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  • 2014⁄04⁄02(Wed)
  • 00:05

:友達同士でオナ射君

 夜の住宅街。巨大な墓標のようにそびえ立つ、コンクリート作りの集合住宅の群れ。
 一軒のマンションの、とある一室。
 もうすぐ日付の変わる時間帯にあって、そこはまだ明かりが灯っていた。
 
「違うって那緒、これこれ、この二番目のヤツ」
「分かったよ…ってか、那緒って呼ぶな」
 まだ明るい部屋の中では、二人の少年がパソコンの前に座って、マウスを操作していた。
 那緒と呼ばれた少年は、毎度お馴染みの我らがオナ射君。
 そして少年を那緒と呼んだのは、彼の幼馴染で同級生の星太(せいた)だ。
 相方の少年よりも少しだけ背の高い、ほんのり日焼けした肌の持ち主で、大きく意志の強そうな目としっかりした顎、そしてあちこちに飛び跳ねている短髪は、スポーツ少年のような精悍な印象を見る者に与えた。
 
 仲の良い星太の家に遊びに来て、時間も遅いからとそのまま泊まることになった少年。
 今はパソコンを使い、二人して夜のオカズを教え合ったり、探したりしているところだ。
「そうそうこれこれ、さすがオナニーエリート仕事はえーっ」
「だからぁっ」
 少年が嫌う『那緒』と言う呼び方。
 実は小学生の頃、性関連に精通している少年に対して、星太が付けたあだ名だった。
 オナニーから文字を抜き取って順番を変え、当て字まで考えた呼び名が、那緒。
 どうやら少年は、小学生の頃から相当なやり手だったようだ。
 日付を跨いだ深夜。
 暗闇に沈んだ星太の部屋の中、ベッドで寝る幼馴染と、床に布団をひいて横たわる少年。
 床に就いてから既に30分…しかし眠気はなかなか訪れない。
(…まいったなぁ…収まらないよ…)
 寝る前に二人で見ていたアダルト動画が、どうやら彼のストライクゾーンに入ったらしい。
 少年の高まりがパジャマを突き上げて、なかなか収まる気配を見せてくれない。
 …ッ……
 布団を被り、静まり返った世界で一人悶々とする彼の耳に、小さなノイズが入ってきた。
 
 ギシッ…
 星太が身じろいでいるのだろうか、ベッドの木材が軋む音がする。
 ギギッ……ギッ…ギシッ…
 直ぐに終わると思われた音だが、定期的な間隔で雑音は続く。
 布団から顔を出して目を開けると、ベッドの掛け布団の一部が、小刻みに揺れていた。
(……まさか、星太…)
 就寝前のオカズ巡りで催したまま、床に就いた二人。そして夜中に軋むベッド。
 同じ性少年として、何が起こっているのか容易に想像できた。
(オナニーしてる…)
 間違いない。小さい頃から良く知る幼馴染が、男の秘密の行為をすぐ近くで行っている。
 ドクン…ドクン…
 少年も、別にホモっ気がある訳ではない…とは断言できない気もするが、少なくとも現時点では、明確に男好きと言うわけでは無い。
 一種の群集心理、自分のオナニーへの欲求が、そうさせるのだろうか。それとも親しい同性の痴戯に、何かいけない昂ぶりを感じてしまったのか。
 幼馴染の密やかな手慰みに、胸の鼓動を早めてしまう。
「…っ、うっ……」
 さらに、気まずさに耐え切れず、とにかく何か動こうと腰の位置を変えた際に、大きくなったままの少年器官を、布団に押し付けてしまう。
「んっ……」
 予想以上に昂ぶっていた肉棒から、心地よい性感のレスポンスが返って来て、少年に事態を解決する別の選択肢が残っていることを教えた。
 視線の先には、相変わらず夜の行為を続ける星太が、乾いた音の欠片を撒き散らしている。
(星太もしてるんだから……僕も…)
 友人のいけない行為に、少年も少し大胆な気持ちになってしまったらしい。
 アクロバティックな論理で自分を強引に納得させると、左手を枕元に伸ばし、履いてきたズボンのポケットから、ポケットティッシュを抜き取る。
 既に2枚ほど使っているが、枚数はギリギリ足りるだろう。
 両手を腰にやると、そろそろと音を立てないように、寝巻きのズボンを下着ごと下ろす。
 ッ、サァッ…
 そのまま膝まで静かに下ろすと、中から勃起した若茎が飛び出るように現れる。
 肥大化した牡茎は、既に扱くには十分な硬さで、包皮も亀頭の中程まで後退していた。
(星太の部屋でしちゃうなんて、変な感じ……)
 裸の少年器官の先端に感じる、いつもとは違う布団の肌触り。
 ここが自分の家ではなく、幼馴染の部屋であることを、敏感な部位への感触で伝えてくる。
 身体を横に向け、肉棒に右手を添えて準備を整えると、最後にもう一度だけ耳を澄ます。
 ギッ…ギッ…ギシッ…
 相変わらず聞こえるベッドの軋み。少しだけ前よりピッチが短くなった気がする。
(星太も…堪んなくなってきてるんだ…)
 友人の昂ぶりが生み出す乾いたBGMに耳を傾けながら、少年も右手を動かし始めた。
 シュッ…シュッ…
 静かに音を立てないよう、周りを気にしながらの自慰行為。
 自らの若茎を、欲望のままに触ることができないもどかしさの中、牡の快感を汲み出す。
(もっと、大きく動かしたいけど…)
 大っぴらにはできない。鳴り続ける軋んだ音が、幼馴染の存在を忘れさせない。
 しかし静寂の空間内での控え目な刺激も、性欲溢れる若い牡には十分なようだ。
「…っ……」
 右手が半勃ちの若茎を這い、まだ余裕のある皮の上から緩やかに扱き上げる。
 そこから生まれる仄かな喜悦は、年若い血潮を滾らせ、更なる牡の膨張を引き起こす。
 グゥッ…
 手の内で、どんどん硬さを増しながら大きくなる牡幹。
 反り具合は浅く、ほぼ真っ直ぐな伸びの肉棒だが、手で扱き上げるには丁度良い。
(本格的に、のってきちゃったな…)
 こうもあからさまな自分自身の変化が、気恥ずかしくもあり、頼もしくもあった。

 手の動きに沿って肉棒を這う包皮を使い、硬くなった竿やカリ首の段差を扱き上げる。
 ほぼ戦闘態勢を整えた牡幹を握り、上下に動かす様は慣れた手つきで、全く澱みない。
「ん……っ……」
 徐々に調子の出てきた行為に、股間の高まりも八割以上の充血度にまで達している。
 包皮を押し退けた先端には、まだ我慢汁の湿りは無いが、若さ溢れる色艶を覗かせていた。
「…っ……ふぅ…っ……」
 密やかな吐息と共に、包皮越しに勃起を締め上げ、擦り続ける右手。
 しかし、彼の頭の中を占めるのは、先ほど見たオカズ代わりのアダルト映像ではない。
(こんな、星太の部屋で…星太の隣で、しちゃってる…)
 まだまだオカズが無くても、本能から来る昂ぶりだけで十分な年頃。
 そんな彼を熱くさせているのは、普通ではない環境、普通ではない状態の隣人だった。
(二人で一緒に…オナニーしちゃってる…)
 幼馴染が自慰行為をする近くで、自分もこっそりと牡の欲望を発散させる…
 もどかしさと同時に感じる、いけない事をしている時特有の息苦しい緊張感。
 だがそれが、性的興奮に繋がることもあると言うことを、少年は身体で理解していた。
 着実にヒートアップする行為。だが、ふと気がつくと、ベッドの軋みが止んでいる。
(星太、出しちゃったのかな)
 お楽しみを中断し、こっそり様子を確認しようと、被った布団から顔を覗かせると…
「!!」
 少年の身体が、布団の上からでも分かるほど、大きく跳ね上がる。
 その視線の先には、ベッドに横たわったまま、自分を見つめる幼馴染の顔があった。
(ぇえっ!?み、見られちゃった!?)
 食事中の獣は、周囲の敵をとかく気にする。あれだけ音を発していた星太が、周りを警戒しない道理は全く無い。
 音はしなくとも、小刻みに揺れる掛け布団をみれば、少年が何をしていたかは明確だろう。

 オナニー自体ではないが、明らかな証左を見られた…軽い絶望に少年は打ちひしがれる。
 だが視線を合わせる星太からは、なかなか次のアクションが来ない。
 外から差し込む満月の蒼い光が、二人の少年の顔を照らし出す中、奇妙な睨み合いは続く。
(どうしよ、何か言ったほうが良いのかな…)
 次の手を考えあぐねる少年に、幼馴染の静かな声が掛かる。
「那緒、さぁ…」
 少し固い、言葉を選びながら喋るような、おどおどした口調。
「……何」
 普段の快活な星太とは全く違う語り口に、違和感を覚えながらも先を促す。
「…ずっと、起きてた?」
 その一言で、即座に合点がいった。
「うん…全然寝付けなくって…」
 星太は、危惧しているのだ。少年が、自分の行為に気づいていないかと。
 だから自分は起きていたと返答し、ずっとベッドの軋む音を聞いていたと暗に伝える。
 これで立場は対等。こっそりと淫らな一人遊びに浸っていた、哀れな性少年が二人。
 
(でも、ここからどうしよう…)
 自分から見なかった事にしようと、妥協を提案するのは、何か負けた気がする。
 何よりも、いかがわしい行為をしていた事実を、先に認めることになる。
 それがどんな危険性を持つか…数多の暗い未来の光景が頭を過ぎる。
 このまま布団を被って、寝てしまおうか…そう思い始めた時だった。
 ギシッ…
 先ほどまで何度も聞いた、乾いた音色。
 ギッ、ギシッ…
 聞き間違いでは無い。今度は続けざまにベッドが軋み、フレームが小さな悲鳴を上げる。
 さらに、小さく一定のペースで上下に動く、星太の掛け布団。もう間違いない。
(星太、まさか…始めちゃったの!?)
 何と少年と顔を合わせたまま、オナニーを再開してしまった。

(本当に…しちゃってる…)
 行為自体は見えないが、甲高い音と布団の動きが、彼の上下運動のペースを教えてくれる。
 月明かりによる蒼い顔も、よく見ると少し目が潤み、鼻息も何時に無く荒い気がする。
(どうしよう……どうしたら…?)
 少年の目をしっかり見つめながら、恥ずかしい痴戯から来る快感に身を任せる星太。
 その真意を測りかねる少年には、どうすれば良いか分からなかった。
 前提条件は、布団に包まる発情した少年二人。一方は自慰行為を、一方は何もしていない。
 だが解決不可能と思われた難問に、意外な第三勢力が一つの答えを少年に示した。
 ムクゥ…
 快感を貪る星太を羨ましいと思ったのか、それとも幼馴染のオナニーに、いけない興奮を感じてしまったのか。
 半勃起にまで萎えていた肉棒に、再び血が集まってその身を勃ち上げた。
 
(えっ…っ)
 思いもよらない反応に、驚愕が表情に出る寸前まで驚く少年。だが、股間の肉棒が何を求めているかは考えるまでも無い。
(で、でも…)
 男友達と見つめ合いながらオナニーなんて…目の前には実際に『そうしている』星太の顔。
 こんな状況じゃ、しようにもできないよ…ひくつく肉棒が、臨戦態勢をアピールする。
 詰め将棋の如く、少年の反論を一つずつ潰していく現実。
 時々しゃくり上げる勃起が、皮に守られたカリを布団に擦り付け、快楽で彼を誘惑した。
「…っ……」
 星太の口から、僅かに漏れ出る呻き声。彼の昂ぶりがどんどん高まっているのが分かる。
 このまま何もしなければ、少年を悩ます夜は、何事も無かったように終わるかもしれない。
(…今、しか……)
 星太の心中は分からないまま、時間に背中を押された欲望が、一つの決断を下す。
(…別に、星太もしてるんだし……これでお互い平等で…秘密…だよね…)
 結局、本能から来る欲求には勝てなかった。
 再び牡幹を掴むと、早速とばかりに上下に扱き始める。
 手の動きに合わせて開閉を繰り返す包皮は、餌をねだる鯉の口を思わせた。
「んっ…」
 男とはいえ、実際に初めて見る、他人の淫らな行為。しかも相手は親しい幼馴染。
 そんな異常な状況に興奮した高まりからは、普段より高電圧の性電気が流れ出して、彼の心と身体を痺れさせる。
「…ふ…っ……」
 少年がオナニーを始めたのを見て、星太の布団の揺れが、徐々に大きくなっていく。
 声が出るのを必死に我慢して、それでも漏れてしまう呻きが、彼の昂ぶりを体現する。
 快感にのめり込む表情も、澄ました表情を保とうと力を込めるが、心の芯が腑抜けてしまったように惚けている。
(まずっ、来ちゃいそう…)
 腰の奥が、グイグイと収縮する感覚。射精前の兆候だ。
 特異な状況に加え、自慰の途中だったこともあり、かなり早めの前触れが訪れる。
「っふ…っ、んっ…!」
 絶頂を先延ばしして、もっと快楽を楽しみたいという気持ちと、星太よりも先に射精して早漏と思われたくないという意地。
 二つの男の性分が、のっぴきならなくなる前に手を離させて、ひとまず窮地を脱する。
(今のうちに、ティッシュ用意しておこう)
 この小休止の間にポケットティッシュの紙を全て取り出すと、股間の前に敷き詰め始める。
 亀頭の下と射線に沿って二枚重ねのティッシュを置き、両サイドにも紙を敷いておく。
 射精時は掛け布団に注意する必要があるが、一通り準備は整った。
 シュ…シュゥ……
 右手が熱い高まりを包むと、再び上下に動き始める。
 だが、その動きは優しいを通り越して、もどかしい程ゆっくりとしたフェザータッチだ。
「っ…んんっ…」
 それは牡の迸りを遅らせて、自分自身を焦らす為の、射精をコントロールする手管。
 ギリギリまで我慢して快感成分を溜め込み、ありったけの気持ちよさを一気に解き放とうと言う、浅ましい算段だった。
 
 一時停止と再開を反復する少年の様子に、彼が射精寸前なことに気づいたのだろうか。
 少年の絶頂に追いつこうと、星太の動きがより早く、大きなストロークになる。
「っ…ふっ、んぅっ…」
 先にイキたくはないが、大きく遅れて一人だけオナニーを続けるのも恥ずかしい…
 申し合わせたように二人同時の発射を目指し、痴態に浸る顔を互いに注視する。
「…っ…ふ……」
 無様な喘ぎ声は絶対に出したくない…口を閉じて声を押し殺し、鼻息だけが二人の興奮を相手に伝えた。
 射精感を一先ずやり過ごすと、快楽の上下運動を再開するが、たった数回の扱きで、すぐに欲望の間欠泉が身体の奥から昇り始めてしまう。
「ふ、ぅくっ……んん!」
 早々に湧き出す絶頂感に、慌てて手を離すが、少年にも回復の余白はあまり多くはない。
 尻穴を締め付け、今にも尿道へ雪崩れ込みそうな精液を、腰の奥で懸命に食い止める。
(まずい…オチンチン、イキそうなのが収まらないよ…っ)
 ビクビクと危険なひくつきの止まらない肉棒から、なかなか射精感が引いてくれない。
 何とか決壊を防ごうと、藁にもすがる気持ちで星太の顔を見つめて、気を逸らそうとした。
「ん、う…っ、んっ…」
 見つめ合う瞳。時々恥ずかしそうに少年から目を逸らしては、しかしすぐに視線を戻して、いけない快感に酔う姿を窺う。
 フッ、フー…フゥーッ…
 口を結んで破廉恥な声を封じ、代わりに小鼻を膨らまして、淫気に溢れる吐息を吹き出す。
(いつもと全然違う感じだな…)
 恥ずかしがり屋の小動物のように、痴態を晒すのを必死に我慢する初々しい反応。
 凛々しい顔立ちとのギャップは滑稽ではあるが、それ故に年相応の可愛らしさを強調する。
 相手は男、それも日頃顔を合わせている幼馴染…それが分かっていても、演技無しの生の媚態と、共にオナニーで気持ちよくなるという状況は、少年を奇妙な興奮に染め上げ、遂には…
 ビクッ!
 一際大きくおののく少年器官。それを合図に、下半身の奥底から白いマグマが火口目指して流れ始める。
「く、うぅっ…!」
 一瞬開いた口から、堪えていた喘ぎ声が弾けるのと同時に、射精感が境界を跨いだ。
(ダ、ダメッ、まだダッ、メェ…っ…!)
 絶頂寸前とはいえ、全く肉棒に触れていないにも関わらず、自慰の快感に歪む幼馴染の表情で興奮し、若茎をイキつかせてしまう。
「んんぅ、っ!ぁむぅ…っふ!」
 漏れ出た声を合図に、口を閉じていても、勝手にくぐもった喘ぎ声を喉で鳴らしてしまう。
 普段からよがり声を出して昂ぶってしまう、少年のいけない性癖は、自身をさらに熱くさせ、絶頂感を後戻りできないところまで滾らせてしまった。

 勝手に昇り来る性感に悶える少年を見て、対面の幼馴染は…
 ギ、ギギッ、ギッギッギッ…
 ベッドが、ピッチの短い喘ぎ声のような音を上げる。
 フッ、フウゥ…フゥーッ…!
 途切れ途切れの、猛々しい鼻息。
「…っ…!…ぁ…ふ、くっ!」
 声にならない悦びの迸り。そして、驚愕と興奮で目を見開き、イキつく少年を凝視するギラついた目には、月明かりの元でも分かる明らかな欲情。
 星太は、少年の痴態に、興奮していた。

(星、太……!?)
 幼馴染の、自分の身体を苛めるような激しい上下運動。
 絶頂の階段を二段飛ばしで駆け上って、発射寸前で踏み止まる少年に追いつこうとする。
(星太、ホントに…僕で興奮してるの…?…オチンチン…おっ勃てちゃったの…?)
 それ以外に考えられない幼馴染の反応。だがそれをおかしいとは、異常とは言えない。
「ん、んっ!…んうぅ……くっ!」
 なぜなら、少年も同じ熱を抱え込んでいるから。
 ビクッビクッ…!
 大量の先走り汁が、玉となって尿道口からダラダラと溢れ出した。
(星太と一緒に、オナニーして…オチンチン、気持ちよくしちゃってる…っ…!)
 まだ胸の内で整理出来ていない、もやもやした感情と正体不明の動悸。
 それが友達同士でオナニーをするという、ある種の一体感から来るものなのか、それとも…
 自分を不安にさせる妖しい高鳴りに、どう向き合えば良いか分からないでいた。

 しかし、葛藤に乱れる心が結論を出す前に、終わりの時はやって来る。
 絶頂へひた走る友人の表情を見て、我慢のできなくなった右手が下肢に伸びていく。
「んっ…!」
 淫熱の源を軽く五指で摘むように添えると、それだけで腰椎を蕩かす灼熱が走る。
 しばらく放置していた高まりに沿って、スッと手を軽く動かすと…
 ビクビクッ!
 手指を弾き飛ばさんばかりに、首を振って暴れる若茎。子犬を撫でるような優しい一撫でで、収まりかけていた射精感が、あっという間に昇り来る。
 騙し騙し引き伸ばしてきた牡の最期だが、もう誤魔化しきれなかった。
 指先だけでなく掌全体で握り込み、猛然と扱き始めると、三往復もいかないでホットミルクが牡幹の中を昇り始める。
「ん、んっ…づっ!イッ…ヴゥ!!」
 喉奥で唸る様な喘ぎ声を合図に、焦らしに焦らした喜悦を、幼馴染の目の前で解き放った。
 ブピュルウゥッ!!
 布団に敷いたティッシュに、少年の元気の証が迸る。
 若さに裏打ちされた量と濃さは、最初の数射でティッシュの半分を黄ばんだ粘液で覆い尽くすほどで、改めて牡の欲望の深さを思い知らされる。
 二枚重ねのティッシュをも突き破らんばかりの勢いも、正に白濁の銃弾と言った雰囲気だ。
 勢い、量、濃度。三拍子の揃った射精は、吐き出す少年に堪らない悦びを与え、快楽のフラッシュが全ての思慮や理性を一時的に麻痺させる。
「んぐっ!んむううぅっ!!」
 それでも、脈動を続ける勃起を右手で扱きつつ、左手で掛け布団を上げて、精液が付かないよう調整するのも忘れなかった。
 
 自分より先にイキついた少年を前にして、遂に星太も感極まってしまう。
「…っふ!!…ん!!」
 甲高い呻き声を漏らすと、ベッドの軋みと布団の小刻みな揺れがピタリと収まり…
 フッ!フゥーッ!!…フゥー!!
 今までに無いぐらいに小鼻が膨れ上がると、ジェット排気のような息が噴き出す。
 自分とは違うやり方だが、何が起こったか少年も感づいた。
(星太、イッたんだ…!)
 見たい、星太のイク時の顔、見てみたい…好奇心以上のドロドロした何かに急き立てられ、射精の最中は著しく落ちる視覚認識に鞭打って、牡の愉悦に浸る幼馴染に目を向けた。
 
 どうやら星太は、射精の時は扱かずにジッとしているタイプらしい。
 若さ溢れる筋肉の蠢きが、熱い獣欲の塊を吐き出す感触を、じっくり楽しんでいるようだ。
 時折跳ね上がる身体と、噴き出す鼻息だけが、身を焦がすオーガズムの確かな証し。
 こってりとした粘液が尿道を押し通り、欲望を思うがままに吐き出す悦び。あの感覚を知る人が、感じている人が、すぐ傍にいる…奇妙な一体感と安心、そして…
「っ!…っくっ!……ぅう!」
 少年を惑わせる、紛れも無い情欲。
 
 ビュルッ、ビュルゥツ!
「…んぅっ…!…っ、ふっ!」
「っん!……むぁ、ぁ…!」
 互いのイキ顔を曝し合う、二人の少年による射精の競演。
 禁断の興奮が生み出した、いけない絶頂汁の迸りが、彼らの表情をより淫らに彩る。
(星、太ぁ……っ…!)
 快感で意識を飛ばしかけながら、それでも懸命に惚けた目を合わせ続ける二人。
 しかし、生物としての限界が、二人の時間に終わりを告げる。
 未だに鈴口からは、白い粘液が未練たらしく滲み出て来るが、既に頭の半分は賢者モード。
 大量の精液と共に獣欲を吐き出して、勢力の衰えた本能に理性が取って代わると、急激に後悔の念が台頭する。
(…なんか…とんでもない事、しちゃった…のかな…)
 星太に欲情したかのような、少年の行為。
 良く知る幼馴染の顔が快感に歪む様子に、どこか背徳的な興奮を感じていたのは確かだ。
 しかし同時に、それが同性愛的な欲求や、恋愛感情とは違う気もしていた。
(きっとさっきまでのは、群集心理がどうとか、そういうやつだよ…ね)
 喜悦に染まりきった幼馴染から目線を外すが、なかなか踏ん切りのつかない悩み。
 結局、難解な問題は一先ずスルーして、当面の問題である後始末を始めた。

 布団に包まったままの二人。だが今は、解き放った欲望の後始末に忙しかった。
「……っ…」
 七分立ちを保つ牡幹を握る手が、尿道に残ったザーメンを搾り出していく。
 雫となった粘りつく白濁が、糸を引きながら下に敷いた薄紙へと垂れ落ちた。
 中を綺麗にしたら、次は外側。精液の掛かっていないティッシュで、慎重に濡れた尿道口や亀頭表面を拭っていく。
「……ふ、ぅっ…」
 亀頭を清めるのに使っていたティッシュが、敏感な表面に張り付いてしまう。
 このまま包皮を戻したら、後処理が大変だ…ふやけて弱くなった薄紙を、指の腹で擦り落とすように、慎重に剥がして行く。
「っ、んっ……っ」
 ただでさえ脆弱な亀頭表面、さらに射精直後で感度が高まっている状態では、僅かな接触でも悶絶級の苦しみとなる。
 火傷のようにひりつく赤熱色の穂先を、一苦労で綺麗にすると、次はティッシュの処分だ。
 敷き詰めた紙を丸めて固め、パルプ素材の精液団子を一個作り出す。
(あっ、少し染みちゃってる)
 重ねたティッシュの許容量に収まらなかった白濁が、布団に少し付いてしまっている。
 紙を一枚取って表面を軽く拭き取ると、薄紙の塊を包んで近くのゴミ箱へ落とし込んだ。
 ギッ…ギギッ……………
 ベッドの上の作業を告げる軋みが完全に止む。星太の後片付けも終わったらしい。
(何か…話した方が……いいのかな………)
 考える頭とは裏腹に、少年の目頭がフゥッ…と閉じかける。
 慌てて瞼を開くが、すぐに意識が飛びかけ、目の前を暗幕が覆っていく。
 どうやら射精後特有の眠気が、深夜の時間帯も相まって強烈な睡魔を生み出したようだ。
(……星太…は……)
 三大欲求の苛烈な奇襲攻撃に抗うことも出来ず、膝を折る直前。
 星太は、まだ起きてるのかな…ふとそんな事に思い至ると同時に、夢の世界へと旅立った。
 
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