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  • 2022⁄08⁄07(Sun)
  • 20:30

アツシ少年の災難

ある小学校に、アツシという名の少年がいた。
小学5年生、地元のサッカークラブに所属し、サッカーが大好きで、しかもうまい。
勉強はからっきしできなかったが、顔だちもよく、女子生徒からも男子生徒からも慕われ、クラスの人気者であった。
お調子者の部分もあり、男友達とはその年頃らしい下ネタで盛り上がり、大笑いしたりじゃれあったりすることもある、元気で明るい男の子であった。
屈託のない笑顔、それはある日、突然壊されたのであった。
ある日の放課後、サッカークラブも休みの日だが、「サッカーやろうぜ!」と友達を誘い、学校の近所の運動場でサッカーする約束をした。
「じゃあ早く行こうぜ!」
大好きなサッカーがやれることにはしゃいでいたアツシは、すぐにカバンを持って友達と教室を出ようとした。しかし、
「ちょっと!アツシ今日掃除当番でしょ!」
と女子生徒に呼び止められ、「あれ?そうだっけ?」と舌を出して笑い、いやいやその女子生徒から掃除用の自在箒(じざいぼうき)を受け取った。
「悪い!先に行っててくれよ!すぐに行くからさ!」
アツシは教室の出入り口の扉にいる友達数人にそう呼びかけると、渋々掃除を始めた。アツシが友達とサッカーをする運動場は、いつも同じところだったので、
「早くしろよー」
と友達はアツシを待たずに先に行ってサッカーをしていることにし、昇降口に向かって走っていった。サッカーボールはアツシのを借りることにした。
アツシは四角い部屋を丸く掃除する勢いで、時折真面目な女子に苦笑いで注意をされながら、早めに教室の掃除を終わらせた。
教卓以外の、教室の後方に移動させた机や椅子を乱雑に元の位置に戻し、女子生徒がそれをきちんと綺麗に整えると、ようやくみんなのところに向かう準備が整った。
(うわぁ、案外時間かかったなぁ…早く行かねぇと!)
アツシは同じ班の友達に早々に別れを告げ、カバンを背負うと教室から廊下に飛び出し、昇降口へと走った。
そのときだった。
ドンッ!!
アツシが階段に向かう角を曲がろうとしたとき、6年生の男子に勢いよくぶつかってしまったのだ。
「うわっ!」
アツシと、ぶつかった6年生の生徒の「おうっ!」という驚きの声はほぼ同時だった。
幸い、アツシも6年生も、体が吹っ飛ぶような衝突ではなかったが、衝突は時間を気にするあまり、走って飛び出したアツシに非があることは明白だった。
「あの…すみません!」
アツシはすぐに謝り、その6年生の顔を見上げた。
アツシはそんなに身長が低いわけではなく、平均的な小学5年生の男児の身長だったが、その6年生が平均を上回る大きさだったのだ。
(コイツ…野球部のボスじゃん…)
アツシはこの6年生を知っていた。
知っていたといっても、直接会話したこともなければ、小木という苗字しか知らない。
ただし、野球部に所属し、その体の大きさや力の強さから「ボス」とあだ名され、後輩たちから恐れられる存在であった。その噂は、野球ではなくサッカー一筋のアツシの耳にも届いていた。
同級生で野球部に所属している男子生徒が泣かされた、という話も聞いているし、機嫌の悪い日にはおもちゃのように遊ばれるなどという物騒な噂まであった。
しかし、同じ学年でもなければ野球部でもないアツシにとっては、自分には直接は関係のない話だと思いながら聞いていたのだ。
その悪名高いボスに、まさかこんな形で鉢合わせしてしまうとは、アツシは夢にも思っていなかった。
「あぁん!!??」
アツシの謝罪もむなしく、ボスは眉間に皺を寄せてアツシを睨んだ。正直、小学6年生とは思えない迫力であった。
時折、どう考えても小学生とは思えないような体躯の男子がいるが、ボスはまさに、そういう小学6年生であった。
アツシは「ボスの機嫌が良ければ大丈夫」と内心思っていたが、その望みは見事に打ち砕かれた。反応を見る限り、ボスの機嫌は最悪のもののようだった。
数秒間、ボスはアツシを睨み付け、そして
「あ、お前サッカーやってる奴だろ?」
と言われ、アツシは驚いた。
「え?」
ボスがなぜ多くの児童が在籍するこの学校の中で、学年も違い、部活も違うアツシの存在を認識していたのか、アツシは急に不安になった。
「俺、前からコイツのこと気に入らなかったんだよなぁ」
とボスは言い、それまで眉間に皺を寄せて不機嫌そうな表情だったのを急変させ、意地の悪い不気味な笑みを浮かべた。
あとから分かったことだが、「サッカーが得意な5年生の男の子」として、他学年でもアツシの存在は、有名とまではいかないが、運動部系、殊に球技系の部活の生徒には認識されていたのだった。
無論、野球部のボスの耳にも届いていた。そして、野球一筋できたボスにとって、サッカーが得意でチヤホヤされている(とボスは思い込んでいた)アツシのことは、非常におもしろくない存在だったのだ。
「いい機会だ。ちょっと来いや」
ドスのきいた迫力ある低音の声で、ボスはアツシの腕をつかもうとした。アツシは咄嗟に身の危険を感じ、後ずさったが、いつの間に回り込まれていたのか、ボスの取り巻きの野球部員の6年生たちが背後におり、背負っていたカバンが6年生に当たる。
「なんでですか?ぶつかったのは俺が悪いんですけど、謝ったじゃないですか!」
そんなことを言っても通用する相手ではなかった。
右腕と左腕を一人ずつに抱えられ、背後にもう一人おり、正面にはボスの巨体。アツシは既に逃げ場を失ったいた。
「はなしてください!やめてください!!」
アツシは腕をつかむ二人を振り払おうと試みるが、年齢も上であり、野球部らしい屈強な体つきの前に、アツシはどうすることもできなかった。
結局、ボスたちによって、まるで罪人のような格好でアツシは連行されてしまった。
アツシが連れてこられたのは、屋上の扉の前の踊り場だった。
屋上に行くものなど滅多にいないこの場所は、いつの時代のどの学校でも、いじめには最適な空間だ。
ここに連れてこられるまで、アツシは無言を貫いた。変に大きな声を出したり、激しく抵抗したりして、殴られたりしたらイヤだったからだ。
アツシの記憶の中では、ボスにいじめを受けても、顔や体にあざや傷をつくっている人を見たことがなかった。だから大人しくしていれば、そこまでの暴力はふるわれないかもしれない、アツシはそう考えた。
しかし、この納得のいかない状況に、アツシの表情は連行されているときも終始ムスッとした不機嫌顔になっていた。
ボスは階段をあがりながら、時折振り返り、そのアツシの表情を見てニヤニヤと笑っていた。
踊り場で再びアツシとボスは向かい合った。
アツシは先程と同じくムスッと、ボスはニヤニヤと笑っていた。
「ボス、つぶすか?」
左腕をおさえている6年が、ボスと同じようにニヤニヤと笑いながら言った。見ると、右腕を押さえている6年も笑っており、どうやらこの野球部員たちの中では、これからアツシに対してなにをするのか、もう決まっているようだった。
(コイツら、いつもこんな感じで憂さ晴らししてんのか…)
アツシは冷たい校舎内の空気とは裏腹に、汗がにじみ出るような感覚になった。
「よっしゃ、やるぞ」
「うっ!」
アツシは腕に痛みを感じ、思わずうなり声をあげた。
背後にいた6年が、アツシの両腕をグッと引き寄せ、タイガースープレックスの形でアツシの両腕の自由を奪ったのだ。
痛みと不安から、アツシは目の前のボスを睨み付けた。
「生意気な目つきしてんな、座らせろ」
ボスの一声で、アツシは両腕の自由のきかないまま、床に無理矢理座らされた。
そして、左右の足は少し開かれて伸ばした状態にされ、足の間には、両脇に立っていた2人の6年がそれぞれ、右側に立っていたやつが右足を、左側に立っていたやつが左足を入れてきた。つまり、左右の二人はアツシの足をまたぐようにして立ったのだ。
そして、肩に手を当てられ、
「これで足を閉じることはできないぜ」
と笑った。
アツシはなんのことだかわからず、左右の二人、そして正面に仁王立ちするボスを交互に睨み付けた。
「よし、始めるか」
ボスは嬉しそうに言うと、アツシの伸ばされた足の両足首を掴むと床に腰掛けた。
(え…まさか…)
これから我が身に降りかかる運命を悟ったのか、アツシは若干体を揺さぶろうとしたが、腕はまったく動かず、両脚は閉じたくても、取り巻き二人の足が邪魔して決して閉じることはできない。
(足を閉じられないって、こういうことかよ…クソ…)
アツシは悔しさでいっぱいになり、キッと再びボスを睨み付けたが、ボスはニヤニヤしながら、アツシの予感通り、右足をアツシの股間に押し当ててきた。
「サッカーっていうのは脚力が大事なんだよなぁ?」
ボスは伏し目がちに睨み付けるアツシの顔をのぞきこみ、楽しそうに質問してきた。
「本当の脚力ってのを教えてやるよ」
またしても低い声で、アツシに対する「処刑宣告」をした。
ボスはアツシのジーパンに包まれた股間に、右足をグリグリとゆっくりと押し付けた。
アツシは一言も発することなく、悔しそうにボスの足に踏みにじられる自らの股間を見つめた。足を入れて肩をおさえている二人は、そんなアツシの表情をのぞきこんで笑っている。
「ここ潰すぞ、いくぞ?いくぞ?」
俯いているアツシの顔を、ボスも覗き込むように言うが、アツシはなおも無言を貫いた。
すると、
「おらぁっっ!!」
と叫び、ボスの右足は大きく震えだし、強烈な電気あんまをアツシにお見舞いした。
やられた瞬間、アツシは叫びそうになるのをなんとかこらえ、下を向きながら歯を食いしばり、目をギュッと瞑りながら必死に耐えた。
アツシも今まで、友達とのじゃれあいや罰ゲームなどで電気あんまを食らったことがあるが、ボスの電気あんまはアツシが今まで食らった電気あんまとは比べ物にならないほど強烈なものだった。
大きな足がアツシの股間全体を押しつぶし、屈強な腕が両足をひっぱることで、アツシのタマやチンコは本当に押しつぶされそうなほど強く圧迫された。
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!)
アツシは本当は悲鳴をあげて泣き叫びたかったに違いない。しかし、悔しさから声を出さず、必死に耐えた。
その様子が面白かったようで、
「ヤバいな、これは」
「これ、マジでつぶれるやつじゃね?」
と取り巻き二人はアツシの顔をのぞきこみ、笑いながら言う。その言葉に反論しようと口を開けると、叫びそうになるので、アツシは屈辱的な言葉にも言い返せないでいた。
おふざけや罰ゲームの電気あんまは通常数十秒くらいで終わることが多いが、既にこの電気あんまは5分を超えていた。
ボスはかかとでアツシのタマをすりつぶすように狙ってきたり、爪先でチンコを突き刺すようにしてきたりと、いろいろと方法を変えながら、そして的確にアツシにダメージを与え続けた。
時折漏れそうになる声を、歯をグッと食いしばることによって耐え続けてきたが、アツシはいつ終わるか分からないこの電気あんまに、早くも限界を感じていた。
アツシが限界を感じ始めてから更に5分が経過し、電気あんまが始まってから10分以上が経った。
「もうチンコとれたんじゃね?」
「コイツ女になっちゃうんじゃねぇか」
取り巻き二人はなおも言葉でアツシを精神的に追い詰める。
それに対してボスは、始める前の笑顔が消えており、ギロッとした目で正面のアツシを見つめ、もはや真剣そのものだった。
ボスの足の勢いは止まらず、足の位置も移動させたりして工夫しながら電気あんまはそれから更に5分続けられた。
「ふぅ」
電気あんまが始まって15分、ようやくボスの足の振動が止まった。
ボスの足はアツシの股間から離れ、アツシは食いしばっていた力をようやく緩め、「ハァハァ」と小さく呼吸した。
「つぶれたか?」
取り巻きの一人がアツシの顔を覗き込むと、アツシは顔をあげてキッと睨み付けた。
「こわっ!」
「めっちゃキレてんじゃん、コイツ!」
と言って罵倒してきた。ボスは体勢を変えたものの、タイガースープレックスはまだきまったままであり、取り巻き二人もどいていないため、アツシは足を閉じられないでいた。
しかし、ようやく終わった…
アツシはそう感じ、あとは解放されるのを待てばいいと思っていた。こんな屈辱的なことを受けたのは生まれて初めてであり、悔しくてたまらないが、今は仕返しなどではなく、早くこの場から立ち去りたかった。
アツシが解放を待っていた、そのとき、
「うわぁっっ!」
突然、アツシの目の前の景色が変わった。
取り巻き二人の姿が消え、代わりに現れたのは天井だった。一瞬の出来事で、アツシにはなにが起きたか分からなかったが、タイガースープレックスをかけていた背後の6年が技をかけたまま後ろに寝転ぶように体勢を変えたため、アツシも引っ張られて仰向けにされてしまったのだった。
そして、背後の6年は
「足!足!足もって股広げろ!」
と取り巻き2人に指示を出し、すかさず2人はアツシの両足を片方ずつ持ち、股を大きく広げた。
アツシの急所は、これでもかというほど、無防備な状態にされてしまった上に、タイガースープレックスをかけられたままの仰向け姿勢が更にアツシを苦しめた。
ボスはゆっくりアツシの股間に近づき、ピッタリとしたジーンズに包まれたアツシの急所を見つめ、ニヤニヤすると、親指と人差し指で円をつくった。デコピンの手の形である。
その手の形のまま、ボスはアツシの股間をじっくりと見つめた。
「さぁ、タマはどこだぁ?」
アツシは恐怖心から声も出ず、暴れることもできなかった。首を一生懸命に曲げてボスを見た。そして、
ペシッッ!!
「んっ!」
ボスの指が、アツシの股間を弾いた。アツシは思わず声が漏れてしまったが、幸い、タマをはずれていた。
「運がいいなぁ、ここは竿の方かぁ」
ボスはまたしてもデコピンの形をつくり、今度はアツシの股間に指を当てて、弾く場所を探った。
(クソォ…)
ペシッッ!!
「あっ!」
ボスの指はまたしてもアツシのチンコを弾いた。このときアツシは察したのだ。ボスがわざと、タマではなくチンコを狙ってるということを。
それから何回かチンコを狙われてデコピンを食らった。
しかし、
ペシッッ!!
「んぁぁっ!」
アツシは今までとは明らかに違う声を出した。アツシの全身を貫くような鈍い痛みが股間に走る。
遂にボスの指が、アツシのタマを弾いたのだ。
「あ、ここかコイツのキンタマ!よかったなぁ潰れてなくて」
ボスは今までわざとはずしていたにも関わらず、まるで今初めて見つけたかのような言い方をした。
アツシは痛みで、それに対して反論するどころではなかった。
ペシッッ!!
「あ゛ぁ!!」
再びアツシはタマを弾かれた。
「ちゃんと2つまだついてるじゃん。まだいじめられるな」
するとボスは左手もデコピンの形をつくり、もう的確にとらえたアツシの両方のタマを左右交互に弾き始めた。
ペシッッ!!
「んっ!」
ペシッッ!!
「あっ!」
ペシッッ!!
「ぐうっ!」
ペシッッ!!
「うぅっ!」
何度も何度も急所を攻撃され、さすがのアツシも目に涙をため始めた。
逃げたくても、両腕は使えず、足を閉じたくてもおさえられ、大きく広げられている。
されるがままとは、まさにこのことだった。
ボスは交互に弾いてきたり、左右同時に弾いたり、時折またチンコを狙って油断させてからタマを弾いたりと、楽しむようにアツシの急所を責め続けた。
(たっ…タマが…キンタマが…)
足がビクビクと震え始めた頃、ようやくデコピン、ならぬタマピンが終了した。
もう今度こそ解放される、アツシはそう思った。
その瞬間、
「んぐぅっっ!!!」
今までにないほどの強烈な痛みがアツシの股間に走った。
最後のとどめとばかりに、ボスがアツシの股間強烈な蹴りを一発お見舞いしたのだ。
さすがの取り巻きもこれには驚き、
「いや、これはヤバい」
「さすがに潰れただろ?」
と小さく言ったが、これはアツシを心配して言った言葉ではなく、単にボスの蹴りの強烈さに驚いただけのことである。
「いくぞ」
ボスは小さく低い声で言うと、アツシはようやく両腕も解放され、そのまま床に寝転がって動かなかった。
「またやろうぜ」
「タマ残ってたらな」
「すっきりしたなぁ」
階段を下りていく6年のそんな言葉も、今のアツシには届かなかった。
「アツシ遅くね?」
アツシのあまりの到着の遅さを心配し、友達3人が校舎内でアツシを探していた。
すると一人が、かすかな声のようなものを聞き取った。音をたどっていくと、野球部のボスたちと階段ですれ違った。
「最後のはやりすぎじゃね?」
ボスの同級生の野球部員がボスにそう問いかけると
「あいつ、あれだけやっても泣かねぇからさ、泣かせたくなってな」
なんのことだか分からないが、また誰かを標的にして憂さ晴らしでもしたのかと感じ、その生徒はボスたちと少し感覚をあけてすれ違った。
階段をあがっても誰の姿もなかった。しかし、階段付近からは確かにかすかに声が聞こえた。
(泣き声?)
誰かがすすり泣くような声が聞こえた。少し不気味に感じながらも、よく耳をすませると、屋上へ続く階段の上から聞こえてきた。
(あんなところに誰かいるのか?オバケだったらイヤだな…)
そんなことを思いながら、ゆっくりと階段を上がると、信じられない光景に、その生徒は目を見張った。
アツシが倒れている。
右手で股間をおさえて丸くなり、左手で顔をおおって、声を殺して泣いていた。
その生徒は先ほどボスとすれ違ったことを思い出し、すべてを悟った。
声をかけようと近づき、アツシの背中、白いパーカーをさすってあげた。
「大丈夫?」
声をかけても、アツシは反応がなかった。
アツシの背中をさすった手からは、アツシの震える感覚だけが伝わってきた。

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