて、ニヤニヤと笑った。
「この子、名前、なんていうの?」
「タカマツユウキくん」
「そう。ユウキくぅん、恥ずかしいね。同じ年の女の子にかわいいおちんちん見られ
ちゃって」
「でも、ほんとはそうされたいんだよね」
「わたしたちも、じーっくり観察させてもらうから」
両脚を思い切り開いて
レイナさんがわたしを見下ろしてそう言った。
わたしはユウキくんの膝をつかんだまま、ぐいっと大きく横に開かせた。
「さーわっちゃおう」
ミキさんは歌うようにそう言うと手を伸ばして、小さなユウキくんの
おちんちんの先っぽを指で突いた。
ミキさんが指先で突くと、ユウキくんのおちんちんはムクムクッと大きくなっていく。
「わっ、おっきくなった」
ミキさんはレイナさんと顔を見合わせて笑った。
「ちゃんと大きくなるんだ」
「エロぃなぁ」
ミキさんは皮に包まれたまま大きくなっていくおちんちんの先っぽを手のひらで
包むようにつかんで、モニモニと規則ただしくもみしだいていった。
すぐにユウキくんのおちんちんはピンと上を向いてミキさんが手を離すと、
びよーんと揺れる。
「ねぇ、この中、どうなってるか知ってる?」
ミキさんがおちんちんの先を親指と人差し指でつまみながら、わたしを見下ろして
尋ねた。
「さあ」
わたしは曖昧な笑顔を作って笑い返す。
「皮、剥いちゃおう」
ミキさんはそう言うと、先っぽの皮をぺろんと剥いた。中から透明なぬるぬるした
ものに包まれてピンク色のきれいな先端が現れた。
「きれい」
思わず声に出して言ってしまったわたしは、上の二人を見上げて笑った。
顔から火が出るほど恥ずかしかった。
「もうこんなにぬるぬるしてるの?エッチだなぁ、ユウキくんは」
ミキさんはそう言うと、おちんちんから手を離し、ユウキくんの両手を押さえている
レイナさんに何かを耳打ちした。
「やだぁ、もう」
レイナさんはそう言って両手を離すとミキさんとともに壁から三歩ほど後ろに下がった。
ようやく両手が自由になったユウキくんはあわてて勃起したままのおちんちんを
両手で隠した。
「あんたもこっち来な」
ミキさんはそう言ってわたしを手招きする。わたしもユウキくんの側から離れて
二人の横に並んだ。「ユウキくん、射精できるのかな?」
ミキさんが真っ赤な顔をして股間を隠しているユウキくんに尋ねた。
返事ができないユウキくんに代わって、わたしの方を見る二人に
わたしは軽くうなずいて見せた。
「じゃあ、最後までやってごらん。自分の手で」
「ええっ?」
ユウキくんは驚いて顔をあげる。ミキさんはレイナさんと顔を
見合わせて微笑んだ。
「見られるの好きなんでしょう?三人で見ててあげるから、自分
でやってごらん」
「こ、ここで?」
「そう。ここで」
ミキさんはそう言うと、後ろのカーテンをサーッと開けた。部屋の
明かりが薄暗かったブースの中に差し込んでくる。すぐ後ろで
話をする子供たちの声や行き交う人たちの話し声が聞こえた。
「うわっ、開けないで」
ユウキくんは棚の上に座ったまま、あわてて体を屈めた。
「大丈夫だよ。わたしたちがここに立ってるから、外からは見えない
ってば」
ミキさんは幼稚園の先生が園児たちに言い聞かせるように、
ゆっくりとそう言った。
「早くしないと、わたしたち、ユウキくんのパンツ持ったまま、ここから
走って逃げちゃうよ。一人でここに取り残されたら、どうする?」
レイナさんが体を屈めてユウキくんの顔をのぞきこみながら言った。
「そ、そんなぁ」
「じゃあ、わたしたちがいる間に、さっさと自分の手でしてごらん」
「ムリだよそんなの・・・」
「どうして?こんなエッチなおちんちんしてるんだから、自分の手で
したことあるんでしょう?」
「でも・・・、いくらなんでも人が見てる前じゃできないよ。カーテン
も開いてるし」
「そう。ならいいわ。ミキ、行こっか」
レイナさんは振り返ってブースを出て行こうとした。
「あっ、待って・・・」
ユウキさんがうろたえながら言った。
「どうする?」
ミキさんがユウキくんの耳元で尋ねた。
「わ、わかったよ」
ユウキくんが消えそうな声で答えた。
「よーし、いい子だ」
ミキさんはそう言ってユウキくんの頭を撫でた。
ユウキくんは下を向いたまま股間を押さえていた手をどかせて
右手でおちんちんをつかみ、チラッとわたしたちの方を見上げると
恥ずかしそうにまた下を向いた。
「さっ、早くしないと他の人に気付かれちゃうよ」
レイナさんが小声でそう言った。
しばらくそのままじっとしたユウキくんは、やがてゆっくりと右手を
動かせていく。ピンク色の先っぽがぬるぬると濡れたまま皮の
先っぽから出たり入ったりしながら、少しずつ赤みをましていく。
「わっ、わっ」
ユウキくんはわたしたちの後ろを人が通るたびに、あわてて
股間を隠して身を屈める。
「かわいいね。恥ずかしがってる」
レイナさんはそう言うと、サッとカーテンを開けたままのブースの
外に出て、顔だけを中へ入れた。ユウキくんの全身に外の光が
パアッと差し込んだ。
「わあっ、だめっ」
ユウキくんは棚から落ちそうになるほどあわてて身を縮めた。
「もーう、度胸ないな。ほんとに男の子なのかぁ」
ミキさんが笑いながらユウキくんの額を突いた。
「早くしないと、みーんな出て行っちゃうよ」
今度はミキさんまでブースの外へ体を半分だしながらそう言う。
「わあっ、待ってぇ」
「じゃあ、隠してないで、早く続きやりな」
「わ、わかったよぉ」
ユウキくんが再びおちんちんをしごき始める。先っぽは最初に
見たときのような淡い桃色ではなく、もっと赤みを増して
鮮やかなピンク色に変わっていた。ぬるぬるした液は
赤ちゃんのよだれのようにツーと、ユウキくんの手の甲を
滴り落ちていった。
引き締まったおなかが呼吸とともに激しく上下して、おへその
くぼみには水滴がたまり、雨上がりの小さな水たまりのように
見えた。無防備に開かれた両足の太腿の筋肉がときどき
思い出したようにキュッと引き締まる。
「いくときの顔、みせてね」
再び戻ってきたレイナさんとミキさんがユウキくんのあごに
手をあてて顔を上げさせる。おちんちんの先っぽに負けない
くらい頬を赤く染めたユウキくんは、二人と目をあわせる
ことができない。逃げるようにさまよった視線が呆然と見つめる
わたしの視線とぶつかった。
「わあっ」
そのとき、ユウキくんのおちんちんの先っぽから、泉の水が
噴出すように白いものがピュピュッと飛び出した。
「きゃぁ、でたぁ」
二人は顔を見合わせて笑った。
わたしは声も出せないで、ただ突っ立ったまま口を開けて
その光景を眺めていた。
生まれてはじめて目の前でみた、男の子の射精の瞬間だった。
「ねえ、みてみて」
まだ濡れている水着の肩を突いて、キリコが言った。
「なに?」
振り向いて、目を丸くさせたキリコの指差す先を見る。
「男の子だよ」
着替えをするブースのカーテンがあけられて、そこから中学生くらいの女の子が二人と
男の子が一人、その後からもう一人、あたしたちと同じくらいの年の女の子が一人
どたどたっと出てきた。
「うそぉ、何で裸なの」
キリコは甲高い声をあげて笑った。
男の子は素っ裸で中学生の女の子に両手を引かれて、シャワーのあるところへと
連れて行かれるところだった。
恥ずかしそうに真っ赤な顔をして、隠すこともできない小さなおちんちんがピョコンピョコン
と揺れる。
「なんでなんで。わっ、どうしよう。ばっちしみちゃった」
一人で盛り上がっているキリコの声を遠くで聞きながら、あたしは呆然と突っ立って
その光景を見ていた。
あいかわらず、小さくて、かわいいおちんちん
凛々しさとかわいさの入り混じった顔
年齢よりも幼いからだつき
間違いなく、ユウキだと思った。
去年の秋、マンションを買って引っ越すまで、あたしはユウキの隣の部屋に住んでいた。
同じ社宅で、あたしが小学2年生のときにユウキが引っ越してきてから、3年ちょっとの間
登校班で一緒に学校に通った。
学年もクラスまでずっと一緒だった。
ユウキは、運動神経が抜群で、頭もよく、かわいい顔しているので、クラスの女の子たち
にはわりと人気があったけど、あたしたちは男の子と女の子ということもあって特に
親しくはなかった。
でも、ちょうど一年前の夏休み、忘れられない思い出がある。
その夏、ユウキはあたしの家で夏休みを過ごした。
ユウキのママが病気でちょうど夏休みの間、二週間ほど入院することになった。あたしの
ママはユウキのママととても仲がよくて、自分が入院している間、ユウキを預かっていてく
れないかと頼まれたらしい。
あたしの住んでいた社宅は半分くらいはパパが海外に単身赴任をしていて、あたしの家
もユウキの家もパパがいなかった。一人っ子のユウキは塾やサッカーの練習があって
田舎のおばあちゃん家に行くわけにも行かず、二週間の間、あたしの家に転がり込んで
きたわけだ。
「どうも、よろしくお願いします」
簡単な荷物だけ持ってやってきたユウキがペコリと頭を下げて、少し恥ずかしそうに笑った
のを昨日のことのように思い出す。
あたしんちはあたしと二つ上のカンナ姉ちゃんと五つ上のシズカ姉ちゃんの三人姉妹。
パパはずっと単身赴任していたから、女だけの家に突然、やってきた男の子にみんな
興味津々だった。
ユウキがトイレに入るとみんな聞き耳立てちゃったりして、男の子って、あんなふうに
音たてておしっこするんだー、って、お姉ちゃんたちと顔を見合わせて笑った。
いくら男の子でも、まわりが女ばかりだと気になるらしい。
ユウキは着替えるときなんかも誰もいない部屋にこもって着替えたり、隣の自分の家に戻って
着替えてきたりしていた。
パンツ姿ですら、あたしたちの前で決して見せようとしない。
そうなるとかえって見たくなるというもので、ユウキがお風呂に入っているときには
用もないのにわざと脱衣室へ入ってみたりして。
シズカ姉ちゃんなんか、「ユウキ、一緒にお風呂に入ろうか」なんてからかってた。
いいよ、と言いながら真っ赤な顔して恥ずかしそうに首を横に振るユウキがかわいくて、
お姉ちゃんは、毎日のようにそう言ってからかっていた。
ママはもっと大胆で、ユウキがお風呂に入っているときなんか、堂々と覗きこんで
「湯加減はどう?」
なんて言っていた。
「わ、わ、だいじょうぶ」
と、ユウキがあわてて言う声がお風呂の中に響いていたっけ。
そんなある日のこと、友達と遊んで家に帰ったら、ちょうどママとユウキが出かけるところだった。
「お出かけ?」
あたしが尋ねると、ママは、うん、ちょっとお医者さん、と答えた。
「ユウキ、具合悪いの?」
あたしはママとユウキの顔を見比べながら問いかけた。
「ううん。具合が悪いわけじゃないけど・・・」
ユウキは下を向いて、いいにくそうにポツリと言った。
「それがね・・・」
「わっ、だめぇ」
ママが言おうとしたら、ユウキがあわててさえぎった。
「ユウキのママに頼まれたんだけど・・・・・」
「わっ、わっ、やめて。言わないで」
「別に恥ずかしがることないじゃない。男の子なんだからヘイキヘイキ」
なんで男の子だから平気なのかは知らないけど、ママは真っ赤な顔をしてあわてるユウキくんの
口をふさいで話し始めた。
「泌尿器科っていうところへ連れて行くのよ」
「ヒニョウキ?」
「ユウキのママがずいぶん前に予約しておいたんだけど、急に入院しちゃったから、代わりに連れて
行ってほしいって」
「ユウキ、なんの病気なの?」
「病気じゃないんだけど・・・・」
わあ、やめて、言わないで。
ユウキが耳たぶをリンゴのように赤く染めてまたそう言った。
「おちんちんが小さいから、一度、見てもらうんだって」
ママはあわてるユウキを押さえながら、そっけなくそう言った。「そうだ、あんたも一緒に来る?」
ママは思いついたようにそう言った。とくに
「泌尿器科って、行ったことないから、なんか行きづらいのよね。それに用件が用件だし」
そういいながらもママはどこか楽しそうだ。
「わかった、あたしも一緒にいく」
こういうときだけは、あうんの呼吸だ。
あたしはすぐに提案に乗った。
「だめだよぉ。いやだって」
案の定、ユウキはちらちらとあたしの方を見ながら、いやがった。
「大丈夫よ。この子が診察するわけじゃないんだから」
ママはそう言ってユウキの背中を押した。
「ほら、うちもそうだけど、ユウキのところもパパいないでしょ?女だけだと、よくわかんないんだよねー」
車を運転しながらママが言った。
「なにが?」
「男の子のことがさ。特に体のことになると、全然わからなくて」
「あのさぁ」
あたしはぷいと横を向いて、外を見ているユウキを見ながら言った。
「ユウキって、おちんちん小さいの?」
運転しているママがプッと噴出した。
「黙ってろよー」
ユウキは真っ赤な顔をして、あたしの頭を殴るふりをした。
「さあ、あたしも見たことないからねー」
ママは笑いながらそう答える。
「おちんちん、小さいのって、ヤバいわけ?」
「あんまり小さいと病気なんじゃないの?ホルモンの異常とかさ。それに先っぽの皮が剥けないと
あとで困るらしいから」
「あっ、知ってる。ホーケイって言うんでしょ」
あたしが大声で言ったら、ママはまた吹き出した。
「そんなこと、女の子が大きな声で言うんじゃないの」
やがてたどり着いたのは、このあたりでも一番大きな病院で、入口のホールは、
大きなターミナルの駅のように大勢の人でごった返していた。
わたしたちは総合受付というのを済ませてから、デパートのような長いエスカレータ
を上り、三階の泌尿器科受付というところへやってきた。
診察室が三つあって、廊下には長いイスがところどころ置いてある。
そのうえに座って待っているのは、みんなおじいちゃんかせいぜいあたしのパパ
くらいの年齢の男の人ばかりだ。
フロアのその一角には、女の人も子供も誰もいなくて、あたしたちはひそひそと
小さな声で話をしながら、居心地の悪い思いして順番を待っていた。
三十分ほど待たされて順番がやってきた。三人そろって診察室の入口に行く。
あたしだけは外へ出ていようかと思ったのに、入口の若い看護婦さんが、
どうぞ、お姉ちゃんも入っていいよ。と言ったので、中へ滑り込んだ。
ユウキはちらっと振り返り、とてもいやそうな顔をしたけれど、もうそのときには
ママに背中を押されて丸い椅子の上に座らせれていた。
「こんにちは」
白衣を着たお医者さんはなんと女の先生だった。しかもママよりもずっと若い。
本当にこの人、医者なんだろうか、とあたしもちょっとびっくりした。
目をパチパチさせて驚いているユウキに向かって、女の先生はニッコリと微笑んだ。
「ごめんね。いつもの担当の先生が急患で、また、わたしが代わりに診察しているの
。女の先生じゃいやだよね。でも、心配しないで。これでもちゃんとしたプロだから。
それに男の子なんだから、ちょっとくらい恥ずかしくても平気だよね」
きびきびした言い方で先生はそう言った。
先生もママとおんなじことをいう。
どうして男の子だから平気なんだろう。
でも、医者にそういわれて、いやですともいえないよね。
ユウキはケナゲにもこっくりとうなずいた。緊張して、頬が赤くなり、半ズボンの先の
足が小刻みに揺れていた。女の先生は、まずユウキの顔に手をあてて、首のあたりを指で何度も撫で、
それから目を開かせて、中をのぞきこんだ。
その後、下を向いてカルテみたいなものに何かを書いてから、聴診器を
耳にかけた。
「上に着ているもの、全部、脱いでくれる?」
ユウキは黙ってうなずくと着ていた黄色のTシャツをスルッと脱いだ。
看護師さんがスッと寄ってきて、ユウキの手からくしゃくしゃに丸められた
Tシャツを受け取り、床に置いてあったかごの中へ入れる。
女の先生はとても真剣な顔をしてユウキの裸の胸に聴診器をあてた。
まだ少し子供っぽくやわらかそうなところが残っているユウキのおなかが、
呼吸とともに大きく出たり引っ込んだりする。
ユウキがちらっと顔を横に向けてあたしとママを見る。少し不安そうな顔
がとても幼く見えた。
「はい。いいです。ズボン脱いで、パンツ一枚になってみようか」
先生が聴診器を外しながらそう言った。ユウキはうなずいて立ち上がった
ものの、ちらちらとあたしの方を見てばかりいる。
「どうしたの?」
先生が少し怪訝そうな顔をして尋ねた。
「あのー」
「なに?」
「あ、いえ。いいです」
ユウキはどもりながらそう言うと、下を向いて半ズボンを脱いだ。
耳たぶを真っ赤にさせて脱いだ半ズボンを看護師さんに手渡す。
とうとうユウキは英語の柄が書いてあるベージュ色のブリーフ一枚
の姿になった。
「身長と体重、計って」
先生は看護師さんとユウキの両方に向かってそう言った。
「さあ、こっちへ」
看護師さんのやわらかそうな手がユウキの裸の背中を軽く押した。
おなかは子供っぽいのに、背中のほうか肩から下の骨が、がっちりしていて、
ちょっと男っぽい。
思わず見とれちゃった自分は恥ずかしくて、あたしは一人で赤くなった。
ユウキは、まず銭湯にあるような古い大きな体重計に乗って、その後は学校
でよくやる身長を測る装置に乗った。
「両手を脇につけて、あごを引いて」
看護師さんに言われてユウキは両手をピタッと腿のあたりにつける。
ユウキのパンツ一枚姿、あたしはママと並んで正面からじろじろとながめた。
両手を脇につけたせいで、ユウキのおへそが目の前にあらわになった。
そこが体の中へと続く入口みたいに深く小さな穴がぽっかりと空いている。
思わず指を突っ込んでみたいなるようなくぼみだ。
ベージュのブリーフはユウキの体にはわずかに小さいみたいで、おちんちんの形が
ほんの少しだけわかるように見えた。
それが大きいのか小さいのかは、あたしにはわからなかったけど。
看護師さんが読み上げたユウキの体重も身長もあたしよりもだいぶ小さかった。。
そのことを恥ずかしがるように、ユウキは下を向いて、手で何度も頭をかいた。
「じゃあ、そこの長いすに寝てみようか」
先生は短くそう言った。
でも、さっきまでのきっぱりした言い方とは少し違っていた。
子供たちをお昼寝に誘う、保育園の保母さんみたいな話しかただった。「問診標は拝見しましたが、どのようなことをご心配なさっていますか?」
先生は立っているママを見上げて、そう尋ねた。
「それがそのう・・・・」
ママは言いにくそうにそう言ったきり、次の言葉が出てこない。
「おちんちんがとっても小さいんです。このままで本当に大丈夫かなって、
心配で」
あたしは言いにくそうなママに代わって大声でそう言った。
先生と看護師さんがクスクスと笑った。
長いすに横たわったユウキが真っ赤な顔をして、首を起こした。
「ごめんなさい。そうじゃないの」
先生はユウキのほうを向いて、あわててまじめな顔をした。
「ごめんごめん。ユウキくんのことを笑ったんじゃないのよ。お姉ちゃんが
あんまりしっかりしていたから。」
体を起こしかけたユウキは、再び先生の手で押し戻されて、長いすに横たわった。
耳たぶもほっぺも、首のあたりまで、もうまっかっかだ。
「ちょっと、おなかさわらせてね」
先生はユウキのおなかを両手で触り、何度か強く押した。みぞおちのあたりに置かれたその手は
だんだんと下へ下がってゆき、とうとうパンツのところまでやってきた。
「ちょっとごめんね」
先生はユウキのパンツをズリッと少しだけ下に下げる。おちんちんの根元が現れて、股の線が
半分見えた。
「なんともなさそうだけど・・・」
先生はそういいながら、おちんちんの根元のあたりを何度も強く押した。
ユウキはこれから解剖される小動物のような目で先生の手をじっと見つめていた。
「おちんちん、みせてもらうね」
先生はユウキのパンツをつかみ、ゆっくりと膝の下までおろしていった。
ユウキのおちんちん、見えちゃう。
そう思った瞬間、わっ、と短い言葉とともに、ユウキの両手が股間を隠した。
「恥ずかしがらないの。見せてくれないと、診察できないでしょ?」
先生は少しだけ微笑みながらそう言った。
「だ、だって・・・」
ユウキは先生に訴えかけるように、ちらちらとあたしとママの方を見た。
「まだ小学生なんだから、お母さんとお姉ちゃんに見られても恥ずかしくないでしょ?」
「違うんだ。そうじゃないんだ・・・・」
「すぐに終わるからね」
先生はそう言って、ユウキの両手をつかんで両脇へと持っていく。
先生の肩越しに、ユウキの小さな手が持ち上げられていく場面が、スローモーションのように
ゆっくりと動いて見える。
あたし、とうとうみちゃった。
長いすに横たわったまま、中途半端にひらかれたユウキの両脚の間に、小さなおちんちん
がついているのを。
白く小さく不思議な形をした、ユウキの一番恥ずかしいその部分は、自分の手がちょっと触れた
瞬間に小さく揺れた。
プルプルッ、って。皿の上に落としたばかりの、プリンのような揺れ方だった。
「わっ、だめっ」
先生がおちんちんを見ようとしたとたん、ユウキは再び股間を手で隠した。
「おちんちん見てもらいに来たんでしょ?もういまさら恥ずかしがらないの」
先生は少し強い言い方でそういった。
「だ、だってさぁ・・・」
ユウキは何度もあたしのほうを見ながら真っ赤な顔で言った。
先生は再びユウキの手首をつかんで持ち上げる。でもすぐにユウキの手は股間に戻ってしまった。
「もう。困ったな。すぐに終わりますから、お母さん、押さえててください」
先生は助けを求めるように、振り返ってママのほうを見上げた。
「あ、あ、はいっ」
ママはそういいながらもオロオロして体が動かない。
「あたし、やる」
あたしはそう言って、長いすをぐるっと先生と反対のほうへ回ると、ユウキの胸のあたりにしゃがんだ。
「わっ、わっ、なんでおまえが来るんだよぉ」
うろたえたユウキが手の力をぬいた瞬間に、先生は再びユウキの手首をつかんで持ち上げると、
あたしに手渡した。
「もう、ちゃんと先生の言うこと聞かないとダメじゃない」
あたしはユウキの顔を見下ろしてそう言うと、ユウキの手首をぎゅっとつかんで、バンザイをさせるように
あたまのほうへと持っていく。
「うわあっ、やめろぉ」
ユウキはそう言って体を起こしかけた。でも、その前に先生の手がスーッと伸びて、人差し指と親指で
ユウキのおちんちんをつまんだ。
「わっ、わっ」
その瞬間、ユウキはそう言ったまま、急に抵抗するのをやめて、起こしかけたからだを元に戻した。
あたしの目の前で、先生の手につかまれているユウキのおちんちんは、太さも長さも先生の親指と
同じくらいで、お弁当に入れる小さなソーセージのような形をしていた。ただ、先っぽは皮にくるまれて
いてあさがおをつぼみのようになっている。
「ちょっと小さめだけど・・・・」
先生はそういいながら、おちんちんの皮を軽く引っ張った。先っぽからピンク色の中身がぴょこっと
顔を出す。
わあ、おちんちんの中って、あんなふうになってるんだ。
あたしの目は吸い込まれるようにその部分をじっと見つめていた。
「痛い?」
先生はユウキの顔を確認するように見ながら、慎重におちんちんの皮をむいていく。
「わっ、イタッ」
小さな体がピクッと動いて、ユウキが顔をしかめた。
「ごめんごめん。もうやめておこうね」
先生はやさしくそう言うと、キュッと小さく縮まったたまたまの入ってるほうへと
手を伸ばした。
「ごめんね。すぐ終わるから」
先生はそう言って、手のひらで包むようにたまたまをにぎった。
「ずいぶん縮んじゃってるね。緊張してるのかな。」
先生はそういいながら手のひらで温めるように、ユウキのたまたまを揉み解していく。
ユウキはどんな顔をしたらいいかわからないといった表情で先生の顔から目を反らし、
天井や部屋のあちこちを落ちつきなくちらちらと見ていた。
「5年生にしては、睾丸も少し未発達かな。」
先生の手はたまたまを一つずつつかんで、その大きさや形を調べているようだった。
「はい。ありがとう」
しばらくたまたまを調べていた先生はそう言ってニッコリと微笑むと、看護師さんが持ってきた
洗面器で手を洗った。
「ちょっとびっくりするかもしれないけど、次で最後だからね」
先生はそう言って、看護師さんに目配せをする。看護師さんがほんの一瞬、ニヤッと笑った。
なんとも説明できない不思議な笑顔だった。
「ええっ、まだ終わりじゃないの?」
ユウキはぽつりとそう言った。
どこか小さな男の子がお母さんに甘えるときのような声のようだった。
「前立腺、触診してみるから」
先生がそう言うと、看護師さんがスッとユウキの足のほうへやってきて、白い靴下を
履いたままのユウキの両足首をつかんだ。
「ちょっと、ごめんね」
看護師さんはユウキの顔をのぞきこんでそう言うと、つかんだ足首をゆっくりと持ち上げ
ていく。
「わ、わ、なにするの?」
ユウキが驚いて体を起こそうとする。あたしもびっくりしてユウキの両手を押さえつけていた
力が抜けていたから、上半身が半分起き上がった。先生がユウキの胸を押し戻しながら
やさしく言った。
「ちょっと、びっくりするかもしれないけど、すぐ終わるからね。」
あたしは再び、ユウキの両手をバンザイさせて押さえつける。看護師さんは赤ちゃんの
おむつを取り替えるときのように、高く持ち上げたユウキの両足を頭のほうへ曲げさせた。
ユウキのピンク色のお尻の穴が天井のほうを向いてあらわになる。きれいなピンク色の
お尻の穴は、ヒクヒクとそこだけが別の生き物のように動いていた。
人のお尻の穴なんて初めて見た。
赤ちゃんのお尻だって、こんなふうになったところは、見たことなかった。
「うわあっ、やだあっ」
ユウキは女の子のように高い声をあげた。かわいいけど、ちょっとなさけない声だ。
「ごめんね。すぐ終わるから」
先生は何度も同じことを言いながら、ピニールの手袋を両手にはめて、ユウキのお尻を
覗き込む。そのまま何かぬるぬるした透明のゼリーみたいのを両手に塗りたくってから、
左手をお尻の下にあてがい、右手の中指を伸ばした。
ゼンリツセンってなに?
いったい、なにするんだろう?
どきどきしながら見ていると、先生は伸ばした右手の中指をユウキのお尻の穴へあてが
った。
「や、やめてっ」
ユウキは真っ赤な顔をしてそう言うと、チラッとあたしの方を見た。
もう胸からおなかのあたりまでがピンク色に染まっていた。
「ちょっと、がまんしてね」
その言葉とともに、先生の右手の中指は、飲み込まれるようにユウキのお尻の穴に入っていった。
ユウキは目を大きく開いて、びっくりして声もでない様子だった。
あたしもおんなじだ。
人の指がお尻の穴の中へ入っちゃうなんて、想像したこともなかった。
「あ、あ、あ」
声もでないユウキに代わって、あたしの口から言葉にならない声が漏れる。
中指が根元までユウキのお尻の穴へ入ってしまうと、先生はユウキのピンク色に染まったおなか
のあたりを真剣な顔でじっと見つめながら、なにかをしているようだった。
ユウキのお尻の中で、先生の指はいったいなにをしているんだろう。
あたしは見えないユウキの体の中を覗いてみるような気持ちで、ユウキの股間のあたりを見つめた。
窮屈な姿勢にされて、おなかのほうへ押し付けられたおちんちんは、さらに小さく、体の中へ埋まって
しまったかのように見えた。
「はい。いいよ」
先生はそう言って、ゆっくりと指を引き抜くと、濡れたテイッシュで指を拭いてから、再びぬるぬるした
ゼリーみたいなものを手に塗った。
「体位変えて」
「下向き、ですか?」
「そう。四つんばいにさせて、少し両足、開かせて」
先生と看護師さんは短いやりとりをする。看護師さんが両足を長いすの上に下ろして、ユウキの両脇を
つかんで言った。
「うつぶせになってくれる?」
あたしはあわてて押さえていたユウキの両手を離した。
ユウキは体の位置をクルッと変えながら、看護師さんのほうへ首を曲げて泣きそうな声で言った。
「まだ終わらないのぉ?」
「ごめんね。もう一回だけ。これでおしまいだから」
看護師さんはそう言うと、うつぶせになったユウキの腰のあたりをもって、高く持ち上げた。ユウキは両肘と
両膝を長いすにつけて、四つんばいの格好にさせられる。お尻が看護師さくの顔の前へ突き出され、
見ているほうが恥ずかしくなるような格好だった。
あたしは跨いでいた長いすからゆっくりと降りた。顔をあげたユウキと目が合う。
お願い。見ないで
ユウキの目はそう言っているように見えた。
なんか急にかわいそうになった。
あたしは壁の側へ降り立ち、ユウキたちのいるほうへ背を向けた。
ごめんね。もう一回だけ。これで最後だからね。
そう言う先生の声が聞こえた。
診察が終わって、服を着たユウキは再び先生の前の丸い椅子へ座らされた。
「ちょっと発育が遅いけれど、とくに異常はないですよ。睾丸もちゃんと降りているし、尿道の亀裂も
ないし」
先生はユウキとママとそれからあたしの顔までみながらゆっくりとかんで含めるように言った。
ああ、よかった。
本気でそう思った。
「お父様は何ておっしゃってましたか?」
「それがその・・・単身赴任でずっと海外へ」
ママは最後までユウキの母親を演じつづけた。
「そうですか。最近は雑誌とかテレビとか、ネットとか、いろいろな情報がありますから、必要
以上に心配されるお母さんが増えているんですよ」
先生はそういいながら、大きなパソコンの画面を操作する。いつの間に撮影したのか、ユウキの
おちんちんのアップの写真が画面いっぱいに映し出された。
「うわっ」
ユウキはそう言って、ちらっとあたしのほうを見た。あたしはどんな顔していいかわからなくて、
ただ微笑みを浮かべていた。いやらしい顔に見えなければいいな、と思った。
「男の子のおちんちんはずっと皮が剥けたままでないといけないと勘違いしているお母さんが
多いのですが、こんなふうに皮を被ったままでいいんです。少し剥いてみたら、ユウキくんの
おちんちんはちゃんと皮が剥けるみたいなので、お風呂でよく洗って清潔にさえしていれば
大丈夫。二次性徴が始まれば、ちやんと大きくなると思うし・・・・」
先生はしばらくパソコンの画面の写真を見ながら考えた後、こう付け加えた。
「もし、このまま大きくならなくても、とっても素敵なおちんちんだとわたしは思うよ」
あたしも、そのとおりだと思った。
「でも、よかったね、なんともなくて」
病院の売店で買った紙パックのジュースを飲みながら、あたしとユウキはママがお会計をして
戻ってくるのを待っていた。
「女の子に言われたくない」
ユウキはずっとふくれた顔をしている。
「安心して。さっき見たことは、誰にも言わないから」
あたしはニヤニヤしながらそう言った。
「笑うなよ」
ユウキは真っ赤な顔をして口を尖らせる。
「笑ってないよ」
「女のくせに、人の裸みて。エロぃやつ」
「しょうがないじゃん。お姉ちゃんと間違えられて、診察室の中へ通されちゃったんだから」
「だから、最初からついて来なけりゃいいのに」
「だってさ・・・・」
ジュースを飲むたびに、ユウキの喉のあたりがピクピクと動く。
すごくきれいな首だなって思った。
「ちょっと、心配だったから」
あたしはそういいながら飲み終わった紙パックをぎゅっと握り締めた。
少し残っていたオレンジジュースがあたしの手の甲を濡らす。
さわやかな柑橘のにおいがした。
「ひどいめにあったねぇ」
プールの着替えを終えて、中学生のお姉さんたちと別れた後、わたしとユウキくんは近くの
公園で、二人並んでブランコに揺られていた。
「よく言うよ。誰のせいなんだよぉ」
ユウキくんはそう言いながらも、かすかに微笑んで立ち上がった。
きぃー こぉー きぃーっ
規則正しいブランコの音。
爽やかな夏の風に、横顔が揺れた。
半ズボンをはいて、立ちこぎをする男の子の姿って、どうしてこんなにエロいんだろう。
「しょうがないじゃん。途中で変な中学生に絡まれちゃったんだから。あんなふうになるなんて
わたしも思わなかったもんね。でもさ、おかげて大勢の女の子にかわいいおちんちんみられ
ちゃってよかったね」
わたしは砂の地面に足をつけ、ブランコを止めた。
ユウキくんの小さなお尻がせわしなく近づいては離れていく。
「どんな気分だった?」
「知るか、そんなの」
「ほんとは嬉しいくせに。二回もいっちゃってさ」
「ばか、こんなところで大声で言うなよ」
ユウキくんは両足を地面につけてあわててブランコを止めた。砂埃がパアッと舞い上がる。
キョロキョロと周りを見て真っ赤な顔をするユウキくんは、裸にされているときよりもずっと
恥ずかしそうに見えた。
「シャワー室でお姉さんたちにおちんちん洗ってもらってる姿、塾のみんなに見せてあげたかった
なぁ」
「だから、大声だすなって・・・」
あわてているユウキくんを見ると、ますますいじめてみたくなる。
わたしは体をユウキくんの方に向けて、ブランコにまたがった。ユウキくんは少しドキッとした顔
でわたしの下半身に目を落とした。
「ユウキくんってさぁ、いつからこんなことしてるの?」
「いつからって、そんなこと聞かれても・・・・」
「きっかけ、とかあるんでしょ?」
「それはそうだけど・・・」
「もう。あたまいいくせに、こういうことになるダメだナァ。順番に聞くから、ちゃんと答えてね。まず・・」
そういいながら、わたしは空を見上げた。爽やかな夏の青い空が広がっている。
「まずね、初めて女の子におちんちん、見られちゃったときのこと、教えてもらおうかな。じゃぶ池で
あんなことしてたんだから、その前にも女の子に見られちゃったことあるんでしょ?」
しばらく小さな口をキュッと閉じたあと、ユウキくんはこっくりとうなずいた。
「ふーん。そんなことがあったんだ」
わたしはニヤニヤしながら、うつむいたユウキくんの顔を下からすくい上げるように見上げた。
ユウキくんは顔をあげて、わたしから目を反らした。
一年前の夏休み、隣の家に住む同じクラスの女の子の家にお世話になり、その子の目の前で診察
されたときの出来事を、ユウキくんはそれから、何度も何度もつっかえながら、真っ赤な顔をして
話してくれた。
一種のハプニングなんだけど、十分刺激的なできごとだ。
「で、それから人に見られるのが快感になっちゃったわけ?」
「そういうわけでもないんだけど・・・」
「もう、はっきりしないなぁ。じゃあ、次の質問、じゃぶ池であんなことするようになったのはいつから?」
「・・・・今年の夏」
「そうするとこの一年の間に、ユウキくんは変態くんになっちゃったわけね」
ユウキくんは少しふくれた顔をしてわたしのことをにらんだ。
わたしはペロッと舌を出して笑ってみせる。
「もう一つ、質問いい?」
「もうヤダ」
「あと、一個だけお願い」
「やだってば」
「ちゃんと解明しておかないと、ユウキくん、もっとすごい変態くんになっちゃうかもよ。それでもいいの?」
ほんの一瞬、ずっと前に公園で出会った大人の姿がわたしの頭の中をよぎった。
ズボンを膝まで下ろして、上を向いた大きくて黒いおちんちんをわたしに見せつけながら、ニヤニヤと
笑っていた姿。あのときの恐怖が背中のほうからジワジワと蘇る。
たぶん、ユウキくんもわたしと同じなんだと思う。
きっと、何かを取り戻すために、何かに追われるように、こんなことをしちゃうんだ。
「そんなこと・・・・」
そういいながらも、ユウキくんは少し不安そうに見えた。
「もう一つだけ。わたし、ユウキくんが初めて射精したときのこと聞きたいんだ」
「初めて?」
「そう。もしかして、さっきプールでしたのが生まれて初めてだった?」
ユウキくんは視線を足元に落としながら、静かに首を横に振った。
「初めて出ちゃったのは、いつ?」
「それは・・・・」
ずいぶん間があった。初めてオナニーしたのはいつか、なんて質問、わたしだって、
答えられないだろうな、とちょっぴり思う。
「去年だよ」
「やっぱ、5年生のとき?」
「うん」
「かわいい体しているわりには、早熟だねぇ」
「ほっとけ」
そういいながらも、ユウキくんは恥ずかしそうに笑った。
なんかふっきれた感じがした。
もしかしたら、誰かに聞いて欲しかったのかもしれないね。
「詳しく話してくれるかな?」
ユウキくんは返事をしないまま、体をわたしのほうへ向けて、わたしと同じよう
にブランコにまたがった。
大きく開かれた半ズボンの股間に自然と目がいってしまう。その中で眠っている
小さなおちんちんの姿をわたしは頭の中に思い描いていた。
「ねえ、初めて出ちゃったときのこと、話してよ」
わたしはブランコの端をしっかりとつかんでいるユウキくんの両手を見ながらそう言った。
「去年の夏のことなんだ」
ユウキくんはぽつりとそう言って、また黙り込んだ。
強烈な夏の日差しが、砂の上にわたしたちの影をくっきりと浮かび上がらせている。
スーツと一すじの汗が小さなユウキくんの頬を伝った。
「去年の夏ってさ、その隣の女の子の家にお世話になっていたときの話?」
わたしがそう尋ねると、ユウキくんはチラッとわたしの顔を見て、こっくりとうなずいた。
「もしかしてさ、さっきの更衣室のお姉さんたちみたいなこと、されちゃったの?」
そう続けたわたしに、ユウキくんは自分の乗っていたブランコを勢いよくぶつけた。
ガチャガチャと騒々しい鎖の音がして、跨いでいたブランコが揺れる。
「わ、わわっ」
わざとよろけたふりをしたわたしの手を、さっとユウキくんがつかんだ。
夏の太陽のように暑く、少し湿った手だった。
「わっ、触っちゃった」
ユウキくんはそう言うと、半ズボンに自分の手をこすりつけた。
日に焼けた太腿と股の線に沿って走っている半ズボンの皺がわたしの目に映る。
「あたし、知ってるよ」
そのとき、女の子の声がした。
ユウキくんと二人して横を向くと、わたしと同じくらいの年齢の少し短めの髪をした女の子が
ブランコの黄色い柵に座っている。男の子のように短い半ズボンをはいて、素足にひっかけた
ビーチサンダルをぶらぶらさせていた。
「わっ、なんでおまえがこんなとこ、いるんだよぉ」
ユウキくんは本当にブランコから転げ落ちそうになって驚いた。
その格好がおかしくて、わたしはその女の子と顔を見合わせて笑った。ブランコに跨ったまま、向かい合って話をしている二人は、とても親しそうに見えた。
まるであの夏の、あたしとユウキみたい。
ちょっと、嫉妬したあたしは、よせばいいのにブランコへ駆け寄って、黄色い柵に腰掛けた。
その女の子は、突然現れたあたしに驚いていたみたいだったけど、もっと驚いていたのは
ユウキのほうだった。座っていたブランコから転げ落ちそうになった姿を見て、あたしは
その女の子と顔を見合わせて笑った。
「ごめん、ちょっと急用」
そう言ってキリコと別れたあたしはそっと二人の後をつけてきた。
なんだろう、あの二人。
それにどうしてユウキは女子更衣室なんかにいたんだろう。
それをどうしても突き止めたかった。
すっ裸のまま手を引かれて、大勢の女の子がキャーキャー言っているシャワー室に連れて
行かれたユウキは、そこでお姉さんたちに体を洗われていた。
「ほーら、きれいきれいにしないと」
二人のお姉さんはそういいながら、素手でユウキの体を撫で回し、小さなおちんちんを
おもちゃのように手のひらでぷるんぷるんとはじいていた。
まるであの夏のようだね。
あたしは心の中でユウキに呼びかけた。
二人の中学生の姿があたしの二人のお姉ちゃんと重なって見えたからだ。「うそーっ、ユウキ、そんなことされちゃったの?」
病院でのできごとを報告したら、カンナ姉ちゃんもシズカ姉ちゃんもケラケラと笑いころげた。
「見たかったなー。で、ユウキのおちんちん、どんなだった?」
「かわいかったよ。こんな感じかな」
あたしは自分の親指の先っぽをつまんでみせた。
「ユウキがまだちっちゃくて、あんたとよく遊んでいたころは、何回か見たことあったけどね。
公園のトイレに連れて行って、おしっこさせたりもしたんだよ」
シズカ姉ちゃんが少し得意げにそう言った。
「あたしもうっすらと覚えているかも」
「なーんだ、ずいぶん生意気そうになったなぁって思ってたのに、下半身はあのときのまんまなのか」
二人のお姉ちゃんは顔を見合わせて笑った。
「あたしも見たいな」
「あたしも」
「お風呂はいっているところ、のぞいちゃおうか」
「眠っている間に、裸にしちゃったりして」
ユウキにはとても見せられない光景だけど、まあ、女の姉妹なんて、そんなもんだ。
それから二日ほどたったある日、5人で夕食を食べていたら、ママが今週末に、旅行に行こう、と言い出した。
「は?旅行?」
「そう。ユウキのお母さん、来週退院できそうなんだって。ユウキがこのうちに泊まるのも今週いっぱいで終わり
だし、この夏はどこにもいけなかったから、最後に一泊くらい、どこかいかない?」
「ユウキと一緒に旅行か」
二人のお姉ちゃんは顔を見合わせた。
「でも、泊まるとき部屋どうするの?ユウキだけ別の部屋?」
「まさか。それじゃあかわいそうでしょ。一緒でいいんじゃない?」
「やだぁ、男と一緒に寝るの?」
そういいながらも、カンナ姉ちゃんはどこか嬉しそうだ。
「男って言っても、まだ小学生だし、ずっと小さいころから知ってるんだから、いいよねー」
ママはユウキのほうを見てそう言った。ユウキは困った顔をして、あたしたちを見回した後、ぷいっと下を向いた。
お姉ちゃんたちもあたしも、家族で旅行っていう年齢でもなかったけど、ユウキと一緒なら悪くないかも、と思った。
週末になって、あたしたちが泊まったのは箱根のホテルだった。それもたった一泊。
なんでよー、と抗議したら、いまごろ宿がとれるのはここくらいしかなかったんだよ、と
ママに言われた。
そのかわりに、わりと豪華なホテルで、すべてお部屋に露天風呂がついていて、
中央に大きな噴水のある広い屋外プールと小さな室内プールがあった。
箱根の観光地なんてそれほど興味のないあたしたちは、二つのプールに何度も
入って泳いでばかりいた。
プールではユウキと何度か競争したけれど、あたしはもちろん、カンナ姉ちゃんも一度も
勝てなかった。
「なーんだ、おまえ、おっせえなぁ」
ユウキはそう言いながら、ずっとご機嫌だった。
久しぶりにユウキらしい姿をみたような気がした。
プールから上がるときに、キュッと引き締まった小さな胸から、ぽたぽたとしずくが流れ
落ちるところや、ときどき下がりかけた海パンを引っ張りあげているところなんかを目撃
しながら、あたしはちょっぴり、どきどきした。
いままでは水着姿の男の子をみたって、なんとも思わなかったのに。
なぜだろう。あの水着のなかに、病院でみたかわいいおちんちんがしまわれているのかと
思ったら、胸がキュンとした。
「せっかくだから、お部屋についている露天風呂、入ってみたら」
部屋で夕食をとったあと、突然言い出したのはママだった。
「そういえば、温泉に来たのに、あたしたち、全然、お風呂入ってなかった」
「あんたたち、ずっとプールだったからね。わたしはもう三回も入っちゃった。すっごく気持ち
よかったよ」
「でもさ、部屋の露天風呂って、夏の間は9時までなんだって」
どこで知ったのか、カンナ姉ちゃんがそう言った。
「うそぉ、あと30分しかないよ」
「みんなで順番に入ってたら間に合わないね」
「じゃあ、一緒に入るか」
「そうしよう」
一番先に立ち上がったシズカ姉ちゃんが、そう言ってユウキの手をつかんだ。
きょとんとした顔で見上げたユウキに向かって、シズカ姉ちゃんが楽しそうに言った。
「ユウキも一緒に入ろうよ」
「いいよ、おれ」
ユウキはいつもの冗談だと思ったらしく、笑いながら言った。
「せっかく来たんだから、入ろう。もう時間ないし」
いつもと違って、シズカ姉ちゃんは本気のようだ。
「いいってば」
「なに恥ずかしがってんの」
「そんなんじゃないけど・・・」
強引なシズカ姉ちゃんの様子に、すこし戸惑いながら返事をするユウキの頬は、見る間に
赤くなっていった。
「あたしたちなら、全然、オッケーよ。ねー」
シズカ姉ちゃんがあたしたちを見下ろしてそう言った。
「うん。全然平気。赤ちゃんのころからユウキのこと知ってるしさ、弟みたいなもんだよね」
カンナ姉ちゃんの声を聞きながら、あたしだけは少し戸惑っていた。
お姉ちゃんたちはヘイキなんだろうか。
正直言って、あたしは同級生の男の子に裸を見られるのは抵抗があった。
病院でユウキが裸にされて診察されるところは、ばーっちり見てたくせにね。
「どうする?」
あたしはユウキと顔を見合わせた。ユウキの耳たぶはポトッと落っこちてしまいそうなほど
真っ赤に染まっていた。
「それじゃあさ、みんな水着着て入ろう。それならいいでしょ?」
あたしがそう提案して、四人で水着を着て入ることにした。
ガラス戸を開けて、バルコニーに出ると、竹の木で囲われたなかに、家のお風呂の三倍くらい
の広さのヒノキ造りの浴槽があって、その傍らに小さなムシロに囲われた脱衣場所があった。
二人のお姉ちゃんが、まだ濡れたままの水着をもってきて、その脱衣場所で着替えはじめる
と、ユウキはくるりと反対方向を向き、あわてて走っていった。
「ユウキ、なに逃げてんの?」
シズカ姉ちゃんはからかいながら、ユウキの背中に向かってそう言った。
「きもちいいよー。ユウキ、早くおいでぇー」
着替え終わって湯船につかりながら、シズカ姉ちゃんは何度も催促をする。
しばらくして、トイレで水着に着替えてきたユウキがしぶしぶ入ってきた。
「もぉ、早くしないと9時になっちゃうよ」
カンナ姉ちゃんはそういいながら、ユウキの手を引いた。ユウキの体がぐいっとあたしたちのほうへ
引き寄せられ、湯につかったばかりでまだ温まりきっていない太腿があたしの腕に触れた。
四人入ると、さすがに狭い。
ユウキはあたしとカンナ姉ちゃんの間に挟まれる格好になり、シズカ姉ちゃんと向かい合った。
「ね、きもちいいでしょ?」
シズカ姉ちゃんは足を伸ばして、ユウキのお腹のあたりにピタッとつける。ユウキがあわてて
両足をつかんで、腰の横へと動かした。
「引き締まってるね、ユウキのお腹。すごい固いよ」
シズカ姉ちゃんはそう言って、もう一度、両足をユウキのお腹へあてた。
「やめろって」
ユウキは再び両足首を持って、腰の脇へと動かす。
「引っ越してきたばかりのころのユウキって、めちゃくちゃかわいかったよねー」
「よくシズカ姉ちゃんに泣かされてたね」
「かわいいからしかたないのよ。かまいたくなっちゃうというか、いじめたくなっちゃうというか」
シズカ姉ちゃんはもう一度、ユウキのお腹に両足を乗せた。
「それが、こんなに男の子っぽくなるとはねぇ」
なぜかはわからないけど、ユウキは今度はお姉ちゃんの足をどかさずに、お腹に触れさせたまま
ちらちらと下を見た。湯の中でユウキの黄色い海パンがゆらゆらと揺れて見える。きれいな形の
シズカお姉ちゃんの足の親指がユウキのくぼんだおへそを探し当て、そこから中へもぐりこもうと
しているのをあたしは見た。まるでユウキの体内へと侵入しようとする美しいさかなのようだった。
「ねえ、ユウキ、このまえ病院に行ってきたんだって?」
ユウキの体にピタッと寄り添いながら、カンナ姉ちゃんが尋ねた。
「えっ?」
ユウキは一瞬、びっくりした顔をして、それからあたしのほうをにらんだ。
「しゃべったな」
「姉妹はしかたないでしょ?一緒に暮らしてるんだから」
あたしは訳のわからないいいわけをする。
「どこを診てもらったのかな?」
そう言うカンナ姉ちゃんに覗き込まれて、ユウキは真っ赤な顔をして下を向いた。
ユウキのお腹には、まだシズカ姉ちゃんの足が押し当てられたままだ。シズカ姉ちゃんはユウキ
の表情を注意深く観察しながら、おへそのくぼみに突っ込んだ足の親指で、やさしく撫でるように
その中をかき回している。
「恥ずかしいところ、診てもらったんでしょう。女の先生や看護婦さんたちにすっぽんぽんにされ
ちゃったんだって?」
「うるさいなー。ほっとけよ」
ユウキはちらちらとあたしのことを見ながら、口の中でつぶやくようにそう言った。
「ほっとけないよー。心配だもん」
「そうそう。ユウキのおちんちん、ちゃんと大人になれなかったら、責任感じちゃうし」
「なにそれ?なんの責任よ」
お姉ちゃんたちが勝手に盛り上がっていると、ユウキはお腹に押し当てられたシズカ姉ちゃんの
足を両手でどかせると、勢いよく立ち上がった。
あたしの目の前に現れた黄色い水着から、湯気がぱあっと立ち上り、よく日に焼けたユウキの
太腿を湯が流れ落ちていく。
「こらっ、まだ出ちゃダメ」
カンナ姉ちゃんがユウキの水着を引っ張った。スルッとトランクスがずり下がり、おちんちんの付け
根が見えた。
「わあっ、やめろよ」
ユウキがあわてて水着をはきなおす。カンナ姉ちゃんがその腕を引っ張ると、ユウキは倒れこむよう
にカンナ姉ちゃんの膝の上に座った。
「わあ、かわいい。ユウキ、赤ちゃんみたい」
カンナ姉ちゃんの膝を跨いで座った格好になったユウキを、シズカ姉ちゃんがそう言ってからかった。
ユウキは脱げかけた水着に手をあてたまま、あわてて立ち上がろうとする。シズカ姉ちゃんがぐいっ
と近づいて、その両足をつかんでひっぱった。
「うわあっ」
ユウキはカンナ姉ちゃんの胸に背中を押し当てるように倒れこむ。シズカ姉ちゃんは宙に浮いたユウキの
両足を大きく開かせ、自分の両脇に挟んだ。
「なんだよ。なにすんだよ」
ユウキの声が怒気が含まれる。あたしはお姉ちゃんたちの行動にちょっとびっくりして、ただ事態を見守る
しかなかった。
「お医者さんよりも、シズカ姉ちゃんのほうが経験豊富かもしれないから、ちゃんと診てもらいな」
カンナ姉ちゃんはそういいながら、膝の上のユウキの海パンをつかんでスルッと脱がせた。そこだけは
くっきりと日焼けしそこなった白いお尻が半分だけチラッと見えた。
「やっ、やめろぉ」
あわててお尻をしまおうとして、ユウキが海パンの後ろのほうをつかむと、今度はシズカ姉ちゃんが
前の方をつかんだ。
「こらあ、おとなしくしろー」
カンナ姉ちゃんがユウキの両手をつかんでバンザイをさせながら、両方の足を伸ばした。
お姉ちゃんの両足の上に、寝るような格好で乗せられたユウキの体が、半分水面から出た。
「ユウキのおちんちん、みーちゃおうっと」
歌うように言いながら、シズカ姉ちゃんは両脇に挟んだユウキの両足を放しながら、黄色い海パンを引き剥
がすように、脱がせていく。
「うわあっ、だめぇ。やめろぉ」
ユウキの声が溢れる湯の音にかき消される。
激しくわきあがった湯気を、あたしは両手で払った。その向こうに、ユウキから奪い取った黄色い海パンを
持って立っているシズカ姉ちゃんの姿があった。
「はなせよぉ。」
ユウキがカンナ姉ちゃんのお腹の上でもがいた。
両手はカンナ姉ちゃんがつかまれているから、足をバタバタさせるんだけど、
そうすると小さなおちんちんがピヨコンピョコンとゆれるのが、ちらちらと見えちゃった。
「わっ、みえたぁ」
ユウキの海パンを浴槽の外へ放り投げたシズカ姉ちゃんは、湯の中でしゃがんで
ユウキの下半身へ顔を近づける。
「わっわっ、見るなぁ」
暴れていたユウキは急におとなしくなると、両足をきゅっと縮めて股間を隠した。
「恥ずかしがるなぁ。男の子だろぉ」
「病院で女医さんと看護婦のお姉さんにじっくり見てもらったんでしょ。いまさら
恥ずかしがらないの」
二人のお姉ちゃんが口々にそういうと、ユウキの顔はまっかっかになって、何も
言い返せなくなった。
「さあ、ユウキくんのかわいいおちんちん見ちゃうぞぉ」
シズカ姉ちゃんがユウキの両足をつかむ。カンナ姉ちゃんは握り締めていたユウキ
の両手を自分のわきの下に挟むと、空いた両手でユウキのわき腹を押さえた。
「やめろぉ、やめろよぉぉ、やめてぇぇぇ」
いつもぶきらぼうなユウキが最後は半べその声をあげた。
なんだかちょとかわいそう。
そう思いながらも、あたしはユウキの両足が大きく開かされていくのを、目を
まんまるくしてじっと見つめていた。やがて開ききったユウキの太ももの間に小さなおちんちんが現れた。
病院で見たときと同じで、そこだけ白く日に焼けていない。私の親指くらいのかわいらしい
おちんちんと子猫のあそこみたいな小さなたまたまが、ユウキの腰の動きにあわせて
ぴょんぴょこんと揺れていた。
「どれどれ」
覗き込んだ二人のお姉ちゃんは、しばらくじーっとその部分を見つめた後、顔を上げて
ニヤニヤと微笑みながら顔を見合わせた。
「うそぉ。ちっちぁ」
「かわいすぎでしょ」
「幼稚園児のころとあんまし変わってない」
「まだまだここは赤ちゃんだね」
二人はそんなことを言い合ったあと、ユウキの顔を覗き込んだ。
ユウキの顔はさっきよりももーっとまっかっかになってて、首とか胸とか
小さなおへそのくぽみまでがピンク色に染まっている。
くちびるをキュッとかんで、目にうっすらと涙まで浮かべたユウキは、
恥ずかしすぎて、どんな顔をしていいかわからないといった様子で、
覗き込んだ二人の視線から逃れるようにプイと顔を背け、目を閉じた。
でも、カンナ姉ちゃんはそんなユウキのリンゴのように赤い頬を両手で
はさむと無理やり正面を向かせた。
「ねえ、ユウキくーん。かわいいおちんちんですねー」
「赤ちゃんみたいなおちんちん、見られて恥ずかしいねー」
ねえ、あんたもこっちきなよ。
シズカ姉ちゃんに手招きされて、あたしはユウキのお腹のあたりへ近寄った。
カンナ姉ちゃんのお腹の上に乗せられたユウキの体は全身が湯から出ている。
病院ではたしか靴下とかをはいていたけれど、今は何一つ身に着けていない
完全なすっぱだかだ。その姿を見たら、胸がどきどきしてとまらなくなった。
「こんなにかわいいと、ちょっといたずらしたくなるよね」
シズカ姉ちゃんは、あたしの顔を見ていたずらっ子のように微笑むと、涼しい
風に吹かれて小さなクルミのようになったユウキのたまたまへと手を伸ばした。
「こんなかわいい赤ちゃんおちんちんでも、ちゃんと勃つのかな。実験してみよう」
次の瞬間、白くてやわらかそうなシズカ姉ちゃんの手がユウキのおちんちんをたまたまごと
包み込んでいた。
「ひっ」
驚いたユウキの息をのむ声が聞こえた。
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