- 2022⁄09⁄01(Thu)
- 21:33
書籍紹介
錆のゆめ
作品紹介
進藤が勤める会社では、とあるモノが造られている。それは、生身の少年の身体を改造したセックスの為のサイボーグ。試作品であるサイボーグの世話を任された進藤は、最初は嫌がるものの世話をしていくうちにサイボーグの少年に温かい感情を抱くようになり……。
BL界に超新星あらわる! よよよワールド炸裂の人間×サイボーグBL
ネタバレアリ
かわいい少年のロボット?サイボーグ?
タイトルのフォントからSFっぽい感じもして
一体どんなお話なんだろう?って
すごく興味をそそられ
あらすじも何も確認せずに
気づいたら手に取ってレジに並んでいたのが
第1巻である上巻です。
とてもかわいらしい絵柄で、
ふしぎなメルヘン感。
ほわほわしたお話なのかと思っていたら
その内容の、あまりなブラック設定に
打ちのめされました。
ただ、その不思議な雰囲気で
酷い設定なのに、読めてしまったのですよね。
この作品の最大の売りは
表紙の少年「としおさん」が
とにかくカワイイところ。
としおさん、かわいい!
とにかく、カワイイ!
500回でも、1万回でも言える。
としおさんがカワイイんです!(力説
以下、多少ネタバレしております。
ごめんなさい。
としおさん、元は普通の中学生だったのですが
とある会社の研究(実験)材料として
ある目的のために、その体に手を加えられた
いわゆる”サイボーグ”
しかも、その「ある目的」ってのが
〇ックスのため、という・・・最悪な・・・
従順な〇ックス人形的な存在にするために
身体的な改造はもちろん
(健常な腕をあえてあの醜悪な義手に替えたり)
それまでの記憶を一切消し
反抗などを考えないように
知能も低下させるという、
もうこれ書いてるだけでも
嫌になってくるけど、
そんな改造を施した結果、
調整を失敗して、言葉がうまく話せない
という弊害が出てしまったとしおさん。
言葉の訓練などをさせるために
としおさんの世話をするように言われたのが
本作の攻め 進藤です。
最初はとしおさんにかかわるのを
嫌がっていた進藤ですが
いやいやながらも彼と接するうちに
徐々にその存在が自分の中で大きく、
欠かせないものになっていきます。
としおさんも、進藤と接するうちに
徐々に言葉や感情を取り戻してきて
その様子が大変かわいらしいのですが
彼のおかれている状況が酷いので
そのあまりの切なさ、健気さに
涙がウルウルしてしまう。
としおさんを改造したこの会社、
ほんと倫理観のおかしい人ばっかりで
としおさん相手の、いわゆるモブレ(しかも複数‥)シーンとかもあって
上巻は読むのが辛い。
そんな会社に、進藤はコネ入社した
やる気なし社員なのですが
倫理観はごく普通で
自分の会社のやっていることに批判的。
なので、としおさんをなんとかしよう(今の状況から救い出したい)と考えはじめ…
というあたりまでが上巻です。
上記したようなブラックな設定。
なのに絵柄はかわいらしく、メルヘンな雰囲気。
このちぐはぐな感じが、かえって不穏で
続きを読むのがちょっと怖かったのですが
下巻、意外と簡単にとしおさんが解放されます。
研究も終了し、”用済み”になったとしおさん。
そのままだったら秘密裏に
葬られることになったであろうとしおさんを
進藤が会社と交渉して
引き取ることになるのです。
普通に生活するのに支障のある左腕も
普通の見た目の義手に付け替えてもらえ
(でもなぜか動物的な耳だけは残るのだが…)
進藤のもとで一緒に暮らし始めるとしおさん。
いつどんな不幸が襲い掛かるかと
いやなドキドキ感を抱えたまま
読み続けたのですが
特に不幸なことも起こらず、幸せなまま。
え、ほんと?
このままとしおさんと進藤、
二人で幸せに暮らすのね???
よかった・・・・・・・・・
ある意味、拍子抜け、なのですが
いや、これでメリバとかだったら
とてもじゃないけど読めないので
このお話はこれで良かった。
ほんとに良かったです。
このあとは、もうただひたすら
カワイイとしおさんを愛でるだけ。
左右は幸せいっぱいでした。
「左」は本編の続き
「右」はしあわせ絵日記編
てっきり「右」はとしおさんの絵日記ばかり
なのかと思っていたのですが、
さすがに、そんなわけなかったw
本編「左」のエピソードの隙間を
埋める感じのお話が多かったです。
各エピソードの最後に、
としおさんのかわいい絵日記が1ページ。
漢字が徐々に増え、字の量も多くなり、
としおさんの成長が感じられる
愛しい本になっています。
「右」はどれもこれもかわいいお話なのですが
特に、進藤の誕生日祝いをする話が好きでした。
進藤をお祝いするために、
としおさんが一所懸命準備したものを見た瞬間、
もう胸がいっぱいになって、キューーンとして
倒れそうになりましたとしおさんかわいい。
本編「左」では、
明らかに10代半ばの見た目のとしおさんが
学校にも行かず、言葉も不自由な様子から
近所の人たちから不審な目を向けられ
結局引っ越すことになるエピソードなど
切ない展開があったりもするのですが
そんな中でも、いつもで明るく
前向きに過ごすとしおさんが愛しいです。
そして「左」での重要なエピソード、
としおさんの妹 美羽ちゃんのお話が
出てきます。
そもそも、としおさんが
どうしてあんなひどい実験に
体を提供することになったのかと言えば
妹に良い養親を探してもらうための
見返りだったわけで。
縁戚がなく、養護施設で暮らしていた
としおさんと美羽ちゃん。
親がいないことで
いじめを受けていた妹のために、
必死に良い養親を探していたとしおさんですが、
なかなか見つからず、
そんなときに、声をかけてきたのが
例の会社の研究所の所長だったわけです。
結果、悪い大人に騙されて、
上述したようなことになり、
としおさんは元に戻ることがむずかしい状態に
なってしまったのですが
妹の方がどうなっているのかは、
今まで触れられてきませんでした。
今回「左」で美羽ちゃんの現在の姿が見られます。
もう、このお話は涙なしには読めません…
現在の妹の姿と、としおさんの対比が・・・
ほんと、なんてことしてくれたんだ、あの研究所は、という憤りがまた沸々とわいてくるし、
それでも健気なとしおさんの反応に
哀しさと愛しさがあふれて、
「左」は読み終わってからしばらく
涙が止まらないです。
この記事書きながらも、
思い出してウルウルしてきちゃう…[もうやだ~(悲しい顔)]
あの研究所に関わっていなければ
としおさんはどんな姿で
どんな人生を送っていたのだろう…と
思わずにはいられないですが
それでも進藤と出会えたおかげで
今のとしおさんの状況の中では
最大の幸せを得られたのではないかと思います。
進藤がまたね。
相変わらず基本無表情ですけど
それでも、としおさんに対して、
明るい笑顔を向けたり、
としおさんに愛情を持っていることを
ちゃんと伝えてくれるようになっていて、
変わったなぁ、と。
進藤も、としおさんと一緒にいることで
幸せを得ているので
二人が出会えて本当によかった。
としおさんから「ちうしたい」って
おねだりするパターンが多いのですが
だんだん進藤から
「ちう」してくれることも増えて
そういうシーンは、
思わずきゅんとしちゃうんですよね。
としおさんがうれしそうな様子なのが
まためちゃ可愛くて、幸せをもらえます。
背景のブラック設定
(としおさんの存在の不安定さ)は
変わりようがないので
頼むから進藤、
としおさんを残して先に死なないで!
ってそれだけが心配ですけど
進藤さえ元気でいれば、
としおさんは安泰だと思うので(笑
このまま幸せに二人暮らしていってほしいです。
この記事では触れていないエピソードが
まだまだたっくさんあるのですが、
さすがに長すぎなのでこの辺で。
特に上巻の時点で脱落した方も
結構いらっしゃるのではないかと思いますが
(レビューを見ると、かなりこき下ろしてる方もいらっしゃいますし、正直その気持ちもわからないではないです)
それでもとしおさんのかわいさが勝つ!
としおさんを愛でたい!って方に
左右、ぜひともおススメです。
(ちなみに左右はえっちなし。この作品はそれでいいのだ。それがいいのだ。と思う)
左右2冊購入のアニメイト特典は
4Pリーフレット。
表紙・裏表紙なしの4ページ全部マンガでした。
わ~~~~~ありがたい!
久間よよよさん、ありがとうございます!
TVドラマの真似をして
進藤にタメ語を使ってみてほしいと
お願いするとしおさんが大変愛しいお話でした。
としおさんの舌足らずなしゃべり方って
ホントたまらんです。
ということで、最後に念押し。
とにかくとしおさんがかわいい!
(しつこい)
長文に最後までお付き合いくださり
ありがとうございました。
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