- 2011⁄08⁄21(Sun)
- 02:48
少年という名の貢物 アロエ
とあるホテルの一室。
シャワーで入念に身体を洗った直後だというのに、浴室を出た川野和希は、昼間サッカー
部の練習でたっぷりと汗を流したユニホームをまた着直さなければならなかった。
リビングへと戻るそんな和希を、ソファーに腰掛ける四十代半といった様子の背広姿の男
が待ち受ける。
「やっぱりユニホーム姿の君も、なかなかいいねぇ」
男はほくそ笑みながら、そんな和希の姿をマジマジと眺めてくる。
まるで舐める様な男の陰湿な視線を浴びせられる和希は、耐えられないとばかりに緊張で
強張る顔を横へと背けた。
しばしユニホーム姿の和希を男はジッと鑑賞する様に眺めていたのだが、やがてソファー
から腰を上げ、直立不動の少年へゆっくりと近付いていく。
男の接近に、和希は胸の鼓動が一気に高鳴ってきてしまう。
やがて和希の至近距離にまで迫った男は、左腕を少年の背中へと回してきながら、その身体
をしっかりと抱き寄せてきた。
不安と恐怖、そして嫌悪によって男の腕に包まれた身体が震えそうになってくるも、和希は
それを懸命に堪える。
「あ、あの・・・まだこれ洗濯してなくて・・・汗臭いですから・・・」
「それでいいんだよ。むしろ、そっちの方が私も興奮させられるってものさ」
男は事もなげにそう答えてきた。
(この変態野郎が・・・!)
そう叫び、今すぐこの男を殴り倒して逃げ出したい衝動で和希は一杯になってきてしまう。和
希にしてみれば、早く洗濯してさっぱり綺麗にさせたい汗と砂の臭いに塗れたユニホームでしか
ないのだが、どうやら男にとってはこの上なく喜ばしいものの様子らしい。この男と過ごす時間
は、十四歳の和希にとって屈折した大人の欲望というものの醜さを嫌という程に思い知らされる
ものとなっていた。
男の名は、宮部といった。和希の父親が経営する電気工事店が融資を受けている銀行の支店長
である。そしてその肩書きは同時に、小さいながらもささやかに営む父親の会社の生殺与奪を持
つ立場に今やなっていたのだった。
そんな宮部の右手が、和希の下半身へと伸ばされてくる。
ユニホームパンツの上から、和希の股間がしっかりと掴まれてくる。反射的に和希はその手か
ら逃げる様に腰を捩じらせるも、宮部の左腕が少年の身体をしっかりと拘束してきた。
「んっ・・・はぁっ・・・」
宮部によって、和希の股間が弄られていく。
男の蠢く様な生々しい手の感触が、布地越しに和希のペニスへ鮮明に伝えられてくる。その刺激
が、急速に和希の股間を熱くさせてきてしまう。
「聞いた話だと、和希君は今年チームでレギュラーになったんだって?」
「・・・・」
「試合で君の活躍する姿、私も見てみたいもんだよ」
耳元でそう囁いてきながら、宮部の手は和希の穿くユニホームパンツの裾から中へと強引に差し込
まれてきた。
「ああっ・・・んぁっ・・・!」
しだいに強張った和希の身体が小刻みに震え出していく。パンツの中でしっかりと宮部の指が絡め
られてくる少年のペニスは、いよいよその反応を露骨にさせてきてしまう。
「このままじゃ、汗だけじゃなくて君の淫らな匂いまでこのユニホームに染み込んじゃいそうだね」
濡れ始めてくるペニスの先端部分を指摘してくる様に、宮部は言ってきた。
すっかり潤んだ瞳の和希は、ギュッと強く下唇を噛み締める。宮部によって無理矢理に刺激されてい
く性感に身悶えながら、今夜もまた身が引き裂かれんばかりの恥辱と忍耐を和希は課せられていく。
全ては半年前に始まった。あの日も、今夜と同じこのホテルの一室であった。一人呼び出された和希
は、顔すら知らなかったこの宮部という男によって、父親の会社が経営的に逼迫している事を教えられ
たのである。
銀行からの融資が止まってしまえば会社は倒産する。その状況を知らされた瞬間、経営者である父親
ですら知らないであろう中、和希はこの男の慰みものという存在へと堕ちていった。
「やっ・・・ああっ・・・!」
いつしか和希は、ベッドへと仰向けに押し倒されていた。
シャツはたくし上げられ、ハーフパンツも下着ごと膝の辺りにまで引き下ろされてしまう。露わとなる
少年特有の張りのある艶やかな素肌は、宮部からの濃厚な愛撫へと晒されていく。
「ひぁっ・・・あっ・・・や、やめっ・・・!」
何度となく、和希は激しく身を震わせた。
そんな和希の乳首を、宮部は舌先でくすぐる様に刺激していく。
痺れる様な感覚が、和希の全身を駆け巡る。そしてその感覚に反応する様に、今やすっかりたくましく
直立していた少年のペニスが、勢いよく脈打ってくるのだった。
その光景を眺めながら、宮部は口元をほころばせる。
「ほんの少しの間に、君の身体も随分とエッチになっちゃったね」
悪びれる様子もなくそう言ってくる宮部に対し、いつしか和希は激しく憎悪に満ちた眼差しを男へと向
けていた。
「何か言いたい事でもあるのかい?」
そんな和希へと、宮部はあまりにわざとらしく問い掛けてくる。
ハッとし、和希はすぐに宮部から視線を背けた。
「いえ・・・別にありません・・・」
「君が不満だっていうなら、いつでも帰っていいんだよ?」
「・・・・」
宮部はそう言ってくるも、和希にそんな選択が許されるはずもなかった。己のプライドを
貫く事によって待っているのは、家族もろともが全てを失い路頭に迷うという絶望的な現実
でしかない。
「最も、和希君だってもうこんな身体を一人で慰めるだけじゃ、物足りなくなってるんじゃ
ないのかい?」
そう宮部は言ってきながら、今やすっかり剥かれて露わとなっていた和希の亀頭を指先で
集中的に刺激していく。
「ああっ・・・」
自然と喘ぐ様な声を和希は漏らし、身を大きく仰け反らせた。
すっかり潤ったその部分からは、先走りの液体が止めどなく溢れ出しながら、怒張しきっ
た幹を伝ってドロドロと垂れ落ちていく。
そんな和希を、宮部はいっそう心理的に追い詰めてくる。
「さぁ、どうして欲しいんだい?」
「い・・・イキたい・・・です・・・」
この上ないもどかしさを表情に滲ませながら、和希はか細くそう答えた。
宮部にそんな事を訴える事自体、和希にとって屈辱以外の何ものでもない。しかしそうで
も言わない限り、いつまでも宮部によって焦らされ続け、生殺しのごとき苦痛にもがかねば
ならないという事を、この男から何度となく辱めを受けてきた和希はすでに学習していた。
しかし宮部は、そんな和希の言葉に満足していない様子であった。
「前にも言ったろ?人に説明する時は、もっと分かりやすくハッキリ言うもんだって」
「・・・・」
「今さらどれだけ強がったところで、何も変わらないって事は君が一番よく分かってるだろ?」
嘲笑う様な眼差しで、宮部は言ってくる。
「チンポが・・・我慢出来ません・・・き、気持ちよく・・・僕を射精させてください・・・」
溢れ出しそうになる涙を必死に堪え、震える声で和希は改めて宮部へと答えた。
そんな和希へと、宮部はどこか冷たい笑みを浮かべてくる。そしてそのまま、煽り立てら
れた少年のペニスをしっかりと掴み、激しく扱き立ててきた。
「んっ・・・あっ・・・!」
一気に刺激が増し、すでに限界寸前であった和希は、ブルブルと足腰を震わせながら四肢
を引き攣らせる様に力ませていく。
和希のそんな様子に、宮部はペニスを掴む手の動きをいっそう加速させてくる。
そして次の瞬間、和希はあまりに不本意極りない状況の中で、絶頂へと導かれていくのだっ
た。
「っ・・・!」
勢いよく、大量の精液が和希のペニスから噴出していく。
その光景に、宮部は瞳を爛々と輝かせながら魅入る。
大きく噴き上がった和希の白濁は、そのまま少年の下腹部、太股、周辺のシーツ、そしてペ
ニスを掴む宮部の手や腕などへと降り注ぐのだった。
この時ばかりは、一時的ながらも和希は頭の中が真っ白となり、思考がストップしてしまう。
鬱屈していた欲望を一気に吐き出した直後の解放感にしばし和希は茫然自失となるも、しか
しその後に待っているのは、宮部という唾棄すべき存在によって自分は射精にまで達してしまっ
たのだという、絶望的なまでの自己嫌悪であった。
「やっぱり若い男の子は勢いが違うねぇ。ホント、羨ましいよ」
事もなげに言ってくる宮部の言葉が、打ちひしがれる和希の心をいっそう残酷に抉っていく。
あられもなく乱れた衣服と精液に塗れる素肌、そんな和希の姿を宮部はこの上なく満足そうな
様子で眺めていた。
やがて絶頂の余韻も冷め始めると、和希は疲労と脱力感に、息を荒げながらそのままベッ
ドの上でぐったりとしてしまう。
(今日は、随分とあっさりしてるな・・・)
いつもの宮部ならもっと執拗に責め立ててき、一度の射精を迎えるまでに和希は泣き叫びた
くなる程に身悶えさせられていた。それだけに今夜のこの淡白さが逆に、和希は不気味に感じ
てならない。
しかしその疑問を、すぐに和希は理解させられた。
「今夜は、分かってるね?」
「はい・・・」
土曜日の夜はまだ始まったばかりなのだと、和希は改めて気付かされていく。家族には友達
の家に泊まると伝えてある。今夜、和希が時間に拘束される理由はもう何もない。
「今日は君との一晩を過ごせるんだ、たっぷりと私を楽しませてもらうからね」
穏やかにそう言ってくる宮部ではあったが、和希へと向けられるその瞳はギラギラと輝き、ま
さに獲物へと今にも襲いかからんばかりの獣そのものであった。
「いい眺めだ、特にそのユニホーム姿だと余計にそそられるものがあるよ」
命ぜられるがまま従順に従う和希に、宮部の屈折した加虐心がいよいよ昂ぶっていく様
子であった。
身に着けるユニホームのシャツと靴下はそのままで、ハーフパンツと下着だけを脱がさ
れた和希は、ベッドの上で四つん這いの姿勢を強いられる。そして腰を突き出し無防備に
曝け出される少年のアナルは、背後の宮部から執拗な視線を浴びせられるのだった。
(いっそもう俺を殺してくれ・・・)
恥辱に塗れる和希は、本気で舌を噛んでしまいたい衝動を覚えてならない。中途半端な
格好で恥部を露出させられるという今のこの姿に、和希はむしろ全裸になる以上に無様で
惨めな気分で一杯になっていく。
「ほら、もっと両脚を広げてお尻をこっちへ高く向けなさい」
すかさずそう指示してくる宮部に、和希は言われる通りに体位を修正する。プライドも
誇りも全て奪われ、今や和希は宮部を楽しませ満足させるという、ただそれだけの存在で
しかなかった。
やがて十分に和希の姿を堪能した宮部は、その臀部へと静かに右手を伸ばしていく。
滑らかな肌とラインの両丘から覗く和希の蕾へと、さっき自らが放った精液が宮部によっ
て丹念に塗り込められてくる。
「あっ・・・はぁ・・・」
生温かな粘液と指の感触を表面で感じながら、和希は小刻みに身を震わせた。
やがてねっとりと潤ったその蕾に、宮部は中指の先端を押し当ててきながら、グッと圧
力を加えてくる。
「んんっ・・・あっ・・・」
ズブズブと、宮部の指が和希の中へとゆっくり埋められていく。
引き締まった内腔へと強引に侵入してくる異物の圧迫感を感じさせられながら、自然と和
希はくぐもった声を漏らしてしまう。すぐにシーツへと顔面を強く押し付け、和希は必死に
堪えようとする。
「君もすっかり、後ろの方の味を覚えたみたいだねぇ」
「やぁっ・・・んっ・・・ああっ・・・!」
すぐに探り当てられた敏感な部分を刺激され、和希は甲高い声を発して何度となく身を捩
じらせた。鈍痛にも似たその感覚は、内部から下腹部や股間へと響く様に拡散し、否応なく
身体を反応させてきてしまう。
「君のオチンチン、もう元気を取り戻してきたのかい?」
宮部はそう言いながら、未だ射精を終えて間もない少年のペニスへ、覗き込む様にして
視線を向けてくる。
己の白濁に塗れてテカる和希のペニスは、指で刺激されるアナルの感覚に呼応する様に、
いつしか再び幹を硬くさせ始めてピクピクと脈打ってきていた。
「も、もうやめてください・・・あっ・・・んぁっ・・・!」
「君くらいだよ、お尻を責められてそんなに気持ちよくなれる中学生は」
「違う、俺は・・・」
「何が違うって言うんだい?」
「ひぁっ・・・!」
内壁のその一点へ、宮部の指がいっそう強く食い込んでくる。
ビクンッと、和希の身体が激しく震えた。駆け巡る強烈な刺激に、和希の全身が火照る
様に熱くなっていく。
「今の自分がどんな姿になっているのか、自覚出来てるのかい?さっきまであんな爽やか
でカッコよかったサッカー少年が、今じゃお尻に指を入れられながらいやらしく喘いで、
アソコをビンビンに勃起させている。こんな今の和希君の姿をもし友達が見たら、一体ど
んな風に思うだろうね?」
「やめろ!」
耐え切れなくなった和希は、泣き叫ぶ様な声を上げた。瞳からも涙がボロボロと零れ落
ちていく。
しかしそんな和希へと、残酷な現実が容赦なく突き付けられる。男の指で肛門を弄られ
るという、あまりにおぞましい行為に晒されながらも、少年のペニスはすっかり反応を著
明にさせていき、射精後とは思えない逞しい姿を取り戻していくのだった。
「本当に君はいやらしくて、いけない子だ」
宮部はほくそ笑みながら、もう片方の手を和希のペニスへと伸ばしていく。
「んんっ・・・はぁっ・・・」
怒張する幹へと、宮部の指が絡められる。しかし今度は、さっきの様に本格的な刺激を
和希へ加えてくる事はなかった。二度目の勃起ながら若々しい精力が漲る少年の欲望を愛
でるかのごとく、その手の動きは緩慢なものでしかない。
そんな宮部からの行為に、和希の身体はいっそう疼き出してきてしまう。
「また出したくなってきたのかい?全く、若い男の子は羨ましいよ」
「・・・・」
和希は涙目で悔しさを露骨に表情へ滲ませながらも、もう何ら反論する事が出来ない。
股間の奥底から込み上がってくるもどかしいまでの欲求に、亀頭は改めて潤いに満ちてい
き、透明な液体が糸を引いてシーツの上へと垂れ落ちていく。
しかしその時、それまで散々和希の中を蹂躙していた宮部の指が、あっさりとそのアナ
ルから引き抜かれてしまう。
「っ・・・?」
いよいよ宮部の行動がエスカレートしていく矢先だと思っていただけに、和希はどこか
拍子抜けさせられるものがあった。それまで内壁を押し広げていた圧迫が消え去った事に、
むしろ妙な空虚感が和希の中に残る。
それだけでなく、なぜか宮部はペニスからも手を離してしまい、和希の身体を完全に解
放してしまう。
本来なら安堵させられるものなのだろうが、何ともいえない中途半端さに和希の火照っ
た身体と昂ぶり出していた気持ちはどうも落ち着けないままであった。
「さぁ、こっちを向きなさい」
宮部からの指示に、四つん這いになっていた和希は身体を向け直す。
「和希君のエッチな姿を見てるばっかりじゃ、こっちが堪らなくて仕方がない。そろそろ、
私の方も何とかしてもらおうか?」
宮部はそう言いながら、自らのベルトやズボンのホックを外していく。
カチャカチャと、静まり返った室内に強調されて響くベルトの金属音。その音は今や、
和希の中で条件反射的に恐怖を煽るものとなっていた。
そして次の瞬間、すっかり怒張しきっていた宮部のペニスが曝け出されてき、和希は顔
を強張らせて息を呑む。
「今度は、和希君が私を気持ちよくさせる番だよ」
和希へと、宮部はそう静かに言ってきた。
「その・・・どうすれば・・・」
恐る恐る、和希はか細い声で宮部へと問う。
しかし宮部は、そんな和希へどこか不愉快そうな表情を向けてきた。
「まだ分からないのかい?君はお父さんの会社の存続をかけた接待をしているんだ。その
私をどうすれば喜ばせられるのか、少しは自分で考えたらどうだ」
「・・・・」
宮部からの辛辣な言葉に、和希は深く俯いて下唇をギュッと噛み締める。
「君だって、もうそれなりに要領は掴んでるだろ?」
そう言ってくる宮部が何を自分に望んでいるのか、和希は考えるまでもなかった。もう
慣れた事だと自らへ言い聞かせ、シーツの上で膝立ちの姿勢で向かい合う宮部へと、和希
は身を屈めていく。
そして眼前に位置した宮部のペニスを、和希は両手で包み込む様にして掴み、ゆっくり
慎重に扱き出す。
和希からの行動に、宮部はフッと口元に笑みを浮かべてきた。後はただ見守る様に、奉仕
を始めた少年の健気な姿を無言のまま見下ろし続ける。
いかに宮部が和希という少年に夢中となっているのか、その下半身の状態が十分に物語っ
ていた。相手が中年男性とは思えない程に、青筋を何本も浮き上がらせながら逞しく反り返
る幹と、剥き出しの赤黒い亀頭。未だ性に目覚めて間もない和希のとは違う、大人の男とし
ての十分な風格を漂わせるものであった。
そして同時にその猛々しい一物は、これまで何度となく和希の身体を陵辱してきた恐ろし
い凶器でもあった。和希にとってそれは、己を這い上がれぬまでの絶望へと突き落とす事と
なった、根本的な存在なのである。
「そろそろ、こんなんじゃ物足りなくなってきたよ」
ペニスを擦る和希へと、やがて宮部は呟く様に言ってきた。
和希はそろそろ次の行動に移らねばならなくなる。
(さっさとこいつをイカせて、終わりにしよう)
夜はまだ長い。このままではとても自分の身が持たないと、和希はそう合理的な思考をす
る事で何とか自身を苛む屈辱を和らげようとした。
「そのまま・・・横になってください・・・」
和希がそう言うと、宮部は素直にベッドの上で仰向けとなる。
そんな宮部の傍らへと和希は身を置きながら、両手をシーツの上へと置いて体勢を保ちつ
つ、男の腰の辺りへと横から覆い被さる様にゆっくり上半身を傾けていった。
宮部の直立するペニスへ、和希の口元がしだいに接近していく。
顔を間近にまで寄せると、ムンッとする、男の独特の臭いがいよいよ鮮明になって鼻へと付く。
ゾワゾワする様な、何とも不愉快な感覚が和希の全身を駆け巡る。もう何度となく経験してきた
行為ではあるものの、それでも未だ身体は激しい拒絶反応を示してきてしまう。
(やらなきゃなんないんだ、そうじゃなきゃ、俺は何のために今まで頑張ってきたんだ!)
和希は自らへ必死に言い聞かせ、一気に宮部のペニスを口へと含む。
「んっ・・・んんっ・・・」
口の中一杯に広がる宮部の熱いその塊の感覚に、和希の顔はいよいよ嫌悪に歪んでいく。それで
も懸命に自らの気持ちを押し殺し、宮部のをさらに喉元深くまで和希は咥え込む。
その間、横になる宮部は何ら言葉を発してくる事もなく、瞑目したまま和希からの行為に身を委
ねていた。
「はぁ・・・んっ・・・」
この耐え難い精神的苦痛から解放されるには、一刻も早く宮部を快感の絶頂へと導かねばならな
かった。それだけに和希は、無我夢中で口に含んだそのペニスをしゃぶり、舐め、扱きと、思い付
く限りのテクニックを駆使していく。
「いい、最高だよ、和希君・・・やっぱり君は覚えがよくて賢い子だ」
「・・・・」
ここまでして文句を言われるよりはましなのだろうが、それでもそんな宮部の称賛する様な言葉
が、今の様な行為を初めて強いられた時の辛い記憶を蘇らせ、和希の心を苛んでいくのだった。
『その程度の事も出来ないなら、君だけじゃなく家族全員がもっと辛い目に遭う事になるんだよ?』
そう脅され、命令に従わされたあの日の夜は、決して遠い過去の話ではない。宮部から厳しい叱
責を何度も浴びせられる中、無理矢理にペニスを咥えさせられる和希は泣きながらその残酷な奉仕
に努めたのだった。あの日以来、行為自体にはある程度慣れた和希ではあったが、その分宮部に対
する憎しみいっそう募っていくばかりであった。
やがて和希は、宮部の亀頭部分を舌先で集中的に刺激していく。
「ああっ・・・」
恍惚の声が漏れながら、宮部のペニスが和希の眼前で何度も勢いよく脈打ってくる。
良好な反応を示し始めた男の欲望に対し、和希は一気にたたみ掛けるとばかり、もう一度ペニス
を大きく咥え込みながら、激しく口で扱いていった。
「そのくらいで、もういいよ」
しかしその矢先、突然な宮部の言葉で行為は中断させられてしまう。
このまま何とか口だけで済ませられればという、和希の目論見はやはり甘いものでしかな
かった。
「さて、そろそろ一段落つけようか」
宮部は身を起こしながら、いよいよ和希にとって最も恐れていた行為への移行を宣言して
くるのだった。
そんな宮部の股間へ、改めて和希は視線を向ける。
(今晩、何回こいつの相手しなきゃなんないんだよ・・・)
和希の奉仕ですっかり唾液に潤ったその逞しい一物を見る限り、そう簡単に欲望が枯れ果
ててくれるとは到底思えない。このままでは本当に自分の身体が壊れてしまうのではないか
と、和希は恐怖に駆られていく。
しかしもう、和希はそんな先の事を考えていられる余裕すらなかった。次の瞬間には、攻
守交替とばかりに宮部が和希へとまた覆い被さってくる。
和希は仰向けに押し倒されるや、宮部によって両脚を持ち上げられて大きく開脚させられた。
あられもない体位で、再び宮部の前に和希のアナルが堂々と曝け出される。しかし今度は、
さっきの様な戯れのごとき生易しいものではなかった。すっかり欲情に瞳をギラギラと輝か
せる宮部は、衝動的とばかりの勢いで、一気に和希のアナルへと顔を埋めてくる。
「ひっ・・・!」
収縮する蕾へ、ねっとりとした宮部の舌が擦り付けられてき、和希は激しく身悶えた。
(この変態が・・・!)
いくら事前に身体をしっかり洗っているとはいえ、躊躇いなく自分の肛門へと口や舌を押
し付けてくる宮部の行為は、和希にとっておぞましい限りの嫌悪を抱かせていく。
しかしそんな和希のアナルへと、宮部は執拗な愛撫を繰り返す。そして押し広げられた和
希の蕾の中へまで、宮部は舌を強引に押し込んでくるのだった。
「あっ・・・ああっ・・・」
いつの間にかすっかり萎えていた和希のペニスも、ここにきて急速に回復し始める。
すると宮部は頃合いを見計らうかの様に、一旦は顔を上げてきながら、今度は指を二本同
時に和希のアナルへ乱暴に挿入していく。
シャワーで入念に身体を洗った直後だというのに、浴室を出た川野和希は、昼間サッカー
部の練習でたっぷりと汗を流したユニホームをまた着直さなければならなかった。
リビングへと戻るそんな和希を、ソファーに腰掛ける四十代半といった様子の背広姿の男
が待ち受ける。
「やっぱりユニホーム姿の君も、なかなかいいねぇ」
男はほくそ笑みながら、そんな和希の姿をマジマジと眺めてくる。
まるで舐める様な男の陰湿な視線を浴びせられる和希は、耐えられないとばかりに緊張で
強張る顔を横へと背けた。
しばしユニホーム姿の和希を男はジッと鑑賞する様に眺めていたのだが、やがてソファー
から腰を上げ、直立不動の少年へゆっくりと近付いていく。
男の接近に、和希は胸の鼓動が一気に高鳴ってきてしまう。
やがて和希の至近距離にまで迫った男は、左腕を少年の背中へと回してきながら、その身体
をしっかりと抱き寄せてきた。
不安と恐怖、そして嫌悪によって男の腕に包まれた身体が震えそうになってくるも、和希は
それを懸命に堪える。
「あ、あの・・・まだこれ洗濯してなくて・・・汗臭いですから・・・」
「それでいいんだよ。むしろ、そっちの方が私も興奮させられるってものさ」
男は事もなげにそう答えてきた。
(この変態野郎が・・・!)
そう叫び、今すぐこの男を殴り倒して逃げ出したい衝動で和希は一杯になってきてしまう。和
希にしてみれば、早く洗濯してさっぱり綺麗にさせたい汗と砂の臭いに塗れたユニホームでしか
ないのだが、どうやら男にとってはこの上なく喜ばしいものの様子らしい。この男と過ごす時間
は、十四歳の和希にとって屈折した大人の欲望というものの醜さを嫌という程に思い知らされる
ものとなっていた。
男の名は、宮部といった。和希の父親が経営する電気工事店が融資を受けている銀行の支店長
である。そしてその肩書きは同時に、小さいながらもささやかに営む父親の会社の生殺与奪を持
つ立場に今やなっていたのだった。
そんな宮部の右手が、和希の下半身へと伸ばされてくる。
ユニホームパンツの上から、和希の股間がしっかりと掴まれてくる。反射的に和希はその手か
ら逃げる様に腰を捩じらせるも、宮部の左腕が少年の身体をしっかりと拘束してきた。
「んっ・・・はぁっ・・・」
宮部によって、和希の股間が弄られていく。
男の蠢く様な生々しい手の感触が、布地越しに和希のペニスへ鮮明に伝えられてくる。その刺激
が、急速に和希の股間を熱くさせてきてしまう。
「聞いた話だと、和希君は今年チームでレギュラーになったんだって?」
「・・・・」
「試合で君の活躍する姿、私も見てみたいもんだよ」
耳元でそう囁いてきながら、宮部の手は和希の穿くユニホームパンツの裾から中へと強引に差し込
まれてきた。
「ああっ・・・んぁっ・・・!」
しだいに強張った和希の身体が小刻みに震え出していく。パンツの中でしっかりと宮部の指が絡め
られてくる少年のペニスは、いよいよその反応を露骨にさせてきてしまう。
「このままじゃ、汗だけじゃなくて君の淫らな匂いまでこのユニホームに染み込んじゃいそうだね」
濡れ始めてくるペニスの先端部分を指摘してくる様に、宮部は言ってきた。
すっかり潤んだ瞳の和希は、ギュッと強く下唇を噛み締める。宮部によって無理矢理に刺激されてい
く性感に身悶えながら、今夜もまた身が引き裂かれんばかりの恥辱と忍耐を和希は課せられていく。
全ては半年前に始まった。あの日も、今夜と同じこのホテルの一室であった。一人呼び出された和希
は、顔すら知らなかったこの宮部という男によって、父親の会社が経営的に逼迫している事を教えられ
たのである。
銀行からの融資が止まってしまえば会社は倒産する。その状況を知らされた瞬間、経営者である父親
ですら知らないであろう中、和希はこの男の慰みものという存在へと堕ちていった。
「やっ・・・ああっ・・・!」
いつしか和希は、ベッドへと仰向けに押し倒されていた。
シャツはたくし上げられ、ハーフパンツも下着ごと膝の辺りにまで引き下ろされてしまう。露わとなる
少年特有の張りのある艶やかな素肌は、宮部からの濃厚な愛撫へと晒されていく。
「ひぁっ・・・あっ・・・や、やめっ・・・!」
何度となく、和希は激しく身を震わせた。
そんな和希の乳首を、宮部は舌先でくすぐる様に刺激していく。
痺れる様な感覚が、和希の全身を駆け巡る。そしてその感覚に反応する様に、今やすっかりたくましく
直立していた少年のペニスが、勢いよく脈打ってくるのだった。
その光景を眺めながら、宮部は口元をほころばせる。
「ほんの少しの間に、君の身体も随分とエッチになっちゃったね」
悪びれる様子もなくそう言ってくる宮部に対し、いつしか和希は激しく憎悪に満ちた眼差しを男へと向
けていた。
「何か言いたい事でもあるのかい?」
そんな和希へと、宮部はあまりにわざとらしく問い掛けてくる。
ハッとし、和希はすぐに宮部から視線を背けた。
「いえ・・・別にありません・・・」
「君が不満だっていうなら、いつでも帰っていいんだよ?」
「・・・・」
宮部はそう言ってくるも、和希にそんな選択が許されるはずもなかった。己のプライドを
貫く事によって待っているのは、家族もろともが全てを失い路頭に迷うという絶望的な現実
でしかない。
「最も、和希君だってもうこんな身体を一人で慰めるだけじゃ、物足りなくなってるんじゃ
ないのかい?」
そう宮部は言ってきながら、今やすっかり剥かれて露わとなっていた和希の亀頭を指先で
集中的に刺激していく。
「ああっ・・・」
自然と喘ぐ様な声を和希は漏らし、身を大きく仰け反らせた。
すっかり潤ったその部分からは、先走りの液体が止めどなく溢れ出しながら、怒張しきっ
た幹を伝ってドロドロと垂れ落ちていく。
そんな和希を、宮部はいっそう心理的に追い詰めてくる。
「さぁ、どうして欲しいんだい?」
「い・・・イキたい・・・です・・・」
この上ないもどかしさを表情に滲ませながら、和希はか細くそう答えた。
宮部にそんな事を訴える事自体、和希にとって屈辱以外の何ものでもない。しかしそうで
も言わない限り、いつまでも宮部によって焦らされ続け、生殺しのごとき苦痛にもがかねば
ならないという事を、この男から何度となく辱めを受けてきた和希はすでに学習していた。
しかし宮部は、そんな和希の言葉に満足していない様子であった。
「前にも言ったろ?人に説明する時は、もっと分かりやすくハッキリ言うもんだって」
「・・・・」
「今さらどれだけ強がったところで、何も変わらないって事は君が一番よく分かってるだろ?」
嘲笑う様な眼差しで、宮部は言ってくる。
「チンポが・・・我慢出来ません・・・き、気持ちよく・・・僕を射精させてください・・・」
溢れ出しそうになる涙を必死に堪え、震える声で和希は改めて宮部へと答えた。
そんな和希へと、宮部はどこか冷たい笑みを浮かべてくる。そしてそのまま、煽り立てら
れた少年のペニスをしっかりと掴み、激しく扱き立ててきた。
「んっ・・・あっ・・・!」
一気に刺激が増し、すでに限界寸前であった和希は、ブルブルと足腰を震わせながら四肢
を引き攣らせる様に力ませていく。
和希のそんな様子に、宮部はペニスを掴む手の動きをいっそう加速させてくる。
そして次の瞬間、和希はあまりに不本意極りない状況の中で、絶頂へと導かれていくのだっ
た。
「っ・・・!」
勢いよく、大量の精液が和希のペニスから噴出していく。
その光景に、宮部は瞳を爛々と輝かせながら魅入る。
大きく噴き上がった和希の白濁は、そのまま少年の下腹部、太股、周辺のシーツ、そしてペ
ニスを掴む宮部の手や腕などへと降り注ぐのだった。
この時ばかりは、一時的ながらも和希は頭の中が真っ白となり、思考がストップしてしまう。
鬱屈していた欲望を一気に吐き出した直後の解放感にしばし和希は茫然自失となるも、しか
しその後に待っているのは、宮部という唾棄すべき存在によって自分は射精にまで達してしまっ
たのだという、絶望的なまでの自己嫌悪であった。
「やっぱり若い男の子は勢いが違うねぇ。ホント、羨ましいよ」
事もなげに言ってくる宮部の言葉が、打ちひしがれる和希の心をいっそう残酷に抉っていく。
あられもなく乱れた衣服と精液に塗れる素肌、そんな和希の姿を宮部はこの上なく満足そうな
様子で眺めていた。
やがて絶頂の余韻も冷め始めると、和希は疲労と脱力感に、息を荒げながらそのままベッ
ドの上でぐったりとしてしまう。
(今日は、随分とあっさりしてるな・・・)
いつもの宮部ならもっと執拗に責め立ててき、一度の射精を迎えるまでに和希は泣き叫びた
くなる程に身悶えさせられていた。それだけに今夜のこの淡白さが逆に、和希は不気味に感じ
てならない。
しかしその疑問を、すぐに和希は理解させられた。
「今夜は、分かってるね?」
「はい・・・」
土曜日の夜はまだ始まったばかりなのだと、和希は改めて気付かされていく。家族には友達
の家に泊まると伝えてある。今夜、和希が時間に拘束される理由はもう何もない。
「今日は君との一晩を過ごせるんだ、たっぷりと私を楽しませてもらうからね」
穏やかにそう言ってくる宮部ではあったが、和希へと向けられるその瞳はギラギラと輝き、ま
さに獲物へと今にも襲いかからんばかりの獣そのものであった。
「いい眺めだ、特にそのユニホーム姿だと余計にそそられるものがあるよ」
命ぜられるがまま従順に従う和希に、宮部の屈折した加虐心がいよいよ昂ぶっていく様
子であった。
身に着けるユニホームのシャツと靴下はそのままで、ハーフパンツと下着だけを脱がさ
れた和希は、ベッドの上で四つん這いの姿勢を強いられる。そして腰を突き出し無防備に
曝け出される少年のアナルは、背後の宮部から執拗な視線を浴びせられるのだった。
(いっそもう俺を殺してくれ・・・)
恥辱に塗れる和希は、本気で舌を噛んでしまいたい衝動を覚えてならない。中途半端な
格好で恥部を露出させられるという今のこの姿に、和希はむしろ全裸になる以上に無様で
惨めな気分で一杯になっていく。
「ほら、もっと両脚を広げてお尻をこっちへ高く向けなさい」
すかさずそう指示してくる宮部に、和希は言われる通りに体位を修正する。プライドも
誇りも全て奪われ、今や和希は宮部を楽しませ満足させるという、ただそれだけの存在で
しかなかった。
やがて十分に和希の姿を堪能した宮部は、その臀部へと静かに右手を伸ばしていく。
滑らかな肌とラインの両丘から覗く和希の蕾へと、さっき自らが放った精液が宮部によっ
て丹念に塗り込められてくる。
「あっ・・・はぁ・・・」
生温かな粘液と指の感触を表面で感じながら、和希は小刻みに身を震わせた。
やがてねっとりと潤ったその蕾に、宮部は中指の先端を押し当ててきながら、グッと圧
力を加えてくる。
「んんっ・・・あっ・・・」
ズブズブと、宮部の指が和希の中へとゆっくり埋められていく。
引き締まった内腔へと強引に侵入してくる異物の圧迫感を感じさせられながら、自然と和
希はくぐもった声を漏らしてしまう。すぐにシーツへと顔面を強く押し付け、和希は必死に
堪えようとする。
「君もすっかり、後ろの方の味を覚えたみたいだねぇ」
「やぁっ・・・んっ・・・ああっ・・・!」
すぐに探り当てられた敏感な部分を刺激され、和希は甲高い声を発して何度となく身を捩
じらせた。鈍痛にも似たその感覚は、内部から下腹部や股間へと響く様に拡散し、否応なく
身体を反応させてきてしまう。
「君のオチンチン、もう元気を取り戻してきたのかい?」
宮部はそう言いながら、未だ射精を終えて間もない少年のペニスへ、覗き込む様にして
視線を向けてくる。
己の白濁に塗れてテカる和希のペニスは、指で刺激されるアナルの感覚に呼応する様に、
いつしか再び幹を硬くさせ始めてピクピクと脈打ってきていた。
「も、もうやめてください・・・あっ・・・んぁっ・・・!」
「君くらいだよ、お尻を責められてそんなに気持ちよくなれる中学生は」
「違う、俺は・・・」
「何が違うって言うんだい?」
「ひぁっ・・・!」
内壁のその一点へ、宮部の指がいっそう強く食い込んでくる。
ビクンッと、和希の身体が激しく震えた。駆け巡る強烈な刺激に、和希の全身が火照る
様に熱くなっていく。
「今の自分がどんな姿になっているのか、自覚出来てるのかい?さっきまであんな爽やか
でカッコよかったサッカー少年が、今じゃお尻に指を入れられながらいやらしく喘いで、
アソコをビンビンに勃起させている。こんな今の和希君の姿をもし友達が見たら、一体ど
んな風に思うだろうね?」
「やめろ!」
耐え切れなくなった和希は、泣き叫ぶ様な声を上げた。瞳からも涙がボロボロと零れ落
ちていく。
しかしそんな和希へと、残酷な現実が容赦なく突き付けられる。男の指で肛門を弄られ
るという、あまりにおぞましい行為に晒されながらも、少年のペニスはすっかり反応を著
明にさせていき、射精後とは思えない逞しい姿を取り戻していくのだった。
「本当に君はいやらしくて、いけない子だ」
宮部はほくそ笑みながら、もう片方の手を和希のペニスへと伸ばしていく。
「んんっ・・・はぁっ・・・」
怒張する幹へと、宮部の指が絡められる。しかし今度は、さっきの様に本格的な刺激を
和希へ加えてくる事はなかった。二度目の勃起ながら若々しい精力が漲る少年の欲望を愛
でるかのごとく、その手の動きは緩慢なものでしかない。
そんな宮部からの行為に、和希の身体はいっそう疼き出してきてしまう。
「また出したくなってきたのかい?全く、若い男の子は羨ましいよ」
「・・・・」
和希は涙目で悔しさを露骨に表情へ滲ませながらも、もう何ら反論する事が出来ない。
股間の奥底から込み上がってくるもどかしいまでの欲求に、亀頭は改めて潤いに満ちてい
き、透明な液体が糸を引いてシーツの上へと垂れ落ちていく。
しかしその時、それまで散々和希の中を蹂躙していた宮部の指が、あっさりとそのアナ
ルから引き抜かれてしまう。
「っ・・・?」
いよいよ宮部の行動がエスカレートしていく矢先だと思っていただけに、和希はどこか
拍子抜けさせられるものがあった。それまで内壁を押し広げていた圧迫が消え去った事に、
むしろ妙な空虚感が和希の中に残る。
それだけでなく、なぜか宮部はペニスからも手を離してしまい、和希の身体を完全に解
放してしまう。
本来なら安堵させられるものなのだろうが、何ともいえない中途半端さに和希の火照っ
た身体と昂ぶり出していた気持ちはどうも落ち着けないままであった。
「さぁ、こっちを向きなさい」
宮部からの指示に、四つん這いになっていた和希は身体を向け直す。
「和希君のエッチな姿を見てるばっかりじゃ、こっちが堪らなくて仕方がない。そろそろ、
私の方も何とかしてもらおうか?」
宮部はそう言いながら、自らのベルトやズボンのホックを外していく。
カチャカチャと、静まり返った室内に強調されて響くベルトの金属音。その音は今や、
和希の中で条件反射的に恐怖を煽るものとなっていた。
そして次の瞬間、すっかり怒張しきっていた宮部のペニスが曝け出されてき、和希は顔
を強張らせて息を呑む。
「今度は、和希君が私を気持ちよくさせる番だよ」
和希へと、宮部はそう静かに言ってきた。
「その・・・どうすれば・・・」
恐る恐る、和希はか細い声で宮部へと問う。
しかし宮部は、そんな和希へどこか不愉快そうな表情を向けてきた。
「まだ分からないのかい?君はお父さんの会社の存続をかけた接待をしているんだ。その
私をどうすれば喜ばせられるのか、少しは自分で考えたらどうだ」
「・・・・」
宮部からの辛辣な言葉に、和希は深く俯いて下唇をギュッと噛み締める。
「君だって、もうそれなりに要領は掴んでるだろ?」
そう言ってくる宮部が何を自分に望んでいるのか、和希は考えるまでもなかった。もう
慣れた事だと自らへ言い聞かせ、シーツの上で膝立ちの姿勢で向かい合う宮部へと、和希
は身を屈めていく。
そして眼前に位置した宮部のペニスを、和希は両手で包み込む様にして掴み、ゆっくり
慎重に扱き出す。
和希からの行動に、宮部はフッと口元に笑みを浮かべてきた。後はただ見守る様に、奉仕
を始めた少年の健気な姿を無言のまま見下ろし続ける。
いかに宮部が和希という少年に夢中となっているのか、その下半身の状態が十分に物語っ
ていた。相手が中年男性とは思えない程に、青筋を何本も浮き上がらせながら逞しく反り返
る幹と、剥き出しの赤黒い亀頭。未だ性に目覚めて間もない和希のとは違う、大人の男とし
ての十分な風格を漂わせるものであった。
そして同時にその猛々しい一物は、これまで何度となく和希の身体を陵辱してきた恐ろし
い凶器でもあった。和希にとってそれは、己を這い上がれぬまでの絶望へと突き落とす事と
なった、根本的な存在なのである。
「そろそろ、こんなんじゃ物足りなくなってきたよ」
ペニスを擦る和希へと、やがて宮部は呟く様に言ってきた。
和希はそろそろ次の行動に移らねばならなくなる。
(さっさとこいつをイカせて、終わりにしよう)
夜はまだ長い。このままではとても自分の身が持たないと、和希はそう合理的な思考をす
る事で何とか自身を苛む屈辱を和らげようとした。
「そのまま・・・横になってください・・・」
和希がそう言うと、宮部は素直にベッドの上で仰向けとなる。
そんな宮部の傍らへと和希は身を置きながら、両手をシーツの上へと置いて体勢を保ちつ
つ、男の腰の辺りへと横から覆い被さる様にゆっくり上半身を傾けていった。
宮部の直立するペニスへ、和希の口元がしだいに接近していく。
顔を間近にまで寄せると、ムンッとする、男の独特の臭いがいよいよ鮮明になって鼻へと付く。
ゾワゾワする様な、何とも不愉快な感覚が和希の全身を駆け巡る。もう何度となく経験してきた
行為ではあるものの、それでも未だ身体は激しい拒絶反応を示してきてしまう。
(やらなきゃなんないんだ、そうじゃなきゃ、俺は何のために今まで頑張ってきたんだ!)
和希は自らへ必死に言い聞かせ、一気に宮部のペニスを口へと含む。
「んっ・・・んんっ・・・」
口の中一杯に広がる宮部の熱いその塊の感覚に、和希の顔はいよいよ嫌悪に歪んでいく。それで
も懸命に自らの気持ちを押し殺し、宮部のをさらに喉元深くまで和希は咥え込む。
その間、横になる宮部は何ら言葉を発してくる事もなく、瞑目したまま和希からの行為に身を委
ねていた。
「はぁ・・・んっ・・・」
この耐え難い精神的苦痛から解放されるには、一刻も早く宮部を快感の絶頂へと導かねばならな
かった。それだけに和希は、無我夢中で口に含んだそのペニスをしゃぶり、舐め、扱きと、思い付
く限りのテクニックを駆使していく。
「いい、最高だよ、和希君・・・やっぱり君は覚えがよくて賢い子だ」
「・・・・」
ここまでして文句を言われるよりはましなのだろうが、それでもそんな宮部の称賛する様な言葉
が、今の様な行為を初めて強いられた時の辛い記憶を蘇らせ、和希の心を苛んでいくのだった。
『その程度の事も出来ないなら、君だけじゃなく家族全員がもっと辛い目に遭う事になるんだよ?』
そう脅され、命令に従わされたあの日の夜は、決して遠い過去の話ではない。宮部から厳しい叱
責を何度も浴びせられる中、無理矢理にペニスを咥えさせられる和希は泣きながらその残酷な奉仕
に努めたのだった。あの日以来、行為自体にはある程度慣れた和希ではあったが、その分宮部に対
する憎しみいっそう募っていくばかりであった。
やがて和希は、宮部の亀頭部分を舌先で集中的に刺激していく。
「ああっ・・・」
恍惚の声が漏れながら、宮部のペニスが和希の眼前で何度も勢いよく脈打ってくる。
良好な反応を示し始めた男の欲望に対し、和希は一気にたたみ掛けるとばかり、もう一度ペニス
を大きく咥え込みながら、激しく口で扱いていった。
「そのくらいで、もういいよ」
しかしその矢先、突然な宮部の言葉で行為は中断させられてしまう。
このまま何とか口だけで済ませられればという、和希の目論見はやはり甘いものでしかな
かった。
「さて、そろそろ一段落つけようか」
宮部は身を起こしながら、いよいよ和希にとって最も恐れていた行為への移行を宣言して
くるのだった。
そんな宮部の股間へ、改めて和希は視線を向ける。
(今晩、何回こいつの相手しなきゃなんないんだよ・・・)
和希の奉仕ですっかり唾液に潤ったその逞しい一物を見る限り、そう簡単に欲望が枯れ果
ててくれるとは到底思えない。このままでは本当に自分の身体が壊れてしまうのではないか
と、和希は恐怖に駆られていく。
しかしもう、和希はそんな先の事を考えていられる余裕すらなかった。次の瞬間には、攻
守交替とばかりに宮部が和希へとまた覆い被さってくる。
和希は仰向けに押し倒されるや、宮部によって両脚を持ち上げられて大きく開脚させられた。
あられもない体位で、再び宮部の前に和希のアナルが堂々と曝け出される。しかし今度は、
さっきの様な戯れのごとき生易しいものではなかった。すっかり欲情に瞳をギラギラと輝か
せる宮部は、衝動的とばかりの勢いで、一気に和希のアナルへと顔を埋めてくる。
「ひっ・・・!」
収縮する蕾へ、ねっとりとした宮部の舌が擦り付けられてき、和希は激しく身悶えた。
(この変態が・・・!)
いくら事前に身体をしっかり洗っているとはいえ、躊躇いなく自分の肛門へと口や舌を押
し付けてくる宮部の行為は、和希にとっておぞましい限りの嫌悪を抱かせていく。
しかしそんな和希のアナルへと、宮部は執拗な愛撫を繰り返す。そして押し広げられた和
希の蕾の中へまで、宮部は舌を強引に押し込んでくるのだった。
「あっ・・・ああっ・・・」
いつの間にかすっかり萎えていた和希のペニスも、ここにきて急速に回復し始める。
すると宮部は頃合いを見計らうかの様に、一旦は顔を上げてきながら、今度は指を二本同
時に和希のアナルへ乱暴に挿入していく。
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