- 2010⁄09⁄01(Wed)
- 21:06
某小学校6年2組2 KSK
クラスでは、すぐに翔と翼がやられるんじゃないかといわれていた。
ふだん2人にさからわず、むしろ一緒になって騒いでいたやつら、
つまり蓮と陽一も、もうすぐいなくなりそうな2人に対しては、
かなり挑発的な態度を取っていた。
「翔、翼、やり残したことはないのか?」
蓮は笑っている。
「なんだてめぇえ、なめてんのか!?」
翼が蓮に掴み掛かる。
「もうすぐやられるからって焦ってるんじゃねーの?」
横から陽一が翼をイラつかせる。
「くそ、てめぇも!」
翼は陽一も掴んで殴ろうとする。
「やめとけよ」
翔が翼を止める。
「どうせ俺たちに逆らえなかったバカがいきがってるだけだ」
翔が蓮と陽一を鼻で笑う。
「なんだと!」
今度は蓮がキレる。
「どうせお前は絶対にやられるんだ!」
陽一も翔に吐き捨てる。
翔はその言葉に乗らず、反対に言い返す。
「蓮、陽一、お前らがやられないって保証はあるのか?」
そう言うと、翔は翼を連れて去っていった。
「ああ! むかつく! あの翔のヤロー」
蓮と陽一は、2人で帰宅していた。
「ゲーセンにでも寄ろうぜ!」
「そうだな。ストレス発散しねぇとな」
帰り道にあるゲーセンに寄る。
小学生の下校時間であり、早い時間ということもあって、
怖い中高生たちはまだ来ていない。
「○○ファイターやるか」
蓮が格闘ゲームの台にお金を入れる。
陽一は横でそれを見ていた。
プレイヤーはキャラクターを2人選ぶ。
2人対2人のタッグ戦のゲームなのだ。
対戦中にそのプレイヤーキャラを交代させながら、
うまく相手の2人と戦っていくのだ。
蓮はこういったゲームが上手だった。
あっという間に敵をすべて倒す。
一周終わると、隠しキャラが出てくる。
はてなマークが選択できるようになっていた。
「こんな隠しあったっけ?」
陽一は横から声をかけるが、
蓮は隠しキャラが出たことを喜んでいるばかりだ。
迷わず隠しキャラ2つを選ぶ。
「こ、これ……」
出てきたのは、妙にリアルなキャラ。
蓮にそっくりなやつと、陽一にそっくりなやつだった。
とりあえず蓮にそっくりなキャラが操作できる。
状況に応じて陽一にそっくりなキャラと交代させるというわけだ。
「なんで……?」
相手は2人でなく、1人だった。
「アクアレンジャー」
競パン1枚の少年が対戦相手として現れる。
「落ち着け、ゲームの中だ」
「そうだな」
ゲーム開始。
が、アクアレンジャーにほとんどダメージが当たらない。
一方的に押される蓮。
「あ、ああ……」
蓮は焦っている。
アクアが強いパンチを一発繰り出す。
すると画面内の蓮のキャラが赤いボクサーブリーフ1枚になる。
と同時に、操作していた現実の蓮の服も破れ、
赤いボクサーだけになった。
「えっ!? ああ!?」
手を休めていないものの、驚きで頭がいっぱいになる。
「どどど、どうして!?」
体力が半分くらいになったところで、
画面内のアクアが何かを取り出した。
「武器!?」
アクアがそれを蓮の股間に当てる。
画面内の蓮は震え、股間を勃起させた。
それが股間に当てられている間、キャラが動かせない。
「んっ……あっ……」
ガチャガチャとジョイスティックを動かしながらも、
蓮の身体が少し前かがみになる。
「どうした?」
陽一が蓮を見ると、パンツが膨らんでいた。
「な、なんで……はあうああんっ!!」
ぴゅるっ!
蓮は射精した。
ボクサーに精液が染みる。
蓮のキャラがアクアの技から解放された。
「くっそっ!」
蓮はキャラを蓮自身から陽一に切り替える。
「あっ!」
陽一が声をあげる。
「や、やめろよっ!!」
が、そこまで格闘ゲームの得意でない陽一は、
無理にジョイスティックを奪うわけにもいかない。
しかし、陽一に変えたところで、うまくいくはずはない。
あっという間に体力は削られ、
「んあっ!」
陽一の服も破裂した。
青いボクサーブリーフ1枚になる。
「ちゃんとやれよ蓮!」
「やってるよっ! こいつ強いんだ!」
さらに、蓮のときと同じく、変な武器が股間に当てられた。
「んあああうううあっ!!」
画面の陽一も現実の陽一も、
同じようにパンツの中身が膨張していく。
「くっそっ!」
陽一は、蓮の肩に手を置きながら、腹に力を入れて耐える。
「陽一……お、俺の顔の真横で勃起してんじゃねぇよ!」
「うるせ! お前のせいじゃねーか、蓮。
俺のチンコの方をチラ見してる暇があったら、
ちゃんとゲームに集中しろっ!」
「この技くらってるあいだは、動かせないんだよっ!
あ、お前、なんかパンツ濡れてきて……」
「そ、そんなこと言うなぁああうあうああんっ!!」
ぴゅるっ!!
陽一も射精した。
同じく精液が少し染み出た。
「くっそ!」
再び動けるようになり、戦闘再開。
その後も、どうやってやっても、
アクアにまったくダメージを与えられない。
「う……あうう」
「蓮、しっかりしろ。負けちゃうだろ」
あと一発で陽一のキャラが負けてしまうというとき、
画面内のアクアが武器を取り出した。
今度はよくわからない武器ではなく、チェーンソーだった。
「おい! おい! 蓮、キャラ切り替えろ! 俺がっ!」
蓮は慌ててキャラを切り替える。
体力がまだ半分ほど残っている蓮が出てくる。
チェーンソーを引っ込めるアクアレンジャー。
「陽一、今はお前に言われて反射的に切り替えちゃったけど、
もし切り替えた後の俺のキャラがチェーンソーでやられたら、
どうする気だったんだ!?」
「知るかよ! お前が弱いのが悪いんだ!」
「なんだと!」
蓮が陽一の方を向くと、注意がそれた。
そこを狙うアクアレンジャー。
一瞬で体力が限界まで削られた。
「あ」
チェーンソーが出てくる。
それを振り上げる画面内のアクア。
「うあああああああ!」
蓮は、今度も反射的に、陽一のキャラに切り替えた。
「あっ! バカヤロっ!」
陽一が叫ぶ。
チェーンソーが振り下ろされると、
画面の中で陽一の両腕が飛んだ。
「うぎゃあああああああ!!」
現実の陽一の両腕も飛ぶ。
「あうっ、あうっ……」
血を流し、ぷるぷる震えている。
「蓮、に、逃げでぐれ……」
「もう負けたから、操作できないんだ!」
どれだけ蓮が動かしても、
もはや負けシーンが続いているだけだった。
アクアがさらにチェーンソーを振ると、両脚が消えた。
「えっ、そ、そんなぁああぶああっ!」
画面でそうなった直後、やはり陽一の脚も飛ぶ。
四肢を失って倒れる陽一。
「うぎぃ、ひぎぃ、いっでぇええええぎいいい!」
じたばたもがいている。
“とっどめ~!”
画面からアクアの声がした。
「や、やめでぐで……」
陽一は画面をにらむが、もうどうしようもない。
飛び上がったアクアは、チェーンソーで陽一の胴体を一刀両断した。
「はっびぶぶっぶぎゅうああぶぶべべべっ!!」
陽一がよくわからない声を上げていると、
お腹のところに切れ目が入り、2つに分かれた。
「うぶぶべべぶぶぶぶぶぶぶぶぶっ!」
裸の上半身とボクサー1枚の下半身は、
まるで別の生き物であるかのように、それぞれもがいていた。
顔は苦悶で歪んでいる。
「へぶびゃあああっ!」
口から血を吐き出しながら、上半身の動きが止まる。
下半身ももがきが停止し、しばらく痙攣していたが、
すぐに動かなくなった。
勃起した青のボクサーだけ目立っている。
そこから目が離せなかった蓮だが、
「あっ!」
すぐにゲームのプレイに戻る。
陽一のキャラがいなくなって、自動的に蓮のキャラが戻ってきた。
が、すでに遅い。
トドメのシーンに入っていた。
もはやキャラは動かせない。
「くそっ!」
蓮は椅子から立ち上がり、画面をたたく。
「壊れろっ!」
が、どれだけ力をこめても、割れる気配がない。
画面内の蓮は、アクアの前に立ったまま、しびれたように動けない。
アクアは冷静にチェーンソーを蓮の両脚の間に置いた。
そこから上に持ち上げていく。
「や、やめろぉっ!」
股間に迫っていくチェーンソー。
やがて刃がボクサーに包まれた玉に当たる。
画面内ではすでに刃が入ったようで、
ビクンビクンと蓮のキャラが震え始めている。
直後、
「うぎゃああああぁぶぶぶぶっ!」
蓮が自分の股間を見ると、そこが左右に分かれていた。
「い、いやだぁっ!」
だが、その切れ目はどんどん上に上がってくる。
チンコが左右に分離しだした。
「あっ、あぎゅっ、あぷぅっ!!」
蓮は画面と自分の股間を交互に見ながら、変な声を出している。
そして、勃起したチンコは、亀頭まで完全に左右別物になった。
「あぶぶぶべべ……」
下半身は2つになり、そこから血が流れている。
チェーンソーはますます速さを上げ、どんどん上に向かう。
「あっ、あっ、ああうああうああ!」
胸の辺りまで進む。
蓮はちらちらちらちらと画面と交互に自分の身体を見るが、
どうしようもない。
「終わりぃっ!」
一気にアクアがチェーンソーを振り上げ、
画面内の蓮は、左右の身体がまるで別方向に吹っ飛んでいった。
「やめてぇえええべべぶぶべびびぶぶびぶあぶぴぴぴゃっ!」
蓮はビクンと震えた。
蓮の左半身は左に、右半身は右へと倒れていった。
動かない蓮。
左右のチンコが何回かビクリと動いていたが、それもすぐにやんだ。
もともと赤いボクサーだったが、
改めて蓮の血の色に染まり、色の印象がだいぶ変わっていた。
「翔さん、蓮たち来てないっすね」
「たぶんやられたんだろーな」
2人は着替えながら話していた。
「やばいんじゃないっすか、次は俺たち……」
白いシャツに白い短パン。
今日は運動会の予行演習だった。
「翼、しっかりしろよ。
気が弱ってる状態だと付け入られるぞ」
短パンからボクサーやトランクスがはみ出ているが、
ブリーフが見えるくらいならこっちのがいい、
ということでとくに気にしていないのだ。
「お前ら、改心してるか?」
野球部部長の雄太が話しかける。
「誰が改心するか」
翔は雄太の胸を突き、
「邪魔だ」
と出て行った。
翼も後をついていく。
「なあ!」
クラス委員の陸が、2人を追って廊下に出て声をかける。
「あのアクアレンジャーは危険だよ。
イジメはよくないと思ってるけど、
あいつのやってることは、イジメの仕返しとしてはひどすぎる。
協力するから、何とかあいつを遠ざける方法を……」
「なんだ? 俺のことナメてんのか?」
凄みをきかせる翔。
陸は黙ってしまう。
「イイ子ちゃんのクラス委員は引っ込んでろ」
そのまま運動場へと去ってしまう。
全学年が見守る中、6年生の組み体操の練習が終わり、
6年生全員がもといたところへ整列したまま走って帰っていく。
翔と翼もちゃんとそれなりに練習していたが、
やはり反抗心のせいで、退場のときは列からはずれ、
だらだらと帰っている。
「翔! 翼! ちゃんとしないか!」
体育の教師が怒っている。
休憩時間になると、全学年が同時に遊びだして、
運動場がたいへんなことになった。
教師たちは校舎のなかへ帰っていた。
翔たちは、グラウンドの中央で座って話していたが、
ふと気づくと、周りには誰もいなかった。
全学年の全員が、運動場の中心を避け、
離れたところからそこを見ていた。
「なんだ?」
翔と翼が互いに見合わせていたが、ふと横を見ると、
ハーフのような顔立ちで端正な、同じくらいの年齢の少年が、
競パン1枚の格好で立っていた。
「アクアレンジャー……」
翼が呟く。
2人はすぐさま立ち上がり、構える。
「来たなアクアレンジャー」
「今日の敵は君たちだ!」
アクアが2人を指差すと、2人の服が弾ける。
ピンク色のトランクス1枚になる翔、
黒色のボクサーブリーフ1枚になる翼。
「くっそ!」
翔はトランクスのゴムのところに挟んであったものを手に取る。
ナイフだ。
「うぜーんだよ!」
それを振りかざし、アクアに襲い掛かる。
「あぁっ!?」
アクアはそれを予想していなかったらしく、
ギリギリのところで避ける。
「あっぶねぇ」
アクアは右手に電気マッサージ器を構える。
「どうやら君から死にたいらしいな」
しかし翔は、それを使う前に、アクアに斬り掛かる。
「死ねや!」
が、
「危険だね」
と言って、アクアは軽く翔のナイフを取り上げる。
「え?」
呆然と立ち止まるだけの翔。
「翔さん危ないっ!」
翼が叫ぶが、翔は理解できていない。
アクアはそのナイフを翔の右肩に当てる。
「ナイフを使えないようにしないとな」
その言葉の意味を察知した翔。
「や、やめっ……」
さっくりとナイフが肩に入る。
「うあああああああ!」
「おお、切れる切れる」
笑いながら切断していくアクア。
そのセリフだと軽く切っているように聞こえるが、
実際にはゴリゴリという音が響いている。
「ぎゃあああああううう!」
骨にナイフが入るたびに、
翔の身体は揺らされ、激痛が走る。
「やっ、やめっ、やぶぇっ!!」
左手を伸ばし、アクアを止めようとするが、
「終わりっ!」
どさっ!
翔の右腕が落ちる。
「うっ、あああああぎゃあああああぶぶああっ!」
翔の身体も倒れる。
「お、おお、俺の右腕……うぐっ、うぎゅううっ」
左腕で右の傷口を押さえながら、翔は泣きそうになって、
落ちた右腕を見ている。
しかしすぐにもとの顔つきに戻り、
「くっそてめぇっ!」
立ち上がろうとするが、
「もうちょっと寝てろっ」
アクアは電気マッサージ器を翔の股間に当てる。
「んあああああっ!」
また叫び声をあげる翔。
今度は痛みでなく、快感のせいだ。
「あっ、あっ、あああうあんっ!!」
が、さっきの痛みのせいで、
不良な感じをキープしているのが難しくなったのか、
予想外の声が出てしまう。
「ああうああんっ! はあっ! ああうあんっ!!」
腰をビクンビクンと動かしてしまう。
すぐさま膨らむ翔のトランクス。
『あいつ、あんな声、出してる』
『いつも不良っぽくキメてんのにな』
遠巻きに囲んでいる児童たちから声が漏れている。
(お、俺、そんなやつじゃねぇのにっ!)
顔が赤くなっていくのがわかる。
「あ、全校児童に見られて興奮してるのかな?」
意地悪そうに質問するアクア。
(う、あ、そうだ、全校に……あ)
「ああうああんっ! はっ! はうんっ!!」
ジワリとピンク色のトランクスにガマン汁が染みたかと思うと、
「あうはううんっ! だ、だめっ! あうっ!!」
(お、俺、なに「だめっ!」なんて言ってんだっ!)
自分の声に突っ込みながら、その股間は、
ぴゅるううっ!!
射精した。
トランクスの下でチンコがビクンビクンと何度も震えている。
「あ、う……」
血まみれで地面にのたうち回りながら射精しているという変な光景。
「ちょっと待ってろ」
アクアが翼のほうに向かう。
「で、お前は抵抗するの?」
電マとナイフを見せながら尋ねるアクア。
「い、いいえ、俺は……」
アクアはニヤつきながら、
「いい子だなー」
と、突然電マを股間に当てる。
「んなあああああっ!!」
黒のボクサーが勃起していく。
「おらおら」
笑いながら、亀頭辺りで電マをグリグリと動かす。
「はっ、はぁう、はぁうえええ!」
それに合わせて腰を動かしてしまう翼。
全校児童はそれを見ながら呆気にとられたり、
互いにヒソヒソしゃべったりしている。
(い、嫌だ。俺は翔みたいに、全児童の前で射精なんかっ!)
決意するもむなしく、
「うう、ひゃあぁあんっ! あっ、あっ!」
ググッと腰を突き出すような格好になる。
アクアは電マを離すが、すでに中止するには遅い。
何も電マも当てられていない状態で、校庭のド真ん中、
腰を突き出した格好で、
ぴゅるううっ!
翼は射精した。
黒のボクサーから精液が染み出す。
「精液出てるよ」
アクアが耳打ちすると、恥ずかしいのに、というか、
恥ずかしいせいで、ビクリとチンコがパンツの中で動いた。
「じゃ、最後のトドメのお仕置きだ」
いつものチェーンソーが出てくる。
薄い刃のチェーンソー。
何でもスパスパと切れる。
「お、俺は反省するっ!」
翼が土下座する。
曲げた身体の内側では、まだボクサーの中に射精し続けていた。
「翼、なにやってんだよ。
俺がここまでひでぇ目に遭ってんだ。
お前が何もなしで引っ込む気か?」
翼をけしかけようとする翔。
さっき変な声をあげながら射精した翔は、意識的に、
恥ずかしさを打ち消すように口調をいつものに戻していた。
地面に倒れたまま、腕の切り口を押さえている。
股間はまだ勃起していた。
「あ……うう……」
翔にはさからえず、土下座の格好から戻る。
立ち上がり、両手を拳の形にして構える。
ニヤリと笑うアクア。
「翼、いいこと教えてやろうか」
「い、いいことって何だよっ!?」
翼は警戒している。
何かの罠だったら、やられてしまうのは翼だ。
「そうビビらないで。いいことってのは……」
そう言うと、アクアレンジャーの姿が消える。
「!?」
驚く翔と翼。
「いったいどこだ!?」
翼が周りを見回していると、
「ここだ」
翔の目の前に現れる。
「あ……あ……」
あまりのことで動けない翔。
アクアがチェーンソーを軽く振る。
「あ、う……はん、なんだよ!」
翔が笑う。
「なんともねーじゃん」
ファサッと落ちる何か。
トランクスが4つ、5つに破れて落ちた。
下には白のブリーフ。
「あ!?」
急に焦る翔。
周りを囲んでいる児童たちがヒソヒソと話している。
「前に翔が、勇人に、お前みたいな雑魚は白ブリーフはいてろ、
って言ってんの聞いたことあんぞ……」
「なのに、あいつが白ブリーフ!? だっせぇ」
その言葉は、翔にも届いていた。
「あ、あ……ううう」
泣きそうになる翔。
ただパンツがバレただけだが、
そんなことも気にする年齢の翔にとっては、
耐えづらい屈辱だった。
「だって、ブリーフは勇人たちがはいてるし、
翼たちはボクサーはいてるし、
俺はトランクスはきたいけど、
そのままだと落ち着かないし……うぐぅっ」
運動場の真ん中でぼけっと立ちつくしている。
股間は勃起しているのが明らかにわかるようになり、
白ブリーフには精液が染みていた。
「うぐぅっ、ふぐっ、うううっ、うくっ」
うつむき気味で、しゃくりあげ始める翔。
それでもブリーフの中で勃起したチンコが、
ビクンビクンと震えているのがコッケイだ。
「おい、翔、反省するか?
そうしたら許してやるよ。ははは」
アクアが、ブリーフ一丁になってしまった翔を前に、
笑いながら質問した。
これはやられる直前の合図だ。
冷静な翔なら簡単に理解できていたはずだ。
自分のことをリーダーだと思っている翔は、
自分がやられる前に、翼をけしかけていたはずだ。
が、今は翔は冷静さを完全に失っていた。
「うぐっ、だ、誰がっ!! うあああっ!」
情けなく叫びながら、残った左腕を振り上げて、
アクアに特攻していく。
周りの観客も、あまりの翔のダサさに、
普段は不良で格好いいと思ってたやつらも、
完全に幻滅していた。
「うああああっ!!」
アクアは、
「あーあ、来ちゃった」
と言いながら、チェーンソーを2回振り回した。
ビクンと大きく震え、アクアの目の前まで迫っていた翔は、
静かに立ち止まる。
口を間抜けに開け、呆然とした表情。
ポトリと左腕が落ちる。
ドクドクと両腕の口から血が流れているが、翔は動かない。
翔の身体には赤い線ができていた。
頭のてっぺんから、顔、胸、腹まで。
線は、真下に向かってパンツの中まで伸びていたが、
中がどうなっているのかはわからない。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」
小刻みに声を出す翔。
そのあと、少し笑顔を浮かべる。
「だ、だいじょうぶ……表面だけ。中まで切れてない」
どうやら翔の言うとおりだった。
頭から腹まで伸びる線は、身体をかすめただけで、
そこまで深いものではなかった。
(だいじょうぶ、だいじょうぶ、お、俺、いったんさがって……)
ぶしゅううううう!!!
ブリーフの前開きのあたりに、縦に裂け目ができていた。
勃起したチンコが左右に分かれている。
ハサミの2つの刃のようになっていた。
「え? お!? ああばばばあ!!」
翔は両側から押さえて元に戻そうとするが、すでに両腕はない。
「あっ、あっ、あっ、あううぶぶぶぶぶぶ!!!」
もがけばもがくほど、股間はズレていく。
2本のチンコの先端がブリーフの破れ目から飛び出す。
「う、あう、うぐぐうううっ、あううううぐぐううっ!!!」
力を入れて、腰を動かし、パンツのなかに戻そうとするが、
両方の先端が別々に動くせいで、まったく不可能だ。
「俺がしまってあげる」
アクアが、その右手を翔の股間に近づけようとする。
翔はアクアの手を見ると、
「ひいっ!」
何歩もさがりたい気分になったが、もう身体の自由もきかない。
「それ、やめっ……!」
アクアの右手には、指先に小さなカミソリがいくつも付けられていた。
「遠慮するな。よし!」
アクアは手で翔のチンコをぎゅっとブリーフにしまおうとした。
スパっ! スパっ! スパっ!
「はぎゅぇえええええっ! あぷっ! ぷっ! うぶぶぶっ!」
ぽとぽととバラバラになりながら、チンコが落ちていった。
「うべべべべ、俺のチンゴおおおおお!」
翔はグシャグシャに泣きながら、地面を見て叫ぶ。
「うぎぃ、ふぎぃ!」
痛みに耐えながら、1分以上かけて、3歩さがる。
そこに翼がいた。
「つばさ、助けて」
が、翼は、
「いやだ……」
「俺のぉ、で、手下なんだが、がらっ、おおお、
俺より後までっ、残るなんでっ……」
もはやモッコリのないパンツ姿をくねらせて言い張る翔。
「もうおまえリーダーじゃねぇし、男……なの?
ってか、ただの白ブリーフだし、
もうお前、勇人みたいなザコってことでよくね?」
どんっ!
翼が翔をアクアに向かって押す。
「あっ、つばさ、ひど」
「とどめっ!」
アクアは翔の胴を、真横に切った。
「へぶぶっ!」
左脇腹から衝撃が来る。
「ぶぶぶぶぶっ!」
その衝撃が右へと抜けていく。
「びゅっ!」
翔の上半身は、ぐるぐると回転しながら飛び、
地面に落ちた。
「へぶびゃっ! あびゃ、いい、いでぇえええよぉおおっ!」
のたうち回るうちに、
自分の下半身だけ地面から直立しているのに気づく。
「みんなああ、見ないでででぶぶゆう、
お俺ぶりーふだけどぶぶへぐぐぐう、っちちがう、おれ」
アクアは、足を翔の頭に乗せ、
「あ、や、やめ」
力を加えた。
「やめでぐだぶぶぶえっぶゆあうぶぶべうぶびゃっ!!」
上半身の動きが止まる。
下半身は、ずっと運動場の地面に立ったままだった。
チンコのないブリーフ姿で立っている。
ふだん2人にさからわず、むしろ一緒になって騒いでいたやつら、
つまり蓮と陽一も、もうすぐいなくなりそうな2人に対しては、
かなり挑発的な態度を取っていた。
「翔、翼、やり残したことはないのか?」
蓮は笑っている。
「なんだてめぇえ、なめてんのか!?」
翼が蓮に掴み掛かる。
「もうすぐやられるからって焦ってるんじゃねーの?」
横から陽一が翼をイラつかせる。
「くそ、てめぇも!」
翼は陽一も掴んで殴ろうとする。
「やめとけよ」
翔が翼を止める。
「どうせ俺たちに逆らえなかったバカがいきがってるだけだ」
翔が蓮と陽一を鼻で笑う。
「なんだと!」
今度は蓮がキレる。
「どうせお前は絶対にやられるんだ!」
陽一も翔に吐き捨てる。
翔はその言葉に乗らず、反対に言い返す。
「蓮、陽一、お前らがやられないって保証はあるのか?」
そう言うと、翔は翼を連れて去っていった。
「ああ! むかつく! あの翔のヤロー」
蓮と陽一は、2人で帰宅していた。
「ゲーセンにでも寄ろうぜ!」
「そうだな。ストレス発散しねぇとな」
帰り道にあるゲーセンに寄る。
小学生の下校時間であり、早い時間ということもあって、
怖い中高生たちはまだ来ていない。
「○○ファイターやるか」
蓮が格闘ゲームの台にお金を入れる。
陽一は横でそれを見ていた。
プレイヤーはキャラクターを2人選ぶ。
2人対2人のタッグ戦のゲームなのだ。
対戦中にそのプレイヤーキャラを交代させながら、
うまく相手の2人と戦っていくのだ。
蓮はこういったゲームが上手だった。
あっという間に敵をすべて倒す。
一周終わると、隠しキャラが出てくる。
はてなマークが選択できるようになっていた。
「こんな隠しあったっけ?」
陽一は横から声をかけるが、
蓮は隠しキャラが出たことを喜んでいるばかりだ。
迷わず隠しキャラ2つを選ぶ。
「こ、これ……」
出てきたのは、妙にリアルなキャラ。
蓮にそっくりなやつと、陽一にそっくりなやつだった。
とりあえず蓮にそっくりなキャラが操作できる。
状況に応じて陽一にそっくりなキャラと交代させるというわけだ。
「なんで……?」
相手は2人でなく、1人だった。
「アクアレンジャー」
競パン1枚の少年が対戦相手として現れる。
「落ち着け、ゲームの中だ」
「そうだな」
ゲーム開始。
が、アクアレンジャーにほとんどダメージが当たらない。
一方的に押される蓮。
「あ、ああ……」
蓮は焦っている。
アクアが強いパンチを一発繰り出す。
すると画面内の蓮のキャラが赤いボクサーブリーフ1枚になる。
と同時に、操作していた現実の蓮の服も破れ、
赤いボクサーだけになった。
「えっ!? ああ!?」
手を休めていないものの、驚きで頭がいっぱいになる。
「どどど、どうして!?」
体力が半分くらいになったところで、
画面内のアクアが何かを取り出した。
「武器!?」
アクアがそれを蓮の股間に当てる。
画面内の蓮は震え、股間を勃起させた。
それが股間に当てられている間、キャラが動かせない。
「んっ……あっ……」
ガチャガチャとジョイスティックを動かしながらも、
蓮の身体が少し前かがみになる。
「どうした?」
陽一が蓮を見ると、パンツが膨らんでいた。
「な、なんで……はあうああんっ!!」
ぴゅるっ!
蓮は射精した。
ボクサーに精液が染みる。
蓮のキャラがアクアの技から解放された。
「くっそっ!」
蓮はキャラを蓮自身から陽一に切り替える。
「あっ!」
陽一が声をあげる。
「や、やめろよっ!!」
が、そこまで格闘ゲームの得意でない陽一は、
無理にジョイスティックを奪うわけにもいかない。
しかし、陽一に変えたところで、うまくいくはずはない。
あっという間に体力は削られ、
「んあっ!」
陽一の服も破裂した。
青いボクサーブリーフ1枚になる。
「ちゃんとやれよ蓮!」
「やってるよっ! こいつ強いんだ!」
さらに、蓮のときと同じく、変な武器が股間に当てられた。
「んあああうううあっ!!」
画面の陽一も現実の陽一も、
同じようにパンツの中身が膨張していく。
「くっそっ!」
陽一は、蓮の肩に手を置きながら、腹に力を入れて耐える。
「陽一……お、俺の顔の真横で勃起してんじゃねぇよ!」
「うるせ! お前のせいじゃねーか、蓮。
俺のチンコの方をチラ見してる暇があったら、
ちゃんとゲームに集中しろっ!」
「この技くらってるあいだは、動かせないんだよっ!
あ、お前、なんかパンツ濡れてきて……」
「そ、そんなこと言うなぁああうあうああんっ!!」
ぴゅるっ!!
陽一も射精した。
同じく精液が少し染み出た。
「くっそ!」
再び動けるようになり、戦闘再開。
その後も、どうやってやっても、
アクアにまったくダメージを与えられない。
「う……あうう」
「蓮、しっかりしろ。負けちゃうだろ」
あと一発で陽一のキャラが負けてしまうというとき、
画面内のアクアが武器を取り出した。
今度はよくわからない武器ではなく、チェーンソーだった。
「おい! おい! 蓮、キャラ切り替えろ! 俺がっ!」
蓮は慌ててキャラを切り替える。
体力がまだ半分ほど残っている蓮が出てくる。
チェーンソーを引っ込めるアクアレンジャー。
「陽一、今はお前に言われて反射的に切り替えちゃったけど、
もし切り替えた後の俺のキャラがチェーンソーでやられたら、
どうする気だったんだ!?」
「知るかよ! お前が弱いのが悪いんだ!」
「なんだと!」
蓮が陽一の方を向くと、注意がそれた。
そこを狙うアクアレンジャー。
一瞬で体力が限界まで削られた。
「あ」
チェーンソーが出てくる。
それを振り上げる画面内のアクア。
「うあああああああ!」
蓮は、今度も反射的に、陽一のキャラに切り替えた。
「あっ! バカヤロっ!」
陽一が叫ぶ。
チェーンソーが振り下ろされると、
画面の中で陽一の両腕が飛んだ。
「うぎゃあああああああ!!」
現実の陽一の両腕も飛ぶ。
「あうっ、あうっ……」
血を流し、ぷるぷる震えている。
「蓮、に、逃げでぐれ……」
「もう負けたから、操作できないんだ!」
どれだけ蓮が動かしても、
もはや負けシーンが続いているだけだった。
アクアがさらにチェーンソーを振ると、両脚が消えた。
「えっ、そ、そんなぁああぶああっ!」
画面でそうなった直後、やはり陽一の脚も飛ぶ。
四肢を失って倒れる陽一。
「うぎぃ、ひぎぃ、いっでぇええええぎいいい!」
じたばたもがいている。
“とっどめ~!”
画面からアクアの声がした。
「や、やめでぐで……」
陽一は画面をにらむが、もうどうしようもない。
飛び上がったアクアは、チェーンソーで陽一の胴体を一刀両断した。
「はっびぶぶっぶぎゅうああぶぶべべべっ!!」
陽一がよくわからない声を上げていると、
お腹のところに切れ目が入り、2つに分かれた。
「うぶぶべべぶぶぶぶぶぶぶぶぶっ!」
裸の上半身とボクサー1枚の下半身は、
まるで別の生き物であるかのように、それぞれもがいていた。
顔は苦悶で歪んでいる。
「へぶびゃあああっ!」
口から血を吐き出しながら、上半身の動きが止まる。
下半身ももがきが停止し、しばらく痙攣していたが、
すぐに動かなくなった。
勃起した青のボクサーだけ目立っている。
そこから目が離せなかった蓮だが、
「あっ!」
すぐにゲームのプレイに戻る。
陽一のキャラがいなくなって、自動的に蓮のキャラが戻ってきた。
が、すでに遅い。
トドメのシーンに入っていた。
もはやキャラは動かせない。
「くそっ!」
蓮は椅子から立ち上がり、画面をたたく。
「壊れろっ!」
が、どれだけ力をこめても、割れる気配がない。
画面内の蓮は、アクアの前に立ったまま、しびれたように動けない。
アクアは冷静にチェーンソーを蓮の両脚の間に置いた。
そこから上に持ち上げていく。
「や、やめろぉっ!」
股間に迫っていくチェーンソー。
やがて刃がボクサーに包まれた玉に当たる。
画面内ではすでに刃が入ったようで、
ビクンビクンと蓮のキャラが震え始めている。
直後、
「うぎゃああああぁぶぶぶぶっ!」
蓮が自分の股間を見ると、そこが左右に分かれていた。
「い、いやだぁっ!」
だが、その切れ目はどんどん上に上がってくる。
チンコが左右に分離しだした。
「あっ、あぎゅっ、あぷぅっ!!」
蓮は画面と自分の股間を交互に見ながら、変な声を出している。
そして、勃起したチンコは、亀頭まで完全に左右別物になった。
「あぶぶぶべべ……」
下半身は2つになり、そこから血が流れている。
チェーンソーはますます速さを上げ、どんどん上に向かう。
「あっ、あっ、ああうああうああ!」
胸の辺りまで進む。
蓮はちらちらちらちらと画面と交互に自分の身体を見るが、
どうしようもない。
「終わりぃっ!」
一気にアクアがチェーンソーを振り上げ、
画面内の蓮は、左右の身体がまるで別方向に吹っ飛んでいった。
「やめてぇえええべべぶぶべびびぶぶびぶあぶぴぴぴゃっ!」
蓮はビクンと震えた。
蓮の左半身は左に、右半身は右へと倒れていった。
動かない蓮。
左右のチンコが何回かビクリと動いていたが、それもすぐにやんだ。
もともと赤いボクサーだったが、
改めて蓮の血の色に染まり、色の印象がだいぶ変わっていた。
「翔さん、蓮たち来てないっすね」
「たぶんやられたんだろーな」
2人は着替えながら話していた。
「やばいんじゃないっすか、次は俺たち……」
白いシャツに白い短パン。
今日は運動会の予行演習だった。
「翼、しっかりしろよ。
気が弱ってる状態だと付け入られるぞ」
短パンからボクサーやトランクスがはみ出ているが、
ブリーフが見えるくらいならこっちのがいい、
ということでとくに気にしていないのだ。
「お前ら、改心してるか?」
野球部部長の雄太が話しかける。
「誰が改心するか」
翔は雄太の胸を突き、
「邪魔だ」
と出て行った。
翼も後をついていく。
「なあ!」
クラス委員の陸が、2人を追って廊下に出て声をかける。
「あのアクアレンジャーは危険だよ。
イジメはよくないと思ってるけど、
あいつのやってることは、イジメの仕返しとしてはひどすぎる。
協力するから、何とかあいつを遠ざける方法を……」
「なんだ? 俺のことナメてんのか?」
凄みをきかせる翔。
陸は黙ってしまう。
「イイ子ちゃんのクラス委員は引っ込んでろ」
そのまま運動場へと去ってしまう。
全学年が見守る中、6年生の組み体操の練習が終わり、
6年生全員がもといたところへ整列したまま走って帰っていく。
翔と翼もちゃんとそれなりに練習していたが、
やはり反抗心のせいで、退場のときは列からはずれ、
だらだらと帰っている。
「翔! 翼! ちゃんとしないか!」
体育の教師が怒っている。
休憩時間になると、全学年が同時に遊びだして、
運動場がたいへんなことになった。
教師たちは校舎のなかへ帰っていた。
翔たちは、グラウンドの中央で座って話していたが、
ふと気づくと、周りには誰もいなかった。
全学年の全員が、運動場の中心を避け、
離れたところからそこを見ていた。
「なんだ?」
翔と翼が互いに見合わせていたが、ふと横を見ると、
ハーフのような顔立ちで端正な、同じくらいの年齢の少年が、
競パン1枚の格好で立っていた。
「アクアレンジャー……」
翼が呟く。
2人はすぐさま立ち上がり、構える。
「来たなアクアレンジャー」
「今日の敵は君たちだ!」
アクアが2人を指差すと、2人の服が弾ける。
ピンク色のトランクス1枚になる翔、
黒色のボクサーブリーフ1枚になる翼。
「くっそ!」
翔はトランクスのゴムのところに挟んであったものを手に取る。
ナイフだ。
「うぜーんだよ!」
それを振りかざし、アクアに襲い掛かる。
「あぁっ!?」
アクアはそれを予想していなかったらしく、
ギリギリのところで避ける。
「あっぶねぇ」
アクアは右手に電気マッサージ器を構える。
「どうやら君から死にたいらしいな」
しかし翔は、それを使う前に、アクアに斬り掛かる。
「死ねや!」
が、
「危険だね」
と言って、アクアは軽く翔のナイフを取り上げる。
「え?」
呆然と立ち止まるだけの翔。
「翔さん危ないっ!」
翼が叫ぶが、翔は理解できていない。
アクアはそのナイフを翔の右肩に当てる。
「ナイフを使えないようにしないとな」
その言葉の意味を察知した翔。
「や、やめっ……」
さっくりとナイフが肩に入る。
「うあああああああ!」
「おお、切れる切れる」
笑いながら切断していくアクア。
そのセリフだと軽く切っているように聞こえるが、
実際にはゴリゴリという音が響いている。
「ぎゃあああああううう!」
骨にナイフが入るたびに、
翔の身体は揺らされ、激痛が走る。
「やっ、やめっ、やぶぇっ!!」
左手を伸ばし、アクアを止めようとするが、
「終わりっ!」
どさっ!
翔の右腕が落ちる。
「うっ、あああああぎゃあああああぶぶああっ!」
翔の身体も倒れる。
「お、おお、俺の右腕……うぐっ、うぎゅううっ」
左腕で右の傷口を押さえながら、翔は泣きそうになって、
落ちた右腕を見ている。
しかしすぐにもとの顔つきに戻り、
「くっそてめぇっ!」
立ち上がろうとするが、
「もうちょっと寝てろっ」
アクアは電気マッサージ器を翔の股間に当てる。
「んあああああっ!」
また叫び声をあげる翔。
今度は痛みでなく、快感のせいだ。
「あっ、あっ、あああうあんっ!!」
が、さっきの痛みのせいで、
不良な感じをキープしているのが難しくなったのか、
予想外の声が出てしまう。
「ああうああんっ! はあっ! ああうあんっ!!」
腰をビクンビクンと動かしてしまう。
すぐさま膨らむ翔のトランクス。
『あいつ、あんな声、出してる』
『いつも不良っぽくキメてんのにな』
遠巻きに囲んでいる児童たちから声が漏れている。
(お、俺、そんなやつじゃねぇのにっ!)
顔が赤くなっていくのがわかる。
「あ、全校児童に見られて興奮してるのかな?」
意地悪そうに質問するアクア。
(う、あ、そうだ、全校に……あ)
「ああうああんっ! はっ! はうんっ!!」
ジワリとピンク色のトランクスにガマン汁が染みたかと思うと、
「あうはううんっ! だ、だめっ! あうっ!!」
(お、俺、なに「だめっ!」なんて言ってんだっ!)
自分の声に突っ込みながら、その股間は、
ぴゅるううっ!!
射精した。
トランクスの下でチンコがビクンビクンと何度も震えている。
「あ、う……」
血まみれで地面にのたうち回りながら射精しているという変な光景。
「ちょっと待ってろ」
アクアが翼のほうに向かう。
「で、お前は抵抗するの?」
電マとナイフを見せながら尋ねるアクア。
「い、いいえ、俺は……」
アクアはニヤつきながら、
「いい子だなー」
と、突然電マを股間に当てる。
「んなあああああっ!!」
黒のボクサーが勃起していく。
「おらおら」
笑いながら、亀頭辺りで電マをグリグリと動かす。
「はっ、はぁう、はぁうえええ!」
それに合わせて腰を動かしてしまう翼。
全校児童はそれを見ながら呆気にとられたり、
互いにヒソヒソしゃべったりしている。
(い、嫌だ。俺は翔みたいに、全児童の前で射精なんかっ!)
決意するもむなしく、
「うう、ひゃあぁあんっ! あっ、あっ!」
ググッと腰を突き出すような格好になる。
アクアは電マを離すが、すでに中止するには遅い。
何も電マも当てられていない状態で、校庭のド真ん中、
腰を突き出した格好で、
ぴゅるううっ!
翼は射精した。
黒のボクサーから精液が染み出す。
「精液出てるよ」
アクアが耳打ちすると、恥ずかしいのに、というか、
恥ずかしいせいで、ビクリとチンコがパンツの中で動いた。
「じゃ、最後のトドメのお仕置きだ」
いつものチェーンソーが出てくる。
薄い刃のチェーンソー。
何でもスパスパと切れる。
「お、俺は反省するっ!」
翼が土下座する。
曲げた身体の内側では、まだボクサーの中に射精し続けていた。
「翼、なにやってんだよ。
俺がここまでひでぇ目に遭ってんだ。
お前が何もなしで引っ込む気か?」
翼をけしかけようとする翔。
さっき変な声をあげながら射精した翔は、意識的に、
恥ずかしさを打ち消すように口調をいつものに戻していた。
地面に倒れたまま、腕の切り口を押さえている。
股間はまだ勃起していた。
「あ……うう……」
翔にはさからえず、土下座の格好から戻る。
立ち上がり、両手を拳の形にして構える。
ニヤリと笑うアクア。
「翼、いいこと教えてやろうか」
「い、いいことって何だよっ!?」
翼は警戒している。
何かの罠だったら、やられてしまうのは翼だ。
「そうビビらないで。いいことってのは……」
そう言うと、アクアレンジャーの姿が消える。
「!?」
驚く翔と翼。
「いったいどこだ!?」
翼が周りを見回していると、
「ここだ」
翔の目の前に現れる。
「あ……あ……」
あまりのことで動けない翔。
アクアがチェーンソーを軽く振る。
「あ、う……はん、なんだよ!」
翔が笑う。
「なんともねーじゃん」
ファサッと落ちる何か。
トランクスが4つ、5つに破れて落ちた。
下には白のブリーフ。
「あ!?」
急に焦る翔。
周りを囲んでいる児童たちがヒソヒソと話している。
「前に翔が、勇人に、お前みたいな雑魚は白ブリーフはいてろ、
って言ってんの聞いたことあんぞ……」
「なのに、あいつが白ブリーフ!? だっせぇ」
その言葉は、翔にも届いていた。
「あ、あ……ううう」
泣きそうになる翔。
ただパンツがバレただけだが、
そんなことも気にする年齢の翔にとっては、
耐えづらい屈辱だった。
「だって、ブリーフは勇人たちがはいてるし、
翼たちはボクサーはいてるし、
俺はトランクスはきたいけど、
そのままだと落ち着かないし……うぐぅっ」
運動場の真ん中でぼけっと立ちつくしている。
股間は勃起しているのが明らかにわかるようになり、
白ブリーフには精液が染みていた。
「うぐぅっ、ふぐっ、うううっ、うくっ」
うつむき気味で、しゃくりあげ始める翔。
それでもブリーフの中で勃起したチンコが、
ビクンビクンと震えているのがコッケイだ。
「おい、翔、反省するか?
そうしたら許してやるよ。ははは」
アクアが、ブリーフ一丁になってしまった翔を前に、
笑いながら質問した。
これはやられる直前の合図だ。
冷静な翔なら簡単に理解できていたはずだ。
自分のことをリーダーだと思っている翔は、
自分がやられる前に、翼をけしかけていたはずだ。
が、今は翔は冷静さを完全に失っていた。
「うぐっ、だ、誰がっ!! うあああっ!」
情けなく叫びながら、残った左腕を振り上げて、
アクアに特攻していく。
周りの観客も、あまりの翔のダサさに、
普段は不良で格好いいと思ってたやつらも、
完全に幻滅していた。
「うああああっ!!」
アクアは、
「あーあ、来ちゃった」
と言いながら、チェーンソーを2回振り回した。
ビクンと大きく震え、アクアの目の前まで迫っていた翔は、
静かに立ち止まる。
口を間抜けに開け、呆然とした表情。
ポトリと左腕が落ちる。
ドクドクと両腕の口から血が流れているが、翔は動かない。
翔の身体には赤い線ができていた。
頭のてっぺんから、顔、胸、腹まで。
線は、真下に向かってパンツの中まで伸びていたが、
中がどうなっているのかはわからない。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」
小刻みに声を出す翔。
そのあと、少し笑顔を浮かべる。
「だ、だいじょうぶ……表面だけ。中まで切れてない」
どうやら翔の言うとおりだった。
頭から腹まで伸びる線は、身体をかすめただけで、
そこまで深いものではなかった。
(だいじょうぶ、だいじょうぶ、お、俺、いったんさがって……)
ぶしゅううううう!!!
ブリーフの前開きのあたりに、縦に裂け目ができていた。
勃起したチンコが左右に分かれている。
ハサミの2つの刃のようになっていた。
「え? お!? ああばばばあ!!」
翔は両側から押さえて元に戻そうとするが、すでに両腕はない。
「あっ、あっ、あっ、あううぶぶぶぶぶぶ!!!」
もがけばもがくほど、股間はズレていく。
2本のチンコの先端がブリーフの破れ目から飛び出す。
「う、あう、うぐぐうううっ、あううううぐぐううっ!!!」
力を入れて、腰を動かし、パンツのなかに戻そうとするが、
両方の先端が別々に動くせいで、まったく不可能だ。
「俺がしまってあげる」
アクアが、その右手を翔の股間に近づけようとする。
翔はアクアの手を見ると、
「ひいっ!」
何歩もさがりたい気分になったが、もう身体の自由もきかない。
「それ、やめっ……!」
アクアの右手には、指先に小さなカミソリがいくつも付けられていた。
「遠慮するな。よし!」
アクアは手で翔のチンコをぎゅっとブリーフにしまおうとした。
スパっ! スパっ! スパっ!
「はぎゅぇえええええっ! あぷっ! ぷっ! うぶぶぶっ!」
ぽとぽととバラバラになりながら、チンコが落ちていった。
「うべべべべ、俺のチンゴおおおおお!」
翔はグシャグシャに泣きながら、地面を見て叫ぶ。
「うぎぃ、ふぎぃ!」
痛みに耐えながら、1分以上かけて、3歩さがる。
そこに翼がいた。
「つばさ、助けて」
が、翼は、
「いやだ……」
「俺のぉ、で、手下なんだが、がらっ、おおお、
俺より後までっ、残るなんでっ……」
もはやモッコリのないパンツ姿をくねらせて言い張る翔。
「もうおまえリーダーじゃねぇし、男……なの?
ってか、ただの白ブリーフだし、
もうお前、勇人みたいなザコってことでよくね?」
どんっ!
翼が翔をアクアに向かって押す。
「あっ、つばさ、ひど」
「とどめっ!」
アクアは翔の胴を、真横に切った。
「へぶぶっ!」
左脇腹から衝撃が来る。
「ぶぶぶぶぶっ!」
その衝撃が右へと抜けていく。
「びゅっ!」
翔の上半身は、ぐるぐると回転しながら飛び、
地面に落ちた。
「へぶびゃっ! あびゃ、いい、いでぇえええよぉおおっ!」
のたうち回るうちに、
自分の下半身だけ地面から直立しているのに気づく。
「みんなああ、見ないでででぶぶゆう、
お俺ぶりーふだけどぶぶへぐぐぐう、っちちがう、おれ」
アクアは、足を翔の頭に乗せ、
「あ、や、やめ」
力を加えた。
「やめでぐだぶぶぶえっぶゆあうぶぶべうぶびゃっ!!」
上半身の動きが止まる。
下半身は、ずっと運動場の地面に立ったままだった。
チンコのないブリーフ姿で立っている。
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