- 2014⁄02⁄28(Fri)
- 03:41
潮騒の中で
夕食を終えた後、特に何もする事がなかった俺はただぼんやりと、部屋の窓から海辺の景色を眺めていた。わずかに点在する街灯と月夜が、海と浜辺をほんのりと照らす。波の音が心地いい響きとなり、日々の仕事やストレスを忘れて有益なのか無為なのかよく分からぬ時間が俺の中で流れていく。
連休を利用した一人旅。海辺の小さな民宿が、この日の夜を過ごす場所だった。この辺りは海にやって来る観光客目当てに、夏の副収入として地元の住民が自宅を改造し民宿の看板を掲げている所が多い。ここもその一つで、料金も安く特に目的もない一人でぶらりとやって来た俺としては文句のない旅の宿だった。
(しかし夕飯に出た刺身……あれ絶対、どっかのスーパーで買ってきたやつだろ。こんな近くに海があるんだから、ちゃんと捕れたての新鮮な魚を出せよなぁ……)
連休を利用した一人旅。海辺の小さな民宿が、この日の夜を過ごす場所だった。この辺りは海にやって来る観光客目当てに、夏の副収入として地元の住民が自宅を改造し民宿の看板を掲げている所が多い。ここもその一つで、料金も安く特に目的もない一人でぶらりとやって来た俺としては文句のない旅の宿だった。
(しかし夕飯に出た刺身……あれ絶対、どっかのスーパーで買ってきたやつだろ。こんな近くに海があるんだから、ちゃんと捕れたての新鮮な魚を出せよなぁ……)
先程の些細な不満を心の中で呟いたその時、部屋の戸をノックする音に俺は我に返る。
「どうぞ」
部屋の外に控えているであろう人間へと、俺は中から応じた。
「失礼します」
ここの親父さんだろうと思っていた俺の予測に反し、返ってきたのはハイトーンな声色。まさかと、俺の心は一気に動揺してならない。戸が開けられ、Tシャツにハーフパンツというラフな格好の少年が、落ち着いた面持ちで部屋の中へと入ってきた。
「布団を用意しますんで、しばらくお待ちください」
少年はそう、俺へと言ってくる。
この民宿にやって来た時から、この少年の姿は何度も見ていた。どうやらこの民宿を経営している夫婦の子供らしい。風貌からして十一、二歳くらいといったところだろうか。いかにも海辺の街で暮らしている地元の子といった、日に焼けた健康的な肌とどこか南方系を思わせる高く整った鼻立ちに二重のパッチリとした涼しげな瞳。男の凛々しさと幼さが混ざり合った、その十代前半特有の容姿にはどこか可憐な愛らしさを漂わせている。俺はそんな少年に見惚れそうになる衝動を抑え、平静さに努めた。
「こんな遅くまで手伝いかい?大変だね」
「別に大した事でもないですよ。夏のこの季節だけですから」
少年は俺の言葉に笑顔で返してくる。その爽やかで屈託のない明るい表情が、否応なく俺の心を擽ってならない。
「いや、でもご両親の仕事を手伝うなんて偉いよ。君だってさ、せっかく夏休みなんだし友達と遊んだりしたいだろ?」
「そんなの大袈裟ですって、今日も午後から友達と海で泳いだりしてたし。暇な時だけここを手伝ってるだけですから」
やはり民宿の子供とあってか、少年は客である俺への対応に慣れた様子であった。
「君、名前は何ていうの?」
「下澤大地って言います」
「大地君か、いい名前だね」
「そうですか?あ、それじゃあ布団敷きますね」
自分の仕事を思い出したとばかり、大地と名乗った少年は部屋の押し入れを開けて俺のために布団を取り出し始める。俺はそんな大地の姿を眺めながら、思わず立ち上がった。
「大変だろ、俺も手伝うよ」
そう言って、俺は大地の傍へとごく自然な口実で身を近付ける。何ら俺の行動に疑問を抱いていないのだろう。大地は俺へと申し訳なさそうに会釈してきた。
押し入れの中の敷布団を、一緒に掴んで外へと引っ張り出す。そのほんの一瞬、触れ合いそうなまでに俺と大地の身体が寄り添う。すでに風呂を終えたのか、少年から石鹸の香りがかすかに漂う。何気ない仕草で、俺はそんな大地へと至近距離から視線を向けた。
シャツの襟から覗く鎖骨とスラリとした首筋。日に焼けながらもシミひとつないその瑞々しく美しい素肌。視界に入る少年の何もかもが、俺の鼓動を苦しいまでに高鳴らせていく。
「もう大丈夫です、後は一人で出来ますから」
大地は俺へと、また爽やかな笑顔を浮かべて言ってきた。しかしその無垢な少年の姿が、俺の中で保っていた理性を一瞬にして消し去ってしまう。この機会を逃せば、もう二度とこの大地と自分が関わる事などない。その時の俺は、まさに魔が差したとしか説明のしようがなかった。
「君、可愛いね」
そう俺は大地へと言葉を洩らすと同時に、右手を伸ばしていた。俺の指先が臀部に触れるや、それまでとは一転して大地の表情が引き攣った様に強張ってしまう。
もう俺は後に引けなかった。そのまま無言で、大地の臀部を手で弄っていく。突然の行動に、大地は激しく困惑していた。どうしていいのか分からないといった様子で、俺の前で立ち竦む。
「やめて……ください……」
上擦った声を引き絞り、大地は俺へと言ってきた。
「どうして?」
「だって……」
「男同士なんだし、別にこんなの大した事でもないだろ?」
「でも……い、いやです……」
顔を真っ赤にさせて、大地は俺の視線から逃げる様に深く俯く。少女の様に恥じらうその様子は、幼いとはいえこれが単なる戯言ではないと十分に理解しているのだろう。しかしそんな大地の反応が、むしろ俺の中にあった加虐性を刺激していく。俺は衝動的に、背後から大地のうなじへと素早く顔を埋めた。滑らかなその肌に、軽く唇を添わせる。
「やっ……やめて……!」
ビクッと、大地は身を震わせた。そしてついに耐えきれないとばかりに、俺から逃げよう
とする。しかし大地の腕を俺は掴み、強引にその身体を抱き寄せる。
「大丈夫、酷い事はしないから」
俺は大地の耳元でそう囁いた。しかし小柄でしなやかなその身体は、俺の腕の中で哀れなまでに震え続ける。
「ひ、人を……大声出しますよ……」
大地は必死に、俺の行為を牽制しようとしているのだろう。だが今の怯えきった大地の姿を前に、俺の心は微塵も動じない。
「それは、ちょっと困るな」
「離してください!」
焦燥の中で、大地は声を荒げる。さすがに言葉でなだめるのにも限界を感じていた。ならばと、俺は右手を再び大地の下半身へと伸ばす。
「っ……!」
俺に股間を掴まれるや、大地は一気に全身を硬直させた。
「あまり騒ぐと、俺だって何するか分からないよ?ここ、力入れて思いっきり握ったら、すごく痛いよね?」
大地の表情に、恐怖が濃厚に浮かび上がっていく。もちろん、大地にそんな非道な真似をする気はなかった。しかし脅しとしては、どうやら十分に効果があったらしい。
「お願いです……やめてください……」
泣きそうな声で、大地は俺へと訴えてきた。
「すぐに終わるから、大人しくしてて」
男にとって最も重要な急所を制せられ、大地から抵抗する気配が急速に失われていく。服従するしか術のない少年を前に、俺の歪んだ欲望が一気に煽り立てられる。俺はそのまま大地の股間を弄り、さらにもう片方の手で身体のあちらこちらを撫で回していく。堪らないとばかりに、大地は何度も身を捩じらせる。
しかし俺は、そんな大地の身体を腕の中でしっかりと拘束し続けた。そんな中、大地の瞳がいつしか涙で潤んでいく。ギュッと唇を噛み締め、俺からのおぞましい行為に必死で耐え続けている様子だった。俺はさらに強く、大地と身体を密着させる。そして少年が着ているTシャツの裾から中へと、左手を差し入れた。
「やっ……あっ……」
胸肌へと触れる手に、大地から喘ぐ様な声が洩れる。
「そんな声出されたら、余計にやめられなくなるじゃないか」
さらに大地の艶やかな首筋へと、俺は舌を這わせた。首元からゆっくりと、首のラインを伝い上がって少年の肌を俺の舌が舐めていく。
「んぁっ……んんっ……!」
「こういうところ、感じちゃうんだ?」
顔を紅潮させ、荒くなる息遣いと喘ぎ。さっきまでの無垢な少年から、妖しいまでの色気が漂い出してくる。まるでいっそう欲望をそそらせるかの様な大地の姿に、むしろ俺自身が唖然とさせられた。
「あぁ……」
やがて、戸惑いと狼狽の声を大地は洩らす。すぐに俺も、大地からの感触で少年の異変を察した。ハーフパンツの上から触る少年の股
間が、刻々と変化を始める。俺はそんな大地の下半身へと、わざとらしく視線を向けた。
「大地君のここ、どんどん硬くなってる」
「ち、違っ……俺は……」
「何がどう、違うのかな?」
さらに俺は、大地の股間を活発に刺激していく。
「んっ……あぁっ……」
身悶えながら腰をくねらせる大地。しかしその間にも、俺の手の下で少年の股間が露骨なまでに反応を示してしまう。
「気持ちいいんだ?」
「………」
もはや弁明の仕様もない事実を自ら曝け出してしまった大地は、反論すら出来ないといった様子で涙目になりながら黙り込む。
「もっと、エッチな事を大地君としたいな」
「いやだ……やめて……」
「でも、こういうの初めてじゃないんだろ?」
俺は思い切って、かすかに芽生え始めていた疑惑を少年へと突き付ける。そして俺の問いを前に、大地の様子が明らかな動揺を示した。
「やっぱり、そうなんだ」
「………」
大地は何も答えようとはしなかった。しかし否定もしないその沈黙が、少年の過去を十分に物語る。見も知らぬ男から無理矢理にこんな目に遭いながら、穢れを知らぬ少年とは思えない淫靡な反応の数々。
親の手伝いで数々の人間と接してきたこの魅力的な少年は、おそらく俺以前に何人もの人間から歪んだ性愛の視線を注がれた事だろう。そして今の俺の様に、客から淫らな悪戯を受けていたとしても何らおかしくはない。
大地からすればそれはまさに忌むべき思い出でしかないのだろうが、初めてこの少年を穢した相手に対し俺はいつしか妙な嫉妬を覚えずにいられなかった。
「脱いで」
気付くと、俺はそう大地へと命じていた。しかし案の定、大地が素直に従う様子はない。
「そんな……」
「だめ?」
「は、恥ずかしいよ……」
「こんなにさせといて、今さら恥ずかしいも何もないだろ?」
俺はそう言って、大地の下半身へと改めて視線を向ける。それはあまりに歪な姿だった。羞恥に塗れた大地の表情やその態度とは裏腹に、穿いているハーフパンツの布地を大きく盛り上がらせた少年の股間。
「許して……もう、やめてってば……」
俺へと、窮しきった大地が懸命に懇願してくる。
「やめるも何も、このままじゃ大地君だって辛いだろ?」
「別に、俺は……」
「気持ちいい事、大地君にしてあげるから」
すっかり硬くなったその部分へと、俺はさらに絡めた指を強く食い込ませていく。
「あっ……あぁ……」
布地越しながら、大地のその熱い欲望が俺へと生々しい感触を伝えてくる。加えられる刺激に敏感に反応するそれが、俺の手の中で力強く脈打っているのが分かった。
「大地君のここも、我慢出来ないって言ってるみたいだね」
「………」
強張った身体が小刻みに震え、呼吸も荒く乱れていく。紛れもない性感が、少年の中を駆け巡っているのは明らかだった。俺はさらに、そんな大地を追い詰める。
「ほら、このままじゃ君のパンツがエッチなお汁でビショビショに濡れちゃうよ?」
「だけど……その……」
「他の人にはされても、俺には出来ないんだ?」
「それは……」
大地にとっては、それが必死の抵抗だったのだろう。だが俺は、目の前ですっかり萎縮しきったこの幼く哀れな獲物に対して一切妥協する気などなかった。 俺は衝動に耐えれなくなり、大地の足元へとしゃがみ込む。
「ま、待って……!」
ハーフパンツの両端を俺に掴まれるや、大地は慌ててその行為を防ごうとしてくる。
「ジッとしてて」
しかし俺は容赦しなかった。大地が穿くハーフパンツを、俺は下着もろとも一気に膝の辺りにまで引き下ろす。その瞬間、これまで布地の中で押さえ付けられていた大地のペニスが、勢いよく跳ね上がりながら俺の目の前へとその姿を曝け出した。
俺は息を呑み、視線が釘付けとなる。未だ無毛のそれは、大地の幼さを改めて示すものだった。しかし大地のペニスは、もはや尿を排泄するだけの器官ではなくなっている事も同時に俺へと知らしめる。
青筋を浮き上がらせ逞しく反り返った硬い幹、その先端からわずかに剥き出しとなる真っ赤に充血した亀頭。弾けんばかりに漲ったそれは、大人の男として十分にその役割を果たさんとする逞しい精力に溢れていた。
「やっ……見ないで、お願いだから……!」
大地はそんな俺から、すぐさま股間を両手で覆い隠そうとしてくる。
「だめだよ、隠しちゃ」
しかし大地は、俺へと激しく頭を振ってきた。頑ななその態度に、俺の中で安直な考えが浮かぶ。
「そうだ、チップをあげよう」
「え……」
「俺の言う事をちゃんと聞いてくれたら、それなりのお礼はするよ?」
だが俺のそんな言葉は、大地を懐柔するどころか少年の心に耐え難い屈辱を与えてしまったらしい。
「ふざけんな……変態野郎……」
今にも涙が溢れ出しそうになりながら、その潤んだ瞳は激しい憎悪に満ちていた。さすがに内心、俺は己の軽率さを後悔する。しかしそれでも、ここで怯んでは全てが水の泡となってしまう。俺は大地へと、不敵な笑みを返した。
「へぇ、それがお客さんへの口のきき方かい?」
股間を覆う大地の手を素早く振り払うや、俺は強引に少年の直立するペニスを掴んだ。
「んんぅっ……!」
ビクッと、大地の腰が敏感に震える。
「いつまで真面目ぶってる気だい?こんないやらしくオチンチンをビンビンにさせといて」
「あっ……んっ……んぁぁっ……」
俺は大地のペニスを激しく扱いた。大地が身悶えるその姿に、若々しい少年の肉体が欲望によって圧倒させられていくその脆さを俺へと伝える。
「大地君の、もう今にもエッチなお汁が飛び出してきそうだね」
俺の言葉は何ら大袈裟でなかった。俺に扱かれながら、少年のペニスからはいつしか透明な液体が溢れ出し始める。
「だ、だめっ……もう……」
ガクガクと、大地の足腰が今にも崩れそうなまでに震えていた。
「気持ちいい事してあげるから、こっちへ」
俺は屈んでいた姿勢からスッと立ち上がる。大地の腕を掴んで引っ張るも、少年に抗おうとする気配はもうほとんどなかった。俺がほんのわずか
誘うだけで、そのまま大地は畳の上に敷いていた布団へと倒れ込む様に突っ伏してしまう。
そんな大地へと俺は覆い被さった。大地が穿いていたものを無理矢理に剥ぎ取り、少年の下半身を俺の前で完全に露出させる。さらに俺は腰を掴み上げて、大地を四つん這いの様な姿勢に強いた。俺はそんな少年の背後へと身を置く。
高々と突き出した少年の臀部が、俺の眼前へと位置する。張りのある艶やかなラインを描く臀丘に、俺はすっかり魅入ってしまう。太陽に焼けた四肢や胴体とは対照的に、その白い素肌の割れ目からは少年の収縮した蕾が顔を覗かせる。
「大地君のお尻の穴、丸見えだ」
「やだ……やだよ、こんな格好……」
身体の隅々にまで俺の視線を浴びせられ、繊細な年頃の大地にとってはまさに身を裂かれんばかりの恥辱であろう。だが俺は、そんな大地の美しい臀丘へと舌を這わせた。
「んっ……んぅっ……」
身を捩じらせ、大地の蕾がいっそうギュッと強く収縮する。
「大地君、初めてのエッチな事は誰としたの?」
「………」
俺は好奇心からそんな問いを投げ掛けるも、大地は黙り込んだまま答えようとはしてこない。
「答えないなら、ずっとこの恥ずかしい格好のままだよ?」
「………」
「答えて」
俺はむしろ、そんな大地へと執拗に告白を迫る。
「去年……泊まりに来た、お客さんに……」
観念したとばかり、大地は答えてきた。
「どういう事、されたの?」
「身体を……触られたり、とか……」
「もっと、ちゃんと説明して欲しいな」
俺は大地の股間へと右手を回しながら、未だ欲望を火照らせたままのその部分をくすぐる様に指先で刺激していく。
「ああっ……!」
ほんのわずか触れただけで、昂ぶった大地のペニスは激しく何度も跳ね上がった。
「ほら、言って」
「脱がされて……アソコ……触られたり……」
「アソコじゃ分からないよ」
俺は大地へと穏やかな苦言を呈しながら、その秘めたる記憶を赤裸々に暴いていく。
「チンポを……」
羞恥を押し殺す様に、か細い声で大地は答えた。
「どうされたの?」
「擦ったり……揉まれたり……」
「どんな気持ちだった?」
「恥ずかしくて……怖くて……どうしていいのか、分からなくて……」
「それだけかい?」
「………」
「違うだろ?」
そう言いながら、俺はまたゆっくりと大地の勃起したペニスを扱いていく。少年の悩ましげな吐息が、室内に響き渡る。
「チンポが気持ちよくなって……どんどん硬くなって……」
「どうなったの?」
「おじさんに……チンポしゃぶられながら……だ、出しちゃって……」
「何を出したの?」
「せ、精液を……」
大地からそんな単語を聞くとは意外だった。やはりそんな衝撃的な体験をした以上、もはや何も分からない子供ではない様だ。
「へぇ、そうなんだ。ひょっとして、それが初めての射精かい?」
「………」
無言のまま、大地はぎこちなく頷く。
「それから、自分でオチンチンを擦るようになったんじゃないかい?」
「もうやめて……こんな話……いやだ……」
ついに大地は、堪えきれないとばかりに涙をボロボロと流し始める。屈辱的な姿で己のトラウマとでもいうべき思い出を告白させられ、大地は完全に打ちのめされた様子となる。しかしそれでもなお、少年のペニスは俺の目の前で猛々しいまでに反り返り続けるのだった(さて、どうすべきか……)
俺の中で葛藤が増していく。己が欲望のままに、少年を蹂躙してしまいたい衝動。しかしこの幼い身体と心が、果たしてどこまで耐えられるのかという不安もあった。それにいくら二人きりとはいえ、ここは民宿である。他の客や少年の両親もいる。今のところ大地に抵抗の気配はないとはいえ、あまりに無茶な真似はさすがにリスクが大き過ぎた。
とはいえ、少年をここまで玩んで今さら中途半端に幕を下ろすというのも、俺としては満足出来ない。歯止めが利かずに肥大化していく欲望と、それを自重せねばならないという理性。俺はこのエスカレートしていくばかりな淫行の帰結を見出せぬまま、眼前に位置する左右の臀丘を大胆に掴んだ。
それまで泣き崩れていた大地の表情が恐怖に固まる。俺はそのまま、双方の臀丘を引き離す。割れ目が広げられ、大地の小さな蕾がありありと俺の視線に曝け出される。衝動に突き動かされるがまま、俺は何ら躊躇いなく大地の臀部へと顔を埋めていた。そしてその無防備な蕾へと、舌を突き出す。
「ひぁっ……!」
四つん這いになっていた大地の身体は、舌先が触れるや激しい拒絶を示す様に大きく震えた。しかし俺は大地の臀丘をしっかりと掴んだまま、少年の蕾へと大胆に舌を動かしていく。
「あっ……や、やめっ……そんなとこ……!」
他人から尻の穴を舐められるなど、極めておぞましい行為であろう。俺とて、こんな変態的な真似は生まれて初めてだった。いくら風呂で身体を洗った後とはいえ、排泄器官であるそんな場所へ口を付けるなど容易に出来るものではない。しかし俺は、大地の蕾へ無我夢中で舌を繰り出しながらも何ら嫌悪を覚える事はなかった。むしろ本来なら唾棄すべきこの行為が、俺の歪んだ欲情を狂わんばかりに掻き立てていく。
「んぅっ……あぁっ……」
「大地君、最高だ……ホントに俺、どうにかなりそうだよ……」
「だめっ……もう、我慢出来ない……!」
大地は切実な声でそう口走るや、自らの怒張しきったペニスを掴んだ。少年の中で渦巻いていた欲求と衝動は、ついに理性の箍が外れてしまったらしい。俺にアナルを舐められながら、大地はそのまま一心不乱に己の欲望を扱いていく。俺はすかさず、四つん這いから仰向けへと大地の身体を強引に返す。そして足を持ち上げ、大地をあられもなく開脚させた。
「見せて、大地君のイクところ」
俺はそう、淫らな行為の続行を大地に促す。
「もっと……もっと、して……」
「え?」
「お尻……な、舐めて……」
「それが、気持ちいいのかい?」
「………」
大地は俺の問いに、瞼をギュッと強く閉じながら頷いてきた。まさかそんな部分で少年が性感を得るなど、俺としても驚かされる。だがそんな大地の求めに、俺はこのチャンスを無駄にする訳にはいかなかった。
「そうか、じゃあもっといい事をしてあげよう」
俺はそう言うと、自分の中指を大地の蕾へと押し当てる。すっかり唾液に塗れたその入り口に、俺は指先でゆっくりと圧力を加えていく。
「ひっ……ううぅっ……!」
大地から、苦悶に似た声が洩れ出す。俺の指によって、大地の蕾が強引に押し広げられる。そのまま指は、大地の中へググッと埋められていく。必死に耐えながら、大地は俺のされるがままに身を委ねていた。
「ほら、もっと身体の力を抜いて。大丈夫、すぐに慣れるから」
「んんっ……はぁっ……んぅっ……」
指の侵入に、大地の内壁が激しく収縮してくる。せっかくここまできて、痛みなどで興醒めされては敵わない。俺は大地に苦痛を与えぬよう努めた。決して焦ってはならないと自分に言い聞かせつつ、一旦浅い部分まで指を引き戻しては再び慎重に突き入れていくという動作を繰り返しながら、少年の内部を慣らしていく。
「あっ……んぁっ……!」
もどかしそうに、大地は身を捩じらせてくる。ゆっくりと確実に、俺の指が大地の奥深くへと達していく。
「ここ、いいだろ?」
やがて、しこりの様な硬い部分へ触れる感覚を得た。俺はその内壁の一点へと、指を食い込ませる。
「ひぅっ……んんっ……!」
その瞬間、甲高い声で大地は身を仰け反らせた。俺は確信を抱き、その部分を執拗に指で刺激していく。
「あっ……あぁっ……だ、だめぇ……やぁっ……!」
強烈な感覚が大地の中で駆け巡っている事だろう。俺が中で指を動かすたびに、少年の身体は跳ねる様に何度も激しく震えていた。さらにその間、刺激に反応して大地のペニスも強く脈打ちながら先走りの雫を新たに溢れ出させていく。
「ほら、大地君も気持ちいい事して」
俺がそう言うと、大地はまるで思い出したかのごとく自分のペニスを掴んできた。
「で、出るっ……出る……!」
わずかに数回扱いた直後、大地の内壁が今まで以上に強く収縮して俺の指を締め付ける。それはあまりに呆気ない絶頂の到来だった。俺にアナルを弄られながら自慰に耽る少年の淫らな姿を堪能しようという期待に反し、大地は募りに募った欲望を一気に爆発させてしまう。
しかしそれでも、俺にとってそれは圧巻ともいうべき瞬間だった。大地のペニスから、弾けんばかりに噴出する白濁。その若さと漲る精力を俺に思い知らせるかのごとく、横たわりながら放出された液体は勢いよく飛び散りながら、一部は大地の顔にまで達して降り注ぐ。二度、三度と断続的に白濁を吐き出した後、やがて強張った少年の身体は急速に弛緩していく。
「すごく、一杯出たね」
自らの白濁に塗れる大地の姿に俺は感嘆しながら魅入っていた。しかし絶頂の余韻の中で、大地はすっかり茫然自失となってしまう。俺はそんな大地のアナルから指を引き抜いた。
(今、この子はイッたんだ……こんな純粋無垢そうな少年が、お尻の穴で感じながら……)
至上の喜びに心躍らせながら、俺はぐったりと疲弊しきった大地の耳元へ顔を近付ける。
「明日までここにいるから、その気があるならまたおいで」
「………」
俺のそんな囁きに、虚ろな瞳の大地は何も答えてこなかった。未だ恍惚の境地に我を取り戻せていない様子である。しかしそんな大地に、俺は言葉を続けた。
「もっと気持ちいい事を、大地君に教えてあげるから」
俺のその一言に、大地の表情がかすかな変化を示す。
「後、俺に今夜はこれを貸してくれないかな?」
そう言うと、俺は大地から剥ぎ取って畳へとぞんざいに置き捨てていたトランクスを掴み上げた。さすがに今夜はもう、大地を解放せざるおえないだろう。しかし汗と先走りに布地をぐっしょりと濡らしたそれは、俺の中で溜まりに溜まった熱い欲望を処理するためにもしっかりと活用させてもらうつもりだった。未だ早朝といっていい時刻。海辺の漁師達はすでに船を出航させて大洋へと繰り出した後とはいえ、街はまだ人気がなく閑散としていた。そんな時間に、海岸線沿いの道を一人の少年が走り続ける。誰かがその姿を見たとしても、朝早くからランニングをして身体を鍛える溌剌な少年という風にしか見えないであろう。
しかし無言で走る少年の表情は、まるで何かから必死に逃げているかのごとき切迫したものがあった。夏とはいえ、昇り始めたばかりの太陽はまださほど過酷なものではなく、早朝の心地のよい風が汗に潤う少年の肌を擽りながら通り抜けていく。
やがて少年は、走るスピードを緩やかに落とし始める。かなりの距離で体力はすでに消耗していた。少年は立ち止まると身を屈めて両膝に手を置き、荒くなった呼吸を整える。
(くそっ……結局、こんな事したって何も変わらない……)
十二歳の少年の心に渦巻く、暗く陰湿な情動。少しは気が晴れる事を期待して、自宅からここまで無心になる事に努めて走り続けて来たものの、むしろ体力を酷使すればする程に身体は飢えんばかりに少年へと生々しい衝動を訴えてくる。
大地という名の少年は、立っている場所から視線を横へ静かに向けた。走ってきた道路と面するのは、海岸を整備して作られた公園。ある程度疲労が落ち着くと、大地はまるで見えない何かに誘われるかのごとく、無言のまま敷地の中へと足を進めていく。
(俺……最低だ……)
歩きながら、大地は己の下半身へと顔を下ろす。穿いていたハーフパンツの布地が、その股間部分だけを不自然なまでに盛り上がらせる。その光景が、大地をいっそうの自己嫌悪に苛ませていく。
悪夢のごとき昨夜の出来事。
どうやってあの後に自室へと戻れたのか、最後の方はもうよく覚えていない。ただ気が付くと、いつものベッドの上にいた。夜明け前のまだ空が薄暗い時刻。だからといって、とてもまた寝直す気分にはなれなかった。
家をこっそりと抜け出し、ここまでひたすらに走り続けたのもそのため。自分ではとても処理しきれぬ感情の渦に、大地はただ部屋の中でジッとしている事が耐えられなかった。
(何で俺だけ、あんな目にばっかり……)
己の理不尽な現実を恨みながら、やがて大地が足を止める。そこは公園の敷地の隅に建てられた小さな公衆トイレ。
自分が何をしようとしているのか、大地の中で激しい葛藤が増していく。だがそれでも、大地は再び歩み出してしまう。踏み入れた男子トイレ、さらにその中の個室へと大地は進む。
和室式の便器が設置された個室。大地は中から戸を閉め、そして鍵を掛けた。壁とベニヤ板で囲まれた窮屈な空間。しかし閉ざされたその場所は、紛れもない大地だけの密室。
(だめだ……もう我慢出来ない……)
大地の胸はその鼓動をいっそう高鳴らせていく。野外とはいえ人目を気にする必要がなくなった状況が、少年の内で燻っていた背徳の衝動を一気に煽り立てる。自然と、大地の手が穿いているハーフパンツへと伸びていた。理性が激しく警鐘を鳴らす。しかしそれ以上に、抑え難い欲求がその捌け口を求めて少年を突き動かしていく。
(もし、誰かにバレたら……でも……)
躊躇いが脳裏を過ぎるも、大地は自分の行動をもはや制御する事が出来なかった。ゴクリと、大地は生唾を飲み込んだ。緊張に身体が強張りながらも、大地は穿いていたハーフパンツを下着もろとも引き下ろしていく。
外界に露となる大地のペニス。まだ触ってもいないというのに、その陰茎はすでに膨張し根元から反り始めている。誰も見ていないとはいえ、大地は己の姿に激しい羞恥を覚えずにいられない。
(こんなところで……俺、何やってんだよ……)
公衆の場所で許されざる行為を始めようとしている事は、大地自身が十分に分かっていた。しかしそれでも、大地は自らの火照るペニスへと右手を伸ばす。強い脈動が、手の中で鮮明に感じ取れた。瞬く間に、ペニスがいっそう硬さを増していく。
「はぁ……はぁ……」
呼吸が乱れる。狭い空間に、少年の荒い吐息が響き渡る。考えるよりも先に、大地は反射的にペニスを扱き始めていた。刺激によって掻き立てられる疼きに、股間だけでなく全身が熱くなっていく。
(あんな事されたのに……どうして……何で……)
男から受けた辱め。心身共に蹂躙された昨夜の記憶が克明に蘇ってくる中で、むしろ大地の欲望はいっそう昂ぶってきてしまう。衝動のままに、大地はよりいっそう激しくペニスを扱き立てていく。
「んぅっ……あっ……んぁっ……」
どこか切なげな、少年の喘ぎ。熱い疼きが急速に込み上がっていく。ほとんど時間を要する事なく、大地のペニスから先走りの雫が溢れ出し始める。
無我夢中でペニスを擦りながら、その淫靡な液体が糸を引いて床へと垂れ落ちていく。すでに射精は間近にまで迫る。しかし大地は、このまま呆気なく果てたところでとてもこの欲求不満を解消出来る気がしなかった。
(もっと……もっと、エッチな事……気持ちいい事、したい……)
堪らないもどかしさが、大地の中で募っていく。この自慰行為が、逆にいっそうの悦楽を欲してならなくなる。大地は一旦、そんな自分のペニスから手を離す。すっかり怒張した幹が、今や大地の下腹へと触れそうなまでに反り返っていた。ドロドロと溢れる先走りに塗れ、ペニスから漂う男の匂いが狭い個室の中で充満していく。
さらなる快楽を求め、いつしか大地の理性は完全に無力なものとなっていた。個室を作るベニヤ板の一枚へと、大地は正面から全身を押し付けてもたれ掛かる。板のひんやりとした感覚が、火照った身体に伝わっていく。大地はそのベニヤ板へと、さらに強く己のペニスを密着させる。
「あっ……んんっ……!」
いつしか大地は、腰を何度も繰り返し上下に動かしていた。猛々しいまでにそそり立つペニスが、腰の動きに合わせて板へと激しく擦り付けられる。加工されて滑らかなその表面との摩擦は、手とはまた違う刺激をペニスへと加えていく。もはや大地に何ら躊躇いはなく、一心に腰を動かし続けていた。
「はぁ……んっ……あぁっ……」
性感に悶えながら、大地の中でかつて自分が初めて男である事を自覚するに至った日の記憶を呼び起こしていく。
ほんの一年前、今と同じ夏の日の出来事。
それは大地にとって決して忘れられない、大人というものの醜さを知った日。「や、やめて……」
恐怖に声が震えていた。獲物を捕捉するかの様な、男の不気味でゾッとする眼差し。本能的な危険を察し、身体が自然と震えてきてしまう。民宿を兼ねた自宅の裏庭、夕暮れの空は刻々と闇を増していく。
「静かに」
男は、かすかに威圧を含んだ口調で言ってきた。客としてやって来た中年の男性。民宿の手伝いで、裏庭にある倉庫の荷物整理を一人でしていた大地は、こんな人気のない場所へ突然現れた男に後ろから抱き寄せられ身体を拘束されるに至り、自分が家の仕事上すっかり見ず知らずの人間に対して警戒を欠いていた事を思い知らされる。
「すぐに終わるから、ジッとしてて。ね、いい子だから」
言葉と共に洩れる吐息を肌に感じさせられ、身の毛もよだつ嫌悪が全身を駆け巡っていく。
「ホントに君は可愛いねぇ」
男はそう言いながら、拘束する大地の身体のあちらこちらを弄っていく。何も出来ないまま、大地は男の腕の中で立ち竦む。生まれて初めて、人間の本当の悪意というもののおぞましさを肌で感じさせられた十一歳の少年は、男に対し抵抗どころか微動だに出来ぬまでに怯えきってしまう。男はそんな大地の身体へと触れてきながら、しだに感情を昂ぶらせる様に息を荒げてくる。
「やめてください……お願いですから……」
大地は必死に声を引き絞り、男へとそう訴えるのが精一杯だった。
「だったら、大地君のオチンチンを見せて」
そう、大地の耳元で男は囁いてきた。大地は何が何だか分からぬまま、狼狽するばかりとなってしまう。
「そんな……」
「見せてくれたら、もうやめるから」
「………」
「さぁ、早く」
強引に、男は大地へと行動を迫る。拒絶出来ぬまま、結果的に男の言いなりとなってしまう大地。今はただ、一刻も早くここから解放されたいという気持ちで一杯だった。そんな大地の背後から正面へと、男は回り込んでくる。
無言の威圧とその恐怖の中で、大地は下半身を露出させられた。大地の足元に、男はしゃがみ込む。曝け出され萎縮しきった少年のペニスが、男の眼前に位置する。
「立派なオチンチンじゃないか」
あられもない大地の姿を眺めながら、男は野卑な笑みを浮かべてきた。
「もう……許して……」
「大地君は、これで気持ちいい事をしたりしてるのかな?」
「え……?」
男の言ってる意味が分からず、大地は困惑してしまう。しかしそんな大地の反応に、なぜか急に男は嬉しそうな様子となった。
「そうか、やっぱりまだ何を知らないんだね」
突然、大地の股間へと男は右手を伸ばしてくる。
「っ……!」
垂れ下がるペニスを男の指で摘まれ、大地は一気に硬直してしまう。
「そのまま、静かにしてるんだよ?」
男はそう言うなり、さらに大地の股間へと素早く顔を埋めてきた。口を開け、まるで躊躇いもなく大地のペニスを咥え込んでくる。
「なっ……!」
反射的に、大地は逃げる様に腰を引こうとした。しかし男の左腕がそんな大地の臀部へと回され、下半身をしっかりと固定させられる。
「やめて……もう、やめてください……」
ついに大地は、あまりの恐怖に涙を堪えきれなくなってしまう。だが大地の言葉など男はまるで意に介する事なく、少年のペニスを口や舌で執拗に、そして濃厚なる愛撫を加えてくる。生温かな口腔とねっとりと唾液に塗れた舌が小さな幹に何度も這わされ、絡められていく。そのおぞましい感覚が刻々と伝わってくる中、大地はいっそこのまま気を失ってしまった方がどれ程楽かと思いながら、それでもただ懸命に耐え続けるしかなかった。
「ひぅっ……あっ……!」
その時、ビリッとした鋭利な感覚が大地の中を走り抜ける。大地のペニスを包み込んでいた包皮が、男の手によって強引に先端を剥かれていた。ピンク色の亀頭が露にさせられる。
「綺麗に剥けるじゃないか」
そんな大地の亀頭へと、男は突き出した舌先で集中的に刺激を加えていく。
「んっ……あぁっ……んんっ……」
痺れる様な敏感な感覚に、堪らず大地は何度も腰を捩じらせた。
「こういうの初めてかい?気持ちいいだろ」
男は舌を這わせつつ、さらに手で大地のペニスを扱いてくる。
(な、何だよ……これ……)
新たなる動揺が、大地を襲う。男からの刺激に、股間が急速に熱くなっていく。疼く様な、もどかしい感覚が身体の奥底から沸き起こってくる。それは大地にとって、何もかも初めて経験させられる身体の異変だった。
「ああっ……」
いつしか、自然と心臓の鼓動が高鳴ってきてしまう。同時に、それまで萎えきっていた大地のペニスが、男の前で一気に幹を膨張させ硬くなっていく。直立し始めた大地のペニスに、男は満足そうな笑みを浮かべてくる。
「大地君も、やっぱり男の子なんだね」
男はそのまま、再び大地のペニスを深々と咥え込む。ビクッと、大地の身体が激しく震えた。硬くなったその幹を男は大胆にしゃぶり、そして頭全体を動かしながら口で扱いていく。
「あっ……あっ……!」
熱い何かが、勢いよく自分の中で込み上がってくる感覚。何もかもが大地を圧倒させる。男の行為とそれに伴う強烈な刺激に、大地はただただ身悶え続けるのだった。
かつて体験した恥辱の記憶。自分が男であるという事の意味を自覚し、無理矢理に教えられた快楽。あの日以来、大地は子供から大人への階段を歩み出した。
「んっ……はぁ……」
回想の世界にいつしか没頭していた大地は、その辱めを思い返しながらなぜかいよいよ自分の中で欲情を昂ぶらせていく。激しくペニスを擦り付けていたベニヤ板は、今や先走りの雫によってその部分がベトベトになっていた。しかし大地は、自分のそんな行為にもしだいに物足りなさを感じてならなくなってしまう。
やがて沸き起こる、新たなる衝動。
(だめ……あんな事……ホントに俺、変態になっちゃう……)
歯止めが失われていく己の欲望。人としての誇りを自らで踏み躙るかのごとき行為だと、大地は分かっていた。しかし際限なく欲してならない悦楽に、大地の身体は自然と動いてしまう。
板へともたれ掛かったまま、大地は腰を背後へと向けて大きく突き出した。そして右手を伸ばし、露になる臀部へ這わせていく。
「あぁっ……」
臀丘の割れ目へと分け入り、指先で己の蕾を軽く触れる。ゾクゾクっと、疼きが全身を駆け巡っていく。熱く火照った身体は、もはや中途半端に終える事を許さなくさせていた。
(今日だけ……もう、絶対にこんな事しないから……今だけ……)
自分自身へと、そんな言い訳を心の中で呟く。しかしそれはあまりに虚しく響くだけだった。大地は両脚をいっそう左右へと広げた。心臓の鼓動が破裂しそうなまでに激しく高鳴る。緊張に強張りながらも大地は大きく息を吸い込み、そして吐き出す。深呼吸に合わせて、収縮していた蕾の入り口がわずかに弛緩する。ついに大地は意を決した。すでにじっとりと汗に濡れたその蕾へと、先走りの雫に塗れた指をグッと押し込んでいく。
「んっ……んんっ……」
ガクガクと、足腰が震え始める。拡張される内部に苦悶の声を洩らしながらも、大地の指が己の中へと静かに埋められていく。異物の圧迫感に、鈍痛の様な感覚が直腸から下腹にまで広がる。しかしそれでも、己の行為をもう大地は止められなかった。さらに指を深く中へと押し込んでいく。
その間、ペニスが何度も跳ねていた。
(こんな汚い事して……俺、興奮してる……)
激しく内壁が収縮してきながらも、大地の指はいつしかほぼ根元まで中へと埋まる。息を荒げ、大地は自分の中で指をゆっくりと動かしていく。昨夜の感覚を、未だ生々しく身体は覚えていた。男に刺激されたあの敏感な部分を、いつしか大地の指は探し求めてしまう。
指の関節を曲げて内壁を押し広げる。そのたびに軽い鈍痛と、刺激に抗う様に内壁が激しく収縮してくる。その繰り返しを何度か重ねている内に、ある一点へと大地の指先が食い込んだ。
「あっ……!」
思わず大地は甲高い声を発してしまう。ズンッと、股間の奥底へと響くかのごとき感覚。昨夜の記憶が、ありありと大地の中で呼び覚まされていく。
「ひぁっ……あぁっ……!」
衝動的に、大地はその部分を激しく何度も刺激していた。自慰とはまた違う新鮮な性感が、少年から余計な思考を奪い倒錯の世界と快楽へ耽溺させていく。
「気持いい……お尻……気持ちいい……!」
いつしかそんな言葉を洩らしながら、大地は淫らに喘ぎ続ける。渦巻いていた欲望が、肛門からの刺激に反応して一気にその高まりを増していく。欲望がままに、大地は無我夢中で指を動かし続ける。もはやここが野外であろうと関係なかった。募り続ける欲求のもどかしさの中で理性は今や完全に忘れ去られ、大地はただ純粋に絶頂のその時を求め続ける。
「んんぅ……ああっ……!」
ついに溜まりに溜まった少年の欲望が爆発してしまう。激しく身を震わせながら、大地のペニスから大量の白濁が一気に噴出した。飛び散ったその液体が、正面のベニヤ板や床へと次々に降り注ぐ。
「す、すげぇ……チンポ触ってもいないのに……俺、ケツだけで……」
絶頂の中で、一時的に意識は朦朧としてしまう。強烈な射精の快感とその解放感に大地は呑み込まれながら、もたれる物がなければそのまま倒れ込んでしまいそうになる。震える身体を必死になって踏ん張り、大地は姿勢を保たねばならなかった。
(もういい……もうどうだっていい……したい……もっと、エッチな事……気持ちいい事を……)
大地の脳裏に、あの男の言葉が過ぎる。
『もっと気持ちいい事を、大地君に教えてあげるから』
気が付くと、瞳からボロボロと涙が零れ落ちていた。なぜ自分が泣いているのかも分からない。ただ、今はもう自分が後戻り出来ぬところにまで来てしまったという事だけは理解していた。「何の用だい?」
俺はあえてとぼけた風を装い、部屋へとやって来た相手に問い掛けた。しかし相手は俺に対し、途方に暮れた様子で立ち竦む。夜も更けようとする時刻。突然の来訪者に、俺は内心歓喜に我を忘れそうになってしまう。このまま何もなく明日は帰路に就くのかと半ば諦め気味だっただけに、目の前に立つ少年の姿が幻ではないかと、俺は何度も自分の意識の明瞭さを確認せずにいられない。しかしそんな俺へ、大地は何も答える事なく俯き沈黙したままであった。
「黙ってちゃ、何も分からないじゃないか」
「………」
なおも大地から返事はない。昨夜の体験を経てもなお、ここへとやって来た大地の複雑な心境と葛藤が、自然と俺にも伝わってくる。だが俺はもう、大地をただ眺めているだけでは我慢出来なかった。表面上は平静を保ちつつ、俺は静かに立ち上がってそんな大地へと足を進める。
「っ……!」
俺が迫るや、どこか怯えた様に大地の表情が強張っていく。
「どうかした?」
「べ、別に……」
それでも必死に、大地は俺に対して虚勢を張ろうと努めていた。俺はそんな大地の間近にまで距離を詰める。顔色を隠そうとしているのか、大地は俺の視線を避ける様にいっそう深く俯く。極度の緊張からか、すっかり少年はガチガチになっている。
「昨日の続き、したいのかい?」
俺はそう、大地の耳元で囁いた。大地から返答はなかったが、否定しようともしてこない
「答えてくれなきゃ、こっちだって困るよ」
そう言うと、俺は大地の股間へ素早く右手を伸ばした。
「あっ……」
戸惑う様な大地の声が洩れる。驚いた事に、ハーフパンツの上から触る大地の股間はすでにそれなりの硬い感触となっていた。俺の手に、いっそう少年の下半身が熱くなり始める。
「もう、興奮しちゃってるんだ?」
俺に股間を弄られ、大地の表情がもどかしそうに歪んでいく。
「んっ……あっ……」
加えられる刺激に、呆気ないくらい大地は敏感になっていた。悶える少年の吐息が、まるでこちらの欲情をいっそう誘っているとしか思えないくらい扇情的に聞こえてならない。
「俺のとこへ来るまでに、もうかなり期待で一杯だったんだね」
「だ、だって……おじさんが、昨日……」
おじさんと言われ、三十を過ぎたばかりの俺はいささかショックを覚えた。しかし大地にはそう見える以上、今さら嘆いたところでしょうがないのだろう。
「それで、また気持ちいい事して欲しくなったんだ?」
反論出来ないのか、大地は表情に悔しさを滲ませながらギュッと唇を強く噛み締める。そんな大地の股間を、俺はさらに活発に刺激していく。硬く盛り上がった布地の下で、すっかり欲望の塊と化した少年のペニスが激しく脈打ってくる。
「やっ……んんぁっ……!」
身を震わせ、いっそう淫靡な喘ぎを大地は発してきた。
「そんな声出してたら、ご両親や他のお客さんに聞こえちゃうよ?」
「んぅっ……ぁ……」
俺からの指摘に、大地は必死に声を押し殺そうとしてくる。大地のそんな健気な姿に、むしろ濃厚なる色気を俺は感じずにいられない。昨夜以上に、大地の身体は性感に対して鋭敏となっていた。俺から辱めを受けると分かっていてもなお、沸き起こる欲求を抑える事が出来なかったのだろう。
(なかなか、素質のある子じゃないか)
この絶好のチャンスを、俺は逃す気などなかった。
「誰もいない場所とかなら、もっと気にせず楽しめるのにね」
やがて大地へと、俺は独り言の様に呟く。
「そういう都合のいい場所があればの、話だけど」
「………」
俺の言葉に、大地は明らかに反応していた。
夜の海辺に、人の姿はまるでなかった。砂浜はもとより、海岸沿いの道路にも車が時折通るといった程度である。岸壁に打ちつけられる波の音が、昼間よりも妙に強調されて耳に響く。
民宿をこっそりと抜け出した俺達が出向いたのは、海水浴場となっている浜辺から少し離れた所に広がる岩場。大小の石が転がり夜は歩くだけでもかなり難渋する場所だが、快晴の夜空から月明かりが照ってくれていたのが幸いだった。いくつもの大きな岩が陰となり、もし浜辺に誰か来ても遠目からはここにいる自分達の存在を確認する事は容易に出来ないだろう。さすが地元だけあって、大地の選定した場所は人目を避けるという条件
に最適であった。
「服を脱いで」
周囲に人気がない事を確認し、俺は大地へと唐突に命じる。
「え……」
案の定、俺の言葉に大地は戸惑いを示してきた。
「大丈夫さ、誰もいないんだし」
「で、でも……」
「こんなところにまで、俺とただ散歩をしに来た訳じゃないんだろ?」
「………」
「ここに来た意味を、もう一度考えてみたらどうだい?」
窮しきった様子の大地に対し、俺はさらに追い打ちを掛けていく。だがそんな俺へと、大地は怒りを露わにさせた眼差しを向けてきた。
「卑怯だ……」
低い声で大地は呟く。
「だったら、何?」
平然と、俺は言い返した。そして足元の小さな岩へ、俺はゆっくりと腰を下ろす。時間はたっぷりとある。大地が指示に従うまで、気長に俺は待つつもりだった。
「俺はただ、大地君の裸になった姿が見たいだけなんだよ」
「見て……どうするのさ……」
「どうして欲しい?」
「それは……」
俺に問い返され、大地は動揺しながら言葉を詰まらせてしまう。
「服を脱いで」
改めて、俺は大地へと命じる。この状況において誰が主導権を握っているのか、まずはじっくりと大地に思い知らせてやるつもりだった。しばし沈黙したまま大地は立ち尽くす。だがそれ以上、大地から不満や反抗が示されてくる事はなかった。
無言のまま見据える俺を前に、ついに大地が根負けしてしまう。羞恥と躊躇いを見せながらも、大地は自分が着ている衣服へと手を掛けた。Tシャツやハーフパンツ、大地の身に纏っていたものが一枚一枚脱ぎ捨てられていき、少年の素肌が徐々に露わとなっていく。
俺はそんな大地の姿へ、しっかりと視線を向け続ける。元々薄着という事もあり、瞬く間に大地は俺の前で一糸纏わぬ姿となった。月明かりに照らされた少年の肌としなやかな身体のライン。波の音も相まって、岩場に立つ大地の裸体がどこか幻想的にすら感じてならない。見惚れる俺の眼差しから、大地は必死で恥ずかしさに耐えている様子だった。
俺は今すぐにでもこの少年を押し倒し、その美しい肉体を欲望のままに貪りたい衝動に駆られていく。だが、そんな暴走寸前の感情を今はまだ抑えねばならないと、俺は懸命に自身へ言い聞かせる。
「そんな……ジロジロ見てこないでよ……」
「今さら恥ずかしがったって、しょうがないだろ?」
「………」
あえてそんな大地の股間へと、俺は視線を集中的に浴びせていく。脱いだ時から、すでに少年のペニスは硬くなって幹を起き上がらせ始めていた。あられもない姿で俺へと晒し者のごとく直立不動を強いられる中、やがてさらに大地のペニスは直立し始め力強く脈打ち出してくる。大地の表情が狼狽を色濃くさせていく。
「見られて、そんなに興奮するのかい?」
「ち、違う……!」
必死になって、大地は俺へと言い返してきた。
「じゃあ、どうして大地君のオチンチンそんなに元気なのかな?」
「………」
大地は何も答えられないまま、その間にすっかりペニスは逞しくそそり立ってしまう。
「言ってごらん」
俺は大地へと、静かな口調で促す。
「え……」
「どうして欲しいの?」
「………」
「このままじゃ、辛いだろ?」
なおも活発に脈動する大地のペニスを眺めながら、俺は意地悪っぽく指摘する。
「おじさんの……したいようにすれば、いいじゃないか……」
「大地君がこそ、俺にして欲しいんだろ?」
「………」
「ほら、ちゃんと言って」
しばし俺達の間に、重苦しい沈黙が流れた。だが俺は、岩に腰掛けたまま大地の返答を待ち続ける。大地の配慮や譲歩をするつもりなど今は毛頭ない。やがて無言だった大地は、ついに耐えきれなくなったとばかりに口を開く。
「エッチな事……一杯、して欲しい……」
泣きそうな声で、大地がそう俺へと訴えてくる。まだ指一本触れてもいないというのに、すでに今にも弾けんばかりに怒張した大地のペニス。俺に焦らされる分、少年の中で渦巻く欲求のすさまじさをその股間の一物が十分過ぎるまでに物語っていた。
「あの岩に、両手をついて」
あえて大地からやや離れた岩を、俺は指し示しながら言う。大地が抗う事はなかった。俺の言葉を聞くや、すぐさま踵を向けてその岩へと歩み始める。俺は大地の注意が逸れたその一瞬に、地面へと脱ぎ捨てられていた少年の衣服を素早く掻き集め、傍の岩陰へと隠した。そうとも知らず、大地は二メートル程はある大きな岩へと身体を向き合わせながら、上半身をやや前屈気味にさせて両手をつく。
俺はそんな大地の背後に立った。両手を伸ばし、小柄な大地の身体を腕の中へと包み込む。すっかり大地の身体は硬直していた。俺は大地の背中へさらに身を寄り添わせる。そのままゆっくりと、俺は大地の裸体とその滑らかな肌をそれぞれの手で撫で回していく。グッと、大地の身体が過剰なまでに力んでくる。
しかし俺はさらに、大地の肩の辺りへと顔を埋めた。首から肩、そして腕にかけてのラインへと、俺は何度も口付けを繰り返していく。大地の呼吸が乱れ始め、身体を小刻みに震えさせる。さらにそのまま、俺は大地の胸肌へと右手を這わせていく。
「んっ……はぁ……」
もどかしそうに身体を捩じらせ、大地の吐息と喘ぎがいっそう荒くなる。
「こっちまで、硬くなっちゃうんだ?」
大地の乳首へと、俺は指先を添わせた。背後からうなじへと舌を這わせつつ、張り詰めた様に硬くなったその小さな突起を、俺は指で執拗に刺激していく。
「やぁっ……んんぅ……!」
大地から敏感な反応が返ってくる。
「あっ……んぁっ……あぁっ……」
俺はそのまま首筋へと舌を滑らせていく。他の性感帯に連動してか、活発に大地のペニスが跳ねていた。しかし俺はあえてその部分を無視し、腰から太股の辺りを左手で撫でていく。
「はぁ……」
切なげな声を洩らしながら、大地は何度も腰を捩じらせる。
「ホント、大地君はエッチな身体なんだね」
「ちがっ……俺は……あっ……!」
指先でペニスの先端を軽く触れるや、それだけで大地の身体が激しく震える。
「触ってもいないのにこんなビショビショにさせて、何が違うんだい?」
止めどなく溢れ出す先走りに、俺の指が濡れていく。淫らに火照った少年の身体は、もはや呆気なく欲望を爆発させてしまいそうな勢いだった。
「おじさん……も、もっと……」
か細い声で、そんな俺へと大地は訴えてくる。
「ん?」
「もっと……擦って……気持ちよく……」
内なる衝動にもはや耐えられなくなったとばかりに、大地が切実なる本音を吐き出す。俺は大地のペニスを軽い手付きで弄りつつ、背筋や肩甲骨の辺りを唇や舌で大胆に愛撫を繰り返していく。
「はぁっ……んぅっ……」
悶える様に、大地は背中を仰け反らせた。正面の岩へとさらに強くもたれ、今にも崩れそうになる姿勢を必死になって支え続けようとしている。
「もっと、お尻をこっちへ向けて」
「………」
頃合いを見計らって俺がそう指示すると、大地は従順に高々と腰を突き出してきた。
「そのまま、ジッとしてるんだよ」
俺の言葉に、大地は無言のまま頷いてくる。どうやら昨夜の快楽を、しっかりと大地の身体は覚えているらしい。荒い呼吸に肩を揺らしながら、ありありと晒された少年の蕾が今やすっかり俺に委ねられていた。
だが俺は、ここで一気に残酷なる欲望を大地に対して剥き出しにさせる。大地に悟られぬよう、俺はズボンのポケットに忍ばせていたある物を取り出した。今日の昼間、この街の薬局で購入したものである。もしかしたらという儚い希望の中で用意した代物だが、まさか本当にこれを使う時が来るとは思いもしなかった。
「それじゃあ、始めようか」
意味ありげに、俺は大地の耳元で囁く。次の瞬間、俺は手にしていた小さな容器の先端を素早く大地の肛門へと差し込んだ。
「っ……!?」
大地は異変に気付いた様だった。しかし俺はそのまま、容器の中の液体を勢いよく少年の内部へと注入する。
「な、何を!」
慌てる大地の身体を、俺はすぐさま岩へと押し付けて動きを拘束した。
「大丈夫、ただの浣腸さ」
「え……」
「薬が全部入っちゃったね」
すっかり空になったイチジク型の容器を、俺はそんな大地の肛門から引き抜く。
「何すんだよ、ふざけんな!」
大地は顔を青ざめさせ、怒りの声を上げた。しかし大地にとっては全てがもう後の祭りである。腸へと吸収されていく薬の効果を、後はただ待つだけだった。
「しちゃったものはしょうがないだろ。それに、もうそんな怒ってる場合じゃないかもよ?」
「くっ……!」
大地は渾身の力で、俺を押し退けようとしてくる。あえて俺は、そんな大地を解放した。すぐさま大地は、トイレを目指すかのごとく走り出す。しかしいくら人気のない夜とはいえ、全裸の大地がそのままの姿で岩場から出て行く訳にはいかない。まずは服を着直さねばならなかった。しかしその衣服はさっき俺が隠してしまっている。案の定、大地は自分の服が見つからずに激しく焦り始めた。
「服、どこいったんだろね」
俺は大地へと、わざとらしく言う。
「どこだよ、早く返せよ!」
必死になって大地は服を探し求める。裸のままであたふたする少年の姿が、俺には何とも滑稽に見えてならなかった。
「困ったね、そんな姿じゃここからトイレにも行けないか」
「てめぇ!」
焦燥に駆られた大地が、そんな俺の襟首へと掴みかかってくる。だがその時、大地の腹部からグルグルと唸る様な低い音が聞こえ始める。大地の表情がしだいに苦痛を露にさせていく。薬の効果が大地を襲い始めたのだろう。強烈な腹痛と便意に、大地はもうその張本人である俺へと怒りをぶつけるどころではなくなる。そんな大地へ、俺は嘲笑する様に口元をほころばせた。おそらく、今の大地の目には俺が極めて冷酷な姿で映っている事だろう。大地は腹を押さえ、いよいよ俺の前で悶えていく。
「お願いだから……早く、服を……」
一転し、大地は窮しきった声で懇願してくる。
「ここでしちゃいなよ、紙はないけど海の水で綺麗に洗えるだろ?」
「そんな……」
「だめ、ここでするんだ」
俺は穏やかに言うものの、それは大地にとってあまりにも過酷で耐え難い要求だろう。大地の瞳が急速に涙で潤んでいく。
「いやだ……で、出来る訳ない……」
「どうせこのまま何もしなくても、我慢出来なくなって漏らしちゃうだろ?」
大地へと、俺は他人事の様に言う。
「早く……もう、ホントに……」
「だから、ここですればいいじゃないか」
俺は容赦なく、大地に恥辱の行為を強いた。そんな中、大地はいっそう苦しそうに身を屈める。刻々と大地の限界が近付く。
「じゃあ……おじさんが向こう行ってよ……」
大地は何とか俺へ妥協を引き出そうとしてくる。
「そんなの、浣腸した意味がないだろ?」
「お願いだから……もう、我慢出来ない……」
足腰をブルブルと震わせながら、いよいよ大地は切羽詰まった様子となっていく。何もしなくても、大地の限界はもはや間近であろう。だがあえて俺は、万に一つの可能性を大地へと提示する。
「なら俺の言う通りに出来たら、一人でさせてあげるよ」
「え……?」
「まずは、ここにしゃがんで」
しかし俺の指示に、大地は激しく頭を振ってきた。
「そんな格好、出来ない……出ちゃう……」
「じゃあ、漏らすまでずっとこのままだね」
「………」
大地は俺へと、激しい憎悪に満ちた眼差しを向けてくる。だがそれでも、無言のまま大地は足元の地面へ腰を下ろそうとしてきた。かすかな希望に、大地は必死ですがろうとしているのだろう。しかしむしろ排便を促す姿勢になった事で、いよいよ少年は過酷な忍耐を強いられる事となってしまう。身体を強張らせ、大地は地面にしゃがみ込む。表情は苦渋に満ちていた。そんな大地の目の前で、俺は躊躇いなくズボンのベルトを外し始める。
「なっ……」
狼狽する大地を余所に、俺はすっかり勃起していた自らのペニスを曝け出した。大地の顔面へ、その怒張した幹を迫らせる。
「口で俺を気持ちよくさせる事が出来たら、大地君の恥ずかしいところを見ないであげるよ」
大地の窮状につけ込み、俺は少年に淫らでおぞましい奉仕を要求する。
「もう……だ、だめ……」
「そうかい?俺に見られながら出しちゃうんだ?」
大地は身体を動かす事すらままならない苦痛の様子だった。このまま諦めて排便するか、最低限の誇りを守るべく俺の要求に屈するか、大地にはその二つしか選択の余地がもう残されていない。大地に迷っていられる余裕もなかった。そして今にも泣きそうな顔になりながら、眼前に反り返った俺のペニスを咥え込んでくる。
「んっ……んんぅっ……!」
嗚咽交じりの声を洩らしながらも、それが大地にとって最後の希望だった。もはや時間のない大地は、それこそ貪る様に勢いよく俺のペニスを口の中でしゃぶっていく。もちろん、大地にとってそんな行為は初めての事だろう。テクニックもあったものではない。このまま食い千切られるのではと内心ヒヤヒヤさせられるくらい、大地はがむしゃらに俺のペニスへと吸い付
き、そして舌を絡めていく。
だがどんな形であれ、初めて受ける少年からの奉仕に俺の欲望は一気に昂ぶり、熱い疼きが股間の奥底から込み上がってくる。辱め、従属させ、必死になって俺のペニスを咥え込む大地の姿を見下ろしながら、俺の心はこの上ない征服感に躍っていく。
「いいぞ、その調子だ……」
「んんっ……ぁ……んぅっ……」
ボタボタと、しゃがみ込んだ大地の肛門から液状の便が地面へこぼれ落ち始める。いよいよ括約筋の締め付けが緩み始めたらしい。
「ほら、早くしないと」
そんな大地の焦燥を、俺はいっそう煽っていく。大地は哀れなまでの懸命さで必死に頭を揺らし、俺のペニスを口で激しく扱いてくる。だが限界という点では、大地だけでなく俺もまた同じであった。少年からの口淫に、俺は高まる衝動を抑えられなくなってしまう。気が付くと俺は大地の髪を乱暴に掴みながら、積極的に腰を動かしペニスを少年の喉元深くまで何度も突き入れていた。
「うぅっ……ぐぅっ……!」
大地から苦悶の声が発せられる。俺は思うがままに少年の口腔を犯していた。そしてついに、膨れ上がった欲望が俺の中で破裂寸前となっていく。
「もういい、離すんだ!」
俺はそう言うと、無理矢理に大地の口からペニスを引き抜いた。
「見ないで、お願いだから見ないで!」
直後、大地から悲痛な叫びが響き渡る。充満していた直腸ガスが一気に音を上げて噴き出す。同時に、液状化した少年の便が勢いよく地面へと排泄されていく。
まさにその瞬間、大地の口から離した俺のペニスもまた絶頂に達しながら白濁を放出させた。ザーメンが、間近に位置していた大地の顔面へ直撃し次々と降り注ぐ。
決壊したダムから水が溢れ出すかのごとく、一度開放してしまった肛門はもはや如何ともし難い。俺の前で、大地は大量の便を吐き出させ続ける。
「残念だったね、結局漏らしちゃったんだ」
「ひぅっ……うっ……見ないで……ううっ……くぅっ……」
俺の欲望に顔を塗れさせながら、ついに大地の瞳から大粒の涙が零れ出す。泣きながら残便を垂らす大地の姿を眺めながら、射精の余韻に浸る俺はこの背徳の恍惚にしばし耽るのだった。呼吸に合わせて、タバコの火が赤く輝く。岩の上へと腰を置き、夜空に向けて吐いた煙は風に乗って四散し一瞬で消え去ってしまう。波と風の音を漠然と耳にしながら、俺は不思議で妙に心地のよい虚脱と孤独の中にいた。さっきまでの衝撃的な展開や光景が嘘の様に平穏を取り戻した夜の岩場で、俺は頭を空っぽにさせて時を過ごす。
やがてこちらへと近付く足音に、呆けた様になっていた俺の思考は再び稼動し始める。岩場を歩む、ピチャピチャと湿った足音の影。どうやら海で身体を洗い終えたらしい。全身を水に滴らせた少年の姿が、月明かりに照らされる。
「遅かったね」
俺はタバコを地面へと捨て、足で火を踏み消しながら何事もなかったかの様に大地へと言う。だが大地は、俺から一定の距離を置いたまま無言で立ち止まる。暗闇で表情を伺うのが困難ではあったが、それでも尋常ならざる雰囲気を俺はこの一糸纏わぬ少年からひしひしと感じずにいられなかった。
「もっと、こっちへおいで」
「………」
俺の言葉に、なおも大地は答えようとしない。
「どうしたんだい?」
「………」
「黙って突っ立ってても、しょうがないだろ?」
「……服、返せよ」
やがて大地は、か細く低い声で言ってくる。
「もう終わる気かい?」
さすがにすっかり冷静になったらしく、俺に浣腸されるまでの切羽詰った様子は今の大地にまるでなかった。
「君はまだ、気持ちよくなっていないだろ?」
それでも俺は、あえてそう大地へと問う。
「ざけんな……誰が、これ以上あんたなんかと……」
大地の中に募る怒りが、しだいに露となっていく。どうやら俺の行為は、すっかり大地の心を硬化させてしまったらしい。最も、自業自得としか言い様
がなかった。人前で排泄行為を強いられ、年端もいかぬ少年の心は耐え難い恥辱に塗れた事だろう。
「さっきのは謝るよ、俺もさすがにやり過ぎたって反省してる。今度こそ、大地君を気持ちよくさせてあげるから」
「ふざけんな!」
ついに感情を爆発させ、大地は俺へと声を荒げてくる。
「早く服返せよ、もう俺は帰る!」
「嫌だと言ったら?」
俺がそう言うと、すかさず大地は足元に転がっていた石を掴み上げてきた。野球ボール大くらいはあるただの石が、瞬時にして立派な凶器と化してしまう。
「何のつもりだい?」
「いつまでも、俺があんたの言いなりになってると思うなよ」
「………」
石を手にしながら、憎悪に光る大地の瞳が俺へと向けられる。
(これは、さすがにヤバそうだな)
内心、俺は初めてこの少年に対し怯えの気持ちを抱いてしまう。ハッタリなどではなく、俺への大地の怒りは本物であった。これ以上挑発すれば、それこそ本当に流血の事態になりかねない。俺は観念し、隠していた大地の衣服を取りに行くべく腰を上げた。そんな俺の行動を、大地はジッと見守り続ける。
「これでいいかい?」
大地の衣服を手に、俺はゆっくりと歩み寄る。しかしそんな俺に対し、なおも大地は石を掴んで構えたまま牽制を解こうとしない。
「そんな警戒しなくたって大丈夫だよ。俺だってさすがに、嫌がる君を無理矢理どうこうするつもりはない」
手渡しは難しいと思い、俺は衣服を地面へと置いて再び大地から離れた。
「消えろ、二度と俺の前に現れるな」
置かれた衣服を取り返すと、大地はすかさず俺へと言ってくる。こうなっては、さすがに大地の心をなだめる事はかなり難しい。だがそれでも、俺はこのまま大地から引き下がる気にはなれなかった。少年からの口淫で絶頂を迎えるというまさに夢のような快楽を得たというのに、俺の心はなお貪欲にこの少年を求めずにいられない。
「君がそう言うなら俺も言われた通りにするさ。だけど、ひとつだけ質問させてくれないかな?」
従順な風を装いつつ、落ち着いた口調で俺は大地へと言葉を投げ掛けた。
「何だよ?」
「君の中に、俺を愛する気持ちはあったかい?」
俺からそんな問いを受け、大地がフンッと鼻で一笑する。
「バカじゃねーの?何であんたみたいな変態を愛そうなんて気が起こるんだよ」
案の定ともいうべき大地からの返答。しかしそんな言葉を予想していたが故に、俺はすかさず反撃に転じた。
「そうか。じゃあやっぱり大地君は、ただ俺とエッチな事をしたかっただけか」
「………」
「俺の事を変態とか言うけど、愛情の欠片も持っていないはずの変態に身を委ねてた君は、一体何だったのかな?」
「うるさい、早く消えろよ!」
怒りで震える大地の声に、俺は内心ほくそ笑む。
「どの道、俺は明日の朝ここから去るよ。だけど、俺がいなくなったところで君自身の問題は解決するのかな?」
「え……」
思いも寄らぬ切り返しだったのだろう、大地にかすかな動揺が浮かぶ。
「これで、二人目だ」
「何が……」
「見ず知らずの人間からエッチな事をされて、君は嫌がるどころかそういう事をされてむしろ嬉しかったんだろ?きっとまた、大地君にエッチな気持ちを抱く客は現れるはずだ。その時もまた、同じように君は……」
「うるさい、黙れ!」
俺の言葉を遮る様に、大地は必死になって叫んできた。しかし俺はなお、大地へ淡々と語り続ける。
「君は誰でもいいんだろ?気持ちいい事してもらえるなら、相手が誰であろうと関係ない。大地君はそういう人間なんだよ」
「てめぇ……」
石を掴む大地の手が、ブルブルと震えていた。
「俺の言ってる事、間違ってるなら反論しなよ」
「違う……俺は……」
だが大地は、明確な反論にすっかり窮した様子となってしまう。幼い少年に対し、俺は残酷な自己分析を強いていた。大人の身勝手な欲望の被害者でしかない哀れな少年。しかしそんな大地を、俺はさらに容赦なくいたぶり心を抉る。俺の言葉が、確実に大地の心を追い詰めていく。頃合を見計らい、俺は意を決して大地へと足を踏み出した。
「く、来るな……!」
俺の接近に、大地は露骨な狼狽を示してくる。だが俺は、大地からの反撃に対しまるで恐れを感じなかった。一度怯んだ少年の姿が、あまりに脆く
映ってならない。
「今さら、何をカッコつけてるんだい?」
俺は素早く、石を手にする大地の右腕を掴み上げた。
「離せ……!」
泣きそうな声で、大地は俺へ抗おうとしてくる。だが強引にそのまま腕を引っ張り、俺は大地の身体を抱き寄せた。少年の体温と息づかいを肌へと感じさせられ、萎えていた欲情がまた俺の中で蘇っていく。
「淫乱なこの身体で、今さら普通の子供に戻れるとでも思ってるのかい?」
大地の反撃を封じつつ、俺は左手をすかさず少年の臀部へと回す。
「んっ……やぁっ……」
滑らかな臀丘へと這わされる俺の手に、大地の身体は敏感に震えた。
「ちょっと触られえたくらいで、もうこの有様だ」
「や、やめっ……いやだ……」
「本当にこのまま、終わってもいいの?」
大地の耳元で、俺はそう静かに囁く。すっかり大地の顔は紅潮していた。瞳を涙で潤ませながらも、俺からの行為に大地の呼吸がしだいに荒く乱れ始める。俺はそのまま、指を両丘の割れ目へと忍ばせていく。
「あぁっ……」
大地が洩らす性感の喘ぎ。手にしていた石が、大地の手から零れる様に地面へと落ちてしまう。
「ほら、ここが寂しくて堪らないんだろ?」
「ちがっ……んぅ……はぁっ……」
固く収縮した大地の蕾を、俺は指先で執拗に刺激していく。大地は何度も腰を捩じらせてきた。嫌がっているのだろうが、その腰つきが俺には何とも艶かしく感じさせられてならない。
「大地君、男同士でもちゃんとセックスが出来る事、知ってるかい?」
俺の囁きに、大地の表情が強張る。
「指なんかより、もっとすごいのをここに入れられるんだよ?」
「だめ……そんな……」
困惑に満ちた大地の声を無視し、俺は視線を下半身へと向けた。
「こっちは触ってもいないのに、またすごく元気にしちゃってるね」
さっきまで力なく垂れ下がっていたはずの大地のペニスは、いつしかまた逞しくそそり立ちその欲望を露にさせていく。そんな大地の姿を眺めつつ、さらに俺は捻じ込む様に少年の蕾へ指で圧力を加える。
「んっ……あっ……!」
今にも地面へ崩れそうなまでに、大地は足腰を激しく震わせていく。
「俺が嫌いなら嫌いでそれでも構わないさ。だけど最後に一回くらい、今までよりもっと気持ちいい事を体験したって、損はないだろ?」
「………」
もうそんな俺に、大地から何ら抵抗の気配は感じられなかった。「どうかされました?」
助手席に座ってぼんやりと窓から外を眺めていた俺へ、運転手の男性が不意に言葉を投げ掛けてきた。午前の爽やかな空と太陽の下、車は海岸沿いの道路を軽快に走る。運転をしているのは白髪交じりの中年の男性。俺が朝まで泊っていた民宿の主人で、駅までバスで行くのも大変だろうと、わざわざ車で送ってもらえる事になったのだ。
「あ……いや、何でもありません」
俺は愛想笑いを浮かべながら、主人へと言葉を返す。
「気分が悪くなったなら遠慮なく言ってくださいね。何せ、私の運転は乱暴でねぇ。よく家族からも文句言われるんですよ」
「いえ、大丈夫ですから、そちらこそ気にしないでください。この海辺の綺麗な風景もこれで見納めかと思うと、少し残念でならないんですよ」
ハンドルを握りながらも心配そうに横目で俺を見る主人へ、すっかり心ここに有らずだった自分を何とか取り繕う。幸い、主人もそれ以上は俺に対し気にする様子はなかった。
「ハハ、じゃあまた来年も来てくださいな。いつでもお待ちしていますんで」
「そうですね、その時はまたお願いします」
無難な会話でやり過ごしながら、やがて車は駅へと到着する。ここまで送ってくれた主人へと丁重に感謝を言い、俺は車から降りた。走り去る車を見送りながら、俺はホッと安堵する。どうやら民宿の家族には、俺に対して疑いの目を向けている様子はなかった。無事に俺は帰路へ就けそうだ。
駅舎に入り時刻表を見ると、まだ電車の到着までに時間があった。ただ待っているのも退屈だと思った俺は、駅を一旦出て当てもなく散策する。小さな商店や食堂といった店がいくつかある程度で、時間を潰すといってもなかなか困難な駅周辺の街並み。それでも今の俺には、特に苦ではなかった。
(まるで全てが幻だったかの様だな……)
太陽の日差しが注ぐ午前の野外をブラブラと歩きながら、そんな思いを俺はフッと抱く。何気ないいつもの日常の世界に自分は戻って来たのだと、素朴な街中や時折すれ違う人々の中で俺は改めて再確認させられる。
(あの子は、今頃どうしてるんだろう……)
脳裏に焼きつく少年の姿。結局、今朝は顔を会わす事もないまま民宿を後にしてしまった。ひょっとしたら、あの少年にもう二度と会う事はないかもしれない。一抹の寂しさと虚しさを覚えながら、俺は昨夜の出来事にもう一度思いを馳せるのだった。
「はぁ……んっ……!」
波と風の音に混じって、少年のくぐもった声が岩場の中で響く。全裸のまま、地面へと四つん這いの姿勢を強いられる恥辱。だがもはや少年に抵抗の気配はなく、完全に俺のされるがままとなっていた。
「本当に大地君はエッチな身体だね。お尻がそんなに気持ちいいのかい?」
四つん這いになる大地の背後に身を置いていた俺は、大胆に突き出されたその幼い肛門から一旦埋めていた顔を離し、皮肉っぽく言葉を放つ。今や少年の蕾は、すっかり俺の唾液に塗れていた。
「やっ……やだ……そんなの……」
「ん、やめて欲しいのかい?」
「………」
「何が言いたいのかな?」
「………」
大地は躊躇った様子で、答えようとしてこない。
「答えてくれなきゃ、こっちだって困るよ」
すっかり潤った大地の蕾へ、今度は指先を添わせる。大地の中へ、指が呆気ないくらい容易に埋められていく。
「あっ……!」
大地の身体が敏感なまでに震えた。
「ちゃんと答えて」
俺はそう言いながら、さらに奥深くへ指を挿入させていく。昨日が初めてだとは思えないくらい、大地の身体は異物の侵入を受け入れていた。怒張し
た少年のペニスが、それだけで激しく跳ね上がって反応を示してくる。
「もっと……お尻……昨日、みたいに……」
耐え切れなくなったとばかり、大地が俺へと訴えてきた。
「どうすればいい?」
「何でもいいから……おじさんのしたいように……俺、もう逆らわないから……」
もどかしさを表情にありありと滲ませながら、大地は涙声で言ってくる。まさに完全なる勝利といっていい大地からの言葉。幼い裸体を晒しながら屈服する少年の光景は、俺の中から最後の理性を奪っていく。気付くと、俺は穿いていたズボンと下着を引き下ろしていた。猛々しく反り返ったペニスが、少年の肛門へと剥き出しにされる。さっき大地の口で果てたとはいえ、この状況で俺の欲望は再び勝るとも劣らない勢いを取り戻していた。
曝け出される大地の蕾へ、俺は亀頭の先端を密着させる。ビクッと、四つん這いになる大地の身体が震えた。俺の熱い欲望の感触に、少年の吐息が大きく乱れていく。
「さっき言ったよね?男同士でも、セックスは出来るって」
「………」
「そもそも、セックスってどういう事するか知ってる?」
「どうするって……それは……」
大地は言葉を詰まらせた。困惑する大地の様子から、何も分からないという訳でもなさそうである。俺が大地くらいの歳の頃なら、まだまだそういった事は未知の領域ではあったが、やはりネットなど簡単に情報が手に入る今の子供達は早熟なのだろうか。最も、今はその方が手っ取り早くて都合がいい。
「それに大地君、もっと気持ちよくなりたいんだよね?」
俺はさらに、大地へと問い掛ける。四つん這いになる少年の背中や後頭部を見上げる形なので、その表情まではハッキリとは分からない。それでも大地の身体は小刻みに震えており、少年の動揺がこちらにも十分伝わ
ってくる。
「最初は辛いだろうけど、我慢出来るかい?」
そう言いながら、俺は大地の蕾へさらに亀頭を強く擦り付ける。
「んっ……はぁ……」
大地は喘ぎを洩らしながら、悩ましげに腰を捩じらせてきた。
「いけない子だな、もう感じちゃってるのかい?」
「は、早く……」
「ん?」
「早く……おじさんだって……我慢出来ないんだろ……?」
「大地君こそ、して欲しいのかい?」
「お願いだから……もっと、もっと気持ちよく……なりたい……」
俺へと顔を振り返らせながら、大地の潤んだ瞳がしっかりと向けられてくる。思わず、俺はそんな大地の眼差しに戸惑いを覚えてしまう。快楽の誘惑に屈したあまりに淫らで、それでいて妖艶なる美しさを漂わせた少年の姿がそこにあった。初めて出会った時のあの無邪気な少年がここまで豹変するのかと、俺は少々驚きを抱かずにいられない。
「だったら俺も、子供だからって容赦はしないよ?」
言葉通り、俺はもう大地という存在を徹底的に求めて止まなくなる。
(本当に、こんな子供相手に大丈夫なんだろうか)
当然ながら、そんな不安が脳裏に過った。下手をすれば大変な負傷を大地に与えかねない行為。だが俺はもう後に引けなかった。大地への欲情はある種の自暴自棄な形となって、俺を最後の行動へと追い立てていく。
俺は己のペニスを右手で掴み、そして左手で少年の腰を固定した。しっかりと狙いを定め、俺は身体を大地へ向けゆっくりと傾けていく。重心が被せられると共に、大地の蕾を俺のペニスが強引に押し広げる。少年の肛門が、俺の欲望によって貫かれていく。
「あっ……あぁっ……!」
苦悶に満ちた大地の様子に、俺は自分のしている行為の残酷さを改めて思い知らされる。だが、もはや欲望の暴走は止めようがなかった。
「ほら、もっと身体の力を抜いて」
「そんな……む、無理だってば……こっちだって、これ以上は……」
激しく、俺のペニスを内壁が締め付けてくる。それはまさに、初めての犯される身体である事を十分に証明していた。少年の幼い身体が今、あまりに無残な形で蹂躙されようとしているのである。大地の内部を慣らすべく、俺は腰を動かし軽いピストン運動を繰り返しながら内壁へペニスを擦り合わせていく。
「ひぃっ……んんんぅっ……!」
もはや悲鳴といってもいい大地の声。十分に配慮をしているつもりなのだが、それでも大地にとってはかなりの苦痛に耐えねばならない様だった。だがそれでも、俺のペニスは大地の中へゆっくりとだが確実に深く埋められていく。
「いいぞ、大地君の中にどんどん入っていく」
「はぁ……うっ……くぅ……」
しだいに内壁の締め付けが幾分か緩んでいく感覚。それでも、まだ大地は相当に辛い様子だった。しかしもう、俺は悠長に待ってなどいられなくなる。
「もっと、動かすよ?」
俺はそう言うと、今までより大胆に腰を前後へ動かし始める。
「あっ……んくぅっ……!」
強烈な刺激が少年の中で走り抜けているのだろう、大地は大きく背筋を仰け反らせた。だが俺は、完全なる欲望の虜となってしまう。一度拍車が掛かるや、衝動に突き動かされるがままに俺は無我夢中で腰を動かしていく。
「最高だ……いいぞ、大地君!本当にもう俺、どうにかなりそうだ!」
「ああっ……ひぁぁっ……んぅっ……あぁっ……!」
強く何度も俺の腰が大地の臀部へと打ち付けられる。そのたびに、大地の身体が大きく揺らされ続けた。泣き喚く大地の声は、どこか歓呼にも似た響きを俺の耳へ伝えてくる。
だがそんな哀れな少年の叫びが、今の俺の心をいっそう激しく高揚させてならない。大地を過酷に責め立てながら、俺は二度目の絶頂へ向けなおもひたすらに少年を容赦なく犯し続けるのだった。
「なぁ……マジで、やるのか……?」
戸惑いの中、目の前に立つ幼馴染へと今西慎一は問い掛けた。海辺の公園に建つ公衆トイレ。日も暮れようとしている時刻、自分達以外に人の気配がまるでない海岸は、壁の向こうから聞こえる波の音が夕暮れの寂しさを際立たせていた。
「今さら、ビビるなって」
「そ、そんなんじゃねーよ!」
幼馴染からの言葉に、慌てて慎一は反論する。しかしそんな慎一の必死な虚勢に、相手はフッと軽い笑みを浮かべてきた。
「だったら、文句ないだろ?」
慎一の揚げ足を取る様に言うと、少年は中からベニア板の戸を閉めてしまう。ガチャッと、鍵の掛けられる音が静寂に包まれる空間の中に響く。誘われた薄暗く窮屈な個室の中で幼馴染と二人、完全に外界と遮断される。普段なら気兼ねない仲であるこの親友を前に、慎一は急速に緊張と不安が増していく。
そんな慎一へ、少年は無言のまま身を迫らせてきた。壁へと、慎一は強引に背を押し付けられる。目の前の存在に、慎一は完全に圧倒させられていた。そのまま正面から、相手がさらに一歩踏み出してきて身体を密着させようとしてくる。
「ちょっ……大地、待てってば……!」
さすがに堪らなくなり、慎一はその親友の名を叫ぶ。行為を制され、大地は不満そうな表情となる。
「何だよ?」
「いや、だってさ……」
「慎一も、こういうの興味あるんだろ?」
「それは……」
「嫌じゃないから、今こうして俺とここにいるんじゃないのか?」
「………」
返答に、慎一は窮してしまう。
ついさっきまで、大地や他の友人達と共に慎一は近くの海辺で夏休みの午後をいつもの様に謳歌していた。何も変わらぬ普段の日常として終わるはずだった一日。
だが友人達と別れ、家も近所である大地と共に帰路へ就こうしていた夕暮れの中、突然にこの親友から受けた思いも寄らぬ提案。それは慎一にとってあまりに衝撃的で、それでいて十二歳の少年の好奇心をくすぐる危険な誘惑。自分にとって未知なる領域であったものを垣間見れる、そんな期待を少なからず抱いたのもまた事実であった。
「だって、まさか大地が本気でこんな事すると思ってなかったし……それに……」
「何?」
「こんなの、男同士でする事じゃないだろ……俺らがしてるの、完全にホモじゃん……」
しかしそんな慎一の困惑に対し、大地はまるで動じる様子はない。
「考え過ぎだってば。別に俺、慎一に愛の告白とかしてる訳じゃないんだぜ?さっきも言った通り、ちょっとエロい事してみようって、それだけの話じゃん。ただの遊びだよ、こんなの」
「………」
「それに、ここなら誰にも見られないんだし、気にする事ないだろ?」
大地はそう言うと、素早く慎一の下半身へ右手を伸ばしてきた。
「あっ……!」
反射的に、慎一は狼狽の声を上げてしまう。ハーフパンツの上から、慎一の股間を大地の手がしっかりと掴んでくる。
「大丈夫だから、ジッとしてろって」
すかさず慎一の耳元で、大地は静かに囁いてきた。あまりに唐突で大胆な行為に、慎一は抗う事も出来ないまますっかり身体を硬直させてしまう。そんな慎一の股間に対し、大地の手が弄る様に動かされ始める。
大地からの行為に、慎一はどう対応していいのかすら分からないまま立ち尽くす。だがそんな慎一を無視し、大地は無言のまま股間を揉み解す様に手を動かし続ける。
トイレの個室で大地と二人、決して人に知られてはならない事を自分達は今しているのだと、慎一はこの状況の中で改めて思い知らされた。
(エッチな事を、俺と大地でしてるんだ……)
男同士とはいえ、初めて体験する他人との淫らな行為。この上ない背徳感とスリルが、不思議な高揚を伴いしだいに慎一の感情を昂ぶらせていく。そして同時に、刺激される股間へと体内の血流が急速に集まってくるかの様な、そんな感覚を慎一は覚えた。
(やばい……)
自分の身に起こり始める変化の兆しに、慎一は激しく戸惑う。そんな慎一の下半身へ、やがて大地は満足そうな笑みを浮かべながら視線を下ろしてきた。
「慎一の、どんどん硬くなってる」
大地からの指摘が、慎一にいっそうの羞恥心を煽っていく。
「だ、だって……お前がそんな触ってくるから……」
「なぁ、何でチンポがこんな硬くなるか、その意味知ってる?」
「何でって……それは……」
顔を真っ赤にさせながら、慎一は言葉を詰まらせてしまう。
「こんなんじゃ、もう言い訳も出来ないよな?」
「う、うっせぇ……」
事実、もはや慎一は何ら反論のしようがなかった。動揺の中、それでも大地からの刺激に股間はいよいよ反応を著明にさせてしまう。
「怒るなって、別にバカにしてる訳じゃないんだから。むしろ、慎一もエロい気分にちゃんとなってもらわないと、こっちだって進めようがないし」
「………」
「慎一はさ、もう自分でこういうのやってる?」
「え?」
不意の問いに、慎一はその意味を理解出来ずキョトンとなってしまう。だがそんな慎一の反応を見て、大地は何かを察したとばかり不敵な笑みを浮かべてきた。
「やっぱ、まだ知らないんだ」
「どういう意味だよ?」
「すぐに分るさ」
「はぁ?」
意味ありげな大地の言い方であったが、慎一はまるで把握しきれない。しかしその時、硬くなった慎一の股間に対し大地の手がいっそう大胆に動かされていく。ゾクッと、身震いしそうになる感覚が慎一の中を駆け巡る。
「んんっ……ちょっ、大地……!」
思わず、慎一は大きく腰を捩じらせた。
「こういうの、気持ちいいだろ?」
「………」
大地からの問い掛けに、慎一は返答の言葉を見つけられなかった。
(何だ、この感じ……)
硬くなった股間を刺激されるにつれ、しだいにむず痒い様な感覚が慎一の中で活発になっていく。それは慎一にとって、初めて経験する種類の体感だった。なぜだが分からないが、股間の奥底で沸き起こるその奇妙な疼きに、慎一は心を急かされる様なもどかしさを覚え始める。
(もっと、続けてほしい……)
他人に恥部を弄られながらも、いつしかそんな思いが慎一の中で膨れ上がっていく。
「このまま、もっとエロい事したくない?」
そんな大地からの言葉は、慎一の中で渦巻く何かを見透かしたかの様なタイミングだった。
「大地……」
「しようぜ、慎一」
「その……もっとエロい事って、どういう事を……?」
「やっぱ、その気になってきた?」
「………」
躊躇いがなくなった訳ではない。だがそれでも、大地からの促しに自分の中で抑え難い衝動が込み上がってきてしまう。無言のまま、慎一は大地へと頷いた。それは、この状況の中で初めて示された慎一からの意思。それまで強引に事を進めていた大地は、どこか安堵の表情を浮かべてくる。
「じゃあさ、脱いで」
慎一へ、大地はすかさず言う。
「え……」
「慎一のビンビンになってるチンポ、俺に見せて」
「………」
「だめ?」
本来なら、別に気兼ねない男同士でそんな事を気にする必要もないはずだった。現にいつも海で泳ぐ時は、皆の前で平気で海水パンツに着替えられるし、時には友人達とふざけて見せ合いっこなどもする。しかしなぜか今は、無性に羞恥を覚えてならない。
「じゃあ、大地も見せろよ……俺だけとか、不公平じゃん……」
窮した末、慎一はそう大地へ交換条件を投げ掛ける。
「いいぜ」
あっさりと、大地は了承してきた。すぐさま大地は、慎一の股間から一旦手を引いて身体も離してくる。そして素早く、慎一の前で穿いていたハーフパンツを下着もろとも膝の辺りにまで引き下ろしてしまう。
「っ……!」
露となる大地の下半身に、慎一はハッと息を呑んだ。
「ほら、慎一も脱げって」
唖然とする慎一へ、大地は言ってくる。だが目の前の存在に、しばし慎一はすっかり釘付けとなってしまう。着ているTシャツの裾を捲り上げながら、猛々しく反り返った大地のペニスが慎一へ向いていたのである。
(大地のチンポ……すげぇ……)
それは、慎一が今まで目にしてきたものとはまるで違っていた。青筋が浮き上がり、今にも弾けんばかりに怒張した幹。その先端はまるでペニスを包む皮から亀が頭を出しているかの様に、真っ赤に充血した肉魂が剥き出しとなっていた。
圧倒される慎一へ、大地が瞳で訴えてくる。そんな大地を前にして、慎一はまるで見えない力にでも操られるかのごとく、自らもまた穿いていたものを脱ぎ下ろす。互いにそそり立ちペニスを、慎一と大地はトイレの個室の中で曝け出し合うのだった。
「どうかした?」
大地からの声で、すっかり目の前の存在に魅入っていた慎一はようやく我に返った。気まずい表情を浮かべながら、慎一は大地の下半身から顔を背ける。
「べ、別に……」
「お互い様なんだし、そんな恥ずかしがるなって」
「………」
「俺のに興味あるなら、いくらでも見ていいんだぜ?」
「そういう訳じゃ……」
「気にするなってば。俺だってさ、慎一の見てるとすげぇドキドキしてくるんだから」
「大地……」
自分のへと注がれる大地の視線。こんな姿を見られ恥ずかしくて堪らないはずなのに、慎一もまたなぜか鼓動が高鳴ってならない。
「俺の、触ってみる?」
その時、大地が何気ない様子で言ってきた。
「え……」
「遠慮するなって」
改めて、慎一は大地の股間へと視線を向け直す。直立する大地のペニスが、慎一の目の前で力強く何度も脈打つ。単に身体の一部分であるはずなのに、それ自体がまるで意思を有しているかのごとく、慎一の情動を煽り立て誘っているかの様でさえあった。自然と、慎一はそんな大地のペニスへ右手を伸ばしてしまう。慎一の指先が触れるや、ペニスが大きく跳ね上がる。
「あっ……大地の、すげぇ熱い……」
苦しいまでに心臓が激しく鼓動していく。伸ばした腕が、緊張に震えてならない。だがそれでも慎一は、自分の行動を止める事が出来なかった。慎一の掌が、大地の熱く硬いその幹をしっかりと握る。
「……そのまま、手で俺のチンポ擦って」
「こ、こんな感じ?」
大地の指示に、慎一はぎこちなく腕を上下に動かした。グッと、大地の身体が一気に力んでいく。それまで終始余裕を示していた大地の表情が強張り、さらに呼吸を乱し始める。
「んっ……あっ……はぁ……」
吐息交じりの低い喘ぎを、大地が洩らす。手の中で鮮明に感じさせられる、大地の熱い脈動。慎一はいつしかそんな大地のペニスを握りながら、
積極的に腕を動かし始めていた。慎一の行為に、大地は恍惚の様相を濃厚にさせていく。
「気持ちいい……慎一、もっと……」
そんな慎一へ、大地が訴えてくる。
「大地……お、俺……」
高まる衝動ともどかしさに、慎一は腰をモジモジさせていた。快楽に耽る大地の様子を目の当たりにし、慎一の中で羨望の気持ちが募っていく。するとすぐさま、大地はそんな慎一の想いを察してくれた様だった。大地の手が、今度は慎一のペニスへと伸ばされる。
「あぁっ……」
大地の手で刺激され、慎一のペニスもまた激しく跳ねる。
「どうだ……いいだろ、こういうの……?」
「いい……気持ちいい……俺、マジでどうにかなりそう……」
そんな慎一へ、大地が再び身を迫らせてきた。寄り掛かる様に、慎一へ大地が身体を密着させてくる。だがもう、慎一に躊躇いはなかった。空いて
いた左腕をその背中へと回し、慎一は大地を強く抱き締める。慎一も大地も、今や無我夢中になって相手のペニスを扱いていた。二人の荒い吐息が、薄暗い空間の中でよりいっそう響き渡っていく。倫理や理性といったものはもはや関係なくなり、少年達はただ単純にこの淫らな快楽の中へと没頭していくのだった。
股間の中で、熱い高まりが急速に込み上がっていく。尿意とはまた違い、何かが勢いよくペニスから噴出してきそうなそんな感覚。その予兆とばかりに、ねっとりとした液体がペニスからチビチビと漏れ出してきていた。慎一の手の中でも、大地のペニスが同じ様に濡れ始めていく。
「大地……俺……何か、出そう……!」
切羽詰った声で、慎一は大地へと訴えた。
「そのまま出しちまえよ、すげぇ気持ちいいから」
「お前のチンポも……どんどんベトベトになってるじゃん……これって……」
「射精って、知ってるだろ?」
「子供作る時の、あれか……?」
学校の保健体育の授業で習った知識が、慎一の脳裏に蘇る。男が身体の中で作る精子という存在や、その精子を出す射精という現象。だが所詮、慎一にとっては無味乾燥な記述で書かれた教科書の内容が大雑把に記憶されているだけだった。
「あれってさ、別に子供作る時だけになるもんじゃないんだぜ?エロい気持ちになってモヤモヤしたり堪んない時とか、射精すると気持ちよくてスッキリするんだ」
「チンポがムズムズして、何か出そうな感じで……これが、射精ってやつ……?」
慎一の言葉に、大地が頷く。
「ああ、今みたいにビンビンになったチンポ擦ってるとなるんだ」
「大地も……射精、しそうなのか……?」
「だって、慎一が俺の擦ってるじゃん」
「………」
何ら淀みのない説明に、大地がすでにその射精というものを経験しているのだと、慎一は確信した。同時に、大地が言うその射精の快感というものに対し、慎一の中で好奇心と欲求が急速に膨れ上がっていく。
「このまま、一緒に射精しようぜ」
慎一の気持ちを後押しするかのごとく、大地がすかさず言ってきた。そしていっそう強く、慎一のペニスを扱いていく。すっかり濡れた二人のペニスが、クチャクチャと摩擦音を響かせる。
「あっ……あぁっ……!」
刺激が強くなり、慎一の中でいっそう熱い高まりが増す。
「慎一も……もっと、強く擦って……」
大地の言葉に、慎一もまた手の動きを加速させていく事で応えた。二人の身体が激しく震えていく。昂ぶる欲望に突き動かされるがまま、慎一と大地は一心に互いのペニスを扱き合い続ける。
「んぁぁっ……大地……俺、もう……!」
「し、慎一……ああっ……!」
ほぼ同時に、二人は限界へと達した。相手の手の中で、熱い欲望が激しく爆発する。今まで渦巻いていた欲求やもどかしさが一気に放出される様な、そんな爽快なまでの解放感と強烈な絶頂感に初めての射精を体験した慎一は、しばし頭の中が真っ白になってしまうのだった。
「どうぞ」
部屋の外に控えているであろう人間へと、俺は中から応じた。
「失礼します」
ここの親父さんだろうと思っていた俺の予測に反し、返ってきたのはハイトーンな声色。まさかと、俺の心は一気に動揺してならない。戸が開けられ、Tシャツにハーフパンツというラフな格好の少年が、落ち着いた面持ちで部屋の中へと入ってきた。
「布団を用意しますんで、しばらくお待ちください」
少年はそう、俺へと言ってくる。
この民宿にやって来た時から、この少年の姿は何度も見ていた。どうやらこの民宿を経営している夫婦の子供らしい。風貌からして十一、二歳くらいといったところだろうか。いかにも海辺の街で暮らしている地元の子といった、日に焼けた健康的な肌とどこか南方系を思わせる高く整った鼻立ちに二重のパッチリとした涼しげな瞳。男の凛々しさと幼さが混ざり合った、その十代前半特有の容姿にはどこか可憐な愛らしさを漂わせている。俺はそんな少年に見惚れそうになる衝動を抑え、平静さに努めた。
「こんな遅くまで手伝いかい?大変だね」
「別に大した事でもないですよ。夏のこの季節だけですから」
少年は俺の言葉に笑顔で返してくる。その爽やかで屈託のない明るい表情が、否応なく俺の心を擽ってならない。
「いや、でもご両親の仕事を手伝うなんて偉いよ。君だってさ、せっかく夏休みなんだし友達と遊んだりしたいだろ?」
「そんなの大袈裟ですって、今日も午後から友達と海で泳いだりしてたし。暇な時だけここを手伝ってるだけですから」
やはり民宿の子供とあってか、少年は客である俺への対応に慣れた様子であった。
「君、名前は何ていうの?」
「下澤大地って言います」
「大地君か、いい名前だね」
「そうですか?あ、それじゃあ布団敷きますね」
自分の仕事を思い出したとばかり、大地と名乗った少年は部屋の押し入れを開けて俺のために布団を取り出し始める。俺はそんな大地の姿を眺めながら、思わず立ち上がった。
「大変だろ、俺も手伝うよ」
そう言って、俺は大地の傍へとごく自然な口実で身を近付ける。何ら俺の行動に疑問を抱いていないのだろう。大地は俺へと申し訳なさそうに会釈してきた。
押し入れの中の敷布団を、一緒に掴んで外へと引っ張り出す。そのほんの一瞬、触れ合いそうなまでに俺と大地の身体が寄り添う。すでに風呂を終えたのか、少年から石鹸の香りがかすかに漂う。何気ない仕草で、俺はそんな大地へと至近距離から視線を向けた。
シャツの襟から覗く鎖骨とスラリとした首筋。日に焼けながらもシミひとつないその瑞々しく美しい素肌。視界に入る少年の何もかもが、俺の鼓動を苦しいまでに高鳴らせていく。
「もう大丈夫です、後は一人で出来ますから」
大地は俺へと、また爽やかな笑顔を浮かべて言ってきた。しかしその無垢な少年の姿が、俺の中で保っていた理性を一瞬にして消し去ってしまう。この機会を逃せば、もう二度とこの大地と自分が関わる事などない。その時の俺は、まさに魔が差したとしか説明のしようがなかった。
「君、可愛いね」
そう俺は大地へと言葉を洩らすと同時に、右手を伸ばしていた。俺の指先が臀部に触れるや、それまでとは一転して大地の表情が引き攣った様に強張ってしまう。
もう俺は後に引けなかった。そのまま無言で、大地の臀部を手で弄っていく。突然の行動に、大地は激しく困惑していた。どうしていいのか分からないといった様子で、俺の前で立ち竦む。
「やめて……ください……」
上擦った声を引き絞り、大地は俺へと言ってきた。
「どうして?」
「だって……」
「男同士なんだし、別にこんなの大した事でもないだろ?」
「でも……い、いやです……」
顔を真っ赤にさせて、大地は俺の視線から逃げる様に深く俯く。少女の様に恥じらうその様子は、幼いとはいえこれが単なる戯言ではないと十分に理解しているのだろう。しかしそんな大地の反応が、むしろ俺の中にあった加虐性を刺激していく。俺は衝動的に、背後から大地のうなじへと素早く顔を埋めた。滑らかなその肌に、軽く唇を添わせる。
「やっ……やめて……!」
ビクッと、大地は身を震わせた。そしてついに耐えきれないとばかりに、俺から逃げよう
とする。しかし大地の腕を俺は掴み、強引にその身体を抱き寄せる。
「大丈夫、酷い事はしないから」
俺は大地の耳元でそう囁いた。しかし小柄でしなやかなその身体は、俺の腕の中で哀れなまでに震え続ける。
「ひ、人を……大声出しますよ……」
大地は必死に、俺の行為を牽制しようとしているのだろう。だが今の怯えきった大地の姿を前に、俺の心は微塵も動じない。
「それは、ちょっと困るな」
「離してください!」
焦燥の中で、大地は声を荒げる。さすがに言葉でなだめるのにも限界を感じていた。ならばと、俺は右手を再び大地の下半身へと伸ばす。
「っ……!」
俺に股間を掴まれるや、大地は一気に全身を硬直させた。
「あまり騒ぐと、俺だって何するか分からないよ?ここ、力入れて思いっきり握ったら、すごく痛いよね?」
大地の表情に、恐怖が濃厚に浮かび上がっていく。もちろん、大地にそんな非道な真似をする気はなかった。しかし脅しとしては、どうやら十分に効果があったらしい。
「お願いです……やめてください……」
泣きそうな声で、大地は俺へと訴えてきた。
「すぐに終わるから、大人しくしてて」
男にとって最も重要な急所を制せられ、大地から抵抗する気配が急速に失われていく。服従するしか術のない少年を前に、俺の歪んだ欲望が一気に煽り立てられる。俺はそのまま大地の股間を弄り、さらにもう片方の手で身体のあちらこちらを撫で回していく。堪らないとばかりに、大地は何度も身を捩じらせる。
しかし俺は、そんな大地の身体を腕の中でしっかりと拘束し続けた。そんな中、大地の瞳がいつしか涙で潤んでいく。ギュッと唇を噛み締め、俺からのおぞましい行為に必死で耐え続けている様子だった。俺はさらに強く、大地と身体を密着させる。そして少年が着ているTシャツの裾から中へと、左手を差し入れた。
「やっ……あっ……」
胸肌へと触れる手に、大地から喘ぐ様な声が洩れる。
「そんな声出されたら、余計にやめられなくなるじゃないか」
さらに大地の艶やかな首筋へと、俺は舌を這わせた。首元からゆっくりと、首のラインを伝い上がって少年の肌を俺の舌が舐めていく。
「んぁっ……んんっ……!」
「こういうところ、感じちゃうんだ?」
顔を紅潮させ、荒くなる息遣いと喘ぎ。さっきまでの無垢な少年から、妖しいまでの色気が漂い出してくる。まるでいっそう欲望をそそらせるかの様な大地の姿に、むしろ俺自身が唖然とさせられた。
「あぁ……」
やがて、戸惑いと狼狽の声を大地は洩らす。すぐに俺も、大地からの感触で少年の異変を察した。ハーフパンツの上から触る少年の股
間が、刻々と変化を始める。俺はそんな大地の下半身へと、わざとらしく視線を向けた。
「大地君のここ、どんどん硬くなってる」
「ち、違っ……俺は……」
「何がどう、違うのかな?」
さらに俺は、大地の股間を活発に刺激していく。
「んっ……あぁっ……」
身悶えながら腰をくねらせる大地。しかしその間にも、俺の手の下で少年の股間が露骨なまでに反応を示してしまう。
「気持ちいいんだ?」
「………」
もはや弁明の仕様もない事実を自ら曝け出してしまった大地は、反論すら出来ないといった様子で涙目になりながら黙り込む。
「もっと、エッチな事を大地君としたいな」
「いやだ……やめて……」
「でも、こういうの初めてじゃないんだろ?」
俺は思い切って、かすかに芽生え始めていた疑惑を少年へと突き付ける。そして俺の問いを前に、大地の様子が明らかな動揺を示した。
「やっぱり、そうなんだ」
「………」
大地は何も答えようとはしなかった。しかし否定もしないその沈黙が、少年の過去を十分に物語る。見も知らぬ男から無理矢理にこんな目に遭いながら、穢れを知らぬ少年とは思えない淫靡な反応の数々。
親の手伝いで数々の人間と接してきたこの魅力的な少年は、おそらく俺以前に何人もの人間から歪んだ性愛の視線を注がれた事だろう。そして今の俺の様に、客から淫らな悪戯を受けていたとしても何らおかしくはない。
大地からすればそれはまさに忌むべき思い出でしかないのだろうが、初めてこの少年を穢した相手に対し俺はいつしか妙な嫉妬を覚えずにいられなかった。
「脱いで」
気付くと、俺はそう大地へと命じていた。しかし案の定、大地が素直に従う様子はない。
「そんな……」
「だめ?」
「は、恥ずかしいよ……」
「こんなにさせといて、今さら恥ずかしいも何もないだろ?」
俺はそう言って、大地の下半身へと改めて視線を向ける。それはあまりに歪な姿だった。羞恥に塗れた大地の表情やその態度とは裏腹に、穿いているハーフパンツの布地を大きく盛り上がらせた少年の股間。
「許して……もう、やめてってば……」
俺へと、窮しきった大地が懸命に懇願してくる。
「やめるも何も、このままじゃ大地君だって辛いだろ?」
「別に、俺は……」
「気持ちいい事、大地君にしてあげるから」
すっかり硬くなったその部分へと、俺はさらに絡めた指を強く食い込ませていく。
「あっ……あぁ……」
布地越しながら、大地のその熱い欲望が俺へと生々しい感触を伝えてくる。加えられる刺激に敏感に反応するそれが、俺の手の中で力強く脈打っているのが分かった。
「大地君のここも、我慢出来ないって言ってるみたいだね」
「………」
強張った身体が小刻みに震え、呼吸も荒く乱れていく。紛れもない性感が、少年の中を駆け巡っているのは明らかだった。俺はさらに、そんな大地を追い詰める。
「ほら、このままじゃ君のパンツがエッチなお汁でビショビショに濡れちゃうよ?」
「だけど……その……」
「他の人にはされても、俺には出来ないんだ?」
「それは……」
大地にとっては、それが必死の抵抗だったのだろう。だが俺は、目の前ですっかり萎縮しきったこの幼く哀れな獲物に対して一切妥協する気などなかった。 俺は衝動に耐えれなくなり、大地の足元へとしゃがみ込む。
「ま、待って……!」
ハーフパンツの両端を俺に掴まれるや、大地は慌ててその行為を防ごうとしてくる。
「ジッとしてて」
しかし俺は容赦しなかった。大地が穿くハーフパンツを、俺は下着もろとも一気に膝の辺りにまで引き下ろす。その瞬間、これまで布地の中で押さえ付けられていた大地のペニスが、勢いよく跳ね上がりながら俺の目の前へとその姿を曝け出した。
俺は息を呑み、視線が釘付けとなる。未だ無毛のそれは、大地の幼さを改めて示すものだった。しかし大地のペニスは、もはや尿を排泄するだけの器官ではなくなっている事も同時に俺へと知らしめる。
青筋を浮き上がらせ逞しく反り返った硬い幹、その先端からわずかに剥き出しとなる真っ赤に充血した亀頭。弾けんばかりに漲ったそれは、大人の男として十分にその役割を果たさんとする逞しい精力に溢れていた。
「やっ……見ないで、お願いだから……!」
大地はそんな俺から、すぐさま股間を両手で覆い隠そうとしてくる。
「だめだよ、隠しちゃ」
しかし大地は、俺へと激しく頭を振ってきた。頑ななその態度に、俺の中で安直な考えが浮かぶ。
「そうだ、チップをあげよう」
「え……」
「俺の言う事をちゃんと聞いてくれたら、それなりのお礼はするよ?」
だが俺のそんな言葉は、大地を懐柔するどころか少年の心に耐え難い屈辱を与えてしまったらしい。
「ふざけんな……変態野郎……」
今にも涙が溢れ出しそうになりながら、その潤んだ瞳は激しい憎悪に満ちていた。さすがに内心、俺は己の軽率さを後悔する。しかしそれでも、ここで怯んでは全てが水の泡となってしまう。俺は大地へと、不敵な笑みを返した。
「へぇ、それがお客さんへの口のきき方かい?」
股間を覆う大地の手を素早く振り払うや、俺は強引に少年の直立するペニスを掴んだ。
「んんぅっ……!」
ビクッと、大地の腰が敏感に震える。
「いつまで真面目ぶってる気だい?こんないやらしくオチンチンをビンビンにさせといて」
「あっ……んっ……んぁぁっ……」
俺は大地のペニスを激しく扱いた。大地が身悶えるその姿に、若々しい少年の肉体が欲望によって圧倒させられていくその脆さを俺へと伝える。
「大地君の、もう今にもエッチなお汁が飛び出してきそうだね」
俺の言葉は何ら大袈裟でなかった。俺に扱かれながら、少年のペニスからはいつしか透明な液体が溢れ出し始める。
「だ、だめっ……もう……」
ガクガクと、大地の足腰が今にも崩れそうなまでに震えていた。
「気持ちいい事してあげるから、こっちへ」
俺は屈んでいた姿勢からスッと立ち上がる。大地の腕を掴んで引っ張るも、少年に抗おうとする気配はもうほとんどなかった。俺がほんのわずか
誘うだけで、そのまま大地は畳の上に敷いていた布団へと倒れ込む様に突っ伏してしまう。
そんな大地へと俺は覆い被さった。大地が穿いていたものを無理矢理に剥ぎ取り、少年の下半身を俺の前で完全に露出させる。さらに俺は腰を掴み上げて、大地を四つん這いの様な姿勢に強いた。俺はそんな少年の背後へと身を置く。
高々と突き出した少年の臀部が、俺の眼前へと位置する。張りのある艶やかなラインを描く臀丘に、俺はすっかり魅入ってしまう。太陽に焼けた四肢や胴体とは対照的に、その白い素肌の割れ目からは少年の収縮した蕾が顔を覗かせる。
「大地君のお尻の穴、丸見えだ」
「やだ……やだよ、こんな格好……」
身体の隅々にまで俺の視線を浴びせられ、繊細な年頃の大地にとってはまさに身を裂かれんばかりの恥辱であろう。だが俺は、そんな大地の美しい臀丘へと舌を這わせた。
「んっ……んぅっ……」
身を捩じらせ、大地の蕾がいっそうギュッと強く収縮する。
「大地君、初めてのエッチな事は誰としたの?」
「………」
俺は好奇心からそんな問いを投げ掛けるも、大地は黙り込んだまま答えようとはしてこない。
「答えないなら、ずっとこの恥ずかしい格好のままだよ?」
「………」
「答えて」
俺はむしろ、そんな大地へと執拗に告白を迫る。
「去年……泊まりに来た、お客さんに……」
観念したとばかり、大地は答えてきた。
「どういう事、されたの?」
「身体を……触られたり、とか……」
「もっと、ちゃんと説明して欲しいな」
俺は大地の股間へと右手を回しながら、未だ欲望を火照らせたままのその部分をくすぐる様に指先で刺激していく。
「ああっ……!」
ほんのわずか触れただけで、昂ぶった大地のペニスは激しく何度も跳ね上がった。
「ほら、言って」
「脱がされて……アソコ……触られたり……」
「アソコじゃ分からないよ」
俺は大地へと穏やかな苦言を呈しながら、その秘めたる記憶を赤裸々に暴いていく。
「チンポを……」
羞恥を押し殺す様に、か細い声で大地は答えた。
「どうされたの?」
「擦ったり……揉まれたり……」
「どんな気持ちだった?」
「恥ずかしくて……怖くて……どうしていいのか、分からなくて……」
「それだけかい?」
「………」
「違うだろ?」
そう言いながら、俺はまたゆっくりと大地の勃起したペニスを扱いていく。少年の悩ましげな吐息が、室内に響き渡る。
「チンポが気持ちよくなって……どんどん硬くなって……」
「どうなったの?」
「おじさんに……チンポしゃぶられながら……だ、出しちゃって……」
「何を出したの?」
「せ、精液を……」
大地からそんな単語を聞くとは意外だった。やはりそんな衝撃的な体験をした以上、もはや何も分からない子供ではない様だ。
「へぇ、そうなんだ。ひょっとして、それが初めての射精かい?」
「………」
無言のまま、大地はぎこちなく頷く。
「それから、自分でオチンチンを擦るようになったんじゃないかい?」
「もうやめて……こんな話……いやだ……」
ついに大地は、堪えきれないとばかりに涙をボロボロと流し始める。屈辱的な姿で己のトラウマとでもいうべき思い出を告白させられ、大地は完全に打ちのめされた様子となる。しかしそれでもなお、少年のペニスは俺の目の前で猛々しいまでに反り返り続けるのだった(さて、どうすべきか……)
俺の中で葛藤が増していく。己が欲望のままに、少年を蹂躙してしまいたい衝動。しかしこの幼い身体と心が、果たしてどこまで耐えられるのかという不安もあった。それにいくら二人きりとはいえ、ここは民宿である。他の客や少年の両親もいる。今のところ大地に抵抗の気配はないとはいえ、あまりに無茶な真似はさすがにリスクが大き過ぎた。
とはいえ、少年をここまで玩んで今さら中途半端に幕を下ろすというのも、俺としては満足出来ない。歯止めが利かずに肥大化していく欲望と、それを自重せねばならないという理性。俺はこのエスカレートしていくばかりな淫行の帰結を見出せぬまま、眼前に位置する左右の臀丘を大胆に掴んだ。
それまで泣き崩れていた大地の表情が恐怖に固まる。俺はそのまま、双方の臀丘を引き離す。割れ目が広げられ、大地の小さな蕾がありありと俺の視線に曝け出される。衝動に突き動かされるがまま、俺は何ら躊躇いなく大地の臀部へと顔を埋めていた。そしてその無防備な蕾へと、舌を突き出す。
「ひぁっ……!」
四つん這いになっていた大地の身体は、舌先が触れるや激しい拒絶を示す様に大きく震えた。しかし俺は大地の臀丘をしっかりと掴んだまま、少年の蕾へと大胆に舌を動かしていく。
「あっ……や、やめっ……そんなとこ……!」
他人から尻の穴を舐められるなど、極めておぞましい行為であろう。俺とて、こんな変態的な真似は生まれて初めてだった。いくら風呂で身体を洗った後とはいえ、排泄器官であるそんな場所へ口を付けるなど容易に出来るものではない。しかし俺は、大地の蕾へ無我夢中で舌を繰り出しながらも何ら嫌悪を覚える事はなかった。むしろ本来なら唾棄すべきこの行為が、俺の歪んだ欲情を狂わんばかりに掻き立てていく。
「んぅっ……あぁっ……」
「大地君、最高だ……ホントに俺、どうにかなりそうだよ……」
「だめっ……もう、我慢出来ない……!」
大地は切実な声でそう口走るや、自らの怒張しきったペニスを掴んだ。少年の中で渦巻いていた欲求と衝動は、ついに理性の箍が外れてしまったらしい。俺にアナルを舐められながら、大地はそのまま一心不乱に己の欲望を扱いていく。俺はすかさず、四つん這いから仰向けへと大地の身体を強引に返す。そして足を持ち上げ、大地をあられもなく開脚させた。
「見せて、大地君のイクところ」
俺はそう、淫らな行為の続行を大地に促す。
「もっと……もっと、して……」
「え?」
「お尻……な、舐めて……」
「それが、気持ちいいのかい?」
「………」
大地は俺の問いに、瞼をギュッと強く閉じながら頷いてきた。まさかそんな部分で少年が性感を得るなど、俺としても驚かされる。だがそんな大地の求めに、俺はこのチャンスを無駄にする訳にはいかなかった。
「そうか、じゃあもっといい事をしてあげよう」
俺はそう言うと、自分の中指を大地の蕾へと押し当てる。すっかり唾液に塗れたその入り口に、俺は指先でゆっくりと圧力を加えていく。
「ひっ……ううぅっ……!」
大地から、苦悶に似た声が洩れ出す。俺の指によって、大地の蕾が強引に押し広げられる。そのまま指は、大地の中へググッと埋められていく。必死に耐えながら、大地は俺のされるがままに身を委ねていた。
「ほら、もっと身体の力を抜いて。大丈夫、すぐに慣れるから」
「んんっ……はぁっ……んぅっ……」
指の侵入に、大地の内壁が激しく収縮してくる。せっかくここまできて、痛みなどで興醒めされては敵わない。俺は大地に苦痛を与えぬよう努めた。決して焦ってはならないと自分に言い聞かせつつ、一旦浅い部分まで指を引き戻しては再び慎重に突き入れていくという動作を繰り返しながら、少年の内部を慣らしていく。
「あっ……んぁっ……!」
もどかしそうに、大地は身を捩じらせてくる。ゆっくりと確実に、俺の指が大地の奥深くへと達していく。
「ここ、いいだろ?」
やがて、しこりの様な硬い部分へ触れる感覚を得た。俺はその内壁の一点へと、指を食い込ませる。
「ひぅっ……んんっ……!」
その瞬間、甲高い声で大地は身を仰け反らせた。俺は確信を抱き、その部分を執拗に指で刺激していく。
「あっ……あぁっ……だ、だめぇ……やぁっ……!」
強烈な感覚が大地の中で駆け巡っている事だろう。俺が中で指を動かすたびに、少年の身体は跳ねる様に何度も激しく震えていた。さらにその間、刺激に反応して大地のペニスも強く脈打ちながら先走りの雫を新たに溢れ出させていく。
「ほら、大地君も気持ちいい事して」
俺がそう言うと、大地はまるで思い出したかのごとく自分のペニスを掴んできた。
「で、出るっ……出る……!」
わずかに数回扱いた直後、大地の内壁が今まで以上に強く収縮して俺の指を締め付ける。それはあまりに呆気ない絶頂の到来だった。俺にアナルを弄られながら自慰に耽る少年の淫らな姿を堪能しようという期待に反し、大地は募りに募った欲望を一気に爆発させてしまう。
しかしそれでも、俺にとってそれは圧巻ともいうべき瞬間だった。大地のペニスから、弾けんばかりに噴出する白濁。その若さと漲る精力を俺に思い知らせるかのごとく、横たわりながら放出された液体は勢いよく飛び散りながら、一部は大地の顔にまで達して降り注ぐ。二度、三度と断続的に白濁を吐き出した後、やがて強張った少年の身体は急速に弛緩していく。
「すごく、一杯出たね」
自らの白濁に塗れる大地の姿に俺は感嘆しながら魅入っていた。しかし絶頂の余韻の中で、大地はすっかり茫然自失となってしまう。俺はそんな大地のアナルから指を引き抜いた。
(今、この子はイッたんだ……こんな純粋無垢そうな少年が、お尻の穴で感じながら……)
至上の喜びに心躍らせながら、俺はぐったりと疲弊しきった大地の耳元へ顔を近付ける。
「明日までここにいるから、その気があるならまたおいで」
「………」
俺のそんな囁きに、虚ろな瞳の大地は何も答えてこなかった。未だ恍惚の境地に我を取り戻せていない様子である。しかしそんな大地に、俺は言葉を続けた。
「もっと気持ちいい事を、大地君に教えてあげるから」
俺のその一言に、大地の表情がかすかな変化を示す。
「後、俺に今夜はこれを貸してくれないかな?」
そう言うと、俺は大地から剥ぎ取って畳へとぞんざいに置き捨てていたトランクスを掴み上げた。さすがに今夜はもう、大地を解放せざるおえないだろう。しかし汗と先走りに布地をぐっしょりと濡らしたそれは、俺の中で溜まりに溜まった熱い欲望を処理するためにもしっかりと活用させてもらうつもりだった。未だ早朝といっていい時刻。海辺の漁師達はすでに船を出航させて大洋へと繰り出した後とはいえ、街はまだ人気がなく閑散としていた。そんな時間に、海岸線沿いの道を一人の少年が走り続ける。誰かがその姿を見たとしても、朝早くからランニングをして身体を鍛える溌剌な少年という風にしか見えないであろう。
しかし無言で走る少年の表情は、まるで何かから必死に逃げているかのごとき切迫したものがあった。夏とはいえ、昇り始めたばかりの太陽はまださほど過酷なものではなく、早朝の心地のよい風が汗に潤う少年の肌を擽りながら通り抜けていく。
やがて少年は、走るスピードを緩やかに落とし始める。かなりの距離で体力はすでに消耗していた。少年は立ち止まると身を屈めて両膝に手を置き、荒くなった呼吸を整える。
(くそっ……結局、こんな事したって何も変わらない……)
十二歳の少年の心に渦巻く、暗く陰湿な情動。少しは気が晴れる事を期待して、自宅からここまで無心になる事に努めて走り続けて来たものの、むしろ体力を酷使すればする程に身体は飢えんばかりに少年へと生々しい衝動を訴えてくる。
大地という名の少年は、立っている場所から視線を横へ静かに向けた。走ってきた道路と面するのは、海岸を整備して作られた公園。ある程度疲労が落ち着くと、大地はまるで見えない何かに誘われるかのごとく、無言のまま敷地の中へと足を進めていく。
(俺……最低だ……)
歩きながら、大地は己の下半身へと顔を下ろす。穿いていたハーフパンツの布地が、その股間部分だけを不自然なまでに盛り上がらせる。その光景が、大地をいっそうの自己嫌悪に苛ませていく。
悪夢のごとき昨夜の出来事。
どうやってあの後に自室へと戻れたのか、最後の方はもうよく覚えていない。ただ気が付くと、いつものベッドの上にいた。夜明け前のまだ空が薄暗い時刻。だからといって、とてもまた寝直す気分にはなれなかった。
家をこっそりと抜け出し、ここまでひたすらに走り続けたのもそのため。自分ではとても処理しきれぬ感情の渦に、大地はただ部屋の中でジッとしている事が耐えられなかった。
(何で俺だけ、あんな目にばっかり……)
己の理不尽な現実を恨みながら、やがて大地が足を止める。そこは公園の敷地の隅に建てられた小さな公衆トイレ。
自分が何をしようとしているのか、大地の中で激しい葛藤が増していく。だがそれでも、大地は再び歩み出してしまう。踏み入れた男子トイレ、さらにその中の個室へと大地は進む。
和室式の便器が設置された個室。大地は中から戸を閉め、そして鍵を掛けた。壁とベニヤ板で囲まれた窮屈な空間。しかし閉ざされたその場所は、紛れもない大地だけの密室。
(だめだ……もう我慢出来ない……)
大地の胸はその鼓動をいっそう高鳴らせていく。野外とはいえ人目を気にする必要がなくなった状況が、少年の内で燻っていた背徳の衝動を一気に煽り立てる。自然と、大地の手が穿いているハーフパンツへと伸びていた。理性が激しく警鐘を鳴らす。しかしそれ以上に、抑え難い欲求がその捌け口を求めて少年を突き動かしていく。
(もし、誰かにバレたら……でも……)
躊躇いが脳裏を過ぎるも、大地は自分の行動をもはや制御する事が出来なかった。ゴクリと、大地は生唾を飲み込んだ。緊張に身体が強張りながらも、大地は穿いていたハーフパンツを下着もろとも引き下ろしていく。
外界に露となる大地のペニス。まだ触ってもいないというのに、その陰茎はすでに膨張し根元から反り始めている。誰も見ていないとはいえ、大地は己の姿に激しい羞恥を覚えずにいられない。
(こんなところで……俺、何やってんだよ……)
公衆の場所で許されざる行為を始めようとしている事は、大地自身が十分に分かっていた。しかしそれでも、大地は自らの火照るペニスへと右手を伸ばす。強い脈動が、手の中で鮮明に感じ取れた。瞬く間に、ペニスがいっそう硬さを増していく。
「はぁ……はぁ……」
呼吸が乱れる。狭い空間に、少年の荒い吐息が響き渡る。考えるよりも先に、大地は反射的にペニスを扱き始めていた。刺激によって掻き立てられる疼きに、股間だけでなく全身が熱くなっていく。
(あんな事されたのに……どうして……何で……)
男から受けた辱め。心身共に蹂躙された昨夜の記憶が克明に蘇ってくる中で、むしろ大地の欲望はいっそう昂ぶってきてしまう。衝動のままに、大地はよりいっそう激しくペニスを扱き立てていく。
「んぅっ……あっ……んぁっ……」
どこか切なげな、少年の喘ぎ。熱い疼きが急速に込み上がっていく。ほとんど時間を要する事なく、大地のペニスから先走りの雫が溢れ出し始める。
無我夢中でペニスを擦りながら、その淫靡な液体が糸を引いて床へと垂れ落ちていく。すでに射精は間近にまで迫る。しかし大地は、このまま呆気なく果てたところでとてもこの欲求不満を解消出来る気がしなかった。
(もっと……もっと、エッチな事……気持ちいい事、したい……)
堪らないもどかしさが、大地の中で募っていく。この自慰行為が、逆にいっそうの悦楽を欲してならなくなる。大地は一旦、そんな自分のペニスから手を離す。すっかり怒張した幹が、今や大地の下腹へと触れそうなまでに反り返っていた。ドロドロと溢れる先走りに塗れ、ペニスから漂う男の匂いが狭い個室の中で充満していく。
さらなる快楽を求め、いつしか大地の理性は完全に無力なものとなっていた。個室を作るベニヤ板の一枚へと、大地は正面から全身を押し付けてもたれ掛かる。板のひんやりとした感覚が、火照った身体に伝わっていく。大地はそのベニヤ板へと、さらに強く己のペニスを密着させる。
「あっ……んんっ……!」
いつしか大地は、腰を何度も繰り返し上下に動かしていた。猛々しいまでにそそり立つペニスが、腰の動きに合わせて板へと激しく擦り付けられる。加工されて滑らかなその表面との摩擦は、手とはまた違う刺激をペニスへと加えていく。もはや大地に何ら躊躇いはなく、一心に腰を動かし続けていた。
「はぁ……んっ……あぁっ……」
性感に悶えながら、大地の中でかつて自分が初めて男である事を自覚するに至った日の記憶を呼び起こしていく。
ほんの一年前、今と同じ夏の日の出来事。
それは大地にとって決して忘れられない、大人というものの醜さを知った日。「や、やめて……」
恐怖に声が震えていた。獲物を捕捉するかの様な、男の不気味でゾッとする眼差し。本能的な危険を察し、身体が自然と震えてきてしまう。民宿を兼ねた自宅の裏庭、夕暮れの空は刻々と闇を増していく。
「静かに」
男は、かすかに威圧を含んだ口調で言ってきた。客としてやって来た中年の男性。民宿の手伝いで、裏庭にある倉庫の荷物整理を一人でしていた大地は、こんな人気のない場所へ突然現れた男に後ろから抱き寄せられ身体を拘束されるに至り、自分が家の仕事上すっかり見ず知らずの人間に対して警戒を欠いていた事を思い知らされる。
「すぐに終わるから、ジッとしてて。ね、いい子だから」
言葉と共に洩れる吐息を肌に感じさせられ、身の毛もよだつ嫌悪が全身を駆け巡っていく。
「ホントに君は可愛いねぇ」
男はそう言いながら、拘束する大地の身体のあちらこちらを弄っていく。何も出来ないまま、大地は男の腕の中で立ち竦む。生まれて初めて、人間の本当の悪意というもののおぞましさを肌で感じさせられた十一歳の少年は、男に対し抵抗どころか微動だに出来ぬまでに怯えきってしまう。男はそんな大地の身体へと触れてきながら、しだに感情を昂ぶらせる様に息を荒げてくる。
「やめてください……お願いですから……」
大地は必死に声を引き絞り、男へとそう訴えるのが精一杯だった。
「だったら、大地君のオチンチンを見せて」
そう、大地の耳元で男は囁いてきた。大地は何が何だか分からぬまま、狼狽するばかりとなってしまう。
「そんな……」
「見せてくれたら、もうやめるから」
「………」
「さぁ、早く」
強引に、男は大地へと行動を迫る。拒絶出来ぬまま、結果的に男の言いなりとなってしまう大地。今はただ、一刻も早くここから解放されたいという気持ちで一杯だった。そんな大地の背後から正面へと、男は回り込んでくる。
無言の威圧とその恐怖の中で、大地は下半身を露出させられた。大地の足元に、男はしゃがみ込む。曝け出され萎縮しきった少年のペニスが、男の眼前に位置する。
「立派なオチンチンじゃないか」
あられもない大地の姿を眺めながら、男は野卑な笑みを浮かべてきた。
「もう……許して……」
「大地君は、これで気持ちいい事をしたりしてるのかな?」
「え……?」
男の言ってる意味が分からず、大地は困惑してしまう。しかしそんな大地の反応に、なぜか急に男は嬉しそうな様子となった。
「そうか、やっぱりまだ何を知らないんだね」
突然、大地の股間へと男は右手を伸ばしてくる。
「っ……!」
垂れ下がるペニスを男の指で摘まれ、大地は一気に硬直してしまう。
「そのまま、静かにしてるんだよ?」
男はそう言うなり、さらに大地の股間へと素早く顔を埋めてきた。口を開け、まるで躊躇いもなく大地のペニスを咥え込んでくる。
「なっ……!」
反射的に、大地は逃げる様に腰を引こうとした。しかし男の左腕がそんな大地の臀部へと回され、下半身をしっかりと固定させられる。
「やめて……もう、やめてください……」
ついに大地は、あまりの恐怖に涙を堪えきれなくなってしまう。だが大地の言葉など男はまるで意に介する事なく、少年のペニスを口や舌で執拗に、そして濃厚なる愛撫を加えてくる。生温かな口腔とねっとりと唾液に塗れた舌が小さな幹に何度も這わされ、絡められていく。そのおぞましい感覚が刻々と伝わってくる中、大地はいっそこのまま気を失ってしまった方がどれ程楽かと思いながら、それでもただ懸命に耐え続けるしかなかった。
「ひぅっ……あっ……!」
その時、ビリッとした鋭利な感覚が大地の中を走り抜ける。大地のペニスを包み込んでいた包皮が、男の手によって強引に先端を剥かれていた。ピンク色の亀頭が露にさせられる。
「綺麗に剥けるじゃないか」
そんな大地の亀頭へと、男は突き出した舌先で集中的に刺激を加えていく。
「んっ……あぁっ……んんっ……」
痺れる様な敏感な感覚に、堪らず大地は何度も腰を捩じらせた。
「こういうの初めてかい?気持ちいいだろ」
男は舌を這わせつつ、さらに手で大地のペニスを扱いてくる。
(な、何だよ……これ……)
新たなる動揺が、大地を襲う。男からの刺激に、股間が急速に熱くなっていく。疼く様な、もどかしい感覚が身体の奥底から沸き起こってくる。それは大地にとって、何もかも初めて経験させられる身体の異変だった。
「ああっ……」
いつしか、自然と心臓の鼓動が高鳴ってきてしまう。同時に、それまで萎えきっていた大地のペニスが、男の前で一気に幹を膨張させ硬くなっていく。直立し始めた大地のペニスに、男は満足そうな笑みを浮かべてくる。
「大地君も、やっぱり男の子なんだね」
男はそのまま、再び大地のペニスを深々と咥え込む。ビクッと、大地の身体が激しく震えた。硬くなったその幹を男は大胆にしゃぶり、そして頭全体を動かしながら口で扱いていく。
「あっ……あっ……!」
熱い何かが、勢いよく自分の中で込み上がってくる感覚。何もかもが大地を圧倒させる。男の行為とそれに伴う強烈な刺激に、大地はただただ身悶え続けるのだった。
かつて体験した恥辱の記憶。自分が男であるという事の意味を自覚し、無理矢理に教えられた快楽。あの日以来、大地は子供から大人への階段を歩み出した。
「んっ……はぁ……」
回想の世界にいつしか没頭していた大地は、その辱めを思い返しながらなぜかいよいよ自分の中で欲情を昂ぶらせていく。激しくペニスを擦り付けていたベニヤ板は、今や先走りの雫によってその部分がベトベトになっていた。しかし大地は、自分のそんな行為にもしだいに物足りなさを感じてならなくなってしまう。
やがて沸き起こる、新たなる衝動。
(だめ……あんな事……ホントに俺、変態になっちゃう……)
歯止めが失われていく己の欲望。人としての誇りを自らで踏み躙るかのごとき行為だと、大地は分かっていた。しかし際限なく欲してならない悦楽に、大地の身体は自然と動いてしまう。
板へともたれ掛かったまま、大地は腰を背後へと向けて大きく突き出した。そして右手を伸ばし、露になる臀部へ這わせていく。
「あぁっ……」
臀丘の割れ目へと分け入り、指先で己の蕾を軽く触れる。ゾクゾクっと、疼きが全身を駆け巡っていく。熱く火照った身体は、もはや中途半端に終える事を許さなくさせていた。
(今日だけ……もう、絶対にこんな事しないから……今だけ……)
自分自身へと、そんな言い訳を心の中で呟く。しかしそれはあまりに虚しく響くだけだった。大地は両脚をいっそう左右へと広げた。心臓の鼓動が破裂しそうなまでに激しく高鳴る。緊張に強張りながらも大地は大きく息を吸い込み、そして吐き出す。深呼吸に合わせて、収縮していた蕾の入り口がわずかに弛緩する。ついに大地は意を決した。すでにじっとりと汗に濡れたその蕾へと、先走りの雫に塗れた指をグッと押し込んでいく。
「んっ……んんっ……」
ガクガクと、足腰が震え始める。拡張される内部に苦悶の声を洩らしながらも、大地の指が己の中へと静かに埋められていく。異物の圧迫感に、鈍痛の様な感覚が直腸から下腹にまで広がる。しかしそれでも、己の行為をもう大地は止められなかった。さらに指を深く中へと押し込んでいく。
その間、ペニスが何度も跳ねていた。
(こんな汚い事して……俺、興奮してる……)
激しく内壁が収縮してきながらも、大地の指はいつしかほぼ根元まで中へと埋まる。息を荒げ、大地は自分の中で指をゆっくりと動かしていく。昨夜の感覚を、未だ生々しく身体は覚えていた。男に刺激されたあの敏感な部分を、いつしか大地の指は探し求めてしまう。
指の関節を曲げて内壁を押し広げる。そのたびに軽い鈍痛と、刺激に抗う様に内壁が激しく収縮してくる。その繰り返しを何度か重ねている内に、ある一点へと大地の指先が食い込んだ。
「あっ……!」
思わず大地は甲高い声を発してしまう。ズンッと、股間の奥底へと響くかのごとき感覚。昨夜の記憶が、ありありと大地の中で呼び覚まされていく。
「ひぁっ……あぁっ……!」
衝動的に、大地はその部分を激しく何度も刺激していた。自慰とはまた違う新鮮な性感が、少年から余計な思考を奪い倒錯の世界と快楽へ耽溺させていく。
「気持いい……お尻……気持ちいい……!」
いつしかそんな言葉を洩らしながら、大地は淫らに喘ぎ続ける。渦巻いていた欲望が、肛門からの刺激に反応して一気にその高まりを増していく。欲望がままに、大地は無我夢中で指を動かし続ける。もはやここが野外であろうと関係なかった。募り続ける欲求のもどかしさの中で理性は今や完全に忘れ去られ、大地はただ純粋に絶頂のその時を求め続ける。
「んんぅ……ああっ……!」
ついに溜まりに溜まった少年の欲望が爆発してしまう。激しく身を震わせながら、大地のペニスから大量の白濁が一気に噴出した。飛び散ったその液体が、正面のベニヤ板や床へと次々に降り注ぐ。
「す、すげぇ……チンポ触ってもいないのに……俺、ケツだけで……」
絶頂の中で、一時的に意識は朦朧としてしまう。強烈な射精の快感とその解放感に大地は呑み込まれながら、もたれる物がなければそのまま倒れ込んでしまいそうになる。震える身体を必死になって踏ん張り、大地は姿勢を保たねばならなかった。
(もういい……もうどうだっていい……したい……もっと、エッチな事……気持ちいい事を……)
大地の脳裏に、あの男の言葉が過ぎる。
『もっと気持ちいい事を、大地君に教えてあげるから』
気が付くと、瞳からボロボロと涙が零れ落ちていた。なぜ自分が泣いているのかも分からない。ただ、今はもう自分が後戻り出来ぬところにまで来てしまったという事だけは理解していた。「何の用だい?」
俺はあえてとぼけた風を装い、部屋へとやって来た相手に問い掛けた。しかし相手は俺に対し、途方に暮れた様子で立ち竦む。夜も更けようとする時刻。突然の来訪者に、俺は内心歓喜に我を忘れそうになってしまう。このまま何もなく明日は帰路に就くのかと半ば諦め気味だっただけに、目の前に立つ少年の姿が幻ではないかと、俺は何度も自分の意識の明瞭さを確認せずにいられない。しかしそんな俺へ、大地は何も答える事なく俯き沈黙したままであった。
「黙ってちゃ、何も分からないじゃないか」
「………」
なおも大地から返事はない。昨夜の体験を経てもなお、ここへとやって来た大地の複雑な心境と葛藤が、自然と俺にも伝わってくる。だが俺はもう、大地をただ眺めているだけでは我慢出来なかった。表面上は平静を保ちつつ、俺は静かに立ち上がってそんな大地へと足を進める。
「っ……!」
俺が迫るや、どこか怯えた様に大地の表情が強張っていく。
「どうかした?」
「べ、別に……」
それでも必死に、大地は俺に対して虚勢を張ろうと努めていた。俺はそんな大地の間近にまで距離を詰める。顔色を隠そうとしているのか、大地は俺の視線を避ける様にいっそう深く俯く。極度の緊張からか、すっかり少年はガチガチになっている。
「昨日の続き、したいのかい?」
俺はそう、大地の耳元で囁いた。大地から返答はなかったが、否定しようともしてこない
「答えてくれなきゃ、こっちだって困るよ」
そう言うと、俺は大地の股間へ素早く右手を伸ばした。
「あっ……」
戸惑う様な大地の声が洩れる。驚いた事に、ハーフパンツの上から触る大地の股間はすでにそれなりの硬い感触となっていた。俺の手に、いっそう少年の下半身が熱くなり始める。
「もう、興奮しちゃってるんだ?」
俺に股間を弄られ、大地の表情がもどかしそうに歪んでいく。
「んっ……あっ……」
加えられる刺激に、呆気ないくらい大地は敏感になっていた。悶える少年の吐息が、まるでこちらの欲情をいっそう誘っているとしか思えないくらい扇情的に聞こえてならない。
「俺のとこへ来るまでに、もうかなり期待で一杯だったんだね」
「だ、だって……おじさんが、昨日……」
おじさんと言われ、三十を過ぎたばかりの俺はいささかショックを覚えた。しかし大地にはそう見える以上、今さら嘆いたところでしょうがないのだろう。
「それで、また気持ちいい事して欲しくなったんだ?」
反論出来ないのか、大地は表情に悔しさを滲ませながらギュッと唇を強く噛み締める。そんな大地の股間を、俺はさらに活発に刺激していく。硬く盛り上がった布地の下で、すっかり欲望の塊と化した少年のペニスが激しく脈打ってくる。
「やっ……んんぁっ……!」
身を震わせ、いっそう淫靡な喘ぎを大地は発してきた。
「そんな声出してたら、ご両親や他のお客さんに聞こえちゃうよ?」
「んぅっ……ぁ……」
俺からの指摘に、大地は必死に声を押し殺そうとしてくる。大地のそんな健気な姿に、むしろ濃厚なる色気を俺は感じずにいられない。昨夜以上に、大地の身体は性感に対して鋭敏となっていた。俺から辱めを受けると分かっていてもなお、沸き起こる欲求を抑える事が出来なかったのだろう。
(なかなか、素質のある子じゃないか)
この絶好のチャンスを、俺は逃す気などなかった。
「誰もいない場所とかなら、もっと気にせず楽しめるのにね」
やがて大地へと、俺は独り言の様に呟く。
「そういう都合のいい場所があればの、話だけど」
「………」
俺の言葉に、大地は明らかに反応していた。
夜の海辺に、人の姿はまるでなかった。砂浜はもとより、海岸沿いの道路にも車が時折通るといった程度である。岸壁に打ちつけられる波の音が、昼間よりも妙に強調されて耳に響く。
民宿をこっそりと抜け出した俺達が出向いたのは、海水浴場となっている浜辺から少し離れた所に広がる岩場。大小の石が転がり夜は歩くだけでもかなり難渋する場所だが、快晴の夜空から月明かりが照ってくれていたのが幸いだった。いくつもの大きな岩が陰となり、もし浜辺に誰か来ても遠目からはここにいる自分達の存在を確認する事は容易に出来ないだろう。さすが地元だけあって、大地の選定した場所は人目を避けるという条件
に最適であった。
「服を脱いで」
周囲に人気がない事を確認し、俺は大地へと唐突に命じる。
「え……」
案の定、俺の言葉に大地は戸惑いを示してきた。
「大丈夫さ、誰もいないんだし」
「で、でも……」
「こんなところにまで、俺とただ散歩をしに来た訳じゃないんだろ?」
「………」
「ここに来た意味を、もう一度考えてみたらどうだい?」
窮しきった様子の大地に対し、俺はさらに追い打ちを掛けていく。だがそんな俺へと、大地は怒りを露わにさせた眼差しを向けてきた。
「卑怯だ……」
低い声で大地は呟く。
「だったら、何?」
平然と、俺は言い返した。そして足元の小さな岩へ、俺はゆっくりと腰を下ろす。時間はたっぷりとある。大地が指示に従うまで、気長に俺は待つつもりだった。
「俺はただ、大地君の裸になった姿が見たいだけなんだよ」
「見て……どうするのさ……」
「どうして欲しい?」
「それは……」
俺に問い返され、大地は動揺しながら言葉を詰まらせてしまう。
「服を脱いで」
改めて、俺は大地へと命じる。この状況において誰が主導権を握っているのか、まずはじっくりと大地に思い知らせてやるつもりだった。しばし沈黙したまま大地は立ち尽くす。だがそれ以上、大地から不満や反抗が示されてくる事はなかった。
無言のまま見据える俺を前に、ついに大地が根負けしてしまう。羞恥と躊躇いを見せながらも、大地は自分が着ている衣服へと手を掛けた。Tシャツやハーフパンツ、大地の身に纏っていたものが一枚一枚脱ぎ捨てられていき、少年の素肌が徐々に露わとなっていく。
俺はそんな大地の姿へ、しっかりと視線を向け続ける。元々薄着という事もあり、瞬く間に大地は俺の前で一糸纏わぬ姿となった。月明かりに照らされた少年の肌としなやかな身体のライン。波の音も相まって、岩場に立つ大地の裸体がどこか幻想的にすら感じてならない。見惚れる俺の眼差しから、大地は必死で恥ずかしさに耐えている様子だった。
俺は今すぐにでもこの少年を押し倒し、その美しい肉体を欲望のままに貪りたい衝動に駆られていく。だが、そんな暴走寸前の感情を今はまだ抑えねばならないと、俺は懸命に自身へ言い聞かせる。
「そんな……ジロジロ見てこないでよ……」
「今さら恥ずかしがったって、しょうがないだろ?」
「………」
あえてそんな大地の股間へと、俺は視線を集中的に浴びせていく。脱いだ時から、すでに少年のペニスは硬くなって幹を起き上がらせ始めていた。あられもない姿で俺へと晒し者のごとく直立不動を強いられる中、やがてさらに大地のペニスは直立し始め力強く脈打ち出してくる。大地の表情が狼狽を色濃くさせていく。
「見られて、そんなに興奮するのかい?」
「ち、違う……!」
必死になって、大地は俺へと言い返してきた。
「じゃあ、どうして大地君のオチンチンそんなに元気なのかな?」
「………」
大地は何も答えられないまま、その間にすっかりペニスは逞しくそそり立ってしまう。
「言ってごらん」
俺は大地へと、静かな口調で促す。
「え……」
「どうして欲しいの?」
「………」
「このままじゃ、辛いだろ?」
なおも活発に脈動する大地のペニスを眺めながら、俺は意地悪っぽく指摘する。
「おじさんの……したいようにすれば、いいじゃないか……」
「大地君がこそ、俺にして欲しいんだろ?」
「………」
「ほら、ちゃんと言って」
しばし俺達の間に、重苦しい沈黙が流れた。だが俺は、岩に腰掛けたまま大地の返答を待ち続ける。大地の配慮や譲歩をするつもりなど今は毛頭ない。やがて無言だった大地は、ついに耐えきれなくなったとばかりに口を開く。
「エッチな事……一杯、して欲しい……」
泣きそうな声で、大地がそう俺へと訴えてくる。まだ指一本触れてもいないというのに、すでに今にも弾けんばかりに怒張した大地のペニス。俺に焦らされる分、少年の中で渦巻く欲求のすさまじさをその股間の一物が十分過ぎるまでに物語っていた。
「あの岩に、両手をついて」
あえて大地からやや離れた岩を、俺は指し示しながら言う。大地が抗う事はなかった。俺の言葉を聞くや、すぐさま踵を向けてその岩へと歩み始める。俺は大地の注意が逸れたその一瞬に、地面へと脱ぎ捨てられていた少年の衣服を素早く掻き集め、傍の岩陰へと隠した。そうとも知らず、大地は二メートル程はある大きな岩へと身体を向き合わせながら、上半身をやや前屈気味にさせて両手をつく。
俺はそんな大地の背後に立った。両手を伸ばし、小柄な大地の身体を腕の中へと包み込む。すっかり大地の身体は硬直していた。俺は大地の背中へさらに身を寄り添わせる。そのままゆっくりと、俺は大地の裸体とその滑らかな肌をそれぞれの手で撫で回していく。グッと、大地の身体が過剰なまでに力んでくる。
しかし俺はさらに、大地の肩の辺りへと顔を埋めた。首から肩、そして腕にかけてのラインへと、俺は何度も口付けを繰り返していく。大地の呼吸が乱れ始め、身体を小刻みに震えさせる。さらにそのまま、俺は大地の胸肌へと右手を這わせていく。
「んっ……はぁ……」
もどかしそうに身体を捩じらせ、大地の吐息と喘ぎがいっそう荒くなる。
「こっちまで、硬くなっちゃうんだ?」
大地の乳首へと、俺は指先を添わせた。背後からうなじへと舌を這わせつつ、張り詰めた様に硬くなったその小さな突起を、俺は指で執拗に刺激していく。
「やぁっ……んんぅ……!」
大地から敏感な反応が返ってくる。
「あっ……んぁっ……あぁっ……」
俺はそのまま首筋へと舌を滑らせていく。他の性感帯に連動してか、活発に大地のペニスが跳ねていた。しかし俺はあえてその部分を無視し、腰から太股の辺りを左手で撫でていく。
「はぁ……」
切なげな声を洩らしながら、大地は何度も腰を捩じらせる。
「ホント、大地君はエッチな身体なんだね」
「ちがっ……俺は……あっ……!」
指先でペニスの先端を軽く触れるや、それだけで大地の身体が激しく震える。
「触ってもいないのにこんなビショビショにさせて、何が違うんだい?」
止めどなく溢れ出す先走りに、俺の指が濡れていく。淫らに火照った少年の身体は、もはや呆気なく欲望を爆発させてしまいそうな勢いだった。
「おじさん……も、もっと……」
か細い声で、そんな俺へと大地は訴えてくる。
「ん?」
「もっと……擦って……気持ちよく……」
内なる衝動にもはや耐えられなくなったとばかりに、大地が切実なる本音を吐き出す。俺は大地のペニスを軽い手付きで弄りつつ、背筋や肩甲骨の辺りを唇や舌で大胆に愛撫を繰り返していく。
「はぁっ……んぅっ……」
悶える様に、大地は背中を仰け反らせた。正面の岩へとさらに強くもたれ、今にも崩れそうになる姿勢を必死になって支え続けようとしている。
「もっと、お尻をこっちへ向けて」
「………」
頃合いを見計らって俺がそう指示すると、大地は従順に高々と腰を突き出してきた。
「そのまま、ジッとしてるんだよ」
俺の言葉に、大地は無言のまま頷いてくる。どうやら昨夜の快楽を、しっかりと大地の身体は覚えているらしい。荒い呼吸に肩を揺らしながら、ありありと晒された少年の蕾が今やすっかり俺に委ねられていた。
だが俺は、ここで一気に残酷なる欲望を大地に対して剥き出しにさせる。大地に悟られぬよう、俺はズボンのポケットに忍ばせていたある物を取り出した。今日の昼間、この街の薬局で購入したものである。もしかしたらという儚い希望の中で用意した代物だが、まさか本当にこれを使う時が来るとは思いもしなかった。
「それじゃあ、始めようか」
意味ありげに、俺は大地の耳元で囁く。次の瞬間、俺は手にしていた小さな容器の先端を素早く大地の肛門へと差し込んだ。
「っ……!?」
大地は異変に気付いた様だった。しかし俺はそのまま、容器の中の液体を勢いよく少年の内部へと注入する。
「な、何を!」
慌てる大地の身体を、俺はすぐさま岩へと押し付けて動きを拘束した。
「大丈夫、ただの浣腸さ」
「え……」
「薬が全部入っちゃったね」
すっかり空になったイチジク型の容器を、俺はそんな大地の肛門から引き抜く。
「何すんだよ、ふざけんな!」
大地は顔を青ざめさせ、怒りの声を上げた。しかし大地にとっては全てがもう後の祭りである。腸へと吸収されていく薬の効果を、後はただ待つだけだった。
「しちゃったものはしょうがないだろ。それに、もうそんな怒ってる場合じゃないかもよ?」
「くっ……!」
大地は渾身の力で、俺を押し退けようとしてくる。あえて俺は、そんな大地を解放した。すぐさま大地は、トイレを目指すかのごとく走り出す。しかしいくら人気のない夜とはいえ、全裸の大地がそのままの姿で岩場から出て行く訳にはいかない。まずは服を着直さねばならなかった。しかしその衣服はさっき俺が隠してしまっている。案の定、大地は自分の服が見つからずに激しく焦り始めた。
「服、どこいったんだろね」
俺は大地へと、わざとらしく言う。
「どこだよ、早く返せよ!」
必死になって大地は服を探し求める。裸のままであたふたする少年の姿が、俺には何とも滑稽に見えてならなかった。
「困ったね、そんな姿じゃここからトイレにも行けないか」
「てめぇ!」
焦燥に駆られた大地が、そんな俺の襟首へと掴みかかってくる。だがその時、大地の腹部からグルグルと唸る様な低い音が聞こえ始める。大地の表情がしだいに苦痛を露にさせていく。薬の効果が大地を襲い始めたのだろう。強烈な腹痛と便意に、大地はもうその張本人である俺へと怒りをぶつけるどころではなくなる。そんな大地へ、俺は嘲笑する様に口元をほころばせた。おそらく、今の大地の目には俺が極めて冷酷な姿で映っている事だろう。大地は腹を押さえ、いよいよ俺の前で悶えていく。
「お願いだから……早く、服を……」
一転し、大地は窮しきった声で懇願してくる。
「ここでしちゃいなよ、紙はないけど海の水で綺麗に洗えるだろ?」
「そんな……」
「だめ、ここでするんだ」
俺は穏やかに言うものの、それは大地にとってあまりにも過酷で耐え難い要求だろう。大地の瞳が急速に涙で潤んでいく。
「いやだ……で、出来る訳ない……」
「どうせこのまま何もしなくても、我慢出来なくなって漏らしちゃうだろ?」
大地へと、俺は他人事の様に言う。
「早く……もう、ホントに……」
「だから、ここですればいいじゃないか」
俺は容赦なく、大地に恥辱の行為を強いた。そんな中、大地はいっそう苦しそうに身を屈める。刻々と大地の限界が近付く。
「じゃあ……おじさんが向こう行ってよ……」
大地は何とか俺へ妥協を引き出そうとしてくる。
「そんなの、浣腸した意味がないだろ?」
「お願いだから……もう、我慢出来ない……」
足腰をブルブルと震わせながら、いよいよ大地は切羽詰まった様子となっていく。何もしなくても、大地の限界はもはや間近であろう。だがあえて俺は、万に一つの可能性を大地へと提示する。
「なら俺の言う通りに出来たら、一人でさせてあげるよ」
「え……?」
「まずは、ここにしゃがんで」
しかし俺の指示に、大地は激しく頭を振ってきた。
「そんな格好、出来ない……出ちゃう……」
「じゃあ、漏らすまでずっとこのままだね」
「………」
大地は俺へと、激しい憎悪に満ちた眼差しを向けてくる。だがそれでも、無言のまま大地は足元の地面へ腰を下ろそうとしてきた。かすかな希望に、大地は必死ですがろうとしているのだろう。しかしむしろ排便を促す姿勢になった事で、いよいよ少年は過酷な忍耐を強いられる事となってしまう。身体を強張らせ、大地は地面にしゃがみ込む。表情は苦渋に満ちていた。そんな大地の目の前で、俺は躊躇いなくズボンのベルトを外し始める。
「なっ……」
狼狽する大地を余所に、俺はすっかり勃起していた自らのペニスを曝け出した。大地の顔面へ、その怒張した幹を迫らせる。
「口で俺を気持ちよくさせる事が出来たら、大地君の恥ずかしいところを見ないであげるよ」
大地の窮状につけ込み、俺は少年に淫らでおぞましい奉仕を要求する。
「もう……だ、だめ……」
「そうかい?俺に見られながら出しちゃうんだ?」
大地は身体を動かす事すらままならない苦痛の様子だった。このまま諦めて排便するか、最低限の誇りを守るべく俺の要求に屈するか、大地にはその二つしか選択の余地がもう残されていない。大地に迷っていられる余裕もなかった。そして今にも泣きそうな顔になりながら、眼前に反り返った俺のペニスを咥え込んでくる。
「んっ……んんぅっ……!」
嗚咽交じりの声を洩らしながらも、それが大地にとって最後の希望だった。もはや時間のない大地は、それこそ貪る様に勢いよく俺のペニスを口の中でしゃぶっていく。もちろん、大地にとってそんな行為は初めての事だろう。テクニックもあったものではない。このまま食い千切られるのではと内心ヒヤヒヤさせられるくらい、大地はがむしゃらに俺のペニスへと吸い付
き、そして舌を絡めていく。
だがどんな形であれ、初めて受ける少年からの奉仕に俺の欲望は一気に昂ぶり、熱い疼きが股間の奥底から込み上がってくる。辱め、従属させ、必死になって俺のペニスを咥え込む大地の姿を見下ろしながら、俺の心はこの上ない征服感に躍っていく。
「いいぞ、その調子だ……」
「んんっ……ぁ……んぅっ……」
ボタボタと、しゃがみ込んだ大地の肛門から液状の便が地面へこぼれ落ち始める。いよいよ括約筋の締め付けが緩み始めたらしい。
「ほら、早くしないと」
そんな大地の焦燥を、俺はいっそう煽っていく。大地は哀れなまでの懸命さで必死に頭を揺らし、俺のペニスを口で激しく扱いてくる。だが限界という点では、大地だけでなく俺もまた同じであった。少年からの口淫に、俺は高まる衝動を抑えられなくなってしまう。気が付くと俺は大地の髪を乱暴に掴みながら、積極的に腰を動かしペニスを少年の喉元深くまで何度も突き入れていた。
「うぅっ……ぐぅっ……!」
大地から苦悶の声が発せられる。俺は思うがままに少年の口腔を犯していた。そしてついに、膨れ上がった欲望が俺の中で破裂寸前となっていく。
「もういい、離すんだ!」
俺はそう言うと、無理矢理に大地の口からペニスを引き抜いた。
「見ないで、お願いだから見ないで!」
直後、大地から悲痛な叫びが響き渡る。充満していた直腸ガスが一気に音を上げて噴き出す。同時に、液状化した少年の便が勢いよく地面へと排泄されていく。
まさにその瞬間、大地の口から離した俺のペニスもまた絶頂に達しながら白濁を放出させた。ザーメンが、間近に位置していた大地の顔面へ直撃し次々と降り注ぐ。
決壊したダムから水が溢れ出すかのごとく、一度開放してしまった肛門はもはや如何ともし難い。俺の前で、大地は大量の便を吐き出させ続ける。
「残念だったね、結局漏らしちゃったんだ」
「ひぅっ……うっ……見ないで……ううっ……くぅっ……」
俺の欲望に顔を塗れさせながら、ついに大地の瞳から大粒の涙が零れ出す。泣きながら残便を垂らす大地の姿を眺めながら、射精の余韻に浸る俺はこの背徳の恍惚にしばし耽るのだった。呼吸に合わせて、タバコの火が赤く輝く。岩の上へと腰を置き、夜空に向けて吐いた煙は風に乗って四散し一瞬で消え去ってしまう。波と風の音を漠然と耳にしながら、俺は不思議で妙に心地のよい虚脱と孤独の中にいた。さっきまでの衝撃的な展開や光景が嘘の様に平穏を取り戻した夜の岩場で、俺は頭を空っぽにさせて時を過ごす。
やがてこちらへと近付く足音に、呆けた様になっていた俺の思考は再び稼動し始める。岩場を歩む、ピチャピチャと湿った足音の影。どうやら海で身体を洗い終えたらしい。全身を水に滴らせた少年の姿が、月明かりに照らされる。
「遅かったね」
俺はタバコを地面へと捨て、足で火を踏み消しながら何事もなかったかの様に大地へと言う。だが大地は、俺から一定の距離を置いたまま無言で立ち止まる。暗闇で表情を伺うのが困難ではあったが、それでも尋常ならざる雰囲気を俺はこの一糸纏わぬ少年からひしひしと感じずにいられなかった。
「もっと、こっちへおいで」
「………」
俺の言葉に、なおも大地は答えようとしない。
「どうしたんだい?」
「………」
「黙って突っ立ってても、しょうがないだろ?」
「……服、返せよ」
やがて大地は、か細く低い声で言ってくる。
「もう終わる気かい?」
さすがにすっかり冷静になったらしく、俺に浣腸されるまでの切羽詰った様子は今の大地にまるでなかった。
「君はまだ、気持ちよくなっていないだろ?」
それでも俺は、あえてそう大地へと問う。
「ざけんな……誰が、これ以上あんたなんかと……」
大地の中に募る怒りが、しだいに露となっていく。どうやら俺の行為は、すっかり大地の心を硬化させてしまったらしい。最も、自業自得としか言い様
がなかった。人前で排泄行為を強いられ、年端もいかぬ少年の心は耐え難い恥辱に塗れた事だろう。
「さっきのは謝るよ、俺もさすがにやり過ぎたって反省してる。今度こそ、大地君を気持ちよくさせてあげるから」
「ふざけんな!」
ついに感情を爆発させ、大地は俺へと声を荒げてくる。
「早く服返せよ、もう俺は帰る!」
「嫌だと言ったら?」
俺がそう言うと、すかさず大地は足元に転がっていた石を掴み上げてきた。野球ボール大くらいはあるただの石が、瞬時にして立派な凶器と化してしまう。
「何のつもりだい?」
「いつまでも、俺があんたの言いなりになってると思うなよ」
「………」
石を手にしながら、憎悪に光る大地の瞳が俺へと向けられる。
(これは、さすがにヤバそうだな)
内心、俺は初めてこの少年に対し怯えの気持ちを抱いてしまう。ハッタリなどではなく、俺への大地の怒りは本物であった。これ以上挑発すれば、それこそ本当に流血の事態になりかねない。俺は観念し、隠していた大地の衣服を取りに行くべく腰を上げた。そんな俺の行動を、大地はジッと見守り続ける。
「これでいいかい?」
大地の衣服を手に、俺はゆっくりと歩み寄る。しかしそんな俺に対し、なおも大地は石を掴んで構えたまま牽制を解こうとしない。
「そんな警戒しなくたって大丈夫だよ。俺だってさすがに、嫌がる君を無理矢理どうこうするつもりはない」
手渡しは難しいと思い、俺は衣服を地面へと置いて再び大地から離れた。
「消えろ、二度と俺の前に現れるな」
置かれた衣服を取り返すと、大地はすかさず俺へと言ってくる。こうなっては、さすがに大地の心をなだめる事はかなり難しい。だがそれでも、俺はこのまま大地から引き下がる気にはなれなかった。少年からの口淫で絶頂を迎えるというまさに夢のような快楽を得たというのに、俺の心はなお貪欲にこの少年を求めずにいられない。
「君がそう言うなら俺も言われた通りにするさ。だけど、ひとつだけ質問させてくれないかな?」
従順な風を装いつつ、落ち着いた口調で俺は大地へと言葉を投げ掛けた。
「何だよ?」
「君の中に、俺を愛する気持ちはあったかい?」
俺からそんな問いを受け、大地がフンッと鼻で一笑する。
「バカじゃねーの?何であんたみたいな変態を愛そうなんて気が起こるんだよ」
案の定ともいうべき大地からの返答。しかしそんな言葉を予想していたが故に、俺はすかさず反撃に転じた。
「そうか。じゃあやっぱり大地君は、ただ俺とエッチな事をしたかっただけか」
「………」
「俺の事を変態とか言うけど、愛情の欠片も持っていないはずの変態に身を委ねてた君は、一体何だったのかな?」
「うるさい、早く消えろよ!」
怒りで震える大地の声に、俺は内心ほくそ笑む。
「どの道、俺は明日の朝ここから去るよ。だけど、俺がいなくなったところで君自身の問題は解決するのかな?」
「え……」
思いも寄らぬ切り返しだったのだろう、大地にかすかな動揺が浮かぶ。
「これで、二人目だ」
「何が……」
「見ず知らずの人間からエッチな事をされて、君は嫌がるどころかそういう事をされてむしろ嬉しかったんだろ?きっとまた、大地君にエッチな気持ちを抱く客は現れるはずだ。その時もまた、同じように君は……」
「うるさい、黙れ!」
俺の言葉を遮る様に、大地は必死になって叫んできた。しかし俺はなお、大地へ淡々と語り続ける。
「君は誰でもいいんだろ?気持ちいい事してもらえるなら、相手が誰であろうと関係ない。大地君はそういう人間なんだよ」
「てめぇ……」
石を掴む大地の手が、ブルブルと震えていた。
「俺の言ってる事、間違ってるなら反論しなよ」
「違う……俺は……」
だが大地は、明確な反論にすっかり窮した様子となってしまう。幼い少年に対し、俺は残酷な自己分析を強いていた。大人の身勝手な欲望の被害者でしかない哀れな少年。しかしそんな大地を、俺はさらに容赦なくいたぶり心を抉る。俺の言葉が、確実に大地の心を追い詰めていく。頃合を見計らい、俺は意を決して大地へと足を踏み出した。
「く、来るな……!」
俺の接近に、大地は露骨な狼狽を示してくる。だが俺は、大地からの反撃に対しまるで恐れを感じなかった。一度怯んだ少年の姿が、あまりに脆く
映ってならない。
「今さら、何をカッコつけてるんだい?」
俺は素早く、石を手にする大地の右腕を掴み上げた。
「離せ……!」
泣きそうな声で、大地は俺へ抗おうとしてくる。だが強引にそのまま腕を引っ張り、俺は大地の身体を抱き寄せた。少年の体温と息づかいを肌へと感じさせられ、萎えていた欲情がまた俺の中で蘇っていく。
「淫乱なこの身体で、今さら普通の子供に戻れるとでも思ってるのかい?」
大地の反撃を封じつつ、俺は左手をすかさず少年の臀部へと回す。
「んっ……やぁっ……」
滑らかな臀丘へと這わされる俺の手に、大地の身体は敏感に震えた。
「ちょっと触られえたくらいで、もうこの有様だ」
「や、やめっ……いやだ……」
「本当にこのまま、終わってもいいの?」
大地の耳元で、俺はそう静かに囁く。すっかり大地の顔は紅潮していた。瞳を涙で潤ませながらも、俺からの行為に大地の呼吸がしだいに荒く乱れ始める。俺はそのまま、指を両丘の割れ目へと忍ばせていく。
「あぁっ……」
大地が洩らす性感の喘ぎ。手にしていた石が、大地の手から零れる様に地面へと落ちてしまう。
「ほら、ここが寂しくて堪らないんだろ?」
「ちがっ……んぅ……はぁっ……」
固く収縮した大地の蕾を、俺は指先で執拗に刺激していく。大地は何度も腰を捩じらせてきた。嫌がっているのだろうが、その腰つきが俺には何とも艶かしく感じさせられてならない。
「大地君、男同士でもちゃんとセックスが出来る事、知ってるかい?」
俺の囁きに、大地の表情が強張る。
「指なんかより、もっとすごいのをここに入れられるんだよ?」
「だめ……そんな……」
困惑に満ちた大地の声を無視し、俺は視線を下半身へと向けた。
「こっちは触ってもいないのに、またすごく元気にしちゃってるね」
さっきまで力なく垂れ下がっていたはずの大地のペニスは、いつしかまた逞しくそそり立ちその欲望を露にさせていく。そんな大地の姿を眺めつつ、さらに俺は捻じ込む様に少年の蕾へ指で圧力を加える。
「んっ……あっ……!」
今にも地面へ崩れそうなまでに、大地は足腰を激しく震わせていく。
「俺が嫌いなら嫌いでそれでも構わないさ。だけど最後に一回くらい、今までよりもっと気持ちいい事を体験したって、損はないだろ?」
「………」
もうそんな俺に、大地から何ら抵抗の気配は感じられなかった。「どうかされました?」
助手席に座ってぼんやりと窓から外を眺めていた俺へ、運転手の男性が不意に言葉を投げ掛けてきた。午前の爽やかな空と太陽の下、車は海岸沿いの道路を軽快に走る。運転をしているのは白髪交じりの中年の男性。俺が朝まで泊っていた民宿の主人で、駅までバスで行くのも大変だろうと、わざわざ車で送ってもらえる事になったのだ。
「あ……いや、何でもありません」
俺は愛想笑いを浮かべながら、主人へと言葉を返す。
「気分が悪くなったなら遠慮なく言ってくださいね。何せ、私の運転は乱暴でねぇ。よく家族からも文句言われるんですよ」
「いえ、大丈夫ですから、そちらこそ気にしないでください。この海辺の綺麗な風景もこれで見納めかと思うと、少し残念でならないんですよ」
ハンドルを握りながらも心配そうに横目で俺を見る主人へ、すっかり心ここに有らずだった自分を何とか取り繕う。幸い、主人もそれ以上は俺に対し気にする様子はなかった。
「ハハ、じゃあまた来年も来てくださいな。いつでもお待ちしていますんで」
「そうですね、その時はまたお願いします」
無難な会話でやり過ごしながら、やがて車は駅へと到着する。ここまで送ってくれた主人へと丁重に感謝を言い、俺は車から降りた。走り去る車を見送りながら、俺はホッと安堵する。どうやら民宿の家族には、俺に対して疑いの目を向けている様子はなかった。無事に俺は帰路へ就けそうだ。
駅舎に入り時刻表を見ると、まだ電車の到着までに時間があった。ただ待っているのも退屈だと思った俺は、駅を一旦出て当てもなく散策する。小さな商店や食堂といった店がいくつかある程度で、時間を潰すといってもなかなか困難な駅周辺の街並み。それでも今の俺には、特に苦ではなかった。
(まるで全てが幻だったかの様だな……)
太陽の日差しが注ぐ午前の野外をブラブラと歩きながら、そんな思いを俺はフッと抱く。何気ないいつもの日常の世界に自分は戻って来たのだと、素朴な街中や時折すれ違う人々の中で俺は改めて再確認させられる。
(あの子は、今頃どうしてるんだろう……)
脳裏に焼きつく少年の姿。結局、今朝は顔を会わす事もないまま民宿を後にしてしまった。ひょっとしたら、あの少年にもう二度と会う事はないかもしれない。一抹の寂しさと虚しさを覚えながら、俺は昨夜の出来事にもう一度思いを馳せるのだった。
「はぁ……んっ……!」
波と風の音に混じって、少年のくぐもった声が岩場の中で響く。全裸のまま、地面へと四つん這いの姿勢を強いられる恥辱。だがもはや少年に抵抗の気配はなく、完全に俺のされるがままとなっていた。
「本当に大地君はエッチな身体だね。お尻がそんなに気持ちいいのかい?」
四つん這いになる大地の背後に身を置いていた俺は、大胆に突き出されたその幼い肛門から一旦埋めていた顔を離し、皮肉っぽく言葉を放つ。今や少年の蕾は、すっかり俺の唾液に塗れていた。
「やっ……やだ……そんなの……」
「ん、やめて欲しいのかい?」
「………」
「何が言いたいのかな?」
「………」
大地は躊躇った様子で、答えようとしてこない。
「答えてくれなきゃ、こっちだって困るよ」
すっかり潤った大地の蕾へ、今度は指先を添わせる。大地の中へ、指が呆気ないくらい容易に埋められていく。
「あっ……!」
大地の身体が敏感なまでに震えた。
「ちゃんと答えて」
俺はそう言いながら、さらに奥深くへ指を挿入させていく。昨日が初めてだとは思えないくらい、大地の身体は異物の侵入を受け入れていた。怒張し
た少年のペニスが、それだけで激しく跳ね上がって反応を示してくる。
「もっと……お尻……昨日、みたいに……」
耐え切れなくなったとばかり、大地が俺へと訴えてきた。
「どうすればいい?」
「何でもいいから……おじさんのしたいように……俺、もう逆らわないから……」
もどかしさを表情にありありと滲ませながら、大地は涙声で言ってくる。まさに完全なる勝利といっていい大地からの言葉。幼い裸体を晒しながら屈服する少年の光景は、俺の中から最後の理性を奪っていく。気付くと、俺は穿いていたズボンと下着を引き下ろしていた。猛々しく反り返ったペニスが、少年の肛門へと剥き出しにされる。さっき大地の口で果てたとはいえ、この状況で俺の欲望は再び勝るとも劣らない勢いを取り戻していた。
曝け出される大地の蕾へ、俺は亀頭の先端を密着させる。ビクッと、四つん這いになる大地の身体が震えた。俺の熱い欲望の感触に、少年の吐息が大きく乱れていく。
「さっき言ったよね?男同士でも、セックスは出来るって」
「………」
「そもそも、セックスってどういう事するか知ってる?」
「どうするって……それは……」
大地は言葉を詰まらせた。困惑する大地の様子から、何も分からないという訳でもなさそうである。俺が大地くらいの歳の頃なら、まだまだそういった事は未知の領域ではあったが、やはりネットなど簡単に情報が手に入る今の子供達は早熟なのだろうか。最も、今はその方が手っ取り早くて都合がいい。
「それに大地君、もっと気持ちよくなりたいんだよね?」
俺はさらに、大地へと問い掛ける。四つん這いになる少年の背中や後頭部を見上げる形なので、その表情まではハッキリとは分からない。それでも大地の身体は小刻みに震えており、少年の動揺がこちらにも十分伝わ
ってくる。
「最初は辛いだろうけど、我慢出来るかい?」
そう言いながら、俺は大地の蕾へさらに亀頭を強く擦り付ける。
「んっ……はぁ……」
大地は喘ぎを洩らしながら、悩ましげに腰を捩じらせてきた。
「いけない子だな、もう感じちゃってるのかい?」
「は、早く……」
「ん?」
「早く……おじさんだって……我慢出来ないんだろ……?」
「大地君こそ、して欲しいのかい?」
「お願いだから……もっと、もっと気持ちよく……なりたい……」
俺へと顔を振り返らせながら、大地の潤んだ瞳がしっかりと向けられてくる。思わず、俺はそんな大地の眼差しに戸惑いを覚えてしまう。快楽の誘惑に屈したあまりに淫らで、それでいて妖艶なる美しさを漂わせた少年の姿がそこにあった。初めて出会った時のあの無邪気な少年がここまで豹変するのかと、俺は少々驚きを抱かずにいられない。
「だったら俺も、子供だからって容赦はしないよ?」
言葉通り、俺はもう大地という存在を徹底的に求めて止まなくなる。
(本当に、こんな子供相手に大丈夫なんだろうか)
当然ながら、そんな不安が脳裏に過った。下手をすれば大変な負傷を大地に与えかねない行為。だが俺はもう後に引けなかった。大地への欲情はある種の自暴自棄な形となって、俺を最後の行動へと追い立てていく。
俺は己のペニスを右手で掴み、そして左手で少年の腰を固定した。しっかりと狙いを定め、俺は身体を大地へ向けゆっくりと傾けていく。重心が被せられると共に、大地の蕾を俺のペニスが強引に押し広げる。少年の肛門が、俺の欲望によって貫かれていく。
「あっ……あぁっ……!」
苦悶に満ちた大地の様子に、俺は自分のしている行為の残酷さを改めて思い知らされる。だが、もはや欲望の暴走は止めようがなかった。
「ほら、もっと身体の力を抜いて」
「そんな……む、無理だってば……こっちだって、これ以上は……」
激しく、俺のペニスを内壁が締め付けてくる。それはまさに、初めての犯される身体である事を十分に証明していた。少年の幼い身体が今、あまりに無残な形で蹂躙されようとしているのである。大地の内部を慣らすべく、俺は腰を動かし軽いピストン運動を繰り返しながら内壁へペニスを擦り合わせていく。
「ひぃっ……んんんぅっ……!」
もはや悲鳴といってもいい大地の声。十分に配慮をしているつもりなのだが、それでも大地にとってはかなりの苦痛に耐えねばならない様だった。だがそれでも、俺のペニスは大地の中へゆっくりとだが確実に深く埋められていく。
「いいぞ、大地君の中にどんどん入っていく」
「はぁ……うっ……くぅ……」
しだいに内壁の締め付けが幾分か緩んでいく感覚。それでも、まだ大地は相当に辛い様子だった。しかしもう、俺は悠長に待ってなどいられなくなる。
「もっと、動かすよ?」
俺はそう言うと、今までより大胆に腰を前後へ動かし始める。
「あっ……んくぅっ……!」
強烈な刺激が少年の中で走り抜けているのだろう、大地は大きく背筋を仰け反らせた。だが俺は、完全なる欲望の虜となってしまう。一度拍車が掛かるや、衝動に突き動かされるがままに俺は無我夢中で腰を動かしていく。
「最高だ……いいぞ、大地君!本当にもう俺、どうにかなりそうだ!」
「ああっ……ひぁぁっ……んぅっ……あぁっ……!」
強く何度も俺の腰が大地の臀部へと打ち付けられる。そのたびに、大地の身体が大きく揺らされ続けた。泣き喚く大地の声は、どこか歓呼にも似た響きを俺の耳へ伝えてくる。
だがそんな哀れな少年の叫びが、今の俺の心をいっそう激しく高揚させてならない。大地を過酷に責め立てながら、俺は二度目の絶頂へ向けなおもひたすらに少年を容赦なく犯し続けるのだった。
「なぁ……マジで、やるのか……?」
戸惑いの中、目の前に立つ幼馴染へと今西慎一は問い掛けた。海辺の公園に建つ公衆トイレ。日も暮れようとしている時刻、自分達以外に人の気配がまるでない海岸は、壁の向こうから聞こえる波の音が夕暮れの寂しさを際立たせていた。
「今さら、ビビるなって」
「そ、そんなんじゃねーよ!」
幼馴染からの言葉に、慌てて慎一は反論する。しかしそんな慎一の必死な虚勢に、相手はフッと軽い笑みを浮かべてきた。
「だったら、文句ないだろ?」
慎一の揚げ足を取る様に言うと、少年は中からベニア板の戸を閉めてしまう。ガチャッと、鍵の掛けられる音が静寂に包まれる空間の中に響く。誘われた薄暗く窮屈な個室の中で幼馴染と二人、完全に外界と遮断される。普段なら気兼ねない仲であるこの親友を前に、慎一は急速に緊張と不安が増していく。
そんな慎一へ、少年は無言のまま身を迫らせてきた。壁へと、慎一は強引に背を押し付けられる。目の前の存在に、慎一は完全に圧倒させられていた。そのまま正面から、相手がさらに一歩踏み出してきて身体を密着させようとしてくる。
「ちょっ……大地、待てってば……!」
さすがに堪らなくなり、慎一はその親友の名を叫ぶ。行為を制され、大地は不満そうな表情となる。
「何だよ?」
「いや、だってさ……」
「慎一も、こういうの興味あるんだろ?」
「それは……」
「嫌じゃないから、今こうして俺とここにいるんじゃないのか?」
「………」
返答に、慎一は窮してしまう。
ついさっきまで、大地や他の友人達と共に慎一は近くの海辺で夏休みの午後をいつもの様に謳歌していた。何も変わらぬ普段の日常として終わるはずだった一日。
だが友人達と別れ、家も近所である大地と共に帰路へ就こうしていた夕暮れの中、突然にこの親友から受けた思いも寄らぬ提案。それは慎一にとってあまりに衝撃的で、それでいて十二歳の少年の好奇心をくすぐる危険な誘惑。自分にとって未知なる領域であったものを垣間見れる、そんな期待を少なからず抱いたのもまた事実であった。
「だって、まさか大地が本気でこんな事すると思ってなかったし……それに……」
「何?」
「こんなの、男同士でする事じゃないだろ……俺らがしてるの、完全にホモじゃん……」
しかしそんな慎一の困惑に対し、大地はまるで動じる様子はない。
「考え過ぎだってば。別に俺、慎一に愛の告白とかしてる訳じゃないんだぜ?さっきも言った通り、ちょっとエロい事してみようって、それだけの話じゃん。ただの遊びだよ、こんなの」
「………」
「それに、ここなら誰にも見られないんだし、気にする事ないだろ?」
大地はそう言うと、素早く慎一の下半身へ右手を伸ばしてきた。
「あっ……!」
反射的に、慎一は狼狽の声を上げてしまう。ハーフパンツの上から、慎一の股間を大地の手がしっかりと掴んでくる。
「大丈夫だから、ジッとしてろって」
すかさず慎一の耳元で、大地は静かに囁いてきた。あまりに唐突で大胆な行為に、慎一は抗う事も出来ないまますっかり身体を硬直させてしまう。そんな慎一の股間に対し、大地の手が弄る様に動かされ始める。
大地からの行為に、慎一はどう対応していいのかすら分からないまま立ち尽くす。だがそんな慎一を無視し、大地は無言のまま股間を揉み解す様に手を動かし続ける。
トイレの個室で大地と二人、決して人に知られてはならない事を自分達は今しているのだと、慎一はこの状況の中で改めて思い知らされた。
(エッチな事を、俺と大地でしてるんだ……)
男同士とはいえ、初めて体験する他人との淫らな行為。この上ない背徳感とスリルが、不思議な高揚を伴いしだいに慎一の感情を昂ぶらせていく。そして同時に、刺激される股間へと体内の血流が急速に集まってくるかの様な、そんな感覚を慎一は覚えた。
(やばい……)
自分の身に起こり始める変化の兆しに、慎一は激しく戸惑う。そんな慎一の下半身へ、やがて大地は満足そうな笑みを浮かべながら視線を下ろしてきた。
「慎一の、どんどん硬くなってる」
大地からの指摘が、慎一にいっそうの羞恥心を煽っていく。
「だ、だって……お前がそんな触ってくるから……」
「なぁ、何でチンポがこんな硬くなるか、その意味知ってる?」
「何でって……それは……」
顔を真っ赤にさせながら、慎一は言葉を詰まらせてしまう。
「こんなんじゃ、もう言い訳も出来ないよな?」
「う、うっせぇ……」
事実、もはや慎一は何ら反論のしようがなかった。動揺の中、それでも大地からの刺激に股間はいよいよ反応を著明にさせてしまう。
「怒るなって、別にバカにしてる訳じゃないんだから。むしろ、慎一もエロい気分にちゃんとなってもらわないと、こっちだって進めようがないし」
「………」
「慎一はさ、もう自分でこういうのやってる?」
「え?」
不意の問いに、慎一はその意味を理解出来ずキョトンとなってしまう。だがそんな慎一の反応を見て、大地は何かを察したとばかり不敵な笑みを浮かべてきた。
「やっぱ、まだ知らないんだ」
「どういう意味だよ?」
「すぐに分るさ」
「はぁ?」
意味ありげな大地の言い方であったが、慎一はまるで把握しきれない。しかしその時、硬くなった慎一の股間に対し大地の手がいっそう大胆に動かされていく。ゾクッと、身震いしそうになる感覚が慎一の中を駆け巡る。
「んんっ……ちょっ、大地……!」
思わず、慎一は大きく腰を捩じらせた。
「こういうの、気持ちいいだろ?」
「………」
大地からの問い掛けに、慎一は返答の言葉を見つけられなかった。
(何だ、この感じ……)
硬くなった股間を刺激されるにつれ、しだいにむず痒い様な感覚が慎一の中で活発になっていく。それは慎一にとって、初めて経験する種類の体感だった。なぜだが分からないが、股間の奥底で沸き起こるその奇妙な疼きに、慎一は心を急かされる様なもどかしさを覚え始める。
(もっと、続けてほしい……)
他人に恥部を弄られながらも、いつしかそんな思いが慎一の中で膨れ上がっていく。
「このまま、もっとエロい事したくない?」
そんな大地からの言葉は、慎一の中で渦巻く何かを見透かしたかの様なタイミングだった。
「大地……」
「しようぜ、慎一」
「その……もっとエロい事って、どういう事を……?」
「やっぱ、その気になってきた?」
「………」
躊躇いがなくなった訳ではない。だがそれでも、大地からの促しに自分の中で抑え難い衝動が込み上がってきてしまう。無言のまま、慎一は大地へと頷いた。それは、この状況の中で初めて示された慎一からの意思。それまで強引に事を進めていた大地は、どこか安堵の表情を浮かべてくる。
「じゃあさ、脱いで」
慎一へ、大地はすかさず言う。
「え……」
「慎一のビンビンになってるチンポ、俺に見せて」
「………」
「だめ?」
本来なら、別に気兼ねない男同士でそんな事を気にする必要もないはずだった。現にいつも海で泳ぐ時は、皆の前で平気で海水パンツに着替えられるし、時には友人達とふざけて見せ合いっこなどもする。しかしなぜか今は、無性に羞恥を覚えてならない。
「じゃあ、大地も見せろよ……俺だけとか、不公平じゃん……」
窮した末、慎一はそう大地へ交換条件を投げ掛ける。
「いいぜ」
あっさりと、大地は了承してきた。すぐさま大地は、慎一の股間から一旦手を引いて身体も離してくる。そして素早く、慎一の前で穿いていたハーフパンツを下着もろとも膝の辺りにまで引き下ろしてしまう。
「っ……!」
露となる大地の下半身に、慎一はハッと息を呑んだ。
「ほら、慎一も脱げって」
唖然とする慎一へ、大地は言ってくる。だが目の前の存在に、しばし慎一はすっかり釘付けとなってしまう。着ているTシャツの裾を捲り上げながら、猛々しく反り返った大地のペニスが慎一へ向いていたのである。
(大地のチンポ……すげぇ……)
それは、慎一が今まで目にしてきたものとはまるで違っていた。青筋が浮き上がり、今にも弾けんばかりに怒張した幹。その先端はまるでペニスを包む皮から亀が頭を出しているかの様に、真っ赤に充血した肉魂が剥き出しとなっていた。
圧倒される慎一へ、大地が瞳で訴えてくる。そんな大地を前にして、慎一はまるで見えない力にでも操られるかのごとく、自らもまた穿いていたものを脱ぎ下ろす。互いにそそり立ちペニスを、慎一と大地はトイレの個室の中で曝け出し合うのだった。
「どうかした?」
大地からの声で、すっかり目の前の存在に魅入っていた慎一はようやく我に返った。気まずい表情を浮かべながら、慎一は大地の下半身から顔を背ける。
「べ、別に……」
「お互い様なんだし、そんな恥ずかしがるなって」
「………」
「俺のに興味あるなら、いくらでも見ていいんだぜ?」
「そういう訳じゃ……」
「気にするなってば。俺だってさ、慎一の見てるとすげぇドキドキしてくるんだから」
「大地……」
自分のへと注がれる大地の視線。こんな姿を見られ恥ずかしくて堪らないはずなのに、慎一もまたなぜか鼓動が高鳴ってならない。
「俺の、触ってみる?」
その時、大地が何気ない様子で言ってきた。
「え……」
「遠慮するなって」
改めて、慎一は大地の股間へと視線を向け直す。直立する大地のペニスが、慎一の目の前で力強く何度も脈打つ。単に身体の一部分であるはずなのに、それ自体がまるで意思を有しているかのごとく、慎一の情動を煽り立て誘っているかの様でさえあった。自然と、慎一はそんな大地のペニスへ右手を伸ばしてしまう。慎一の指先が触れるや、ペニスが大きく跳ね上がる。
「あっ……大地の、すげぇ熱い……」
苦しいまでに心臓が激しく鼓動していく。伸ばした腕が、緊張に震えてならない。だがそれでも慎一は、自分の行動を止める事が出来なかった。慎一の掌が、大地の熱く硬いその幹をしっかりと握る。
「……そのまま、手で俺のチンポ擦って」
「こ、こんな感じ?」
大地の指示に、慎一はぎこちなく腕を上下に動かした。グッと、大地の身体が一気に力んでいく。それまで終始余裕を示していた大地の表情が強張り、さらに呼吸を乱し始める。
「んっ……あっ……はぁ……」
吐息交じりの低い喘ぎを、大地が洩らす。手の中で鮮明に感じさせられる、大地の熱い脈動。慎一はいつしかそんな大地のペニスを握りながら、
積極的に腕を動かし始めていた。慎一の行為に、大地は恍惚の様相を濃厚にさせていく。
「気持ちいい……慎一、もっと……」
そんな慎一へ、大地が訴えてくる。
「大地……お、俺……」
高まる衝動ともどかしさに、慎一は腰をモジモジさせていた。快楽に耽る大地の様子を目の当たりにし、慎一の中で羨望の気持ちが募っていく。するとすぐさま、大地はそんな慎一の想いを察してくれた様だった。大地の手が、今度は慎一のペニスへと伸ばされる。
「あぁっ……」
大地の手で刺激され、慎一のペニスもまた激しく跳ねる。
「どうだ……いいだろ、こういうの……?」
「いい……気持ちいい……俺、マジでどうにかなりそう……」
そんな慎一へ、大地が再び身を迫らせてきた。寄り掛かる様に、慎一へ大地が身体を密着させてくる。だがもう、慎一に躊躇いはなかった。空いて
いた左腕をその背中へと回し、慎一は大地を強く抱き締める。慎一も大地も、今や無我夢中になって相手のペニスを扱いていた。二人の荒い吐息が、薄暗い空間の中でよりいっそう響き渡っていく。倫理や理性といったものはもはや関係なくなり、少年達はただ単純にこの淫らな快楽の中へと没頭していくのだった。
股間の中で、熱い高まりが急速に込み上がっていく。尿意とはまた違い、何かが勢いよくペニスから噴出してきそうなそんな感覚。その予兆とばかりに、ねっとりとした液体がペニスからチビチビと漏れ出してきていた。慎一の手の中でも、大地のペニスが同じ様に濡れ始めていく。
「大地……俺……何か、出そう……!」
切羽詰った声で、慎一は大地へと訴えた。
「そのまま出しちまえよ、すげぇ気持ちいいから」
「お前のチンポも……どんどんベトベトになってるじゃん……これって……」
「射精って、知ってるだろ?」
「子供作る時の、あれか……?」
学校の保健体育の授業で習った知識が、慎一の脳裏に蘇る。男が身体の中で作る精子という存在や、その精子を出す射精という現象。だが所詮、慎一にとっては無味乾燥な記述で書かれた教科書の内容が大雑把に記憶されているだけだった。
「あれってさ、別に子供作る時だけになるもんじゃないんだぜ?エロい気持ちになってモヤモヤしたり堪んない時とか、射精すると気持ちよくてスッキリするんだ」
「チンポがムズムズして、何か出そうな感じで……これが、射精ってやつ……?」
慎一の言葉に、大地が頷く。
「ああ、今みたいにビンビンになったチンポ擦ってるとなるんだ」
「大地も……射精、しそうなのか……?」
「だって、慎一が俺の擦ってるじゃん」
「………」
何ら淀みのない説明に、大地がすでにその射精というものを経験しているのだと、慎一は確信した。同時に、大地が言うその射精の快感というものに対し、慎一の中で好奇心と欲求が急速に膨れ上がっていく。
「このまま、一緒に射精しようぜ」
慎一の気持ちを後押しするかのごとく、大地がすかさず言ってきた。そしていっそう強く、慎一のペニスを扱いていく。すっかり濡れた二人のペニスが、クチャクチャと摩擦音を響かせる。
「あっ……あぁっ……!」
刺激が強くなり、慎一の中でいっそう熱い高まりが増す。
「慎一も……もっと、強く擦って……」
大地の言葉に、慎一もまた手の動きを加速させていく事で応えた。二人の身体が激しく震えていく。昂ぶる欲望に突き動かされるがまま、慎一と大地は一心に互いのペニスを扱き合い続ける。
「んぁぁっ……大地……俺、もう……!」
「し、慎一……ああっ……!」
ほぼ同時に、二人は限界へと達した。相手の手の中で、熱い欲望が激しく爆発する。今まで渦巻いていた欲求やもどかしさが一気に放出される様な、そんな爽快なまでの解放感と強烈な絶頂感に初めての射精を体験した慎一は、しばし頭の中が真っ白になってしまうのだった。
- 関連記事
-
- 奴隷収容所 (2015/08/23)
- 今思い出しても本当に危険だった中1の僕 (2023/04/21)
- 潮騒の中で アロエ (2013/08/30)
- 21世紀の半ば頃、某国 (2015/08/23)
- 潮騒の中で (2014/02/28)
- とある小学校の春 (2015/01/05)
- 大嫌いだったのに…。 (2013/12/01)
- 5月青葉の頃 (2013/09/20)
- 本当にありました *コメント欄より (2015/09/16)
- アイスランド (2015/08/23)
- 夕闇迫る河川敷 (2015/10/17)
- 初犯 (2015/10/25)
- あれあ (2015/01/05)
- 太陽の明かり (2015/01/05)
- 少年愛と少年狩り (2023/04/21)
- category
- 鬼畜